JP2002071521A - 歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿命予測方法および記録媒体 - Google Patents

歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿命予測方法および記録媒体

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JP2002071521A JP2000259563A JP2000259563A JP2002071521A JP 2002071521 A JP2002071521 A JP 2002071521A JP 2000259563 A JP2000259563 A JP 2000259563A JP 2000259563 A JP2000259563 A JP 2000259563A JP 2002071521 A JP2002071521 A JP 2002071521A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数種類のストレスが複合的に作用して歯付
ベルトが寿命に至る場合であっても、歯付ベルトの寿命
を高い精度で予測する。 【解決手段】 等価寿命算出部12のk1 演算部12
a、k2 演算部12b、k3 演算部12cが、曲げスト
レス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに関連したパ
ラメータk1 、k2 、k3 をそれぞれ算出し、Nbij 演
算部12d、Npij演算部12e、Ntij 演算部12f
が、パラメータk1 、k2 、k3 を用いて等価寿命サイ
クル数Nbij 、Npij 、Ntij をそれぞれ算出する。そ
して、走行可能サイクル数算出部13が、等価寿命サイ
クル数Nbij 、Npij 、Ntij をマイナー則にしたがっ
て結合することによって歯付ベルトの走行可能サイクル
数Nを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の歯付プーリ
と噛合する歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿
命予測方法およびこれを実行するためのプログラムが記
録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両では、動力伝達のため
の部材として、幅方向に沿って伸延した凹凸状のベルト
歯を有し且つ長手方向に沿って心線が埋設された歯付ベ
ルトがこれと噛合する歯付プーリと共に広く用いられて
いる。近年、自動車エンジン性能の向上に連れて歯付ベ
ルトにかかる負荷が大きくなっており、そのため、長期
間に渡って使用された歯付ベルトのベルト歯が欠けるな
どの現象が生じている。このような背景の元、歯付ベル
トの寿命を正確に予測することが強く望まれている。
【0003】例えば、特開平11−247951号公報
には、センサで検出された歯付ベルトの温度に基づいて
歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載されている。ま
た、特開平9−133592号公報には、FEM解析に
より算出された歯付ベルトに作用する摩擦滑り仕事に基
づいて歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載されてい
る。また、特開平7−332443号公報には、入力さ
れたデータからFEM解析により算出された歯付ベルト
に作用する歯部反力(歯荷重)分布に基づいてマイナー
則を利用して歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した3つの公報に
記載された歯付ベルトの寿命を予測する技術は、歯付ベ
ルトのすべての故障が温度や摩擦滑り仕事、歯部反力と
いった歯付ベルトに加えられる1種類のストレスだけに
起因するという立場の上に成り立っている。しかしなが
ら、実際の歯付ベルトの故障は1種類のストレスだけに
起因して発生するものではないので、上述した寿命予測
技術によっては、歯付ベルトの寿命を正確に予測できな
いことがある。
【0005】例えば、歯付ベルトの温度に基づいて寿命
予測を行う特開平11−247951号公報の技術によ
ると、歯付ベルトに加えられる疲労の大きさを全体とし
て把握して寿命予測を行うことができるが、この技術
は、個別の実機に温度センサを取り付けてリアルタイム
に残余寿命を判定するものであって、歯付ベルトに一般
的な稼動条件を与えてその寿命を机上で予測することが
できないものである。
【0006】また、摩擦滑り仕事に基づいて寿命予測を
行う特開平9−133592号公報および歯部反力分布
に基づいて寿命予測を行う特開平7−332443号公
報の技術によると、瞬発的なストレスが繰り返して付与
されることによる故障を考慮して寿命予測を行うことが
できるものの、僅かな伝達馬力を伝える用途に用いられ
た場合に、プーリ部での曲げストレスによる心線ロープ
疲労による故障(心線の切断や心線と接着層との剥離、
心線のはみ出しなどに起因した故障)を考慮して寿命予
測を行うことができない。
【0007】このように、上述した公報に記載の技術に
よると、複数種類のストレスが複合的に作用する場合に
高い精度で歯付ベルトの寿命予測ができないことがあ
る。加えるに、特開平7−332443号公報の技術に
よると、歯部反力分布を求めるためにFEM解析或いは
数値解析等の複雑且つ多ステップの作業が必要になり、
歯付ベルトの寿命予測を行うまでに長時間を要するとい
う不具合がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、複数種類のスト
レスが複合的に作用する場合であっても、比較的短時間
の簡単な作業によって高い精度で歯付ベルトの寿命を予
測することが可能な歯付ベルトの寿命予測装置および寿
命予測方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の研究過程において、本発明者らは、歯付ベルトの寿命
を予測する際に、歯付プーリを通過するときに歯付ベル
トに加えられる荷重として曲げ荷重、圧縮荷重およびせ
ん断荷重の3つの荷重を考慮するという着想に至った。
このような着想は、歯付ベルトの故障を、曲げ荷重に起
因して発生する心線ロープの屈曲疲労によって歯欠け或
いはベルト切断に至る故障モード、圧縮荷重に起因して
発生する歯底部にある歯布の摩擦磨耗のために歯欠けに
至る故障モード、および、せん断荷重(駆動プーリでは
ベルト歯部の後側歯元にせん断荷重を受け、従動プーリ
ではベルト歯部の前側歯元にせん断荷重を受ける)に起
因して成長する歯元クラックから歯欠けに至る故障モー
ドの3つの故障モードに分離して考えるのが妥当であろ
うという推測に基づく。
【0010】そして、この着想に基づいて鋭意研究を重
ねた結果、上記3つの各荷重に基づいて歯付プーリから
歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスお
よびせん断ストレスに対する歯付ベルトの各歯付プーリ
における等価寿命サイクル数(同一ストレスが繰り返し
て与えられたときにベルトが破壊するまでのサイクル
数)が、3種類のストレスごとに比較的簡単な数式で表
されることが実験的に判明した。
【0011】すなわち、ベルト張力を一定としたある稼
動条件の元において、曲げストレス、圧縮ストレスおよ
びせん断ストレスに対する歯付ベルトの各歯付プーリi
(i=1,2,……,n)における等価寿命サイクル数
(Nbi:曲げストレスに対する等価寿命サイクル数,N
pi:圧縮ストレスに対する等価寿命サイクル数,Nti:
せん断ストレスに対する等価寿命サイクル数)は、k1
を曲げストレスに関するパラメータ、k2 を圧縮ストレ
スに関するパラメータおよびk3 をせん断ストレスに関
するパラメータとすると、以下の式(1)〜(3)のよ
うに表すことができる。
【0012】
【数1】
【0013】
【数2】
【0014】
【数3】
【0015】ここで、上記3つのパラメータk1 、k2
、k3 は、以下の式(4)〜(6)のように表すこと
ができる。
【0016】
【数4】
【0017】
【数5】
【0018】
【数6】
【0019】式(4)〜(6)において、Dはプーリピ
ッチ径(mm)(図1参照)、T1は歯付ベルトの張り
側(駆動プーリに近づきつつある側)張力(kgf)、
T2は歯付ベルトのゆるみ側(従動プーリに近づきつつ
ある側)張力(kgf)、TIMはベルトとプーリとの
噛み合い歯数、Ep は歯付ベルトの有効張力(=T1−
T2 )(kgf)、f0 、f1 、f2 、f3 、a0 およ
びa1 は歯付ベルトの種別などによって決まる定数であ
る(例えば、f1 はプーリの心線ロープ径に関連した数
値であってよい)。また、補正係数ci は駆動側歯付プ
ーリおよび従動側歯付プーリについてそれぞれ一定の値
をとり、例えばS8M型ベルトの場合に駆動側歯付プー
リについて0.85、従動側歯付プーリについて1.0
である(駆動側歯付プーリに比べて従動側歯付プーリの
歯部が歯付ベルトから抜けにくい分だけ従動側歯付プー
リからのダメージが大きくなる)。従って、パラメータ
k1 、k2 、k3 は、特定の稼動条件の元ではすべて一
定の値をとる。なお、上記式(4)または(5)に基づ
いて計算したパラメータk1 、k2 が負の値となるとき
は、k1 =0、k2 =0とおくものとする。
【0020】式(1)〜(6)は、以下のような実験に
基づいて得られたものである。まず、曲げストレスにつ
いての関係式(1)、(4)は、等プーリの2軸走行試
験機を使用し、このときの試験条件を、(a)動力を無
負荷(有効張力ゼロ)とし、せん断ストレスの影響を排
除すると共に、(b)初張力を最小化し、圧縮ストレス
の影響を排除する条件の元に、プーリ径を様々な値に変
更する実験から得られたS(ストレス)−N(走行可能
サイクル数)曲線に基づいて導出された。また、圧縮ス
トレスについての関係式(2)、(5)は、等プーリの
2軸走行試験機を使用し、このときの試験条件を、
(a)動力を無負荷(有効張力ゼロ)とし、せん断スト
レスの影響を排除すると共に、(b)予め定められたプ
ーリ径以上の径を有するプーリを使用し、曲げストレス
の影響を排除する条件の元に、初張力を様々な値に変更
する実験から得られたS−N曲線に基づいて導出され
た。また、せん断ストレスについての関係式(3)、
(6)は、等プーリの2軸走行試験機を使用し、このと
きの試験条件を、(a)負荷を伝達するために必要な最
小限の初張力とし、圧縮ストレスの影響を極力排除する
と共に、(b)予め定められたプーリ径以上の径を有す
るプーリを使用し、曲げストレスの影響を排除する条件
の元に、動力(有効張力)を様々な値に変更する実験か
ら得られたS−N曲線に基づいて導出された。
【0021】曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断
ストレスは一体となって複合的に歯付ベルトに与えられ
るものであるから、最終的なベルト故障に至る過程は複
雑であり、例えば、曲げストレスによる心線の剥離に起
因する歯元クラックと、圧縮ストレスによる歯布磨滅の
ための歯元クラックと、せん断ストレスによる歯元クラ
ックとを区別して考えることはできない。つまり、上記
3つのストレスは相互に関連し合って全体として歯付ベ
ルトを疲労させて故障に至らせるものと推定されるか
ら、歯付ベルトの寿命を求めるには、上記等価寿命サイ
クル数をマイナー則にしたがって結合する必要がある。
【0022】1本の歯付ベルトには、これと噛合するn
個の各歯付プーリから3種類のストレスが独立に与えら
れることになる。従って、ある稼動条件の元においてあ
る特定の歯付プーリiでの等価寿命サイクル数をNi と
すると、この歯付プーリiには3種類のストレスがNi
回加えられることになるので、マイナー則に基づいて上
記式(1)〜(3)を3種類のストレス(b,p,t)
について結合することにより以下の式(7)が成立す
る。式(7)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走
行可能サイクル数)で定義されるマイナー値である。
【0023】
【数7】
【0024】また、ある稼動条件の元における歯付ベル
トの走行可能サイクル数をNとすると、故障が発生する
までの間において歯付ベルトにはすべての歯付プーリか
ら3種類のストレスがN回加えられることになるので、
マイナー則に基づいて上記式(7)を全歯付プーリiに
ついて結合することにより以下の式(8)が成立する。
式(8)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走行可
能サイクル数)で定義されるマイナー値である。式
(8)においては、ストレス種類および歯付プーリの2
つについてマイナー則が2重に適用されている。
【0025】
【数8】
【0026】式(8)で表された合計マイナー値のうち
未知数は走行可能サイクル数Nだけであるので、式
(8)を解くことによって与えられた稼動条件の元にお
ける歯付ベルトの寿命、すなわち歯付ベルトの走行可能
サイクル数Nを、上記3つの故障モードが考慮された従
来よりも高い精度で、FEM解析などの複雑で時間のか
かる演算を行う必要なく比較的短時間で得ることができ
る。また、歯付プーリの数に制限はなく、3軸以上の多
軸の場合にも適用可能である。
【0027】すなわち、請求項1の歯付ベルトの寿命予
測装置は、ある稼動条件の元において複数の歯付プーリ
からこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、
圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから
前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレ
スおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯
付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスご
とにそれぞれ算出する等価寿命算出手段と、前記等価寿
命算出手段によって算出された各歯付プーリにおける3
種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルト
の等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基
づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出手
段とを備えている。
【0028】また、請求項8の歯付ベルトの寿命予測方
法は、ある稼動条件の元において複数の歯付プーリから
これと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮
荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記
歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスお
よびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プ
ーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとに
それぞれ算出する等価寿命算出ステップと、前記等価寿
命算出ステップにおいて算出された各歯付プーリにおけ
る3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベ
ルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合すること
に基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算
出ステップとを備えている。
【0029】ここで、走行可能サイクル数Nを利用する
と、歯付ベルトの全長をL、この稼動条件での歯付ベル
トのベルト速度をVとして、歯付ベルトの走行可能時間
H0は、以下の式(9)で表すことができる。また、こ
の稼動条件での走行可能距離Sは、以下の式(10)で
表すことができる。
【0030】
【数9】
【0031】
【数10】
【0032】すなわち、請求項6の歯付ベルトの寿命予
測装置は、前記寿命値算出手段が算出した寿命値を、前
記歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能時間およ
び走行可能距離の少なくともいずれか1つに変換するた
めの変換手段をさらに備えている。
【0033】また、式(9)により求められた歯付ベル
トの走行可能時間H0 は歯付ベルトの温度が考慮されて
いないものであるため、上述のようにして得られた走行
可能時間H0 に以下の式(11)に基づいて温度補正を
施すことによって、より正確な補正済み走行可能時間H
が得られることも判明した。ただし、式(11)におい
て補正係数Kは、tmp0を基準温度(例えば80℃)、tm
p を歯付ベルトの温度(℃)(X℃(例えば40℃)以
下の時はtmp =Xで一定とする)、kを寿命半減温度
(例えば15℃)として、式(12)のように表され
る。
【0034】
【数11】
【0035】
【数12】
【0036】すなわち、請求項7の歯付ベルトの寿命予
測装置は、前記寿命値算出手段からの出力値に温度補正
を施すための温度補正手段をさらに備えている。なお、
請求項7において、寿命値算出手段からの出力値とは、
寿命値算出手段から出力された値だけではなく、寿命値
算出手段から出力された後に請求項6の変換手段で変換
された値(歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能
時間および走行可能距離のいずれか)も含むものとす
る。
【0037】上述の議論は、上述のように歯付ベルトの
稼動条件を一定に保持しておく場合だけではなく、使用
比率が予め定められた複数の稼動条件で歯付ベルトを稼
動させる場合にも有効である。このような場合、3種類
のストレスのそれぞれに対する歯付ベルトの各歯付プー
リにおける等価寿命サイクル数を各稼動条件ごとに算出
し、算出された等価寿命サイクル数を各稼動条件の使用
比率を加味してマイナー則にしたがって結合することに
基づいて、歯付ベルトの寿命、すなわち歯付ベルトの走
行可能サイクル数を求めることができる。
【0038】つまり、各稼働条件をパラメータj(j=
1,2,3,……,m)で区別し、各稼働条件jの使用
比率をQj (Q1 +Q2 +……+Qm =1)と表すこと
にすると、3種類のストレスのそれぞれに対する歯付ベ
ルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命
サイクル数(Nbij :曲げストレスに対する等価寿命サ
イクル数,Npij :圧縮ストレスに対する等価寿命サイ
クル数,Ntij :せん断ストレスに対する等価寿命サイ
クル数)は、以下の式(13)〜(15)のように表す
ことができる。ただし、この場合、パラメータk1 、k
2 、k3 は稼動条件に応じて変動する。
【0039】
【数13】
【0040】
【数14】
【0041】
【数15】
【0042】1本の歯付ベルトには歯付ベルトと噛合す
るn個の各歯付プーリから3種類のストレスが、稼動条
件ごとに独立に与えられることになる。このとき、歯付
ベルトの走行可能サイクル数をNとすると、故障が発生
するまでの間において歯付ベルトにはすべての歯付プー
リから、稼動条件jごとに3種類のストレスがQj ×N
回加えられることになるので、マイナー則に基づいて上
記式(13)〜(15)を、3種類のストレス(b,
p,t)、全歯付プーリiおよび全稼動条件jについて
結合することにより以下の式(16)が成立する。式
(16)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走行可
能サイクル数)で定義されるマイナー値である。式(1
6)においては、ストレス種類、歯付プーリおよび稼動
条件の3つについてマイナー則が3重に適用されてい
る。
【0043】
【数16】
【0044】式(16)で表された合計マイナー値のう
ち未知数は走行可能サイクル数Nだけであるので、式
(16)を解くことによって使用比率に従う歯付ベルト
の寿命、すなわち歯付ベルトの走行可能サイクル数Nが
求められる。上記のように3つの故障モードおよび稼動
条件の変動を考慮することによって、FEM解析などの
複雑で時間のかかる演算を行う必要なく、且つ短時間で
高精度な結果を得ることができる。また、稼動条件の数
に制限はなく、2個若しくは3個以上の多稼動条件の場
合にも適用可能である。
【0045】すなわち、請求項2の歯付ベルトの寿命予
測装置は、前記等価寿命算出手段が、3種類の前記スト
レスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリ
における等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の
稼動条件ごとに算出し、前記寿命値算出手段が、3種類
の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各
歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナ
ー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベル
トの寿命値を算出するものである。
【0046】また、請求項9の歯付ベルトの寿命予測方
法は、前記等価寿命算出ステップにおいて、3種類の前
記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付
プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた
複数の稼動条件ごとに算出し、前記寿命値算出ステップ
において、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前
記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの
等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づ
いて前記歯付ベルトの寿命値を算出するものである。
【0047】なお、上述の説明は、歯付ベルトの寿命値
としてその走行可能サイクル数Nを最初に求めて後で式
(9)、(10)のような変換式を用いて走行可能時
間、走行可能距離を求める場合について説明したが、最
初に歯付ベルトの走行可能時間または走行可能距離を求
めて後でこれを走行可能サイクル数に変換してもよい。
その場合、式(1)〜(3)(或いは式(13)〜(1
5))および式(9)、(10)に基づいてパラメータ
k1 、k2 、k3 と走行可能時間(或いは走行可能距
離)に関する等価寿命との関係をそれぞれ導出し、等価
寿命時間(或いは等価寿命距離)をマイナー則により結
合して寿命値として走行可能時間(或いは走行可能距
離)を算出すればよい。
【0048】また、上記3つのパラメータk1 、k2 、
k3 は、より正確には式(4)〜(6)のように表され
るが、概念的には以下の式(17)〜(19)のような
関数式で表すことも可能である。
【0049】
【数17】
【0050】
【数18】
【0051】
【数19】
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施の形
態について、図面を参照しつつ説明する。
【0053】まず、本実施の形態が適用される歯付ベル
トおよびこれと噛合する歯付プーリの構造について、図
1を参照して説明する。図1は、本実施の形態が適用さ
れる歯付ベルトを有する伝動機構の模式図である。図1
に示すS8M形の歯付ベルト1の内側面には、その幅方
向に沿って多数の丸歯形の歯部5が8mmピッチで形成
されている。また、歯付ベルト1の内部には、その長手
方向に沿ってスパイラル状に心線(図示せず)が埋設さ
れている。
【0054】歯付ベルト1は、回転軸方向に沿った歯部
4を外周部にそれぞれ有する駆動側歯付プーリ2および
従動側歯付プーリ3の2つの歯付プーリと噛合してお
り、駆動側歯付プーリ2によって図中反時計周りに駆動
させられて従動側歯付プーリ3を図中反時計周りに回転
させる。
【0055】図1に示すように、歯付ベルト1には、歯
付プーリ2、3と噛合している間に、曲げ荷重、圧縮荷
重およびせん断荷重の3種類の荷重が歯付プーリ2、3
から加えられる。曲げ荷重は、歯付ベルト1を曲げる方
向に作用する荷重であり、その大きさは歯付プーリ2、
3の径および心線ロープ径によって決定される。圧縮荷
重は、歯付プーリ2、3の歯頂部4aが隣接する歯部5
間にある歯底部6を押圧することによる荷重であり、そ
の大きさは、歯付プーリ2、3のピッチ径、歯付プーリ
2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯
付ベルト1のスパン張力(張り側張力T1 、ゆるみ側張
力T2 )に基づいて決定される。せん断荷重は、駆動側
では歯付プーリ2の歯部4から歯付ベルト1の歯部5の
後面に作用する荷重であり、従動側では歯付プーリ3の
歯部4から歯付ベルト1の歯部5の前面に作用する荷重
である。そして、その大きさは、歯付プーリ2、3と歯
付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1
の有効張力Ep (T1 −T2 )に基づいて決定される。
【0056】次に、本実施の形態に係る歯付ベルトの寿
命予測装置について図2に基づいて説明する。図2は、
本実施の形態に係る歯付ベルトの寿命予測装置のブロッ
ク図である。
【0057】図2に示すように、本実施の形態に係る歯
付ベルトの寿命予測装置10は、記憶部11と、等価寿
命算出部12、走行可能サイクル数算出部(寿命値算出
部)13、変換部14および温度補正部15を備えてい
る。寿命予測装置10の各部11〜15は、例えば汎用
のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって
構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、R
OM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置
などのハードウェアが収納されており、ハードディスク
には当該情報処理装置を歯付ベルトの寿命予測装置10
として機能させるための寿命予測プログラム(このプロ
グラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブ
ルな記録媒体に記録しておくことにより、様々なコンピ
ュータにインストールすることが可能である。)を含む
各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これら
のハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされるこ
とによって、上述の各部11〜15が構築されている。
【0058】記憶部11には、歯付ベルト1の種別など
によって決まる定数f0 、f1 、f2 、f3 、a0 、a
1 を含み、等価寿命算出部12、走行可能サイクル数算
出部13、変換部14、温度補正部15での演算に必要
な数値が記憶されている。また、記憶部11には、情報
処理装置に接続されたキーボードやマウスなどの入力装
置から入力されたスパン張力T1 、T2 やプーリピッチ
径D、各稼動条件の使用比率などの数値が記憶される。
等価寿命算出部12は、k1 演算部12a、k2 演算部
12b、k3 演算部12c、Nbij 演算部12d、Npi
j 演算部12eおよびNtij 演算部12fを備えてい
る。
【0059】次に、本実施の形態の寿命予測装置10の
動作について、寿命予測装置10内の各部の機能と合わ
せて、図3を参照して説明する。図3は、寿命予測装置
10の動作を順に示したフローチャートである。
【0060】まず、ステップS1では、キーボードやマ
ウスなどの入力装置を用いて張り側張力T1 やゆるみ側
張力T2 、噛み合い歯数TIM、使用される歯付ベルト
1の種別、歯付ベルト1が使用される温度条件を入力す
る。入力されたデータは、記憶部11に記憶される。な
お、情報処理装置に歯付ベルトの張力計算プログラムが
インストールされている場合には、この張力計算プログ
ラムを用いて、張り側張力T1 、ゆるみ側張力T2 、噛
み合い歯数TIM、有効張力Ep 、ベルト速度Vを求め
ることができる。そして、張力計算プログラムによる計
算結果が歯付ベルトの寿命予測プログラムにおける計算
に用いられるように、両方のプログラムをリンクさせて
演算処理を行うようにしてもよい。
【0061】ステップS2では、等価寿命算出部12の
k1 演算部12a、k2 演算部12b、k3 演算部12
cが、記憶部11から受け取ったデータf0 、TIM…
を用いて、式(4)〜(6)に基づいて3種類のストレ
スに関連したパラメータk1、k2 、k3 をそれぞれ算
出する。
【0062】ステップS3では、等価寿命算出部12の
Nbij 演算部12d、Npij 演算部12e、Ntij 演算
部12fが、ステップS2で算出されたパラメータk1
、k2 、k3 を用いて、式(13)〜(15)に基づ
いて等価寿命サイクル数Nbij、Npij 、Ntij をそれ
ぞれ算出する。
【0063】ステップS4では、走行可能サイクル数算
出部13が、ステップS3で算出された等価寿命サイク
ル数Nbij 、Npij 、Ntij を、式(16)に示すよう
にマイナー則にしたがって結合する。さらに、走行可能
サイクル数算出部13は、記憶部11から受け取ったデ
ータQj を用いて式(16)から走行可能サイクル数N
を算出し、得られた走行可能サイクル数Nを変換部14
および温度補正部15に出力する。
【0064】ステップS5では、変換部14が、ステッ
プS4で算出された歯付ベルト1の走行可能サイクル数
Nを、記憶部11から受け取ったデータL、Vを用い
て、式(9)、(10)にしたがって歯付ベルト1の走
行可能時間H0 および/または走行可能距離Sに変換し
て出力する。
【0065】ステップS6では、温度補正部15が、ス
テップS4で算出されて走行可能サイクル数算出部13
から供給された走行可能サイクル数Nと、ステップS5
で算出されて変換部14から供給された走行可能時間H
0 および/または走行可能距離Sとを、ステップS1で
入力され記憶部11から受け取ったデータtmp 、tmp0、
kを用いて、式(11)、(12)に基づいて補正す
る。温度補正部15で補正された走行可能サイクル数
N、走行可能時間H0 、走行可能距離Sは、当該情報処
理装置に接続された出力装置であるディスプレイに表示
されたり、プリンタによって用紙に印刷される。
【0066】このように、本実施の形態によると、各歯
付プーリ2、3から歯付ベルト1に与えられるストレス
を曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスの
3つに分けて各ストレスに対する等価寿命サイクル数N
bij 、Npij 、Ntij を算出し、これをマイナー則を用
いて結合することに基づいて歯付ベルト1の走行可能サ
イクル数Nを算出するので、複数種類のストレスが複合
的に作用することによって歯付ベルト1が寿命に至る場
合であっても、従来よりも高い精度でベルト寿命を予測
することができる。また、FEM解析や数値解析などの
複雑で時間のかかる演算を行う必要がなく、比較的短時
間で寿命を予測することが可能である。
【0067】さらに、本実施の形態によると、複数の稼
動条件の使用比率を考慮して走行可能サイクル数Nなど
のベルト寿命を予測することができるので、実際の稼働
状況に合致した精度の高いベルトの寿命予測を行うこと
が可能である。
【0068】また、曲げストレスに対する歯付ベルト1
の等価寿命サイクル数Nbij を各歯付プーリ2、3のピ
ッチ径Dに基づいて、圧縮ストレスに対する歯付ベルト
1の等価寿命サイクル数Npij を各歯付プーリ2、3の
ピッチ径D、各歯付プーリ2、3と歯付ベルト1との噛
み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1のスパン張力T1
、T2 に基づいて、そして、せん断ストレスに対する
歯付ベルト1の等価寿命サイクル数Ntij を、各歯付プ
ーリ2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよ
び歯付ベルト1の有効張力Ep に基づいて算出している
ので、これらの値を簡略且つ正確に求めることができ
る。
【0069】また、変換部14では、歯付ベルト1の走
行可能サイクル数Nを走行可能時間H0 および/または
走行可能距離Sに変換しているので、歯付ベルト1の寿
命値として走行可能サイクル数Nだけではなく、ユーザ
の要望に合わせてユーザにとって都合の良い内容を出力
可能である。
【0070】さらに、温度補正部15では、歯付ベルト
1の寿命に温度補正を施しているので、歯付ベルト1の
稼動温度環境に応じたより高い精度で寿命予測を行うこ
とができる。
【0071】次に、図2に示した本実施の形態の寿命予
測装置10による歯付ベルトの寿命(走行可能サイクル
数)の算出例を、以下の[表1]に基づいて説明する。
[表1]の例は、3つの歯付プーリ(プーリ1、プーリ
2、プーリ3)に巻き掛けられた歯付ベルトが、3つの
稼動条件(稼動条件1(有効張力Ep1、ベルト速度V1
、使用比率Q1 =0.5)、稼動条件2(有効張力Ep
2、ベルト速度V2 、使用比率Q2 =0.3)、稼動条
件3(有効張力Ep3、ベルト速度V3 、使用比率Q3 =
0.2))で稼動するものである。なお、ここでは稼動
条件が3つでプーリ数が3個の場合を例示したが、稼動
条件およびプーリ数はこれに限定されるものではなく、
任意の数を選択することが可能である。
【0072】
【表1】
【0073】例えば、稼動条件1のときにプーリ1から
の曲げストレスbに起因するマイナー値は、「0.5N
/Nb11 」で表される。同様に、稼動条件2のときにプ
ーリ2からの圧縮ストレスpに起因するマイナー値は、
「0.3N/Np22 」で表され、稼動条件3のときにプ
ーリ1からのせん断ストレスtに起因するマイナー値
は、「0.2N/Nt13 」で表される。
【0074】このように、上述した条件の元では、稼動
条件1〜3、プーリ1〜3またはストレスの種類(曲げ
ストレスb、圧縮ストレスpおよびせん断ストレスt)
が異なるごとに合計で3×3×3=27個のマイナー値
が存在している。そして、上記式(16)に示したよう
に27個のマイナー値の合計は1となるので、入力され
た数値から等価寿命サイクル数(Nbij ,Npij ,Nti
j )を算出することができれば、式(16)に基づいて
走行可能サイクル数Nを求めることができる。
【0075】本発明者らの実験によると、このようにし
て予測された歯付ベルトの寿命値(走行可能サイクル
数、走行可能時間および走行可能距離)は実測された寿
命値に近く、本発明による寿命予測技術が実用的に充分
な程度に高い精度をもつことが確認された。
【0076】以上、本発明の好適な一実施の形態につい
て説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるも
のではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様
々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施
の形態では、等価寿命として走行可能サイクル数を用い
たが、上述したように走行可能サイクル数に代えて走行
可能時間または走行可能距離を等価寿命として算出して
もよい。また、上述の実施の形態では、変換部を利用し
て寿命値として走行可能サイクル数、走行可能時間およ
び走行可能距離のすべてを寿命予測装置から出力した
が、これら3つのうちのいずれか1つまたは2つを出力
するようにしてもよい。また、上述の実施の形態では行
った温度補正は、必ずしも行う必要はない。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1、8、1
0によると、各歯付プーリから歯付ベルトに与えられる
ストレスを曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ス
トレスの3つに分けて各ストレスに対する等価寿命を算
出し、これをマイナー則を用いて結合することに基づい
て歯付ベルトの寿命値(走行可能サイクル数、走行可能
時間または走行可能距離)を算出するので、高い精度で
のベルト寿命の予測が可能である。そのため、複数種類
のストレスが複合的に作用して歯付ベルトが寿命に至る
場合であっても、従来よりも高い精度でベルト寿命を予
測することができる。また、FEM解析や数値解析など
の複雑で時間のかかる演算を行う必要がなく、比較的短
時間で寿命を予測することが可能である。
【0078】請求項2、9、11によると、複数の稼動
条件の使用比率を考慮してベルト寿命を予測することが
できるので、実際の稼働状況に合致した精度の高いベル
トの寿命予測を行うことが可能である。
【0079】請求項3によると、曲げストレスに対する
歯付ベルトの等価寿命を各歯付プーリの径に基づいて簡
略且つ正確に求めることができる。請求項4によると、
圧縮ストレスに対する歯付ベルトの等価寿命を、各歯付
プーリの径、各歯付プーリと歯付ベルトとの噛み合い歯
数および歯付ベルトのスパン張力に基づいて簡略且つ正
確に求めることができる。請求項5によると、せん断ス
トレスに対する歯付ベルトの等価寿命を、各歯付プーリ
と歯付ベルトとの噛み合い歯数および歯付ベルトの有効
張力に基づいて簡略且つ正確に求めることができる。
【0080】請求項6によると、歯付ベルトの寿命値を
走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離
の少なくともいずれか1つに変換可能となるので、ユー
ザの要望に合わせてユーザにとって都合の良い内容をベ
ルト寿命として出力することができる。
【0081】請求項7によると、出力される歯付ベルト
の寿命に温度補正を施すことが可能であるため、より高
い精度でベルトの寿命予測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一本実施の形態が適用される歯付ベル
トを有する伝動機構の模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る歯付ベルトの寿命
予測装置のブロック図である。
【図3】図2の寿命予測装置の動作を順に示したフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 駆動側歯付プーリ 3 従動側歯付プーリ 4 歯部 5 歯部 6 歯底部 11 記憶部 12 等価寿命算出部(等価寿命算出手段) 13 走行可能サイクル数算出部(寿命値算出手段) 14 変換部(変換手段) 15 温度補正部(温度補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 康弘 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 (72)発明者 山川 進 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 2F051 AA00 AB01 2G024 AB08 BA12 BA17 DA04 FA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある稼動条件の元において複数の歯付プ
    ーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷
    重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリ
    から前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ス
    トレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの
    各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレ
    スごとにそれぞれ算出する等価寿命算出手段と、 前記等価寿命算出手段によって算出された各歯付プーリ
    における3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記
    歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合す
    ることに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿
    命値算出手段とを備えていることを特徴とする歯付ベル
    トの寿命予測装置。
  2. 【請求項2】 前記等価寿命算出手段が、3種類の前記
    ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プ
    ーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複
    数の稼動条件ごとに算出し、 前記寿命値算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞ
    れに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼
    動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合す
    ることに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルトの寿命予測
    装置。
  3. 【請求項3】 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリ
    の径に基づいて曲げストレスに対する前記歯付ベルトの
    等価寿命を算出することを特徴とする請求項1または2
    に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  4. 【請求項4】 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリ
    の径、各歯付プーリと前記歯付ベルトとの噛み合い歯数
    および前記歯付ベルトのスパン張力に基づいて圧縮スト
    レスに対する前記歯付ベルトの等価寿命を算出すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の歯付ベルトの寿
    命予測装置。
  5. 【請求項5】 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリ
    と前記歯付ベルトとの噛み合い歯数および前記歯付ベル
    トの有効張力に基づいてせん断ストレスに対する前記歯
    付ベルトの等価寿命を算出することを特徴とする請求項
    1または2に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  6. 【請求項6】 前記寿命値算出手段が算出した寿命値
    を、前記歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能時
    間および走行可能距離の少なくともいずれか1つに変換
    するための変換手段をさらに備えていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯付ベルトの寿
    命予測装置。
  7. 【請求項7】 前記寿命値算出手段からの出力値に温度
    補正を施すための温度補正手段をさらに備えていること
    を特徴とする請求項6に記載の歯付ベルトの寿命予測装
    置。
  8. 【請求項8】 ある稼動条件の元において複数の歯付プ
    ーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷
    重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリ
    から前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ス
    トレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの
    各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレ
    スごとにそれぞれ算出する等価寿命算出ステップと、 前記等価寿命算出ステップにおいて算出された各歯付プ
    ーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する
    前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結
    合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出す
    る寿命値算出ステップとを備えていることを特徴とする
    歯付ベルトの寿命予測方法。
  9. 【請求項9】 前記等価寿命算出ステップにおいて、3
    種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルト
    の各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定
    められた複数の稼動条件ごとに算出し、 前記寿命値算出ステップにおいて、3種類の前記ストレ
    スのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリに
    おける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたが
    って結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を
    算出することを特徴とする請求項8に記載の歯付ベルト
    の寿命予測方法。
  10. 【請求項10】 ある稼動条件の元において複数の歯付
    プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ
    荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プー
    リから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮
    ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルト
    の各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記スト
    レスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出手段、およ
    び、 前記等価寿命算出手段によって算出された各歯付プーリ
    における3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記
    歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合す
    ることに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿
    命値算出手段としてコンピュータを機能させるためのプ
    ログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記等価寿命算出手段が、3種類の前
    記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付
    プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた
    複数の稼動条件ごとに算出し、 前記寿命値算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞ
    れに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼
    動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合す
    ることに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出するこ
    とを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ読取可
    能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007071331A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Gates Unitta Asia Co 歯付プーリ
FR2961573A1 (fr) * 2010-06-22 2011-12-23 Peugeot Citroen Automobiles Sa Methode et dispositif de surveillance de l'endommagement d'une courroie de transmission que comprend un groupe moteur, de propulsion d'un vehicule automobile notamment
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