JP4377042B2 - 歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿命予測方法および記録媒体 - Google Patents

歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿命予測方法および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の歯付プーリと噛合する歯付ベルトの寿命予測装置、歯付ベルトの寿命予測方法およびこれを実行するためのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などの車両では、動力伝達のための部材として、幅方向に沿って伸延した凹凸状のベルト歯を有し且つ長手方向に沿って心線が埋設された歯付ベルトがこれと噛合する歯付プーリと共に広く用いられている。近年、自動車エンジン性能の向上に連れて歯付ベルトにかかる負荷が大きくなっており、そのため、長期間に渡って使用された歯付ベルトのベルト歯が欠けるなどの現象が生じている。このような背景の元、歯付ベルトの寿命を正確に予測することが強く望まれている。
【0003】
例えば、特開平11−247951号公報には、センサで検出された歯付ベルトの温度に基づいて歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載されている。また、特開平9−133592号公報には、FEM解析により算出された歯付ベルトに作用する摩擦滑り仕事に基づいて歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載されている。また、特開平7−332443号公報には、入力されたデータからFEM解析により算出された歯付ベルトに作用する歯部反力(歯荷重)分布に基づいてマイナー則を利用して歯付ベルトの寿命を予測する技術が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した3つの公報に記載された歯付ベルトの寿命を予測する技術は、歯付ベルトのすべての故障が温度や摩擦滑り仕事、歯部反力といった歯付ベルトに加えられる1種類のストレスだけに起因するという立場の上に成り立っている。しかしながら、実際の歯付ベルトの故障は1種類のストレスだけに起因して発生するものではないので、上述した寿命予測技術によっては、歯付ベルトの寿命を正確に予測できないことがある。
【0005】
例えば、歯付ベルトの温度に基づいて寿命予測を行う特開平11−247951号公報の技術によると、歯付ベルトに加えられる疲労の大きさを全体として把握して寿命予測を行うことができるが、この技術は、個別の実機に温度センサを取り付けてリアルタイムに残余寿命を判定するものであって、歯付ベルトに一般的な稼動条件を与えてその寿命を机上で予測することができないものである。
【0006】
また、摩擦滑り仕事に基づいて寿命予測を行う特開平9−133592号公報および歯部反力分布に基づいて寿命予測を行う特開平7−332443号公報の技術によると、瞬発的なストレスが繰り返して付与されることによる故障を考慮して寿命予測を行うことができるものの、僅かな伝達馬力を伝える用途に用いられた場合に、プーリ部での曲げストレスによる心線ロープ疲労による故障(心線の切断や心線と接着層との剥離、心線のはみ出しなどに起因した故障)を考慮して寿命予測を行うことができない。
【0007】
このように、上述した公報に記載の技術によると、複数種類のストレスが複合的に作用する場合に高い精度で歯付ベルトの寿命予測ができないことがある。加えるに、特開平7−332443号公報の技術によると、歯部反力分布を求めるためにFEM解析或いは数値解析等の複雑且つ多ステップの作業が必要になり、歯付ベルトの寿命予測を行うまでに長時間を要するという不具合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、複数種類のストレスが複合的に作用する場合であっても、比較的短時間の簡単な作業によって高い精度で歯付ベルトの寿命を予測することが可能な歯付ベルトの寿命予測装置および寿命予測方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための研究過程において、本発明者らは、歯付ベルトの寿命を予測する際に、歯付プーリを通過するときに歯付ベルトに加えられる荷重として曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重の3つの荷重を考慮するという着想に至った。このような着想は、歯付ベルトの故障を、曲げ荷重に起因して発生する心線ロープの屈曲疲労によって歯欠け或いはベルト切断に至る故障モード、圧縮荷重に起因して発生する歯底部にある歯布の摩擦磨耗のために歯欠けに至る故障モード、および、せん断荷重(駆動プーリではベルト歯部の後側歯元にせん断荷重を受け、従動プーリではベルト歯部の前側歯元にせん断荷重を受ける)に起因して成長する歯元クラックから歯欠けに至る故障モードの3つの故障モードに分離して考えるのが妥当であろうという推測に基づく。
【0010】
そして、この着想に基づいて鋭意研究を重ねた結果、上記3つの各荷重に基づいて歯付プーリから歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命サイクル数(同一ストレスが繰り返して与えられたときにベルトが破壊するまでのサイクル数)が、3種類のストレスごとに比較的簡単な数式で表されることが実験的に判明した。
【0011】
すなわち、ベルト張力を一定としたある稼動条件の元において、曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する歯付ベルトの各歯付プーリi(i=1,2,……,n)における等価寿命サイクル数(Nbi:曲げストレスに対する等価寿命サイクル数,Npi:圧縮ストレスに対する等価寿命サイクル数,Nti:せん断ストレスに対する等価寿命サイクル数)は、k1 を曲げストレスに関するパラメータ、k2 を圧縮ストレスに関するパラメータおよびk3 をせん断ストレスに関するパラメータとすると、以下の式(1)〜(3)のように表すことができる。
【0012】
【数1】
Figure 0004377042
【0013】
【数2】
Figure 0004377042
【0014】
【数3】
Figure 0004377042
【0015】
ここで、上記3つのパラメータk1 、k2 、k3 は、以下の式(4)〜(6)のように表すことができる。
【0016】
【数4】
Figure 0004377042
【0017】
【数5】
Figure 0004377042
【0018】
【数6】
Figure 0004377042
【0019】
式(4)〜(6)において、Dはプーリピッチ径(mm)(図1参照)、T1は歯付ベルトの張り側(駆動プーリに近づきつつある側)張力(kgf)、T2は歯付ベルトのゆるみ側(従動プーリに近づきつつある側)張力(kgf)、TIMはベルトとプーリとの噛み合い歯数、Ep は歯付ベルトの有効張力(=T1−T2 )(kgf)、f0 、f1 、f2 、f3 、a0 およびa1 は歯付ベルトの種別などによって決まる定数である(例えば、f1 はプーリの心線ロープ径に関連した数値であってよい)。また、補正係数ci は駆動側歯付プーリおよび従動側歯付プーリについてそれぞれ一定の値をとり、例えばS8M型ベルトの場合に駆動側歯付プーリについて0.85、従動側歯付プーリについて1.0である(駆動側歯付プーリに比べて従動側歯付プーリの歯部が歯付ベルトから抜けにくい分だけ従動側歯付プーリからのダメージが大きくなる)。従って、パラメータk1 、k2 、k3 は、特定の稼動条件の元ではすべて一定の値をとる。なお、上記式(4)または(5)に基づいて計算したパラメータk1 、k2 が負の値となるときは、k1 =0、k2 =0とおくものとする。
【0020】
式(1)〜(6)は、以下のような実験に基づいて得られたものである。まず、曲げストレスについての関係式(1)、(4)は、等プーリの2軸走行試験機を使用し、このときの試験条件を、(a)動力を無負荷(有効張力ゼロ)とし、せん断ストレスの影響を排除すると共に、(b)初張力を最小化し、圧縮ストレスの影響を排除する条件の元に、プーリ径を様々な値に変更する実験から得られたS(ストレス)−N(走行可能サイクル数)曲線に基づいて導出された。また、圧縮ストレスについての関係式(2)、(5)は、等プーリの2軸走行試験機を使用し、このときの試験条件を、(a)動力を無負荷(有効張力ゼロ)とし、せん断ストレスの影響を排除すると共に、(b)予め定められたプーリ径以上の径を有するプーリを使用し、曲げストレスの影響を排除する条件の元に、初張力を様々な値に変更する実験から得られたS−N曲線に基づいて導出された。また、せん断ストレスについての関係式(3)、(6)は、等プーリの2軸走行試験機を使用し、このときの試験条件を、(a)負荷を伝達するために必要な最小限の初張力とし、圧縮ストレスの影響を極力排除すると共に、(b)予め定められたプーリ径以上の径を有するプーリを使用し、曲げストレスの影響を排除する条件の元に、動力(有効張力)を様々な値に変更する実験から得られたS−N曲線に基づいて導出された。
【0021】
曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスは一体となって複合的に歯付ベルトに与えられるものであるから、最終的なベルト故障に至る過程は複雑であり、例えば、曲げストレスによる心線の剥離に起因する歯元クラックと、圧縮ストレスによる歯布磨滅のための歯元クラックと、せん断ストレスによる歯元クラックとを区別して考えることはできない。つまり、上記3つのストレスは相互に関連し合って全体として歯付ベルトを疲労させて故障に至らせるものと推定されるから、歯付ベルトの寿命を求めるには、上記等価寿命サイクル数をマイナー則にしたがって結合する必要がある。
【0022】
1本の歯付ベルトには、これと噛合するn個の各歯付プーリから3種類のストレスが独立に与えられることになる。従って、ある稼動条件の元においてある特定の歯付プーリiでの等価寿命サイクル数をNi とすると、この歯付プーリiには3種類のストレスがNi 回加えられることになるので、マイナー則に基づいて上記式(1)〜(3)を3種類のストレス(b,p,t)について結合することにより以下の式(7)が成立する。式(7)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走行可能サイクル数)で定義されるマイナー値である。
【0023】
【数7】
Figure 0004377042
【0024】
また、ある稼動条件の元における歯付ベルトの走行可能サイクル数をNとすると、故障が発生するまでの間において歯付ベルトにはすべての歯付プーリから3種類のストレスがN回加えられることになるので、マイナー則に基づいて上記式(7)を全歯付プーリiについて結合することにより以下の式(8)が成立する。式(8)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走行可能サイクル数)で定義されるマイナー値である。式(8)においては、ストレス種類および歯付プーリの2つについてマイナー則が2重に適用されている。
【0025】
【数8】
Figure 0004377042
【0026】
式(8)で表された合計マイナー値のうち未知数は走行可能サイクル数Nだけであるので、式(8)を解くことによって与えられた稼動条件の元における歯付ベルトの寿命、すなわち歯付ベルトの走行可能サイクル数Nを、上記3つの故障モードが考慮された従来よりも高い精度で、FEM解析などの複雑で時間のかかる演算を行う必要なく比較的短時間で得ることができる。また、歯付プーリの数に制限はなく、3軸以上の多軸の場合にも適用可能である。
【0027】
すなわち、請求項1の歯付ベルトの寿命予測装置は、ある稼動条件の元において複数の歯付プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出手段と、前記等価寿命算出手段によって算出された各歯付プーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出手段とを備えている。
【0028】
また、請求項8の歯付ベルトの寿命予測方法は、ある稼動条件の元において複数の歯付プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出ステップと、前記等価寿命算出ステップにおいて算出された各歯付プーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出ステップとを備えている。
【0029】
ここで、走行可能サイクル数Nを利用すると、歯付ベルトの全長をL、この稼動条件での歯付ベルトのベルト速度をVとして、歯付ベルトの走行可能時間H0は、以下の式(9)で表すことができる。また、この稼動条件での走行可能距離Sは、以下の式(10)で表すことができる。
【0030】
【数9】
Figure 0004377042
【0031】
【数10】
Figure 0004377042
【0032】
すなわち、請求項6の歯付ベルトの寿命予測装置は、前記寿命値算出手段が算出した寿命値を、前記歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離の少なくともいずれか1つに変換するための変換手段をさらに備えている。
【0033】
また、式(9)により求められた歯付ベルトの走行可能時間H0 は歯付ベルトの温度が考慮されていないものであるため、上述のようにして得られた走行可能時間H0 に以下の式(11)に基づいて温度補正を施すことによって、より正確な補正済み走行可能時間Hが得られることも判明した。ただし、式(11)において補正係数Kは、tmp0を基準温度(例えば80℃)、tmp を歯付ベルトの温度(℃)(X℃(例えば40℃)以下の時はtmp =Xで一定とする)、kを寿命半減温度(例えば15℃)として、式(12)のように表される。
【0034】
【数11】
Figure 0004377042
【0035】
【数12】
Figure 0004377042
【0036】
すなわち、請求項7の歯付ベルトの寿命予測装置は、前記寿命値算出手段からの出力値に温度補正を施すための温度補正手段をさらに備えている。なお、請求項7において、寿命値算出手段からの出力値とは、寿命値算出手段から出力された値だけではなく、寿命値算出手段から出力された後に請求項6の変換手段で変換された値(歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離のいずれか)も含むものとする。
【0037】
上述の議論は、上述のように歯付ベルトの稼動条件を一定に保持しておく場合だけではなく、使用比率が予め定められた複数の稼動条件で歯付ベルトを稼動させる場合にも有効である。このような場合、3種類のストレスのそれぞれに対する歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命サイクル数を各稼動条件ごとに算出し、算出された等価寿命サイクル数を各稼動条件の使用比率を加味してマイナー則にしたがって結合することに基づいて、歯付ベルトの寿命、すなわち歯付ベルトの走行可能サイクル数を求めることができる。
【0038】
つまり、各稼働条件をパラメータj(j=1,2,3,……,m)で区別し、各稼働条件jの使用比率をQj (Q1 +Q2 +……+Qm =1)と表すことにすると、3種類のストレスのそれぞれに対する歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命サイクル数(Nbij :曲げストレスに対する等価寿命サイクル数,Npij :圧縮ストレスに対する等価寿命サイクル数,Ntij :せん断ストレスに対する等価寿命サイクル数)は、以下の式(13)〜(15)のように表すことができる。ただし、この場合、パラメータk1 、k2 、k3 は稼動条件に応じて変動する。
【0039】
【数13】
Figure 0004377042
【0040】
【数14】
Figure 0004377042
【0041】
【数15】
Figure 0004377042
【0042】
1本の歯付ベルトには歯付ベルトと噛合するn個の各歯付プーリから3種類のストレスが、稼動条件ごとに独立に与えられることになる。このとき、歯付ベルトの走行可能サイクル数をNとすると、故障が発生するまでの間において歯付ベルトにはすべての歯付プーリから、稼動条件jごとに3種類のストレスがQj ×N回加えられることになるので、マイナー則に基づいて上記式(13)〜(15)を、3種類のストレス(b,p,t)、全歯付プーリiおよび全稼動条件jについて結合することにより以下の式(16)が成立する。式(16)の左辺の各項は、(実使用サイクル数/走行可能サイクル数)で定義されるマイナー値である。式(16)においては、ストレス種類、歯付プーリおよび稼動条件の3つについてマイナー則が3重に適用されている。
【0043】
【数16】
Figure 0004377042
【0044】
式(16)で表された合計マイナー値のうち未知数は走行可能サイクル数Nだけであるので、式(16)を解くことによって使用比率に従う歯付ベルトの寿命、すなわち歯付ベルトの走行可能サイクル数Nが求められる。上記のように3つの故障モードおよび稼動条件の変動を考慮することによって、FEM解析などの複雑で時間のかかる演算を行う必要なく、且つ短時間で高精度な結果を得ることができる。また、稼動条件の数に制限はなく、2個若しくは3個以上の多稼動条件の場合にも適用可能である。
【0045】
すなわち、請求項2の歯付ベルトの寿命予測装置は、前記等価寿命算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の稼動条件ごとに算出し、前記寿命値算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出するものである。
【0046】
また、請求項9の歯付ベルトの寿命予測方法は、前記等価寿命算出ステップにおいて、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の稼動条件ごとに算出し、前記寿命値算出ステップにおいて、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出するものである。
【0047】
なお、上述の説明は、歯付ベルトの寿命値としてその走行可能サイクル数Nを最初に求めて後で式(9)、(10)のような変換式を用いて走行可能時間、走行可能距離を求める場合について説明したが、最初に歯付ベルトの走行可能時間または走行可能距離を求めて後でこれを走行可能サイクル数に変換してもよい。その場合、式(1)〜(3)(或いは式(13)〜(15))および式(9)、(10)に基づいてパラメータk1 、k2 、k3 と走行可能時間(或いは走行可能距離)に関する等価寿命との関係をそれぞれ導出し、等価寿命時間(或いは等価寿命距離)をマイナー則により結合して寿命値として走行可能時間(或いは走行可能距離)を算出すればよい。
【0048】
また、上記3つのパラメータk1 、k2 、k3 は、より正確には式(4)〜(6)のように表されるが、概念的には以下の式(17)〜(19)のような関数式で表すことも可能である。
【0049】
【数17】
Figure 0004377042
【0050】
【数18】
Figure 0004377042
【0051】
【数19】
Figure 0004377042
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0053】
まず、本実施の形態が適用される歯付ベルトおよびこれと噛合する歯付プーリの構造について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態が適用される歯付ベルトを有する伝動機構の模式図である。図1に示すS8M形の歯付ベルト1の内側面には、その幅方向に沿って多数の丸歯形の歯部5が8mmピッチで形成されている。また、歯付ベルト1の内部には、その長手方向に沿ってスパイラル状に心線(図示せず)が埋設されている。
【0054】
歯付ベルト1は、回転軸方向に沿った歯部4を外周部にそれぞれ有する駆動側歯付プーリ2および従動側歯付プーリ3の2つの歯付プーリと噛合しており、駆動側歯付プーリ2によって図中反時計周りに駆動させられて従動側歯付プーリ3を図中反時計周りに回転させる。
【0055】
図1に示すように、歯付ベルト1には、歯付プーリ2、3と噛合している間に、曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重の3種類の荷重が歯付プーリ2、3から加えられる。曲げ荷重は、歯付ベルト1を曲げる方向に作用する荷重であり、その大きさは歯付プーリ2、3の径および心線ロープ径によって決定される。圧縮荷重は、歯付プーリ2、3の歯頂部4aが隣接する歯部5間にある歯底部6を押圧することによる荷重であり、その大きさは、歯付プーリ2、3のピッチ径、歯付プーリ2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1のスパン張力(張り側張力T1 、ゆるみ側張力T2 )に基づいて決定される。せん断荷重は、駆動側では歯付プーリ2の歯部4から歯付ベルト1の歯部5の後面に作用する荷重であり、従動側では歯付プーリ3の歯部4から歯付ベルト1の歯部5の前面に作用する荷重である。そして、その大きさは、歯付プーリ2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1の有効張力Ep (T1 −T2 )に基づいて決定される。
【0056】
次に、本実施の形態に係る歯付ベルトの寿命予測装置について図2に基づいて説明する。図2は、本実施の形態に係る歯付ベルトの寿命予測装置のブロック図である。
【0057】
図2に示すように、本実施の形態に係る歯付ベルトの寿命予測装置10は、記憶部11と、等価寿命算出部12、走行可能サイクル数算出部(寿命値算出部)13、変換部14および温度補正部15を備えている。寿命予測装置10の各部11〜15は、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成されている。かかる情報処理装置には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、FDやCDの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには当該情報処理装置を歯付ベルトの寿命予測装置10として機能させるための寿命予測プログラム(このプログラムは、CD−ROMやFD、MOなどのリムーバブルな記録媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータにインストールすることが可能である。)を含む各種のソフトウェアが記憶されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、上述の各部11〜15が構築されている。
【0058】
記憶部11には、歯付ベルト1の種別などによって決まる定数f0 、f1 、f2 、f3 、a0 、a1 を含み、等価寿命算出部12、走行可能サイクル数算出部13、変換部14、温度補正部15での演算に必要な数値が記憶されている。また、記憶部11には、情報処理装置に接続されたキーボードやマウスなどの入力装置から入力されたスパン張力T1 、T2 やプーリピッチ径D、各稼動条件の使用比率などの数値が記憶される。等価寿命算出部12は、k1 演算部12a、k2 演算部12b、k3 演算部12c、Nbij 演算部12d、Npij 演算部12eおよびNtij 演算部12fを備えている。
【0059】
次に、本実施の形態の寿命予測装置10の動作について、寿命予測装置10内の各部の機能と合わせて、図3を参照して説明する。図3は、寿命予測装置10の動作を順に示したフローチャートである。
【0060】
まず、ステップS1では、キーボードやマウスなどの入力装置を用いて張り側張力T1 やゆるみ側張力T2 、噛み合い歯数TIM、使用される歯付ベルト1の種別、歯付ベルト1が使用される温度条件を入力する。入力されたデータは、記憶部11に記憶される。なお、情報処理装置に歯付ベルトの張力計算プログラムがインストールされている場合には、この張力計算プログラムを用いて、張り側張力T1 、ゆるみ側張力T2 、噛み合い歯数TIM、有効張力Ep 、ベルト速度Vを求めることができる。そして、張力計算プログラムによる計算結果が歯付ベルトの寿命予測プログラムにおける計算に用いられるように、両方のプログラムをリンクさせて演算処理を行うようにしてもよい。
【0061】
ステップS2では、等価寿命算出部12のk1 演算部12a、k2 演算部12b、k3 演算部12cが、記憶部11から受け取ったデータf0 、TIM…を用いて、式(4)〜(6)に基づいて3種類のストレスに関連したパラメータk1、k2 、k3 をそれぞれ算出する。
【0062】
ステップS3では、等価寿命算出部12のNbij 演算部12d、Npij 演算部12e、Ntij 演算部12fが、ステップS2で算出されたパラメータk1 、k2 、k3 を用いて、式(13)〜(15)に基づいて等価寿命サイクル数Nbij、Npij 、Ntij をそれぞれ算出する。
【0063】
ステップS4では、走行可能サイクル数算出部13が、ステップS3で算出された等価寿命サイクル数Nbij 、Npij 、Ntij を、式(16)に示すようにマイナー則にしたがって結合する。さらに、走行可能サイクル数算出部13は、記憶部11から受け取ったデータQj を用いて式(16)から走行可能サイクル数Nを算出し、得られた走行可能サイクル数Nを変換部14および温度補正部15に出力する。
【0064】
ステップS5では、変換部14が、ステップS4で算出された歯付ベルト1の走行可能サイクル数Nを、記憶部11から受け取ったデータL、Vを用いて、式(9)、(10)にしたがって歯付ベルト1の走行可能時間H0 および/または走行可能距離Sに変換して出力する。
【0065】
ステップS6では、温度補正部15が、ステップS4で算出されて走行可能サイクル数算出部13から供給された走行可能サイクル数Nと、ステップS5で算出されて変換部14から供給された走行可能時間H0 および/または走行可能距離Sとを、ステップS1で入力され記憶部11から受け取ったデータtmp 、tmp0、kを用いて、式(11)、(12)に基づいて補正する。温度補正部15で補正された走行可能サイクル数N、走行可能時間H0 、走行可能距離Sは、当該情報処理装置に接続された出力装置であるディスプレイに表示されたり、プリンタによって用紙に印刷される。
【0066】
このように、本実施の形態によると、各歯付プーリ2、3から歯付ベルト1に与えられるストレスを曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスの3つに分けて各ストレスに対する等価寿命サイクル数Nbij 、Npij 、Ntij を算出し、これをマイナー則を用いて結合することに基づいて歯付ベルト1の走行可能サイクル数Nを算出するので、複数種類のストレスが複合的に作用することによって歯付ベルト1が寿命に至る場合であっても、従来よりも高い精度でベルト寿命を予測することができる。また、FEM解析や数値解析などの複雑で時間のかかる演算を行う必要がなく、比較的短時間で寿命を予測することが可能である。
【0067】
さらに、本実施の形態によると、複数の稼動条件の使用比率を考慮して走行可能サイクル数Nなどのベルト寿命を予測することができるので、実際の稼働状況に合致した精度の高いベルトの寿命予測を行うことが可能である。
【0068】
また、曲げストレスに対する歯付ベルト1の等価寿命サイクル数Nbij を各歯付プーリ2、3のピッチ径Dに基づいて、圧縮ストレスに対する歯付ベルト1の等価寿命サイクル数Npij を各歯付プーリ2、3のピッチ径D、各歯付プーリ2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1のスパン張力T1 、T2 に基づいて、そして、せん断ストレスに対する歯付ベルト1の等価寿命サイクル数Ntij を、各歯付プーリ2、3と歯付ベルト1との噛み合い歯数TIMおよび歯付ベルト1の有効張力Ep に基づいて算出しているので、これらの値を簡略且つ正確に求めることができる。
【0069】
また、変換部14では、歯付ベルト1の走行可能サイクル数Nを走行可能時間H0 および/または走行可能距離Sに変換しているので、歯付ベルト1の寿命値として走行可能サイクル数Nだけではなく、ユーザの要望に合わせてユーザにとって都合の良い内容を出力可能である。
【0070】
さらに、温度補正部15では、歯付ベルト1の寿命に温度補正を施しているので、歯付ベルト1の稼動温度環境に応じたより高い精度で寿命予測を行うことができる。
【0071】
次に、図2に示した本実施の形態の寿命予測装置10による歯付ベルトの寿命(走行可能サイクル数)の算出例を、以下の[表1]に基づいて説明する。[表1]の例は、3つの歯付プーリ(プーリ1、プーリ2、プーリ3)に巻き掛けられた歯付ベルトが、3つの稼動条件(稼動条件1(有効張力Ep1、ベルト速度V1 、使用比率Q1 =0.5)、稼動条件2(有効張力Ep2、ベルト速度V2 、使用比率Q2 =0.3)、稼動条件3(有効張力Ep3、ベルト速度V3 、使用比率Q3 =0.2))で稼動するものである。なお、ここでは稼動条件が3つでプーリ数が3個の場合を例示したが、稼動条件およびプーリ数はこれに限定されるものではなく、任意の数を選択することが可能である。
【0072】
【表1】
Figure 0004377042
【0073】
例えば、稼動条件1のときにプーリ1からの曲げストレスbに起因するマイナー値は、「0.5N/Nb11 」で表される。同様に、稼動条件2のときにプーリ2からの圧縮ストレスpに起因するマイナー値は、「0.3N/Np22 」で表され、稼動条件3のときにプーリ1からのせん断ストレスtに起因するマイナー値は、「0.2N/Nt13 」で表される。
【0074】
このように、上述した条件の元では、稼動条件1〜3、プーリ1〜3またはストレスの種類(曲げストレスb、圧縮ストレスpおよびせん断ストレスt)が異なるごとに合計で3×3×3=27個のマイナー値が存在している。そして、上記式(16)に示したように27個のマイナー値の合計は1となるので、入力された数値から等価寿命サイクル数(Nbij ,Npij ,Ntij )を算出することができれば、式(16)に基づいて走行可能サイクル数Nを求めることができる。
【0075】
本発明者らの実験によると、このようにして予測された歯付ベルトの寿命値(走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離)は実測された寿命値に近く、本発明による寿命予測技術が実用的に充分な程度に高い精度をもつことが確認された。
【0076】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、等価寿命として走行可能サイクル数を用いたが、上述したように走行可能サイクル数に代えて走行可能時間または走行可能距離を等価寿命として算出してもよい。また、上述の実施の形態では、変換部を利用して寿命値として走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離のすべてを寿命予測装置から出力したが、これら3つのうちのいずれか1つまたは2つを出力するようにしてもよい。また、上述の実施の形態では行った温度補正は、必ずしも行う必要はない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、8、10によると、各歯付プーリから歯付ベルトに与えられるストレスを曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスの3つに分けて各ストレスに対する等価寿命を算出し、これをマイナー則を用いて結合することに基づいて歯付ベルトの寿命値(走行可能サイクル数、走行可能時間または走行可能距離)を算出するので、高い精度でのベルト寿命の予測が可能である。そのため、複数種類のストレスが複合的に作用して歯付ベルトが寿命に至る場合であっても、従来よりも高い精度でベルト寿命を予測することができる。また、FEM解析や数値解析などの複雑で時間のかかる演算を行う必要がなく、比較的短時間で寿命を予測することが可能である。
【0078】
請求項2、9、11によると、複数の稼動条件の使用比率を考慮してベルト寿命を予測することができるので、実際の稼働状況に合致した精度の高いベルトの寿命予測を行うことが可能である。
【0079】
請求項3によると、曲げストレスに対する歯付ベルトの等価寿命を各歯付プーリの径に基づいて簡略且つ正確に求めることができる。請求項4によると、圧縮ストレスに対する歯付ベルトの等価寿命を、各歯付プーリの径、各歯付プーリと歯付ベルトとの噛み合い歯数および歯付ベルトのスパン張力に基づいて簡略且つ正確に求めることができる。請求項5によると、せん断ストレスに対する歯付ベルトの等価寿命を、各歯付プーリと歯付ベルトとの噛み合い歯数および歯付ベルトの有効張力に基づいて簡略且つ正確に求めることができる。
【0080】
請求項6によると、歯付ベルトの寿命値を走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離の少なくともいずれか1つに変換可能となるので、ユーザの要望に合わせてユーザにとって都合の良い内容をベルト寿命として出力することができる。
【0081】
請求項7によると、出力される歯付ベルトの寿命に温度補正を施すことが可能であるため、より高い精度でベルトの寿命予測を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一本実施の形態が適用される歯付ベルトを有する伝動機構の模式図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る歯付ベルトの寿命予測装置のブロック図である。
【図3】図2の寿命予測装置の動作を順に示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 歯付ベルト
2 駆動側歯付プーリ
3 従動側歯付プーリ
4 歯部
5 歯部
6 歯底部
11 記憶部
12 等価寿命算出部(等価寿命算出手段)
13 走行可能サイクル数算出部(寿命値算出手段)
14 変換部(変換手段)
15 温度補正部(温度補正手段)

Claims (11)

  1. ある稼動条件の元において複数の歯付プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出手段と、
    前記等価寿命算出手段によって算出された各歯付プーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出手段とを備えていることを特徴とする歯付ベルトの寿命予測装置。
  2. 前記等価寿命算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の稼動条件ごとに算出し、
    前記寿命値算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出することを特徴とする請求項1に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  3. 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリの径に基づいて曲げストレスに対する前記歯付ベルトの等価寿命を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  4. 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリの径、各歯付プーリと前記歯付ベルトとの噛み合い歯数および前記歯付ベルトのスパン張力に基づいて圧縮ストレスに対する前記歯付ベルトの等価寿命を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  5. 前記等価寿命算出手段が、各歯付プーリと前記歯付ベルトとの噛み合い歯数および前記歯付ベルトの有効張力に基づいてせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの等価寿命を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  6. 前記寿命値算出手段が算出した寿命値を、前記歯付ベルトの走行可能サイクル数、走行可能時間および走行可能距離の少なくともいずれか1つに変換するための変換手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  7. 前記寿命値算出手段からの出力値に温度補正を施すための温度補正手段をさらに備えていることを特徴とする請求項6に記載の歯付ベルトの寿命予測装置。
  8. ある稼動条件の元において複数の歯付プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出ステップと、
    前記等価寿命算出ステップにおいて算出された各歯付プーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出ステップとを備えていることを特徴とする歯付ベルトの寿命予測方法。
  9. 前記等価寿命算出ステップにおいて、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の稼動条件ごとに算出し、
    前記寿命値算出ステップにおいて、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出することを特徴とする請求項8に記載の歯付ベルトの寿命予測方法。
  10. ある稼動条件の元において複数の歯付プーリからこれと噛合する歯付ベルトに加えられる曲げ荷重、圧縮荷重およびせん断荷重に基づいて各歯付プーリから前記歯付ベルトに与えられる曲げストレス、圧縮ストレスおよびせん断ストレスに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、3種類の前記ストレスごとにそれぞれ算出する等価寿命算出手段、および、
    前記等価寿命算出手段によって算出された各歯付プーリにおける3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出する寿命値算出手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  11. 前記等価寿命算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける等価寿命を、使用比率が予め定められた複数の稼動条件ごとに算出し、
    前記寿命値算出手段が、3種類の前記ストレスのそれぞれに対する前記歯付ベルトの各歯付プーリにおける各稼動条件ごとの等価寿命をマイナー則にしたがって結合することに基づいて前記歯付ベルトの寿命値を算出することを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。
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