JP2002079422A - 歯車の自動噛合わせ装置 - Google Patents

歯車の自動噛合わせ装置

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JP2002079422A
JP2002079422A JP2000268593A JP2000268593A JP2002079422A JP 2002079422 A JP2002079422 A JP 2002079422A JP 2000268593 A JP2000268593 A JP 2000268593A JP 2000268593 A JP2000268593 A JP 2000268593A JP 2002079422 A JP2002079422 A JP 2002079422A
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Masaaki Yamaguchi
正秋 山口
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定側の第一の歯車に対し第二の歯車を供給
して噛み合わせる歯車の自動噛合わせ装置において、一
回の供給動作のみで良好な噛合い状態を確実に現出させ
る、低コストの構成を提供する。 【解決手段】 第一の歯車110の接線方向に沿ってス
ライド自在に構成した本体51と、該本体51に支持さ
れ、前記第二の歯車12を案内面59を介して回転自在
に支持するキャリア53とを有し、該キャリア53は支
軸54まわりで非噛合方向へ傾動自在とされながら、噛
合方向に付勢力を与えられつつ前記本体51に支持され
る。前記本体51には規制ピン85を支持し、前記キャ
リア53が前記非噛合方向へ傾動したときには前記規制
ピン85が前記案内面59から突出して第二の歯車12
の回転を規制するようにし、前記キャリアが前記非噛合
方向へ傾動しないときには前記規制ピン85が前記案内
面59から突出しないように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車と歯車とを噛
み合わせる、歯車の自動噛合わせ装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車に対し歯車を供給して相互に確実に
噛み合わせるための技術については、従来から様々なも
のが提案され公知とされている。
【0003】特に歯車素材と歯車型工具とを噛み合わせ
る必要がある歯車の加工装置においては、以下のような
事情があるため、歯車同士を容易に確実に噛み合わせる
技術についてニーズが高い。即ち、歯車の加工として
は、歯切り後の歯車素材に歯車型工具であるシェービン
グカッタを噛み合わせつつ軽く押し付けながら回転さ
せ、歯の表面から少量の削りシロを削り取って、歯面を
平滑にするとともに歯形やピッチを修正して精度の高い
ものとする、シェービング加工が一般的である。あるい
は、歯車型の砥石を噛み合わせて回転させることにより
歯車素材の歯面を研磨する、ホーニング加工が行われる
ことがある。更には、シェービング加工等の前処理とし
て、歯車素材にデバリングカッタを噛合させて回転させ
ることで、歯車素材の端部側面の面取りを行い、同時に
歯溝形成時に生じたバリを除去する、デバリング加工が
行われることもある。
【0004】このような加工を行わせるためには、歯車
素材に歯車型工具(シェービングカッタや歯車型砥石や
デバリングカッタ)を噛合させた状態で歯車素材を心出
しして回転させることが必要になる。しかし、この歯車
型工具に対して歯車素材を供給し噛合させようとして
も、両者の歯先同士がぶつかってうまく噛み合わないこ
とがある。噛合不良が発生するとシェービング加工等の
仕上げ加工を行えないため、歯車素材と歯車型工具との
良好な噛合を確実に得たいという要望がある。
【0005】このニーズに応えるべく、特に歯車加工装
置において、自動噛合わせ装置の構成が様々に提案され
公知とされているのである。例えば、歯車素材が歯車
型工具に対して噛合を解除する方向(本明細書において
「非噛合方向」)に移動自在となるよう保持し、歯車型
工具に対し押し付ける方向の付勢力を歯車素材に作用さ
せつつ、位置固定側の歯車型工具に対し該工具の接線方
向から歯車素材を送って供給し、噛合不良が発生した場
合に前記付勢力に抗する歯車素材の非噛合方向への移動
をリミットスイッチ等の手段で検知し、噛合不良の場合
は供給動作を中止して歯車素材を逆方向に送っていった
ん退避させ、歯車型工具を少量回転させて回転位相を異
ならしめてから再度供給動作を行い、これを噛合不良が
発生しなくなるまで繰り返す方法が提案されている。ま
た、歯車素材の供給動作は前記と同様に行うが、噛
合不良の場合の歯車素材の非噛合方向への移動をリミッ
トスイッチ等で検知した場合は、その瞬間に歯車型工具
を少量回転させて回転位相を異ならしめ、良好な噛合を
得る方法が提案されている。更には、このの方法と前
記の方法とを併用することも提案されている。あるい
は、歯車素材の回転位相を予めセンサ等で検出してお
き、供給動作において両者が必ず噛合するように歯車型
工具の回転位相を制御しながら歯車素材を送って供給す
ることにより、一回で確実に噛み合わせる方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
方法は様々な不具合があり、前述のニーズを十分な形で
満たすことができなかったのである。即ち、噛合不良が
発生しなくなるまで供給動作を繰り返す方法()にお
いては、多数の歯車素材を仕上げ処理する過程において
は、供給動作を幾度繰り返しても噛合不良が解消しない
場合もしばしば発生し、噛合に手間取って設定サイクル
タイムをオーバーしてしまう場合もあった。従って、こ
のために歯車製造ラインを停止する必要が生じ、ライン
の効率的稼動の障害となっていた。また、供給動作にお
いて歯車素材の非噛合方向への移動が生じた瞬間に歯車
型工具を回転させ噛合不良を解消する方法()におい
ては、歯車型工具に連れ回って歯車素材も回転して、歯
先と歯先とがぶつかる噛合不良の状態が解消されない場
合があり、良好な噛合いを100%確実に得ることはで
きず、と同様の問題を生じていた。更には、歯車素材
の回転位相を予め検出しておき、歯車型工具の回転位相
を制御しながら歯車素材を送って供給する方法()
は、一回の供給動作で歯車素材を歯車型工具に対しほぼ
確実に噛み合わせることができる利点があるが、歯車素
材の回転位相の検出のための機構や、歯車型工具につい
て精度の高い角度割出し機構を必要とし、コストの大幅
アップの原因となっていたのである。
【0007】以上のように、歯車に対し歯車を送って確
実に相互噛合させることのできる低コストの構成が望ま
れていたのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0009】即ち、請求項1においては、位置を固定さ
れた状態の第一の歯車に対し、該第一の歯車の接線方向
から第二の歯車を送って供給し、両歯車を相互噛合させ
る歯車の自動噛合わせ装置において、前記接線方向に沿
って直線的にスライド自在に構成した本体と、該本体に
支持され、前記第二の歯車を案内面を介して回転自在に
支持するキャリアとを有し、該キャリアは、前記第二の
歯車の回転軸心と平行する支軸まわりで非噛合方向へ傾
動自在とされながら、噛合方向に付勢力を与えられつつ
前記本体に支持され、更に前記本体には規制ピンを支持
し、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動したときには
前記規制ピンが前記案内面から突出して第二の歯車の回
転を規制し、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動しな
いときには前記規制ピンが前記案内面から突出しないよ
うに構成したものである。
【0010】請求項2においては、請求項1記載の歯車
の自動噛合わせ装置であって、前記規制ピンは進退自在
にかつ突出方向の付勢力を与えられながら本体に支持さ
れ、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動すると同時に
前記第二の歯車の歯先の先端が該規制ピンに当接したと
きは、該規制ピンが押し込まれて前記案内面から突出し
ないように構成したものである。
【0011】請求項3においては、請求項1又は請求項
2に記載の歯車の自動噛合わせ装置であって、前記第二
の歯車を加工を受ける歯車素材とした、歯車加工装置に
おける歯車の自動噛合わせ装置としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。まず、本発明の歯車自動噛合せ装置を備える歯車複
合加工装置について、全体構成を説明する。図1は歯車
複合加工装置の全体構成を示した斜視図、図2は歯車素
材搬送装置及びローディング部の構成を示した斜視図、
図3は同じく側面断面図、図4は歯車複合加工装置の処
理作業を示した概念図である。
【0013】この歯車複合加工装置1は、ホブ盤等で歯
切りを行い歯溝を形成した第二の歯車たる歯車素材につ
いて、デバリング加工及びシェービング加工を単一の機
械で連続的に順次行わせるものである。具体的には図1
に示すように、この歯車複合加工装置1は水平な基台2
を備え、鉛直な仮想軸線3まわりの円周上に四つの歯車
加工処理部A・B・C・Dを該基台2上に等間隔で設定
している。そして前記仮想軸線3の位置に歯車素材搬送
装置4が設けられ、この歯車素材搬送装置4は、本体7
と、該本体7に取り付けられ歯車素材を保持する四つの
ローディング部11・11・11・11とを有してい
る。本体7は、前記仮想軸線3に沿って上下方向にスラ
イド自在で、かつ、その上限位置では前記仮想軸線3ま
わりに回転できるようになっている。前記四つのローデ
ィング部11・11・11・11は本体7の外周面に等
間隔でかつ放射状に設けられており、それぞれのローデ
ィング部11には一つの歯車素材12(図7・図9)
を、その回転軸心が水平となるよう内部に保持できるよ
うにし、仮想軸線3から遠い側にある歯車素材12の外
周面の一部、及び歯車素材12の軸孔を露出させつつ回
転自在としている。
【0014】前述の四つの歯車加工処理部A・B・C・
Dのうち、加工処理部Aは歯車素材12の搬出入ポート
とし、この処理部Aに位置するローディング部11に加
工処理前の歯車素材12をセットし、また、ここで、一
連の加工処理後の歯車素材12をローディング部11か
ら取り出すようにしている。加工処理部Bにはデバリン
グ装置101を配設しており、この装置では第一の歯車
(歯車型工具)であるデバリングカッタ110を歯車素
材12に噛合させるとともに二枚のディスクカッタ11
4・114にて該歯車素材12の側面の端縁を挟み込む
ようにした上で、デバリングカッタ110を駆動して歯
車素材12を回転させ、歯車素材12の歯型と端面角部
の面取りを行い、かつ、歯溝形成時に生じたバリを前記
ディスクカッタ114・114にて除去するようにして
いる。加工処理部Cには本実施例においては装置を配設
せず、アイドル部としている。加工処理部Dには歯のシ
ェービング装置102を配設し、ここでは第一の歯車
(歯車型工具)としてのシェービングカッタ112を歯
車素材12に噛合させ回転させることで、前述のシェー
ビング加工を施し、歯車素材12の歯車としての精度を
向上させる処理を行う。
【0015】次に、歯車素材12のデバリング加工を行
う前記デバリング装置101の概略を説明する。加工処
理部Bにあるローディング部11の外側近傍位置には、
デバリングカッタ110がその回転軸心を水平に向けて
配置される。このデバリングカッタ110は仮想軸線3
に近づく方向あるいは逆の方向に移動できるようになっ
ており、デバリングカッタ110の位置を適宜調節する
ことで、外径の異なる歯車素材12に対しても噛合を得
られるようになっている。加工処理部Bにあるローディ
ング部11の両側側方位置には、歯車素材12を心出し
して回転保持するための心押台111が、基台2上に設
置される。従って、歯車素材12を内部に保持したロー
ディング部11が下降することにより、二つの心押台1
11・111の間に歯車素材12が送られるとともに、
前記デバリングカッタ110の接線方向に歯車素材12
が供給され噛合が開始される。ローディング部11の下
限位置に至るとデバリングカッタ110と歯車素材12
とが完全に噛合され、この状態で両側の心押台111が
歯車素材12の軸孔を保持してデバリングカッタ110
を駆動することにより、歯車素材12が回転されてデバ
リングカッタ110にて歯車素材12の歯形と端面角部
の面取りが行われ、同時にディスクカッタ114・11
4によりバリ取りが行われる。
【0016】次に、歯車素材12のシェービング加工を
行うシェービング装置102の概略を説明する。加工処
理部Dにあるローディング部11の外側近傍位置には、
シェービングカッタ112が配置される。このシェービ
ングカッタ112は前記仮想軸線3に近づく方向又は逆
の方向に移動できるようになっており、シェービングカ
ッタ112の位置を適宜調節することで、外径の異なる
歯車素材12に対しても噛合が得られるようになってい
る。シェービングカッタ112の外周はハス歯状に形成
されており、仕上げ処理がされる歯車素材12の種類
(スグ歯、ハス歯等)が異なっても、シェービングカッ
タ112の回転軸心を適宜傾けて、歯車素材12とシェ
ービングカッタ112との適正な噛合が得られるように
なっている。また、加工処理部Dにあるローディング部
11の両側側方位置には、歯車素材12を心出しして回
転保持するための心押台113・113が、基台2上に
設置される。
【0017】従って、歯車素材12を内部に保持したロ
ーディング部11が下降することにより、二つの心押台
113・113の間に歯車素材12が送られるととも
に、前記シェービングカッタ112の接線方向に歯車素
材12が供給され噛合が開始される。ローディング部1
1の下限位置に至るとシェービングカッタ112と歯車
素材12とが完全に噛合され、この状態で両側の心押台
113・113が歯車素材12の軸孔を保持してシェー
ビングカッタ112を駆動することにより、歯車素材1
2の歯とシェービングカッタ112の歯がスベリを生じ
ながら噛合回転されて、歯車素材12にシェービング加
工が施される。
【0018】次に、歯車素材搬送装置4の構成につい
て、詳しく説明する。前記歯車素材搬送装置4は、前記
本体7やローディング部11のほかに、前記仮想軸線3
に沿って立設される基軸5(図2・図3)と、該基軸5
の上部に設けられる回転搬送体6(図3)とを有してお
り、前述の本体7は筒状に構成され、上下スライド自在
に基軸5に嵌合される関係にある。前記歯車素材搬送装
置4の基軸5の外周面においては、上下方向のガイド溝
8が90°毎に等間隔で計四本設けられている。また、
本体7上端近傍の内周面には突起9が90°毎に等間隔
で四つ設けられており、該突起9がそれぞれの該ガイド
溝8に係入しながら摺動することで、本体7が基軸5上
でスライドする際に仮想軸線3まわりに回転することが
防止される。本体7の上下方向のスライドは、基軸5上
に設けた油圧シリンダ20の進退駆動によって行われ
る。
【0019】前記回転搬送体6は図3に示すように円筒
状に構成されており、基軸5の上部に嵌合され回転自在
とされる。この回転搬送体6の上側は外周面に歯溝を形
成した歯車部6aとし、回転搬送体6の下側は、前記突
起を入り込ませる凹部22を下縁に複数形成した搬送部
6bとしている。基軸5上には、ブレーキモータとパラ
レルカムインデックス機構よりなる回転駆動装置23が
配設され(図1・図3)、その出力軸23aは図3に示
すように下方に延伸されてその先端に駆動ギア24を取
り付けており、該駆動ギア24に前記回転搬送体6の歯
車部6aを噛合させ、回転駆動装置23により回転搬送
体6が回転駆動される構成としている。搬送部6bに設
けた前記凹部22は90°毎に等間隔で計四つ設けられ
ており、本体7の内周面に設けた前記四つの突起9が四
つの凹部22にそれぞれ入り込めるようにしている。ま
た、前記回転駆動装置23には角度割出し機構が設けら
れており、回転搬送体6を90°ずつ回転させ、かつ、
前記凹部22が基軸5上の前記ガイド溝8に一致する角
度にて回転搬送体6を静止させるよう、該回転駆動装置
23が制御される。
【0020】従って、回転搬送体6が静止している状態
で前記油圧シリンダ20の駆動により本体7が上昇しそ
の上限位置に至ると、前記突起9は基軸5上のガイド溝
8から回転搬送体6の前記凹部22に入り、この状態で
回転駆動装置23を駆動すれば、回転搬送体6の回転に
より本体7を90°回転させることができる。この90
°の回転により突起9は元のガイド溝8からその隣に位
置するガイド溝8まで送られ、次の本体7の昇降時には
突起9はそのガイド溝8内を摺動することになる。
【0021】前記本体7の側面周囲には図1・図2に示
すように、四つのローディング部11・11・11・1
1が90°ずつ位相を異ならせて放射状に設けられてい
る。このローディング部11・11・11・11は前記
本体7の昇降に伴って昇降するようになっており、また
昇降時には、それぞれのローディング部11・11・1
1・11は、歯車素材搬送装置4の周囲に設置された四
つの前記歯車加工処理部A・B・C・Dを向くように構
成されている。前記本体7が下降され、歯車素材12を
保持する四つのローディング部11・11・11・11
が下降することで、前記加工処理部A・B・C・Dに各
歯車素材12が供給される。ここで、歯車型工具を有す
る処理装置が配設されている加工処理部(デバリング装
置101を設置している処理部B、及び、シェービング
マシン102を設置している処理部D)においては、ロ
ーディング装置11に保持される歯車素材12と前記歯
車型工具(デバリングカッタ110又はシェービングカ
ッタ112)との噛合が前記下降とともに行われるが、
前記ローディング部11・11・11・11は本発明に
係る歯車の自動噛合わせ装置をそれぞれ有しているの
で、歯車型工具110・112と歯車素材12との噛合
はスムーズに行われる。これについては後述する。
【0022】本体7が下降されてローディング部11・
11・11・11が下限位置(加工位置)に至ると、そ
れぞれのローディング部に保持される歯車素材12につ
いて、各歯車加工処理部A・B・C・Dに対応した加工
処理(歯車素材12の搬入出・デバリング加工・シェー
ビング加工)が同時に行われる。処理の終了後は本体7
とともに四つのローディング部11・11・11・11
が同時に上昇して、その上限位置にて本体7とともにロ
ーディング部11が90°回転することにより、処理部
Aでセットされた歯車素材12は処理部Bに、Bでデバ
リング加工された歯車素材12はCに、Cで待機された
歯車素材12はDに、Dでシェービング加工を施された
歯車素材12はAに、それぞれ受け渡される。
【0023】以上、ローディング部11の下降→各加工
処理→ローディング部11の上昇→ローディング部11
の90°回転を一サイクルとし、これを反復すること
で、最大四つまでの歯車素材12についての一連の加工
処理が流れ作業的に順次行われる。即ち、概念図である
図4に示すように、処理部Aから搬入され四つのローデ
ィング部11のいずれかにセットされた歯車素材12
は、処理部Bにてデバリング加工が行われ、処理部Cに
て待機した後、処理部Dにてシェービング加工が施され
て、再び処理部Aに戻って搬出される。
【0024】次に、本発明の歯車自動噛合わせ装置を適
用した前記ローディング部11について、主に図5を参
照しながらその構成を説明する。図5は本発明の歯車自
動噛合わせ装置を備えるローディング部の構成を示した
一部断面図である。図6は上部キャリアのロック状態が
解除される様子を示した図、図7は上部キャリアが上方
回動され、歯車素材がセットされる様子を示した図であ
る。図8は規制ピンの構成及び該規制ピンの先端と案内
面との関係を示した断面拡大図である。
【0025】この歯車自動噛合わせ装置を適用したロー
ディング部11は、その本体51を前記歯車素材搬送装
置4の本体7側面に取り付け、該本体7とともに上下ス
ライドかつ回転ができるようにしている。そして該本体
51には二本の支持アーム52・52を外方に向けて平
行に突出させて設け、該二本の支持アーム52・52の
間には歯車素材12を保持するためのキャリア53が配
置され、二本の支持アーム52・52の先端の間に水平
に支架した支軸54を介して該キャリア53を傾動自在
に支持している。ここで支軸54は、キャリア53に保
持される歯車素材12の軸心に平行に配置される。
【0026】前記キャリア53は、歯車素材12の下側
及び前記仮想軸線3に近い側を支持するキャリア下部5
5と、歯車素材12の上側を覆うキャリア上部56とに
より構成される。
【0027】キャリア下部55は、前記支軸54を介し
て傾動可能に支持される基部57と、該基部57に取り
付けられ歯車素材12を直接保持する案内体58とによ
り構成される。前記基部57の前記仮想軸線3より遠い
側においては、その上部を大きく円弧状に欠切して、前
記案内体58を取り付けるための取付面としている。前
記案内体58は、側面視でドーナツを一部切り出したよ
うな形状としており、その外周面は前記取付面に沿う円
弧状の面を形成している。また案内体58には、歯車素
材12の外周面を案内するための円弧状案内面59を形
成している。該円弧状案内面59の側方両側には適宜高
さのガイド60・60が形成されており、歯車素材12
を保持したときにその回転軸心方向への移動を規制する
ようにしている。前記案内体58は基部57に対して着
脱可能に構成してあり、円弧状案内面59の径を様々な
大きさとした種々の案内体58を予め用意しておけばよ
い。こうすることで、歯車素材12の外径が様々に異な
っても、その外径に対応する案内体58に交換すること
で、ローディング部11に保持することができる。
【0028】前記キャリア下部55の基部57において
は、その仮想軸線3に近い側においてアーム61を上方
に突出させて設け、水平なピン62を介して該アーム6
1の先端にキャリア上部56を回動可能に支持してい
る。キャリア上部56は、前記ピン62を介して支持さ
れる基部63と、該基部に取り付けられる案内アーム6
4とにより構成される。案内アーム64の下面において
は歯車素材12の外周面を案内するための円弧状案内面
65が形成され、この円弧状案内面65は、キャリア上
部56を図5に示す如く閉じたときに、前記キャリア下
部55の円弧状案内面59と連続的に繋がって、両案内
面59・65を合わせて略「C」字状の円弧状案内面と
なるようにし、この内部に歯車素材12を軸心を水平に
保った状態で保持するようにしている。なお、前記ガイ
ド60・60の間の幅は歯車素材12の幅よりわずかに
大きく構成し、円弧状案内面59・65の直径は歯車素
材12の直径よりわずかに大きく設定しているので、キ
ャリア53内に保持される歯車素材12はその中で自由
に回転できるようになっている。案内アーム64は基部
63に対して着脱可能に構成され、前記キャリア下部5
5の案内体58と同様、円弧状案内面65の径を様々な
大きさとした種々の案内アーム64を予め用意してお
き、案内体58とセットで案内アーム64を交換するこ
とにより種々の歯車素材12の外径に対応できるように
している。
【0029】前記キャリア上部56は前記ピン62を介
してキャリア下部55に対し回動可能に支持されてお
り、歯車素材12の搬入/搬出ポートである加工処理部
Aにローディング部11が来たときは、前記キャリア上
部56が上方に回動して歯車素材12のローディング部
11へのセット/ローディング部11からの取出しを可
能とすべく構成している。この具体的な構成は以下のと
おりである。即ち図5に示すように、前記キャリア下部
55を構成する基部57の内部には孔70が鉛直方向に
貫通させて設けられ、該孔70の内部にロッド66が配
置されて上下方向に摺動自在とされている。ロッド66
の上端は該孔70から一部突出させてリンク67の一端
を連結し、リンク67の他端はキャリア上部56を構成
する前記基部63の中途部に連結されている。ロッド6
6にはカラー68が形設されるとともに、前記孔70に
形成された段部と該カラー68との間に付勢バネ69が
弾装されて、この付勢バネ69はロッド66及びリンク
67を介して前記キャリア上部56に下方へ回動する方
向(閉じる方向)の付勢力を与えている。ロッド66の
下端も前記基部57の下面から突出させてあり、該下端
部は基部57下面に設けたロック機構71に係止されて
いる。このロック機構71は、前記基部57下面に摺動
自在に付設されるロック体72と、基部57の端部位置
に固定されるバネ受け74と、バネ受け74とロック体
72との間に弾装される付勢バネ73によりなる。前記
ロック体72は平面視「コ」字状に形成されており、そ
の内部にロッド66下端を挿入できるようにしている。
ロック体72はロッド66下端部に対し係脱自在として
おり、ロック体72が前記仮想軸線3から遠ざかる方向
へ移動すると両者が係合しロックしてロッド66の上下
方向摺動を規制する一方、仮想軸線3に近づく方向へ移
動すると前記係合が解除されアンロックされるようにな
っている。ロック体72の仮想軸線3から遠い側の端部
においては、前記アンロックのためのローラ75が回転
自在に支架されている。
【0030】以上の構成で、図5の如くキャリア上部5
6が閉じられた状態では、ロッド66の下端はキャリア
下部55の基部57下面から突出しており、仮想軸線3
から遠ざかる方向の付勢力を付勢バネ73から受けるロ
ック体72が該ロッド66の下端に係合するので、ロッ
ド66の移動が規制され、キャリア上部56はその閉じ
られた状態でロックされる。一方、図6に示すように、
歯車素材12の搬入/搬出ポートである加工処理部Aに
おいては、基台2上にアンロック体76及び油圧シリン
ダ77が設けられている。アンロック体76には斜状の
カム面76aが形成されており、ローディング部11が
加工処理部Aにおいて図6の如く下降するに伴い、この
カム面76aが前記ロック体72のローラ75に接触
し、前記付勢バネ73に抗してロック体72を仮想軸線
3に近い側へ押動する。加工処理部Aにおいてローディ
ング部11が下限位置まで下降すると、ロック体72と
ロッド66との係合が完全に解除され、ロッド66の上
下方向の摺動が可能な状態になる。前記油圧シリンダ7
7の伸縮可動部77aは前記ロッド66と軸線を一致さ
せて配設されており、前記ローディング部11が下限位
置まで下降した状態で該伸縮可動部77aを伸張駆動す
ると、図7に示すようにその先端が前記ロッド66の下
端を押動して、前記付勢バネ69に抗して上昇させる。
ロッド66の上端はリンク67を押動し、該リンク67
に連結されたキャリア上部56はピン62を支点に上方
に回動され、この図7に示す状態で歯車素材12のロー
ディング部11へのセット/ローディング部11からの
取出しを行うことができる。
【0031】また、図5に示すように、前記キャリア下
部55を構成する基部57においては、仮想軸線3に近
い側の面に位置決め部材78が突出されて固設され、該
位置決め部材78は、前記本体51の中央位置に欠設さ
れた四角形状の孔79に挿入される。位置決め部材78
の下面及び前記孔の上面には、互いに対向させてそれぞ
れ半球状のバネ受け部78a・79aが形成されてお
り、この二つのバネ受け部78a・79aの間に付勢バ
ネ80を弾装することで、図5における支軸54まわり
の反時計方向の付勢力がキャリア53に対し与えられ
る。
【0032】本体51の上部には凹部51aが形設さ
れ、該凹部51aにはボルト孔が開口されてボルト81
が螺設され、該ボルト81の先端は前記孔79の下面か
ら突出される。従って、前記付勢バネ80の付勢力によ
り前記キャリア53が支軸54まわりに一定位置まで回
動すると、前記位置決め部材78の上面に前記ボルト8
1の先端が当接し、それ以上のキャリア53の回動が規
制されるようになっている。従って、キャリア53は前
述のとおり本体51のアーム52・52に支軸54を介
して傾動自在に支持されているが、この位置決め機構に
より、通常時は、前記位置決め部材78の上面にボルト
81の先端が当接した、図5に示す姿勢に維持される。
なお、以下において、このキャリア53の姿勢を「基本
姿勢」と称する。
【0033】次に、前記キャリア53に保持される歯車
素材12の回転を必要に応じて阻止する機構について説
明する。図5に示すように、前記二本の支持アーム52
・52のうち一側の中途部の側面には、ピン支持アーム
82の基部が固設されている。このピン支持アーム82
はキャリア53の側面に沿うように斜状に延出され、そ
の先端に支持プレート83の端部を固設している。前記
キャリア下部55の案内体58の上部位置には凹陥部5
8aが形成されてあり、図2・図5に示す如く該凹陥部
58aに前記支持プレート83の大部分が挿入され、図
5・図8に示すように、該挿入された部分において支持
プレート83にピン支持体84が取り付けられている。
ピン支持体84には規制ピン85が摺動自在に支持され
る(図8)。規制ピン85は仮想軸線3から遠ざかる向
きに適宜距離だけ突出され、該突出部分は前記案内体5
8に設けた溝87内に配置されている(図2・図5・図
8)。ピン支持体84の内部には戻しバネ85aが収納
され(図8)、前記規制ピン85が押し込まれたときは
戻し方向の弾発力が該規制ピン85に作用するようにし
ている。
【0034】ピン支持体84は支持プレート83に対し
てネジ込み式に固定されており(図8)、ピン支持体8
4を回動することで規制ピン85の先端の位置を微調整
できるようにしている。そしてこの微調整により、前記
キャリア53が上述の基本姿勢にあり、かつ規制ピン8
5が押し込まれていない場合には、図5や拡大図である
図8に示すように、前記案内体58に形成された円弧状
案内面59に該規制ピン85の先端が一致するよう、前
記ピン支持体84の位置が設定される。なお、図8にお
いて符号12cで示されるのは、歯車素材12の回転軸
心である。
【0035】次に、以上に説明した歯車自動噛合わせ装
置の具体的な作動を説明する。図9はデバリング装置に
あるローディング部が、歯車型工具に対し歯車素材の送
りを開始した状態を示した図である。図10は送られる
歯車素材が歯車型工具に対し良好に噛み合う場合を示し
た図、図11は歯車素材が歯車型工具に対し良好に噛合
い、その加工位置まで送られた状態を示した図である。
図12は送られる歯車素材の歯先が歯車型工具の歯先と
当接する場合を示した図、図13は図12の状態から歯
車素材が更に送られ、キャリアが傾動して逃げ姿勢とな
り、案内面から規制ピンが突出して歯車素材の回転を規
制する様子を示した図、図14は図13の状態におい
て、規制ピンが案内面から突出する様子を示した断面拡
大図である。図15は回転を規制された歯車素材が図1
3の状態から更に送られて、歯車素材の歯先が歯車型工
具の歯溝に入り、逃げ姿勢にあるキャリアが基本姿勢に
戻り、規制ピンが案内面から突出しなくなって歯車素材
の回転規制を解除する様子を示した図である。図16は
図12の状態から歯車素材が更に送られ、キャリアが傾
動して逃げ姿勢となるが、規制ピンの先端に歯車素材の
歯先が当接して、規制ピンが押し込まれて案内面から突
出しない場合を示した図、図17は図16の状態におい
て、規制ピンが歯車素材の歯先に当接して押し込まれる
様子を示した拡大図である。図18は図16の状態から
歯車素材が送られるともに連れ回って回転し、規制ピン
が案内面から突出して歯車素材の歯溝に入り、歯車素材
の回転を規制する様子を示した図である。また、図19
は本発明の歯車の自動噛合わせ装置の作動の概略を表す
フローチャート図である。
【0036】図9に示すように、加工処理部Bにて、歯
車素材12をキャリア53の内部に保持したローディン
グ部11が、該キャリア53を前記基本姿勢に保った状
態で鉛直に下降する。加工処理部Bに配置されるデバリ
ング装置101においては、歯車素材12の外径に応じ
てデバリングカッタ110の位置が予め調整されてお
り、ローディング部11の下降に伴って、静止している
デバリングカッタ110の接線方向に歯車素材12が供
給されるようになっている。
【0037】ここで歯車素材12はキャリア53内で回
転自在に保持されているので、供給開始当初から歯車素
材12の歯先がデバリングカッタ110の歯溝内に入る
図10のような場合は、歯車素材12はデバリングカッ
タ110と噛合い、キャリア53内で回転しながら下方
向に送られて、その良好な噛合い状態を維持しながら下
限の加工位置に至る。この状態が図11に示される。
【0038】一方、噛合開始当初において歯車素材12
とデバリングカッタ110の歯先同士がぶつかる図12
のような場合は、そのままローディング部11が下降す
るに伴ってデバリングカッタ110の歯先が歯車素材1
2の歯先を押動するので、基本姿勢にあったキャリア5
3は付勢バネ80に抗しながら、デバリングカッタ11
0との噛合を解除させる方向(即ち、前記非噛合方向)
に傾き、図13の状態となる。なお、以下、このキャリ
ア53の姿勢を「逃げ姿勢」と称する。図13に示すこ
の逃げ姿勢においては、キャリア53において歯車素材
12の外周面を保持する前記案内面59・65も傾くこ
ととなるが、支持アーム82を介して本体51に支持さ
れる前記規制ピン85は傾かずそのままの位置を保つの
で、規制ピン85の先端は案内面59から相対的に突出
しようとする。ここで歯車素材12の歯先の位置によっ
ては、(1)図13・図14に示すように規制ピン85
が歯車素材12の歯溝に入る場合と、(2)図16・図
17に示すように規制ピン85が歯車素材12の歯先に
当接して、規制ピン85が案内面59から突出できず押
し込まれる場合が考えられる。なお図14及び図17に
おいて、符号12cで示されるのはキャリア53が基本
姿勢にあるときの歯車素材12の回転軸心の位置、符号
12c’で示されるのはキャリア53が逃げ姿勢にある
ときの歯車素材12の回転軸心の位置である。以上の
(1)の場合、(2)の場合の作動について、以下にそ
れぞれ説明する。
【0039】(1)規制ピン85が歯車素材12の歯溝
内に入った図13・図14に示す場合は、該規制ピン8
5が歯車素材12の歯部を係止するので、キャリア53
内における歯車素材12の自由回転が規制される。従っ
て歯車素材12は、その回転を規制され、かつ前記付勢
バネ80によりキャリア53を介してデバリングカッタ
110へ噛合する方向(前記非噛合方向と逆の方向。本
明細書において「噛合方向」と称する)に付勢されなが
ら、下方向へ送られることになる。この結果、図15に
示すように、歯車素材12はその送りに伴ってデバリン
グカッタ110と歯先同士を当接させる噛合い不良状態
を解消し、その歯先は必ずデバリングカッタ110の歯
溝に入る。そして歯車素材12の歯先がデバリングカッ
タ110の歯溝に入ると同時に、該歯車素材12を保持
するキャリア53は前記付勢バネ80の働きにより図1
5に示す如く噛合方向に傾動し、逃げ姿勢から基本姿勢
へと戻る。これに伴い前記案内面59・60の傾きも解
消され、前記規制ピン85は案内面59より突出しない
図8の状態に戻り、歯車素材12の回転規制が解除され
る。従ってこの後は、歯車素材12はデバリングカッタ
110と良好な噛合いを維持しながら回転し、下限の加
工位置まで送られ、図11の状態に至る。
【0040】(2)規制ピン85が歯車素材12の歯先
に当接して押し込まれ、案内面59から突出できない場
合(図16・図17の場合)は、前述の場合と異なり、
規制ピン85は歯車素材12の歯部を係止できず、その
自由回転を規制できない。従って、この場合は、歯車素
材12がその送りに伴ってデバリングカッタ110に対
し連れ回りを起こす場合もあるし、起こさない場合もあ
る。しかし、歯車素材12が送りに伴ってデバリングカ
ッタ110に対し連れ回る場合は、歯車素材12の歯先
に規制ピン85が当接している状態がその連れ回りに伴
って解消され、前記ピン支持体84内部に収納される付
勢バネにより突出方向に付勢される規制ピン85は、図
18に示すように案内面59から突出して歯車素材12
の歯溝内に入り、歯車素材12の自由回転を規制し、連
れ回りを停止させるのである。従って、以降は前記
(1)の場合とまったく同様の動作が行われて、歯車素
材12はデバリングカッタ110に対し良好な噛合いを
得て、加工位置まで送られることとなる。また、歯車素
材12が送りに伴ってデバリングカッタ110に対し連
れ回らない場合は、これは歯先同士が当接する噛合い不
良が必ず解消されることを意味するから、結局、歯車素
材12はデバリングカッタ110に対し良好な噛合いを
得て、その加工位置まで送られるのである。
【0041】以上の流れをフローチャート的に説明した
ものが図19に示されるが、この図を見ても明らかであ
るとおり、結局どのような場合であっても、歯車素材1
2はその送りに伴って、デバリングカッタ110に対す
る良好な噛合いを確実に得るのである。これは供給動作
を一回行うのみで必ず良好な噛合いが得られ、噛合い不
良によるトラブルがゼロであることを意味するから、サ
イクルタイムの短縮あるいは安定化に貢献でき、ひいて
は歯車製造ラインの稼動効率の向上に資することができ
る。
【0042】なお、加工処理部Dにおいても、ローディ
ング部11が下降することによって第二の歯車たる歯車
素材12が第一の歯車(歯車型工具)たるシェービング
カッタ112の接線方向に送られて供給され、その際は
上述とまったく同じ原理により、歯車素材12とシェー
ビングカッタ112との間に良好な噛合いが確実に得ら
れるようになっている。
【0043】以上に本発明の実施例を説明してきたが、
本発明の技術的範囲は上記の実施例に限定されるもので
はなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかに
なる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広
く及ぶものである。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0045】即ち、請求項1に示す如く、位置を固定さ
れた状態の第一の歯車に対し、該第一の歯車の接線方向
から第二の歯車を送って供給し、両歯車を相互噛合させ
る歯車の自動噛合わせ装置において、前記接線方向に沿
って直線的にスライド自在に構成した本体と、該本体に
支持され、前記第二の歯車を案内面を介して回転自在に
支持するキャリアとを有し、該キャリアは、前記第二の
歯車の回転軸心と平行する支軸まわりで非噛合方向へ傾
動自在とされながら、噛合方向に付勢力を与えられつつ
前記本体に支持され、更に前記本体には規制ピンを支持
し、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動したときには
前記規制ピンが前記案内面から突出して第二の歯車の回
転を規制し、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動しな
いときには前記規制ピンが前記案内面から突出しないよ
うに構成したので、第二の歯車の前記接線方向の送りの
際に両歯車の歯先同士がぶつかって噛合い不良が生じた
場合には、キャリアが非噛合方向に傾動して第二の歯車
が第一の歯車から少量逃げるとともに、案内面から前記
規制ピンが突出して第二の歯車の歯溝に入ってその回転
を規制するので、回転しない第二の歯車が静止している
第一の歯車に対し接線方向に送られることで、歯先同士
が当接する噛合い不良状態は確実に解消されることとな
る。そして、噛合い不良が解消された瞬間にキャリアが
噛合方向に傾動され、一方の歯先が他方の歯溝に係入す
る良好な噛合い状態が現出され、同時に案内面から前記
規制ピンが突出しなくなるので、第二の歯車の回転がフ
リーとなる。従って、接線方向の送りの際に第二の歯車
は自由に回転し、その良好な噛合い状態が確実に維持さ
れながら最終位置まで送られる。この結果、両歯車間の
良好な噛合いが、一回の供給動作のみで確実に得られ
る。また、このようなきわめて優れた利点を有しながら
も、油圧シリンダや電気回路等が不要なきわめて簡素な
構成であり、製造コストの低減をも図ることができる。
【0046】請求項2に示す如く、請求項1記載の歯車
の自動噛合わせ装置であって、前記規制ピンは進退自在
にかつ突出方向の付勢力を与えられながら本体に支持さ
れ、前記キャリアが前記非噛合方向へ傾動すると同時に
前記第二の歯車の歯先の先端が該規制ピンに当接したと
きは、該規制ピンが押し込まれて前記案内面から突出し
ないように構成したので、請求項1に示す効果のほか、
両歯車同士が噛合い不良を起こし、かつ、前記規制ピン
が第二の歯車の歯先に当接した場合には、該規制ピンが
自動的にキャリアの案内面から一時退出することで、前
記規制ピンが該第二の歯車の歯先に作用させる瞬間的な
過大荷重が逃がされ、第二の歯車が受けるダメージを軽
減させることができる。ここで、前記規制ピンが退出し
ている場合は第二の歯車は送りに伴って連れ回る可能性
があるが、第二の歯車が連れ回った場合には、規制ピン
に対応する位置に第二の歯車の歯溝が移動した瞬間に前
記規制ピンが案内面から突出して該歯溝に必ず係入する
ので、第二の歯車は連れ回りが結局規制されて、結果的
には請求項1に示すような噛合い良好な状態がより確実
に現出されるのである。
【0047】請求項3に示す如く、請求項1又は請求項
2に記載の歯車の自動噛合わせ装置であって、前記第二
の歯車を加工を受ける歯車素材とした、歯車加工装置に
おける歯車の自動噛合わせ装置としたので、一回の供給
動作のみで加工を受ける歯車素材を確実に歯車型工具等
に噛合させることができるので、歯車加工装置において
スムーズにかつスピーディーに噛合が行われることとな
り、サイクルタイムの短縮に貢献できる。また、噛合不
良を原因とするラインの停止という事態は絶滅され、歯
車製造ラインの稼動効率の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】歯車複合加工装置の全体構成を示した斜視図。
【図2】歯車素材搬送装置及びローディング部の構成を
示した斜視図。
【図3】同じく側面断面図。
【図4】歯車複合加工装置の処理作業を示した概念図。
【図5】本発明の歯車自動噛合わせ装置を備えるローデ
ィング部の構成を示した一部断面図。
【図6】上部キャリアのロック状態が解除される様子を
示した図。
【図7】上部キャリアが上方回動され、歯車素材がセッ
トされる様子を示した図。
【図8】規制ピンの構成及び該規制ピンの先端と案内面
との関係を示した断面拡大図。
【図9】デバリング装置にあるローディング部が、歯車
型工具に対し歯車素材の送りを開始した状態を示した
図。
【図10】送られる歯車素材が歯車型工具に対し良好に
噛み合う場合を示した図。
【図11】歯車素材が歯車型工具に対し良好に噛合い、
その加工位置まで送られた状態を示した図。
【図12】送られる歯車素材の歯先が歯車型工具の歯先
と当接する場合を示した図。
【図13】図12の状態から歯車素材が更に送られ、キ
ャリアが傾動して逃げ姿勢となり、案内面から規制ピン
が突出して歯車素材の回転を規制する様子を示した図。
【図14】図13の状態において、規制ピンが案内面か
ら突出する様子を示した断面拡大図。
【図15】回転を規制された歯車素材が図13の状態か
ら更に送られて、歯車素材の歯先が歯車型工具の歯溝に
入り、逃げ姿勢にあるキャリアが基本姿勢に戻り、規制
ピンが案内面から突出しなくなって歯車素材の回転規制
を解除する様子を示した図。
【図16】図12の状態から歯車素材が更に送られ、キ
ャリアが傾動して逃げ姿勢となるが、規制ピンの先端に
歯車素材の歯先が当接して、規制ピンが押し込まれて案
内面から突出しない場合を示した図。
【図17】図16の状態において、規制ピンが歯車素材
の歯先に当接して押し込まれる様子を示した拡大図。
【図18】図16の状態から歯車素材が送られるともに
連れ回って回転し、規制ピンが案内面から突出して歯車
素材の歯溝に入り、歯車素材の回転を規制する様子を示
した図。
【図19】本発明の歯車の自動噛合わせ装置の作動の概
略を表すフローチャート図。
【符号の説明】
12 第二の歯車(歯車素材) 51 本体 53 キャリア 54 支軸 59・65 案内面 85 規制ピン 110 第一の歯車(歯車型工具たるデバリングカッ
タ) 112 第一の歯車(歯車型工具たるシェービングカッ
タ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置を固定された状態の第一の歯車に対
    し、該第一の歯車の接線方向から第二の歯車を送って供
    給し、両歯車を相互噛合させる歯車の自動噛合わせ装置
    において、 前記接線方向に沿って直線的にスライド自在に構成した
    本体と、該本体に支持され、前記第二の歯車を案内面を
    介して回転自在に支持するキャリアとを有し、 該キャリアは、前記第二の歯車の回転軸心と平行する支
    軸まわりで非噛合方向へ傾動自在とされながら、噛合方
    向に付勢力を与えられつつ前記本体に支持され、 更に前記本体には規制ピンを支持し、前記キャリアが前
    記非噛合方向へ傾動したときには前記規制ピンが前記案
    内面から突出して第二の歯車の回転を規制し、前記キャ
    リアが前記非噛合方向へ傾動しないときには前記規制ピ
    ンが前記案内面から突出しないように構成したことを特
    徴とする、歯車の自動噛合わせ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の歯車の自動噛合わせ装置
    であって、 前記規制ピンは進退自在にかつ突出方向の付勢力を与え
    られながら本体に支持され、前記キャリアが前記非噛合
    方向へ傾動すると同時に前記第二の歯車の歯先の先端が
    該規制ピンに当接したときは、該規制ピンが押し込まれ
    て前記案内面から突出しないように構成した、歯車の自
    動噛合わせ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の歯車の自
    動噛合わせ装置であって、前記第二の歯車を加工を受け
    る歯車素材とした、歯車加工装置における歯車の自動噛
    合わせ装置。
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