JP2002082082A - 臭気センサー及びその製造方法 - Google Patents

臭気センサー及びその製造方法

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JP2002082082A
JP2002082082A JP2000271083A JP2000271083A JP2002082082A JP 2002082082 A JP2002082082 A JP 2002082082A JP 2000271083 A JP2000271083 A JP 2000271083A JP 2000271083 A JP2000271083 A JP 2000271083A JP 2002082082 A JP2002082082 A JP 2002082082A
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carbon material
thin film
dispersed
nanostructured carbon
electrodes
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Application number
JP2000271083A
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English (en)
Inventor
Katsuya Wakita
克也 脇田
Shuji Ota
周治 太田
Hiromu Kajii
博武 梶井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、高感度で、簡易な検出回路によって臭
気物質濃度を計測可能なセンサー及びその簡便な作製方
法を提供する。 【解決手段】 ソース電極6、ドレイン電極7、絶縁体膜
8、ゲート電極9及び有機化合物あるいは導電性高分子中
に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料
が分散された薄膜10から構成される臭気センサーであ
り、電界効果型トランジスタ構造を有することによりソ
ース-ドレイン間電流値をゲート電極における印加電圧
によって調整しながら、臭気物質が金属元素もしくは金
属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散された有機化合
物あるいは導電性高分子からなる薄膜に吸着されること
による前記薄膜10の電気特性の変化を高感度で検知する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型軽量で、しかも
単純な構造で高機能な臭気センサーとその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】簡便な構成あるいは測定機構からなる臭
気センサーは、日常生活においてあらゆるところで必要
とされており、小型軽量で、しかも高性能な臭気センサ
ーが望まれている。
【0003】従来の臭気センサーは圧電体の共振周波数
の変化を検出する膜厚計の上にガスの吸着媒体を接着
し、ガスを吸着する事によりガスの吸着媒体の質量が変
化するために共振周波数が変化する事を検出していた。
(H.Xu, T.Matsuda, T.Nakamotoand T.Moriizumi: "Phos
pholipid Film Electrodeposition of Quartz Resonato
r and its Application to odor Sensing", Jpn. J. Ap
pl. Phys., Vol.34, No.7B, pp.3914-3919 (1995)) また、原理的に異なるセンサーとしては、有機薄膜であ
るポリアルキルチオフェン薄膜により電界効果型トラン
ジスターを形成し、ガスを検出した例が報告されてい
る。(Y.Ohmori, H.Takahashi, K.Muro, M.Uchida, T.Ka
wai and K.Yoshino:"Gas Sensitive Schottky Gated Fi
eld Effect Transistors Utilizing Poly(3-alkylthiop
hene)Films,"Jpn. J. Appl. Phys. vol.30, No.7B, pp.
L1247-L1249 (1991)).
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示されたような従来の臭気センサーの開発においては以
下の様な課題が存在し、日常生活に用いるものとしては
その適用が困難であった。
【0005】すなわち、上記圧電体の共振周波数の変化
を検出する方式のセンサーにおいては、精密な周波数検
出器を必要とし、検出装置として高価なものとなり、か
つ大掛かりな装置となっていた。
【0006】また、上記電界効果型トランジスターを用
いた検出器にはガスの検出感度の制限が有り、さらには
温度などの外的な条件により特性が変化するといった課
題が存在した。
【0007】本発明は、これら従来の課題を解決するも
ので、有機化合物または導電性高分子中にナノ構造炭素
材料が分散された薄膜に電極を設ける事により前記ナノ
構造炭素材料に臭気分子が付着し、複合膜中の電気的特
性が変化することにより、電極間の電気特性が変化し、
電気信号の変化としてガスを検知する臭気センサーを形
成するものであり、高感度で簡易な検出回路によって計
測可能なセンサーを簡便な方法で提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は以下のような構成とする。
【0009】本発明の請求項1に係わる臭気センサー
は、有機化合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜
と、極性の異なる2種類の電極とからなることを特徴と
する。
【0010】これにより、臭気物質がナノ構造炭素材料
が分散された有機化合物からなる薄膜に接触した際に、
極性の異なる2種類の電極間に流れる電気信号が変化
し、その電気信号の変化の度合いを観る事で簡易な検出
回路により臭気物質の濃度を高感度に計測することがで
きる。
【0011】本発明の請求項2に係わる臭気センサー
は、導電性高分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄
膜と、極性の異なる2種類の電極とからなることを特徴
とする。
【0012】これにより、臭気物質がナノ構造炭素材料
が分散された導電性高分子からなる薄膜に接触した際
に、極性の異なる2種類の電極間に流れる電気信号が変
化し、その電気信号の変化の度合いを観る事で簡易な検
出回路により臭気物質の濃度を高感度に計測することが
できる。またここで、電流が流れるためのキャリヤー
(電子あるいは正孔)をあらかじめ有している導電性高分
子材料を用いる事により極性の異なる2種類の電極間に
印加する電圧値を下げる事ができ、かつ臭気物質と接触
した際の電気信号の変化を観測する事で簡易な検出回路
により臭気物質の濃度を高感度に計測することができ
る。
【0013】本発明の請求項3に係わる臭気センサー
は、有機化合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜
と、極性の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、
少なくともその1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が有
機化合物中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入さ
れた構造であることを特徴とする。
【0014】これにより、電界効果型のトランジスタ構
造を有し、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分散さ
れた有機化合物と対向する第3の電極の印加電圧を変化
させることで、他の極性の異なる2つの電極間に流れる
電流値を制御しながら、より臭気物質に対する高感度な
計測を行う事ができる。
【0015】本発明の請求項4に係わる臭気センサー
は、導電性高分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄
膜と、極性の異なる電極を含んだ3つの電極とからな
り、少なくともその1つの電極と前記ナノ構造炭素材料
が導電性高分子中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が
挿入された構造であることを特徴とする。
【0016】これにより、電界効果型のトランジスタ構
造を有し、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分散さ
れた導電性高分子と対向する第3の電極の印加電圧を変
化させることで、他の極性の異なる2つの電極間に流れ
る電流値を制御しながら、より臭気物質に対する高感度
な計測を行う事ができる。
【0017】本発明の請求項5に係わる臭気センサー
は、有機化合物中に金属元素もしくは金属イオンを含む
ナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる2
つの電極とからなることを特徴とする。
【0018】これにより、臭気物質に対する選択性が発
現され、極性の異なる2種類の電極間に流れる濃度に対
する電気信号の変化量が臭気物質によって変化し、その
電気信号の変化の度合いを観る事で簡易な検出回路によ
り選択性を持たせながら臭気物質の濃度を高感度に計測
することができる。
【0019】本発明の請求項6に係わる臭気センサー
は、導電性高分子中に金属元素もしくは金属イオンを含
むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる
2つの電極とからなることを特徴とする。
【0020】これにより、臭気物質に対する選択性が発
現され、極性の異なる2種類の電極間に流れる濃度に対
する電気信号の変化量が臭気物質によって変化し、その
電気信号の変化の度合いを観る事で簡易な検出回路によ
り選択性を持たせながら臭気物質の濃度を高感度に計測
することができる。
【0021】本発明の請求項7に係わる臭気センサー
は、有機化合物中に金属元素もしくは金属イオンを含む
ナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる電
極を含んだ3つの電極とからなり、少なくともその1つの
電極と前記ナノ構造炭素材料が有機化合物中に分散され
た薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造であることを
特徴とする。
【0022】これにより、臭気物質に対する選択性が発
現され、電気信号の変化量が臭気物質によって変化させ
ることが可能となり、さらには電界効果型のトランジス
タ構造を有し、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分
散された有機化合物と対向する第3の電極の印加電圧を
変化させることで、他の極性の異なる2つの電極間に流
れる電流値を制御しながら、より臭気物質に対する高感
度な計測を行う事ができる。
【0023】本発明の請求項8に係わる臭気センサー
は、導電性高分子中に金属元素もしくは金属イオンを含
むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる
電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくともその1つ
の電極と前記ナノ構造炭素材料が導電性高分子中に分散
された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造であるこ
とを特徴とする。
【0024】これにより、臭気物質に対する選択性が発
現され、電気信号の変化量が臭気物質によって変化させ
ることが可能となり、さらには電界効果型のトランジス
タ構造を有し、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分
散された導電性高分子と対向する第3の電極の印加電圧
を変化させることで、他の極性の異なる2つの電極間に
流れる電流値を制御しながら、より臭気物質に対する高
感度な計測を行う事ができる。
【0025】さらに本発明の請求項14に係わる臭気セン
サーの製造方法は、絶縁体膜上に金属を含有する有機材
料を真空中あるいはガス雰囲気中で化学気相蒸着法によ
って形成することを特徴とする。
【0026】これにより、簡便な方法で、高純度で構造
安定性に優れたナノ構造炭素材料を得る事ができるた
め、小型軽量でかつ臭気を高感度で計測する臭気センサ
ーを提供する事ができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、有機化合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜
と、極性の異なる2種類の電極とからなる臭気センサー
であり、分散したナノ構造炭素材料及び有機化合物に臭
気が吸着することによってナノ構造炭素材料を含む有機
化合物の電気伝導特性が変化し、ガス濃度を電気信号と
して検知する作用を有する。
【0028】ここで本発明におけるナノ構造炭素材料と
は、ナノスケールの構造からなる炭素材料のことであ
り、フラーレンあるいはカーボンナノチューブもしくは
それらの誘導体であることが好ましい。
【0029】また、本発明における有機化合物とは、特
に限定されるものではないが、分子量1000以下の低分子
化合物あるいはそれ以上の分子量を有する高分子化合物
を示し、高分子化合物を形成するユニットが数個結合し
たオリゴマー分子も含むものとする。より具体的にはポ
リメチルメタクリレート、ポリアルキルチオフェン、ポ
リカーボネート、ポリエチレン、ポリアルキルフルオレ
ン、ポリパラフェニレン及びその誘導体やオリゴマー化
合物等が挙げられる。
【0030】本発明の請求項2に記載の発明は、導電性
高分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
の異なる2種類の電極とからなる臭気センサーであり、
分散したナノ構造炭素材料及び導電性高分子に臭気が付
着することによってナノ構造炭素材料を含む導電性高分
子の電気伝導特性が変化し、ガス濃度を電気信号として
検知する作用を有する。
【0031】ここで、本発明における導電性高分子は特
に限定されるものではないが、ポリアルキルチオフェ
ン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレ
ン、ポリパラチェニレンビニレン、ポリフェニレンオキ
シド、ポリフェニレンスルフィド、ポリピロール、ポリ
アニリン及びその誘導体が挙げられる。
【0032】本発明の請求項3に記載の発明は、有機化
合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の
異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくとも
その1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が有機化合物中
に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造か
らなる臭気センサーであり、絶縁体膜を介さずに存在す
る極性の異なる2つの電極がソース及びドレイン電極と
して、また、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分散
された有機化合物からなる薄膜と接している電極がゲー
ト電極として作用するトランジスタ構造となっている。
【0033】この構成を採ることにより、ゲート電極に
印加される電圧によってソース-ドレイン電極間の電流
値を制御することが可能となり、臭気物質がソース-ド
レイン間に存在するナノ構造炭素材料が分散された有機
化合物からなる薄膜と接触することによって生じる電圧
値の変化を精度よく、増幅・減衰させることができ、臭
気物質に対する高感度な計測を行う事ができる。
【0034】ここで、本発明のトランジスタ構造におい
ては、ゲート電極1つに対してソース及びドレイン電極
からなる一対の電極が絶縁体膜あるいは絶縁体膜とナノ
構造炭素材料が分散された有機化合物からなる薄膜を挟
んで数組形成された構造としても問題は無い。
【0035】本発明の請求項4に記載の発明は、導電性
高分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくと
もその1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が有機化合物
中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造
からなる臭気センサーであり、絶縁体膜を介さずに存在
する極性の異なる2つの電極がソース及びドレイン電極
として、また、絶縁体膜を介してナノ構造炭素材料が分
散された有機化合物からなる薄膜と接している電極がゲ
ート電極として作用するトランジスタ構造となってい
る。
【0036】この構成を採ることにより、ゲート電極に
印加される電圧によってソース-ドレイン電極間の電流
値を制御することが可能となり、臭気物質がソース-ド
レイン間に存在するナノ構造炭素材料が分散された有機
化合物からなる薄膜と接触することによって生じる電圧
値の変化を精度よく、増幅・減衰させることができ、臭
気物質に対する高感度な計測を行う事ができる。
【0037】ここで、本発明のトランジスタ構造におい
ては、ゲート電極1つに対してソース及びドレイン電極
からなる一対の電極が絶縁体膜あるいは絶縁体膜とナノ
構造炭素材料が分散された導電性高分子からなる薄膜を
挟んで数組形成された構造としても問題は無い。
【0038】本発明の請求項5に記載の発明は、有機化
合物中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が分散された薄膜と極性の異なる2つの電極とか
らなる臭気センサーであり、ナノ構造炭素材料に含まれ
る金属元素もしくは金属イオンによって臭気物質のナノ
構造炭素材料に対する吸着特性が変わり、感度の向上や
ガス種の違いによる吸着によって変化する電極間の電圧
値に差が現れ、臭気物質に対する選択性及び高感度な計
測を行う事ができる。
【0039】ここで特に限定するものではないが、ナノ
構造炭素材料に含む金属元素もしくは金属イオンとはN
i, Co, Fe等の鉄族やPt, Pd等の白金族が好ましい。
【0040】本発明の請求項6に記載の発明は、導電性
高分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造
炭素材料が分散された薄膜と極性の異なる2つの電極と
からなる臭気センサーであり、ナノ構造炭素材料に含ま
れる金属元素もしくは金属イオンによって臭気物質のナ
ノ構造炭素材料に対する吸着特性が変わり、感度の向上
やガス種の違いによる吸着によって変化する電極間の電
圧値に差が現れ、臭気物質に対する選択性及び高感度な
計測を行う事ができる。
【0041】本発明の請求項7に記載の発明は、有機化
合物中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が分散された薄膜と、極性の異なる電極を含んだ
3つの電極とからなり、少なくともその1つの電極と前記
ナノ構造炭素材料が有機化合物中に分散された薄膜との
間に絶縁体膜が挿入された構造からなる臭気センサーで
あり、絶縁体膜を介さずに存在する極性の異なる2つの
電極がソース及びドレイン電極として、また、絶縁体膜
を介してナノ構造炭素材料が分散された有機化合物から
なる薄膜と接している電極がゲート電極として作用する
トランジスタ構造となっている。
【0042】この構成を採ることにより、ゲート電極に
印加される電圧によってソース-ドレイン電極間の電流
値を制御することが可能となり、臭気物質がソース-ド
レイン間に存在するナノ構造炭素材料が分散された有機
化合物からなる薄膜と接触することによって生じる電圧
値の変化を精度よく、増幅・減衰させることができ、臭
気物質に対する高感度な計測を行う事ができる。
【0043】また、ナノ構造炭素材料に含まれる金属元
素もしくは金属イオンによって臭気物質のナノ構造炭素
材料に対する吸着特性が変わり、感度の向上やガス種の
違いによる吸着によって変化する電極間の電圧値に差が
現れ、臭気物質に対する選択性及び高感度な計測を行う
事ができる。
【0044】ここで、本発明のトランジスタ構造におい
ては、ゲート電極1つに対してソース及びドレイン電極
からなる一対の電極が絶縁体膜あるいは絶縁体膜とナノ
構造炭素材料が分散された有機化合物からなる薄膜を挟
んで複数組形成された構造としても問題は無い。
【0045】本発明の請求項8に記載の発明は、導電性
高分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造
炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる電極を含ん
だ3つの電極とからなり、少なくともその1つの電極と前
記ナノ構造炭素材料が導電性高分子中に分散された薄膜
との間に絶縁体膜が挿入された構造からなる臭気センサ
ーであり、絶縁体膜を介さずに存在する極性の異なる2
つの電極がソース及びドレイン電極として、また、絶縁
体膜を介してナノ構造炭素材料が分散された導電性高分
子からなる薄膜と接している電極がゲート電極として作
用するトランジスタ構造となっている。
【0046】この構成を採ることにより、ゲート電極に
印加される電圧によってソース-ドレイン電極間の電流
値を制御することが可能となり、臭気物質がソース-ド
レイン間に存在するナノ構造炭素材料が分散された導電
性高分子からなる薄膜と接触することによって生じる電
圧値の変化を精度よく、増幅・減衰させることができ、
臭気物質に対する高感度な計測を行う事ができる。
【0047】また、ナノ構造炭素材料に含まれる金属元
素もしくは金属イオンによって臭気物質のナノ構造炭素
材料に対する吸着特性が変わり、感度の向上やガス種の
違いによる吸着によって変化する電極間の電圧値に差が
現れ、臭気物質に対する選択性及び高感度な計測を行う
事ができる。
【0048】ここで、本発明のトランジスタ構造におい
ては、ゲート電極1つに対してソース及びドレイン電極
からなる一対の電極が絶縁体膜あるいは絶縁体膜とナノ
構造炭素材料が分散された導電性高分子からなる薄膜を
挟んで数組形成された構造としても問題は無い。
【0049】また本発明における有機化合物あるいは導
電性高分子に分散させるナノ構造炭素材料の含有量は特
に限定されるものでは無いが、前記有機化合物あるいは
導電性高分子に対して均一分散性の観点あるいは電気的
な導通路が形成されてしまうことより20vol.%以下であ
ることが好ましい。
【0050】また本発明における絶縁体膜は絶縁性(抵
抗値1010Ω・m以上)を有した膜であれば特に限定される
ものではないが、酸化アルミニウム膜で覆われたアルミ
ニウム薄膜あるいは酸化シリコン薄膜で覆われたシリコ
ン薄膜であることが好ましい。
【0051】本発明の請求項14に記載の発明は、ナノ構
造炭素材料を作製する際に、絶縁体膜上に金属を含有す
る有機材料を真空中あるいはガス雰囲気中で化学気相蒸
着法によって形成する臭気センサーの製造方法であり、
不純物が少なく簡便な方法にて臭気に高感度に応答する
センサーを作製できるといった作用を有する。
【0052】ここで、ナノ構造炭素材料を作製する方法
としては、金属薄膜を蒸着した基板を加熱炉に設置し、
エチレン/水素混合気体等のガス雰囲気中で500℃〜数千
℃に基板を加熱しながら作製する熱分解法や、アーク放
電法、レーザー蒸着法も可能である。
【0053】また本発明の”ガス雰囲気”におけるガス
とは、He, N2, アセチレン, エチレン及びH2/Arの混合
気体等が挙げられる。
【0054】以下本発明で適用される臭気センサーとそ
の製造方法について図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0055】(実施の形態1)図1に本発明による臭気セ
ンサーとその製造方法の第1の実施例を示す。図中1は第
1の電極、2はナノ構造炭素材料が分散された有機化合物
からなる薄膜、3は第2の電極、4は基板である。第1の電
極1と第2の電極3は異なる極性の電極であり、絶縁性を
示す基板4の上に形成されている。ここで、基板4はガラ
ス、セラミックス、プラスチックのような絶縁性を示す
ものであれば特に限定される事は無い。
【0056】また、基板4上への電極の形成方法として
は気相からの蒸着法や液相からの印刷法が挙げられる。
ここで、電極の形成法として真空蒸着を行う際に、予め
マスクを通して蒸着し、パターン化することも可能であ
り、またフォトリソグラフィー技術を用いて所望のパタ
ーンを形成する事も可能である。その際には、電極の幅
は数百nm〜数百μmとし、電極間隔も数百nm〜数百μmと
することが望ましい。また、第1の電極1及び第2の電極3
は金もしくは錫と金との合金、亜鉛と金との合金、マグ
ネシウムとインジウムとの合金、マグネシウムと銀との
合金、アルミニウム及びアルミニウムを含む合金、白金
の中から選ばれるものである。
【0057】さらに基板4上に第1及び第2の電極が形成
された後、ナノ構造炭素材料が分散された有機化合物か
らなる薄膜2が形成される。ここで、本発明における有
機化合物あるいは導電性高分子中にナノ構造炭素材料が
分散された薄膜2の作製はナノ構造炭素材料の作製と有
機化合物あるいは導電性高分子への分散・薄膜化工程に
分けられる。
【0058】まず、ナノ構造炭素材料の作製は、原料と
なる金属フタロシアニン等の金属を含有する有機材料を
用いて、真空中あるいはAr/H2混合気体等のガス雰囲気
中で化学気相蒸着(CVD)法により行われる。
【0059】より具体的には2重加熱炉を用いて作製
し、出発物質の蒸発温度TAは加熱炉Aによって制御さ
れ、生成部分の生成温度TBは加熱炉Bによって制御しな
がら作製する。この時、蒸発温度TAは250℃〜500℃、生
成温度TBは650℃〜1000℃の範囲で制御し、数分から数
時間の間で作製する。
【0060】ここで、前記工程を経て作製されたナノ構
造炭素材料は原料である金属フタロシアニン等の金属を
含有する有機材料に含まれる金属元素を元素の形、ある
いは金属イオンの形で含有しているが、強酸によるエッ
チング等の処理によりこれらの金属元素を除くことがで
きる。
【0061】次に、有機化合物あるいは導電性高分子へ
の分散・薄膜化は、ナノ構造炭素材料を形成した後、共
通の有機溶媒中に有機化合物あるいは導電性高分子とナ
ノ構造炭素材料を溶解させ、スピンコート法を用いて形
成を行う。この時、基板上に予めナノ構造炭素材料を形
成した後、有機化合物あるいは導電性高分子を真空蒸着
法、スピンコート法、キャスト法のいずれかもしくは組
み合わせることにより薄膜を形成しても構わない。
【0062】ここで、溶解させる有機溶媒は有機化合物
あるいは導電性高分子を溶解させるものであれば、特に
限定されることはなく、ナノ構造炭素材料に対しては溶
解しなくとも分散されれば問題はない。
【0063】また、本発明における有機化合物あるいは
導電性高分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜2
の作製においては、基板上4にナノ構造炭素材料を形成
した後に有機材料あるいは導電性高分子を真空蒸着法、
スピンコート法、キャスト法のいずれかもしくは組み合
わせることにより薄膜を形成する方法であっても問題は
ない。さらに、導電性高分子の場合には基板4上にナノ
構造炭素材料を形成した後に導電性高分子の原料である
モノマー溶液中で既に形成されている電極を用いて電解
重合法によって薄膜を形成する方法であっても問題は無
い。
【0064】また、本発明におけるセンサーの構造は、
上記に示したような基板上に電極を形成した後、ナノ構
造炭素材料が分散された薄膜を形成した構造であって
も、先に基板上にナノ構造炭素材料が分散された薄膜を
形成した後に前記薄膜上に電極を形成した構造であって
も構わない。
【0065】次に、図1を用いて本発明の臭気センサー
の具体的な動作について説明する。本発明の臭気センサ
ーを用いる際には、あらかじめ本発明の臭気センサーと
数kΩの高抵抗を直列に接続し、定電圧電源を用いて基
板4上に形成された第1の電極1と第2の電極3間にはナノ
構造炭素材料が分散された有機化合物からなる薄膜2を
介して一定の電流値が流れるようにしておく。臭気物質
が前記薄膜2に接触し、薄膜を形成するナノ構造炭素材
料あるいは有機化合物に吸着されると薄膜2における電
気抵抗が変化し、それに伴う第1の電極1と第2の電極3間
における電圧値の変化によって検知することができる。
さらに、ナノ構造炭素材料との吸着特性やナノ炭素材料
を分散させている有機化合物の種類によって臭気物質に
対する吸着力や拡散量に差がでることより臭気物質に特
異性を有する臭気センサーとすることができる。また本
発明においては、ナノ構造炭素材料を作製後に強酸処理
等による作製時に混入される金属成分を除去しているこ
とで、作製されたナノ構造炭素材料、例えばカーボンナ
ノチューブの内部が中空となり臭気物質が吸着する表面
積が増加し、臭気物質に対する検出濃度域を拡大するこ
とができる。
【0066】以上の様に本実施例の臭気センサーは有機
化合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
の異なる2つの電極とからなることにより、臭気物質が
ナノ構造炭素材料が分散された有機化合物からなる薄膜
に接触した際に、極性の異なる2種類の電極間に流れる
電気信号が変化し、その電気信号の変化の度合いを観る
事で簡易な検出回路により臭気物質の濃度を高感度に計
測することができる。ここで、対象とする臭気は特に限
定するものでは無いが、エチルアルコール、アセトアル
デヒド、アンモニアなどが挙げられる。
【0067】さらに、ナノ構造炭素材料への臭気物質の
吸着のし易さ、ナノ構造炭素材料を分散させている有機
化合物に対する臭気物質の拡散力あるいは吸着のし易さ
の違いによって臭気物質に対する特異性を持たせること
ができる。
【0068】(実施の形態2)図2に本発明による臭気セ
ンサーとその製造方法の第2の実施例を示す。図中1は第
1の電極、3は第2の電極、4は基板、5は金属元素もしく
は金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散された導電
性高分子からなる薄膜である。本実施例における製造方
法は実施の形態1に示した製造方法とほぼ同じ方法であ
り、金属フタロシアニン等の金属元素を含有する有機材
料を原料として化学気相蒸着(CVD)法により作製された
ナノ構造炭素材料に対して、強酸処理を行わない事のみ
が異なる。
【0069】また、前記ナノ構造炭素材料を導電性高分
子中に分散させる際に用いる有機溶媒は、導電性高分子
を溶解させるものであれば特に限定されることはなく、
例えばポリアルキルチオフェンに対してはクロロホル
ム、ベンゼン、テトラヒドロフラン、トルエンが好まし
い。
【0070】次に、ナノ構造炭素材料と導電性高分子を
溶解させた混合溶液を電極が設けられた基板上にスピン
コート法によって塗布し、真空条件下で加熱することに
よって薄膜を形成する。この際に揮発性の有機溶剤を用
いた場合には常温乾燥であっても問題はない。
【0071】また、本発明の臭気センサーを作製する別
の方法として、第1の電極1と第2の電極3が形成された基
板4上に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料を形成した後に、導電性高分子を溶解させた有機
溶媒をスピンコート法、キャスト法のいずれかにて薄膜
を形成しても構わない。
【0072】さらには、第1の電極1と第2の電極3が形成
された基板4上に金属元素もしくは金属イオンを含むナ
ノ構造炭素材料を形成した後に、第1の電極1と第2の電
極3を用いて導電性高分子を電解重合によって作製し、
薄膜を形成しても構わない。
【0073】また、本発明におけるセンサーの構造は、
上記に示したような基板上に電極を形成した後、金属元
素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散さ
れた薄膜を形成した構造であっても、先に基板上に金属
元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散
された薄膜を形成した後に前記薄膜上に電極を形成した
構造であっても構わない。
【0074】この様に作製された本発明の臭気センサー
の動作について図2を用いて説明する。
【0075】本発明の臭気センサーを用いる際には、実
施の形態1と同様に数kΩの高抵抗を直列に接続し、定電
圧電源を用いて基板4上に形成された第1の電極1と第2の
電極3間には金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構
造炭素材料が分散された導電性高分子からなる薄膜5を
介して一定の電流値が流れるようにしておく。臭気物質
が前記薄膜5に接触し、拡散によって薄膜内部へと進
み、薄膜中に分散されているナノ構造炭素材料及び導電
性高分子に吸着されると薄膜5における電気抵抗が変化
し、それに伴う第1の電極1と第2の電極3間における電圧
値の変化によって検知することができる。
【0076】さらに、ナノ構造炭素材料に含まれる金属
元素あるいは金属イオンの種類を変えることによりガス
の種類に対する吸着特性やナノ炭素材料を分散させてい
る導電性高分子の種類によって臭気物質に対する吸着力
や拡散量に差がでることより臭気物質に特異性を有する
臭気センサーとすることができる。
【0077】以上の様に本実施例の臭気センサーは導電
性高分子に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造
炭素材料が分散された薄膜と、極性の異なる2つの電極
とからなることにより、臭気物質が金属元素もしくは金
属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散された導電性高
分子からなる薄膜に接触した際に、極性の異なる2種類
の電極間に流れる電気信号が変化し、その電気信号の変
化の度合いを観る事で簡易な検出回路により臭気物質の
濃度を高感度に計測することができる。
【0078】(実施の形態3)図3に本発明によるトラン
ジスタ構造を有する臭気センサーとその製造方法の第3
の実施例を示す。図中6はソース電極、7はドレイン電極
であり、実施の形態1及び実施の形態2における第1の電
極1及び第2の電極3と同様の機能を有している。また、
図中8は絶縁体膜であり9はゲート電極である。
【0079】ここで、ゲート電極9にはシリコン基板あ
るいはアルミニウム基板を用い、絶縁体膜4はシリコン
基板表面あるいはアルミニウム基板表面の酸化処理を行
う事によって形成する。 酸化方法としては、室温で10
分間程度760Torrのガス圧を有する酸素ガス雰囲気下で
アルミニウム等の表面を酸化させる方法や陽極酸化法な
どが挙げられる。
【0080】また、酸化させる際の酸素圧力は必ずしも
上記圧力に限らず、酸素ガスと窒素ガスの混合気体であ
る空気であっても構わない。
【0081】また、シリコン基板あるいはアルミニウム
基板は単独で基板として用いる事も可能であるが、ガラ
ス、石英等、他の基板上に真空蒸着法により予め膜厚10
0〜500nm程度の薄膜を形成して電極として用いても構わ
ない。
【0082】次に、ソース電極6及びドレイン電極7は実
施の形態1及び実施の形態2における第1の電極1及び第2
の電極3と同様に金もしくは錫と金との合金、亜鉛と金
との合金、マグネシウムとインジウムとの合金、マグネ
シウムと銀との合金、アルミニウム、アルミニウムを含
む合金及び白金の中から選ばれるものであり、真空蒸着
法を用いて形成される。ここで、電極の形成法としては
真空蒸着を行う際に、予めマスクを通して蒸着し、パタ
ーン化することも可能であるがフォトリソグラフィー技
術を用いて所望のパターンを形成する事も可能である。
【0083】ここで、電極の幅は数百nm〜数百μmと
し、電極間隔も数百nm〜数百μmとすることが望まし
い。次に本実施例の製造方法を示す。
【0084】絶縁体膜8として酸化シリコンが片面に形
成され、ゲート電極9の役割を持つシリコン基板の絶縁
体膜8側に、金からなるソース電極6及びドレイン電極7
を真空蒸着法を用いて作製する。さらにソース電極6及
びドレイン電極7の間に実施の形態1と同様に作製された
ナノ構造炭素材料と有機化合物を溶解させた有機溶剤を
スピンコート法によって塗布し、真空条件下で加熱する
ことによって薄膜を形成する。この際に揮発性の有機溶
剤を用いた場合には常温乾燥であっても問題はない。
【0085】また、本発明におけるセンサーの構造は、
上記に示したような絶縁体膜上に電極を形成した後、ナ
ノ構造炭素材料が分散された薄膜を形成した構造であっ
ても、先に絶縁体膜上にナノ構造炭素材料が分散された
薄膜を形成した後に前記薄膜上に電極を形成した構造で
あっても構わない。
【0086】この様に作製された本発明の臭気センサー
の動作について図3を用いて説明する。
【0087】本発明の構成からなる臭気センサーは電界
効果型のトランジスター特性を示すものである。すなわ
ち、ナノ構造炭素材料が有機化合物中に分散された複合
物としての半導体的特性がn型あるいはp型のどちらの特
性を示すかにより、ゲート電極9での極性は異なる。す
なわち、ナノ構造炭素材料が有機化合物中に分散された
薄膜2において、電気の流れが主として電子(エレクトロ
ン)による場合にはゲート電極9は正極とし、正孔(ホー
ル)による場合には負極とする。
【0088】また測定は、実施の形態1と同様に数kΩの
高抵抗を直列に接続し、定電圧電源を用いて絶縁体膜8
上に形成されたソース電極6とドレイン電極7間にはナノ
構造炭素材料が分散された有機化合物からなる薄膜2を
介して一定の電流値が流れるようにしておく。この際
に、ゲート電極9の電位を調整することによって、ソー
ス-ドレイン間電流の値を大きく変調することができ、
臭気ガスの接触に対する電圧値の変化量を大きく増幅さ
せることができる。
【0089】以上の様に本実施例の臭気センサーは有機
化合物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくと
もその1つの電極とナノ構造炭素材料が有機化合物中に
分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造であ
ることにより、臭気物質がナノ構造炭素材料が有機化合
物中に分散された薄膜に接触した際に、極性の異なる2
種類の電極間に流れる電気信号が変化し、その変化の度
合いを前記極性の異なる2種類の電極以外の第3の電極に
よって増幅させることにより、簡易な検出回路により臭
気物質の濃度を高感度に計測することができる。
【0090】(実施の形態4)図4に本発明によるトラン
ジスタ構造を有する臭気センサーとその製造方法の第4
の実施例を示す。本実施例における構成要素は実施の形
態3までの図中で説明したため、ここでは省略する。本
実施例の製造方法について以下に示す。
【0091】絶縁体膜8として酸化シリコンが片面に形
成され、ゲート電極9の役割を持つシリコン基板の絶縁
体膜8側に、実施の形態1において示した作製方法によっ
て作製された金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構
造炭素材料が導電性高分子中に分散された薄膜5を形成
した後、ソース電極6及びドレイン電極7を真空蒸着法に
よって薄膜5上に形成した。
【0092】次に本発明の臭気センサーの動作について
図4に基づいて説明を行う。臭気ガスの検知において
は、実施の形態1に示した方式と同様に、予め本発明の
臭気センサーと直列に高抵抗を接続し、一定の電圧を印
加しておく。この際には、ソース電極6とドレイン電極7
との間に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が導電性高分子中に分散された薄膜5を介して微
弱な電流が流れている。
【0093】ここで、前記薄膜5の導電機構の主体が電
子による場合にはゲート電極9を正極に、正孔の場合に
はゲート電極を負極とする事により、絶縁体膜8近傍の
ソース-ドレイン間に伝導チャネルが形成され、ゲート
電極9の電圧値を変化させることにより、前記伝導チャ
ネルの幅が変化し、ソース-ドレイン間に流れる電流値
を大きく変調することができる。
【0094】このことによって、臭気ガスがナノ構造炭
素材料が分散された導電性高分子からなる薄膜に吸着し
た際の前記薄膜5の抵抗値の変化量が小さい場合におい
てもソース-ドレイン間電圧の変化量を増幅させ、高感
度に検知することができる。
【0095】さらに、ナノ構造炭素材料に含まれる金属
元素あるいは金属イオンの種類を変えることによりガス
の種類に対する吸着特性やナノ炭素材料を分散させてい
る導電性高分子の種類によって臭気物質に対する吸着力
や拡散量に差がでることより臭気物質に特異性を有する
臭気センサーとすることができる。
【0096】以上のように本実施例の臭気センサーは、
導電性高分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナ
ノ構造炭素材料を分散させた薄膜と極性の異なる電極を
含んだ3つの電極とからなり、少なくともその1つの電極
と、前記金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が導電性高分子中に分散された薄膜との間に絶縁
体膜が挿入された構造であることにより、臭気物質が金
属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が導
電性高分子中に分散された薄膜に接触した際に、極性の
異なる2種類の電極間に流れる電気信号が変化し、その
変化の度合いを前記極性の異なる2種類の電極以外の第3
の電極によって増幅させることにより、簡易な検出回路
により臭気物質の濃度を高感度に計測することができ
る。
【0097】(実施の形態5)図5に実施の形態3あるいは
4におけるトランジスタ構造を有する臭気センサー素子
をゲート電極9を共通とし、複数個備えた形態でのセン
サー素子の一実施例であり、センサー素子の断面図であ
る。図中6はソース電極、7はドレイン電極、8は絶縁体
膜、9はゲート電極、10は有機化合物あるいは導電性高
分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が分散された薄膜を示している。次に図5を用い
て本発明の臭気センサーの作製方法について説明する。
【0098】実施の形態4で示したように、ソース電極
6、ドレイン電極7は金もしくは錫と金との合金、亜鉛と
金との合金、マグネシウムとインジウムとの合金、マグ
ネシウムと銀との合金、アルミニウム、アルミニウムを
含む合金及び白金の中から選ばれるものであり、真空蒸
着法を用いて形成される。ここで、電極の形成法として
は真空蒸着を行う際に、予めマスクを通して蒸着し、パ
ターン化することも可能であるがフォトリソグラフィー
技術を用いて所望のパターンを形成する事も可能であ
る。
【0099】ここで、電極の幅は数百nm〜数百μmと
し、電極間隔も数百nm〜数百μmとすることが望まし
い。そのため、電極はお互いに櫛差しされた櫛形電極の
構造となり小形の素子となっている。
【0100】次に、有機化合物あるいは導電性高分子中
に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料
が分散された薄膜10の作製は、ナノ構造炭素材料の作製
と有機化合物あるいは導電性高分子への分散・薄膜化工
程に分けられる。金属元素もしくは金属イオンを含むナ
ノ構造炭素材料の作製は、原料となる金属フタロシアニ
ン等の金属を含有する有機材料を用いて、真空中あるい
はAr/H2混合気体等のガス雰囲気中で化学気相蒸着(CVD)
法により行われる。より具体的には2重加熱炉を用いて
作製し、出発物質の蒸発温度TAは加熱炉Aによって制御
され、生成部分の生成温度TBは加熱炉Bによって制御し
ながら作製する。
【0101】この時蒸発温度TAは250℃〜500℃、生成温
度TBは650℃〜1000℃の範囲で制御し、数分から数時間
の間で作製する。
【0102】次に、有機化合物あるいは導電性高分子へ
の分散・薄膜化は、金属元素もしくは金属イオンを含む
ナノ構造炭素材料を形成した後、共通の有機溶媒中に有
機化合物あるいは導電性高分子と金属元素もしくは金属
イオンを含むナノ構造炭素材料を溶解させスピンコート
方を用いて形成をおこなう。この時、基板上に予め金属
元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素化合物を形
成した後、有機化合物あるいは導電性高分子を真空蒸着
法、スピンコート法、キャスト法のいずれかもしくは組
み合わせる事により薄膜を形成しても構わない。
【0103】ここで、溶解させる有機溶媒は有機化合物
あるいは導電性高分子を溶解させるものであれば、特に
限定される事は無く、金属元素もしくは金属イオンを含
むナノ構造炭素材料は溶解しなくとも分散されれば問題
は無い。
【0104】次に、本発明の臭気センサーの動作につい
て図5を用いて説明を行う。臭気ガスの検知において
は、実施の形態1に示した方式と同様に、予め本発明の
臭気センサーと直列に高抵抗を接続し、一定の電圧を印
加しておく。この際には、ソース電極6とドレイン電極7
との間に、金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造
炭素材料が有機化合物あるいは導電性高分子中に分散さ
れた薄膜10を介して微弱な電流が流れている。
【0105】ここで、前記薄膜10の導電機構の主体が電
子による場合にはゲート電極9を正極に、正孔の場合に
はゲート電極を負極とする事により、絶縁体膜8近傍の
ソース-ドレイン間に伝導チャネルが形成され、ゲート
電極9の電圧値を変化させることにより、前記伝導チャ
ネルの幅が変化し、ソース-ドレイン間に流れる電流値
を大きく変調することができる。
【0106】このことによって、臭気ガスが金属元素も
しくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散された
有機化合物あるいは導電性高分子からなる薄膜に吸着し
た際の前記薄膜5の抵抗値の変化量が小さい場合におい
てもソース-ドレイン間電圧の変化量を増幅させ、高感
度に検知することができる。
【0107】また本発明においては、ゲート電極9を共
通としてソース電極6とドレイン電極7の組み合わせを複
数個備えることによりソース-ドレイン間電流の臭気ガ
ス吸着による変動量を総和の形で得ることができるため
に、結果的に大きな電圧値の変化として検知することと
なり低濃度の臭気ガスに対しても高感度で応答すること
ができる。
【0108】さらに、ナノ構造炭素材料に含まれる金属
元素あるいは金属イオンの種類を変えることによりガス
の種類に対する吸着特性やナノ炭素材料を分散させてい
る有機化合物あるいは導電性高分子の種類によって臭気
物質に対する吸着力や拡散量に差がでることより臭気物
質に特異性を有する臭気センサーとすることができる。
【0109】以上のように本実施例の臭気センサーは、
有機化合物あるいは導電性高分子中に金属元素もしくは
金属イオンを含むナノ構造炭素材料を分散させた薄膜と
極性の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少な
くともその1つの電極と、前記金属元素もしくは金属イ
オンを含むナノ構造炭素材料が有機化合物あるいは導電
性高分子中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入さ
れた構造であることにより、臭気物質が金属元素もしく
は金属イオンを含むナノ構造炭素材料が有機化合物ある
いは導電性高分子中に分散された薄膜に接触した際に、
極性の異なる2種類の電極間に流れる電気信号が変化
し、その変化の度合いを前記極性の異なる2種類の電極
以外の第3の電極によって増幅させることにより、簡易
な検出回路により臭気物質の濃度を高感度に計測するこ
とができる。
【0110】(実施の形態6)図6は実施例3あるいは4に
おけるトランジスタ構造を有する臭気センサー素子を複
数個備えた形態でのセンサー素子の一実施例を示したも
のであり、センサー素子の断面図である。実施例3ある
いは4とは素子構造が異なるが、図中の番号が示すもの
は同一の機能を有するものである。すなわち、図中6は
ソース電極、7はドレイン電極、8は絶縁体膜、9はゲー
ト電極、10は有機化合物あるいは導電性高分子中に金属
元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散
された薄膜を示している。
【0111】本発明の臭気センサーの製造方法として
は、実施の形態4と同様の手順にて作製され、絶縁体膜8
となる酸化膜が形成されたアルミニウム基板あるいはシ
リコン基板上に、化学気相蒸着(CVD)法によって作製さ
れた金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材
料と有機化合物あるいは導電性高分子を有機溶剤に分散
させた混合溶液をスピンコート法にて塗布し、金属元素
もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材料が分散され
た有機化合物あるいは導電性高分子からなる薄膜10を作
製した。
【0112】さらに、前記薄膜10上に複数のソース電極
6及びドレイン電極7の組を真空蒸着法を用いて形成し、
臭気センサーを作製する事ができる。
【0113】ここで、電極の形成法としては真空蒸着を
行う際に、予めマスクを通して蒸着し、パターン化する
ことも可能であるがフォトリソグラフィー技術を用いて
所望のパターンを形成する事も可能である。ここで、電
極の幅は数百nm〜数百μmとし、電極間隔も数百nm〜数
百μmとすることが望ましい。そのため、電極はお互い
に櫛差しされた櫛形電極の構造となり小形の素子となっ
ている。
【0114】次に、本発明の臭気センサーの動作につい
て図6を用いて説明を行う。臭気ガスの検知において
は、実施の形態1に示した方式と同様に、予め本発明の
臭気センサーと直列に高抵抗を接続し、一定の電圧を印
加しておく。この際には、ソース電極6とドレイン電極7
との間に、金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造
炭素材料が有機化合物あるいは導電性高分子中に分散さ
れた薄膜10を介して微弱な電流が流れている。
【0115】ここで、前記薄膜10の導電機構の主体が電
子による場合にはゲート電極9を正極に、正孔の場合に
はゲート電極を負極とする事により、絶縁体膜8近傍の
ソース-ドレイン間に伝導チャネルが形成され、ゲート
電極9の電圧値を変化させることにより、前記伝導チャ
ネルの幅が変化し、ソース-ドレイン間に流れる電流値
を大きく変調することができる。
【0116】このことによって、臭気ガスが有機化合物
あるいは導電性高分子中に分散された金属元素もしくは
金属イオンを含むナノ構造炭素材料に吸着した際の前記
薄膜5の抵抗値の変化量が小さい場合においてもソース-
ドレイン間電圧の変化量を増幅させ、高感度に検知する
ことができる。
【0117】また本発明においては実施の形態5と同様
に、ゲート電極9を共通としてソース電極6とドレイン電
極7の組み合わせを複数個備えることにより、ソース-ド
レイン間電流の臭気ガス吸着による変動量を総和の形で
得ることができるために、結果的に大きな電圧値の変化
として検知することとなり低濃度の臭気ガスに対しても
高感度で応答することができる。
【0118】さらに、ナノ構造炭素材料に含まれる金属
元素あるいは金属イオンの種類を変えることによりガス
の種類に対する吸着特性やナノ炭素材料を分散させてい
る有機化合物あるいは導電性高分子の種類によって臭気
物質に対する吸着力や拡散量に差がでることより臭気物
質に特異性を有する臭気センサーとすることができる。
【0119】以上のように本実施例の臭気センサーは、
有機化合物あるいは導電性高分子中に金属元素もしくは
金属イオンを含むナノ構造炭素材料を分散させた薄膜と
極性の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少な
くともその1つの電極と、前記金属元素もしくは金属イ
オンを含むナノ構造炭素材料が有機化合物あるいは導電
性高分子中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入さ
れた構造であることにより、臭気物質が金属元素もしく
は金属イオンを含むナノ構造炭素材料が有機化合物ある
いは導電性高分子中に分散された薄膜に接触した際に、
極性の異なる2種類の電極間に流れる電気信号が変化
し、その変化の度合いを前記極性の異なる2種類の電極
以外の第3の電極によって増幅させることにより、簡易
な検出回路により臭気物質の濃度を高感度に計測するこ
とができる。
【0120】
【発明の効果】以上述べた所から明らかなように、請求
項1に記載の発明は、有機化合物中にナノ構造炭素材料
が分散された薄膜と、極性の異なる2種類の電極とから
なることにより、臭気を電気信号の変化として簡易な検
出回路により高感度に計測することができる。
【0121】また、請求項2に記載の発明は、導電性高
分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の
異なる2種類の電極とからなることにより、臭気を電気
信号の変化として簡易な検出回路により高感度に計測す
ることができる。
【0122】また、請求項3に記載の発明は、有機化合
物中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の異
なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくともそ
の1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が有機化合物中に
分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造であ
ることにより、電界効果型のトランジスタ構造を形成
し、ナノ構造炭素材料が分散された有機化合物からなる
薄膜を介して対面する極性の異なる電極間に流れる電流
値を変調することができ、臭気に対する選択性を与える
ことができ、かつ簡易な検出回路によって高感度に計測
することができる。
【0123】また、請求項4に記載の発明は、導電性高
分子中にナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の
異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくとも
その1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が導電性高分子
中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造
であることにより、電界効果型のトランジスタ構造を形
成し、ナノ構造炭素材料が分散された導電性高分子から
なる薄膜を介して対面する極性の異なる電極間に流れる
電流値を変調することができ、臭気に対する選択性を与
えることができ、かつ簡易な検出回路によって高感度に
計測することができる。
【0124】また、請求項5に記載の発明は、有機化合
物中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素
材料が分散された薄膜と、極性の異なる2つの電極とか
らなることにより、臭気を電気信号の変化として簡易な
検出回路により高感度に計測することができる。さらに
金属元素もしくは金属イオンを含むことにより、ナノ構
造炭素材料に対する臭気物質の吸着特性が変化すること
で臭気物質に対する選択性を付与することができる。
【0125】また、請求項6に記載の発明は、導電性高
分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が分散された薄膜と、極性の異なる2つの電極と
からなることにより、臭気を電気信号の変化として簡易
な検出回路により高感度に計測することができる。さら
に金属元素もしくは金属イオンを含むことにより、ナノ
構造炭素材料に対する臭気物質の吸着特性が変化するこ
とで臭気物質に対する選択性を付与することができる。
【0126】また、請求項7に記載の発明は、有機化合
物中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素
材料が分散された薄膜と、極性の異なる電極を含んだ3
つの電極とからなり、少なくともその1つの電極と前記
ナノ構造炭素材料が有機化合物中に分散された薄膜との
間に絶縁体膜が挿入された構造であることにより、電界
効果型のトランジスタ構造を形成し、ナノ構造炭素材料
が分散された導電性高分子からなる薄膜を介して対面す
る極性の異なる電極間に流れる電流値を変調することが
でき、臭気に対する選択性を与えることができ、かつ簡
易な検出回路によって高感度に計測することができる。
【0127】また、請求項8に記載の発明は、導電性高
分子中に金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭
素材料が分散された薄膜と、極性の異なる電極を含んだ
3つの電極とからなり、少なくともその1つの電極と前記
ナノ構造炭素材料が導電性高分子中に分散された薄膜と
の間に絶縁体膜が挿入された構造であることにより、電
界効果型のトランジスタ構造を形成し、ナノ構造炭素材
料が分散された導電性高分子からなる薄膜を介して対面
する極性の異なる電極間に流れる電流値を変調すること
ができ、臭気に対する選択性を与えることができ、かつ
簡易な検出回路によって高感度に計測することができ
る。
【0128】さらに請求項14に記載の発明は、絶縁体膜
上に金属を含有する有機材料を真空中あるいはガス雰囲
気中で化学気相蒸着法によって形成することで、作製さ
れたナノ構造炭素材料が分散された有機化合物あるいは
導電性高分子からなる薄膜に電極を設けるのみで、簡易
な製造方法で臭気を高感度で計測する臭気センサーを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
1の実施例を示す図
【図2】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
2の実施例を示す図
【図3】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
3の実施例を示す図
【図4】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
4の実施例を示す図
【図5】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
5の実施例を示す図
【図6】本発明による臭気センサーとその製造方法の第
6の実施例を示す図
【符号の説明】
1 第1の電極 2 ナノ構造炭素材料が分散された有機化合物からなる
薄膜 3 第2の電極 4 基板 5 金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材
料が分散された導電性高分子からなる薄膜 6 ソース電極 7 ドレイン電極 8 絶縁体膜 9 ゲート電極 10 金属元素もしくは金属イオンを含むナノ構造炭素材
料が分散された薄膜
フロントページの続き (72)発明者 太田 周治 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 (72)発明者 梶井 博武 兵庫県神戸市灘区一王山町12番18号 Fターム(参考) 2G046 AA01 AA14 AA18 BA01 BA09 BB02 BB04 BC02 DE01 EA02 EA04 EA08 EA09 FA01 FA03 FA04 FB02 FE03 FE38

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機化合物中にナノ構造炭素材料が分散さ
    れた薄膜と、極性の異なる2つの電極とからなることを
    特徴とする臭気センサー。
  2. 【請求項2】導電性高分子中にナノ構造炭素材料が分散
    された薄膜と、極性の異なる2つの電極とからなること
    を特徴とする臭気センサー。
  3. 【請求項3】有機化合物中にナノ構造炭素材料が分散さ
    れた薄膜と、極性の異なる電極を含んだ3つの電極とか
    らなり、少なくともその1つの電極と前記ナノ構造炭素
    材料が有機化合物中に分散された薄膜との間に絶縁体膜
    が挿入された構造であることを特徴とする臭気センサ
    ー。
  4. 【請求項4】導電性高分子中にナノ構造炭素材料が分散
    された薄膜と、極性の異なる電極を含んだ3つの電極と
    からなり、少なくともその1つの電極と前記ナノ構造炭
    素材料が導電性高分子中に分散された薄膜との間に絶縁
    体膜が挿入された構造であることを特徴とする臭気セン
    サー。
  5. 【請求項5】有機化合物中に金属元素もしくは金属イオ
    ンを含むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の
    異なる2つの電極とからなることを特徴とする臭気セン
    サー。
  6. 【請求項6】導電性高分子中に金属元素もしくは金属イ
    オンを含むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
    の異なる2つの電極とからなることを特徴とする臭気セ
    ンサー。
  7. 【請求項7】有機化合物中に金属元素もしくは金属イオ
    ンを含むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性の
    異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくとも
    その1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が有機化合物中
    に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構造で
    あることを特徴とする臭気センサー。
  8. 【請求項8】導電性高分子中に金属元素もしくは金属イ
    オンを含むナノ構造炭素材料が分散された薄膜と、極性
    の異なる電極を含んだ3つの電極とからなり、少なくと
    もその1つの電極と前記ナノ構造炭素材料が導電性高分
    子中に分散された薄膜との間に絶縁体膜が挿入された構
    造であることを特徴とする臭気センサー。
  9. 【請求項9】ナノ構造炭素材料が20vol.%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記
    載の臭気センサー。
  10. 【請求項10】金属元素もしくは金属イオンを含むナノ
    構造炭素材料が20vol.%以下であることを特徴とする請
    求項5から請求項8のいずれか一項に記載の臭気センサ
    ー。
  11. 【請求項11】絶縁体膜が酸化アルミニウム膜からなる
    ことを特徴とする請求項3、4、7、8のいずれか一項に記
    載の臭気センサー。
  12. 【請求項12】絶縁体膜が酸化シリコン膜からなること
    を特徴とする請求項3、4、7、8のいずれか一項に記載の
    臭気センサー。
  13. 【請求項13】ナノ構造炭素材料がフラーレンあるいは
    カーボンナノチューブもしくはそれらの誘導体からなる
    ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に
    記載の臭気センサー。
  14. 【請求項14】ナノ構造炭素材料は、絶縁体膜上に金属
    を含有する有機材料を真空中あるいはガス雰囲気中で化
    学気相蒸着法によって形成することを特徴とする請求項
    1から請求項8のいずれか一項に記載の臭気センサーの製
    造方法。
  15. 【請求項15】金属を含有する有機材料が金属フタロシ
    アニンからなることを特徴とする請求項14に記載の臭気
    センサーの製造方法。
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