JP2002085538A - 脱臭剤及び該脱臭剤を用いた脱臭フィルター材 - Google Patents

脱臭剤及び該脱臭剤を用いた脱臭フィルター材

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JP2002085538A JP2000287198A JP2000287198A JP2002085538A JP 2002085538 A JP2002085538 A JP 2002085538A JP 2000287198 A JP2000287198 A JP 2000287198A JP 2000287198 A JP2000287198 A JP 2000287198A JP 2002085538 A JP2002085538 A JP 2002085538A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質体の物理的吸着性能を損なわず、アセ
トアルデヒドや硫化水素のような極性ガスに対しても高
い脱臭性能を発揮することが可能な脱臭剤を得る。 【解決手段】 アルカリ土類金属又はアルカリ金属を含
む炭酸塩に不斉炭酸原子を1個以上持つ有機酸を作用さ
せた添着剤を、多孔質体に担持させてなることを特徴と
する脱臭剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質体の物理的
吸着性能では除去することが困難なアルデヒド類や塩基
性ガス(アンモニアやアミン類など)及び酸性ガス(硫
化水素や低級脂肪酸など)についての除去性能を向上さ
せることが可能であり、車室内に外気を導入する際の空
気清浄フィルターやクリーンルーム用の微量ガス成分を
除去するためのフィルター、燃料電池用に酸素を供給す
る際の空気清浄フィルター、家庭用又は業務用の空気清
浄フィルター、エアーコンディショナー用の空気清浄フ
ィルター等、広範な用途に適用し得る脱臭剤、及び該脱
臭剤を用いた脱臭フィルター材に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】脱臭フ
ィルターは、上記のように様々な用途に利用されてお
り、脱臭フィルター用の吸着剤についても化学物質の添
着による化学反応によって脱臭性能を付与向上させる試
みが種々行われている。なかでも、アルデヒド類につい
ては後述する理由からその対策が切望されているが、こ
れらの分子は比較的分子量や沸点が低いことや極性基を
有していることなどから多孔質体による物理的吸着作用
では除去し難く、このため従来、多孔質体にアミン化合
物を添着せしめることによりアミン化合物中のアミノ基
と対象ガス中のアルデヒド基を脱水縮合反応にて除去す
る試みが行われている。
【0003】ここで、アルデヒド類の環境汚染の現状に
ついては、合成建材や壁紙用の接着剤として用いられて
いるユリア樹脂接着剤、メラミン・ユリア共縮合樹脂接
着剤、フェノール樹脂接着剤、メラミン・フェノール樹
脂接着剤等の接着剤中に含まれるホルムアルデヒドが空
気中に拡散し化学物質過敏症の原因になったりしている
ことで知られている。また、タバコのガス中やディーゼ
ル車の排ガス中にはアセトアルデヒドが含まれており家
庭用空気清浄器の脱臭性能規格である日本電気工業規格
(JEMA)のJEM146に規定の脱臭性能評価基準
でも、アセトアルデヒドが評価基準の一つとして挙げら
れている。
【0004】従来、アルデヒド類の除去を目的とした具
体的技術としては、アニリン添着によりアルデヒド類に
対する吸着性能を向上させる方法が提案されている(特
開昭56−63744号公報)。また、特開平10−7
1193号公報、特開平10−99418号公報、特開
平5−23588号公報などには、芳香環にアミノ基と
酸性官能基を有する芳香族酸アミン化合物や芳香族アミ
ノカルボン酸を添着することも開示されている。また、
アルデヒド類とアンモニアを同時に吸着する技術として
特開平7−136502号公報も挙げられる。
【0005】しかしながら、タバコの臭気やディーゼル
車の排ガス臭等の燃焼に伴う臭気対策には、燃焼に伴っ
て生じる広範な無極性炭化水素類の除去が重要であり、
多孔質体の持つ物理的吸着も重要である。このため、ア
セトアルデヒドやアンモニアなどのある種の極性ガスの
みを化学的に吸着除去する方策は、必ずしも実質的な臭
気対策には繋がらず、臭気対策においては存在する広範
な臭気成分をバランスよく除去することが肝要である。
【0006】一方、塩基性ガスや酸性ガスについては、
酸性や塩基性を示す化学物質を多孔質体に予め添着せし
めることにより、塩酸基の中和反応にてその除去性能を
高めることが知られている。
【0007】しかしながら、これらの技術を組み合わせ
ても、アセトアルデヒドや硫化水素などの極性ガスから
無極性炭化水素類までの広範な臭気成分に対して良好な
吸着性能を有する脱臭剤を得ることは困難である。即
ち、特開平5−23588号公報、特開平7−1365
02号公報、特開平10−71193号公報、特開平1
0−99418号公報で添着剤として用いられているア
ミノベンゼンスルホン酸やアミノ安息香酸は、いずれも
芳香族アミンの芳香環に酸性官能基を直接結合させた化
合物であるが、これらの化合物は、その酸性官能基をプ
ロトン型で使用した場合には良好なアルデヒド吸着性を
示すものの、塩基性物質との接触により急激にアルデヒ
ドの吸着性能が失われるという欠点があり、このため下
記用途には相応しくなく、この技術はその用途が制限さ
れることとなる。
【0008】タバコやディーゼル排ガス中の臭気をはじ
めとする様々な臭気は、通常、複数のガス成分からなる
複合臭の形で存在していることが知られている。このよ
うに複数のガスが同時に存在した場合、個々の臭気の閾
値や臭気同士の相乗作用、相殺作用が複雑に絡み合っ
て、官能臭に影響を与えるため、化学脱臭剤のように特
定のガス成分にしか脱臭性能を示さないような選択的脱
臭剤ではかえって異臭を誘発する結果に繋がる場合が多
い。よって、効果的な脱臭剤とは広範な臭気に対応でき
る物理的吸着性能を損なうことなく、かつ目的に合わせ
てアルデヒド類などの極性ガスに対しての脱臭性能を向
上させた脱臭剤であるといえる。
【0009】例えば、自動車の車室内に外気を取り込む
際に用いられるキャビンフィルターについては、アンモ
ニアのような閾値の高い塩基性ガスは臭気の原因に繋が
らないが、自動車排ガス中に含まれる硫黄系ガスは臭気
の原因に繋がることが考えられるため、これら酸性ガス
とアセトアルデヒド、無極性炭化水素に対する除去性能
が高い脱臭剤が望まれる。
【0010】また、地球温暖化対策技術として期待され
ている燃料電池の分野においても、同様に硫黄系ガスの
除去は重要な技術になっている。例えば、比較的低温で
作動し小型軽量設計の可能な固体高分子型燃料電池で
は、カーボンの電極材や高分子電解質膜(イオン交換
膜)に高分散されたPt合金などの貴金属触媒が用いら
れているが、これら触媒は被毒により電池の性能に多大
な影響を及ぼすため被毒対策が重要な課題の一になって
おり、特に自動車用の固体高分子燃料電池についてはこ
れは深刻な問題である。なぜならば、工業地帯や火山活
動の活発な地域では、大気中に触媒被毒の原因になる硫
黄系ガスが多量に含まれるため、空気中の酸素を取り込
むカソード側においては空気中に存在する硫化物が致命
的な結果をもたらすこととなる。このため、硫化物の除
去性能が高いフィルターが必要になってくる。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、多孔質体の物理的吸着性能を損なわず、アセトアル
デヒドや硫化水素のような極性ガスにおいても高い脱臭
性能を付与することが可能で、燃料電池のフィルターや
自動車のキャビンフィルター、各種空気清浄器用のフィ
ルターなど、広範な用途への適用が可能な脱臭剤、及び
該脱臭剤を用いた脱臭フィルター材を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、アルカリ土類金属やアルカリ金属を含む炭酸塩に、
不斉炭素原子を1個以上持つ有機酸を作用させ、これを
多孔質体に担持させることで、多孔質体の持つ物理的吸
着性能を維持しつつ、アルデヒド類や硫化物の除去性能
を効果的に向上させた脱臭剤を得ることができ、この脱
臭剤を通気性基材に固着させた脱臭フィルター材は、広
範な臭気成分に対して良好な脱臭性能を有し、種々用途
に好適に適用し得ることを見出し、本発明を完成したも
のである。
【0013】従って、本発明は、アルカリ土類金属又は
アルカリ金属を含む炭酸塩に不斉炭酸原子を1個以上持
つ有機酸を作用させた添着剤を、多孔質体に担持させて
なることを特徴とする脱臭剤、及び、該脱臭剤を通気性
基材に固着してなることを特徴とする脱臭フィルター材
を提供する。
【0014】なお、本発明でいう「脱臭」とは、必ずし
も臭気成分のみの除去をいうものではなく、臭気成分以
外のガス成分を除去することを含むものである。
【0015】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の脱臭剤は、上記のように、アルカリ土類金属や
アルカリ金属を含む炭酸塩に不斉炭素原子を1個以上持
つ有機酸を作用させた添着剤を、多孔質体に添着したも
のである。
【0016】上記多孔質体としては、その種類や形状に
制限はなく、用途等に応じて公知のものを用いることが
でき、例えば、椰子殻活性炭、石油ピッチ系球状活性
炭、活性炭繊維、木質系活性炭、天然ゼオライト、各種
合成ゼオライト、珪藻土、シリカ、アルミナゲル系吸着
材、セピオライトなどが例示され、これらの1種又は2
種以上を用いることができる。また、多孔質体の形状と
しては、破砕状、粉末状、ビーズ状、ペレット状などが
挙げられる。なお、特に制限されるものではないが、椰
子殻活性炭、石油ピッチ系球状活性炭、活性炭繊維、木
質系活性炭等の活性炭系多孔質体が、吸着比表面積が非
常に高いことから特に好ましく用いられる。
【0017】本発明では、アルカリ土類金属又はアルカ
リ金属を含む炭酸塩に不斉炭素原子を1個以上持つ有機
酸を作用させたものを、上記多孔質体に添着させたもの
である。この場合、上記アルカリ土類金属又はアルカリ
金属を含む炭酸塩としては、特に制限されるものではな
いが、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、BaCO3
MgCO3、Li2CO3などが例示され、これらの1種
又は2種以上を用いることができるが、特に水への溶解
性や加工性、原料コストなどの面からNaCO 3が好ま
しく用いられる。
【0018】また、上記不斉炭素原子を1個以上持つ有
機酸も特に制限はなく、リンゴ酸や酒石酸などを用いる
ことができる。この場合、リンゴ酸に関してはD体、L
体、ラセミ体(DL体)の3種が知られいてるおり、こ
れらのいずれを用いてもよいが、特にDL−リンゴ酸は
光学不活性のためより良い効果が期待できる。酒石酸に
関しても同様にD体、L体、ラセミ体(DL体)、立体
異性体であるメソ酒石酸などがあり、いずれものも好適
に用いられるが、特に光学不活性のメソ酒石酸は、より
良い効果が期待できる。
【0019】本発明の脱臭剤は、上記アルカリ土類金属
又はアルカリ金属を含む炭酸塩に上記不斉炭素原子を1
個以上持つ有機酸を作用させた添着剤を用いるものであ
り、上記炭酸塩と上記有機酸とを混合して上記多孔質体
に添着させればよい。この場合、上記アルカリ土類金属
又はアルカリ金属を含む炭酸塩と、上記不斉炭素原子を
1個以上持つ有機酸との混合割合は、特に制限されるも
のではないが、上記有機酸1モルに対して上記炭酸塩が
0.1〜20モル、特に0.5〜10モルとすることが
好ましい。この場合、上記炭酸塩が上記有機酸1モルに
対して0.1モル未満であると、吸着剤(脱臭剤)の表
面が酸性にシフトするため対称ガスが塩基性の場合には
効果的だが酸性ガスの場合は非効果的となり、逆に20
モルを超えると吸着剤(脱臭剤)の表面が塩基性にシフ
トするため対称ガスが酸性の場合には効果的だが塩基性
ガスの場合は非効果的となる。なお、アセトアルデヒド
の吸着性能については、上記有機酸1モルに対して上記
炭酸塩が0.1〜20モルの範囲で、良好な向上効果が
得られるものである。
【0020】上記炭酸塩と上記有機酸との混合割合は、
上記範囲において広範な臭気ガスに対して良好な脱臭性
能が得られるものであるが、用途等に応じて特定の臭気
成分に対する脱臭能力を特異的に向上させる必要がある
場合には、対象ガスにより上記混合割合の好適範囲が若
干異なる。例えば、アンモニアガス等の塩基性ガスの除
去を重要視する場合には、上記有機酸1モルに対して上
記炭酸塩を0.1〜0.5モル、特に0.1〜0.25
モルとすることが好ましく、ベンゼン等の無極性炭化水
素類の除去を重要視する場合には、上記有機酸1モルに
対して上記炭酸塩を2〜10モル、特に5〜10モルと
することが好ましく、アルデヒド類の除去を重要視する
場合には、上記有機酸1モルに対して上記炭酸塩を1〜
10モル、特に8〜9モルとすることが好ましく、硫化
水素等の酸性ガスの除去を重要視する場合には、上記有
機酸1モルに対して上記炭酸塩を3〜20モル、特に5
〜10モルとすることが好ましい。
【0021】本発明の脱臭剤は、上記炭酸塩と上記有機
酸とからなる添着剤を上記多孔質体に添着させたもので
あるが、この場合の添着量は対象臭気への対応のさせ方
や多孔質体の選択により適宜選定され、特に制限される
ものではないが、多孔質体の物理的吸着性能を損なわな
いように添着させる必要があるため、通常は多孔質体に
添着させた状態の脱臭剤全体の0.1〜50重量%、特
に5〜20重量%とすることが好ましい。この場合、添
着量が0.1重量%未満であると、多孔質体の物理的吸
着性能への影響は少ないものの目的とするアセトアルデ
ヒドや硫化水素の除去性能向上効果が不十分となる場合
があり、一方50重量%を超えると多孔質体のガス吸着
細孔が塞がれて、物理的吸着性能に影響を及ぼし、選択
的脱臭性能が顕著になって広範なガスに対する適用が不
十分になる場合がある。
【0022】上記炭酸塩と上記有機酸とを多孔質体に担
持させる方法に特に制限はなく、上記炭酸塩と上記有機
酸とを適宜割合で混合溶解した水溶液を用いて、スプレ
ー担持法、溶液浸漬担持法などの公知の方法により行う
ことができる。特に、溶液浸漬担持法は、多孔質体に均
一に担持させることができることから、特に好ましく用
いられる。
【0023】本発明の脱臭剤は、適宜なバインダーを用
いて成形したり、そのまま適宜な容器等に収容して用い
ることができ、また通気性基材に固着させてフィルター
とすることにより、極めて高性能な脱臭フィルター材と
して使用することができる。
【0024】上記脱臭フィルター材を構成する場合に用
いられる上記通気性基材としては、従来から脱臭フィル
ターの基材として公知のものを用いることができ、例え
ば紙やアルミ箔をベース材料としたハニカム構造体、各
種樹脂ネット、各種の不織布、、通気性を有するのフィ
ルム類、三次元網状骨格構造のセラミック、セル膜のな
い三次元網状骨格を有するポリウレタンフォームなどを
用いることができる。特にセル膜のない三次元網状骨格
を有するポリウレタンフォームの骨格やこれをベースと
し泥漿を浸漬、含浸、乾燥、焼成してなるセラミックフ
ォームの骨格に上記脱臭剤を固着させることにより、非
常に高性能な脱臭フィルターを得ることができる。な
お、上記ポリウレタンフォームとしては、例えば(株)
ブリヂストン社製の「HR−06〜HR−50」などの
市販のポリウレタンフォームを用いることができる。
【0025】なおまた、通気性基材として用いられる上
記樹脂ネットは、短繊維からなるものであっても複数の
繊維からなるものであってもよく、その構造も三次元立
体構造でもフラット構造のものであっても良い。また、
上記不織布としては、特に制限されるものではないが、
ポリプロピレンやポリエステルからなるメルトブロー不
織布やスパンボンド不織布、又はガラス繊維不織布など
が好ましく用いられ、更に上記通気性フィルムとして
は、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムが
好ましく用いられる。
【0026】上記ポリウレタンフォームなどの通気性基
材に上記脱臭剤を固着させる方法は、活性炭などの通常
の多孔質体を固着させる場合と同様の方法を採用するこ
とができる。例えば、上記脱臭剤をバインダー成分と混
練してスラリー状に調製し、これを上記フィルター基材
に浸漬含浸処理する方法や、バインダー成分のみを上記
フィルター基材に含浸乾燥処理して予めバインダー層を
成形しておき、これに上記脱臭剤を付着させる方法、更
にはバインダー成分と脱臭剤とを混練したスラリーを上
記フィルター基材に含浸させ、乾燥前にこのスラリーに
更に脱臭剤を付着させて乾燥させる方法などが好適に採
用される。
【0027】ここで、上記脱臭剤を通気性基材に固着せ
しめるためのバインダーとしては、特に制限されるもの
ではないが、シリカゾルなどのコロイダルシリカ系無機
バインダーや水ガラス(珪酸ナトリウムの水溶液)、ア
クリル系、ウレタン系ポリマー、ウレタン系、SBR
系、NBR系、クロロプレン系の粘着及び接着性を有す
る水系又は溶剤系のバインダーが例示される。更に、エ
チレン酢酸ビニル系、熱可塑性ポリウレタン樹脂系、ポ
リアミド系、ポリオレフィン系、スチレン系ブロックポ
リマーなどのホットメルト系接着剤も好適に用いること
ができる。
【0028】このように、通気性基材に上記本発明の脱
臭剤を固着させた脱臭フィルター材は、いずれも広範な
臭気ガスに対して良好な脱臭性能を有する高性能なもの
であるが、用途等に応じて複数の脱臭フィルター材を積
層して用いることができる。この場合、本発明にかかる
複数種の脱臭剤をそれぞれ通気性基材に担持させた複数
の脱臭フィルター材を積層して用いてもよく、また本発
明の脱臭剤の1種を複数の通気性基材に担持させた複数
種の脱臭フィルター材を積層して用いてもよく、更には
本発明の脱臭剤を通気性基材に担持させた1種又は2種
以上の脱臭フィルター材とその他の脱臭フィルター材と
を積層して用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アルカリ土類金属やアルカリ金属を含む炭酸塩に不斉炭
素原子を1個以上持つ有機酸を作用させ、これを多孔質
体に添着させることで、多孔質体の持つ物理的吸着性能
を十分に維持させた上で、アルデヒド類や硫化物の除去
性能を高めることができ、広範な臭気ガス成分に対して
良好な脱臭性能を有する高性能な脱臭剤が得られるもの
である。従って、この脱臭剤を通気性基材に固着して得
られた脱臭フィルター材は、広範な臭気成分に対して良
好な脱臭性能を発揮し、多くの産業用フィルターとして
好適に適用し得るものである。
【0030】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものでは
ない。
【0031】イオン交換水にDL−リンゴ酸[HOOC
H(OH)CH2COOH]と炭酸ナトリウム[Na2CO
3]を表1に示した割合で、濃度が5%となるように溶
解し、処理液を調製した。一方、篩い振盪器で45メッ
シュスルー60メッシュオンの椰子殻活性炭を分粒して
110℃で30分乾燥させ、この椰子殻活性炭10gを
上記処理液に投入攪拌して1時間浸漬した後、減圧吸引
濾過法で濾過し、110℃で30分乾燥させて、表1に
示した13種(試−1〜試−13)のDL−リンゴ酸及
び炭酸ナトリウムが添着した脱臭剤を得た。
【0032】
【表1】
【0033】表1の各試料を表2に示したように秤量
し、図1に示したように、内径14mm、長さ150m
mのガラスカラムのほぼ中央部に充填した。このとき、
ガス吸着性のないグラスペーパーを用いて試料がカラム
上下から流出するのを防止し、またガスの均一拡散を図
るために試料上下にはガス吸着性のない三次元網状骨格
構造の膜なしポリウレタンフォーム(セル10PPI)
品を14mmφに加工し取り付けた。
【0034】この図1に示した試験装置を用いて、表2
に示した条件でベンゼン、アセトアルデヒド、アンモニ
ア、硫化水素につき、常温ワンパス通気法により飽和吸
着に達するまでの吸着性能試験を行った。得られたそれ
ぞれの吸着性能カーブから本カーブの面積積分値を求め
未添着品(Blank)を100としたときの試料品各
々の吸着ポテンシャルを比較した。結果を図2〜5に示
す。なお、図1の試験装置において、ガス濃度の測定は
(株)ガステック社製のガス検知管(表2中に記載の品
番)を用いた。
【0035】
【表2】
【0036】図2〜5に示されているように、多孔質体
の椰子殻活性炭に不斉炭素原子1個を持つDL−リンゴ
酸とNa2CO3とを適宜混合比で添着させることによ
り、多孔質体の物理的吸着性能の指標となる中沸点無極
性炭化水素であるベンゼンの吸着性能の低下を効果的に
抑えて、硫化水素などの酸性ガスやアセトアルデヒドの
吸着性能を大幅に向上させ得ることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で行ったガス吸着性能試験の装置を示す
概略図である。
【図2】アセトアルデヒドに対する吸着性能を示すグラ
フである。
【図3】ベンゼンに対する吸着性能を示すグラフであ
る。
【図4】硫化水素に対する吸着性能を示すグラフであ
る。
【図5】アンモニアに対する吸着性能を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C080 AA05 BB02 CC01 HH05 HH09 JJ05 KK08 LL02 LL10 MM02 MM14 NN03 NN04 NN05 NN06 QQ03 4G066 AA05C AA13B AA16B AA20C AA22C AA30C AA43B AA61C AA70C AA71C AB07B AC23C AC24C BA03 BA16 CA02 CA24 CA29 CA51 CA52 DA03 FA03 FA12 FA21 FA37

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ土類金属又はアルカリ金属を含
    む炭酸塩に不斉炭酸原子を1個以上持つ有機酸を作用さ
    せた添着剤を、多孔質体に担持させてなることを特徴と
    する脱臭剤。
  2. 【請求項2】 上記アルカリ土類金属又はアルカリ金属
    を含む炭酸塩が、Na2CO3、K2CO3、CaCO3
    BaCO3、MgCO3及びLi2CO3から選ばれる1種
    又は2種以上である請求項1記載の脱臭剤。
  3. 【請求項3】 上記不斉炭素原子を1個以上持つ有機酸
    が、リンゴ酸又は酒石酸、或いはその両方である請求項
    1又は2記載の脱臭剤。
  4. 【請求項4】 上記多孔質体が、椰子殻活性炭、石油ピ
    ッチ系活性炭、活性炭繊維、ゼオライト、珪藻土、シリ
    カ、アルミナゲル系吸着剤及びセピオライトから選ばれ
    る1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の脱臭剤。
  5. 【請求項5】 上記不斉炭素原子を1個以上持つ有機酸
    と、上記アルカリ土類金属又はアルカリ金属を含む炭酸
    塩とのモル比が、1:0.1〜20である請求項1〜4
    のいずれか1項に記載の脱臭剤。
  6. 【請求項6】 通気性基材に請求項1〜5のいずれか1
    項に記載の脱臭剤を固着してなることを特徴とする脱臭
    フィルター材。
  7. 【請求項7】 上記通気性基材が、三次元網状骨格構造
    を有するポリウレタンフォームである請求項6記載の脱
    臭フィルター材。
  8. 【請求項8】 上記通気性基材が、短繊維若しくは複数
    の繊維からなる三次元立体構造若しくはフラット構造の
    樹脂ネットである請求項6記載の脱臭フィルター材。
  9. 【請求項9】 上記通気性基材が、ポリプロピレンやポ
    リエステルからなるメルトブロー不織布、スパンボンド
    不織布、ガラス繊維不織布である請求項6記載の脱臭フ
    ィルター材。
  10. 【請求項10】 上記通気性基材が、延伸多孔質ポリテ
    トラフルオロエチレンフィルムである請求項6記載の脱
    臭フィルター材。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10に記載の脱臭フィルタ
    ー材の1種又は2種以上を含む積層体であることを特徴
    とする脱臭フィルター材。
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