JP2002085001A - 豆乳及びおからの製造法 - Google Patents

豆乳及びおからの製造法

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JP2002085001A
JP2002085001A JP2000280506A JP2000280506A JP2002085001A JP 2002085001 A JP2002085001 A JP 2002085001A JP 2000280506 A JP2000280506 A JP 2000280506A JP 2000280506 A JP2000280506 A JP 2000280506A JP 2002085001 A JP2002085001 A JP 2002085001A
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soybean
acid
soymilk
acetic acid
weight
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JP2000280506A
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Gunki Funatsu
軍喜 船津
Hideo Araki
秀雄 荒木
Wataru Kugimiya
渉 釘宮
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Fuji Oil Co Ltd
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Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は風味が良い豆乳やおからを目的とし
た 【解決手段】大豆組織が破壊されて後水と接触していな
い大豆成分を濃厚な酸と接触させて酸を浸透させ、しか
る後酸性水系下で水相に溶出する画分と残りの画分を分
画することを特徴とする豆乳とおからを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大豆臭が極めて少な
い豆乳及びおからを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、豆腐の製造工程などにおいて、大
豆を水に浸漬し、膨潤した大豆を摩砕して絞るなどして
豆乳とおからに分離する方法が知られている。又、分離
大豆蛋白を製造する過程で、脱脂大豆に加水し攪拌した
後遠心分離などして豆乳とおからを分離する方法が知ら
れている。しかし、上記の豆乳の抽出pHは一般に中性
付近で行われている。本発明のように大豆の組織を破壊
した後、水と接触させずに直接濃酸に接触させ、しかる
後加水して豆乳を抽出しおからと分離する方法は知られ
ていない。
【0003】又、かかる酸性下でプロテアーゼを作用さ
せて豆乳の抽出効率を上げることも知られていない。も
っとも、既に分離された大豆蛋白をペプシンで分解する
方法はいくつか知られている。例えば、特開昭60- 1142
5号公報には、蛋白質(例;大豆蛋白質,カゼイン等)
を酵素(例:ペプシン等)を用いて加水分解して,オリ
ゴペプチド(分子量:200〜1500好ましくは70
0〜1400;そのArg/Lys比:0.6以上,好
ましくは0.8以上)を30W/W%以上含有する,血
中コレステロ−ル濃度低下作用を示す蛋白加水分解物が
開示されている。
【0004】又、酢酸などの酸とペプシン分解を組み合
わせた方法もいくつか知られている。例えば、特開平03
-167198号公報には、先ず,大豆から分離した分離大豆
蛋白を水に溶解して,これを酢酸でpH3.2に調整
後,さらに塩酸でpH2に調整する。次いで,該溶液に
ペプシンを加えて,分離大豆蛋白を酵素分解する。さら
に,これを加熱してペプシンを失活させた後,遠心分離
して,沈澱画分と溶液画分とに分離する。最後に,該溶
液画分を,分子篩クロマトグラフイ−で分画して,精製
する。アンギオテンシン変換酵素阻害物質(ペプチド及
びその塩)の製造法が開示されている。しかし、大豆蛋
白は脱脂大豆から水抽出して既に分離されたものであ
る。以上の従来技術では、直接氷酢酸のような濃厚な酸
で処理し、その後酵素分解する方法は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は風味が良い豆
乳やおからを目的とした。更に、大豆のもつ旨味を生か
した豆乳やおからを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究の結果、大豆を直接濃厚な酢酸に
浸漬して大豆中の酵素を失活させ、しかる後pHを等電
点以上には上げないで可溶な状態に保って豆乳とおから
に分離すれば風味のすぐれたものが得られる知見を得
た。更に、この酸性水系下で酸性プロテアーゼを作用さ
せて水解すれば豆乳を高収率で得ることが出来る知見を
得た。これはプロテアーゼで大豆組織中の蛋白を水解す
ることにより大豆蛋白が大豆組織から離脱されやすくな
り酢酸等の酸に溶出するためと思われた。又、若干酵素
分解して得られた豆乳が風味の優れたものである知見を
得た。本発明はかかる知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0007】即ち、本発明は、大豆組織が破壊されて後
水と接触していない大豆成分を濃厚な酸と接触させ酸を
浸透させ、しかる後酸性水系下で水相に溶出する画分と
残りの画分を分画することを特徴とする豆乳とおからを
製造する方法である。大豆成分は脱皮・脱胚軸した大
豆、これをヘキサン等で非水系下に脱脂した脱脂大豆、
脱胚軸して得られた胚軸などを利用出来る。大豆成分と
濃厚な酸の接触態様はこれら大豆成分を可及的少量の濃
厚な酸に浸漬することが出来る。水系下で水相に溶出す
る画分と残りの画分を分画する際に酵素分解するほうが
豆乳の収率があがり好ましい。この際の酵素は酸性プロ
テアーゼが好ましい。酸は酢酸が好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のポイントは大豆組織が未
だ破壊されていない状態で水と接触することは出来る
が、いったん大豆組織が破壊されたあとは水との接触を
避け、直接濃厚な酸と接触させること、その後水系下に
豆乳を抽出する場合に等電点以下の可溶状態で豆乳を抽
出することである。更に、豆乳の収率を上げるためにプ
ロテアーゼ(好ましくはエンドプロテアーゼ)を作用さ
せることである。本発明に用いる大豆成分は、豆組織が
破壊された後には未だ水と接触していないことが重要で
ある。大豆を洗浄することは出来るが、このとき大豆の
組織は未だ破壊されていないので大豆組織中の酵素は水
と接触せず、大豆の悪い風味が発生しない。ところが、
圧扁しヘキサンなどで脱脂した大豆は組織が破壊されて
いるので、通常の豆乳の製造法のように水を加えたので
は大豆中の酵素が作用し始め大豆の悪い風味が発生す
る。
【0009】本発明は、大豆組織が破壊された後水に接
触する前に濃厚な酸と接触させて酸を浸透させることが
重要なのである。大豆中の酵素が濃厚な酸で作用しなく
なった後に水系下で水相に溶出する画分と残りの画分を
分画することが重要である。大豆成分の種類により異な
る(胚軸も含めて)が、得られた水抽出画分は豆乳とす
ることが出来るし、残りの残査はおからとすることが出
来る。
【0010】大豆成分は丸大豆、脱皮大豆、脱脂大豆、
胚軸等を利用出来好ましくは脱皮・脱胚軸した大豆、こ
れをヘキサン等で非水系下に脱脂した脱脂大豆、脱胚軸
して得られた胚軸などを利用出来る。脱皮しなくても風
味のすぐれる豆乳を得ることは出来るが、おからの食感
がざらつくなどするので脱皮したほうが好ましい。
【0011】大豆成分と濃厚な酸の接触態様はこれら大
豆成分を可及的少量の濃厚な酸に浸漬することが出来
る。濃厚な酸が大豆組織内に浸透して大豆中の酵素を失
活させるものと推察される。通常、酢酸の場合、大豆の
等量或いはそれ以下の酸を吸収して大豆は膨潤するが、
脱脂大豆や粉砕した大豆粉ではこれより少ない酸の量で
も大豆内に酸を浸透させることが出来る。
【0012】濃厚な酸は酸の種類により濃度は異なる
が、リン酸や酢酸などの工業的使用可能な酸の濃度範囲
(市販の濃リン酸、氷酢酸が好ましいが、これらの倍か
ら3倍希釈程度まで利用可能である)で利用することが
適当である。塩酸や硫酸は使用量や接触時間により蛋白
を加水分解したり、焦がしたりするので好ましくない。
リン酸は塩酸のように蛋白の加水分解は少なく硫酸のよ
うに焦がすこともない。一方、濃酢酸(氷酢酸)はリン
酸のような中酸と異なり、弱酸であるので濃度が高くて
も、蛋白を加水分解することは稀である。そして、なに
よりも酢酸の特徴は、疎水性成分を溶かす溶媒的な作用
を示すので大豆中の蛋白が溶出しやすく、後に加水した
酸性下で酵素による加水分解を受けるのに好適である。
酢酸は、工業的に利用可能な濃度の酢酸を用いることが
出来る。その他の有機酸はpHを4以下に出来るのであ
れば利用出来るが種類が限られ、又そのように強い有機
酸は食用に利用出来るものが稀である。
【0013】濃厚な酸の濃度は工業的に利用可能な酸を
そのまま或いは市販された希釈酸を利用することも出来
る。尚、酢酸のような揮発性の酸は減圧下に除去するこ
とが出来るので中和に多くのアルカリ剤を要せず塩の生
成が少なく得られた豆乳やおからの用途範囲が拡大し好
ましい。又、酢酸は酸としてだけでなく疎水性成分を溶
解する溶媒としても作用するので、大豆中の疎水性成分
も同時に溶出させることが出来る。
【0014】大豆成分と濃厚な酸が接触して酵素が作用
しない状態や失活するには大豆成分の粒子や酸の種類、
濃度により異なるが、リン酸の場合は大豆成分との接触
時間を短く調節することが好ましく通常1分から30
分、好ましくは5分から20分程度接触させることが出
来る。酢酸の場合は弱酸であるので5分〜2時間、好ま
しくは20分〜1時間半、より好ましくは30分〜1時
間が適当である。前記のように濃厚な酸が組織内に浸透
した大豆成分に5〜20倍(大豆の重量に対する水の重
量)の水を加え、大豆成分の組織が破壊されていない場
合には摩砕するなどして大豆中の水溶出画分を抽出す
る。又、脱脂大豆のように既に大豆組織が破壊されたも
のには加水し攪拌して水溶出画分を抽出することが出来
る。最終の酸の濃度は酸の種類や濃度によって異なるが
pHが等電点以下、通常pH4以下が好ましく、酸の種
類により異なるが、濃厚な酸が酢酸の場合であれば、約
30倍まで希釈して利用することが出来る。
【0015】水溶出画分と残査は遠心分離、濾過など公
知の固液分離手段を利用して分離することが出来る。
【0016】得られた水溶出画分は豆乳とすることが出
来る。大豆成分が胚軸の場合はイソフラボン含有量や糖
類の豊富な豆乳とすることが出来る。
【0017】又、水系下で水相に溶出する画分と残りの
画分を分画する際に酵素分解するほうが豆乳の収率があ
がり好ましい。この際の酵素は酸性プロテアーゼが好ま
しい。酸性プロテーゼはペプシンなどの動物由来の酵
素、植物由来の酵素、微生物由来の酵素を利用すること
が出来る。
【0018】プロテアーゼの量はその種類や力価によっ
て異なるが通常大豆成分100重量部に対して0.1か
ら5重量部、好ましくは0.2〜2.0重量部が適当で
ある。水解する温度やpHは使用するプロテアーゼの作
用温度範囲内や作用pH内であればとくに至適温度範囲
や至適pH範囲を外れていても問題ない。
【0019】又、大豆成分(大豆原料)が脱脂大豆のよ
うに油脂を含まない場合はプロテアーゼによる水解率は
高くても良いが、大豆や胚軸のように大豆油を含む場合
はペプチドまで水解すると大豆油が分離するので好まし
くない。エンドプロテアーゼで水解率(0.22モルの
トリクロル酢酸に可溶の蛋白の割合)が、油分を含まな
い大豆成分では50%以下、好ましくは30%以下が適
当である。油分を含む大豆成分では加水分解率は30%
以下、好ましくは20%以下が適当である。例えば、酢
酸に浸漬して加水しペプシンのような酸性のエンドプロ
テアーゼで加水分解する場合は、加水分解率は20%以
下が通常であり、ペプチドというより平均分子量が数千
以上の水解物が主成分である豆乳である。
【0020】大豆中の蛋白は水可溶性であるが、プロテ
アーゼにより水解すると疎水性の高い画分は酸性の水溶
液にも溶出せずおから画分に移行する場合がある。しか
し、酸に酢酸を用いると酢酸がかかる疎水性蛋白画分に
溶媒として作用し豆乳の収率をあげることが出来るので
好ましい。ただ酢酸特有の臭いが残る場合でも食酢を加
えドレッシングなどに加工するとこの欠点をカバーする
ことが出来好ましい。
【0021】大豆成分が胚軸である場合、得られた豆乳
(ここでは、水溶出成分を豆乳と呼ぶ)はイソフラボン
豊富な豆乳とすることが出来、大豆糖類も豊富に含むの
でそのまま錠剤とすることが出来る。
【0022】大豆、脱皮大豆、脱皮・脱胚軸大豆は、濃
酢酸に浸漬させたり磨砕したり粉砕したりして大豆組織
を破壊して後酸性プロテアーゼを作用させて大豆中の大
豆蛋白を水解し大豆組織から抽出する。脱脂大豆の場合
は濃酢酸に浸漬させて適当に水で希釈した後酸性プロテ
アーゼを作用させることが出来る。酸性プロテアーゼを
作用させ大豆蛋白を水解し、大豆組織から抽出させるに
は、酵素が作用しやすく、水解された大豆蛋白水解物が
大豆組織から外れて希釈された酢酸溶液中に溶解されや
すい手段が適当である。酸性プロテアーゼを作用させた
後、酵素失活させるには加熱などの手段を用いることが
出来る。酢酸は中和することなく減圧、加熱蒸発などし
て 蒸散させて除去することが出来る。蒸散させた酢酸
は公知の手段により回収することも出来る。又、アルカ
リで中和することも出来る。酢酸を蒸散出来る場合は、
鉱酸のようにアルカリで中和する量が少ないので塩の生
成が少なく好ましい。特に得られる大豆蛋白水解物を健
康食品素材として利用する場合には塩は大敵であるの
で、本発明のような塩が極めて少ない大豆蛋白水解物が
好適である。
【0023】大豆原料が胚軸である場合、得られる大豆
蛋白水解物はイソフラボンのような生理活性物質を豊富
に含み、これを健康食品として利用出来る。
【0024】大豆原料をペプシンで水解した後、加熱な
どして酵素を失活させ噴霧乾燥することが出来る。加熱
により酢酸は蒸発して除去することが出来る。更に減圧
処理を併用したりすることにより酢酸を除去することが
効果的である。
【0025】ペプシン等の酵素を用いて水解した後、遠
心分離などの手段を用いて溶液画分と残査に分離するこ
とが出来る。残査はドラム乾燥、粉砕乾燥などすること
が出来る。乾燥の前後で減圧して酢酸を除去することも
出来るが、乾燥工程で酢酸を蒸散することが出来る。
【0026】得られた残査は通常のオカラに比べ大豆蛋
白含量が少なく、大豆繊維に富むものである。
【0027】大豆組織中に結合した大豆蛋白を更に効率
よく水解して外すには他のプロテアーゼを利用すること
も出来る。酸性プロテーゼ以外の中性乃至アルカリプロ
テアーゼ等を利用することが出来る。例えば弱アルカリ
性プロテアーゼが好ましい。溶液画分である豆乳は噴霧
乾燥などすることが出来る。残査はおから乾燥手段と同
様の手段を用いて乾燥することが出来る。
【0028】
【実施例】以下実施例により本発明の実施態様を説明す
る。
【0029】実施例1 丸大豆(水分11.7%、粗蛋白33%、脂質21.7
%、糖質24.6%、繊維4.2%)、該丸大豆を脱皮
脱胚軸した半割大豆(水分11.7%、粗蛋白33%、
脂質21.7%、糖質24.6%、繊維4.2%)、半
割大豆製造時に得られた胚軸(水分11.7%、粗蛋白
33%、脂質21.7%、糖質24.6%、繊維4.2
%)を以下の実施例で利用した。先ず、半割大豆の粉末
500重量部に90%酢酸250重量部を加えた。酢酸
が吸収され丸大豆の粉末に浸透した後、次に、水250
重量部を加え、更に水250重量部を加えた。約1時間
放置し水5000部を加水しながらホモゲナイズし、3
7℃で約30分放置した。
【0030】遠心分離して溶液画分である豆乳と沈殿画
分であるおからとに分離した。豆乳は水酸化ナトリウム
溶液を用いて中和した後噴霧乾燥し、おからはドラム乾
燥した。又、上記と同様にして酢酸に浸漬し加水してホ
モゲナイズした後、5重量部のペプシンを加え37℃で
20時間分解した。遠心濾過して沈殿画分を水2000
重量部で洗浄し乾燥してペプシン分解残査を得た。この
残査はpH8に調整してpH8溶解性画分とpH8不溶
性画分に分画すると前者55.2重量部、後者222.
4重量部であった。濾液も乾燥してペプシン分解物を1
78.8重量部得た。前者を酵素分解した豆乳とし、後
者を酵素分解したおからとした。
【0031】比較として、上記と同様にして得た半割大
豆の粉末500重量部に5500重量部の水を加え、し
かる後酢酸を250重量部を加え、同様に処理し豆乳と
おからを得た。又、ペプシン分解も同様にして酵素分解
した豆乳とおからを得た。
【0032】実施例1で得られた豆乳やおからと比較と
して得た豆乳とおからをそれぞれ15人のパネラーによ
り風味の比較を行った。実施例で得られた豆乳やおから
は比較の豆乳やおからに比べ、若干酢酸の風味が残るも
のの大豆特有の臭いが極めて少なくプレーンな風味であ
った。酵素分解した豆乳とおからに関しても同様にパネ
ラーによる風味の比較を行った。酵素分解していない豆
乳やおからと同様に比較の酵素分解した豆乳やおからに
比べ大豆特有の臭いが極めて少なくプレーンな風味であ
った。豆乳の甘い味とあいまって若干味があるように感
じられた。
【0033】実施例2 工業的に丸大豆を圧扁し、ヘキサンで脱脂した脱脂大豆
を実施例1と同様に処理して豆乳とおからを得た。又、
実施例1と同様にして酢酸処理し加水してホモゲナイズ
したスラリーをペプシンで同様に水解してペプシン分解
残査とペプシン分解物を得た。遠心濾過し、乾燥して残
査286重量部、分解物188重量部を得た。
【0034】15名のパネラーによる官能検査の結果、
実施例1と同様にして得た豆乳やおから、加水分解した
豆乳やおからより若干味はこくがなかったが、実施例1
の比較と同様にして得た豆乳、おから、加水分解した豆
乳やおからより風味の良いものであった。これは成分に
油を含んでいないからだと推察された。
【0035】実施例3 丸大豆をホモゲナイザーで粉砕して得た粉末360重量
部に90%酢酸を250重量部加えた。次に水1000
重量部を加えて約30分間放置した。次に加水しながら
ホモゲナイズして微粉砕し最終5000重量部とした。
これに7.4重量部のペプシンを加え37℃で20時間
水解した。沈殿と濾液に遠心濾過して分離し、沈殿を2
000重量部の水で洗浄し、乾燥した。濾液と洗浄水を
合わせて減圧濃縮乾燥を繰り返して酢酸を除去し、噴霧
乾燥した。
【0036】比較として上記の酢酸と水の添加順序を逆
にして同様のテストを行った。即ち、丸大豆をホモゲナ
イザーで粉砕して得た粉末360重量部に水1000重
量部を加え、30分放置した後90%酢酸を250重量
部加えた。次に加水しながらホモゲナイズして微粉砕し
最終5000重量部とした。以下の工程は実施例2と同
様にして豆乳とおからを得た。噴霧乾燥し、103重量
部の豆乳と236重量部のおからを得た。
【0037】以上のようにして得られた豆乳とおからを
15名のパネラーにより風味を比較した。実施例で得ら
れた豆乳やおからは若干酢酸の味が残るものの大豆特有
の味や臭いが極めて少なくプレーンな味であった。
【0038】実施例4 酢酸濃度を変化させて以下のように実施してみた。ホモ
ゲナイザーで粉砕した半割れ大豆粉、及び、工業的に得
られた脱脂大豆(不二製油(株)製造)について、各2
0重量部に氷酢酸、その後脱イオン水を添加し、ホモゲ
ナイザーで混合、室温で2h放置、そのpHを測定し
た。 (表1) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −− 氷酢酸 脱イオン水 (酢酸濃 度) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− − テスト1: 半割れ大豆粉 20g 10.0ml 40.0ml (20 %) 2: 半割れ大豆粉 20g 5.0ml 45.0ml (10 %) 3: 半割れ大豆粉 20g 2.5ml 47.5ml ( 5 %) 4: 脱脂大豆 20g 10.0ml 40.0ml (20 %) 5: 脱脂大豆 20g 5.0ml 45.0ml (10 %) 6: 脱脂大豆 20g 2.5ml 47.5ml ( 5 %) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− − 最終pH −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2: 3.84 3: 4.15 4: 3.32 5: 3.67 6: 3.96 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】上記の2時間放置後、ペプシンを添加し、
37℃で5時間放置後、そのまま凍結乾燥した。
【0040】以上で得られた豆乳とおからを15名のパ
ネラーで風味評価を行った。酢酸の臭いが若干残ってい
たが、味は半割れ大豆由来の豆乳やおからも脱脂大豆由
来の豆乳やおからも大豆特有の臭いが極めて少なくプレ
ーンな味であった。
【0041】実施例5 脱皮し脱胚軸した半割れ大豆を粉砕したもの200重量
部に90%酢酸50重量部を加えてホモゲナイズし、室
温で5時間放置して大豆中の酵素を失活した後、一夜風
乾した。加水して30分浸漬してホモゲナイズし、更に
加水して全体を1000重量部とした。このときpHは
5であった。塩酸を加えてpHを2に調整し、2重量部
のペプシンを加え37℃で3時間加水分解した。遠心分
離して上澄み(酵素分解した豆乳)と沈殿(おから)を
分けた。豆乳を噴霧乾燥して122.4重量部、おから
はドラム乾燥して67重量部得ることが出来た。
【0042】比較として半割れ大豆に最初に加水し、後
に前記と同量の酢酸を加え、塩酸で同様にpH調整し、
同様にペプシン分解して豆乳とおからを得た。
【0043】15名のパネラーによる官能検査の結果、
酢酸量が少なくても比較の豆乳やおからに比べ、この実
施例の豆乳やおからのほうが大豆特有の青臭みが少な
く、多少酢っぱい味が残るもののプレーンな味であっ
た。
【0044】実施例6 脱皮し脱胚軸した半割れ大豆100重量部に90%の酢
酸25重量部を加え攪拌混合して室温で3時間放置し
た。同量(25重量部)の水を加え大豆粒子が透明にな
るまで放置した。ドラフト内で一夜放置して風乾し、ホ
モゲナイザーで粉砕し扇風機で乾燥後、大豆粉がひたる
程度の水を加え30分放置した後ホモゲナイズした。加
水して全体を500重量部となし、塩酸でpHを3に調
整し、デナプシン(微生物由来の酸性プロテアーゼ:長
瀬生化学工業(株)製)1重量部を加え、50℃で3時
間水解した600ミクロン目の篩で篩別しておからを除
き、豆乳を苛性ソーダで中和して噴霧乾燥して100.
8重量部の乾燥粉末豆乳を得た。おからはドラム乾燥し
て4.5重量部を得た。
【0045】比較として同様の大豆100重量部に加水
して全体を475重量部とし、ホモゲナイズした後90
%酢酸25重量部を加えて、上記と同様にデナプシン分
解し同様にして乾燥粉末豆乳と乾燥おからを得た。15
名のパネラーによる官能検査の結果、上記比較で得られ
た豆乳やおからに比べこの実施例で得られた豆乳やおか
らは大豆特有の臭みが少なく風味の良いものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明により、風味にすぐれた豆乳とお
からを得ることが出来るようになったものである。更
に、酵素分解したものは旨い味を有し、食品素材として
利用範囲が拡大すると期待される。又、酢酸で処理した
ものは食酢を加えてドレッシングとすることも出来る。
又、胚軸から得られた豆乳はイソフラボンを含み大豆蛋
白、大豆糖類も含みそのまま残査であるおからと一緒に
して錠剤とすることも出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC08 AC25 AC45 BC11 BC99 EC01 4B020 LB18 LC01 LG01 LG03 LK03 LK19 LP08 LP14 LP20 LQ01 LQ05 LQ06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆組織が破壊されて後水と接触していな
    い大豆成分を濃厚な酸と接触させて酸を浸透させ、しか
    る後酸性水系下で水相に溶出する画分と残りの画分を分
    画することを特徴とする豆乳とおからを製造する方法。
  2. 【請求項2】酸性水系がpH4以下である請求項1の製
    造法。
  3. 【請求項3】大豆成分が脱皮・脱胚軸した大豆である請
    求項1又は請求項2の製造法。
  4. 【請求項4】大豆成分が脱脂大豆である請求項1又は請
    求項2の製造法。
  5. 【請求項5】大豆成分が胚軸である請求項1又は請求項
    2の製造法。
  6. 【請求項6】大豆成分と酸の接触態様が大豆成分を可及
    的少量の濃厚な酸に浸漬する請求項1〜請求項4のいず
    れかの製造法。
  7. 【請求項7】酸性水系下で水相に溶出する画分と残りの
    画分を分画する際に酵素分解する請求項1〜請求項5の
    いずれかの製造法。
  8. 【請求項8】酵素が酸性プロテアーゼである請求項6の
    製造法。
  9. 【請求項9】酸が酢酸である請求項1〜請求項7のいず
    れかの製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005087019A1 (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Mitsukan Group Corporation 大豆胚軸高含有豆乳およびその豆腐
KR101773063B1 (ko) * 2015-11-19 2017-08-31 안동대학교 산학협력단 비지 아이스크림 및 그 제조방법

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