JP2002083825A - 閉管式熱処理方法 - Google Patents

閉管式熱処理方法

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JP2002083825A
JP2002083825A JP2000273102A JP2000273102A JP2002083825A JP 2002083825 A JP2002083825 A JP 2002083825A JP 2000273102 A JP2000273102 A JP 2000273102A JP 2000273102 A JP2000273102 A JP 2000273102A JP 2002083825 A JP2002083825 A JP 2002083825A
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semiconductor crystal
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Tetsuo Saito
哲男 齊藤
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物半導体結晶の空孔濃度制御のための
熱処理において、構成元素の解離に伴う結晶欠陥が発生
し、デバイス特性を劣化させる。 【解決手段】 化合物半導体結晶17と化合物半導体
結晶を構成する元素からなるソース原料18とを同一の
閉管16に各々個別の位置に載置して封入し、独立に温
度制御し、化合物半導体結晶17を最高温度部に配置
し、ソース原料18の内最も蒸気圧の高い元素の蒸気圧
が、化合物半導体結晶の最小解離圧の1/2を下回らな
いようにソース原料の温度を制御して、結晶の空孔濃度
を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体結晶
の空孔濃度制御に係わり、特に、as−grownまた
は熱処理時に導入され易い転位,プレシピテート等の結
晶欠陥の少ない熱処理方法、および本熱処理方法で処理
された結晶を用いるpn接合デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】III-V 属、II-VI 属の多元化合物半導体
結晶(例えば、GaAs,InP,HgCdTeなどA
s,P,Hgのような高蒸気圧元素を含む結晶)では、
発光素子、受光素子用等に、LPE、MOCVD、MB
E法等の成長で結晶成長が行われている。しかし、各種
結晶成長法や成長条件により、as−grown結晶の
空孔濃度は一定でない。
【0003】近年、半導体製品の製造歩留り向上のた
め、空孔濃度を制御して、キャリア濃度、移動度等の結
晶特性を安定化した結晶を製造することが要求されてい
る。また、as−grownまたは熱処理工程で導入さ
れる欠陥の低減が要求されている。
【0004】従来の閉管式熱処理方法では、LPE、M
OCVD、MBE法等で成長した化合物半導体結晶を、
石英アンプル等の閉管内に、熱処理用ソース原料ととも
に載置し、封止後、熱処理炉に装着して、所定の温度で
熱処理していた。ここで、ソース原料としては、化合物
半導体結晶の構成元素の中で解離圧の大きい元素(例え
ばHg、As、P等)を選び、単独または、化合物半導
体結晶粉末とを混合したものを用いていた。例えば、I
nP結晶とP元素単体を閉管中で熱処理する特開平8−
208396号公報や、ZnSe結晶とZn元素単体を
用いる特開平10−265299号公報などがある。し
かし、これらの熱処理法は、単一の元素について着目す
れば、初期の目的を達成できるかもしれないが、他の元
素の解離により、結晶表面が荒れたり、欠陥発生の要因
とも成りかねない。
【0005】図6は従来の熱処理方法を示す図である。
図中、17は化合物半導体結晶、18は熱処理用ソー
ス、16は閉管である。化合物半導体結晶17と熱処理
用ソース18は所定の距離を隔てて閉管16内部に載置
されている。例えばHg1-x Cdx Te結晶の空孔濃度
制御を行う場合、石英アンプルの閉管16内に化合物半
導体結晶17であるHgCdTe結晶と、HgCdTe
結晶中で最も解離圧の大きいHg単体(またはHg単体
とHgCdTe結晶粉末)の熱処理用ソース18を封入
し、それぞれの部位で所望の温度に制御してHgCdT
e結晶の空孔濃度制御を行っていた。
【0006】しかし、この方法では、閉管16内の空間
の蒸気圧が平衡に達するまで、空間にHgCdTe結晶
表面から解離したCd、Teが消費され、HgCdTe
結晶の厚さが減少したり、Cd,Teの欠損による欠陥
(転位など)が増加する問題が発生していた。また、H
gCdTe結晶のHgの解離圧よりHgソースの蒸気圧
が低下すると、HgCdTe結晶表面からHgが解離す
るだけでなく、Teが凝集してプレシピテートを形成
し、このプレシピテートの体積差に伴う欠陥(転位、歪
み)の増加も起こってしまう問題があった。
【0007】また、HgCdTe結晶表面近傍では、C
d、Teの供給源がないため、空間に解離したCdがH
gで置換されるため、結晶表面組成(x値)が低下す
る。表面層が低x値化するとエネルギーギャップが小さ
くなり、デバイス(光起電力型ダイオード)の漏れ電流
が増加して、デバイス特性が低下する問題が発生してい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化合物半導
体結晶の空孔濃度を制御する熱処理において、構成元素
が結晶表面から解離することを防止して結晶欠陥の発生
を抑止し、あるいは過剰構成元素に不足構成元素を供給
して欠陥を消滅させて低欠陥の化合物半導体結晶を得る
ことを目的とする。さらに、結晶表面組成を制御する方
法を提供し、この方法で作製した結晶を用いてpn接合
デバイスの特性を向上することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1による熱処理
は、化合物半導体結晶と化合物半導体結晶を構成するそ
れぞれの元素単体からなる各々のソース原料とを同一の
閉管に封入し、各々個別の位置に配置し、独立に温度制
御し、化合物半導体結晶を最高温度部に配置し、ソース
原料の蒸気圧が、化合物半導体結晶の最小解離圧の1/
2を下回らないようにソース原料の温度を制御する閉管
式熱処理方法である。
【0010】同じ元素でも単体で存在している場合と結
晶の一部で存在している場合では、同じ圧力を得るのに
必要な温度は単体で存在している場合の方が低い。さら
に、閉管内の空間をある蒸気圧に満たす速度も単体ソー
スは結晶より大きく、空間が平衡に達するまで、結晶の
解離を伴わずに、各単体ソースから空間へ蒸気を供給で
きる。
【0011】したがって、単体ソースを用いることによ
り、室温から熱処理温度に昇温する熱処理の初期段階に
おいて、結晶表面から閉管の空間への解離を防止でき、
欠陥発生を抑止できる。
【0012】また、発明者はHgCdTe結晶におい
て、経験的に熱処理用ソースの蒸気圧が結晶の解離圧の
1/2未満の状態になるとプレシピテート、転位などの
欠陥が生じることを見出している。したがって、請求項
1に係る本発明は、結晶欠陥を増やさないための熱処理
方法である。
【0013】請求項2による熱処理は、3種以上n種の
元素からなる化合物半導体結晶C、最も蒸気圧の高い元
素からなるソースS1 と他の(n−1)種の元素からな
るソース(S2 、・・・、Sn )を用いて行う閉管式熱
処理方法である。
【0014】結晶および各ソースの温度として、化合物
半導体結晶を最高温度、蒸気圧の高いソースS1 を最低
温度、その他のソース(S2 、・・・、Sn )を蒸気圧
の逆数の順序で温度の順位を決めることにより、どの元
素も結晶への供給と結晶からの解離を平衡するようにす
る。
【0015】請求項3による熱処理は、結晶および蒸気
圧の最も高いソース、その他のソースの温度の設定を3
通りの工程で行う閉管式熱処理方法である。
【0016】第1の工程として、請求項2で示した条件
で、各元素の解離と供給をバランスし、蒸気圧の最も高
いソース温度と結晶の温度で空孔濃度を決める。第2の
工程として、第1の工程と比較して各部位で温度を高く
設定して、結晶中に存在するプレシピテート転位の原因
である蒸気圧の低い元素の凝集部分に蒸気圧の高い元素
を供給して結晶組成に合わせることにより、欠陥を消滅
あるいは低減する。第3の工程は、組成を決める2番目
に高いの蒸気圧のソース原料の部位の温度を高く設定
し、最も蒸気圧の高い元素を2番目に蒸気圧の高い元素
で置換することにより、結晶表面の組成比を変える。熱
処理のどの工程でもそれぞれ効果を発揮するが、通常
は、成長後の結晶を表面処理した後、第2の工程で結晶
欠陥の低減し、第3の工程で表面組成の制御し、第1の
工程で空孔濃度制御することによって、デバイス作製用
に熱処理された結晶が供される。
【0017】請求項4による熱処理は、蒸気圧の順位が
3番目以降の元素が、2番目の元素と比べて蒸気圧が十
分小さい場合、3番目以降の元素を2番目の元素の設定
温度に合わせる方法である。
【0018】このような条件であれば、多元結晶であっ
ても、3ゾーンの熱処理炉、あるいは3つの温度コント
ローラで熱処理ができ、装置構成の簡素化や熱処理操作
の簡素化が可能となる。
【0019】請求項5による熱処理装置は、炉芯管、ヒ
ータ、温度センサ、温度コントローラ、冷却部からなる
水平型の熱処理炉であることを規定している。
【0020】請求項1乃至4のいずれかに記載の熱処理
を行うために、複数の温度ゾーンを設け、各温度ゾーン
を独立に制御可能とするため、独立のヒータ、温度セン
サ、温度コントローラを設ける。ソース原料、化合物半
導体結晶はそれぞれ収納容器または載置板上に配置さ
れ、閉管内に載置される。各ヒータの間隔と閉管内に載
置された部材の間隔は前もって決められている。閉管を
炉芯へ挿入する際の位置決めが容易であり、加熱された
閉管を急冷するために冷却部への移動が容易な水平型の
熱処理装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は熱処理装置を示す図であ
る。化合物半導体結晶17と熱処理用ソース18は石英
製の閉管16に載置され、閉管16は真空に排気され、
封止される。化合物半導体結晶17と熱処理用ソース1
8が各々に対応したヒータ12部分に設置される様、閉
管16を炉芯管11内でスライドさせる。温度コントロ
ーラ14は各ヒータ12を熱処理手順に従って設定温度
と時間で制御する。熱処理を終了すると、閉管16を冷
却部15に移動し、水または液体窒素などの冷却材で急
冷する。
【0022】本熱処理を行う結晶は基板の上にII-VI 属
あるいはIII-V 属の多元化合物半導体をLPE、MOC
VD、MBE法などの成長技術で成長したものである。
【0023】本熱処理方法について、Hg0.781 Cd
0.219 Teを例に、結晶欠陥の低減と組成制御と空孔濃
度制御の具体的な方法を説明する。
【0024】図2は、3種類の熱処理工程を概念的に示
したものである。HgCdTe結晶を構成する元素の
内、最も蒸気圧の高いHgをソースS1 、その他のCd
およびTeをソースS2 およびS3 、HgCdTe結晶
の結晶Cを炉内の所定の位置に配置し、その各々の位置
における炉内温度をT1 、T2 、T3 、TC とする。H
gCdTeの場合、Teの蒸気圧はCdに比べ1桁以上
小さいので、同一温度(T2 =T3 )として扱う。第1
の工程は全体に温度が低く、空孔濃度制御を行う工程で
ある。第2の工程は全体に温度が高く、結晶欠陥を低減
する工程である。第3の工程はソースS2 、S3 を第1
の工程より高く設定し、結晶表面の組成を制御する工程
である。
【0025】化合物半導体結晶17として、25×25
×1mmのCd0.97Zn0.03Te(111)B面基板上
に、Hg0.781 Cd0.219 Te結晶をLPE法で厚さ2
5μm成長したものを用いる。
【0026】ソース18材料としてHg2g、Cd1
g、Te1gを、容量約500ccの石英製アンプル1
6に上記結晶と共に真空封入する。化合物半導体結晶1
7は、均温化のために、結晶載置用溝を設けたp−BN
(熱分解窒化ボロン)板またはカーボン板上に載置す
る。
【0027】結晶Cは最高温度TC に、Hgより蒸気圧
の低いCdなどのソース(S2 、S 3 )をその次に高い
温度T2 に、そして、蒸気圧の最も高いHgソ−スS1
を最低温度T1 にする。具体的な熱処理は以下の通りで
ある。
【0028】第2の工程の熱処理として、2_TC =4
10℃、2_T1 =350℃、2_T2 =370℃にな
る様に、30分で昇温し、4時間熱処理する。この工程
では、HgとCdが結晶中に存在するTeプレシピテー
ト(Te元素が凝集したもの)に供給され、HgCdT
eになり、プレシピテートが無くなる。その結果、プレ
シピテート転位に伴う欠陥が合体消滅する。
【0029】その後、第3の工程の熱処理として、3_
C =370℃、3_T1 =240℃、3_T2 =37
0℃に設定して、24時間熱処理する。この工程では、
Cd蒸気圧が高いために、解離したHgと置換して、表
面の結晶組成はHg0.77Cd 0.23Teとなり、x値が高
くなる。更に、x値を高くするには、3_TC 、3_T
2 をより高くすれば良い。
【0030】最後に、第1の工程の熱処理として、1_
C =370℃、1_T1 =240℃、1_T2 =25
0℃に設定し、24時間熱処理する。この工程では、H
gソースの蒸気圧と結晶から解離するHg解離圧が平衡
し、空孔濃度3×1016cm -3になる。空孔濃度を高め
に制御するには、現状の設定温度より温度1_T1 を低
くする、あるいは1_TC を高くすることになる。
【0031】図3は本熱処理前後のHgCdTe結晶の
組成勾配を示す図である。直線に近いラインは、熱処理
前のエピ結晶表面から測定したx値の深さ方向の変化を
示している。下に凸のラインは、本熱処理により、結晶
表面のx値は大きく(x=0.23)、基板側に進に従
ってx値は小さく(深さ8μmで、x=0.225)な
り、再び増加をして、図示していないが、基板のx(〜
1)値に至る。 なお、各熱処理工程において、結晶が
設定された温度で結晶の最小解離圧の1/2を下回らな
いようにHg単体のソース温度が設定されている。ま
た、各熱処理工程において、 TC ≧T2 ≧T1 の関係が保持されている。
【0032】以上の結果、3工程の本熱処理により、結
晶欠陥を低減し、結晶の表面の組成を高x値化し、空孔
濃度制御できた。
【0033】3工程の熱処理について述べたが、当然、
2工程の熱処理も可能である。
【0034】例えば、表面組成だけを変えるには、第3
の工程と第1の工程の熱処理を行えば、表面が高x値化
され、空孔濃度制御された結晶が得られる。
【0035】また、高x値化の必要のない場合(例え
ば、元々x値の高い結晶)、第2の工程と第1の工程の
熱処理を行えば、Teプレシピテート転位に由来する欠
陥を低減し、空孔濃度制御された結晶が得られる。
【0036】本熱処理方法の効果は、処理された結晶を
デバイス化することにより明確になる。
【0037】図4は、pn接合デバイスの断面構造を示
す図である。図中、1は基板、2はその上にエピ成長し
た化合物半導体結晶、3は絶縁膜、4はイオンプランテ
ーション法で形成したn領域、5はn電極、6はp電極
である。
【0038】Cd0.97Zn0.03Te基板1の上に、表面
組成がx=0.219のHgCdTeエピタキシャル結
晶2を成長した化合物半導体結晶に、上述した3工程の
熱処理を施す。その結果、表面組成はx=0.23、空
孔濃度は3×1016cm-3となる。この結晶表面にZn
SまたはCdTeまたはSiNxの絶縁膜3を形成す
る。所定の開口を形成し、Bをイオンインプランテーシ
ョン法で注入し、n領域4を形成し、その直上にn電極
5を形成する。n領域4の近傍の絶縁膜3に開口を設
け、p電極6を形成して、pn接合デバイスを作製す
る。
【0039】図5はpn接合デバイスの逆方向バイアス
における微分抵抗(ダイオードの電流電圧特性の逆方向
電圧に対する微少電圧変化と微少電流変化の比)を示す
図である。測定曲線は上下2つのグループに分かれてい
る。各グループは複数(8個)のダイオードからなる。
下のグループは従来の熱処理方法(第1の工程のみの熱
処理)で空孔濃度制御した結晶を用いている。上のグル
ープは第2の工程の欠陥低減と第3の工程の組成の高x
値化と第1の工程の空孔濃度制御した結晶を用いてい
る。両グループの微分抵抗の値を比較すると、極大とな
るバイアス約70mVの所で、後者の方が約1桁高く、
pn接合として漏れ電流の少ない優れた性能を示してい
る。
【0040】また、千個程度のダイオードを評価し、統
計的に両者の欠陥素子(ダイオード特性の得られなかっ
た素子数)率で比較すると、前者で約5%から後者で約
1%に改善された。
【0041】この結果から、蒸気圧の高いHgソースだ
けの熱処理ではプレシピテート欠陥を除去できないが、
残りの元素(CdとTe)をソースとして同時に熱処理
すると欠陥を低減できる結果、欠陥率に差を生じたと考
えられる。また、pn接合の逆方向バイアス時の微分抵
抗値は、as−grown結晶の組成勾配が、結晶表面
で最も小さいx値(バンドギャップが最も小さい)であ
るために、漏れ電流の増大を招いていたと考えられる。
【0042】なお、本熱処理法の変形例として、 ・ソース原料と同族の元素からなる二元化合物半導体結
晶のエネルギーギャップが、化合物半導体結晶を構成す
る二元化合物のエネルギーギャップよりも大きくなる前
記同族の元素の少なくともひとつを前記ソース原料に加
える。
【0043】例えば、ZnはHg,Cdと同じII族であ
り、HgCdTeの構成二元化合物HgTe(Eg=−
0.3eV),CdTe(Eg=1.53eV)に対
し、ZnTe(Eg=2.26eV)である。ソースに
Znを添加すると、Hg,CdをZnが置換し、結晶表
面をよりワイド・ギャップにでき、表面高x値化と同等
の効果が得られる。 ・ソース原料と同族の元素からなる二元化合物半導体結
晶のエネルギーギャップが、化合物半導体結晶を構成す
る二元化合物のエネルギーギャップよりも大きくなる前
記同族の元素の少なくともひとつでソース原料の一部元
素を置換する。
【0044】例えば、CdソースをZnで置換する場
合、ZnはHg,Cdと同じII族であり、Cdソースの
HgCdTeの構成二元化合物CdTe(Eg=1.5
3eV)に対し、ZnTe(Eg=2.26eV)であ
る。CdソースをZnで置換して熱処理すると、Hg,
CdをZnが置換し、結晶表面を請求項4よりワイド・
ギャップにでき、表面高x値化と同等の効果が得られ
る。 ・ソース原料に、化合物半導体結晶の電気的特性に活性
な不純物元素を加える。などが考えられる。
【0045】以上、本発明を実施例により説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明
の原理を満たす範囲で種々の変形及び改良が可能である
ことは言うまでもない。
【0046】以上、本発明をまとめると以下の通りであ
る。 (付記1)二元以上の化合物半導体結晶と前記化合物半
導体結晶を構成するそれぞれの元素単体からなる個々の
ソース原料を同一の閉管内の個別の部位に載置し、前記
閉管を真空封止し、前記化合物半導体結晶を前記閉管の
他の原料より高温部に配置し、前記ソース原料の蒸気圧
が、前記化合物半導体結晶の最小解離圧の1/2を下回
らないようにソース原料の部位温度を設定することを特
徴とする閉管式熱処理方法。 (付記2) 化合物半導体結晶Cを構成する全ての元素
単体n(≧3)種のソース原料の内、最も蒸気圧の高い
元素単体S1 を前記閉管の温度T1 になっている一端に
配置し、前記化合物半導体結晶Cを前記閉管の温度TC
になっている中央部に配置し、残り(n−1)種の各ソ
ース原料(S2 、・・・、Sn )を前記閉管の温度
2 、・・・、Tn になっている他端に分散配置し、前
記ソース原料(S1 、S2 、・・・、Sn )の蒸気圧が
1 、P2 、・・・、Pn で、 P1 ≧P2 ≧・・・≧Pn の関係であるとき、前記化合物半導体結晶Cの部位温度
及び前記ソースの部位温度を、 TC ≧Tn ≧・・・≧T2 ≧T1 の関係で温度制御することを特徴とする付記1記載の閉
管式熱処理方法。 (付記3) 三元以上の化合物半導体結晶の熱処理にお
いて、前記化合物半導体結晶を構成する全ての元素単体
から成るソース原料(S1 、・・・、Sn )の内、最も
蒸気圧の高いソース原料をS1 とし、前記化合物半導体
結晶Cの部位温度及び前記ソース原料(S1 、・・・、
n)の部位温度を1_TC 、1_T1 、・・・、1_
n とし 1_TC ≧1_Tn ≧・・・≧1_T2 ≧1_T1 の関係で行う第1の熱処理工程と、前記化合物半導体結
晶Cの部位温度及び前記ソース原料(S1 、・・・、S
n)の部位温度を2_TC 、2_T1 、・・・、2_T
n とし 2_TC >1_TC 、2_T1 >1_T1 、・・・、2
_Tn >1_Tn の関係で行う第2の熱処理工程と、前記化合物半導体結
晶Cの部位温度及び前記ソース原料(S1 、・・・、S
n)の部位温度を3_TC 、3_T1 、・・・、3_T
n とし 3_TC ≧1_TC 、3_T1 ≦1_T1 、 3_T2 >1_T2 、・・・、3_Tn >1_Tn の関係で行う第3の熱処理工程と、からなる熱処理工程
の少なくとも1工程含むことを特徴とする付記2記載の
閉管式熱処理方法。 (付記4) 三元以上の化合物半導体結晶の熱処理にお
いて、前記化合物半導体結晶を構成する全ての元素単体
から成るソース原料(S1 、・・・、Sn )の蒸気圧P
1 、・・・、Pn が P1 ≧P2 >P3 ≧・・・≧Pn の関係であるとき、前記ソース原料S3 、・・・、Sn
の部位温度を前記ソース原料S2 の部位温度T2 に揃え
ることを特徴とする付記3記載の閉管式熱処理方法。 (付記5) 前記三元以上の化合物半導体結晶の熱処理
において、前記ソース原料と同族の元素からなる二元化
合物半導体結晶のエネルギーギャップが、前記化合物半
導体結晶を構成する二元化合物のエネルギーギャップよ
りも大きくなる前記同族の元素を少なくともひとつ前記
ソース原料に加えることを特徴とする付記2から4のい
ずれかに記載の閉管式熱処理方法。 (付記6) 前記三元以上の化合物半導体結晶の熱処理
において、前記ソース原料の一部元素を少なくともひと
つの前記同族の元素で置換してソース原料とした熱処理
を行うことを特徴とする付記1から4のいずれかに記載
の閉管式熱処理方法。 (付記7) 前記三元以上の化合物半導体結晶の熱処理
において、前記ソース原料に、前記化合物半導体結晶の
電気的特性に活性な不純物元素を加えることを特徴とす
る付記1から6のいずれかに記載の閉管式熱処理方法。 (付記8) 閉管を載置する炉芯管と、前記炉芯管の周
囲に設けた複数のヒータおよび複数の温度センサと、前
記ヒータと前記温度センサで炉芯の温度制御を行うコン
トローラと、熱処理を終えた前記閉管を急冷する冷却部
とを有する水平型炉であり、前記閉管に真空封止された
化合物半導体結晶と前記化合物半導体結晶を構成するそ
れぞれの元素単体からなるソース原料とを独立に温度制
御することが可能であることを特徴とする熱処理装置。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
空孔濃度制御の熱処理において、結晶表面から蒸気圧の
高い元素の解離を防止して結晶欠陥の発生を抑止し、さ
らに、結晶表面組成を制御することができるので、欠陥
の少なく表面組成制御された結晶を製造することが可能
となる。従って、本結晶を用いて、良質なデバイスを製
造でき、係る半導体デバイスの性能向上に寄与するとこ
ろが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱処理装置を示す図
【図2】 熱処理炉の温度分布を示す図
【図3】 熱処理前後のHgCdTe結晶の組成勾配を
示す図
【図4】 pn接合デバイスの断面構造を示す図
【図5】 pn接合デバイスの逆方向バイアスでの微分
抵抗を示す図
【図6】 従来の熱処理方法を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 エピタキシャル結晶 3 絶縁膜 4 n領域 5 n電極 6 p電極 11 炉芯管 12 ヒータ 13 温度センサ 14 温度コントローラ 15 冷却部 16 閉管 17 化合物半導体結晶 18 熱処理用ソース

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二元以上の化合物半導体結晶と前記化合
    物半導体結晶を構成するそれぞれの元素単体からなる個
    々のソース原料を同一の閉管内の個別の部位に載置し、 前記閉管を真空封止し、 前記化合物半導体結晶を前記閉管の他の原料より高温部
    に配置し、 前記ソース原料の蒸気圧が、前記化合物半導体結晶の最
    小解離圧の1/2を下回らないようにソース原料の部位
    温度を設定することを特徴とする閉管式熱処理方法。
  2. 【請求項2】 化合物半導体結晶Cを構成する全ての元
    素単体n(≧3)種のソース原料の内、最も蒸気圧の高
    い元素単体S1 を前記閉管の温度T1 になっている一端
    に配置し、 前記化合物半導体結晶Cを前記閉管の温度TC になって
    いる中央部に配置し、 残り(n−1)種の各ソース原料(S2 、・・・、
    n )を前記閉管の温度T 2 、・・・、Tn になってい
    る他端に分散配置し、 前記ソース原料(S1 、S2 、・・・、Sn )の蒸気圧
    がP1 、P2 、・・・、Pn で、 P1 ≧P2 ≧・・・≧Pn の関係であるとき、 前記化合物半導体結晶Cの部位温度及び前記ソースの部
    位温度を、 TC ≧Tn ≧・・・≧T2 ≧T1 の関係で温度制御することを特徴とする請求項1記載の
    閉管式熱処理方法。
  3. 【請求項3】 三元以上の化合物半導体結晶の熱処理に
    おいて、 前記化合物半導体結晶を構成する全ての元素単体から成
    るソース原料(S1 、・・・、Sn )の内、最も蒸気圧
    の高いソース原料をS1 とし、 前記化合物半導体結晶Cの部位温度及び前記ソース原料
    (S1 、・・・、Sn)の部位温度を1_TC 、1_T
    1 、・・・、1_Tn とし 1_TC ≧1_Tn ≧・・・≧1_T2 ≧1_T1 の関係で行う第1の熱処理工程と、 前記化合物半導体結晶Cの部位温度及び前記ソース原料
    (S1 、・・・、Sn)の部位温度を2_TC 、2_T
    1 、・・・、2_Tn とし 2_TC >1_TC 、2_T1 >1_T1 、・・・、2
    _Tn >1_Tn の関係で行う第2の熱処理工程と、 前記化合物半導体結晶Cの部位温度及び前記ソース原料
    (S1 、・・・、Sn)の部位温度を3_TC 、3_T
    1 、・・・、3_Tn とし 3_TC ≧1_TC 、3_T1 ≦1_T1 、 3_T2 >1_T2 、・・・、3_Tn >1_Tn の関係で行う第3の熱処理工程と、からなる熱処理工程
    の少なくとも1工程含むことを特徴とする請求項2記載
    の閉管式熱処理方法。
  4. 【請求項4】 三元以上の化合物半導体結晶の熱処理に
    おいて、 前記化合物半導体結晶を構成する全ての元素単体から成
    るソース原料(S1 、・・・、Sn )の蒸気圧P1 、・
    ・・、Pn が P1 ≧P2 >P3 ≧・・・≧Pn の関係であるとき、前記ソース原料S3 、・・・、Sn
    の部位温度を前記ソース原料S2 の部位温度T2 に揃え
    ることを特徴とする請求項3記載の閉管式熱処理方法。
  5. 【請求項5】 閉管を載置する炉芯管と、 前記炉芯管の周囲に設けた複数のヒータおよび複数の温
    度センサと、 前記ヒータと前記温度センサで炉芯の温度制御を行うコ
    ントローラと、 熱処理を終えた前記閉管を急冷する冷却部とを有する水
    平型炉であり、 前記閉管に真空封止された化合物半導体結晶と前記化合
    物半導体結晶を構成するそれぞれの元素単体からなるソ
    ース原料とを独立に温度制御することが可能であること
    を特徴とする熱処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007258722A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Samsung Corning Co Ltd 窒化物半導体基板の亜鉛イオン注入方法

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