JP2002072859A - 暗算学習支援システム - Google Patents

暗算学習支援システム

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JP2002072859A
JP2002072859A JP2000265559A JP2000265559A JP2002072859A JP 2002072859 A JP2002072859 A JP 2002072859A JP 2000265559 A JP2000265559 A JP 2000265559A JP 2000265559 A JP2000265559 A JP 2000265559A JP 2002072859 A JP2002072859 A JP 2002072859A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 学習者の力量等に応じて学習環境をきめ細か
く対応させることができ、効率的に珠算式暗算の学習が
行えるようにした新規な暗算学習支援システムを提供す
る。 【解決手段】 本発明の暗算学習支援システムは、学習
者情報、設問情報、解答情報等を入力する入力装置2
と、この入力装置2からの情報を受けて、学習者が入力
した累計解答値の正誤判定機能を含み、出力装置4にお
いて1または2以上の内容を表示させる機能を有する演
算処理装置3と、暗算問題表示、ソロバン活き珠イメー
ジ表示、正解値表示等を出力し得る出力装置4とを具え
て成る暗算学習支援1によって作動するものであり、暗
算問題の計算対象段の進行に伴い、ソロバン活き珠イメ
ージを順次変更表示するようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は暗算学習を支援する
システムに関するものであって、特に学習者の能力等に
学習環境をきめ細かく対応させ、効率的に暗算学習が行
えるようにした新規な暗算学習支援システムに係るもの
である。
【0002】
【発明の背景】通常、暗算を行う場合には、人が脳裏に
ソロバンをイメージし、頭の中でソロバン珠を動かしな
がら行うため、一般的な暗算学習においても、ソロバン
が多用されている。そして従来このような練習は、一般
の珠算塾等でみられるように、一人の教師が複数の学習
者(生徒)を受け持ち、加減乗除の計算を反復練習さ
せ、学習が進められる形態が多かった。具体的には反復
練習の中で、教師が生徒の間違いやすい部分を発見、指
摘し、併せて間違いやすい原因や、ミスを防ぐようなア
ドバイス等が教師から生徒に示されるものである。一
方、これに対し生徒は、教えられたアドバイス等に注意
しながら、練習を繰り返す中で、自分のミスしやすい点
を克服して行くものであった。
【0003】しかしながらこのような学習形態にあって
は、以下に示すような点において問題があった。すなわ
ちこのような学習形態では、一人の教師が複数の生徒を
同時に受け持つために、生徒一人ひとりの間違いやすい
個所を発見し、的確なアドバイスをすることは容易なこ
とではなかった。これは間違いやすい部分が、例えば繰
上げや繰下げ等、比較的大勢に共通するものだけではな
く、勘違いしやすい(計算ミスを起こしやすい)数字の
組み合わせ等、生徒一人ひとりによって異なる場合が少
なくないことが要因の一つと考えられる。加えて、学習
効果の点では、生徒が自分で何故間違えたのか、という
疑問を抱いた時に、その原因をアドバイスすることが、
より効果的な学習であるが、現実には複数の生徒を受け
持つために、アドバイスのタイミングがずれてしまうこ
とも少なくなく、暗算学習の効果は専ら教師個人の資質
によるところが大きかった。
【0004】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
認識してなされたものであって、暗算を間違えた個所や
その原因等を、学習者や教師がより明確に認識できるよ
うにし、効率良く暗算学習が行えるようにした新規な暗
算学習支援システムの開発を試みたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
暗算学習支援システムは、学習者情報、設問情報、解答
情報等を入力する入力装置と、この入力装置からの情報
を受けて、学習者が入力した累計解答値の正誤判定機能
を含み、出力装置において1または2以上の内容を表示
させる機能を有する演算処理装置と、暗算問題表示、ソ
ロバン活き珠イメージ表示、正解値表示等を出力し得る
出力装置とを具えて成り、暗算問題の計算対象段の進行
に伴い、ソロバン活き珠イメージを順次変更表示するよ
うにしたことを特徴として成るものである。この発明に
よれば、暗算の上達に必要不可欠と考えられるソロバン
の活き珠イメージを、学習者に強く印象付けることがで
き、効率的に暗算学習が行える。
【0006】また請求項2記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1記載の要件に加え、前記出力装置に表
示される暗算問題を進行させるにあたっては、一定時間
の経過、学習者が入力する累計解答値、学習者が入力す
る定型語句または前記入力装置による送り操作のうち1
または2以上の項目に基づいて、計算対象段が一段ずつ
送られるようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、出力装置に表示される暗算問題を進
行させるにあたっては、種々の形態が採り得るため、学
習者自身がもっとも学習しやすい設定状態を選択するこ
とができる。特に「はい」、「つぎ」、「動いて」など
予め設定した語句を、学習者が入力することによって計
算対象段を送るようにした定型語句送りを加えたことに
よって、以下のような特筆すべき効果がある。すなわ
ち、ある程度暗算に慣れてきた学習者(上級者)にあっ
ては、暗算問題を頭の中で2〜3段、一挙に計算してし
まう場合があり、このような学習者にとっては、一段
毎、累計解答値を入力する作業は却って煩わしいもので
あり、本発明ではこのような煩わしい作業を解消し、学
習者の力量に応じた学習環境が選択できるようにしてい
る。
【0007】更にまた請求項3記載の暗算学習支援シス
テムは、前記請求項2記載の要件に加え、前記入力装置
による送り操作は、計算対象段の送りを一時停止させる
機能と、計算対象段を一段前に戻す機能と、計算対象段
を一段先に進める機能とを有するものであって、この送
り操作は、累計解答値の入力、定型語句の入力または一
定時間の経過等に基づいて計算対象段を送る設定に対し
て優先されることを特徴として成るものである。この発
明によれば、入力装置による送り操作が、他の設定に対
して優先するため、例えば一定時間の経過に基づいて計
算対象段を送るように設定した際、途中で学習者の計算
が一定時間に追い付かなくなったような場合には、計算
対象段の送りを一旦停止させることができる。すなわち
学習者がまだ計算している最中に暗算問題だけが進行し
てしまうような事態を防止できる。因みに暗算を初めて
習う学習者の場合や、既に暗算を習っている学習者でも
学習対象の級(暗算問題の難易度)を上げた場合等に
は、暗算のスピードが比較的遅いことが考えられ、入力
装置による一時停止等の操作は特に有効と考えられる。
【0008】また請求項4記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記
暗算問題表示の進行を、累計解答値の入力または定型語
句の入力に基づいて送るように設定した場合には、学習
者は、計算対象段が一段ずつ進行することに従い、その
段までの累計解答値または定型語句を一段毎に入力する
ものであって、入力された累計解答値は、前記演算処理
装置によって正誤判定が成されることを特徴として成る
ものである。この発明によれば、例えば累計解答値を一
段毎に入力して計算対象段を送る形態が採り得るため、
暗算を初めて習う学習者や、学習対象の級(暗算問題の
難易度)を上げたばかりの学習者等にとっては、一段毎
の累計解答値の正誤を確認しながら、学習者自身のペー
スで暗算学習を行うことができる。また本発明は、定型
語句の入力によっても計算対象段を送り得るようにした
ため、例えば比較的、暗算に慣れてきた学習者(上級
者)にとっては、一段毎、累計解答値を入力する煩わし
い作業が必要なく、暗算に対する集中力を損なうことも
ない。
【0009】また請求項5記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記
暗算問題表示の進行を、累計解答値の入力または一定時
間の経過に基づいて送るように設定した場合には、学習
者は、計算対象段の進行に伴い、適宜の計算対象段にお
いて、その段までの累計解答値を入力するものであっ
て、入力された累計解答値は、前記演算処理装置によっ
て正誤判定が成されることを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、累計解答値の入力のみならず、
一定時間の経過に基づいて暗算問題を進行させ得るた
め、学習者は、累計解答値や定型語句を入力せずに一定
のペースで暗算学習を行うことができる。もちろん学習
者自身が、途中段において自分が暗算した累計解答値の
正誤を確認したい、と感じた場合には、その場で累計解
答値を入力し、即座に正誤を確認することができる。
【0010】また請求項6記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加
え、前記学習者の入力した累計解答値が正しい場合に
は、暗算問題表示は、前記演算処理装置によって次の計
算対象段へ進められることを特徴として成るものであ
る。この発明によれば、累計解答値が正しい場合、暗算
問題表示は、自動的に次の計算対象段に進められるた
め、学習者自身は何ら積極的な送りの指示をする必要が
なく、ほぼ暗算にのみ集中できる。また学習者は、計算
対象段が次に送られたことによって、自分の入力した累
計解答値が正しかったことが判り、累計解答値が正しい
ことを確認しながら、暗算学習を行うことができる。
【0011】また請求項7記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加
え、前記学習者の入力した累計解答値が正しくない場合
には、前記演算処理装置によって暗算問題表示は逆上っ
て、最後に正しい累計解答値を入力した計算対象段の直
後まで戻り、学習者が間違えた個所の暗算をやり直せる
ようにしたことを特徴として成るものである。この発明
によれば、学習者は間違えた即座に自分のミスを知るこ
とができるため、自分が何故、何処でミスしたかを確実
に理解することができる。また間違えた個所から即、暗
算をやり直せるため、自分の不得意傾向が的確に分析で
き、以後の暗算問題において注意を払うことができる。
更にこのような練習を重ねることによって、自分の不得
意傾向が比較的短期間で克服でき、確実に上達し得る。
因みに自分の間違えた原因を、自ら考える習慣が付け
ば、それだけで上達が期待できるものである。
【0012】また請求項8記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項1、2、3、4または5記載の要件に加
え、前記学習者の入力した累計解答値が正しくない場合
には、前記演算処理装置によって不正解の累計解答値
を、その段までの仮の正解値とみなし、計算対象段を戻
すことなく、以後の暗算問題をそのまま継続できるよう
にしたことを特徴として成るものである。この発明によ
れば、累計解答値が正しくない場合でも、この誤解答値
をその段までの仮の正解値とみなし、以降の暗算問題が
継続して行えるようにしたため、正確さに加えて要求さ
れる暗算のスピード(暗算の際に学習者が脳裏に描いた
ソロバン珠を動かすリズム)を主に習得することができ
る。また不正解の累計解答値を、その段までの仮の正解
値とみなすため、不正解以降に入力する累計解答値の正
誤も判定できる。なお比較的多くの間違いをすることが
予想される初心者や、集中力がまだそれほど身に付いて
いない幼児等が学習者である場合には、ミスした部分に
戻ってやり直すという手法だけでは、最後まで集中力が
継続できなかったり、ミスした部分でやる気が萎えてし
まうことがあるが、このような仮正解みなし機能及び継
続機能を適用することによって、暗算に対する思考が途
中(ミスした部分)で中断されることがなく、比較的集
中した状態で最後まで暗算練習を続けることができる。
また学習者は、まず暗算問題を一通り終えたという達成
感が得られ、これが更なる学習意欲につながることが期
待される。
【0013】また請求項9記載の暗算学習支援システム
は、前記請求項8記載の要件に加え、前記学習者の入力
した不正解の累計解答値を、その段までの仮の正解値と
みなす場合には、仮の正解値に合わせてソロバン活き珠
イメージを修正表示するようにしたことを特徴として成
るものである。この発明によれば、不正解の累計解答値
を仮正解とみなした場合に、これに合わせてソロバン活
き珠イメージを修正表示するため、学習者の脳裏に描い
たソロバンのイメージに合致させることができ、これに
よって学習者は、以降の暗算問題により集中して取り組
むことができる。因みに学習者の脳裏に描いたイメージ
と、異なったソロバン活き珠イメージ(例えば正解値)
を表示した場合には、学習者は何処でミスしたかを少な
からず考えるのが一般的である。このような考えを持つ
こと自体は、先に述べたように、自分の不得意傾向を克
服する場合には好結果をもたらすが、主にスピードを習
得することに主眼をおいた場合には、この考えが暗算に
対する思考や集中力を鈍らせるというマイナス要因にな
り得ると考えられる。
【0014】また請求項10記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、7、8または9
記載の要件に加え、前記演算処理装置は、予め学習者の
間違いやすい不正解推定原因を複数パターン記憶するも
のであり、前記学習者の入力した累計解答値が正しくな
い場合に、累計解答値と正解値とを比較分析し、記憶さ
れていた不正解推定原因のうち1または2以上の項目を
選択して、前記出力装置に表示するようにしたことを特
徴として成るものである。この発明によれば、学習者
は、正しくない累計解答値を入力した直後や、一回の暗
算問題を全て終了した時点等において、不正解推定原因
を知ることができる。このように自分が間違えてから、
それ程時間が経たないうち、すわなち暗算を行っていた
時に脳裏に描いていたソロバン珠のイメージが、まだ鮮
明なうちに、不正解推定原因が知らされるので、学習者
は自分の不得意傾向がより理解しやすく、以降の暗算に
大いに活かすことができる。
【0015】また請求項11記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9
または10記載の要件に加え、前記演算処理装置は、学
習者の意向により、もしくは学習者の意向に関わらず、
暗算問題の計算対象段を表示してからソロバン活き珠イ
メージを表示するまでの時間または累計解答値や定型語
句等を入力してからソロバン活き珠イメージを表示する
までの時間を適宜調整し得る機能を有するものであり、
前記入力装置には、この調整を行う設定スイッチが設け
られていることを特徴として成るものである。この発明
によれば、ソロバン活き珠イメージを表示するまで時間
を適宜調整できるため、学習者は、自分のペースに合っ
た時間に設定できる。もちろんこの時間調整は、学習者
のみならず教師が学習者の能力を判断して行っても構わ
ないし、あるいは本発明を構成する演算処理装置が、ラ
ップタイム等から判断して変更するようにすることが可
能である。
【0016】また請求項12記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、7、8、9また
は10記載の要件に加え、前記演算処理装置は、学習者
の意向により、もしくは学習者の意向に関わらず、入力
された累計解答値が不正解であった場合、累計解答値を
入力してから不正解推定原因を表示するまでの時間を適
宜調整し得る機能を有するものであり、前記入力装置に
は、この調整を行う設定スイッチが設けられていること
を特徴として成るものである。この発明によれば、不正
解推定原因を表示するまでの時間を適宜調整できるた
め、学習者は、自分のペースに合った時間に設定でき
る。もちろんこの時間調整も、ソロバン活き珠イメージ
の表示時間調整と同様に、教師や演算処理装置が行うよ
うにすることが可能である。
【0017】また請求項13記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10、11または12記載の要件に加え、前記演算
処理装置は、学習者の意向により、もしくは学習者の意
向に関わらず、暗算問題の出題を音声のみに切り替え、
学習者が主に数字を視覚的にとらえた暗算を行えないよ
うにする筆算的暗算見破り機能を有するものであり、前
記入力装置には、音声のみの出題に切り替える設定スイ
ッチが設けられることを特徴として成るものである。こ
の発明によれば、学習者が専ら数字を視覚的にとらえた
筆算的暗算を行っている場合には、暗算問題の出題が音
声のみに切り換えられることで、暗算が行えなくなり、
このような筆算的暗算を暗算学習の初期段階において明
確に客観的に発見できる。従って筆算的暗算を行ってい
た学習者に対しては、早いうちにソロバン珠をイメージ
した暗算に移行させ、このような珠算式暗算(本来の暗
算)を習慣付けることができる。なお筆算的暗算でも、
ある程度までは正確に且つ早く行えるようになるが、数
が大きくなったりしてくると、行きづまってしまうのが
一般的であり、学習の初期段階でソロバン珠をイメージ
した珠算式暗算に切り換えてやることが、上達の秘訣と
なっている。
【0018】また請求項14記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10、11、12または13記載の要件に加え、前
記学習者が暗算問題を終了した後には、暗算問題の各段
におけるラップタイム、各段までの累計所要時間、正答
率、不正解推定原因等の学習履歴を、学習者情報の一部
として前記演算処理装置に記憶し、前記出力装置または
プリンタによって表示するようにしたことを特徴として
成るものである。この発明によれば、暗算問題終了後
に、学習履歴が表示されるため、学習者自身が間違えた
個所やその原因を客観的に判断できるとともに、教師に
とっては、今後の学習方針を正しくアドバイスできる。
また学習履歴を逐次記憶、蓄積して行くことで、過去の
自分の学習履歴と比較することができ、自分の上達度や
不得意傾向の克服度等が明確に理解できる。更に上達度
や克服度が自分の手応えとして学習者が感じ取れれば、
更なる学習意欲の向上が期待される。また同じ級を学ぶ
学習者が複数いるような場合には、例えば正答率等で競
う合うことができ、個人的な反復練習が主体であった暗
算学習そのものが目新しいものとなる。
【0019】また請求項15記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項14記載の要件に加え、前記演算処理
装置は、記憶された学習履歴に基づいて、学習者の不得
意傾向を分析し、この不得意傾向を克服するための暗算
問題を選択または作成する機能を有し、次回以降の暗算
問題に反映させるようにしたことを特徴として成るもの
である。この発明によれば、前回の学習履歴を蓄積して
いる学習者にあっては、初期設定(学習対象の級、設問
手法、解答手法、送り手法等)をしなくても、例えば自
分のIDコードだけを入力して、暗算学習が開始するこ
とができる。また演算処理装置が、学習者の不得意傾向
を分析するため、必ずしも教師によるアドバイスを必要
とせず、極端な言い方をすれば学習者一人だけでも効率
的な暗算学習を行うことができる。
【0020】また請求項16記載の暗算学習支援システ
ムは、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
9、10、11、12、13、14または15記載の要
件に加え、前記入力装置及び出力装置と、演算処理装置
とは、通信回線を介して接続されることを特徴として成
るものである。この発明によれば、不特定多数の学習者
に対して、本発明の暗算学習支援システムを提供でき
る。また学習者は予め決められた場所(例えば珠算教
室)に通う必要がなく、また学習する時間も自由に選択
できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて説明する。説明にあたっては、本発明の暗算学
習支援システムを作動させるための暗算学習支援装置1
についてまず説明し、その後この装置を適用した具体的
な学習形態について説明しながら併せて本発明の暗算学
習支援システムについて説明する。また学習する暗算問
題が加減算である場合を〔実施の形態1〕とし、乗算ま
たは除算である場合を〔実施の形態2〕として説明す
る。
【0022】
【実施の形態1】加減算を目的とした暗算学習支援装置
1は、一例として図1に示すように、学習対象の級(暗
算問題の難易度)や出題方法及び解答の仕方等の情報を
入力する入力装置2と、学習者が入力した累計解答値の
正誤判定機能を含み、適宜の内容を表示させる機能を有
する演算処理装置3と、暗算問題表示、ソロバン活き珠
イメージ表示、正解値表示等を出力する出力装置4とを
具えて成るものである。なお本明細書に記載する「ソロ
バン活き珠イメージ」の「活き珠」とは、ある数値を表
示するために実質的に必要な珠のみを意図したものであ
る。またこの〔実施の形態1〕では、まず一つの暗算問
題をマイナス符号を含む複数段(例えば十段)の数字に
よって構成して成り、この暗算問題の進行に伴い、ソロ
バン活き珠イメージを順次変更表示して行くものであ
る。そして暗算問題を進行させるにあたっては、一定時
間の経過、学習者が入力する累計解答値、学習者が入力
する定型語句または前記入力装置2による送り操作のう
ち1または2以上の項目に基づいて、計算対象段を一段
ずつ送るものである。なお定型語句の入力に基づく送り
とは、「はい」、「つぎ」、「動いて」等、予め設定し
た語句を、学習者が入力することにより、計算対象段を
一段ずつ進めるようにした手法であり、また累計解答値
とは、その段までの累計を学習者が累積計算したもので
ある。以下、暗算学習支援装置1を構成する各装置につ
いて詳細に説明する。
【0023】まず入力装置2について説明する。このも
のは、一例として図1、2に示すように、各種のスイッ
チを有するものであって、(イ)は暗算問題を例えばス
ピーカやヘッドフォン等(図示省略)から音声出題する
か否かの切り替えスイッチ、(ロ)は出力装置4に表示
される暗算問題の表示と非表示とを切り替えるスイッ
チ、(ハ)は学習者が入力した累計解答値が不正解であ
った場合に、その不正解推定原因の表示と非表示とを切
り替えるスイッチ、(ハ′)は例えば学習者が累計解答
値を入力してから、不正解推定原因を表示するまでの時
間を早めたり遅らせたりする+・−調整スイッチであ
る。(ニ)はソロバン活き珠イメージの表示と非表示と
を切り替えるスイッチ、(ニ′)は例えば学習者が累計
解答値や定型語句等を入力してからソロバン活き珠イメ
ージが変更するまでの時間を早めたり遅らせたりする+
・−調整スイッチであるが、一定時間の経過に基づいて
暗算問題を進行させる場合には、計算対象段が送られて
からソロバン活き珠イメージが変更するまでの時間とな
る。
【0024】また(ホ)は、例えば計算対象段を一定時
間の経過に基づいて送る際に、学習者の暗算スピードが
計算対象段の送りに追いつけなくなり、計算対象段だけ
が先に送られてしまうことを防止する一時停止スイッチ
であり、(ホ′)は計算対象段の送りを一段前に戻した
り、一段先に進めたりする前・先スイッチである。なお
この一時停止スイッチ(ホ)及び前・先スイッチ
(ホ′)を具えた送り操作は、累計解答値の入力、定型
語句の入力または一定時間の経過に基づいて計算対象段
を送る設定に対して優先するように設定されており、こ
のため上述したように、他の設定時に割り込んで、送り
を強制的にストップさせることが可能となる。もちろん
この一時停止スイッチ(ホ)及び前・先スイッチ
(ホ′)を操作して、積極的に計算対象段を前進、後退
させながら、暗算学習を進めることも可能である。
【0025】更に(ヘ)は計算対象段の送りスピード
が、例えば10段階のうちのいくつなのか、というスピ
ード表示であり、(ヘ′)は、この送りスピードを上げ
たり下げたりする+・−調整スイッチである。(ト)〜
(ヌ)は計算対象段の送り手法(後述する「指示送り」
と「自動送り」)と、解答方法(後述する「段答」と
「終答」)とをマトリックス的に組み合わせ、設問形態
と解答形態とを同時に設定できるようにした四つのスイ
ッチである。
【0026】以下「指示送り」、「自動送り」、「段
答」、「終答」について順次説明する。まず「指示送
り」とは、暗算問題の進行を累計解答値の入力または定
型語句の入力に基づいて送る形態であり、「自動送り」
とは、暗算問題の進行を累計解答値の入力または一定時
間の経過に基づいて送る形態である。また「段答」と
は、一段毎または適宜の計算対象段において累計解答値
を入力する形態であり、「終答」とは、最後の計算対象
段(例えば十段の数字で暗算問題が構成されている場合
には、第10段目の数字)が表示された後に一回だけ累
計解答値を入力する形態であり、暗算問題一つにつき一
つの終答が存在することになる。
【0027】なお終答は累計解答値の一種であるため、
本明細書の請求項に記載した「累計解答値」と同様の取
り扱いが可能である。具体的には終答の設定で複数の暗
算問題に取り組んだ場合には、終答の正誤判定が行える
のはもちろんのこと、その正誤に応じて次の暗算問題の
第1段目を自動的に表示するようにしたり、不正解推定
原因を表示させたりすること等が可能である。またこの
ような場合の学習履歴としては、各計算対象段のラップ
タイムの代わりに、各暗算問題の所要時間を表示するこ
とが可能である(学習履歴については、〔0036〕に
示す表2を参照)。因みにこの学習履歴は、一例として
出力装置4に画面表示されるものであるが、暗算学習支
援装置1が別途プリンタ等を具えている場合には、適宜
の用紙に学習履歴を表示(プリントアウト)しても構わ
ないし、画面表示と用紙表示との双方による表示を行っ
ても構わない。もちろん学習履歴を用紙にプリントアウ
トする際には、学習を行った際の設定も併せてプリント
アウトすることが好ましく、これによって学習者のたど
った学習経過がより理解しやすく、教師は以降の学習方
針を的確に決定することができる。
【0028】また(ル)は、学習者がソロバン珠をイメ
ージした珠算式暗算(本発明の暗算学習支援システムが
目指す本来の暗算)を行っているか否かを確認するため
のスイッチであり、このスイッチによって暗算問題を音
声のみによって出題するものである。すなわち学習者が
出力装置4に表示された数字を主に視覚的にとらえた筆
算的暗算を行っている場合には、暗算問題が音声のみに
よって出題されることで、この視覚が絶たれ筆算的暗算
は、ほぼできなくなり、ソロバン珠を脳裏に描いた珠算
式暗算を行っているか否かを正確に且つ客観的に確認で
きるのである。なおこのように音声のみの出題を課す選
択は、通常、教師が学習者の暗算の様子(珠算式暗算を
行っている学習者は、ソロバン珠を脳裏に描いているた
め、一般的にはリズミカルな様子)や学習履歴等を判断
して、筆算的暗算を行っていると思われる学習者に対し
て、暗算問題の最初から、この確認設定で練習を行うよ
うに指導する形態が一般的である。しかしながら例えば
学習者が暗算問題を出力装置4に表示した、見取り算を
行っている途中において、教師または学習者自身が自ら
確認スイッチを操作して切り替えるようにしても構わな
いし、あるいは見取り暗算の学習内容に不定期に確認す
る機能を組み込むようにしても構わない。
【0029】因みに学習者がソロバン珠をイメージせ
ず、専ら数字に依存した筆算的暗算を行っていても、あ
る程度までは正確に且つ速く行えるようになるが、ある
段階で行きづまってしまうのが一般的であり、また一
旦、筆算的暗算の癖がついてから、ソロバン珠をイメー
ジした珠算式暗算に戻すことは、極めて難しく、このよ
うなことから、学習の初期段階から、ソロバン珠をイメ
ージした暗算を習慣付けることが上達の秘訣となってい
る。なおこのような筆算的暗算の発見は、従来、一人の
教師が複数の学習者を受け持っていたこともあって、学
習者の一人ひとりについて正確に見抜くのが極めて難し
いものであったが、この実施の形態においては、極めて
正確に且つ客観的に確認でき、より一層、学習効果の向
上を図るものである。
【0030】(ヲ)〜(タ)は、入力された学習者のI
Dコード、氏名、学習対象の級、計算種別、問題回数を
順次表示するものであるが、例えば該当する学習者の学
習履歴が既に記憶されているような場合には、学習者が
入力する自分のIDコードに連動させて、氏名、級、種
別、回数を表示することが可能である。
【0031】なお以上述べてきた、累計解答値、定型語
句、学習者のIDコード等は、入力装置2と一体的また
は別体に構成された装置によって入力されるが、この装
置としては、例えばマイク等の音声入力装置が適用され
得る。因みにこの音声入力装置としては、学習者の服装
に装着できるようなピンタイプのものが適用可能である
し、あるいは音声で出題される暗算問題をヘッドフォン
で聞き取るようにしている場合には、このヘッドフォン
にマイクを装着することも可能である。また主に累計解
答値やIDコード等を入力する装置としては、上記音声
入力装置以外にも、キーボードを適用することも可能で
あるし、あるいは一例として図4に示すような、近接セ
ンサを付設したソロバンCを適用し、学習者が直接ソロ
バン上に、累計解答値を置くようにすることも可能であ
る。因みにこの近接センサを付設したソロバンCは、例
えば図4(b)の断面図に示すように、はりを挟んで五
珠の摺動可能位置(ソロバンの底部)に予め近接センサ
S等を配設するものであり、五珠の近接状態からソロバ
ン珠の無い位置を感知して、ソロバン上に置かれた累計
解答値を認識し得るものである。
【0032】〔情報の定義〕ここで上記(ヲ)〜(タ)
は、学習者自身を特定しながら、その学習内容を表示す
るものであり、主として学習者に関する情報であるた
め、これらを学習者情報と定義する。また(イ)〜
(ヘ)及び(ト)〜(ヌ)の前半部分(「指示送り」、
「自動送り」)は、主に暗算問題の出題方法に関する情
報であるため、これらを設問情報と定義する。更に
(ト)〜(ヌ)の後半部分(「段答」、「終答」)は、
主に学習者の解答方法に関する情報であるため、これら
を解答情報と定義する。
【0033】次に演算処理装置3について説明する。こ
のものは、学習者が入力した累計解答値の正誤判定機能
を含み、後述する出力装置4において1または2以上の
内容を適宜表示させる機能を有するものである。また演
算処理装置3は、上記正誤判定機能以外にも次のような
機能を有するものである。 (I) 入力された累計解答値が正しい場合 (A) 学習者の積極的な指示を要することなく、次の計算
対象段を自動的に表示する機能。 (II)入力された累計解答値が正しくない場合 (B) 最後に正しい累計解答値を入力した計算対象段の直
後の段まで自動的に戻して表示する機能。 (C) 不正解の累計解答値を、その段までの仮の正解値と
みなし、次の計算対象段を自動的に表示する機能。 (D) 予め学習者の間違いやすい不正解推定原因を複数パ
ターン記憶しておき、正しくない累計解答値と正解値と
を比較分析し、記憶されていた不正解推定原因のうち1
または2以上の項目を選択して、出力装置4に表示する
機能(不正解推定原因の表示例については表1参照)。 (E) 学習者が暗算問題を終了した後に、暗算問題の各段
におけるラップタイム、各段までの累計所要時間、正答
率、不正解推定原因等の学習履歴を、学習者情報の一部
として記憶し、出力装置4に表示する機能(学習履歴の
表示例については表2参照)。 (F) 記憶された学習履歴に基づいて、学習者の不得意傾
向を分析し、この不得意傾向を克服するための暗算問題
を選択または作成する機能。
【0034】
【表1】
【0035】なお表1では、一の位を1位、十の位を1
0位、百の位を100位として記載している。因みに表
中、NO.3の「1位のイメージのボケ」は、100位
・10位に気をとられ、その間に1位のイメージがボケ
てしまう間違いであり、暗算のメカニズムにも関わる部
位であるが、このようなミスを防ぐために学習者が1位
のみの検算を行った場合には、正しい答は出せても、こ
の学習者には3桁のイメージが定着せず、結果的に暗算
の実力が身に付かないことになる。
【0036】
【表2】
【0037】表2は、学習者の入力状況を示す解答経過
(以下解答例とする)と、これに対する学習履歴の表示
例を三種示したものであり、解答例1は、学習者が一段
毎に入力する累計解答値に基づいて計算対象段を送るよ
うに設定した場合であり、その表示例1では累計の正解
値、解答例1、各段のラップタイム、及び累計所要時間
を表示している。
【0038】解答例2は、解答例1と同様の設定で暗算
問題を進行させた場合であって、その表示例2は、累計
の仮正解値、解答例2、及び不正解推定原因を表示して
おり、第4、7、9段目で学習者が不正解を出してい
る。なおこの表示例2では、第4、7段目において、正
しくない累計解答値を仮の正解値とみなしたことが、一
例として表中、横方向に向かう矢印(以降の正誤判定の
基準となる累計の仮正解値を、正しくない累計解答値に
合わせて変更するため)で表示されている。更に上記表
1においては、不正解推定原因を文章で表示するように
例示したが、取り違えた数字等が具体的に推定できる場
合には、この表2のように、具体的な数字を挙げて表示
することも可能である。
【0039】解答例3は、計算対象段の送りを累計解答
値の入力または「はい」という定型語句の入力に基づい
て送るように設定した場合であって、その表示例3は、
累計の仮正解値、解答例3、及び不正解推定原因を表示
しており、第8段目で不正解を出してしまい、同時にみ
なし機能及び不正解推定原因表示機能を適用している。
【0040】ここで上記演算処理装置3における(B) の
戻し機能について具体的に説明する。例えば上記解答例
3において、戻し機能を適用した場合には、第8段目の
不正解時においては、最後に正しい累計解答値を入力し
たのは、第4段目であり、従ってこの段の直後の段、す
なわち第5段目に戻すことになる。これは定型語句や一
定時間の経過によって計算対象段を送る場合には、学習
者の間違えた段が厳密には判別できないため、やり直し
を行う際には、間違えた可能性のある段を全て含んで、
戻すことが好ましいためである。因みに学習者が一段毎
に累計解答値を入力している場合には、不正解となった
場合でも実質的に計算対象段は戻されないため、この場
合には学習者に暗算をやり直す旨を積極的に知らせる、
適宜の表示を行うことが好ましい。なお表2の解答例で
は、第1段目の累計解答値が、第1段目の数字と同一で
あることを考慮して、第1段目に累計解答値や定型語句
を入力する手間を省き、暗算問題を自動的に第2段目に
進行させるようにしている。
【0041】なお演算処理装置3における上記(B) の戻
し機能は、間違えた個所から暗算をやり直せるようにし
たものであり、(C) のみなし機能は、計算対象段を戻す
ことなく、以降の暗算問題をそのまま続行できるように
したものである。因みにこれら(B) と(C) の項目を同時
に機能させることはできないものの、不正解の判定が成
された都度、どちらかの機能を選択することによって、
結果的に一つの暗算問題の中で、双方の機能を適用する
ことは可能である。また上記(D) 〜(F) の機能は、入力
された累計解答値が正しくない場合に、(A) または(B)
の機能と併用できるものであって、(D) 〜(F) のうちの
一つを機能させることも可能であるし、適宜組み合わせ
て機能させることも可能である。
【0042】更に(F) に記載した不得意傾向の分析にあ
たっては、複数回の学習履歴に基づいて、同じまたは同
一傾向の不正解推定原因が多く蓄積されていれば、単純
にこの項目が学習者の不得意傾向と判断できる。しかし
ながら、不正解推定原因がばらついた場合や、蓄積され
た学習履歴が少ない場合であっても、不得意傾向を分析
することは可能であり、例えば一回の学習履歴について
いえば、間違えた計算対象段はもちろんのこと、ラップ
タイムが相対的に長かった計算対象段も、不得意部分で
あると推定できる。
【0043】これらの機能によって学習者は、次回の暗
算学習を行う際には、自分のIDコードを入力するだけ
で、練習対象となる問題や送りスピード等の設問情報及
び解答情報の初期設定を行うことが可能となる。なお学
習者が入力した累計解答値が正しくない場合、機能は上
述のように種々適用できるが、その形態を選択するスイ
ッチが必要な場合には、前記入力装置2に設けることが
好ましい。もちろん設定が異なる演算処理装置3を予め
複数基ずつ用意しておき、教師が学習者の力量に応じ
て、使用する装置を指示することももちろん可能であ
る。
【0044】次に出力装置4について説明する。このも
のは、一例として図1、3に示すように、暗算問題表
示、ソロバン活き珠イメージ表示、正解値表示、学習者
が入力した累計解答値が不正解であった場合の不正解推
定原因表示等を適宜出力表示するものである。以下各表
示内容について説明する。 (1)暗算問題表示について 暗算問題表示は、複数段の数字から成る暗算問題と、計
算対象段を示す指示マークMとを具えて成り、計算対象
段を一段ずつ進行させるものである。この際、指示マー
クMを上下動させず、常に固定状態とし、暗算問題を全
体的に上方に一段ずつスクロールさせるものであるが、
暗算問題を固定状態に表示し、指示マークMの方を一段
ずつ下方に移動させても構わない。因みに暗算問題は通
常、図示したように縦に配列することが珠算検定におい
て一般的であり、本発明においても、この形態を踏襲す
るものであるが、横方向に配列することも可能である。
このため本明細書に記載する「計算対象段」の「段」と
は、このように暗算問題が横方向に配列された場合も広
義的に含むものである。なお読上げ算の練習を行う際に
は、暗算問題は専ら音声によって出題されるものである
が、このような音声出題も暗算問題表示の概念に包含さ
れるものとする。また前記入力装置2において記載した
ように、計算対象段の送りスピードは、(ヘ′)の+・
−調整スイッチによって調節でき、計算対象段の送り操
作は、(ホ)、(ホ′)のスイッチによって行うことが
可能である。
【0045】(2)ソロバン活き珠イメージ表示 ソロバン活き珠イメージ表示は、ある数値を示すために
実質的に必要な珠のみを表示するものであり、学習者が
計算対象段の暗算を行った直後に変更表示されることが
望ましい形態である(ソロバン活き珠イメージを変更表
示するタイミングは、早過ぎても遅過ぎても好ましくな
い)。このため累計解答値の入力に基づいて暗算問題を
進行させる場合には、ソロバン活き珠イメージの変更表
示は、学習者が累計解答値を入力した直後に行うもので
ある。なお一定時間の経過に基づいて暗算問題を進行さ
せる場合には、計算対象段が送られてから、適宜の時間
をおいて(例えば1秒後)変更表示することが好まし
い。因みにこの設定時間は、一段(一つの数字)を暗算
する際の平均的な所要時間が初期設定されるのが一般的
であるが、この設定時間は学習者の能力等に応じて適宜
変更可能であり、前記入力装置2における(ニ′)の+
・−調整スイッチによって適宜調整され得る。
【0046】(3)正解値表示 正解値表示は、本実施の形態では、特にこれだけを単独
で表示することはせず、上記ソロバン活き珠イメージ表
示を流用して表すものであるが、例えば出力装置4の他
の部位に表示させることも可能であるし、あるいはスピ
ーカやヘッドフォン等によって正解値を音声出力するこ
とも可能である。
【0047】(4)不正解推定原因表示 不正解推定原因表示は、学習者が累計解答値を入力した
際、この累計解答値が正しくない場合に適宜表示するも
のであり、これを表示させるまでの時間もソロバン活き
珠イメージ表示と同様に、前記入力装置2における
(ハ′)の+・−調整スイッチによって調節することが
可能である。因みに図3に示す不正解推定原因は、「−
符号の見落とし」が表示されており、同図に示した計算
対象段と一致していないが、これは端に不正解推定原因
の表示例を示したためである。
【0048】(5)正誤判定表示 本実施の形態においては、間接的に累計解答値の正誤判
定を表示するようにしている。すなわち入力された累計
解答値が正解の場合には、そのまま計算対象段を一段先
に送り、不正解の場合には、計算対象段を前に戻した
り、あるいは不正解推定原因を表示するものである。し
かしながら、例えば出力装置4に「正」または「誤」を
文字表示したり、スピーカやヘッドフォン等を通して正
誤を音声出力する等、直接、正誤判定を表示することも
可能である。
【0049】(6)各表示の組み合わせ等 図3に示した実施の形態では、暗算問題表示、ソロバン
活き珠イメージ表示、不正解推定原因表示を組み合わせ
て表示しているが、上述した表示内容は、適宜組み合わ
せることが可能である。また図示した形態は、暗算問題
表示とソロバン活き珠イメージ表示とを同一画面に表示
しているが、必ずしもその必要はなく、例えば別々に
(交互に)表示することも可能である。要は最低限、暗
算問題の進行に伴い、ソロバン活き珠イメージを変更表
示させ得れば、種々の形態が採り得るのである。
【0050】本発明の暗算学習支援システムを作動させ
得る暗算学習支援装置1は、以上のように構成されるも
のであって、以下この装置を適用した具体的な学習形態
について説明しながら、併せて本発明の暗算学習支援シ
ステムについて説明する。 〔学習形態1〕〔学習形態1〕は、暗算問題の進行を、
累計解答値の入力または定型語句の入力に基づいて送る
ように設定(指示送り)した場合であり、一例として図
5の流れ図に沿って学習が進められる。なおこの〔学習
形態1〕では、累計解答値の入力のみならず、「は
い」、「つぎ」、「動いて」等の定型語句を入力した場
合においても、計算対象段が送られるようにしたことを
大きな特徴としている。これは、一段ずつ累計解答値を
入力する操作が、比較的暗算に不慣れな学習者にとって
は、それほど手間のかかる作業にならないが、比較的暗
算に慣れた学習者にとっては、複数段の暗算が頭の中で
瞬時に行えるようになってくると、上記入力操作が却っ
て煩わしくなるため、このような場合に定型語句送りを
行うのである。またここでの累計解答値や定型語句の入
力は、マイク等を適用し、音声によって入力するものと
する。
【0051】(1)初期設定 まず学習者自身または教師が、暗算問題や出題方法ある
いは解答方法等に関与する種々の初期設定を行う。具体
的には、学習者のIDコード、氏名、暗算学習対象の
級、計算種別、問題回数等を入力して、学習者の能力や
学習の進捗状況等に応じた暗算問題を選択するととも
に、暗算問題を画面表示で出題する(見取り算)か、あ
るいは音声で出題する(読上げ算)かを選択するもので
あるが、場合によっては暗算問題を画面表示しながら、
同時に音声によって出題することも可能である。また暗
算問題の進行手法及び解答の仕方(この場合には累計解
答値の入力または定型語句の入力に基づいて計算対象段
を送るように設定している)、不正解の累計解答値の取
り扱い等についての設定も、この初期設定段階で行え
る。
【0052】(2)暗算学習の開始 以上のような初期設定が終了した後、学習者は暗算学習
を開始する。具体的には出力装置4に暗算問題が第1段
目から表示され、学習者が計算対象段の数字を認識し
て、累計解答値を算出する。なおこの学習形態において
は、暗算問題の進行を、学習者の入力する累計解答値ま
たは定型語句に基づいて送るようにしているため、学習
者は一段毎、どちらかをマイク等の音声入力装置によっ
て入力するものである。一方、演算処理装置3は、学習
者の入力を感知すると、入力されたものが累計解答値で
あるか、または定型語句であるかの種別を判断し、これ
が累計解答値であった場合には、更にその正誤判定をも
行う。そして図5の流れ図を見て判るように、定型語句
が入力された場合または累計解答値が正しい場合には、
ソロバン活き珠イメージを変更表示するものであって、
累計解答値が正しくない場合には、仮正解みなし機能あ
るいは戻し機能を適用するようにしている。以下、それ
ぞれの場合について更に詳細に説明する。
【0053】(3)定型語句が入力された場合または累
計解答値が正しい場合 定型語句が入力された場合または累計解答値が正しい場
合には、ソロバン活き珠イメージが変更表示され、暗算
問題が次の計算対象段へと送られる。以後、学習者は計
算対象段の認識、累計解答値の算出、入力を最終段まで
繰り返すことになる。そして学習者が全段の暗算を終了
すると、暗算問題の各段におけるラップタイム、各段ま
での累計所要時間、正答率等の学習履歴を、学習者情報
の一部として演算処理装置3に記憶し、また出力装置4
に表示する(表2参照)。なおこの学習履歴は、演算処
理装置3によって学習者のIDコードの下に蓄積され、
学習者の不得意傾向が分析され、次回以降の学習におい
て、この不得意傾向を克服するための問題の作成及び選
択等に活かされるものである。その後、次の暗算問題の
練習を始める場合には、次の暗算問題の第1段目が表示
される。一方、次の暗算問題を練習しない場合には、暗
算学習が終了となる。なお図示した流れ図において、※
印を付した部分は、主に学習者が行う作業を示すもので
あり、それ以外の作業は、本発明の暗算学習支援システ
ムによって行われるものである。
【0054】(4)累計解答値が正しくない場合 学習者の入力した累計解答値が正しくない場合には、累
計解答値を正解値と比較することにより、その原因を分
析し、不正解推定原因を適宜表示し得るものである(表
示例と内容については表1、2参照)。因みにこの不正
解推定原因表示は、暗算学習を行っている際に表示する
だけでなく、暗算問題終了後に表示するようにしても良
いし、学習中と学習後との二回表示するようにしても構
わない。また累計解答値が正しくない場合には、不正解
の累計解答値の取り扱い手法によって学習形態が多少異
なるものである。具体的には仮正解みなし機能を適用し
た場合には、不正解の累計解答値は、その段までの仮の
正解値とみなされ、ソロバン活き珠イメージが変更表示
される。なおここでの変更表示とは、学習者が入力した
不正解値に合わせて修正変更するものである。一方、戻
し機能を適用した場合には、最後に正しい累計解答値を
入力した計算対象段の直後の段まで戻し、学習者は間違
えた個所から暗算をやり直すものである。なお学習者が
累計解答値を一段毎、入力している場合には、実質的に
計算対象段は戻されないことになり、学習者は自分が、
やり直す必要があるか否かが判断でき難いため、もう一
度、今暗算した段をやり直す旨の表示(音声含む)を積
極的に行うことが好ましい。
【0055】なお一般的には不正解の累計解答値の取り
扱い、すなわち仮正解みなし機能または戻し機能のいず
れを適用するかは、最初の初期設定時に決めるものであ
るが、一つの暗算問題の中で常に同じ設定を必ずしも採
り続ける必要はないため、不正解であることが判った段
階で、どちらかの取り扱いを選択する形態も可能であ
る。この場合、不正解の判断が出た時点で、暗算問題の
進行を単に停止させただけでは、学習者は選択待機中な
のか、または計算対象段を送る途中なのかを迷うことが
予想されるため、どちらの機能を選択するかという表示
を積極的に行うことが好ましい。
【0056】〔学習形態1〕は、以上述べた実施の形態
を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次
のような改変が考えられる。すなわち先の図5に示した
形態では、計算対象段の第1段目から累計解答値または
定型語句を入力するものであるが、第1段目の累計解答
値は第1段目の数字そのものであるため、前記表2にお
いて表したように、第1段目は自動的に送る形態が可能
である。また初期設定に関しては、学習者自身または教
師が行うのではなく、それまでの学習によって蓄積した
学習履歴に基づいて、入力されたIDコードと連動し
て、本発明の暗算学習支援システムが以降の実質的な初
期設定を行う形態も可能である。
【0057】更にまた累計解答値の入力は、必ずしも音
声入力に因る必要はなく、キーボードによる打ち込み入
力、ペンにより数字描写入力、あるいは上記図4に示す
ような近接センサを付設したソロバンC等による入力等
が行える。またソロバン活き珠イメージの変更表示は、
累計解答値が正しい場合や、定型語句の入力を感知して
開始するようにしているが、計算対象段を表示してから
の経過時間によって変更表示させることも可能である。
【0058】また図3に示した出力装置4では、見取り
暗算問題と、ソロバン活き珠イメージとを同一画面に表
示し、この点において特に〔学習形態1〕では言及して
いないが、別の画面に表示させることが可能である。例
えば見取り暗算問題と、ソロバン活き珠イメージとを交
互に表示させ、学習者が暗算を行っている間は、ソロバ
ン活き珠イメージを全く表示させないようにすることが
可能である。特にソロバン活き珠イメージの表示時間を
積極的に調整自在とすることで、例えば次の計算対象段
が表示される時点においては、前段までのソロバン活き
珠イメージが残らないようにし、ソロバン活き珠イメー
ジ表示によって、次の暗算が妨げられることを、解消し
得るものである。また暗算問題と、ソロバン活き珠イメ
ージとを別々に表示できれば、ソロバン活き珠イメージ
のみを表示しながら、暗算問題を音声で出題する読上げ
算の練習が効果的に行える。
【0059】また学習履歴としては、上述のラップタイ
ム、累計所要時間、正答率等の他にも、学習者の間違い
の偏り(例えば繰上げミス何回等)等を挙げることもで
きる。更に学習履歴は、比較的、長期間蓄積することに
よって、学習者の上達度や不得意傾向の克服度等を客観
的に示すことができ、これが更なる学習意欲の向上につ
ながる、と考えられる。更にまた〔学習形態1〕では、
学習履歴を専ら出力装置4によって画面表示するように
説明したが、必ずしもこの形態に限定されるものではな
く、例えば別途プリンタ等を付設していれば、学習履歴
を適宜の用紙にプリントアウトすることが可能である。
因みにこの場合には学習を行った設定を併せて印刷する
ことが好ましく、これによって学習者のたどった学習経
過が、より理解しやすく、教師は以降の指導方針を的確
に決定することができる。また同一級を学ぶ学習者が、
複数いるような場合には、例えば正答率などを他人と競
争することで、個人の反復練習に偏りがちだった暗算学
習が目新しいものとなる。
【0060】また図1では、入力装置2、演算処理装置
3及び出力装置4とを同一教室内で接続するように図示
したが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、
例えば入力装置2及び出力装置4と、演算処理装置3と
を通信回線によって接続する形態も可能である。この場
合には、近年急速に普及してきたインターネットによっ
て、第三者の不特定多数の学習者がアクセス可能とな
る。また本発明の暗算学習支援システムは、学習者のみ
でも効率的な暗算学習が行えるものであるが、教師の指
導(例えば予め記憶した不正解推定原因以外で学習者が
不正解を出した場合の原因分析やその後の学習方針)が
加わることにより、更に効果的な暗算学習が行えること
はもちろんである。
【0061】〔学習形態2〕〔学習形態2〕は、暗算問
題の進行を、累計解答値の入力または一定時間の経過に
基づいて送るように設定した場合(自動送り)であり、
一例として図6の流れ図に沿って学習が進められる。な
おこの〔学習形態2〕は、〔学習形態1〕における、定
型語句の入力を、一定時間の経過に代えたものであっ
て、全体的な学習の流れ自体は、〔学習形態1〕を踏襲
するため、詳細な説明は省略する。
【0062】しかしながら〔学習形態2〕では、一定時
間の経過に基づいて計算対象段を送り得る設定としたた
め、例えば学習者がまだ暗算にそれほど慣れていない場
合や、学習対象の級を挙げてまだ間もない段階等にあっ
ては、一段毎の暗算が、一定時間に追い付けず、計算対
象段だけが先送りされる状況を招くことが考えられる。
このような場合には、入力装置2における一旦停止スイ
ッチの操作で、このような先送り状態を防ぐことが可能
である。なおこのように一旦停止スイッチを使用するに
あたっては、一旦停止スイッチを含む送り操作機能を、
他の送り設定(累計解答値の入力に基づく送り、定型語
句の入力に基づく送り、一定時間の経過に基づく送り
等)に対して優先するように設定しておくことが望まし
い。なお比較的、暗算に慣れてきた学習者にあっては、
例えば教師が学習者の力量を判断して、計算対象段を送
る一定時間を徐々に短縮させて行くような形態も可能で
ある。もちろん学習者が暗算にどの程度、慣れてきたか
を判断するのは、学習者自身であってもよいし、学習履
歴に基づいて演算処理装置3が行っても構わない。
【0063】〔学習形態2〕は、以上述べた実施の形態
を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次
のような改変が考えられる。すなわち先の図6に示した
形態では、計算対象段が戻され、学習者が間違えた個所
から暗算をやり直す際の時間も、当初の設定と同じ時間
に設定されるものであるが、学習者が自らの間違いの原
因を考え得る時間を考慮して、計算対象段を送るまでの
経過時間を戻し機能を適用した場合に限り、幾分長くす
ることが可能である。また逆に例えば不正解推定原因等
を表示した場合には、学習者はこの表示によって間違っ
た原因がいち早く理解できるため、当初の設定よりも幾
分短めに時間を設定することも可能である。なお上記
〔学習形態1〕や〔学習形態2〕の他にも、累計解答値
の入力、定型語句の入力または一定時間の経過のうちの
いずれかに基づいて、暗算問題を順次進行させて行く形
態も可能である。
【0064】
【実施の形態2】次に乗算または除算の暗算学習を目的
とした〔実施の形態2〕について説明する。これらを目
的とした暗算学習支援装置1Aは、基本的には〔実施の
形態1〕の装置を踏襲するものであるが、一例として図
7に示すように、出力装置4Aに表示される暗算問題が
各段毎に完結している点が異なる。すなわち学習者は、
必然的に一段毎の解答値を入力して行く形態となり(検
定の形態と同様)、この点において若干入力装置2及び
出力装置4Aが異なるものである。
【0065】このように〔実施の形態2〕では、一段毎
に解答が完結しているため、累計解答値という概念が存
在せず、一段毎に一つの解答値が存在することになる。
従って前記入力装置2における「指示送り/終答」及び
「自動送り/終答」のスイッチは、乗算または除算の学
習時には機能させないことになるが、乗算または除算の
学習専用に、これらのスイッチを最初から設けない入力
装置を別途用意することも可能である。因みに前記入力
装置2において問題の種別を表していた(ヨ)は、「乗
・除」の表示に替わる。
【0066】また特に乗算においては、答が4桁以上に
なることが考えられるが、これに合わせて活き珠イメー
ジの桁数を増減させると、学習者にとっては却って暗算
がやりにくくなるものである。また実際の暗算において
は下3桁を間違うことが多いため、この下3桁のイメー
ジが重要であり、従ってこの〔実施の形態2〕において
は、出力装置4Aのソロバン活き珠イメージ表示を常に
下3桁で行うようにしている。
【0067】
【発明の効果】まず請求項1記載の暗算学習支援システ
ムによれば、学習者は暗算を行う際、ソロバンの活き珠
イメージを脳裏に強く描いて暗算できるようになる。
【0068】また請求項2記載の暗算学習支援システム
によれば、出力装置4に表示される暗算問題は種々の形
態によって進行させることができるため、学習者自身が
もっとも学習しやすい学習環境に設定することができ
る。
【0069】更にまた請求項3記載の暗算学習支援シス
テムによれば、計算対象段を送る種々の設定のなかで、
入力装置2による送り操作を最優先しているため、どの
ような設定に基づいて暗算問題を進行させていても、学
習者の意志に基づいて一旦停止させることができる。従
って例えば一定時間の経過に基づいて暗算問題を進行さ
せた場合、学習者自身が一定時間内での暗算が難しいと
感じた際には、即座に暗算問題の進行を止めることがで
き、学習者への負担を解消し得る。
【0070】また請求項4記載の暗算学習支援システム
によれば、累計解答値の入力のみならず、定型語句の入
力によっても計算対象段を送り得るようにしたため、学
習者が暗算の初心者の場合であっても、比較的暗算に慣
れた上級者の場合であっても、種々の場合にも対応した
学習形態が採り得る。具体的には、学習者が初心者であ
る場合には、例えば累計解答値を一段毎に入力して、自
分の累計解答値の正誤を確認しながら学習者自身のペー
スに合った学習が行える。一方、学習者が上級者である
場合には、一段毎、累計解答値を入力する作業が煩わし
くなるため、例えば2〜3段を定型語句で送る形態が採
り得、暗算に集中していた神経をそのまま維持できる。
【0071】また請求項5記載の暗算学習支援システム
によれば、学習者は、累計解答値や定型語句を入力せず
に一定のペースで暗算学習を行うことができる。もちろ
ん学習者自身が、途中で累計解答値の正誤を確認した
い、と感じた場合に、即座に正誤を確認することもで
き、種々の学習形態が採り得る。
【0072】また請求項6記載の暗算学習支援システム
によれば、学習者が入力した累計解答値が正しい場合、
計算対象段は自動的に次に送られるため、学習者自身は
脳裏に描いたソロバン珠のみに、ほぼ神経を集中させる
ことができる。また学習者は、計算対象段が次に送られ
たことによって、自分の入力した累計解答値が正しかっ
たことが判り、特に積極的に「正解」という表示等を学
習者に示す必要がない。
【0073】また請求項7記載の暗算学習支援システム
によれば、学習者は間違えた即座に自分のミスを知るこ
とができ、間違えた個所からやり直すことができる。従
って学習者は、自分の不得意傾向が明確に理解でき、以
降の暗算に即、活かすことができる。
【0074】また請求項8記載の暗算学習支援システム
によれば、学習者が正しくない累計解答値を入力した場
合であっても、これを仮の正解値とみなし、以降の暗算
問題が継続して行えるため、暗算のスピード(暗算の際
に学習者が脳裏に描いたソロバン珠を動かすリズム)を
主に習得することができる。また比較的ミスを起こしや
すい学習者にあっては、ミスした部分に戻ってやり直す
という学習形態だけでは、最後まで集中力が継続できな
いことも考えられるが、上述した仮正解みなし機能及び
継続機能を適用して、暗算問題をまず一通り終えること
によって、学習者は達成感が得られ、これが更なる学習
意欲につながる、と期待される。
【0075】また請求項9記載の暗算学習支援システム
によれば、みなし機能を適用した場合、不正解の累計解
答値に合わせてソロバン活き珠イメージを修正表示する
ため、学習者は、以降の暗算問題に、より神経を集中さ
せて取り組むことができる。もちろんこのような形態
は、学習者の間違いを指摘するよりも暗算問題を継続さ
せることに主眼を置いた手法であり、正確さ以外に要求
されるスピードを主に習得する際に適した手法と考えら
れる。
【0076】また請求項10記載の暗算学習支援システ
ムによれば、暗算を行う際、脳裏に描いていたソロバン
珠のイメージが、まだ鮮明なうちに、学習者に不正解推
定原因を知らせることができるため、学習者は自分が何
処で、何故間違えたかを、明確に理解できる。
【0077】また請求項11または12記載の暗算学習
支援システムによれば、ソロバン活き珠イメージや不正
解推定原因を表示させるまでの時間を適宜調整できるた
め、学習者の力量に応じた設定が可能である。なお学習
者の力量を判断するにあたっては、学習者自身はもちろ
ん、教師や本発明の一構成部材である演算処理装置3が
行っても構わない。
【0078】また請求項13記載の暗算学習支援システ
ムによれば、暗算の上達に障害となる、専ら数字に依存
した筆算的暗算を、学習の初期段階において確実に発見
でき、早いうちにソロバン珠をイメージした珠算式暗算
に移行させ、習慣付けることができる。
【0079】また請求項14記載の暗算学習支援システ
ムによれば、暗算問題終了後に、学習履歴を表示するた
め、教師が学習者の間違えた個所やその原因を入念に解
析でき、以降の暗算に活かすことができる。また学習履
歴を随時、演算処理装置3に記憶、蓄積して行くこと
で、過去の自分の学習履歴と比較することができ、学習
者は、自分の上達度や不得意傾向の克服度等が明確に理
解できる。更に同じ級を学ぶ学習者が複数いるような場
合には、例えば正答率等で競う合うことができ、単調に
なることがあった暗算学習そのものが一新され得る。
【0080】また請求項15記載の暗算学習支援システ
ムによれば、演算処理装置3には学習者の不得意傾向を
分析し、これを克服するための問題を選択または作成す
る機能があるため、必ずしも教師が学習者を指導する必
要がなく、端的には、学習者一人だけでも効率的な暗算
学習を行うことができる。従って学習者は、自分の時間
の都合が良いときに、ほぼ自由に学習が行える。
【0081】また請求項16記載の暗算学習支援システ
ムによれば、本発明の暗算学習支援システムを、不特定
多数の学習者に対して提供できる。また学習者は学習す
る場所も時間も、ほとんど制約されることがなく、ほぼ
自由に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の暗算学習支援システムを作動させるた
めの暗算学習支援装置の一例を示す斜視図である。
【図2】暗算学習支援装置の一構成部材である入力装置
の一例を示す正面図である。
【図3】暗算学習支援装置の一構成部材である出力装置
の一例を示す正面図である。
【図4】累計解答値を入力するにあたって適用可能な、
近接センサを付設したソロバンを示す説明図である。
【図5】加減算を目的とした〔実施の形態1〕におい
て、暗算問題を累計解答値の入力または定型語句の入力
に基づいて進行させるようにした場合の具体的な学習形
態を示す流れ図である。
【図6】加減算を目的とした〔実施の形態1〕におい
て、暗算問題を累計解答値の入力または一定時間の経過
に基づいて進行させるようにした場合の具体的な学習形
態を示す流れ図である。
【図7】乗算または除算を目的とした〔実施の形態2〕
において、適用し得る出力装置の一例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 暗算学習支援装置 1A 暗算学習支援装置 2 入力装置 3 演算処理装置 4 出力装置 4A 出力装置 C 近接センサを付設したソロバン M 指示マーク S 近接センサ

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 学習者情報、設問情報、解答情報等を入
    力する入力装置と、この入力装置からの情報を受けて、
    学習者が入力した累計解答値の正誤判定機能を含み、出
    力装置において1または2以上の内容を表示させる機能
    を有する演算処理装置と、暗算問題表示、ソロバン活き
    珠イメージ表示、正解値表示等を出力し得る出力装置と
    を具えて成り、暗算問題の計算対象段の進行に伴い、ソ
    ロバン活き珠イメージを順次変更表示するようにしたこ
    とを特徴とする暗算学習支援システム。
  2. 【請求項2】 前記出力装置に表示される暗算問題を進
    行させるにあたっては、一定時間の経過、学習者が入力
    する累計解答値、学習者が入力する定型語句または前記
    入力装置による送り操作のうち1または2以上の項目に
    基づいて、計算対象段が一段ずつ送られるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の暗算学習支援システム。
  3. 【請求項3】 前記入力装置による送り操作は、計算対
    象段の送りを一時停止させる機能と、計算対象段を一段
    前に戻す機能と、計算対象段を一段先に進める機能とを
    有するものであって、この送り操作は、累計解答値の入
    力、定型語句の入力または一定時間の経過等に基づいて
    計算対象段を送る設定に対して優先されることを特徴と
    する請求項2記載の暗算学習支援システム。
  4. 【請求項4】 前記暗算問題表示の進行を、累計解答値
    の入力または定型語句の入力に基づいて送るように設定
    した場合には、学習者は、計算対象段が一段ずつ進行す
    ることに従い、その段までの累計解答値または定型語句
    を一段毎に入力するものであって、入力された累計解答
    値は、前記演算処理装置によって正誤判定がなされるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の暗算学習支
    援システム。
  5. 【請求項5】 前記暗算問題表示の進行を、累計解答値
    の入力または一定時間の経過に基づいて送るように設定
    した場合には、学習者は、計算対象段の進行に伴い、適
    宜の計算対象段において、その段までの累計解答値を入
    力するものであって、入力された累計解答値は、前記演
    算処理装置によって正誤判定が成されることを特徴とす
    る請求項1、2または3記載の暗算学習支援システム。
  6. 【請求項6】 前記学習者の入力した累計解答値が正し
    い場合には、暗算問題表示は、前記演算処理装置によっ
    て次の計算対象段へ進められることを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5記載の暗算学習支援システム。
  7. 【請求項7】 前記学習者の入力した累計解答値が正し
    くない場合には、前記演算処理装置によって暗算問題表
    示は逆上って、最後に正しい累計解答値を入力した計算
    対象段の直後まで戻り、学習者が間違えた個所の暗算を
    やり直せるようにしたことを特徴とする請求項1、2、
    3、4または5記載の暗算学習支援システム。
  8. 【請求項8】 前記学習者の入力した累計解答値が正し
    くない場合には、前記演算処理装置によって不正解の累
    計解答値を、その段までの仮の正解値とみなし、計算対
    象段を戻すことなく、以後の暗算問題をそのまま継続で
    きるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4
    または5記載の暗算学習支援システム。
  9. 【請求項9】 前記学習者の入力した不正解の累計解答
    値を、その段までの仮の正解値とみなす場合には、仮の
    正解値に合わせてソロバン活き珠イメージを修正表示す
    るようにしたことを特徴とする請求項8記載の暗算学習
    支援システム。
  10. 【請求項10】 前記演算処理装置は、予め学習者の間
    違いやすい不正解推定原因を複数パターン記憶するもの
    であり、前記学習者の入力した累計解答値が正しくない
    場合に、累計解答値と正解値とを比較分析し、記憶され
    ていた不正解推定原因のうち1または2以上の項目を選
    択して、前記出力装置に表示するようにしたことを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、7、8または9記載
    の暗算学習支援システム。
  11. 【請求項11】 前記演算処理装置は、学習者の意向に
    より、もしくは学習者の意向に関わらず、暗算問題の計
    算対象段を表示してからソロバン活き珠イメージを表示
    するまでの時間または累計解答値や定型語句等を入力し
    てからソロバン活き珠イメージを表示するまでの時間を
    適宜調整し得る機能を有するものであり、前記入力装置
    には、この調整を行う設定スイッチが設けられているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9または10記載の暗算学習支援システム。
  12. 【請求項12】 前記演算処理装置は、学習者の意向に
    より、もしくは学習者の意向に関わらず、入力された累
    計解答値が不正解であった場合、累計解答値を入力して
    から不正解推定原因を表示するまでの時間を適宜調整し
    得る機能を有するものであり、前記入力装置には、この
    調整を行う設定スイッチが設けられていることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、7、8、9または10
    記載の暗算学習支援システム。
  13. 【請求項13】 前記演算処理装置は、学習者の意向に
    より、もしくは学習者の意向に関わらず、暗算問題の出
    題を音声のみに切り替え、学習者が主に数字を視覚的に
    とらえた暗算を行えないようにする筆算的暗算見破り機
    能を有するものであり、前記入力装置には、音声のみの
    出題に切り替える設定スイッチが設けられることを特徴
    とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11または12記載の暗算学習支援システム。
  14. 【請求項14】 前記学習者が暗算問題を終了した後に
    は、暗算問題の各段におけるラップタイム、各段までの
    累計所要時間、正答率、不正解推定原因等の学習履歴
    を、学習者情報の一部として前記演算処理装置に記憶
    し、前記出力装置またはプリンタによって表示するよう
    にしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10、11、12または13記載の暗
    算学習支援システム。
  15. 【請求項15】 前記演算処理装置は、記憶された学習
    履歴に基づいて、学習者の不得意傾向を分析し、この不
    得意傾向を克服するための暗算問題を選択または作成す
    る機能を有し、次回以降の暗算問題に反映させるように
    したことを特徴とする請求項14記載の暗算学習支援シ
    ステム。
  16. 【請求項16】 前記入力装置及び出力装置と、演算処
    理装置とは、通信回線を介して接続されることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11、12、13、14または15記載の暗算学習
    支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100777385B1 (ko) 2006-08-23 2007-11-29 주식회사 올엔에이스 암산 학습 장치
WO2010014464A2 (en) * 2008-07-31 2010-02-04 Senapps Llc Computer-based abacus training system
KR101137267B1 (ko) 2009-05-07 2012-04-20 주식회사 노개명수학 수 연산 자동 암기 학습장치 및 방법
JP2015102955A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 株式会社アドバンスト・メディア 情報処理装置、サーバ、情報処理方法及びプログラム

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