JP2002085367A - 磁場発生装置および磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

磁場発生装置および磁気共鳴撮影装置

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JP2002085367A JP2000269716A JP2000269716A JP2002085367A JP 2002085367 A JP2002085367 A JP 2002085367A JP 2000269716 A JP2000269716 A JP 2000269716A JP 2000269716 A JP2000269716 A JP 2000269716A JP 2002085367 A JP2002085367 A JP 2002085367A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気回路の温度の立ち上がりが早い磁場発生
装置、および、そのような磁場発生装置を有する磁気共
鳴撮影装置を実現する。 【解決手段】 永久磁石を有するマグネットシステム
(100)の温度を初期状態から規定温度まで立ち上げ
るとき、媒体循環装置(502,504)から熱交換板
(210)に温水等の暖かい熱交換媒体を循環させ、温
度制御用のヒータ(322,324)による加熱を補助
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場発生装置およ
び磁気共鳴撮影装置に関し、特に、永久磁石を用いる磁
場発生装置、およびそのような磁場発生装置を有する磁
気共鳴撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴撮影(MRI:Magneti
c Resonance Imaging)装置では、
マグネットシステム(magnet system)の
内部空間すなわち静磁場を形成した空間に撮影の対象を
搬入し、勾配磁場および高周波磁場を印加して対象内に
磁気共鳴信号を発生させ、その受信信号に基づいて断層
像を生成(再構成)する。
【0003】静磁場を発生するのに永久磁石を用いるマ
グネットシステムでは、空間を挟んで対向する1対の永
久磁石とこれら永久磁石用の磁気回路を構成するヨーク
(yoke)とを有する。
【0004】永久磁石は温度特性を持つので、温度変化
による磁場強度の変化を防止して安定な静磁場を得るた
めに、永久磁石を含む磁気回路を一定温度に保温するこ
とが行われる。保温する温度は常温よりやや高く、しか
も永久磁石が磁気を失わない温度とする。そのような温
度として例えば30°Cが選ばれる。
【0005】このような温度を保つための熱量供給源と
して電気ヒータ(heater)等が用いられ、その発
熱量が制御装置によって制御される。制御装置には、永
久磁石またはヨーク所定の箇所で測定した温度が検出信
号として入力される。制御装置はこの検出信号の値が予
め定められた設定値に一致するように電気ヒータの発熱
量を制御する。すなわち、制御装置はフィードバック
(feedback)制御によって永久磁石の温度を安
定化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】温度がある値(例えば
45°C)を超えて上昇すると、永久磁石は、磁気は失
わないものの温度特性の可逆性を失い、温度を元に戻し
ても磁場強度が元に戻らなくなる。このため、温度調節
に当たってはそのような値を決して超えないようにする
必要があり、電気ヒータとしては磁気回路の熱容量に比
して発熱量の控えめなものが用いられる。
【0007】そのような電気ヒータを用いた場合、マグ
ネットシステムを稼働サイト(site)に据え付けて
初めて加温するとき、あるいは、長時間の稼働停止後に
再加温するときなどは、外気温あるいは周囲温度と同じ
になっている磁気回路の温度を規定値まで立ち上げるの
にかなりの時間を要する。その間はマグネットシステム
の調整も稼働も不可能な待ち時間となる。
【0008】そこで、本発明の課題は、磁気回路の温度
の立ち上がりが早い磁場発生装置、および、そのような
磁場発生装置を有する磁気共鳴撮影装置を実現すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
するための1つの観点での発明は、空間を隔てて互いに
対向する1対の永久磁石と、前記1対の永久磁石用の磁
気回路を構成するヨークと、前記永久磁石の温度を周囲
温度より高い予め定めた温度となるように調節する温度
調節手段と、前記1対の永久磁石の互いに対向する端部
にそれぞれ設けられ空間を隔てて互いに対向する1対の
熱交換部材と、前記1対の熱交換部材の互いに対向する
端部にそれぞれ設けられ空間を隔てて互いに対向する1
対の勾配磁場コイルと、前記温度調節手段による前記永
久磁石の加温を補助するための熱を前記熱交換部材を通
じて供給する熱供給手段と、前記勾配磁場コイルの通電
に伴う発熱を前記熱交換部材を通じて吸収する熱吸収手
段と、を具備することを特徴とする磁場発生装置であ
る。
【0010】この観点での発明では、永久磁石と勾配磁
場コイルの間に熱交換部材を介在させ、この熱交換部材
を、永久磁石の温度立ち上げ時の加温を補助する目的
と、稼働時の勾配磁場コイルの発熱を吸収する目的に共
用する。これによって、永久磁石に供給する熱量を増や
して温度の立ち上がりを早めることができる。また、稼
働時の勾配磁場コイルの発熱を吸収して勾配磁場コイル
および永久磁石の不要な温度上昇を防止することができ
る。
【0011】(2)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、前記熱交換部材は液体を熱交換媒体とす
る、ことを特徴とする(1)に記載の磁場発生装置であ
る。この観点での発明では、(1)に加えて、液体の熱
容量が大きいことを利用して能率の良い熱交換を行うこ
とができる。
【0012】(3)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、前記液体は水である、ことを特徴とする
(2)に記載の磁場発生装置である。この観点での発明
では、(2)に加えて、ありふれた媒体により熱交換を
行うことができる。
【0013】(4)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、前記熱交換部材は気体を熱交換媒体とす
る、ことを特徴とする(1)に記載の磁場発生装置であ
る。この観点での発明では、(1)に加えて、気体の流
動性が高いことを利用して能率の良い熱交換を行うこと
ができる。
【0014】(5)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、前記気体は空気である、ことを特徴とす
る(4)に記載の磁場発生装置である。この観点での発
明では、(4)に加えて、ありふれた媒体により熱交換
を行うことができる。
【0015】(6)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、静磁場、勾配磁場および高周波磁場を用
いて対象の内部に発生させた磁気共鳴信号に基づいて画
像を構成する磁気共鳴撮影装置であって、前記静磁場お
よび勾配磁場を発生する手段は、空間を隔てて互いに対
向する1対の永久磁石と、前記1対の永久磁石用の磁気
回路を構成するヨークと、前記永久磁石の温度を周囲温
度より高い予め定めた温度となるように調節する温度調
節手段と、前記1対の永久磁石の互いに対向する端部に
それぞれ設けられ空間を隔てて互いに対向する1対の熱
交換部材と、前記1対の熱交換部材の互いに対向する端
部にそれぞれ設けられ空間を隔てて互いに対向する1対
の勾配磁場コイルと、前記温度調節手段による前記永久
磁石の加温を補助するための熱を前記熱交換部材を通じ
て供給する熱供給手段と、前記勾配磁場コイルの通電に
伴う発熱を前記熱交換部材を通じて吸収する熱吸収手段
と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮影装置であ
る。
【0016】この観点での発明では、永久磁石と勾配磁
場コイルの間に熱交換部材を介在させ、この熱交換部材
を、永久磁石の温度立ち上げ時の加温を補助する目的
と、稼働時の勾配磁場コイルの発熱を吸収する目的に共
用する。これによって、永久磁石に供給する熱量を増や
して温度の立ち上がりを早めることができる。また、稼
働時の勾配磁場コイルの発熱を吸収して勾配磁場コイル
および永久磁石の不要な温度上昇を防止することができ
る。
【0017】(7)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、前記熱交換部材は液体を熱交換媒体とす
る、ことを特徴とする(6)に記載の磁気共鳴撮影装置
である。
【0018】この観点での発明では、(6)に加えて、
液体の熱容量が大きいことを利用して能率の良い熱交換
を行うことができる。 (8)上記の課題を解決するための他の観点での発明
は、前記液体は水である、ことを特徴とする(7)に記
載の磁気共鳴撮影装置である。
【0019】この観点での発明では、(7)に加えて、
ありふれた媒体により熱交換を行うことができる。 (9)上記の課題を解決するための他の観点での発明
は、前記熱交換部材は気体を熱交換媒体とする、ことを
特徴とする(6)に記載の磁気共鳴撮影装置である。
【0020】この観点での発明では、(6)に加えて、
気体の流動性が高いことを利用して能率の良い熱交換を
行うことができる。 (10)上記の課題を解決するための他の観点での発明
は、前記気体は空気である、ことを特徴とする(9)に
記載の磁気共鳴撮影装置である。
【0021】この観点での発明では、(9)に加えて、
ありふれた媒体により熱交換を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮影装置の
ブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実
施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明
の装置に関する実施の形態の一例が示される。
【0023】図1に示すように、本装置はマグネットシ
ステム100を有する。マグネットシステム100は、
主磁場マグネット部102、勾配コイル部106および
RF(radio frequency)コイル部10
8を有する。
【0024】これら主磁場マグネット部102および各
コイル部は、いずれも空間を挟んで互いに対向する1対
のものからなる。また、いずれも概ね円板状の形状を有
し中心軸を共有して配置されている。マグネットシステ
ム100の内部空間(ボア:bore)に、撮影の対象
300がクレードル(cradle)500に搭載され
て図示しない搬送手段により搬入および搬出される。
【0025】主磁場マグネット部102はマグネットシ
ステム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の
方向は概ね対象300の体軸方向と直交する。すなわち
いわゆる垂直磁場を形成する。
【0026】主磁場マグネット部102は永久磁石およ
びその磁気回路を構成するヨークを有する。主磁場マグ
ネット部102はまた温度調節手段を有する。主磁場マ
グネット部102の構成および温度調節手段については
後にあらためて説明する。
【0027】勾配コイル部106は静磁場強度に勾配を
持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場
は、スライス(slice)勾配磁場、リードアウト
(read out)勾配磁場およびフェーズエンコー
ド(phase encode)勾配磁場の3種であ
り、これら3種類の勾配磁場に対応して勾配コイル部1
06は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0028】3系統の勾配コイルは、互いに直交する3
方向において静磁場にそれぞれ勾配を付与するための3
つの勾配磁場をそれぞれ発生する。3方向のうちの1つ
は静磁場の方向(垂直方向)であり、通常これをz方向
とする。他の1つは水平方向であり、通常これをy方向
とする。残りの1つはz,y方向に垂直な方向であり、
通常これをx方向とする。以下、x,y,zを勾配軸と
もいう。また、勾配磁場を単に勾配ともいう。
【0029】x,y,zはいずれもスライス勾配の軸と
することができる。いずれか1つをスライス勾配の軸と
したとき、残り2つのうちの1つをフェーズエンコード
勾配の軸とし、他をリードアウト勾配の軸とする。
【0030】勾配コイル部106には、通電による発熱
を吸収し温度上昇を防止するための冷却手段が組み合わ
されている。冷却手段については後にあらためて説明す
る。RFコイル部108は静磁場空間に対象300の体
内のスピンを励起するためのRF励起信号を送信する。
RFコイル部108は、また、励起されたスピンが生じ
る磁気共鳴信号を受信する。RFコイル部108は図示
しない送信用のコイルおよび受信用のコイルを有する。
送信用のコイルおよび受信用のコイルは、同じコイルを
兼用するかあるいはそれぞれ専用のコイルを用いる。
【0031】勾配コイル部106には勾配駆動部130
が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部1
06に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆
動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾
配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有
する。
【0032】RFコイル部108にはRF駆動部140
が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部1
08に駆動信号を与えてRF励起信号を送信し、対象3
00の体内のスピンを励起する。
【0033】RFコイル部108には、また、データ
(data)収集部150が接続されている。データ収
集部150はRFコイル部108が受信した受信信号を
取り込み、それをビューデータ(view data)
として収集する。
【0034】勾配駆動部130、RF駆動部140およ
びデータ収集部150には制御部160が接続されてい
る。制御部160は、勾配駆動部130ないしデータ収
集部150をそれぞれ制御して撮影を遂行する。
【0035】データ収集部150の出力側はデータ処理
部170に接続されている。データ処理部170は、例
えばコンピュータ(computer)等を用いて構成
される。データ処理部170は図示しないメモリ(me
mory)を有する。メモリはデータ処理部170用の
プログラムおよび各種のデータを記憶している。本装置
の機能は、データ処理部170がメモリに記憶されたプ
ログラムを実行することによりを実現される。
【0036】データ処理部170は、データ収集部15
0から取り込んだデータをメモリに記憶する。メモリ内
にはデータ空間が形成される。データ空間は2次元フ−
リエ(Fourier)空間を構成する。データ処理部
170は、これら2次元フ−リエ空間のデータを2次元
逆フ−リエ変換して対象300の画像を生成(再構成)
する。以下、2次元フ−リエ空間をkスペース(k−s
pace)ともいう。
【0037】データ処理部170は制御部160に接続
されている。データ処理部170は制御部160の上位
にあってそれを統括する。データ処理部170には、ま
た、表示部180および操作部190が接続されてい
る。表示部180は、グラフィックディスプレー(gr
aphic display)等で構成される。操作部
190はポインティングデバイス(pointing
device)を備えたキーボード(keyboar
d)等で構成される。
【0038】表示部180は、データ処理部170から
出力される再構成画像および各種の情報を表示する。操
作部190は、操作者によって操作され、各種の指令や
情報等をデータ処理部170に入力する。操作者は表示
部180および操作部190を通じてインタラクティブ
(interactive)に本装置を操作する。
【0039】図2に、本装置で撮影を行うときのパルス
シーケンス(pulse sequence)の一例を
示す。このパルスシーケンスは、グラディエントエコー
(GRE:Gradient Echo)法のパルスシ
ーケンスである。
【0040】すなわち、(1)はGRE法におけるRF
励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、
(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スラ
イス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコ
ード勾配GpおよびグラディエントエコーMRのシーケ
ンスである。なお、α°パルスは中心信号で代表する。
パルスシーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行す
る。
【0041】同図に示すように、α°パルスによりスピ
ンのα°励起が行われる。フリップアングル(flip
angle)α°は90°以下である。このときスラ
イス勾配Gsが印加され所定のスライスについての選択
励起が行われる。
【0042】α°励起後、フェーズエンコード勾配Gp
によりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、
リードアウト勾配Grによりまずスピンをディフェーズ
(dephase)し、次いでスピンをリフェーズ(r
ephase)して、グラディエントエコーMRを発生
させる。グラディエントエコーMRの信号強度は、α°
励起からエコータイム(echo time)TE後の
時点で最大となる。グラディエントエコーMRはデータ
収集部150によりビューデータとして収集される。
【0043】このようなパルスシーケンスが周期TR
(repetition time)で64〜512回
繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾
配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行
う。これによって、kスペースを埋める64〜512ビ
ューのビューデータが得られる。
【0044】磁気共鳴撮影用パルスシーケンスの他の例
を図3に示す。このパルスシーケンスは、スピンエコー
(SE:Spin Echo)法のパルスシーケンスで
ある。
【0045】すなわち、(1)はSE法におけるRF励
起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンス
であり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じ
くそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配G
r、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーM
Rのシーケンスである。なお、90°パルスおよび18
0°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシー
ケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0046】同図に示すように、90°パルスによりス
ピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配G
sが印加され所定のスライスについての選択励起が行わ
れる。90°励起から所定の時間後に、180°パルス
による180°励起すなわちスピン反転が行われる。こ
のときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスに
ついての選択的反転が行われる。
【0047】90°励起とスピン反転の間の期間に、リ
ードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gp
が印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのデ
ィフェーズが行われる。フェーズエンコード勾配Gpに
よりスピンのフェーズエンコードが行われる。
【0048】スピン反転後、リードアウト勾配Grでス
ピンをリフェーズしてスピンエコーMRを発生させる。
スピンエコーMRの信号強度は、90°励起からTE後
の時点で最大となる。スピンエコーMRはデータ収集部
150によりビューデータとして収集される。このよう
なパルスシーケンスが周期TRで64〜512回繰り返
される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾配Gp
を変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行う。これ
によって、kスペースを埋める64〜512ビューのビ
ューデータが得られる。
【0049】なお、撮影に用いるパルスシーケンスはG
RE法またはSE法に限るものではなく、例えば、FS
E(Fast Spin Echo)法、ファーストリ
カバリFSE(Fast Recovery Fast
Spin Echo)法、エコープラナー・イメージ
ング(EPI:Echo Planar Imagin
g)等、他の適宜の技法のものであって良い。
【0050】データ処理部170は、kスペースのビュ
ーデータを2次元逆フ−リエ変換して対象300の断層
像を再構成する。再構成した画像はメモリに記憶し、ま
た、表示部180で表示する。
【0051】図4に、勾配コイル部106付近のマグネ
ットシステム100の構造を断面図により模式的に示
す。同図において、Oは静磁場の中心すなわちマグネッ
トセンター(magnet center)であり、
x,y,zは前述した3方向である。
【0052】マグネットセンターOを中心とする半径R
の球形領域SV(sphericvolume)が撮影
領域であり、マグネットシステム100はこのSVにお
いて静磁場および勾配磁場が所定の精度を持つように構
成される。
【0053】1対の永久磁石112は互いに対向する1
対のポールピース(pole piece)114を有
する。ポールピース114は例えば軟鉄等の高透磁率の
磁性材料で構成され、静磁場空間における磁束分布を均
一化する働きをする。永久磁石112およびポールピー
ス114からなる部分は、本発明における永久磁石の実
施の形態の一例である。
【0054】ポールピース114は概ね円板形状を成す
が、周縁部が板面に垂直な方向(z方向)、すなわち、
ポールピース114同士が互いに対向する方向に突出し
ている。突出部はポールピース114の周縁部における
磁束密度の低下を補う働きをする。
【0055】突出した周縁部の内側に形成されるポール
ピース114の凹部に、勾配コイル部106が設けられ
る。勾配コイル部106は、Xコイル204、Yコイル
206およびZ208コイルを有する。
【0056】勾配コイル部106とポールピース114
の間には熱交換板210が介在する。熱交換板210お
よび各コイルはいずれも概ね円板形状を成し、ポールピ
ース114の磁極面に、図示しない適宜の取り付け手段
により、順次に層を成すように取り付けられている。勾
配コイル部106は、本発明における勾配磁場コイルの
実施の形態の一例である。熱交換板210は、本発明に
おける熱交換部材の実施の形態の一例である。
【0057】図5に、熱交換板210の構成の一例を模
式的に示す。同図の(a)は平面図、(b)はA−A断
面図である。同図に示すように、熱交換板210は、熱
の良導体からなる円板212の内部に熱交換媒体の流路
214を設けたものである。流路214は、例えば円板
212の内部全体にわたって蛇行するように設けられ
る。なお、流路のパターン(pattern)は蛇行パ
ターンに限らず、例えば渦巻き状パターン等適宜のパタ
ーンであって良い。
【0058】熱の良導体としては例えばセラミクッス
(ceramics)等が用いられる。セラミックスは
電気絶縁性をも有するので、電磁誘導による渦電流を生
じない点で好ましい。なお、電気絶縁性を有する熱の良
導体はセラミックスに限るものではなく、ガラス(gl
ass)やプラスチックス(plastics)等適宜
の材料を用いて良い。
【0059】流路214には熱交換媒体として例えば液
体を流通させる。液体は熱容量が比較的高い流体である
から、熱交換を能率良く行うことができる。液体は例え
ば水である。水は一番ありふれた液体であるから入手が
極めて容易である。
【0060】なお、液体は水に限らず油やアルコール
(alcohol)液等適宜の液体を用いて良い。温度
の高い液体を通すことにより熱交換板210を加温部材
として機能させる。温度の低い液体を通すことにより熱
交換板210を加冷部材として機能させる。
【0061】流路214には熱交換媒体として例えば気
体を流通させても良い。気体は流動性が高い流体である
から、熱交換を能率良く行うことができる。気体は例え
ば空気である。空気は一番ありふれた気体であるから入
手が極めて容易である。
【0062】なお、空気に限らず窒素ガス(gas)等
適宜の気体を用いて良い。温度の高い気体を通すことに
より熱交換板210を加温部材として機能させる。温度
の低い気体を通すことにより熱交換板210を加冷部材
として機能させる。
【0063】熱交換媒体の流通は後述の媒体循環装置に
よって行われる。媒体循環装置は後述する制御回路によ
って制御され、熱交換板210を通じての加温または加
冷を行う。
【0064】図6に、マグネットシステム100の主要
部の構成の一例を模式的に示す。同図に示すように、マ
グネットシステム100は1対の水平ヨーク302,3
04を有する。水平ヨーク302,304は例えば軟鉄
等の磁性材料からなる略8角形の平板である。水平ヨー
ク302,304は、1対の垂直ヨーク306,308
によって互いに平行に支持され、図における上下方向に
所定の間隔を保って対向している。垂直ヨーク306,
308も軟鉄等の磁性材料を用いて構成され、角柱状の
形状を有する。垂直ヨーク306,308の図における
下部は、マグネットシステム100全体を支える脚部と
なっている。
【0065】水平ヨーク302の図における上面の中央
部には、永久磁石112が取り付けられている。永久磁
石112の図における上面にポールピース114が取り
付けられている。ポールピース114は図4に示したよ
うな構造になっており、その凹部に勾配コイル部106
および熱交換板210を有するが、図6では図示を省略
する。
【0066】水平ヨーク304の図における下面には、
永久磁石112と対向する位置関係で、図では隠れて見
えない永久磁石112が取り付けられ、その下面に同じ
く隠れて見えないポールピース114が取り付けられて
いる。
【0067】1対の永久磁石112は互いに逆極性の磁
極が向き合うようになっており、これによって、1対の
ポールピース114が向き合う空間に垂直磁場が形成さ
れる。水平ヨーク302,304および垂直ヨーク30
6,308は、1対の永久磁石112の磁束のリターン
パス(return pass)を形成する。水平ヨー
ク302,304および垂直ヨーク306,308から
なる部分は、本発明におけるヨークの実施の形態の一例
である。
【0068】水平ヨーク302の側面には電気ヒータ
(heater)322が取り付けられている。電気ヒ
ータ322は水平ヨーク302の側面の4箇所に、周に
沿って略等間隔に取り付けられている。図ではそのうち
の2つが見えており、残りの2つは隠れて見えない。水
平ヨーク304にも同様にして4つの電気ヒータ324
が取り付けられている。図ではそのうちの1つだけを分
解図で示す。
【0069】電気ヒータ324は、電気抵抗体からなる
2つの発熱体342,344を有する。発熱体342,
344は発熱量を異にするものであり、例えば発熱体3
42の発熱量が120W、発熱体344の発熱量は30
Wである。発熱体342,344は発熱量が同一であっ
ても良い。また、個数は2個に限らず3個以上あるいは
1個であっても良い。以下、発熱体が2個ある例で説明
するが、それ以外の個数の場合も同様になる。
【0070】これら発熱体342,344が、抑え板3
46を用いて水平ヨーク304の側面に4つのネジ34
8でネジ止めされている。発熱体342,344は、水
平ヨーク304、抑え板346およびネジ348とは電
気的に絶縁されている。電気ヒータ322も同様な構成
になっており、図示しない2つの発熱体332,334
を有する。2つの電気ヒータ322,324は後述の温
度制御回路に接続されている。
【0071】なお、電気ヒータ322,324の代わり
に温水は温風等の熱を放出する熱放出器を用いるように
しても良い。以下、電気ヒータ322,324を用いた
例で説明するが、温水や温風で加温する場合も同様にな
る。
【0072】水平ヨーク304の上面の中央部には有底
の孔356が設けられ、その中に例えばサーミスタ(t
hermistor)等からなる温度センサ(sens
or)358が挿入されている。また、図では隠れて見
えないが、水平ヨーク302の下面の中央部にも有底の
孔352が設けられその中に温度センサ354が挿入さ
れている。なお、温度センサは2個に限るものではな
く、3個以上あるいは1個だけ用いるようにしても良
い。温度センサ354,358は後述の温度制御回路に
接続されている。
【0073】以上の構造がカバー(cover)362
の内部に収容されている。カバー362は、1対のポー
ルピース114が対向する空間部分に外部からアクセス
(access)することが可能な開放構造になってい
る。図では、カバー362はその大部分を除去した形で
示す。カバー362の内側には例えばウレタンフォーム
(urethane foam)等からなる断熱材36
4が設けられている。
【0074】このように構成されたマグネットシステム
100の断面図を図7に示す。同図は水平ヨーク30
2,304の中心と垂直ヨーク306,308を含む縦
断面を示す。
【0075】図8に、マグネットシステム100に関す
る温度制御装置のブロック図を示す。同図に示すよう
に、温度制御装置は2つの温度制御回路372,374
を備えている。温度制御回路372,374は、例えば
マイクロプロセッサ(micro processo
r)等を用いて構成される。
【0076】温度制御回路372には温度センサ354
の温度検出信号t1が入力される。温度制御回路374
には温度センサ358の温度検出信号t2が入力され
る。温度制御回路372,374には制御部160から
共通の温度設定値Tsが与えられている。なお、温度設
定値Tsは温度制御回路372,374ごとに異なる値
であっても良い。以下、温度設定値Tsが共通である例
で説明するが、異なる場合も同様になる。
【0077】温度制御回路372は、温度検出信号t1
を温度設定値Tsに一致させるための制御出力を演算に
よって求める。温度制御回路374は、温度検出信号t
2を温度設定値Tsに一致させるための制御出力を演算
によって求める。
【0078】電気ヒータ322の発熱体332,334
には商用交流電源376の電力がスイッチ(switc
h)382,384を通じてそれぞれ供給される。な
お、スイッチ382,384としては例えば半導体スイ
ッチ等が用いられる。あるいは、リレー(relay)
等のメカニカル(mechanical)なスイッチを
用いるようにしても良いのはもちろんである。発熱体3
32,334は、前述のように水平ヨーク302の4箇
所に分散配置されたものであるが、図示の便宜上1箇所
にまとめて示す。
【0079】電気ヒータ324の発熱体342,344
には商用交流電源376の電力がスイッチ392,39
4を通じてそれぞれ供給される。発熱体342,344
も、前述のように水平ヨーク304の4箇所に分散配置
されたものを便宜的に1箇所にまとめて示す。
【0080】スイッチ382,384のオン・オフ(o
n off)のデューティレシオ(duty rati
o)を温度制御回路372の2つの出力信号によってそ
れぞれ制御して発熱体332,334による加熱量を制
御する。
【0081】温度制御回路372による温度調節は、設
定温度Tsからの検出温度t1の偏差に応じた例えば比
例(P:proportional)制御または比例・
積分(PI:proportional,integr
al)制御等のフィードバック制御によって行われる。
【0082】温度センサ354、温度制御回路372、
商用交流電源376、スイッチ382,384および発
熱体332,334からなる部分は、本発明における温
度調節手段の実施の形態の一例である。
【0083】スイッチ392,394のオン・オフのデ
ューティレシオを温度制御回路374の2つの出力信号
によってそれぞれ制御して発熱体342,344による
加熱量を制御する。
【0084】温度制御回路374による温度調節は、設
定温度Tsからの検出温度t2の偏差に応じた例えば比
例制御または比例・積分制御等のフィードバック制御に
よって行われる。
【0085】温度センサ358、温度制御回路374、
商用交流電源376、スイッチ392,394および発
熱体342,344からなる部分は、本発明における温
度調節手段の実施の形態の一例である。
【0086】このように、マグネットシステム100の
下部と上部を2つの温度制御系で│れぞれ制御すること
により、マグネットシステム100を設置した環境にお
け│上下の温度差が大きい場合でも上下の永久磁石間の
温度差を無くすことができる。これによって、設置環境
の上下方向の温度分布の如何に関わらず静磁場を安定化
することができる。なお、設置環境の上下方向の温度差
が小さい場合はいずれか一方を省略しても良いのはもち
ろんである。
【0087】媒体循環装置502,504は1対の熱交
換板210にそれぞれ熱交換媒体を循環させる。媒体循
環装置502,504は、熱交換媒体が液体であるとき
は例えばポンプ(pump)等を用いて構成される。熱
交換媒体が気体であるときは例えばブロワ(blowe
r)等を用いて構成される。
【0088】媒体循環装置502,504は、また、い
ずれも内部に図示しないヒータおよびクーラ(cool
er)を有し、熱交換板210を通して循環させる熱交
換媒体を加温および加冷する。ヒータおよびクーラの電
源は商用交流電源376から供給される。
【0089】媒体循環装置502におけるヒータおよび
クーラは、温度制御回路372から与えられる制御信号
に応じていずれか一方が作動する。媒体循環装置504
におけるヒータおよびクーラは、温度制御回路374か
ら与えられる制御信号に応じていずれか一方が作動す
る。
【0090】ヒータ作動時の媒体循環装置502,50
4は、本発明における熱供給手段の実施の形態の一例で
ある。クーラ作動時の媒体循環装置502,504は、
本発明における熱吸収手段の実施の形態の一例である。
【0091】このように構成された温度制御装置の動作
を説明する。稼働サイトに初めて据え付けたとき、マグ
ネットシステム100は外気温あるいは室温と同じ温度
になっている。本装置の稼働を長期間停止していたとき
なども同様である。
【0092】そのような温度はマグネットシステム10
0の稼働時の規定温度(例えば30°C)よりも低いの
が普通であるから、まずマグネットシステム100の温
度を規定温度まで立ち上げることが必要となる。
【0093】温度の立ち上げは、温度制御回路372,
374による制御の下で、電気ヒータ322,324に
よる加熱と、熱交換板210を通じての加温を併用して
行う。
【0094】図9に、電気ヒータ322,324および
熱交換板210による加熱ないし加温と、マグネットシ
ステム100の温度上昇の関係を示す。同図の(a)は
電気ヒータ322,324に給電するスイッチ382,
384,392,394のオン・オフのデューティレシ
オの時間変化を示す。以下、このデューティレシオを加
熱デューティレシオともいう。(b)は媒体循環装置5
02,504におけるヒータの作動のデューティレシオ
の時間変化を示す。以下、このデューティレシオを加温
デューティレシオともいう。
【0095】(c)は温度センサ354,358で検出
した温度の時間変化を示す。以下、この温度をマグネッ
ト温度ともいう。なお、温度センサ354,358の検
出信号には多少の差があり得るが、説明を簡単にするた
め差はないものとする。
【0096】初期状態では、マグネット温度が設定温度
Tsからかけ離れかつ比例制御範囲から逸脱しているこ
とにより、温度制御回路372,374の制御出力は飽
和している。これによって、加熱デューティレシオおよ
び加温デューティレシオはともに100%となる。な
お、比例制御範囲とは、温度制御回路372,374の
制御出力がマグネット温度と設定温度Tsとの差すなわ
ち温度偏差に比例したものとなる入力範囲である。
【0097】デューティレシオが100%であることに
より、電気ヒータ322,324が発生可能な最大の熱
量で加熱が行われ、また、ヒータで暖められた熱交換媒
体により熱交換板210を通じての最大の加温が行われ
る。
【0098】熱交換板210は磁極面との接触面積が大
きくて熱の伝達量が大きいので、熱交換媒体の温度を特
に高温にしなくても十分な熱量を与えることができる。
したがって、永久磁石112の磁気特性を高温加熱によ
って損なうということがない。
【0099】これらの加熱および加温によりマグネット
温度が初期温度T0から上昇を始める。マグネット温度
は時間の経過とともに増加し、やがて温度制御回路37
2,374の比例制御範囲に入る。
【0100】マグネット温度が比例制御範囲に入ったこ
とにより、加熱デューティレシオは温度差に比例したも
のとなり、100%より小さくなる。以後、加熱デュー
ティレシオを比例制御して、マグネット温度を設定温度
Tsに一致させる温度調節が行われる。
【0101】温度制御回路372,374は、マグネッ
ト温度が比例制御範囲に入った後は、加温デューティレ
シオを0%とする。これによって、媒体循環装置50
2,504において熱交換媒体の加熱が停止する。それ
にともなって熱交換媒体の温度が常温に復帰するので、
熱交換媒体の循環は継続されるものの、熱交換板210
を通じての加温はなくなる。なお、マグネット温度が比
例制御範囲に入った時点で熱交換媒体の循環を停止する
ようにしても良い。
【0102】このように、マグネット温度が温度制御回
路372,374の比例制御範囲に入るまでは、電気ヒ
ータ322,324による加熱と熱交換板210を通じ
ての加温を併用して熱量を供給するので、電気ヒータ3
22,324だけで加熱する場合よりもはるかに短い時
間でマグネット温度を立ち上げることができる。すなわ
ち、マグネット温度を速やかに規定温度まで立ち上げる
ことが可能となる。
【0103】このため、寒冷地にある稼働サイトにマグ
ネットシステム100を据え付けたとき、あるいは、冬
季の夜間や休日等に、空調停止によりスキャンルーム
(scan room)の気温が低下してマグネット温
度が低下した場合でも、マグネット温度の立ち上げを速
やかに行うことができる。
【0104】なお、熱交換媒体による加温は、マグネッ
ト温度の立ち上げ時ばかりでなく、いったん比例制御範
囲に入ったマグネット温度が、何らかの原因で低下して
比例制御範囲外となった場合にも、電気ヒータ322,
324を補助するために行うようにしても良い。
【0105】マグネット温度が比例制御範囲外に低下す
ると、温度制御回路372,374の制御出力が飽和す
る。そこで、温度制御回路372,374により自己の
制御出力を監視し、出力飽和状態が継続するときは媒体
循環装置502,504のヒータを作動させる。このよ
うにすることにより、上記のような補助加温が可能であ
る。
【0106】磁気共鳴撮影は、マグネット温度を設定温
度Tsに維持した状態で行われる。撮影期間中は、媒体
循環装置502,504により熱交換板210に熱交換
媒体を循環させる。このとき、温度制御回路372,3
74は媒体循環装置502,504内のクーラを作動さ
せる。
【0107】撮影のパルスシーケンスの実行に伴い勾配
コイル部106に流れる電流によって勾配コイル部10
6が発熱するが、この発熱は熱交換板210を通じて熱
交換媒体との熱交換により吸収されるので、勾配コイル
部106の温度上昇が防止される。これによって、勾配
コイル部106の温度上昇がマグネットシステム100
の温度制御の外乱となることを防止し、安定な温度調節
を行うことができる。
【0108】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、磁気回路の温度の立ち上がりが早い磁場発生装
置、および、そのような磁場発生装置を有する磁気共鳴
撮影装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】図1に示した装置が実行するパルスシーケンス
の一例を示す図である。
【図3】図1に示した装置が実行するパルスシーケンス
の一例を示す図である。
【図4】図1に示した装置におけるマグネットシステム
の勾配コイル部付近の構成を示す模式図である。
【図5】図4に示した熱交換板210の構成を示す模式
図である。
【図6】図1に示した装置におけるマグネットシステム
の主要部の構成を示す略図である。
【図7】図1に示した装置におけるマグネットシステム
の主要部の構成を示す断面図である。
【図8】図6に示したマグネットシステムの温度制御装
置のブロック図である。
【図9】図8に示した温度制御装置の制御出力とマグネ
ット温度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100 マグネットシステム 102 主磁場マグネット部 106 勾配コイル部 108 RFコイル部 112 永久磁石 114 ポールピース 130 勾配駆動部 140 RF駆動部 150 データ収集部 160 制御部 170 データ処理部 180 表示部 190 操作部 210 熱交換板 300 対象 302,304 水平ヨーク 306,308 垂直ヨーク 322,324 電気ヒータ 354,358 温度センサ 372,374 温度制御回路 376 商用交流電源 382,384,392,394 スイッチ 500 クレードル 502,504 媒体循環装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 毅 東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式会社 内 Fターム(参考) 4C096 AB32 AD08 CA05 CA70 CB07 CB20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空間を隔てて互いに対向する1対の永久
    磁石と、 前記1対の永久磁石用の磁気回路を構成するヨークと、 前記永久磁石の温度を周囲温度より高い予め定めた温度
    となるように調節する温度調節手段と、 前記1対の永久磁石の互いに対向する端部にそれぞれ設
    けられ空間を隔てて互いに対向する1対の熱交換部材
    と、 前記1対の熱交換部材の互いに対向する端部にそれぞれ
    設けられ空間を隔てて互いに対向する1対の勾配磁場コ
    イルと、 前記温度調節手段による前記永久磁石の加温を補助する
    ための熱を前記熱交換部材を通じて供給する熱供給手段
    と、 前記勾配磁場コイルの通電に伴う発熱を前記熱交換部材
    を通じて吸収する熱吸収手段と、を具備することを特徴
    とする磁場発生装置。
  2. 【請求項2】 前記熱交換部材は液体を熱交換媒体とす
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の磁場発生装置。
  3. 【請求項3】 前記液体は水である、ことを特徴とする
    請求項2に記載の磁場発生装置。
  4. 【請求項4】 前記熱交換部材は気体を熱交換媒体とす
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の磁場発生装置。
  5. 【請求項5】 前記気体は空気である、ことを特徴とす
    る請求項4に記載の磁場発生装置。
  6. 【請求項6】 静磁場、勾配磁場および高周波磁場を用
    いて対象の内部に発生させた磁気共鳴信号に基づいて画
    像を構成する磁気共鳴撮影装置であって、 前記静磁場および勾配磁場を発生する手段は、 空間を隔てて互いに対向する1対の永久磁石と、 前記1対の永久磁石用の磁気回路を構成するヨークと、 前記永久磁石の温度を周囲温度より高い予め定めた温度
    となるように調節する温度調節手段と、 前記1対の永久磁石の互いに対向する端部にそれぞれ設
    けられ空間を隔てて互いに対向する1対の熱交換部材
    と、 前記1対の熱交換部材の互いに対向する端部にそれぞれ
    設けられ空間を隔てて互いに対向する1対の勾配磁場コ
    イルと、 前記温度調節手段による前記永久磁石の加温を補助する
    ための熱を前記熱交換部材を通じて供給する熱供給手段
    と、 前記勾配磁場コイルの通電に伴う発熱を前記熱交換部材
    を通じて吸収する熱吸収手段と、を具備することを特徴
    とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記熱交換部材は液体を熱交換媒体とす
    る、ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴撮影装
    置。
  8. 【請求項8】 前記液体は水である、ことを特徴とする
    請求項7に記載の磁気共鳴撮影装置。
  9. 【請求項9】 前記熱交換部材は気体を熱交換媒体とす
    る、ことを特徴とする請求項6に記載の磁気共鳴撮影装
    置。
  10. 【請求項10】 前記気体は空気である、ことを特徴と
    する請求項9に記載の磁気共鳴撮影装置。
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