JP2002081028A - 方向表示具の取り付け具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】方向表示具を目視認識しやすい角度に設置する
ことのできる方向表示具の取り付け具を提供することを
目的とする。 【解決手段】本発明の方向表示具の取り付け具は、方向
表示具を設置する場所に固定される取り付け具本体と、
該取り付け具本体に相対回転可能に配設された回動部材
とを備え、回動部材に案内方向を表示する方向表示具に
形成された取り付け係合部を受け止める係止部を設け、
取り付け具本体に設けた角筒部に回動部材の角筒部を嵌
合させ、取り付け具本体に対して回動部材が所定ピッチ
で回転可能に構成し、回動部材に取り付けられた方向表
示具の視認方向を変更可能に構成してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工事現場や
急なカーブのある場所等、通行に注意を要する場所にお
いて、通行する自動車や通行人の注意を喚起し、安全な
方向を案内するための方向表示具を、現場に設置される
構造物の一部に取り付ける方向表示具の取り付け具に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の表示装置としては、図８
に示すように、幅１．５ｍほどの略矩形の鋼板Ａ１を中
央部で屈曲させて、対向する直線状の下端部に、ゴム等
からなる滑り止め部材Ｂを装着して形成され、鋼板Ａの
表面に矢印Ｃ１を表示してなる路上設置型の装置Ｘがあ
る。また、図９に示すように、略矩形に形成された１枚
の鋼板Ａ２の表面に、前述の表示装置Ｘと同様の矢印Ｃ
２を表示してなる壁面取り付け型の装置Ｙもある。前者
の路上設置型の表示装置Ｘは、例えば、図１０に示すよ
うに、工事現場Ｓの周囲の防護柵Ｌに沿って道路上に設
置される。また、後者の壁面取り付け型の表示装置Ｙ
は、例えば、図１１に示すように、急なカーブのある場
所において、ガードレール等の構造物Ｒにワイヤー等に
より取り付けられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
表示装置Ｘ，Ｙはいずれも、通行する自動車の運転手や
通行人の視界の範囲に入りにくく、認識しにくいという
不具合がある。そして、視認するためには、表示装置を
設置している道路側部を目視する必要があり、脇見によ
る事故の危険性も発生する。さらに、道路設置型の表示
装置Ｘは、風圧により飛ばされないように、大型化、重
量化する必要があるため、設置時や運搬時の労力が多大
にかかるという不具合もある。

【０００４】本発明は上記問題点に鑑みて提案されたも
のであって、方向表示具を目視認識しやすい角度に設置
することのできる方向表示具の取り付け具を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明の方向表示具の取り付け具は、方向表示具
を設置する場所に固定される取り付け具本体と、該取り
付け具本体に相対回転可能に配設された回動部材とを備
え、回動部材に案内方向を表示する方向表示具に形成さ
れた取り付け係合部を受け止める係止部を設け、取り付
け具本体に設けた角筒部に回動部材の角筒部を嵌合さ
せ、取り付け具本体に対して回動部材が所定ピッチで回
転可能に構成し、回動部材に取り付けられた方向表示具
の視認方向を変更可能に構成してなるものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。

【０００７】本実施形態の方向表示具の取り付け具６
は、図１に示すように、設置場所に取り付ける金属製の
クランプ部材１とこのクランプ部材１に連結される内筒
部材２とからなる取り付け具本体３と、内筒部材２より
やや大径の筒状に形成されて、内筒部材２の外側に装着
される回動部材としての外筒部材４とを備えてなる。な
お、内筒部材２および外筒部材４は、いずれも弾性を有
する合成樹脂製である。

【０００８】クランプ部材１は、下向きコの字型のベー
ス部１０１とこのベース部１０１の一方の対向壁１０２
に取り付けられた挟持用ネジ部材１０４とからなる。ま
た、ベース部１０１の上面の中心部には、リベット穴１
０９が形成されており、このリベット穴１０９の両側に
は、一対の嵌合孔１１０が形成されている。内筒部材２
は、ブロー成型により中空の有底円筒状に形成されてお
り、底部２０１には、前記嵌合孔１１０に対応する回り
止めの係合突部２０２，２０２が底部２０１から突出し
て形成されている。内筒部材２の側面の中央部には、１
２角状の角筒部２０３が形成されており、側面の下部に
は、回動部材４と嵌合する嵌合突部２０４が、側面に沿
って鍔状に形成されている。

【０００９】外筒部材４も内筒部材２と同様に、ブロー
成型により中空の有蓋円筒状に形成されており、下端開
口部の内壁面には、前記嵌合突部２０４が嵌合する嵌合
溝部４０１が、側面に沿って環状に形成されている。ま
た、外筒部材４の側面の一部分には、後述する方向指示
具７を取り付けるための上下に細長い直方体状の係止部
４０２が突設されている。この係止部４０２は、両側部
に長手方向に形成される係止溝４０３を有している（図
１乃至図３参照）。外筒部材４の側面の中央部は、内筒
部材２の角筒部２０３に外嵌するための１２角状の角筒
部４０４に形成されている。また、この角筒部４０４の
一部には、図４に示すように、外側に対して隆起するＵ
字状の変形吸収部４０５が形成されている。

【００１０】次に、方向表示具の取り付け具６を形成す
る手順を説明する。図１に示すように、まず、クランプ
部材の係合孔１１０，１１０に回り止めの係合突部２０
２，２０２を係合させる。そして、クランプ部材１に設
けたリベット穴１０９にリベット５を打ち込んでかしめ
ることにより、クランプ部材１に内筒部材２を固定し
て、取り付け具本体３を形成する。しかる後、回動部材
４を内筒部材２の上方から被せ、回動部材４の嵌合溝４
０１に内筒部材２の嵌合突部２０４を嵌合させると、図
２に示す取り付け具６が完成する。

【００１１】上記方向表示具の取り付け具６の使用手順
について説明する。図５は、方向表示具７を取り付けて
なる本実施の形態の取り付け具６を防護柵Ｌに取り付け
た状態を示しており、まず、取り付け具６を防護柵Ｌに
取り付ける。防護柵Ｌは、複数の三角コーンＭの上部に
連結バーＮを架設したものであり、クランプ部１を連結
バーＮの上部から被せた後、挟持用ネジ部材１０４を締
めて、取り付け具６を連結バーＮの上に固定する。次
に、方向表示具７を取り付け具６に取り付ける。方向表
示具７は、所定形状の合成樹脂製の板状部材からなり、
表面に方向を示す表示部７１を備え、裏面に取り付け具
６の係止部４０２に係止される取り付け係合部７２を備
えている。この取り付け係合部７２を、取り付け具６の
回動部材４に突設されている係止部４０２の係止溝４０
３に係合させる。そして、方向表示具７の表面に設けら
れた表示部７１の向きが所定の向きになるように、回動
部材４に周方向に力を加えて、回動部材４を取り付け具
本体３に対して回転させる。

【００１２】ところで、外筒部材４の角筒部４０４は、
図４に示すように、内筒部材２に形成された角筒部２０
３に密に嵌合されており、回転が制止されている。外筒
部材４に周方向に力を加えると、変形吸収部４０５が拡
開して弾性変形し、外筒部材４の角筒部４０４が内筒部
材２の角筒部２０３の角部を乗り越える。そして、外筒
部材４は、１ピッチごとに内筒部材２の次の角面部に送
られる。そして、外筒部材４の角筒部４０４が内筒部材
２の角筒部２０３の次の角面部に到達すると、変形吸収
部４０５は弾性復帰して、再び外筒部材４の角筒部４０
４が内筒部材２の角筒部２０３に密に嵌合されて、回転
が制止される。

【００１３】以上のように、本実施の形態の方向表示具
の取り付け具６は、取り付け具本体３に対して回動部材
４が相対回転可能であるので、図６、図７に示すよう
に、通行する自動車や通行人が視認しやすい最適な角度
に方向表示具を配置させることができる。また、取り付
け具６は防護柵Ｌやガードレール等の構造物Ｒの一部に
簡単に取り付けることができるので、着脱作業が容易で
ある。また、道路上に取り付け具６を設置するスペース
が不要であるので、通行を妨げない。さらに、小型で軽
量であるため、設置時や運搬時の労力やスペースが少な
くて済み、作業の効率化が図れる。

【００１４】なお、方向表示具の取り付け具６を固定す
るものとしては、クランプ部材１に限らなくともよく、
取り付け具本体３を構造物に固定できるものであればよ
いし、クランプ部材は金属製に限らず合成樹脂製でもよ
い。また、クランプ部材１に内筒部材２を固定させるも
のとしては、リベット５に限らずともよく、他のファス
ナー機構による固着でも、接着剤による接着でもよい。
さらに、内筒部材２と外筒部材４に設けた角筒部２０
３，４０４は、内筒部材２に対して外筒部材４を所定ピ
ッチごとに回転させることができればよく、１２角状に
限られない。また、外筒部材４に突設されている係止部
４０２は、方向表示具７を外筒部材４に係止できる機構
であればよい。

【００１５】

【発明の効果】以上のごとく本発明の方向表示具の取り
付け具は、方向表示具を設置する場所に固定される取り
付け具本体と、該取り付け具本体に相対回転可能に配設
された回動部材とを備え、回動部材には案内方向を表示
する方向表示具に形成された取り付け係合部を受け止め
る係止部を設け、回動部材に取り付けられた方向表示具
の視認方向を変更可能に構成したので、回動部材を取り
付け具本体に対して回転させるだけで、方向表示具を視
認可能な向きに容易に変更することができる。したがっ
て、道路上を通行する自動車の運転手や通行人は、方向
表示具を正面から容易に確認できるので、交通の安全
と、スムーズな通行を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の１実施形態の方向表示具の取り付け
具を分解して示す説明図

【図２】 本実施形態にかかる方向表示具の取り付け具
の正面図

【図３】 回動部材の平面図

【図４】 図２におけるＺ−Ｚ断面図

【図５】 本実施形態にかかる方向表示具の取り付け具
の使用態様を示す説明図

【図６】 本実施形態にかかる方向表示具の取り付け具
の使用態様を示す説明図

【図７】 本実施形態にかかる方向表示具の取り付け具
の使用態様を示す説明図

【図８】 従来の表示装置の外観斜視図

【図９】 従来の表示装置の外観斜視図

【図１０】従来の表示装置の使用態様を示す説明図

【図１１】従来の表示装置の使用態様を示す説明図

【符号の説明】

２０３ 角筒部 ３ 取り付け具本体 ４ 回動部材 ４０２ 係止部 ４０４ 角筒部 ６ 取り付け具 ７ 方向表示具 ７２ 取り付け係合部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】方向表示具を設置する場所に固定される取
   り付け具本体と、該取り付け具本体に相対回転可能に配
   設された回動部材とを備え、回動部材に案内方向を表示
   する方向表示具に形成された取り付け係合部を受け止め
   る係止部を設け、取り付け具本体に設けた角筒部に回動
   部材の角筒部を嵌合させ、取り付け具本体に対して回動
   部材が所定ピッチで回転可能に構成し、回動部材に取り
   付けられた方向表示具の視認方向を変更可能に構成した
   ことを特徴とする方向表示具の取り付け具。