JP2002076349A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2002076349A
JP2002076349A JP2000257887A JP2000257887A JP2002076349A JP 2002076349 A JP2002076349 A JP 2002076349A JP 2000257887 A JP2000257887 A JP 2000257887A JP 2000257887 A JP2000257887 A JP 2000257887A JP 2002076349 A JP2002076349 A JP 2002076349A
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Satoshi Takenaka
敏 竹中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非晶質の半導体膜を多結晶化させた半導体膜
からTFTを形成した場合でも、オン電流特性をさらに
向上させることができ、かつ、そのばらつきを圧縮する
ことのできる半導体装置の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ガラス製等の基板50上に低温プロセス
で非晶質シリコン膜からなる半導体膜を形成した後、レ
ーザアニールを施して半導体膜を多結晶化させる(結晶
化工程)。次に、基板20を熱処理装置600において
温度が400℃〜600℃の高温雰囲気中での熱処理を
行う(熱処理工程)。この際に、処理室610の内部を
真空引きして処理室610内の汚れた大気を排出した
後、清浄なガスを導入してから熱処理を行う。このた
め、半導体膜の表面を清浄に保つことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質の半導体膜
に対してレーザアニールなどの結晶化処理を施して得た
多結晶性の半導体膜を能動層として用いた薄膜トランジ
スタ(以下、TFTという。)を備える半導体装置の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TFTを備える各種の半導体装置のう
ち、TFTを液晶表示装置のアクティブ素子等として用
いた装置を製造するにあたっては、石英基板に代えて、
安価なガラス基板を使用できるように低温プロセスが採
用されつつある。低温プロセスとは、一般に、工程の最
高温度(基板全体が同時に上がる最高温度)が約600
℃程度未満(好ましくは500℃未満)であるのに対し
て、高温プロセスとは工程の最高温度(基板全体が同時
に上がる最高温度)が800℃程度以上になるものであ
り、シリコンの熱酸化等といった700℃〜1200℃
の高温の工程を行うものである。
【0003】但し、低温プロセスでは、基板の上に多結
晶性の半導体膜を直接、形成する方法もあるが、結晶粒
径が小さく、欠陥が多い膜になることが多い。従って、
低温プロセスで結晶性の良好な多結晶半導体膜を得るに
は、プラズマCVD法あるいは低圧CVD法を用いて非
晶質の半導体膜を形成した後、この半導体膜を結晶化す
る必要がある。この結晶化の方法としては、たとえばS
PC法(SolidPhase Crystalliz
ation)やRTA法(Rapid Thermal
Annealing)などといった手法があるが、X
eCIを用いたエキシマレーザービームを照射すること
によるレーザアニール(ELA:Excimer La
ser Annealing)によればガラス基板温度
の上昇が抑えられ、かつ、大粒径の多結晶Siが得られ
るため、最近では主流になりつつある。
【0004】このレーザアニール法を用いた半導体装置
の製造方法では、まず、図13(A)に示すように、ガ
ラス製等の基板50を準備した後、図13(B)に示す
ように、基板50の全面にシリコン酸化膜からなる下地
保護膜51をプラズマCVD法により形成する。次に、
基板温度が約150℃から約450℃の温度条件下で基
板30の全面に非晶質シリコン(非晶質)の半導体膜1
00をプラズマCVD法などの方法により形成する。次
に、図13(C)に示すように、半導体膜100に対し
てレーザ光を照射してレーザアニール(結晶化工程)を
施す。このレーザアニール工程では、たとえば、図4に
示すように、レーザ光の照射領域LがX方向に長いライ
ンビームL0を半導体膜100に照射し、その照射領域
LをY方向にずらしていく。その結果、非晶質の半導体
膜100は一度溶融し、冷却固化過程を経て多結晶化す
る。この際には、各領域へのレーザ光の照射時間が非常
に短時間であり、かつ、照射領域Lが基板全体に対して
局所的であるため、基板50全体が同時に高温に熱せら
れることがない。
【0005】次に、図13(D)に示すように、多結晶
化した半導体膜100をフォトリソグラフィ技術を用い
て島状にパターニングした後、その表面にゲート絶縁膜
12、22、32、およびゲート電極14、24、34
を順次形成するなど、周知のTFT製造工程を行う。こ
こで、図13(D)に示す3つの島状の半導体膜100
は、それぞれ液晶表示装置のアクティブマトリクス基板
上に形成される駆動回路用のP型のTFT、駆動回路用
のN型のTFT、および画素スイッチング用のN型のT
FTを形成するための半導体膜である。
【0006】このようにしてTFTを製造すれば、低温
プロセスでありながら、多結晶性の半導体膜100から
TFTを製造できるので、オン電流が大きいTFTを製
造できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、レーザア
ニールによって非晶質から多結晶化させた半導体膜10
0を用いたTFTは、比較的大きなオン電流が得られる
傾向にはあるものの、TFTに対しては、さらなるオン
電流特性の向上が一層望まれている。しかしながら、従
来の製造方法ではこのような要求に対応できないという
問題点がある。また、レーザアニールによって非晶質か
ら多結晶化させた半導体膜100を用いたTFTは、T
FT毎にオン電流の値がばらつきが大きいという問題点
もある。
【0008】ここに、本願発明者は、レーザアニールに
よって結晶粒を成長させた後、例えば、図14(A)、
(B)に示すような熱処理装置500によって半導体膜
に対して熱処理を行なうことにより、結晶粒界の欠陥や
シリコン膜に残る歪みを除去し、ゲート絶縁膜との界面
準位を低減することによりTFTの電気特性の向上を図
ることを提案するものである。
【0009】但し、図14(A)、(B)に示すような
熱処理装置700において、例えば、基板ホルダ750
に多段積みされた複数枚の基板50を窒素ガス雰囲気中
で熱処理を行なおうとしても、図14(A)に示すよう
に、熱処理を終えた基板50を熱処理装置700の処理
室710から取り出して新たなに基板50に交換する際
に処理室710内に大気が侵入し、処理室710内に侵
入した大気は、その後、図14(B)に示すように、処
理室710内に窒素ガスなどを導入しながら排気管73
0から処理室710内の大気を排出しても、処理室71
0内の大気を完全に除去することはできない。その結
果、処理室710内での大気の残り具合、すなわち、炭
素、酸素、水分、ごみ、その他の汚染物質などの混入度
合いによって、熱処理後の半導体膜100の表面状態が
ばらついて、TFTの特性が低下したり、ばらつくとい
う問題点が発生する。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
非晶質の半導体膜を多結晶化させた半導体膜からTFT
を形成した場合でも、オン電流特性をさらに向上させる
ことができ、かつ、そのばらつきを圧縮することのでき
る半導体装置の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る半導体装置の製造方法では、基板上に
非晶質の半導体膜を形成する半導体膜形成工程と、該半
導体膜形成工程により形成した非晶質の半導体膜を多結
晶化させる結晶化工程と、該結晶化工程を行った後の前
記半導体膜に対して高温雰囲気中で熱処理を施す熱処理
工程と、該熱処理工程を行った前記半導体膜を用いて薄
膜トランジスタを形成するトランジスタ形成工程とを有
し、前記熱処理工程では、前記基板を熱処理するための
処理室内を真空引きした後、該処理室内に所定のガスを
導入し、しかる後に当該処理室内で熱処理を行なうこと
を特徴とする。
【0012】本発明では、レーザアニールなどの結晶化
工程によって結晶粒を成長させた後、半導体膜全体を一
括して熱処理するので、半導体膜中のダングリングボン
ドを除去することができるなど、結晶粒界の欠陥やシリ
コン膜に残る歪みを除去することができる。すなわち、
本願発明者は、レーザアニール工程において、レーザ光
の照射領域をずらしていくと、半導体膜の全面にレーザ
光が照射されるものの、レーザ光の照射領域の端部分に
はダングリングボンドが発生しやすいという新たな知見
も得たが、本発明によれば、熱処理工程によって、この
ようなダングリングボンドを除去することができるとい
う知見を得た。このような傾向は、レーザアニールに限
らず、電子ビームアニールおよびランプアニールなど、
半導体膜を部分的にアニールし、かつ、そのアニール領
域をずらしていくアニール方法(結晶化処理)でも同様
である。従って、本発明によれば、オン電流特性などが
良好なTFTを備えた半導体装置を製造することができ
る。また、本発明では、熱処理工程において、処理室温
度を例えば400℃以下、好ましくは300℃以下の低
温に保持したまま、基板を処理室内に設置し、そして、
基板を熱処理するための処理室内を真空引きした後、処
理室内に所定のガスを導入して、昇温を開始し、しかる
後に処理室内で熱処理を行なうため、汚れた大気が存在
しない清浄な雰囲気下で熱処理を行なうことができる。
それ故、半導体膜表面の汚染や膜質の悪い酸化膜の生成
を防止できるので、半導体膜の能動層とゲート絶縁膜と
の界面に余計な準位が発生するのを防止できる。それ
故、TFTの電気特性が向上するとともに、電気特性の
劣化やばらつきを抑えることができる。
【0013】本発明において、前記熱処理工程では、前
記処理室内が少なくとも1.33×102Pa(パスカ
ル)以下の真空度到達するまで真空引きを行なうことが
好ましい。このようなレベルにまで真空引きすれば、処
理室内に汚れた大気が多少、残っていたとしても、半導
体膜の表面をほぼ清浄に保ったまま熱処理工程を行なう
ことができるので、TFTの電気特性や信頼性のばらつ
きを抑えることができる。
【0014】本発明においては、前記処理室内が少なく
とも1.33Pa以下の真空度に到達するまで真空引き
を行なうことが好ましい。このようなレベルにまで真空
引きすれば、処理室内に汚れた大気がほとんど残ってい
ないものと見做すことができるので、半導体膜の表面を
清浄に保ったまま熱処理工程を行なうことができる。そ
れ故、TFTの電気特性や信頼性がばらつくのを防止す
ることができる。
【0015】本発明において、前記処理室内が少なくと
も1.33×10-1Pa以下の真空度に到達するまで真
空引きを行なうことがより一層、好ましい。このような
レベルにまで真空引きすれば、処理室内に汚れた大気が
残っていない状態を確実に実現できるので、半導体膜の
表面を清浄に保ったまま熱処理工程を行なうことができ
る。それ故、TFTの電気特性や信頼性がばらつくのを
確実に防止することができる。
【0016】本発明において、前記熱処理工程では、前
記処理室内を真空引きした後、当該処理室内に、例え
ば、非酸化性ガスを導入し、しかる後に当該処理室内で
熱処理を行なう。このような非酸化性ガスであれば、半
導体膜の表面に余計な酸化膜が形成されない。
【0017】本発明において、前記熱処理工程では、前
記処理室内を真空引きした後、当該処理室内に、例え
ば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、水素ガ
ス、弗素ガス、酸素ガス、あるいはこれらのガスの混合
ガスを導入し、しかる後に当該処理室内で熱処理を行な
ってもよい。このようなガスのうち、不活性ガスなどで
あれば、半導体膜の表面が反応しない。また、酸素ガ
ス、あるいは酸素ガスを含むガスであっても、清浄なガ
スであれば、半導体膜の表面には清浄な酸化膜が一定の
膜厚で形成されるので、TFTを形成しても電気特性に
ばらつきを発生させない。
【0018】本発明において、前記熱処理工程では、前
記処理室内を真空引きしたときに真空度が1.33Pa
以下に達するまでの基板温度を300℃以下に保持し、
その後、当該処理室内に所定のガスを導入して熱処理を
行なうことが好ましい。
【0019】本発明において、前記熱処理工程は、熱処
理温度を600℃以下に設定して行うことが好ましい。
例えば、前記熱処理工程において熱処理温度を400℃
以上かつ500℃未満に設定した場合には、処理時間を
3時間以上とすることが好ましい。さらに、前記熱処理
工程において熱処理温度を500℃以上かつ600℃未
満に設定した場合には、処理時間を1時間以上かつ3時
間未満とすることが好ましい。
【0020】さらにまた、前記熱処理工程において熱処
理温度を600℃以上に設定した場合には、処理時間を
1時間未満とすることが好ましい。
【0021】本発明において、前記熱処理工程の後、前
記トランジスタ形成工程を行なう前に、前記半導体膜に
水素プラズマを照射するプラズマ照射工程を行なうこと
が好ましい。このように、熱処理工程で半導体膜中の欠
陥や歪みを除去した後、水素プラズマを照射すれば、短
時間の水素プラズマ処理で半導体膜中のダングリングボ
ンドを完全に除去することができる。また、熱処理工程
を行っても、半導体膜の表面が清浄であるので、水素プ
ラズマ処理を効果的に行うことができる。
【0022】この場合、前記熱処理工程を行なった以
降、前記プラズマ照射工程を行なうまで前記半導体膜が
大気に触れない状態下に前記基板を保持することが好ま
しい。このように構成すると、半導体膜の表面が大気に
よって汚染されることがなく、また、半導体膜の表面に
余計な酸化膜が形成されないので、ゲート絶縁膜との界
面に余計な準位が発生しない。
【0023】このような条件は、前記熱処理工程および
前記プラズマ照射工程を同一の処理室内で行ない、前記
熱処理工程を行なった以降、前記プラズマ処理工程を終
了するまで当該処理室内に大気を導入しないことによ
り、容易に実現できる。
【0024】本発明において、前記半導体膜形成工程を
行なった以降、前記トランジスタ形成工程で前記半導体
膜表面にゲート絶縁膜を形成するまで、前記半導体膜が
大気に触れない状態下に前記基板を保持することが好ま
しい。このように構成すると、半導体膜が大気によって
汚染されることがなく、また、半導体膜の表面に余計な
酸化膜が形成されないので、ゲート絶縁膜との界面に余
計な準位が発生しない。
【0025】このような条件は、前記半導体膜形成工程
から前記熱処理工程までを同一の処理室内で行ない、前
記半導体膜形成工程を行なった以降、前記熱処理工程を
終了するまで当該処理室内に大気を導入しなければ、容
易に実現できる。
【0026】本発明において、前記トランジスタ形成工
程では、前記半導体膜表面にゲート絶縁膜を形成した
後、当該ゲート絶縁膜と前記半導体膜とをパターニング
することが好ましい。このように構成すると、半導体膜
表面に直接、レジストマスクを形成しないので、半導体
膜の表面がレジストで汚染されるのを防止することがで
きる。それ故、ゲート絶縁膜との界面に余計な準位が発
生しない。
【0027】本発明において、前記結晶化工程は、たと
えば、前記半導体膜に対するレーザアニール、電子ビー
ムアニール、およびランプアニールである。
【0028】このような熱処理条件は、前記熱処理工程
を行った前記半導体膜を用いて同一基板上にN型のTF
TおよびP型のTFTを形成する場合に効果的である。
すなわち、結晶化工程後に行う熱処理工程の条件がTF
Tの特性に及ぼす影響は、N型のTFTを形成する場合
と、P型のTFTを形成する場合との間で相違するた
め、双方のTFTにおいて特性向上を図ることのできる
熱処理条件で行うことが好ましい。たとえば、熱処理温
度を600℃以上とした場合には、P型のTFTでは、
処理時間を17時間位に設定しても、オン電流特性が向
上するのに対して、N型のTFTでは、処理時間を17
時間位に設定すると、処理時間が1時間の場合に比較し
て、オン電流特性が低下するからである。
【0029】
【発明の実施の形態】図面を参照して、本発明の実施の
形態として、本発明を液晶表示装置のアクテティブマト
リクス基板(半導体装置)上に駆動回路用のP型のTF
T、駆動回路用のN型のTFT、および画素スイッチン
グ用のN型のTFTを形成する例を説明する。
【0030】[実施の形態1] (アクティブマトリクス基板の全体構成)図1(A)、
(B)は、液晶表示装置のアクティブマトリクス基板の
構成を模式的に示すブロック図、およびその駆動回路を
構成するCOMS回路の等価回路図である。図2は、図
1に示すアクティブマトリクス基板上に形成した3種類
のTFTの断面図である。
【0031】図1(A)に示すように、液晶表示装置用
のアクティブマトリクス基板200において、ガラス製
などの透明な基板のうち、略中央領域に相当する画面表
示領域81では、アルミニウム、タンタル、モリブデ
ン、チタン、タングステンなどの金属膜、シリサイド
膜、導電性半導体膜などで形成されたデータ線90およ
び走査線91によって画素が区画形成され、各画素に
は、画素スイッチング用のTFT30を介して画像信号
が入力される液晶容量94(液晶セル)が形成されてい
る。データ線90に対しては、シフトレジスタ84、レ
ベルシフタ85、ビデオライン87、アナログスイッチ
86を備えるデータ側駆動回路60が構成されている。
走査線91に対しては、シフトレジスタ88およびレベ
ルシフタ89を備える走査側駆動回路70が構成されて
いる。なお、各画素には、走査線91と並行に延びる容
量線92との間に保持容量40が形成され、この保持容
量40は、液晶容量94での電荷の保持特性を高める機
能を有している。この保持容量40は、前段の走査線9
1との間に形成されることもある。
【0032】データ側および走査側の駆動回路60、7
0では、図1(B)に示すように、N型のTFT10と
P型のTFT20とによってCMOS回路が構成されて
いる。このようなCMOS回路は、駆動回路60、70
において1段あるいは2段以上でインバータ回路などを
構成する。
【0033】(アクティブマトリクス基板200上のT
FT)従って、図2に示すように、アクティブマトリク
ス基板200では、ガラス製の透明な基板50の表面側
には、駆動回路用のN型のTFT10、駆動回路用のP
型のTFT20、および画素スイッチング用のN型のT
FT30からなる3種類のTFTが形成されている。
【0034】このアクティブマトリクス基板200にお
いて、基板50の表面側にはシリコン酸化膜からなる下
地保護膜51が形成され、この下地保護膜51の表面に
は、島状にパターニングされた多結晶性の半導体膜10
0が形成されている。これらの半導体膜100は、それ
ぞれ、駆動回路用のN型のTFT10、駆動回路用のP
型のTFT20、および画素スイッチング用のN型のT
FT30を形成するためのもので、各半導体膜100の
表面側にはゲート絶縁膜12、22、32が形成されて
いる。これらのゲート絶縁膜12、22、32の表面に
はゲート電極14、24、34がそれぞれ形成され、こ
れらのゲート電極のうち、画素スイッチング用のN型の
TFT30のゲート電極34は走査線91(図1参照)
の一部である。また、各半導体膜100には、ゲート電
極14、24、34に対してゲート絶縁膜12、22、
32を介して対峙する領域にチャネル領域15、25、
35が形成されている。これらチャネル領域15、2
5、35の両側には、ゲート電極14、24、34に対
してゲート絶縁膜12、22、32を介して対峙する低
濃度ソース・ドレイン領域17、27、37がそれぞれ
形成されている。また、低濃度ソース・ドレイン領域1
7、27、37の両側には、高濃度ソース・ドレイン領
域16、26、36がそれぞれ形成され、これらの高濃
度ソース・ドレイン領域16、26、36には層間絶縁
膜52のコンタクトホールを介してソース電極41、4
3、ドレイン電極42、データ線90(図1参照)の一
部であるソース電極44、および画素電極45がそれぞ
れ電気的に接続している。
【0035】(半導体装置の製造方法)このような構成
のアクティブマトリクス基板200(半導体装置)の製
造方法を、図3、図4、図5、図6を参照して説明す
る。
【0036】図3および図6はいずれも、本形態のアク
ティブマトリクス基板200の製造方法を示す工程断面
図である。図4は、アクティブマトリクス基板200を
製造する際に用いるレーザアニール装置、およびこの装
置を用いて行うレーザアニール方法の説明図である。図
5は、アクティブマトリクス基板を製造する際、熱処理
工程で用いる熱処理装置の説明図であり、図5(A)
は、熱処理工程を開始する直前の様子を示す説明図であ
り、図5(B)、熱処理工程を行なっている様子を示す
説明図である。
【0037】まず、図3(A)において、超音波洗浄等
により清浄化したガラス製等の基板50を準備した後、
基板温度が約150℃から約450℃の温度条件下で、
図3(B)に示すように、基板50の全面に厚さが20
0nm〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護
膜51をプラズマCVD法により形成する。このときの
原料ガスとしては、たとえばモノシランと笑気ガスとの
混合ガスやTEOS(テトラエトキシシラン)と酸素、
あるいはジシランとアンモニアを用いることができる。
【0038】次に、ガラス製の基板50を熱変形させる
ことなく、基板50上に多結晶性の半導体膜を形成する
必要がある。このような制約下で多結晶の半導体膜を形
成するには、図3(B)に示すように、基板温度が約1
50℃から約450℃の温度条件下で基板50の全面に
厚さが30nm〜70nmの非晶質シリコン膜からなる
半導体膜100をプラズマCVD法により形成する。こ
のときの原料ガスとしては、たとえばジシランやモノシ
ランを用いることができる(半導体膜形成工程)。な
お、低温条件下で基板50上に非晶質の半導体膜100
を形成する方法としては、プラズマCVD法に代えて、
減圧CVD法、EB蒸着法、スパッタ法などを用いても
よい。
【0039】次に、図3(C)に示すように、半導体膜
100に対してレーザ光を照射してレーザアニールを施
す(結晶化工程)。
【0040】この結晶化工程では、例えば、図4に示す
ように、レーザアニール装置300において、レーザ光
源320から出射したレーザ光(エキシマレーザ)を光
学系325を介して、ステージ310上に載置された基
板50に向けて照射する。この際には、照射領域LがX
方向に長いラインビームL0(たとえば、レーザパルス
の繰り返し周波数が200Hzのラインビーム)を半導
体膜100に照射し、その照射領域LをY方向にずらし
ていく。ここで、ラインビームL0のビーム長が400
mmであり、その出力強度はたとえば200mJ/cm
2 である。また、レーザ光の照射領域LをY方向にずら
していく際には、その幅方向におけるレーザ強度のピー
ク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるように
ラインビームを走査していく。その結果、非晶質の半導
体膜100は一度溶融し、冷却固化過程を経て多結晶化
する。この際には、各領域へのレーザ光の照射時間が非
常に短時間であり、かつ、照射領域Lが基板全体に対し
て局所的であるため、基板50全体が同時に高温に熱せ
られることがない。それ故、基板50として用いたガラ
ス基板は、石英基板と比較して耐熱性の面で劣るが、熱
による変形や割れ等が生じない。
【0041】次に、図3(D)に示すように、半導体膜
100に対する結晶化工程を終えた基板20を、図5
(A)、(B)を参照して後述する熱処理装置600に
入れて、半導体膜100に対して温度が400℃〜60
0℃の高温雰囲気中での熱処理を行う(熱処理工程)。
【0042】ここで行う熱処理は、半導体膜100の結
晶化を高めるためというより、むしろ半導体膜100に
残るダングリングボンドを除去することを主な目的とす
る。すなわち、非晶質の半導体膜100をレーザアニー
ルで多結晶化させた後には、結晶粒界にダングリングボ
ンドが多数、存在し、このダングリングボンドに起因す
るトラップ準位がTFTのオン電流特性の向上を妨げ、
かつ、そのばらつきの要因となる。また、図4を参照し
て説明した結晶化工程においては、レーザ光の照射領域
LをY方向にずらしていくので、半導体膜100の全面
にレーザ光が照射されるものの、レーザ光の照射領域L
の端部分にはダングリングボンドが発生しやすい。そこ
で、本形態では、レーザアニール後に半導体膜100全
体を一括して熱処理し、ダングリングボンドを除去す
る。
【0043】図5(A)、(B)において、本形態で用
いた熱処理装置600は、概ね、電気炉605、内部が
処理室610とされるリアクタ615、このリアクタ6
15の下端開口616から内側(処理室610内)に多
数の基板50を一括して出し入れするための基板ホルダ
650とから構成されている。
【0044】基板ホルダ650の基台660上面には、
Oリング670が配置されており、図5(A)に示す状
態から図5(B)に示すように基板ホルダ650を上昇
させてリアクタ615内に挿入した状態においてリアク
タ615の下端部617と基台660の上面とはOリン
グ670によって気密状態となる。
【0045】リアクタ615の下端部近くには、1系統
あるいは複数系統のガス供給管620と、排気管630
とが接続され、これらの管はいずれもリアクタ615の
内部に連通している。排気管630は、途中で2本に分
岐しており、一方の排気管634の途中位置にはベント
バルブ635が介挿され、他方の排気管637の途中位
置には、高真空引き用のメインバルブ638と、真空ポ
ンプ639とが介挿されている。また、排気管637に
対しては、メインバルブ638に対して並列に粗引き用
のバイパス管631が配置され、この粗引き用のバイパ
ス管631にはバイパスバルブ632が介挿されてい
る。本形態において、真空ポンプ639は、ドライポン
プとメカニカルブースターポンプとを組み合わせて用い
られている。
【0046】このように構成した熱処理装置600で
は、以下に説明する手順に従って、基板50表面の半導
体膜100に対する熱処理工程が行われる。
【0047】まず、図5(A)に示すように、熱処理工
程を開始する直前には、リアクタ615の下方位置まで
基板ホルダ650が降下しており、この状態では、リア
クタ615の下端開口616が解放状態にある。このた
め、リアクタ615の内側(処理室610)には、汚れ
た大気が侵入した状態にある。この時点では、ガス供給
管620からはガスは供給されておらず、かつ、ベント
バルブ635、バイパスバルブ632および真空引きメ
インバルブ638は、いずれも閉状態にある。また、電
気炉605に対する給電は、低く抑えられているか、あ
るいは、停止した状態にあり、処理室610の温度は、
400℃以下、好ましくは300℃以下に保持されてい
る。
【0048】この状態から熱処理工程を開始するときに
は、基板ホルダ650を上昇させて、図5(B)に示す
ように、基板ホルダ650をリアクタ615内に挿入し
た状態とする。
【0049】次に、バイパスバルブ632を開状態にす
るとともに、真空ポンプ639を作動させ、リクアタ6
15の内部(処理室610)をある程度の真空度にまで
真空引きする。この真空引きを行うときには、ガス供給
管620からはガスが供給されておらず、かつ、ベント
バルブ635および真空引きメインバルブ638は、閉
状態にある。
【0050】このようにして粗引きを行った後、真空引
きメインバルブ638を開状態にする一方、バイパスバ
ルブ632を閉状態にする。このとき、真空ポンプ63
9は作動させたままであり、これにより、リクアタ61
5の内部(処理室610)を所定の真空度にまで真空引
きする。この真空引きを行うときも、ガス供給管620
からはガスが供給されておらず、かつ、ベントバルブ6
35は閉状態にある。
【0051】このようにして、リクアタ615の内部を
真空引きして、処理室610内から汚れた大気を排出す
る。このような真空引きは、例えば、処理室610内が
少なくとも1.33×102Pa(パスカル)以下の真
空度到達するまで行なう。
【0052】次に、真空引きメインバルブ638を閉状
態にするとともに、真空ポンプ639を停止させる。
【0053】次に、ガス供給管620から窒素ガスを処
理室610内に供給し、所定のタイミングでベントバル
ブ635を開状態にする。その結果、処理室610内で
は、窒素ガスが流れる状態になって、処理室610内は
窒素ガス雰囲気となる。
【0054】次に、電気炉605に対する給電を開始
し、処理室610内を所定の温度にまで加熱して、基板
50の表面に形成されている半導体膜100に熱処理を
施す。
【0055】従って、本形態では、処理室610内を真
空引きしたときに真空度が1.33Pa以下に達するま
で、基板温度が400℃以下、好ましくは、300℃以
下に保持され、その後、処理室610内に所定のガスを
導入し、しかる後に基板温度を高めて熱処理を行なうこ
とになる。
【0056】しかる後には、電気炉605に対する給電
を停止し、処理室610内の温度が所定の温度以下にな
った時点で、図5(A)に示すように、基板ホルダ65
0を処理室610内が取り出す。
【0057】このようにして、本形態では、基板50表
面の半導体膜100に対して窒素ガス雰囲気中で熱処理
を施す。ここで行う熱処理条件は、熱処理温度を600
℃以下に設定して行う。例えば、熱処理工程において熱
処理温度を400℃以上かつ500℃未満に設定した場
合には、処理時間を3時間以上とする。また、熱処理工
程において熱処理温度を500℃以上かつ600℃未満
に設定した場合には、処理時間を1時間以上かつ3時間
未満とする。さらに、熱処理工程では、熱処理温度を6
00℃以上に設定した場合には、処理時間を1時間未満
とする。
【0058】このようにして半導体膜100を改質した
後、この半導体膜100を用いてTFTを形成していく
(トランジスタ形成工程)。
【0059】それにはまず、図6(A)に示すように、
多結晶の半導体膜100を島状にパターニングした後、
その表面側に対して、TEOS(テトラエトキシシラ
ン)や酸素ガスなどを原料ガスとしてプラズマCVD法
により厚さが60nm〜150nmのシリコン酸化膜か
らなるゲート絶縁膜12、22、32を形成する(ゲー
ト絶縁膜形成工程)。
【0060】次に、アルミニウム、タンタル、モリブデ
ン、チタン、タングステンなどを含む導電膜をスパッタ
法により形成した後、導電膜をパターニングし、各TF
Tのゲート電極14、24、34を形成する(ゲート電
極形成工程)。
【0061】次に、図6(B)に示すように、駆動回路
用のN型のTFT10および画素スイッチング用のN型
の画素用TFT30の各形成領域をレジストマスク18
1で覆う。この状態で、約1013cm-2のドーズ量でボ
ロンイオンを打ち込むと、半導体膜100にはゲート電
極24に対して自己整合的に不純物濃度が約1018cm
-3の低濃度P型領域23が形成される。なお、不純物が
導入されなかった部分がチャネル領域25となる。
【0062】この低濃度の不純物打ち込みの工程を行わ
なければ、P型の駆動回路用TFT20はLDD構造で
はなく、オフセットゲート構造となる。
【0063】次に、図6(C)に示すように、駆動回路
用のP型のTFT20の形成領域をレジストマスク18
2で覆う。この状態で、約1013cm-2のドーズ量でリ
ンイオンを打ち込むと、半導体膜100にはゲート電極
14、34に対して自己整合的に不純物濃度が約1018
cm-3の低濃度N型領域13、33が形成される。な
お、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域1
5、35となる。
【0064】この低濃度の不純物打ち込みの工程を行わ
なければ、N型の駆動回路用TFT10、およびN型の
画素用TFT30はLDD構造ではなく、オフセットゲ
ート構造となる。
【0065】次に、図6(D)に示すように、駆動回路
用のN型のTFT10および画素スイッチング用のN型
の画素用TFT30の形成領域に加えて、ゲート電極2
4をも広めに覆うレジストマスク183を形成する。こ
の状態で、低濃度P型領域23に約1015cm-2のドー
ズ量でボロンイオンを打ち込んで、不純物濃度が約10
20cm-3の高濃度ソース・ドレイン領域26を形成す
る。低濃度P型領域23のうちレジストマスク183で
覆われていた部分は、そのまま低濃度ソース・ドレイン
領域27として残る。このようにして駆動回路用のP型
のTFT20を形成する。
【0066】次に、図6(E)に示すように、駆動回路
用のP型のTFT20の形成領域に加えて、ゲート電極
14、34をも広めに覆うレジストマスク184を形成
する。この状態で、低濃度N型領域13、23に約10
15cm-2のドーズ量でリンイオンを打ち込んで、不純物
濃度が約1020cm-3の高濃度ソース・ドレイン領域1
6、36を形成する。低濃度N型領域13、23のう
ち、レジストマスク184で覆われていた部分は、その
まま不純物濃度が約1018cm-3の低濃度ソース・ドレ
イン領域17、37として残る。このようにして、駆動
回路用のN型のTFT10および画素スイッチング用の
N型の画素用TFT30を形成する。
【0067】以降、図2に示すように、層間絶縁膜52
を形成した後、活性化のためのアニールを行い、しかる
後にコンタクトホールを形成した後、ソース41、4
3、ドレイン電極42、および画素電極45を形成すれ
ば、アクティブマトリクス基板200を製造できる。
【0068】なお、低濃度の不純物導入を行わずに、ゲ
ート電極14、24、34をマスクにして高濃度の不純
物を打ち込んで、ゲート電極14、24、34にセルフ
アライン的にソース領域およびドレイン領域を形成して
もよい。
【0069】(熱処理条件とTFTの特性との関係)こ
のようにして製造したアクティブマトリクス基板200
では、熱処理工程において半導体膜100全体を加熱す
ることにより、半導体膜100中のダングリングボンド
を効率よく除去する。従って、駆動回路用の各TFT1
0、20においてオン電流特性が向上する。それ故、駆
動回路において、動作速度を向上することができるなど
の利点がある。
【0070】ここで、熱処理条件とTFTの特性との関
係について、図7および図8を参照して説明する。図7
は、N型のTFTにおいて、熱処理温度を400℃、5
00℃、600℃にしたときの熱処理時間とTFTのオ
ン電流との関係を示すグラフであり、それぞれの関係を
実線L11、一点鎖線L12および点線L13で示す。
また、図8は、P型のTFTにおいて、熱処理温度を4
00℃、500℃、600℃にしたときの熱処理時間と
TFTのオン電流との関係を示すグラフであり、それぞ
れの関係を実線L21、一点鎖線L22および点線L2
3で示す。
【0071】まず、図7からわかるように、N型のTF
Tにおいて、熱処理温度を400℃にしたときに、処理
時間が3時間ではTFTのオン電流が従来のレベルとあ
まり相違ないが、処理時間を延ばす程、TFTのオン電
流が向上し、処理時間を3時間以上に設定すれば、目標
とするオン電流レベルを得ることができる。また、熱処
理温度が500℃にしたときには、処理時間を延ばす
程、TFTのオン電流が向上するが、処理時間が1時間
でも目標とするオン電流レベルを得ることができる。さ
らに、熱処理温度が600℃にしたときには、処理時間
が1時間では目標とするオン電流レベルを得ることがで
きるが、処理時間を延ばすとオン電流レベルが低下する
傾向にある。
【0072】また、これらの条件で熱処理工程を行った
半導体膜について電子スピン共鳴を利用してダングリン
グボンド密度を測定したところ、熱処理効果が十分でな
いと見做された半導体膜(400℃で1時間の熱処理)
のダングリングボンド密度は1.3×1018cm-3であ
ったのに対して、十分な熱処理効果が得られた半導体膜
(600℃で1時間の熱処理)のダングリングボンド密
度は7.8×1017cm-3であり、適正な熱処理を行え
ば、ダングリングボンド密度をかなり低下させることが
できる。
【0073】これに対して、図8からわかるように、P
型のTFTにおいても、熱処理温度を400℃にしたと
きに、処理時間が3時間ではTFTのオン電流が従来の
レベルとあまり相違ないが、処理時間を延ばす程、TF
Tのオン電流が向上し、処理時間を3時間以上に設定す
れば、目標とするオン電流レベルを得ることができる。
また、熱処理温度が500℃にしたときには、処理時間
を延ばす程、TFTのオン電流が向上するが、処理時間
が1時間でも目標とするオン電流レベルを得ることがで
きる。さらに、N型のTFTと違って、P型のTFTで
は、熱処理温度が600℃にしたときでも、処理時間を
延ばす程、TFTのオン電流が向上する傾向にあり、処
理時間が1時間でも目標とするオン電流レベルを得るこ
とができる。
【0074】このように、結晶化工程後に行う熱処理工
程の条件がTFTの特性に及ぼす影響は、熱処理温度を
600℃以上とした場合には、N型のTFTを形成する
場合と、P型のTFTを形成する場合との間で相違す
る。すなわち、熱処理温度を600℃以上とした場合に
は、P型のTFTでは、処理時間を17時間位に設定し
ても、オン電流特性が向上するのに対して、N型のTF
Tでは、処理時間を17時間位に設定すると、処理時間
が1時間の場合に比較して、オン電流が特性が低下する
傾向にある。このため、双方のTFTにおいて特性向上
を図ることのできる熱処理条件で行うという観点からす
れば、熱処理工程において、熱処理温度を400℃以上
かつ500℃未満に設定した場合には、処理時間を3時
間以上とする。また、熱処理工程において、熱処理温度
を500℃以上かつ600℃未満に設定した場合には、
処理時間を1時間以上かつ3時間未満とする。さらに、
熱処理工程において、熱処理温度を600℃以上に設定
した場合には、N型のTFTにおけるオン電流特性の低
下を避けるために処理時間を1時間未満とする。
【0075】また、本形態では、熱処理工程において、
処理室610の温度を400℃以下、好ましくは300
℃以下に保持したまま、基板50を処理室610内に設
置し、次に、基板50を熱処理するための処理室610
内を真空引きした後、処理室610内に、窒素ガスなど
といった所定のガスを導入し、そして昇温を開始し、し
かる後に処理室610内で熱処理を行なうため、汚れた
大気が存在しない清浄な雰囲気下で熱処理を行なうこと
ができる。それ故、半導体膜100の表面が大気で汚染
されることがなく、また、半導体膜100の表面に、膜
質の悪い酸化膜などが形成されることもない。それ故、
半導体膜100の能動層とゲート絶縁膜との界面に余計
な準位が発生するなどの不具合の発生を防止することが
できるので、TFTの電気特性の劣化、およびばらつき
の発生を防止することができる。
【0076】なお、熱処理を開始する前、処理室610
内を真空引きするときの条件として、上記形態では、処
理室610内を少なくとも1.33×102Pa(パス
カル)以下の真空度到達するまで真空引きを行えば、処
理室610内に汚れた大気が多少、残っていたとして
も、半導体膜100の表面をほぼ清浄に保ったまま熱処
理工程を行なうことができる。なお、処理室610内を
少なくとも1.33Pa以下の真空度に到達するまで真
空引きを行なうことが好ましい。このようなレベルにま
で真空引きすれば、処理室610内に汚れた大気がほと
んど残っていないものと見做すことができるので、半導
体膜100の表面を清浄に保ったまま熱処理工程を行な
うことができる。さらに、処理室610内が少なくとも
1.33×10-1Pa以下の真空度に到達するまで真空
引きを行なうことが好ましい。このようなレベルにまで
真空引きすれば、処理室610内に汚れた大気が残って
いない状態を確実に実現できる。
【0077】また、上記形態では、窒素ガス雰囲気中で
熱処理工程を行ったため、半導体膜100の表面が反応
しないが、処理室610内には、真空引きした後、窒素
ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、水素ガス、弗素ガ
ス、酸素ガス、あるいはこれらのガスの混合ガスを導入
し、しかる後に処理室610内で熱処理を行なってもよ
い。このようなガスのうち、非酸化性ガスや不活性ガス
などであれば、半導体膜100の表面で酸化反応などが
起こらない。また、酸素ガス、あるいは酸素ガスを含む
ガスなどであっても、清浄なガスであれば、半導体膜1
00の表面には清浄な酸化膜が一定の膜厚で形成される
など、半導体膜100の表面の変化が予め想定できるの
で、TFTの用途などに応じて、好適なガスを供給すれ
ばよい。
【0078】なお、上記形態では、結晶化工程としてラ
インビームを用いてレーザアニールを行い、このレーザ
アニールによって生成したダングリングボンドを熱処理
工程で除去する構成であったが、ラインビームに代えて
ドットビームを用いてレーザアニール(結晶化工程)を
行った場合にも、結晶粒界やドット状の照射領域の端部
にダングリングボンドが発生する。また、レーザアニー
ルに限らず、電子ビームアニールやランプアニールを結
晶化工程として行った場合にも、その照射領域をずらし
ていくので、結晶粒界やドット状の照射領域の端部にダ
ングリングボンドが発生する。従って、ドットビームを
用いたレーザアニール、電子ビームアニール、あるいは
ランプアニールを結晶化工程として行った場合にも、そ
の後に、半導体膜100に対して高温雰囲気中で熱処理
(熱処理工程)を行うと、半導体膜100に残るダング
リングボンドを除去することができる。
【0079】[実施の形態2]実施の形態1では、半導
体膜100に対する熱処理工程の後、すぐトランジスタ
形成工程を行ったが、図9および図10を参照して以下
に説明するように、本形態では、熱処理工程の後、トラ
ンジスタ形成工程を行う前に水素プラズマ照射工程を行
うことに特徴を有する。また、実施の形態1では、トラ
ンジスタ形成工程において、半導体膜100に対するパ
ターニングを行い、その後、半導体膜100の表面にゲ
ート絶縁膜12、22、32を形成したが、本形態で
は、半導体膜100を形成した後、ゲート絶縁膜を形成
し、しかる後に半導体膜100およびゲート絶縁膜をパ
ターニングすることに特徴を有する。なお、その他の構
成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分に
ついて、詳細な説明を省略する。
【0080】図9および図10はいずれも、本形態のア
クティブマトリクス基板200の製造方法を示す工程断
面図である。
【0081】本形態では、アクティブマトリクス基板2
00(半導体装置)を製造するにあたって、実施の形態
1と同様、図9(A)に示すように、ガラス製等の基板
50を準備した後、図9(B)に示すように、基板温度
が約150℃から約450℃の温度条件下で基板50の
全面に厚さが200nm〜500nmのシリコン酸化膜
からなる下地保護膜51をプラズマCVD法により形成
し、しかる後に、図9(C)に示すように、半導体膜1
00に対してレーザ光を照射してレーザアニールを施す
(結晶化工程)。
【0082】次に、図9(D)に示すように、半導体膜
100に対する結晶化工程を終えた基板20を、図5
(A)、(B)を参照して説明した熱処理装置600を
プラズマ処理装置に構造変更を施した装置を用いて、半
導体膜100に対して温度が400℃〜600℃の高温
雰囲気中で熱処理を行う(熱処理工程)。但し、本形態
でも、熱処理工程では、図5(A)、(B)を参照して
説明したように、リアクタ615の温度を400℃以
下、好ましくは、300℃以下に保持したまま、基板5
0をリアクタ615内に設置し、そして、リクアタ61
5の内部(処理室610)を真空引きして、処理室61
0内から汚れた大気を排出した後、窒素ガスなどの清浄
なガスを処理室610内に導入し、この窒素ガス雰囲気
中で熱処理工程を行う。
【0083】次に、本形態では、図9(E)に示すよう
に、基板50の表面に形成された半導体膜100に対し
て水素プラズマを照射する(水素プラズマ照射工程)。
【0084】本形態では、半導体膜100に対する熱処
理工程を終えた基板50を大気にさらすことなく、水素
プラズマ照射工程を行うことを目的に、図5(A)、
(B)を参照して説明した熱処理装置600に対して、
棒状の高周波電極あるいはコイル電極を備えるプラズマ
発生装置(図示せず)、あるいは平行平板型の容量結合
タイプのプラズマ発生装置を付加し、かつ、ガス供給管
620から水素ガスを処理室610に供給することによ
り、熱処理装置600をプラズマ処理装置として用い
る。すなわち、図5(A)、(B)に示す熱処理装置6
00において窒素ガス雰囲気中で熱処理を行った後、基
板50を処理室610内に配置したまま、処理室610
内から窒素ガスを排出し、しかる後に、ガス供給管62
0から処理室610内に水素ガス、あるいは水素ガスと
窒素ガスとの混合ガスを供給するとともに、真空ポンプ
639によって内圧を0.66×102Pa〜2.66
×102Paに保ち、かつ、温度を200℃〜400℃
の条件下でプラズマ発生装置によってプラズマを発生さ
せる。
【0085】このため、本形態では、半導体膜100
は、熱処理工程が施された後、大気にさらされることな
く、水素プラズマが照射されるので、熱処理が施された
半導体膜100は、表面が汚染されず、かつ、酸化膜な
どがない状態で水素プラズマが照射されることになる。
【0086】このように、熱処理工程で半導体膜100
中の欠陥や歪みを除去した後、水素プラズマを照射すれ
ば、水素プラズマ処理単独であれば2時間以上の処理時
間がかかっていたのを、かなり短い時間の水素プラズマ
処理で半導体膜100中のダングリングボンドを完全に
除去することができる。また、水素プラズマを照射する
前に熱処理工程を行っても、熱処理工程で半導体膜10
0の表面に汚染や膜質の悪い酸化膜が形成されないの
で、水素プラズマ処理を効果的に行うことができる。
【0087】このようにして半導体膜100を改質した
後、この半導体膜100を用いてTFTを形成していく
(トランジスタ形成工程)。
【0088】このトランジスタ形成工程において、本形
態では、まず、図10(A)に示すように、パターニン
グ前の多結晶の半導体膜100の表面側に対して、TE
OS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料ガ
スとしてプラズマCVD法により厚さが60nm〜15
0nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜102を
形成する(ゲート絶縁膜形成工程)。
【0089】次に、図10(B)に示すように、ゲート
絶縁膜102の表面にレジストマスク185を形成す
る。
【0090】次に、このレジストマスク185を介して
エッチングを行い、ゲート絶縁膜102および半導体膜
100を一括あるいは連続してパターニングする。その
結果、図10(C)に示すように、半導体膜100は、
島状にパターニングされるとともに、その表面にはゲー
ト絶縁膜12、22、32が残る。
【0091】以降、実施の形態1と同様な工程を行なっ
て、図10(D)に示すように、TFT10、20、3
0を形成する。なお、本形態に係る方法で製造したアク
ティブマトリクス基板200では、半導体膜100の側
面にゲート絶縁膜12、22、32がない他は、図2を
参照して説明したものと同様であるため、共通する部分
には同一の符号を付して図10(D)に示すことにし
て、それらの説明を省略する。
【0092】[その他の実施の形態]上記形態1、2で
は、図5(A)、(B)に示す熱処理装置600、ある
いはそれを改良してプラズマ処理装置として用いたが、
半導体膜形成工程から熱処理工程までの全ての工程、あ
るいは半導体膜形成工程からプラズマ照射工程までの全
ての工程をプラズマCVD装置の処理室に行ってもよ
い。この場合に、各工程が全て終了するまでプラズマC
VD装置の処理室に大気の導入を禁止すれば、半導体膜
形成工程を行なった以降、トランジスタ形成工程で半導
体膜100の表面にゲート絶縁膜を形成するまで、半導
体膜100が大気に触れない状態下に基板50を保持す
ることができる。このように構成すると、半導体膜10
0が大気によって汚染されることが一切なく、また、半
導体膜100の表面に余計な酸化膜が一切、形成されな
いので、半導体膜100とゲート絶縁膜12、22、3
2との界面に余計な準位が発生しない。
【0093】[液晶パネルの構成]このような方法で形
成されたアクティブマトリスク基板100を用いて液晶
表示用の液晶パネルを構成した例を、図11および図1
2を参照して説明する。
【0094】図11および図12はそれぞれ、本形態に
係る液晶表示装置に用いた液晶パネルを対向基板の側か
らみた平面図、および図11のH−H′線で切断したと
きの液晶パネルの断面図である。
【0095】図11および図12において、液晶表示装
置に用いる液晶パネル1は、画素電極45がマトリクス
状に形成されたアクティブマトリクス基板200と、対
向電極532および遮光膜531が形成された対向基板
400と、これらの基板間に封入、挟持されている液晶
539とから概略構成されている。アクティブマトリク
ス基板200と対向基板400とは、対向基板400の
外周縁に沿って形成されたギャップ材含有のシール材5
52によって所定の間隙を介して貼り合わされている。
また、アクティブマトリクス基板200と対向基板40
0との間には、シール材552によって液晶封入領域5
40が区画形成され、この液晶封入領域540内に液晶
539が封入されている。この液晶封入領域540内に
おいて、アクティブマトリクス基板200と対向基板4
00との間にはスペーサ537が介在している。シール
材552としては、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹
脂などを用いることができる。また、シール材552に
配合されるギャップ材としては、約2μm〜約10μm
の無機あるいは有機質のファイバ若しくは球などが用い
られる。
【0096】対向基板400はアクティブマトリクス基
板200よりも小さく、アクティブマトリクス基板20
0の周辺部分は、対向基板400の外周縁よりはみ出た
状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリクス
基板200の駆動回路(走査線駆動回路70やデータ線
駆動回路60)や入出力端子545は対向基板400か
ら露出した状態にある。ここで、シール材552は部分
的に途切れているので、この途切れ部分によって、液晶
注入口541が構成されている。このため、対向基板4
00とアクティブマトリクス基板200とを貼り合わせ
た後、シール材552の内側領域を減圧状態にすれば、
液晶注入口541から液晶539を減圧注入でき、液晶
539を封入した後、液晶注入口541を封止剤542
で塞げばよい。なお、対向基板400には、シール材5
52の内側において画面表示領域81を見切りするため
の遮光膜555も形成されている。また、対向基板40
0のコーナー部のいずれにも、アクティブマトリクス基
板30と対向基板400との間で電気的導通をとるため
の上下導通材556が形成されている。
【0097】ここで、走査線に供給される走査信号の遅
延が問題にならないのならば、走査線駆動回路70は片
側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線
駆動回路60を画面表示領域81の辺に沿って両側に配
列しても良い。例えば奇数列のデータ線は画面表示領域
81の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路か
ら画像信号を供給し、偶数列のデータ線は画面表示領域
81の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路
から画像信号を供給するようにしても良い。このように
データ線を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆
動回路60の形成面積を拡張することが出来るため、複
雑な回路を構成することが可能となる。また、アクティ
ブマトリクス基板200において、データ線駆動回路6
0と対向する辺の側では、遮光膜555の下などを利用
して、プリチャージ回路や検査回路が設けられることも
ある。なお、データ線駆動回路60および走査線駆動回
路70をアクティブマトリクス基板200の上に形成す
る代わりに、たとえば、駆動用LSIが実装されたTA
B(テープ オートメイテッド、ボンディング)基板を
アクティブマトリクス基板200の周辺部に形成された
端子群に対して異方性導電膜を介して電気的および機械
的に接続するようにしてもよい。また、対向基板400
およびアクティブマトリクス基板200の光入射側の面
あるいは光出射側には、使用する液晶539の種類、す
なわち、TN(ツイステッドネマティック)モード、S
TN(スーパーTN)モード、D−STN(ダブル−S
TN)モード等々の動作モードや、ノーマリホワイトモ
ード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィ
ルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の向きに配置
される。
【0098】本形態の液晶パネル1を透過型で構成した
場合には、たとえば、投射型液晶表示装置(液晶プロジ
ェクタ)において使用される。この場合、3枚の液晶パ
ネル1がRGB用のライトバルブとして各々使用され、
各液晶パネル1の各々には、RGB色分解用のダイクロ
イックミラーを介して分解された各色の光が投射光とし
て各々入射されることになる。従って、本形態の液晶パ
ネル1にはカラーフィルタが形成されていない。但し、
対向基板400において各画素電極45に対向する領域
にRGBのカラーフィルタをその保護膜とともに形成す
ることにより、投射型液晶表示以外にも、カラー液晶テ
レビなどといったカラー液晶表示装置を構成することが
できる。さらにまた、対向基板400に何層もの屈折率
の異なる干渉層を積層することにより、光の干渉作用を
利用して、RGB色をつくり出すダイクロイックフィル
タを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き
の対向基板によれば、より明るいカラー表示を行うこと
ができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、非晶
質の半導体膜を多結晶化させるレーザアニールなどの結
晶化工程を行った後、熱処理工程において半導体膜に対
して高温雰囲気中で熱処理を施して結晶粒界に存在する
ダングリングボンドを除去するので、TFTのオン電流
特性を向上させることができ、かつ、そのばらつきを圧
縮できるなど、トランジスタ特性の向上を図ることがで
きる。また、本発明では、熱処理工程において、処理室
温度を例えば400℃以下、好ましくは300℃以下の
低温に保持したまま、基板を処理室内に設置し、そし
て、基板を熱処理するための処理室内を真空引きした
後、処理室内に所定のガスを導入して昇温を開始し、し
かる後に処理室内で熱処理を行なうため、汚れた大気が
存在しない清浄な雰囲気下で熱処理を行なうことができ
る。それ故、半導体膜の能動層とゲート絶縁膜との界面
から余計な準位を減少させることができるので、TFT
の電気特性に劣化やばらつきが発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の実施の形
態1に係る液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板
のブロック図、およびその駆動回路を構成するCMOS
回路の等価回路図である。
【図2】図1に示すアクティブマトリクス基板上に形成
した3種類のTFTの断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、図2に示すアクティブマト
リクス基板の製造方法を示す工程断面図である。
【図4】図3(C)に示すレーザアニール(結晶化工
程)で用いるレーザアニール装置の概略構成図である。
【図5】図3(D)に示す熱処理工程で用いる熱処理装
置の説明図であり、(A)は、熱処理工程を開始する直
前の様子を示す説明図であり、(B)、熱処理工程を行
なっている様子を示す説明図である。
【図6】(A)〜(E)は、図2に示すアクティブマト
リクス基板の製造方法において、図3に示す工程に続い
て行う各工程を示す工程断面図である。
【図7】図3(D)に示す熱処理工程における熱処理条
件とN型のTFTのオン電流特性との関係を示すグラフ
である。
【図8】図3(D)に示す熱処理工程における熱処理条
件とP型のTFTのオン電流特性との関係を示すグラフ
である。
【図9】(A)〜(E)はそれぞれ、本発明の実施の形
態2に係る液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板
の製造方法を示す工程断面図である。
【図10】(A)〜(D)は、本発明の実施の形態2に
係る液晶表示装置用のアクティブマトリクス基板の製造
方法において、図9に示す工程に続いて行う各工程を示
す工程断面図である。
【図11】アクティブマトリクス型の液晶表示装置用の
液晶パネルの平面図である。
【図12】図11のH−H′線における断面図である。
【図13】(A)〜(D)は、従来のアクティブマトリ
クス基板の製造方法において、ゲート電極を形成するま
での工程を示す工程断面図である。
【図14】参考例に係る方法で熱処理工程を行うのに用
いた熱処理装置の説明図であり、(A)は、熱処理工程
を開始する直前の様子を示す説明図であり、(B)、熱
処理工程を行なっている様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 液晶パネル 10 駆動回路用のN型のTFT 20 駆動回路用のP型のTFT 12、22、32、102 ゲート絶縁膜 14、24、34 ゲート電極 15、25、35 チャネル領域 16、26、36 高濃度ソース・ドレイン領域 17、27、37 低濃度ソース・ドレイン領域 30 画素スイッチング用のTFT 40 保持容量 41、43、44 ソース電極 42 ドレイン電極 45 画素電極 50 基板 51 下地保護膜 52 層間絶縁膜 60 データ側駆動回路 70 走査側駆動回路 81 画面表示領域 90 データ線 91 走査線 94 液晶容量(液晶セル) 100 半導体膜 181、182、183、184、185 レジストマ
スク 200 アクティブマトリクス基板(半導体装置) 300 レーザアニール装置 320 レーザ光源 325 光学系 310 ステージ 400 対向基板 531 対向電極 600 熱処理装置 605 電気炉 610 処理室 615 リアクタ 616 リアクタの下端開口 620 ガス供給管 630、634、637 排気管 631 バイパス管 632 バイパスバルブ 635 ベントバルブ 638 真空引きメインバルブ 639 真空ポンプ 650 基板ホルダ 660 基板ホルダの基台 670 Oリング L レーザ光の照射領域 L0 ラインビーム
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 JA25 JA34 KA03 KA07 MA08 MA12 MA22 MA29 MA30 NA22 NA24 5F052 AA02 AA03 AA11 BA07 BB07 DA02 DB02 DB03 DB04 DB07 EA16 FA19 JA01 JA04 5F110 AA07 AA17 AA19 BB02 BB04 CC02 DD02 DD13 DD25 EE03 EE04 EE44 FF02 FF30 GG02 GG13 GG25 GG42 GG43 GG45 GG47 HJ01 HJ04 HJ13 HJ23 HM14 HM15 PP02 PP03 PP05 PP06 PP08 PP13 PP29 PP38 QQ09 QQ10 QQ11 QQ21 QQ24 QQ25

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に非晶質の半導体膜を形成する半
    導体膜形成工程と、該半導体膜形成工程により形成した
    非晶質の半導体膜を多結晶化させる結晶化工程と、該結
    晶化工程を行った後の前記半導体膜に対して高温雰囲気
    中で熱処理を施す熱処理工程と、該熱処理工程を行った
    前記半導体膜を用いて薄膜トランジスタを形成するトラ
    ンジスタ形成工程とを有し、 前記熱処理工程では、前記基板を熱処理するための処理
    室内を真空引きした後、該処理室内に所定のガスを導入
    し、しかる後に当該処理室内で熱処理を行なうことを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記熱処理工程で
    は、前記処理室内が少なくとも1.33×102Pa以
    下の真空度に到達するまで真空引きを行なうことを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記熱処理工程で
    は、前記処理室内が少なくとも1.33Pa以下の真空
    度に到達するまで真空引きを行なうことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記熱処理工程で
    は、前記処理室内が少なくとも1.33×10-1Pa以
    下の真空度に到達するまで真空引きを行なうことを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記熱処理工程では、前記処理室内を真空引きした後、
    当該処理室内に非酸化性ガスを導入し、しかる後に当該
    処理室内で熱処理を行なうことを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記熱処理工程では、前記処理室内を真空引きした後、
    当該処理室内に窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
    ス、水素ガス、弗素ガス、酸素ガス、あるいはこれらの
    ガスの混合ガスを導入し、しかる後に当該処理室内で熱
    処理を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記熱処理工程では、前記処理室内を真空引きしたとき
    に真空度が1.33Pa以下に達するまでの基板温度を
    300℃以下に保持し、その後、当該処理室内に所定の
    ガスを導入して熱処理を行なうことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記熱処理工程では、熱処理温度を600℃以下に設定
    して行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記熱処理工程では、熱処理温度を400℃以上かつ5
    00℃未満に設定し、処理時間を3時間以上とすること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし6のいずれかにおい
    て、前記熱処理工程では、熱処理温度を500℃以上か
    つ600℃未満に設定し、処理時間を1時間以上かつ3
    時間未満とすることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし6のいずれかにおい
    て、前記熱処理工程では、熱処理温度を600℃以上に
    設定し、処理時間を1時間未満とすることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかにおい
    て、前記熱処理工程の後、前記トランジスタ形成工程を
    行なう前に、 前記半導体膜に水素プラズマを照射するプラズマ照射工
    程を行なうことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において、前記熱処理工程
    を行なった以降、前記プラズマ照射工程を行なうまで前
    記半導体膜が大気に触れない状態下に前記基板を保持す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記熱処理工程
    および前記プラズマ照射工程を同一の処理室内で行な
    い、前記熱処理工程を行なった以降、前記プラズマ処理
    工程を終了するまで当該処理室内に大気を導入しないこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし14のいずれかにおい
    て、前記半導体膜形成工程を行なった以降、前記トラン
    ジスタ形成工程で前記半導体膜表面にゲート絶縁膜を形
    成するまで、前記半導体膜が大気に触れない状態下に前
    記基板を保持することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項15において、前記半導体膜形
    成工程から前記熱処理工程までを同一の処理室内で行な
    い、前記半導体膜形成工程を行なった以降、前記熱処理
    工程を終了するまで当該処理室内に大気を導入しないこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかにおい
    て、前記トランジスタ形成工程では、前記半導体膜の表
    面にゲート絶縁膜を形成した後、該ゲート絶縁膜および
    前記半導体膜をパターニングすることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし17のいずれかにおい
    て、前記結晶化工程は、前記半導体膜に対するレーザア
    ニール、電子ビームアニール、およびランプアニールの
    うちのいずれかのアニール処理であることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし18のいずれかにおい
    て、前記熱処理工程を行った前記半導体膜を用いて同一
    基板上にN型の薄膜トランジスタおよびP型の薄膜トラ
    ンジスタを形成することを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6858512B2 (en) * 2000-03-30 2005-02-22 Sanyo Electric Co., Ltd. Semiconductor device and method of producing the same
US6872638B2 (en) 2001-02-23 2005-03-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method of manufacturing a semiconductor device
SG114530A1 (en) * 2001-02-28 2005-09-28 Semiconductor Energy Lab Method of manufacturing a semiconductor device
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