JP2002071016A - シンクロメッシュ式トランスミッションのための変速装置 - Google Patents

シンクロメッシュ式トランスミッションのための変速装置

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JP2002071016A
JP2002071016A JP2000257960A JP2000257960A JP2002071016A JP 2002071016 A JP2002071016 A JP 2002071016A JP 2000257960 A JP2000257960 A JP 2000257960A JP 2000257960 A JP2000257960 A JP 2000257960A JP 2002071016 A JP2002071016 A JP 2002071016A
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JP2000257960A
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Yoshiyuki Aoyama
義幸 青山
Mitsutoshi Kamiya
充俊 神谷
Yoshie Miyazaki
剛枝 宮崎
Ryuji Choshi
竜二 調子
Yoshihiro Ichikawa
義裕 市川
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Aisin AI Co Ltd
Original Assignee
Aisin AI Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気的に制御されるアクチュエータによりシン
クロメッシュ式のトランスミッションの変速比を変化さ
せる変速装置において、ボーク開始時期を正しく検出す
る。 【解決手段】アクチュエータがスリーブをシンクロナイ
ザリングに接近させる作動を開始した後にスリーブ荷重
Fが最初にピーク値を取る時期tP1から、スリーブ荷
重Fの振動周期TVIBに基づいて設定された戻り時間
だけ戻った時期を最新のボーク開始時期tとして
取得する。その取得されたボーク開始時期tにおける
スリーブ移動位置Xであるボーク開始位置Xは、次の
ボーク開始時期tを検出するために使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的に制御され
るアクチュエータによりシンクロメッシュ式のトランス
ミッションの変速比を変化させる技術に関するものであ
り、特に、そのトランスミッションにおける同期装置に
おいてスリーブの前進がシンクロナイザリングによって
邪魔されるボークの開始位置を取得する技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】車両において動力源の回転を駆動車輪に
伝達するトランスミッションの形式としてシンクロメッ
シュ式が既に存在する。この形式のトランスミッション
においては、動力源から駆動車輪までの力伝達系に滑り
要素が存在しない。そのため、この形式のトランスミッ
ションには、オートマチック式のトランスミッションと
は異なり、運転者のアクセル操作に対して駆動車輪が敏
感に応答し、応答性の高い運転フィーリングが得られる
という利点や、燃料消費量が減少し、省エネに貢献する
という利点がある。
【0003】それらの利点を享受するとともに、運転者
による変速操作を従来のマニュアル式トランスミッショ
ンにおけるより簡単なものにするために、電気的に制御
されるアクチュエータによりシンクロメッシュ式のトラ
ンスミッションの変速比を変化させる技術が既に提案さ
れている。その一例を採用した変速装置が本出願人の特
開2000−46176号公報に開示されている。
【0004】この種の変速装置と共に使用されるトラン
スミッションは、各ギヤ対が常時噛み合わされるととも
にギヤ比が互いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効
ギヤ対として選択するために同期装置を備えている。そ
の同期装置は、ギヤ対の一方が遊動ギヤとして相対回転
可能に装着されたシャフトに対して相対回転不能かつ軸
方向に相対移動可能なスリーブと、遊動ギヤに対して相
対回転可能かつ軸方向に相対移動可能なシンクロナイザ
リングとを備えている。この同期装置は、作動状態で
は、スリーブを軸方向に移動させてそのスリーブをシン
クロナイザリングに当接させ、それにより、そのシンク
ロナイザリングを、遊動ギヤに対して相対回転不能な摩
擦面に押し付けてその遊動ギヤとスリーブとの同期を行
うとともに、その同期が完了するまで、スリーブに対し
て相対回転不能なクラッチが遊動ギヤに対して相対回転
不能なクラッチに噛み合うことを邪魔するボークを行
う。
【0005】そして、この種の変速装置は、外部からの
信号に応じて電気的に制御されることにより、スリーブ
を軸方向に移動させるために荷重を発生させるアクチュ
エータと、車両の運転者の意思とその車両の状態とトラ
ンスミッションの状態との少なくとも一つに基づいてそ
のトランスミッションの変速比を変化させるためにアク
チュエータに信号を供給して制御装置とを備えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の変速装置にお
いては、ボーク開始時期においてスリーブからシンクロ
ナイザリングに作用する荷重が要求値より過大である
と、車両の運転者にとって不快な異音やショックが発生
したり、シンクロナイザリングが破損したるするという
事態が生じ得る。したがって、この種の変速装置におい
ては、ボーク開始時期におけるスリーブ荷重を適正に制
御したいという要望があり、この要望を満たすために
は、ボーク開始時期を正しく検出することが必要であ
る。
【0007】しかしながら、この種の変速装置において
は従来、ボーク開始時期を正しく検出することが困難で
あった。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】このよ
うな事情を背景として、本発明は、ボーク開始時期を正
しく検出することを課題としてなされたものであり、本
発明によって下記各態様が得られる。各態様は、請求項
と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じ
て他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本
明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよびそれらの組
合せのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細
書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以下の態様に
限定されると解釈されるべきではない。
【0009】(1) 車両において動力源の回転を駆動車
輪に伝達するシンクロメッシュ式トランスミッションで
あって、各ギヤ対が常時噛み合わされるとともにギヤ比
が互いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効ギヤ対と
して選択するために同期装置を備えており、かつ、その
同期装置が、(a)前記ギヤ対の一方が遊動ギヤとして
相対回転可能に装着されたシャフトに対して相対回転不
能かつ軸方向に相対移動可能なスリーブと、前記遊動ギ
ヤに対して相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能なシ
ンクロナイザリングとを備え、かつ、(b)作動状態で
は、前記スリーブを軸方向に移動させてそのスリーブを
前記シンクロナイザリングに当接させ、それにより、そ
のシンクロナイザリングを、前記遊動ギヤに対して相対
回転不能な摩擦面に押し付けてその遊動ギヤと前記スリ
ーブとの同期を行うとともに、その同期が完了するま
で、前記スリーブに対して相対回転不能なクラッチが前
記遊動ギヤに対して相対回転不能なクラッチに噛み合う
ことを邪魔するボークを行うものであるトランスミッシ
ョンと共に使用され、そのトランスミッションの変速比
を変化させる変速装置であって、外部からの信号に応じ
て電気的に制御されることにより、前記スリーブを前記
軸方向に移動させるために荷重を発生させるアクチュエ
ータと、前記スリーブに作用するスリーブ荷重に関連す
る物理量であるスリーブ荷重関連量を検出する荷重関連
量センサと、前記スリーブの移動位置を検出する位置セ
ンサと、前記車両の運転者の意思とその車両の状態と前
記トランスミッションの状態との少なくとも一つに基づ
いてそのトランスミッションの変速比を変化させるため
に前記アクチュエータに信号を供給して制御する制御装
置であって、前記荷重関連量センサの出力信号の周期的
特徴と、前記位置センサの出力信号と、前記スリーブ荷
重の振動周期に基づいて設定された戻り時間とに基づ
き、過去の前記ボークの開始時期における前記スリーブ
の移動位置であるボーク開始位置を取得するボーク開始
位置取得手段を有するものとを含むシンクロメッシュ式
トランスミッションのための変速装置[請求項1]。ス
リーブがシンクロナイザリングに当接すると、スリーブ
荷重に振動が生じる。この振動は規則的であって、一定
の周期を有している。一方、スリーブがシンクロナイザ
リングに当接した時期すなわちボーク開始時期からスリ
ーブ荷重が振動し始めるが、その時期におけるスリーブ
荷重の変化は、その時期を十分に高い精度で検出し得る
ほどには顕著ではない。しかし、スリーブ荷重はその
後、急に増加してピーク値を取り、その後、急に減少し
て再びピーク値を取る。例えば、それらピーク値付近に
おけるスリーブ荷重の変化は顕著であり、それらピーク
値をスリーブ荷重が取った時期は十分高い精度で検出し
得る。このような知見に基づき、本項に係る変速装置に
おいては、スリーブ荷重の関連量を検出する荷重関連量
センサの出力信号の周期的特徴と、スリーブ移動位置を
検出する位置センサの出力信号と、スリーブ荷重の振動
周期に基づいて設定された戻り時間とに基づき、過去の
ボークの開始時期におけるスリーブの移動位置であるボ
ーク開始位置が取得される。したがって、この変速装置
によれば、ボーク開始位置を高い精度で取得することが
容易になる。本項において「動力源」は、エンジン(内
燃機関)としたり、電動モータとしたり、エンジンと電
動モータとの双方とすることができる。また、本項にお
いて「制御装置」は、運転者の意思を検出するセンサの
うち運転者の変速に関する意思を検出するセンサ、例え
ば、シフトレバー等の変速操作部材の操作を検出するセ
ンサからの出力信号を主体にアクチュエータを制御する
形式とすることができる。さらに、「制御装置」は、運
転者の意思を検出するセンサのうち運転者の車両加減速
に関する意思を検出するセンサ、例えば、アクセルペダ
ル等の加速操作部材の操作を検出するセンサと、車両の
状態、例えば、車両速度、動力源の回転数を検出するセ
ンサとからの出力信号を主体にアクチュエータを制御す
る形式とすることができる。シンクロメッシュ式トラン
スミッションを備えた車両においては、一般に、それの
動力源とそのトランスミッションとの間にそれらの断続
を行うクラッチが搭載される。このクラッチには、運転
者により直接に作動させられる手動式と、電気的に制御
されるアクチュエータにより作動させられる自動式とが
ある。自動式のクラッチを採用する場合には、例えば、
本項に記載の「制御装置」を、スリーブを制御するアク
チュエータと連動してそのクラッチのアクチュエータを
も制御する形式とすることができる。本項において「同
期装置」は、同じトランスミッションにおいて少なくと
も一つ使用される。また、同じ「同期装置」は、一般
に、2つのギヤ対のいずれかを有効ギヤ対として選択す
るように構成される。さらに、本項において「アクチュ
エータ」は、モータ等、電気的な駆動源からの力を、そ
の駆動源またはそれに接続された制御機器を電気的に制
御することによって制御する電気的駆動源利用式とした
り、ポンプ、アキュムレータ等、圧力を発生させる圧力
源からの圧力を、その圧力源またはそれに接続された電
磁バルブ等の制御機器を電気的に制御することによって
制御する圧力源利用式とすることができる。さらにま
た、本項において「荷重関連量センサ」は例えば、スリ
ーブ荷重またはそれに関連する荷重を検出するセンサと
することができる。さらに、「荷重関連量センサ」は、
スリーブまたはそれと一緒に移動させられる部材の移動
位置または移動速度を検出するセンサとすることもでき
る。スリーブの移動速度は、スリーブ荷重と一定の関係
を有して変化するからであり、また、移動位置の時間微
分によって移動速度を取得可能であるからである。「荷
重関連量センサ」を、スリーブの移動位置を検出する形
式とした場合には、前記位置センサとの共通化が可能と
なり、変速装置の部品点数の削減が可能となる。さら
に、「荷重関連量センサ」は、スリーブのクラッチが噛
み合わされるべきクラッチを有する遊動ギヤの回転数を
検出するセンサとすることもできる。その回転数も、ス
リーブの移動速度と同様に、スリーブ荷重と一定の関係
を有して変化するからである。さらにまた、本項におい
て「荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴」とは、
例えば、スリーブ荷重の振動周期、スリーブ荷重がピー
ク値を取る時期、スリーブ荷重がピーク値を取った複数
の時期の間隔等である。本項に係る変速装置は、前記シ
ャフトが前記駆動車輪に、前記ギヤ対のうち前記遊動ギ
ヤでない非遊動ギヤが前記動力源にそれぞれ連結される
トランスミッションと共に使用可能であり、また、シャ
フトが動力源に、非遊動ギヤが駆動車輪にそれぞれ連結
されるトランスミッションと共に使用可能である。さら
に、本項に係る変速装置において、ボーク開始位置手段
により取得されるボーク開始位置またはそれに基づいて
推定される真のボーク開始位置は、一般に、前記アクチ
ュエータを制御するために利用されるが、それ以外の目
的のために利用することもできる。 (2) 前記制御装置が、さらに、前記位置センサの出
力信号と、前記ボーク開始位置取得手段により取得され
たボーク開始位置またはそれに基づいて推定される真の
ボーク開始位置とに基づいて前記アクチュエータを制御
するアクチュエータ制御手段を含む(1)項に記載のシ
ンクロメッシュ式トランスミッションのための変速装
置。この変速装置によれば、精度よく取得されたボーク
開始位置を利用することにより、ボーク開始時期におけ
るスリーブ荷重を精度よく制御し得る。 (3) 前記制御装置が、さらに、前記ボーク開始位置
取得手段により取得されたボーク開始位置またはそれに
基づいて推定される真のボーク開始位置が将来のボーク
開始位置と実質的に一致することを前提とするととも
に、前記位置センサの出力信号に基づいて前記スリーブ
がボーク開始位置に位置したか否かを判定し、その判定
結果に応じて前記アクチュエータに供給する信号を変化
させる信号変化手段を含む(1)項に記載のシンクロメ
ッシュ式トランスミッションのための変速装置[請求項
2]。この変速装置によれば、精度よく取得されたボー
ク開始位置を利用することにより、ボーク開始時期にア
クチュエータに供給すべき信号を容易に適正化し得、ひ
いては、スリーブ荷重を精度よく制御し得る。 (4) 前記スリーブのクラッチが、それの軸方向に延
びるとともに互いに周方向に並んだ複数の歯を有するも
のであり、前記シンクロナイザリングが、それの軸方向
に延びるとともに互いに周方向に並んだ複数の歯であっ
て前記スリーブのクラッチの複数の歯と噛み合わされる
べきものを有するものであり、前記スリーブのクラッチ
の各歯の歯すじ方向における先端部に2つのチャンファ
面がその歯すじ方向外向きに尖る姿勢で形成され、前記
シンクロナイザリングの各歯の歯すじ方向における先端
部に2つのチャンファ面がその歯すじ方向外向きに尖る
姿勢で形成され、前記ボークの開始時期に、前記スリー
ブが、それに属する前記2つのチャンファ面のうち前記
シンクロナイザリングに対する相対回転方向前向きに位
置するものにおいて、そのシンクロナイザリングに、そ
れに属する前記2つのチャンファ面のうち前記スリーブ
に対する相対回転方向前向きに位置するものにおいて当
接し、前記ボーク開始位置取得手段が、前記スリーブと
前記シンクロナイザリングとの相対回転の正逆両方向に
ついてそれぞれ前記ボーク開始位置を取得するものであ
る(1)ないし(3)項のいずれかに記載のシンクロメ
ッシュ式トランスミッションのための変速装置[請求項
3]。スリーブとシンクロナイザリングとの相対回転方
向が正方向であるか逆方向であるかにより、スリーブの
歯の2つのチャンファ面のうちシンクロナイザリングに
当接するものが異なるとともに、シンクロナイザリング
の歯の2つのチャンファ面のうちスリーブに当接するも
のも異なる。同じスリーブにおいてそれの2つのチャン
ファ面の間で形状が異なる場合や、同じシンクロナイザ
リングにおいてそれの2つのチャンファ面の間で形状が
異なる場合には、ボーク開始時期において互いに当接す
る2つのチャンファ面の位置が異なれば、それに伴っ
て、ボーク開始位置も異なる。また、同じスリーブにお
いてそれの2つのチャンファ面の間で形状が同じである
場合や、同じシンクロナイザリングにおいてそれの2つ
のチャンファ面の間で形状が同じである場合には、それ
らチャンファ面の製造ばらつきや摩耗ばらつき等によっ
てボーク開始時期において互いに当接する2つのチャン
ファ面の位置が異なれば、それに伴って、ボーク開始位
置も異なる。したがって、ボーク開始時期において互い
に当接する2つのチャンファ面の位置が異なるごとに、
ボーク開始位置を取得することが望ましい。このような
知見に基づき、本項に係る変速装置においては、スリー
ブとシンクロナイザリングとの相対回転の正逆両方向に
ついてそれぞれ、換言すれば、ボーク開始時期において
互いに当接する2つのチャンファ面の位置が異なるごと
に、ボーク開始位置が取得される。したがって、この変
速装置によれば、スリーブとシンクロナイザリングとの
2つの当接位置にそれぞれ対応してボーク開始位置を取
得し得る。 (5) 前記制御装置が、メモリを含み、前記ボーク開
始位置取得手段が、(a)前記荷重関連量センサの出力
信号に基づいて前記スリーブ荷重関連量を逐次取得する
とともに、前記位置センサの出力信号に基づいて前記ス
リーブ移動位置を逐次取得し、(b)その取得されたス
リーブ移動位置をその取得時期に関連付けて前記メモリ
に記憶させ、(c)前記取得されたスリーブ荷重関連量
がピーク値を取った少なくとも一つの時期をスリーブ荷
重ピーク時期として取得し、(d)その取得されたスリ
ーブ荷重ピーク時期より前記戻り時間だけ戻った時期と
実質的に同じ時期に取得されて前記メモリに記憶させら
れたスリーブ移動位置を前記ボーク開始位置として取得
するものである(1)ないし(4)項のいずれかに記載
のシンクロメッシュ式トランスミッションのための変速
装置[請求項4]。この変速装置においては、スリーブ
移動位置の取得値がその取得時期に関連付けて記憶さ
れ、今回のスリーブ荷重関連量の取得値がピーク値を取
った少なくとも一つの時期がスリーブ荷重ピーク時期と
して取得され、その取得されたスリーブ荷重ピーク時期
から戻り時間だけ戻った時期と実質的に同じ時期に取得
されたスリーブ移動位置がボーク開始位置として取得さ
れる。したがって、この変速装置によれば、スリーブ移
動位置の取得値と、その取得時期と、スリーブ荷重関連
量がピーク値を取った時期と、戻り時間とを利用するこ
とにより、過去のボーク開始位置を精度よく取得し得
る。 (6) 前記ボーク開始位置取得手段が、前記アクチュ
エータが前記スリーブを前記シンクロナイザリングに接
近させる作動を開始した後に最初に前記スリーブ荷重関
連量がピーク値を取った時期を前記スリーブ荷重ピーク
時期として取得するとともに、前記戻り時間を前記振動
周期の半値と実質的に等しい長さに決定して、その取得
されたスリーブ荷重ピーク時期からその戻り時間だけ戻
った時期を前記ボーク開始時期として取得するものであ
る(5)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッシ
ョンのための変速装置。 (7) 前記ボーク開始位置取得手段が、前記アクチュ
エータが前記スリーブを前記シンクロナイザリングに接
近させる作動を開始した後に2番目に前記スリーブ荷重
関連量がピーク値を取った時期を前記スリーブ荷重ピー
ク時期として取得するとともに、前記戻り時間を前記振
動周期と実質的に等しい長さに決定して、その取得され
たスリーブ荷重ピーク時期からその戻り時間だけ戻った
時期を前記ボーク開始時期として取得するものである
(5)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッショ
ンのための変速装置。 (8) さらに、前記スリーブ荷重の振動周期に応じて
変化する物理量を検出する振動周期関連量センサを含
み、前記制御装置が、さらに、その振動周期関連量セン
サの出力信号に基づいて前記振動周期を取得する振動周
期取得手段を含み、前記ボーク開始位置取得手段が、そ
の振動周期取得手段により取得された振動周期に基づい
て前記ボーク開始位置を取得するものである(1)ない
し(7)項のいずれかに記載のシンクロメッシュ式トラ
ンスミッションのための変速装置[請求項5]。スリー
ブ荷重の振動周期は、製造される複数の同期装置の間に
おいて一定であるとは限らず、厳密には、製造ばらつき
に起因して変化する。したがって、そのような製造ばら
つきを問わず、信号のパターンをスリーブ荷重の振動荷
重との関係において適正にするためには、個々の同期装
置に関してスリーブ荷重の振動周期の実際値を取得し、
その結果を信号のパターンに反映させることが望まし
い。このような知見に基づき、本項に係る変速装置にお
いては、スリーブ荷重の振動周期に応じて変化する物理
量が検出され、その結果に基づいてスリーブ荷重の実際
の振動周期が取得される。さらに、その取得された振動
周期に基づいてボーク開始位置が取得される。したがっ
て、この変速装置によれば、同期装置の製造ばらつきを
問わず、ボーク開始位置を精度よく取得し得る。本項に
おいて「振動周期関連量センサ」は例えば、スリーブ荷
重またはそれに関連する荷重を検出するセンサとするこ
とができる。スリーブ荷重の振動周期が変化すれば、そ
れに応じて、スリーブ荷重またはそれに関連する荷重の
時間的推移も変化するからである。「振動周期関連量セ
ンサ」を、スリーブ荷重またはそれに関連する荷重を検
出する形式とした場合には、前記荷重関連量センサとの
共通化が可能となり、変速装置の部品点数の削減が可能
となる。さらに、「振動周期関連量センサ」は、スリー
ブまたはそれと一緒に移動させられる部材の移動位置ま
たは移動速度を検出するセンサとすることもできる。ス
リーブの移動速度は、スリーブ荷重と一定の関係を有し
て変化するからであり、また、移動位置の時間微分によ
って移動速度を取得可能であるからである。「振動周期
関連量センサ」を、スリーブの移動位置を検出する形式
とした場合には、前記位置センサとの共通化が可能とな
り、変速装置の部品点数の削減が可能となる。さらに、
「振動周期関連量センサ」は、スリーブのクラッチが噛
み合わされるべきクラッチを有する遊動ギヤの回転数を
検出するセンサとすることもできる。その回転数も、ス
リーブ移動速度と同様に、スリーブ荷重と一定の関係を
有して変化するからである。 (9) 前記制御装置が、さらに、前記荷重関連量セン
サの出力信号の周期的特徴が前記ボークに依拠しない可
能性がある場合に、前記ボーク開始位置取得手段による
前記ボーク開始位置の取得を阻止することと、そのボー
ク開始位置取得手段により取得されたボーク位置開始位
置を無効にすることとのいずれかを行うことにより、そ
のボーク開始位置取得手段により取得されるべきボーク
開始位置の信頼性を向上させる信頼性向上手段を含む
(1)ないし(8)項のいずれかに記載のシンクロメッ
シュ式トランスミッションのための変速装置[請求項
6]。荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴が常に
ボークに依拠するとは限らない。そのため、その周期的
特徴がボークに依拠しない可能性があるか否かを判定す
ることなく、その周期的特徴に基づいてボーク開始位置
を取得する場合には、ボークに依拠しない周期的特徴に
基づいてボーク開始位置を取得する可能性があり、その
ため、この場合には、その取得値に高い信頼性を求める
ことができない。そこで、本項に記載の変速装置におい
ては、荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴がボー
クに依拠しない可能性がある場合に、ボーク開始位置取
得手段による前記ボーク開始位置の取得を阻止すること
と、そのボーク開始位置取得手段により取得されたボー
ク位置開始位置を無効にすることとのいずれかが行わ
れ、その結果、そのボーク開始位置取得手段により取得
されるべきボーク開始位置の信頼性が向上する。 (10) 前記信頼性向上手段が、前記シャフトと前記
遊動ギヤとの相対回転に関する実際の状況が、前記ボー
クの発生時には存在し得ないかまたは前記ボーク開始位
置を正常に取得するには適しないものである場合に、前
記荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴が前記ボー
クに依拠しない可能性があると判定する第1可能性判定
手段を含む(9)項に記載のシンクロメッシュ式トラン
スミッションのための変速装置。ボークが発生するため
には、例えば、シャフトの回転数すなわちスリーブの回
転数と、遊動ギヤの回転数との間にある程度以上の回転
数差(すなわち、スリーブと遊動ギヤとの相対回転数の
絶対値)があることが必要である。そのような回転数差
がなければ、シンクロナイザリングと遊動ギヤとの間
に、スリーブの前進を妨げ得る大きさの摩擦力が発生し
ないからである。そして、そのような回転数差がない状
態で取得されたボーク開始位置は、現実のボーク開始位
置を正しく反映していない可能性がある。また、ボーク
開始時期以降においては、スリーブの回転数と遊動ギヤ
の回転数との回転数差が時間経過に伴って減少するとと
もに、その回転数差の時間的減少量がボークにより少な
くとも生じると予測される量以上となるはずである。回
転数差が時間経過に伴って減少しない状態や、回転数差
が減少する状態であってもその回転数差の時間的減少量
が予測される量より小さい状態で取得されたボーク開始
位置は、現実のボーク開始位置を正しく反映していない
可能性がある。そこで、本項に係る変速装置において
は、シャフトと遊動ギヤとの相対回転に関する実際の状
況が、ボークの発生時には存在し得ないかまたは前記ボ
ーク開始位置を正常に取得するには適しないものである
場合に、荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴がボ
ークに依拠しない可能性があると判定される。 (11) 前記信頼性向上手段が、前記スリーブの移動
に関する実際の状況が、前記ボークの発生時には存在し
得ないかまたは前記ボーク開始位置を正常に取得するに
は適しないものである場合に、前記荷重関連量センサの
出力信号の周期的特徴が前記ボークに依拠しない可能性
があると判定する第2可能性判定手段を含む(9)また
は(10)項に記載のシンクロメッシュ式トランスミッ
ションのための変速装置。ボークが発生する時期には、
例えば、スリーブが、ボークが開始される設計位置付近
に位置するはずである。設計位置付近に位置していない
状態で取得されたボーク開始位置は、現実のボーク開始
位置を正しく反映していない可能性がある。そこで、本
項に係る変速装置においては、スリーブの移動に関する
実際の状況が、ボークの発生時には存在し得ないかまた
は前記ボーク開始位置を正常に取得するには適しないも
のである場合に、荷重関連量センサの出力信号の周期的
特徴がボークに依拠しない可能性があると判定される。 (12) 前記ボーク開始位置取得手段が、前記制御装
置が前記トランスミッションの変速比を変化させる変速
のために前記アクチュエータを制御するごとに前記ボー
ク開始位置を取得するものである(1)ないし(11)
項のいずれかに記載のシンクロメッシュ式トランスミッ
ションのための変速装置[請求項7]。一般に、ボーク
開始位置は、スリーブおよびシンクロナイザリングの摩
耗等が原因となって経時的に変化する。そのため、この
経時的変化が反映されるようにボーク開始位置を取得す
ることがその取得精度を向上させるために望ましい。そ
こで、本項に記載の変速装置においては、トランスミッ
ションの変速比を変化させる変速のためにアクチュエー
タが制御されるごとにボーク開始位置が取得される。し
たがって、この変速装置によれば、経時的変化を伴うボ
ーク開始位置を精度よく取得し得る。 (13) 前記制御装置が、さらに、前記ボーク開始位
置取得手段によりボーク開始位置が取得されるごとに、
その取得されたボーク開始位置のみならず、そのボーク
開始位置取得手段により先に取得された少なくとも一つ
のボーク開始位置にも基づいて真のボーク開始位置を推
定する推定手段を含む(1)ないし(12)項のいずれ
かに記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのた
めの変速装置[請求項8]。ボーク開始位置の取得値に
は取得誤差が存在する。そのため、ボーク開始位置が取
得されるごとに、その取得値をそのまま真のボーク開始
位置として採用する場合には、十分に正確なボーク開始
位置を把握することができない。そこで、本項に係る変
速装置においては、ボーク開始位置が取得されるごと
に、その取得値のみならず、既に取得されている少なく
とも一つのボーク開始位置をも考慮して、真のボーク開
始位置が推定される。したがって、この変速装置によれ
ば、真のボーク開始位置を精度よく推定し得る。 (14) 前記推定手段が、前記ボーク開始位置取得手
段により今回取得されたボーク開始位置が、それより先
に取得された少なくとも一つのボーク開始位置に対して
許容値以上異なる異常値である場合に、その今回取得さ
れたボーク開始位置を考慮しないで前記真のボーク開始
位置を推定する異常値除外手段を含む(13)項に記載
のシンクロメッシュ式トランスミッションのための変速
装置。 (15) 前記推定手段が、前記ボーク開始位置取得手
段により今回取得されたボーク開始位置とそれより先に
取得された少なくとも一つボーク開始位置がそれらの取
得順序に関して近似させられる一近似直線上の値を前記
真のボーク開始位置として推定する近似直線利用手段を
含む(13)または(14)項に記載のシンクロメッシ
ュ式トランスミッションのための変速装置。本項におい
て「近似直線」の一例は、傾きが0である直線である。
この例においては、真のボーク開始位置が、ボーク開始
位置の今回の取得値を含む複数の取得値の平均値として
推定される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1には、本発明の第1実施形態である変
速装置のハードウエア構成が概念的に示されている。こ
の変速装置は、動力源がエンジン(内燃機関)10であ
る車両に搭載されている。この車両においては、エンジ
ン10のアウトプットシャフト(図示しない)がクラッ
チ12およびシンクロメッシュ式のトランスミッション
14を経て図示しない複数の駆動車輪に連結されてい
る。この車両においては、そのトランスミッション14
の変速段数が前進5段、後退(リバース)1段とされて
いる。
【0012】この車両は、それを加速させるために運転
者により操作されるアクセル操作部材としてのアクセル
ペダル20を備えている。この車両は、さらに、トラン
スミッション14を変速するために運転者により操作さ
れる変速操作部材としてのシフトレバー22を備えてい
る。
【0013】シフトレバー22は、トランスミッション
の変速が完全に手動により行われる車両においてその変
速のために運転者により操作されるシフトレバーと同じ
H字状パターンで操作されるように設計されている。し
たがって、シフトレバー22の変速操作は、車両前後方
向におけるシフト操作と、車両左右方向におけるセレク
ト操作とにより構成される。ただし、変速操作部材をそ
のようなシフトレバー22として構成することは本発明
を実施する際に不可欠なことではなく、例えば、運転者
により操作されるステアリングホイールに装着されたイ
ンクリメンタル式のスイッチとして構成することが可能
である。
【0014】トランスミッション14は、よく知られて
いるように、クラッチ12に接続されるインプットシャ
フト(図示しない)と、それと同軸のアウトプットシャ
フト26(図2参照)と、それらに平行に延びるカウン
タシャフト(図示しない)とを備えている。インプット
シャフトとカウンタシャフトとの間においては1つのギ
ヤ対により常時回転が伝達され、アウトプットシャフト
26とカウンタシャフトとの間においてはギヤ比が互い
に異なる複数のギヤ対のいずれかが有効ギヤ対として選
択されて回転が伝達される。その選択は複数(本実施形
態においては3つ)の同期装置により行われる。
【0015】図2には、1つの同期装置30が代表的に
示されている。この同期装置30は、イナーシャロック
型(ボーキング型ともいわれる)の一種であるボルグワ
ーナ式である。
【0016】同期装置30は、アウトプットシャフト2
6において、それと常時相対回転不能に装着されたクラ
ッチハブ32を備えている。そのクラッチハブ32の外
周部にはスリーブ34が、常時相対回転不能かつ軸方向
に移動可能に嵌合されている。スリーブ34の外周部に
は環状の溝36が形成されている。この溝36には図示
しない二股状のシフトフォークがスリーブ34を両側か
ら挟む姿勢で嵌合させられる。スリーブ34は、そのシ
フトフォークに対する相対回転が許容される状態でその
シフトフォークと共に軸方向に移動させられる。
【0017】スリーブ34の内周部には複数の歯が、そ
のスリーブ34の軸方向にそれぞれ延びるとともに周方
向に互いに並んだ姿勢で形成されている。それら複数の
歯により、そのスリーブ34においてクラッチ38が構
成されている。スリーブ34の各歯の歯すじ方向におけ
る先端部には、図3に示すように、2つのチャンファ面
40a,40bがその歯すじ方向外向きに尖る姿勢で形
成されている。それらチャンファ面40aと40bと
は、互いに異なる形状または互いに同じ形状とすること
ができる。
【0018】図2に示すように、アウトプットシャフト
26には、スリーブ34を挟む2つの定位置においてそ
れぞれギヤAとギヤBとが相対回転可能に装着されてい
る。それらギヤAとギヤBとは共に、遊動ギヤとして機
能するとともに、前記カウンタシャフトに固定された各
ギヤ(図示しない)に常時噛み合わされている。
【0019】ギヤAの軸部のうちスリーブ34に近い部
分の外周部には、そのスリーブ34に近づくにつれて小
径となる円錐面を有するコーン42が形成されている。
すなわち、本実施形態においては、そのコーン42の円
錐面が請求項1における「摩擦面」の一例を構成してい
るのである。
【0020】そのコーン42には、それの円錐面を補完
する円錐面を有するシンクロナイザリング46が装着さ
れている。このシンクロナイザリング46の外周部には
複数の歯が、そのシンクロナイザリング46の軸方向に
それぞれ延びるとともに周方向に互いに並んだ姿勢で形
成されている。それら複数の歯は、スリーブ34のクラ
ッチ38と選択的に噛み合わされる。シンクロナイザリ
ング46の各歯の歯すじ方向における先端部には、図3
に示すように、2つのチャンファ面47a,47bがそ
の歯すじ方向外向きに尖る姿勢で形成されている。それ
らチャンファ面47aと47bとは、互いに異なる形状
または互いに同じ形状とすることができる。
【0021】図2に示すギヤAの軸部のうちコーン42
に近い部分の外周部にも複数の歯が形成されている。そ
れら複数の歯により、ギヤAにおいてクラッチ48が構
成されている。このクラッチ48は、スリーブ34のク
ラッチ38と選択的に噛み合わされる。
【0022】クラッチハブ32とスリーブ34との間に
は複数のシフティングキー50が装着されている。それ
ら複数のシフティングキー50はクラッチハブ32の周
方向において互いに隔たった複数の定位置に保持されて
いる。シフティングキー50は、一定の幅を有してスリ
ーブ34の軸方向に延びている。シフティングキー50
は、それとクラッチハブ32との間に配置されたキース
プリング52により常時、スリーブ34の内周面に押し
付けられている。シフティングキー50はそれの外面に
形成された凸部において、スリーブ34の内面に形成さ
れた凹部に嵌合可能とされている。このような構造によ
り、スリーブ34が軸方向にスライドさせられる際、そ
のスリーブ34とシフティングキー50との間に作用す
る力が設定値を超えないために凹部が凸部の斜面を乗り
越えない状態では、それらスリーブ34とシフティング
キー50とが一体的に移動し、一方、上記力が設定値を
超えたために凹部が凸部の斜面を乗り越えた後には、シ
フティングキー50が置き去りにされてスリーブ34の
みが単独で移動させられる。
【0023】それら複数のシフティングキー50は常
時、シンクロナイザリング46にそれぞれ形成された複
数の凹部56に部分的に嵌り込んでいる。凹部56は、
一定の幅を有してシンクロナイザリング46の軸方向に
延びている。凹部56の幅寸法は、対応するシフティン
グキー50の幅寸法より少し長くされている。この寸法
設定により、スリーブ34とシンクロナイザリング46
との相対回転が一定範囲内で許容される。
【0024】一方、凹部56の底面の位置は、スリーブ
34もシンクロナイザリング46も初期位置にある状態
(この状態がトランスミッション14のニュートラル状
態である)では、対応するシフティングキー50の先端
面との間にクリアランスが存在するように設定されてい
る。このクリアランスは、シフティングキー50がシン
クロナイザリング46に接近するにつれて減少し、やが
て消滅する。この消滅状態では、シフティングキー50
の軸力がシンクロナイザリング46に伝達され、その結
果、シンクロナイザリング46がコーン42に押し付け
られる。この押し付けにより、スリーブ34とシンクロ
ナイザリング46とが、シフティングキー50と凹部5
6との幅方向クリアランスに応じた許容範囲内で、スリ
ーブ34とギヤAとの相対回転方向に応じて決まる方向
に相対回転させられる。さらに、この押し付けにより、
スリーブ34とギヤAとの相対回転数の絶対値が減少さ
せられる。
【0025】シフティングキー50がシンクロナイザリ
ング46に当接した後にスリーブ34がさらに同じ向き
に移動させられれば、前述のように、スリーブ34のみ
が単独で移動させられ、それの歯の歯すじ方向における
先端部においてシンクロナイザリング46の歯の歯すじ
方向における先端部に当接する。具体的には、図3に示
すように、スリーブ34が、それの歯のチャンファ面4
0a,40bのうちシンクロナイザリング46に対する
相対回転方向前向きに位置するもの(同図においては、
上側に位置する40a)において、そのシンクロナイザ
リング46に、それの歯のチャンファ面47a,47b
のうちスリーブ34に対する相対回転方向前向きに位置
するもの(同図においては、下側に位置する47b)に
おいて当接する。
【0026】スリーブ34のシンクロナイザリング46
への当接後においては、スリーブ34とギヤAとの相対
回転数が実質的に0ではない状態では、シフティングキ
ー50と凹部56との幅方向クリアランスが消滅するこ
とにより、シンクロナイザリング46がスリーブ34に
対して自由に相対回転することが阻止される。そのた
め、スリーブ34のシンクロナイザリング46へ向かう
移動がそのシンクロナイザリング46により邪魔され
る。スリーブ34がボーク状態にあるのである。しか
し、それと同時に、スリーブ34がシンクロナイザリン
グ46をコーン42にさらに強く押し付ける結果、やが
てスリーブ34とギヤAとの相対回転数の絶対値が実質
的に0に減少させられる。
【0027】その相対回転数が実質的に0である状態、
すなわち、同期完了状態においては、シンクロナイザリ
ング46とコーン42との間に摩擦力がほとんど発生せ
ず、そのため、シンクロナイザリング46がスリーブ3
4に対して自由に相対回転可能となる。したがって、そ
の後、スリーブ34の歯がシンクロナイザリング46の
歯を幅方向に押し分けながら前進させられ、その結果、
スリーブ34の歯とシンクロナイザリング46の歯との
噛み合いが行われる。引き続いて、スリーブ34のクラ
ッチ38の歯がギヤAのクラッチ48の歯を周方向に押
し分けながら前進させられ、やがて、スリーブ34のク
ラッチ38がギヤAのクラッチ48に噛み合わされる。
【0028】図2に示すように、ギヤBにも、ギヤAと
同様にコーン42とクラッチ48とが形成されるととも
に、そのコーン42にシンクロナイザリング46が装着
されている。
【0029】そして、スリーブ34のクラッチ38の歯
がギヤA側のシンクロナイザリング46の歯とギヤAの
クラッチ48の歯とに噛み合わされている状態では、ギ
ヤAの回転がアウトプットシャフト26に伝達される。
この状態においては、ギヤAと、それと常時噛み合わさ
れた状態で前記カウンタシャフトと共に回転するギヤと
が「有効ギヤ対」を構成している。これに対して、スリ
ーブ34のクラッチ38の歯がギヤB側のシンクロナイ
ザリング46の歯とギヤBのクラッチ48の歯とに噛み
合わされている状態では、ギヤBの回転がアウトプット
シャフト26に伝達される。この状態においては、ギヤ
Bと、それと常時噛み合わされた状態で前記カウンタシ
ャフトと共に回転するギヤとが「有効ギヤ対」を構成し
ている。このように、ギヤAとギヤBとのうち回転がア
ウトプットシャフト26に伝達されるものがスリーブ3
4の移動に応じて変化させられ、その結果、トランスミ
ッション14の変速比も変化させられる。
【0030】この変速装置においては、トランスミッシ
ョン14の変速比の変化すなわち変速が自動的に行われ
る。この変速装置においては、複数の同期装置30の複
数のスリーブ34にそれぞれ係合させられる複数のシフ
トフォークが伝達機構を経てアクチュエータ装置に連結
されている。
【0031】アクチュエータ装置は、図1に示すよう
に、シフトレバー22のシフト操作に連動するシフトア
クチュエータ60と、セレクト操作に連動するセレクト
アクチュエータ62とを備えている。それらシフトアク
チュエータ60およびセレクトアクチュエータ62は、
前述の電気的駆動源利用式または圧力源利用式とするこ
とができる。
【0032】図4に示すように、伝達機構66は、複数
のスリーブ34の軸方向に平行に複数のシフトフォーク
から延びる複数のシフティングロッド68を備えてい
る。伝達機構66は、さらに、シフトアクチュエータ6
0の発生荷重をそれら複数のシフティングロッド68の
いずれかに伝達する伝達ロッド70を備えている。それ
ら複数のシフティングロッド68には複数の係合部72
がそれぞれ形成されており、それら複数の係合部72の
うち選択されたものに伝達ロッド70の係合部74が係
合させられる。係合部72の選択は、伝達ロッド70の
係合部74と複数のシフティングロッド68の複数の係
合部72との相対移動により行われ、その相対移動はセ
レクトアクチュエータ62により行われる。
【0033】クラッチ12は、よく知られた基本的な構
造により、エンジン10のアウトプットシャフトとトラ
ンスミッション14のインプットシャフトとを、それら
が互いに接続される接続状態と、互いに切断される切断
状態とに切り換える。この変速装置においては、そのク
ラッチ12の切換えも自動的に行われる。この自動切換
えは図1に示すクラッチアクチュエータ80により行わ
れる。クラッチアクチュエータ80も、シフトアクチュ
エータ60およびセレクトアクチュエータ62と同様
に、電気的駆動源利用式または圧力源利用式とすること
ができる。
【0034】それらクラッチアクチュエータ80、シフ
トアクチュエータ60およびセレクトアクチュエータ6
2は、図1に示す変速ECU(Electronic Control Uni
t)により制御される。その変速ECU82は、図5に
示すように、1つないしは複数のプロセッサから構成さ
れるプロセッシングユニット(以下、「PU」と略称す
る)84と、リードオンリメモリ(以下、「ROM」と
略称する)86と、ランダムアクセスメモリ(以下、
「RAM」と略称する)88とがバス90により互いに
接続されたコンピュータ92を主体として構成されてい
る。
【0035】図1に示すように、その変速ECU82の
入力部には、車両に対する運転者の意思を検出するため
の複数のセンサが接続されている。それら複数のセンサ
は、トランスミッション14の各変速段に対応するシフ
トレバー22のシフト位置を検出するシフト位置センサ
94と、アクセルペダル20の操作位置を検出するペダ
ル位置センサ96とを含んでいる。本実施形態において
は、トランスミッション14の変速段の1つとしてトラ
ンスミッション14のニュートラル状態が含まれる。し
たがって、シフト位置センサ94は、そのトランスミッ
ション14のニュートラル状態に対応するシフトレバー
22の位置をもシフト位置として検出する。
【0036】変速ECU82の入力部には、さらに、ト
ランスミッション14の作動状態を検出するための複数
のセンサが接続されている。それら複数のセンサは、伝
達ロッド70の移動位置をスリーブ34の移動位置(ス
リーブ移動位置X)に相当する位置として検出するスリ
ーブ位置センサ98と、スリーブ34に作用するスリー
ブ荷重Fを検出する荷重センサ100と、トランスミッ
ション14のインプットシャフトの回転数を検出するイ
ンプット回転数センサ101と、アウトプットシャフト
26の回転数を検出するアウトプット回転数センサ10
2とを含んでいる。
【0037】スリーブ位置センサ98は、スリーブ34
の初期位置を基準(0)としてその基準から一方向への
スリーブ34の移動を正、逆方向への移動を負として表
す信号を出力する。荷重センサ100は、例えばシフテ
ィングロッド68に作用する荷重をスリーブ荷重Fに相
当する荷重として検出するセンサの他、伝達ロッド70
に作用する荷重をスリーブ荷重Fに相当する荷重として
検出するセンサや、前記シフトフォークに作用する荷重
をスリーブ荷重Fに相当する荷重として検出するセンサ
等を採用可能である。
【0038】一方、変速ECU82の出力部には、シフ
トアクチュエータ60とセレクトアクチュエータ62と
クラッチアクチュエータ80とが接続されている。変速
ECU82は、上述の複数のセンサからの信号に基づ
き、それらアクチュエータ60,62,80に供給する
電気エネルギーの関連値(例えば、瞬間電流、瞬間電
圧、積分電流、積分電圧等)を制御する。
【0039】ここで、変速ECU82とアクチュエータ
60,62,80との接続を詳細に説明すれば、変速E
CU82は、よく知られている手法により、電源(図示
しない)に接続されたドライバ(図示しない)を介して
それらアクチュエータ60,62,80に接続されてい
る。変速ECU82は、そのドライバへの指令信号を制
御することにより、そのドライバを経て電源からアクチ
ュエータ60,62,80に供給される電気エネルギー
の関連値を制御する。ただし、本実施形態においては、
ドライバへの指令信号に関する説明を省略するととも
に、変速ECU82の指令信号に応じてドライバがアク
チュエータ60,62,80に電気エネルギーを供給す
ることを、変速ECU82がアクチュエータ60,6
2,80に駆動信号を出力する(または供給する)こと
として説明する。
【0040】変速ECU82は、同じ車両を制御する他
のECUとの通信を行う。他のECUの一例は、エンジ
ン10を制御するエンジンECU106である。変速E
CU82は、それにとって必要な信号を他のECUから
受信したり、他のECUにとって必要な信号をそれに送
信する。
【0041】図5に示すように、ROM86には、図7
ないし図9、図12および図13にそれぞれフローチャ
ートで概念的に表されているメインプログラム、セレク
トアクチュエータ制御プログラム、シフトアクチュエー
タ制御プログラム、クラッチアクチュエータ制御プログ
ラムおよび推定ボーク開始位置決定プログラムを始めと
する複数のプログラムが記憶されている。それら複数の
プログラムは、PU84を構成する1つのプロセッサに
より実行したり、PU84を構成する複数のプロセッサ
によりそれぞれ実行することが可能である。
【0042】それら複数のプログラムの実行において
は、必要に応じてRAM88が利用される。このRAM
88には、図6に示すように、変速段関連データ記憶領
域、フラグ領域、ボーク開始位置関連データ記憶領域、
変速状態関連情報記憶領域および時系列データ記憶領域
を始めとする複数の領域が設けられている。以下、それ
ら複数の領域のうち必要なものを利用して実行される前
記各プログラムの内容を順に説明する。
【0043】まず、図7のメインプログラムの内容を説
明する。このメインプログラムは、コンピュータ92の
電源投入後、繰返し実行される。各回の実行時には、ま
ず、ステップS101(以下、単に「S101」で表
す。他のステップについても同じとする。)において、
シフト位置センサ94により今回検出されたシフト位置
が前回検出されたシフト位置と異なるか否かが判定され
る。異ならない場合には、判定がNOとなり、直ちにこ
のプログラムの一回の実行が終了する。
【0044】これに対して、異なる場合には、S101
の判定がYESとなり、S102に移行する。このステ
ップにおいては、シフト位置センサ94により前回検出
されたシフト位置に基づき、トランスミッション14に
おける現在の変速段が取得される。このステップにおい
ては、さらに、シフト位置センサ94により今回検出さ
れたシフト位置に基づき、トランスミッション14にお
いて今回選択されるべき目標変速段が決定される。トラ
ンスミッション14の変速段(変速比)を1段に変更す
るのか、2段に変更するのか等が決定されるのである。
【0045】続いて、S103において、その取得され
た現在の変速段を表すデータと、決定された目標変速段
を表すデータとがRAM88の変速段関連データ記憶領
域に記憶される。この記憶は、RAM88に既にデータ
が記憶されている場合にはそのデータを更新する形式で
行われる。その後、S104において、セット状態では
変速要求が出されたことを示す一方、リセット状態では
出されていないこと示す変速要求フラグがセットされ
る。この変速要求フラグは、RAM88のフラグ領域に
設けられていて、コンピュータ92の電源投入に伴って
リセットされるように設計されている。以上で、このメ
インプログラムの一回の実行が終了する。
【0046】次に、図8のセレクトアクチュエータ制御
プログラムの内容を説明する。このプログラムも上記メ
インプログラムと同様に、繰返し実行される。各回の実
行時には、まず、S201において、変速要求フラグが
セットされているか否かが判定される。セットされてい
ない場合には、判定がNOとなり、直ちにこのプログラ
ムの一回の実行が終了する。これに対して、セットされ
ている場合には、判定がYESとなり、S202におい
て、RAM88から目標変速段が読み込まれ、続いて、
S203において、その目標変速段を選択するのに必要
な駆動信号がセレクトアクチュエータ62に出力され
る。その結果、伝達ロッド70の係合部74が、複数の
シフティングロッド68のうち目標変速段に対応するも
のの係合部72に係合させられる。以上で、このプログ
ラムの一回の実行が終了する。
【0047】次に、図9のシフトアクチュエータ制御プ
ログラムの内容を説明する。なお、以下の説明におい
て、「ボーク開始位置」とは、ボーク開始時期における
スリーブ34の移動位置を意味している。このことは、
他のプログラムの説明においても同様である。
【0048】A.まず、このシフトアクチュエータ制御
プログラムの説明に必要な主要な用語を定義する。 予定ボーク開始位置XBp:各回の変速制御においてス
リーブ34がボーク時期に位置するはずであるとして予
定された位置 推定ボーク開始位置XBe:各回の変速制御においてス
リーブ34がボーク開始時期に実際に位置したと推定さ
れる位置であって、後に詳述する推定ボーク開始位置決
定プログラムにより決定されるもの 設計ボーク開始位置XBb:各回の変速制御においてス
リーブ34がボーク開始時期に位置するとして設計され
た位置
【0049】B.次に、このシフトアクチュエータ制御
プログラムの内容を概念的に説明する。
【0050】1.このプログラムは、スリーブ34がシ
ンクロナイザリング46に当接し始めるボーク開始時期
の前後でシフトアクチュエータ60に出力する駆動信号
を互いに異ならせる。
【0051】2.このプログラムは、そのボーク開始時
期を、スリーブ位置センサ98の出力信号に基づいてス
リーブ34が予定ボーク開始位置XBpに位置したか否
かを判定することにより検出する。
【0052】3.このプログラムは、推定ボーク開始位
置XBeを予定ボーク開始位置X として利用する。
【0053】ここで、推定ボーク開始位置XBeについ
てさらに詳しく説明すれば、図10に示すように、推定
ボーク開始位置XBeは、目標変速段と、初期スリーブ
回転数Ns0と初期ギヤ回転数Ng0との相対的差であ
る初期相対回転数Nr0の符号とを含む変速状態関連情
報に関連付けて決定される。ここに、「初期スリーブ回
転数Ns0」は、現在の変速段に対応する遊動ギヤのク
ラッチ48とスリーブ34のクラッチ38との噛み合わ
せ状態(変速前)におけるスリーブ34の回転数であ
る。また、「初期ギヤ回転数Ng0」は、その噛み合わ
せ状態(変速前)における、目標変速段に対応する遊動
ギヤの回転数である。
【0054】そのように決定された推定ボーク開始位置
Beは、RAM88のボーク開始位置関連データ記憶
領域にテーブル形式で記憶される。ただし、コンピュー
タ92の電源投入後に推定ボーク開始位置XBeが一度
も決定されていない状況が存在することを考慮し、コン
ピュータ92の電源投入に伴って、ROM86に記憶さ
れている設計ボーク開始位置XBbが推定ボーク開始位
置XBeの初期値としてRAM88に転送される。
【0055】このように推定ボーク開始位置XBeの初
期値としてROM86に記憶されている設計ボーク開始
位置XBbを使用することは本発明を実施する上におい
て不可欠なことではない。例えば、コンピュータ92を
書換え可能な不揮発メモリの一例として電気的書換え可
能ROM(すなわち、EEPROM)を備えたものとす
るとともに、車両製造後における各回の車両走行の終了
(例えば、車両の電源スイッチがオフに操作されるこ
と)に応答して、その時点においてRAM88に記憶さ
れている推定ボーク開始位置XBeを上記EEPROM
に格納し、かつ、車両製造後における2回目以後の各回
の車両走行中のうち、その回の車両走行の開始時期から
一度も推定ボーク開始位置XBeがコンピュータ92に
より決定されていない期間においては、上記EEPRO
Mから前回の推定ボーク開始位置X Beを読み出して使
用するようにして本発明を実施することが可能である。
このようにすれば、前回の車両走行中に推定ボーク開始
位置XBeに関してなされた学習結果を次回の車両走行
中に有効に利用することができ、その結果、各回の車両
走行の当初から推定ボーク開始位置XBeを十分に高い
精度で使用し得る。
【0056】ここで、ボーク開始位置と、目標変速段お
よび初期相対回転数Nr0との関係についてさらに詳し
く説明する。
【0057】ボークの開始、すなわちスリーブ34とシ
ンクロナイザリング46との当接(図3参照)に際して
は、スリーブ34とシンクロナイザリング46との相対
回転方向が正方向であるか逆方向であるかによって、ス
リーブ34の歯のチャンファ面40a,40bのいずれ
にシンクロナイザリング46の歯のチャンファ面47
a,47bのいずれが当接するかが異なる。その相対回
転方向の正逆は一般に、初期スリーブ回転数Ns0と初
期ギヤ回転数Ng0との相対的差に依存する。換言すれ
ば、初期相対回転数Nr0の正負、すなわちそれの符号
に対応するのである。
【0058】また、同じスリーブ34においてチャンフ
ァ面40aと40bとで互いに形状が異なる場合や同じ
シンクロナイザリング46においてチャンファ面47a
と47bとで互いに形状が異なる場合には、ボーク開始
時期においてチャンファ面40a,40bのいずれにチ
ャンファ面47a,47bのいずれが当接するかによ
り、ボーク開始位置が異なる。一方、同じスリーブ34
においてチャンファ面40aと40bとで互いに形状が
同じである場合や同じシンクロナイザリング46におい
てチャンファ面40aと40bとで互いに形状が同じで
ある場合には、それらチャンファ面の製造ばらつきや摩
耗ばらつき等によって、ボーク開始時期においてチャン
ファ面40a,40bのいずれにチャンファ面47a,
47bのいずれが当接するかにより、ボーク開始位置が
異なる。さらに、このような状況は、シンクロナイザリ
ング46ごとに、すなわち、シンクロナイザリング46
が装着された遊動ギヤに対応する目標変速段ごとに生じ
る。
【0059】このように、ボーク開始位置は、目標変速
段と初期相対回転数Nr0の符号とに応じて変化するた
め、それら目標変速段と初期相対回転数Nr0の符号と
に基づいて決定することができる。
【0060】以上の知見に基づき、本実施形態において
は、推定ボーク開始位置決定プログラムの実行により、
推定ボーク開始位置XBeが目標変速段と初期相対回転
数N r0の符号とを含む変速状態関連情報に関連付けて
決定される。そして、このシフトアクチュエータ制御プ
ログラムにおいては、そのようにして決定された推定ボ
ーク開始位置XBeが、ボーク開始時期を検出してその
ボーク開始時期の前後においてシフトアクチェータ60
に出力する駆動信号を互いに異ならせるために利用され
る。
【0061】4.上述の原理に基づく推定ボーク開始位
置XBeの決定は常に正常に行い得るとは限らない。推
定ボーク開始位置XBeを正常に決定し得ない可能性が
ある場合があるのである。具体的には、アウトプットシ
ャフト26の回転数が0である車両の停止状態において
シフトレバー22を操作して目標変速段を1速ないしは
リバースとする場合である。なぜなら、この場合には、
クラッチ12が切られていてトランスミッション14の
インプットシャフトの回転数も目標変速段に対応する遊
動ギヤの回転数も0であり、よって、初期相対回転数N
r0も0となり、その結果、それの符号を正しく取得し
得ない可能性があるからである。したがって、このシフ
トアクチュエータ制御プログラムは、推定ボーク開始位
置XBeを正常に決定し得ない可能性がある場合には、
設計ボーク開始位置XBbを予定ボーク開始位置XBp
として利用する。ただし、本実施形態においては、その
利用される設計ボーク開始位置XBbは、推定ボーク開
始位置XBeの初期値として利用される設計ボーク開始
位置XBbとは別に、各目標変速段に関連付けてROM
86に記憶されている。
【0062】5.このシフトアクチュエータ制御プログ
ラムは、各回の変速制御においてボークが発生しないこ
とが確実である場合には、ボーク開始時期に着目しない
でシフトアクチュエータ60を制御する。そのような場
合は具体的には、目標変速段がニュートラルの場合であ
る。なぜなら、この場合には、変速に伴うスリーブ34
の移動が、そのスリーブ34のクラッチ38と現在の変
速段に対応する遊動ギヤのクラッチ48との噛み合わせ
位置からニュートラル位置までの移動となり、スリーブ
34がボーク状態に至ることがないからである。
【0063】C.続いて、このシフトアクチュエータ制
御プログラムの内容を具体的に説明する。
【0064】このプログラムも上記メインプログラムお
よびセレクトアクチュエータ制御プログラムと同様に、
繰返し実行される。各回の実行時には、まず、図9のS
301において、変速要求フラグがセットされているか
否かが判定される。セットされていない場合には、判定
がNOとなり、直ちにこのプログラムの一回の実行が終
了する。
【0065】これに対して、変速要求フラグがセットさ
れている場合には、S301の判定がYESとなり、S
302において、RAM88から目標変速段が読み込ま
れ、続いて、S303において、その目標変速段を選択
するためにシフトアクチュエータ60を作動させること
が必要である方向が決定される。
【0066】その後、S304において、S302にお
いて読み込まれた目標変速段への変速がボークを発生さ
せないものであるか否かが判定される。具体的には、そ
の読み込まれた目標変速段がニュートラルであるか否か
が判定される。ボークを発生させる変速である場合に
は、S304の判定がNOとなり、S305に移行す
る。このステップにおいては、予定ボーク開始位置決定
ルーチンが実行される。
【0067】この予定ボーク開始位置決定ルーチンが図
11にフローチャートで概念的に表されている。この予
定ボーク開始位置決定ルーチンにおいては、まず、S3
51において、車両が停止状態にあるか否かが判定され
る。具体的には、アウトプット回転数センサ102によ
り検出されるアウトプットシャフト26の回転数が0に
近い設定値以下であるか否かが判定される。
【0068】車両が停止状態にはない場合には、S35
1の判定がNOとなり、S352においてRAM88か
ら現在の変速段および目標変速段が読み込まれる。
【0069】続いて、S353において、初期スリーブ
回転数Ns0と初期ギヤ回転数N とが取得される。
具体的には、初期スリーブ回転数Ns0は、アウトプッ
ト回転数センサ102により検出されるアウトプットシ
ャフト26の回転数に基づき取得される。一方、初期ギ
ヤ回転数Ng0の取得に際しては、まず、ROM86に
おいて各変速段に関連付けて記憶されているギヤ比(図
5参照)のうちS352において読み込まれた現在の変
速段と目標変速段とのそれぞれに対応するものが、その
ROM86から読み込まれる。次に、読み込まれた各ギ
ヤ比と、インプット回転数センサ101により検出され
るインプットシャフトの回転数とに基づき初期ギヤ回転
数Ng0が取得される。
【0070】続いて、S354において、取得された初
期スリーブ回転数Ns0と初期ギヤ回転数Ns0とに基
づいて初期相対回転数Nr0が決定される。その後、S
355において、その決定された初期相対回転数Nr0
の符号とS352において読み込まれた目標変速段とに
基づき、予定ボーク開始位置XBpが決定される。具体
的には、まず、それら初期相対回転数Nr0の符号およ
び目標変速段と一致する情報を含む変速状態関連情報に
関連付けられた推定ボーク開始位置XBeがRAM88
から読み込まれる。次に、その読み込まれた推定ボーク
開始位置XBeが予定ボーク開始位置XBpとして決定
される。以上で、この予定ボーク開始位置決定ルーチン
の今回の実行が終了する。
【0071】以上、車両が停止状態にはない場合につい
て説明したが、停止状態にある場合には、S351の判
定がYESとなり、S356において、RAM88から
目標変速段が読み込まれる。
【0072】続いて、S357において、その読み込ま
れた目標変速段に関連付けられた設計ボーク開始位置X
BbがROM86から読み込まれて、それが予定ボーク
開始位置XBpとして決定される。以上で、この予定ボ
ーク開始位置決定ルーチンの今回の実行が終了する。
【0073】その後、図9のS306において、スリー
ブ位置センサ98の出力信号に基づきスリーブ移動位置
Xが取得される。続いて、S307において、その取得
されたスリーブ移動位置Xの絶対値が、S305におい
て決定された予定ボーク開始位置XBpの絶対値以上で
あるか否かが判定される。スリーブ34が予定ボーク開
始位置XBpに到達したか否かが判定されるのである。
【0074】スリーブ移動位置Xの絶対値が予定ボーク
開始位置XBpの絶対値以上ではないと判定された場合
には、S307の判定がNOとなり、S308に移行す
る。このステップにおいては、スリーブ34に作用する
ことが要求される要求荷重F が、ボーク開始前におけ
るスリーブ34の移動に適した大きさを有するように決
定される。
【0075】続いて、S309において、S303にお
いて決定された作動方向にスリーブ34を移動させると
ともに、S308において決定された要求荷重Fを実
現するのに必要な駆動信号がシフトアクチュエータ60
に出力される。その後、S306に戻る。
【0076】それらS306ないしS309の実行が繰
り返された結果、スリーブ移動位置Xの絶対値が予定ボ
ーク開始位置XBpの絶対値以上であると判定されるに
至ると、S307の判定がYESとなり、S310に移
行する。このステップにおいては、スリーブ34の要求
荷重Fが、S308において決定された要求荷重F
とは異なるとともに、ボーク開始時期におけるスリーブ
荷重として適当な大きさを有するように決定される。要
求荷重Fは具体的には、例えばボーク開始時期におい
て車両の運転者にとって不快な異音やショックが発生し
たり、シンクロナイザリング46が破損したりするいっ
た不具合を生じさせない大きさに決定される。
【0077】その後、S311において、S303にお
いて決定された作動方向にスリーブ34を移動させると
ともに、S310において決定された要求荷重Fを実
現するのに必要な駆動信号がシフトアクチュエータ60
に出力される。続いて、S312において、セット状態
では今回の変速制御が完了したことを示す一方、リセッ
ト状態では完了していないことを示す変速完了フラグが
セットされる。この変速完了フラグもRAM88のフラ
グ領域に設けられていて、コンピュータ92の電源投入
に伴ってリセットされるように設計されている。以上
で、このシフトアクチュエータ制御プログラムの一回の
実行が終了する。
【0078】以上、変速がボークを発生させるものであ
る場合を説明したが、ボークを発生させないものである
場合には、S304の判定がYESとなり、S313に
移行する。このステップにおいては、S303において
決定された作動方向にスリーブ34を移動させるととも
に、S302において読み込まれた目標変速段への変速
を行うのに必要な駆動信号がシフトアクチュエータ60
に出力される。続いて、S314において、S312と
同様にして、変速完了フラグがセットされる。以上で、
このシフトアクチュエータ制御プログラムの一回の実行
が終了する。
【0079】図12のクラッチアクチュエータ制御プロ
グラムも、以上説明したプログラムと同様に、繰返し実
行される。各回の実行時には、まず、S401におい
て、変速要求フラグがセットされているか否かが判定さ
れる。セットされていない場合には、判定がNOとな
り、直ちにこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0080】これに対して、変速要求フラグがセットさ
れている場合には、S401の判定がYESとなり、S
402に移行する。このステップにおいては、クラッチ
12が接続状態から切断状態に移行するために必要な駆
動信号がクラッチアクチュエータ80に出力される。そ
の後、S403において、変速完了フラグがセットされ
るのが待たれる。セットされたならば、S404におい
て、クラッチ12が切断状態から接続状態に移行するた
めに必要な駆動信号がクラッチアクチュエータ80に出
力される。続いて、S405において、変速要求フラグ
と変速完了フラグとがリセットされる。以上で、このク
ラッチアクチュエータ制御プログラムの一回の実行が終
了する。
【0081】次に、図13の推定ボーク開始位置決定プ
ログラムの内容を説明する。
【0082】A.まず、この推定ボーク開始位置決定プ
ログラムの説明に必要な主要な用語を定義する。 理論ボーク開始時期t:理論上のボーク開始時期 実際ボーク開始時期tBa:実際に取得されたボーク開
始時期 理論ボーク開始位置X:理論上のボーク開始位置 実際ボーク開始位置XBa:実際に取得されたボーク開
始位置
【0083】B.次に、この推定ボーク開始位置決定プ
ログラムの内容を概念的に説明する。
【0084】1.このプログラムは、スリーブ荷重Fと
スリーブ移動位置Xとをそれぞれ、荷重センサ100の
出力信号とスリーブ位置センサ98の出力信号とに基づ
き逐次取得する。
【0085】2.このプログラムは、取得されたスリー
ブ荷重Fとスリーブ移動位置Xとをそれらの取得時期に
関連付けて、RAM88の時系列データ記憶領域に記憶
する。
【0086】3.このプログラムは、図14に示すよう
に、理論ボーク開始時期t以降において最初にスリー
ブ荷重Fがピーク値を取った時期である第1スリーブ荷
重ピーク時期tP1を検出する。
【0087】4.このプログラムは、検出された第1ス
リーブ荷重ピーク時期tP1からスリーブ荷重Fの振動
周期TVIBの半値と実質的に等しい長さの戻り時間t
だけ戻った時期を、実際ボーク開始時期tBaとして
取得する。本実施形態においては、その振動周期T
VIBが設計上または実験上評価された標準的な固定値
としてROM86に記憶されている。
【0088】5.このプログラムは、取得された実際ボ
ーク開始時期tBaと実質的に同じ時期に取得されてR
AM88に記憶させられたスリーブ移動位置Xを実際ボ
ーク開始位置XBaとして取得する。
【0089】ここで、理論ボーク開始時期tと、第1
スリーブ荷重ピーク時期tP1と、振動周期TVIB
よび戻り時間tと、理論ボーク開始位置Xとの関係
についてさらに詳しく説明する。
【0090】図14には、理論ボーク開始時期tの前
後において、スリーブ荷重Fとスリーブ移動位置Xとが
時間的に変化する様子がグラフで示されている。このグ
ラフは、ステップ状信号をシフトアクチュエータ60に
出力した場合におけるスリーブ荷重Fおよびスリーブ移
動位置Xの時間的変化を示している。
【0091】このグラフから明らかなように、スリーブ
荷重Fは理論ボーク開始時期tから一定の周期T
VIBをもって振動し始める。そのスリーブ荷重Fの理
論ボーク開始時期tにおける変化は、その理論ボーク
開始時期tを十分に高い精度で検出し得るほどには顕
著ではない。一方、スリーブ荷重Fは理論ボーク開始時
期t以降において少なくとも2つのピーク値を取り、
それらピーク値付近におけるスリーブ荷重Fの変化は顕
著である。したがって、それらピーク値をスリーブ荷重
Fが取った時期は十分に高い精度で検出し得る。それら
ピーク値のうち最初のピーク値付近の変化は特に顕著で
あり、よって、そのピーク値を取った時期である第1ス
リーブ荷重ピーク時期tP1は、特に高い精度で検出し
得る。
【0092】理論ボーク開始時期tは、同図に示すよ
うに、第1スリーブ荷重ピーク時期tP1より戻り時間
だけ戻った時期と考えることができる。この戻り時
間t の長さは、スリーブ荷重Fの振動周期TVIB
半値と一致すると考えることができる。理論ボーク開始
時期tにおけるスリーブ移動位置Xは、理論ボーク開
始位置Xである。
【0093】したがって、実際ボーク開始時期t
Baは、第1スリーブ荷重ピーク時期t と戻り時間
とに基づいて取得することができる。また、実際ボ
ーク開始位置XBaは、そのようにして取得された実際
ボーク開始時期tBaに基づいて取得することができ
る。
【0094】このような知見に基づき、この推定ボーク
開始位置決定プログラムにおいては、第1スリーブ荷重
ピーク時期tP1から戻り時間tだけ戻った時期が実
際ボーク開始時期tBaとして取得されるとともに、そ
の取得された実際ボーク開始時期tBaと実質的に同じ
時期に取得されたスリーブ移動位置Xが実際ボーク開始
位置XBaとして取得される。
【0095】6.このプログラムは、今回取得された実
際ボーク開始位置(暫定ボーク開始位置)XBaと、過
去に取得された少なくとも一つの実際ボーク開始位置
(暫定ボーク開始位置)XBaとの平均値を真のボーク
開始位置として推定し、その値を推定ボーク開始位置
(最終ボーク開始位置)XBeとして決定する。
【0096】7.このプログラムは、推定ボーク開始位
置XBeを、前述のように、目標変速段と初期相対回転
数Nr0の符号とを含む変速状態関連情報に関連付けて
決定する。
【0097】8.このプログラムは、原則として、運転
者によりシフトレバー22の変速操作が行われるごと
に、実際ボーク開始位置XBaを取得するとともに推定
ボーク開始位置XBeを決定する。
【0098】9.目標変速段への変速においてボークが
発生しないことが確実である場合、すなわち目標変速段
がニュートラルの場合には、実際ボーク開始位置XBa
を取得することはできない。したがって、このプログラ
ムは、そのような場合には、実際ボーク開始位置XBa
の取得と推定ボーク開始位置XBeの決定とを省略す
る。
【0099】10.初期相対回転数Nr0の絶対値があ
る大きさ以上ない場合には、ボークが発生しない可能性
がある。なぜなら、そのような場合には、スリーブ34
と目標変速段に対応する遊動ギヤとの間にスリーブ34
の前進を妨げ得る大きさの摩擦力が発生しない可能性が
あるからである。したがって、このプログラムは、その
ような場合には、実際ボーク開始位置XBaの取得と推
定ボーク開始位置X の決定とを省略する。
【0100】11.以下の(i)ないし(iii)のいずれ
かの場合には、取得された実際ボーク開始位置XBa
現実のボーク開始位置を正しく反映していない可能性が
ある。したがって、このプログラムは、それら(i)な
いし(iii)のいずれかの場合には、取得された最新の
実際ボーク開始位置XBaを無効にする。 (i)取得された最新の実際ボーク開始時期tBa以降
において、スリーブ34の回転数(スリーブ回転数)N
と目標変速段に対応する遊動ギヤの回転数(ギヤ回転
数)Nとの相対的差である相対回転数Nの絶対値が
時間経過に伴って減少しない場合 (ii)取得された最新の実際ボーク開始時期tBa以降
における相対回転数Nのの絶対値の時間的減少量が、
ボークにより少なくとも生じると予測される量より小さ
い場合 (iii)取得された最新の実際ボーク開始位置XBa
設計ボーク開始位置X 付近に位置しない場合
【0101】12.実際ボーク開始位置XBaの取得値
には誤差が存在する。そして、取得された最新の実際ボ
ーク開始位置XBaが大きな誤差を含む場合には、その
実際ボーク開始位置XBaを利用して決定される推定ボ
ーク開始位置XBeも大きな誤差を含むこととなり、そ
の結果、その決定される推定ボーク開始位置XBeの精
度が下がる。したがって、このプログラムは、取得され
た最新の実際ボーク開始位置XBaが、過去に取得され
た実際ボーク開始位置XBaの少なくとも一つないしは
過去に決定された推定ボーク開始位置XBeに対して許
容値以上異なる異常値である場合には、推定ボーク開始
位置XBeの決定を省略する。
【0102】C.続いて、この推定ボーク開始位置決定
プログラムの内容を具体的に説明する。
【0103】この推定ボーク開始位置決定プログラムも
以上説明したプログラムと同様に、繰返し実行される。
各回の実行時には、まず、図13のS501において、
変速要求フラグがセットされているか否かが判定され
る。セットされていない場合には、判定がNOとなり、
直ちにこのプログラムの一回の実行が終了する。
【0104】これに対して、変速要求フラグがセットさ
れている場合には、S501の判定がYESとなり、S
502において、RAM88から現在の変速段および目
標変速段が読み込まれ、続いて、S503において、そ
の目標変速段への変速がボークを発生させないものであ
るか否かが判定される。具体的には、S502において
読み込まれた目標変速段がニュートラルであるか否かが
判定される。変速がボークを発生させないものである場
合には、判定がYESとなり、直ちにこの推定ボーク開
始位置決定プログラムの一回の実行が終了する。
【0105】これに対して、変速がボークを発生させる
ものである場合には、S503の判定がNOとなり、S
504に移行する。このステップにおいては、図11の
S353と同様にして、初期スリーブ回転数Ns0と初
期ギヤ回転数Ng0とが取得される。
【0106】その後、図13のS505において、取得
された初期スリーブ回転数Ns0と初期ギヤ回転数N
s0とに基づいて初期相対回転数Nr0が決定される。
続いて、S506において、その決定された初期相対回
転数Nr0の絶対値がしきい値Nrth以上であるか否
かが判定される。そのしきい値Nrthは、ROM86
に記憶されている。しきい値Nrth以上ではない場合
には、判定がNOとなり、直ちにこの推定ボーク開始位
置決定プログラムの一回の実行が終了する。
【0107】これに対して、初期相対回転数Nr0の絶
対値がしきい値Nrth以上である場合には、S506
の判定がYESとなり、S507に移行する。このステ
ップにおいては、S502において読み込まれた目標変
速段とS505において決定された初期相対回転数N
r0とを共に含むように変速状態関連情報が作成され
て、その変速状態関連情報がRAM88の変速状態関連
情報記憶領域に記憶される。
【0108】その後、S508において、ボーク開始位
置取得ルーチンが実行される。このボーク開始位置取得
ルーチンが図15にフローチャートで概念的に表されて
いる。このボーク開始位置取得ルーチンにおいては、ま
ず、S550において、経過時間tが0にリセットされ
る。
【0109】次に、S551において、スリーブ移動位
置X、スリーブ荷重F、スリーブ回転数N、ギヤ回転
数N、および相対回転数Nが取得される。スリーブ
荷重Fは、荷重センサ100の出力信号に基づき取得さ
れる。スリーブ回転数Nとギヤ回転数Nとはそれぞ
れ、前述の初期スリーブ回転数Ns0と初期ギヤ回転数
g0と同様にして取得される。相対回転数Nは、取
得されたスリーブ回転数Nとギヤ回転数Nとに基づ
いて取得される。このステップにおいては、さらに、取
得されたスリーブ移動位置X、スリーブ荷重F、スリー
ブ回転数N、ギヤ回転数Nおよび相対回転数N
それらの取得時期である経過時間tと関連付けられた状
態で、RAM88の時系列データ記憶領域に記憶され
る。
【0110】続いて、S552において、第1スリーブ
荷重ピーク時期tP1を検出したか否かが判定される。
その第1スリーブ荷重ピーク時期tP1を検出するに際
しては、例えば、まず、S551において取得されてR
AM88に記憶された複数のスリーブ荷重Fうち今回の
取得値と過去の2つの取得値とが比較される。その比較
の結果、それら過去の取得値のうち新しいものが古いも
のよりも今回の取得値よりも大きいと判定された場合
に、それら過去の取得値のうち新しいものに関連付けら
れた経過時間tが第1スリーブ荷重ピーク時期tP1
して検出される。
【0111】第1スリーブ荷重ピーク時期tP1が検出
されなかった場合には、S552の判定がNOとなり、
S553において、経過時間tの現在値に増分Δtが加
算されて経過時間tが更新される。その増分Δtの長さ
は、例えば、S551およびS552を実行するのに必
要な時間に基づいて設定される。
【0112】その後、S551に戻る。このボーク開始
位置取得ルーチンにおいては、S551が、S552に
おいて第1スリーブ荷重ピーク時期tP1が検出される
まで繰返し実行される。したがって、スリーブ移動位置
X、スリーブ荷重F、スリーブ回転数N、ギヤ回転数
および相対回転数Nが時系列的にRAM88に記
憶される。
【0113】それらS551ないしS553の実行が繰
り返された結果、第1スリーブ荷重ピーク時期tP1
検出されたと判定されるに至ると、S552の判定がY
ESとなり、S554において、戻り時間tが決定さ
れる。この戻り時間tは、ROM86に記憶されてい
るスリーブ荷重Fの振動周期TVIBの半値と実質的に
等しい長さに決定される。
【0114】続いて、S555において、実際ボーク開
始時期tBaが取得される。この実際ボーク開始時期t
Baは、S552において検出された第1スリーブ荷重
ピーク時期tP1から、S554において取得された戻
り時間tだけ戻った時期とされる。
【0115】その後、S556において、実際ボーク開
始位置XBaが取得される。具体的には、RAM88に
記憶されている複数のスリーブ移動位置Xのうち、S5
55において取得された実際ボーク開始時期tBaに実
質的に等しい経過時間tと関連付けられたものが実際ボ
ーク開始位置XBaとして取得される。以上で、このボ
ーク開始位置取得ルーチンの今回の実行が終了する。
【0116】その後、図13のS509において、判定
ルーチンが実行される。この判定ルーチンが図16にフ
ローチャートで概念的に表されている。この判定ルーチ
ンにおいては、まず、S560において、S508にお
いて取得された今回の実際ボーク開始時期tBa以降に
おける相対回転数Nの絶対値が減少しているか否かが
判定される。
【0117】このステップにおいては具体的には、ま
ず、RAM88に記憶されている各経過時間tごとの相
対回転数Nのうち、実際ボーク開始時期tBaに実質
的に等しい経過時間tに関連付けられたもの(以下、
「ボーク開始時期相対回転数N 」という)と、その
実際ボーク開始時期tBaから設定時間だけ経過した時
期に実質的に等しい経過時間tに関連付けられた(以
下、「時間経過後相対回転数NrP」という)とが読み
込まれる。その設定時間は例えば、スリーブ荷重Fの振
動周期TVIBの半値と等しい長さとすることができ
る。続いて、その読み込まれたボーク開始時期相対回転
数NrBの絶対値と時間経過後相対回転数NrPの絶対
値との比較が行われ、前者より後者が減少しているか否
かが判定されるのである。
【0118】実際ボーク開始時期tBa以降における相
対回転数Nの絶対値が減少していると判定されると、
S560の判定がYESとなり、S561において、前
記S508(図13参照)において取得された今回の実
際ボーク開始時期tBa以降における相対回転数N
絶対値の時間的減少量ΔNが取得される。具体的に
は、S560において読み込まれたボーク開始時期相対
回転数NrBの絶対値から時間経過後相対回転数NrP
の絶対値を引いた値が、時間的減少量ΔNとして取得
される。
【0119】続いて、S562において、その取得され
た時間的減少量ΔNがしきい値ΔNrth以上である
か否かが判定される。そのしきい値ΔNrthは、ボー
クにより少なくとも生じると予測される時間的減少量で
あり、ROM86に記憶されている。
【0120】しきい値ΔNrth以上であると判定され
た場合には、S562の判定がYESとなり、S563
に移行する。このステップにおいては、前記S508
(図13参照)において取得された今回の実際ボーク開
始位置XBaが設計ボーク開始位置XBb付近に位置す
るか否かが判定される。具体的には、今回の実際ボーク
開始位置XBaと設計ボーク開始位置XBbとの差の絶
対値がしきい値ΔXBt 以下であるか否かが判定され
る。その設計ボーク開始位置XBbは、前述した推定ボ
ーク開始位置XBeの初期値として利用される設計ボー
ク開始位置XBbと同じ値を有するものであって、RO
M86に記憶されている。しきい値ΔN thもまた、
ROM86に記憶されている。
【0121】今回の実際ボーク開始位置XBaが設計ボ
ーク開始位置XBb付近に位置すると判定された場合に
は、S563の判定がYESとなり、この判定ルーチン
の今回の実行が終了する。
【0122】以上、(I)実際ボーク開始時期tBa
降における相対回転数Nの絶対値が減少傾向を示し、
かつ(II)実際ボーク開始時期tBa以降における相対
回転数Nの絶対値の時間的減少量ΔNがしきい値Δ
rth以上であり、かつ(III)実際ボーク開始位置
Baが設計ボーク開始位置XBb付近に位置すると判
定された場合を説明したが、それら(I)ないし(III)
のうちの1つでも判定結果が上記の場合と異なる場合に
は、S560とS562とS563とのいずれかの判定
がNOとなり、S564に移行する。
【0123】このS564においては、セット状態では
S508において取得された今回の実際ボーク開始位置
Baを無効にすべきであることを示す一方、リセット
状態では有効にすべきであることを示す無効フラグがセ
ットされる。この無効フラグもRAM88のフラグ領域
に設けられていて、コンピュータ92の電源投入に伴っ
てリセットされるように設計されている。以上で、この
判定ルーチンの一回の実行が終了する。
【0124】その後、図13のS510において、無効
フラグがセットされているか否かが判定される。セット
されている場合には、判定がYESとなり、S511に
移行する。このステップにおいては、S508において
取得された今回の実際ボーク開始位置XBaがRAM8
8において消去される。以上で、この推定ボーク開始位
置決定プログラムの一回の実行が終了する。
【0125】これに対して、無効フラグがセットされて
いない場合には、S510の判定がNOとなり、S51
2に移行する。このステップにおいては、推定ルーチン
が実行される。
【0126】この推定ルーチンが図17にフローチャー
トで概念的に表されている。この推定ルーチンにおいて
は、まず、S570において、前記S508(図13参
照)において取得された今回の実際ボーク開始位置X
Baが異常値であるか否かが判定される。
【0127】このステップは具体的には、今回の実際ボ
ーク開始位置XBaと、RAM88に記憶されている最
新の実際ボーク開始位置XBaとの差の絶対値、または
今回の実際ボーク開始位置XBaと、RAM88に記憶
されている推定ボーク開始位置XBeとの差の絶対値
が、しきい値ΔXBth以下であるか否かが判定される
形式とすることができる。ここで、しきい値ΔXrth
は、前述した判定ルーチンの実行において利用されるも
のと同じ値ないしは異なる値を有するものであり、RO
M86に記憶されている。
【0128】今回の実際ボーク開始位置XBaが異常値
であると判定された場合には、S570の判定がYES
となり、S574において、その実際ボーク開始位置X
BaがRAM88において消去される。以上で、この推
定ルーチンの今回の実行が終了する。
【0129】これに対して、今回の実際ボーク開始位置
Baが異常値ではないと判定された場合には、S57
0の判定がNOとなり、S571に移行する。このステ
ップにおいては、実際ボーク開始位置XBaと、RAM
88に記憶されている実際ボーク開始位置XBaのうち
設定数のものとの平均値を算出する平均化処理が行われ
る。このステップにおいては、さらに、その平均化処理
により算出された平均値が真のボーク開始位置として推
定され、それにより推定ボーク開始位置XBeが決定さ
れる。
【0130】続いて、S572において、RAM88に
記憶されている、目標変速段と初期相対回転数Nr0
を含む変速状態関連情報が読み込まれる。このステップ
においては、さらに、図10に示すようにテーブル形式
でRAM88に記憶されている推定ボーク開始位置X
Beのうち、その読み込まれた変速状態関連情報と、目
標変速段および初期相対回転数Nr0の点で一致する変
速状態関連情報に関連付けられた推定ボーク開始位置X
Beが、S571において決定された推定ボーク開始位
置XBeと置き換えられる。すなわち、RAM88に記
憶されている推定ボーク開始位置XBeが更新されるの
である。
【0131】その後、図17のS573において、今回
の実際ボーク開始位置XBaがS572において読み込
まれた変速状態関連情報と関連付けて、図10と同様な
テーブル形式でRAM88のボーク開始位置関連データ
記憶領域に記憶される。このようにして記憶可能な実際
ボーク開始位置XBaの数は予め設定されており、その
記憶数が設定値以上となった場合には、新しい実際ボー
ク開始位置XBaが記憶されるごとに、RAM88に記
憶されている最古の実際ボーク開始位置XBaが消去さ
れる。以上で、この推定ルーチンの今回の実行が終了す
る。
【0132】その後、図13のS513において、RA
M88の変速状態関連情報記憶領域および時系列データ
記憶領域がクリアされる。以上で、この推定ボーク開始
位置決定プログラムが終了する。
【0133】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、シフトアクチュエータ60が請求項1に
おける「アクチュエータ」の一例を構成し、荷重センサ
100が同請求項における「荷重関連量センサ」の一例
を構成し、スリーブ位置センサ98が同請求項における
「位置センサ」の一例を構成し、変速ECU82が同請
求項における「制御装置」一例とを構成しているのであ
る。さらに、変速ECU82のうち図13の推定ボーク
開始位置決定プログラムを実行する部分が請求項1の
「ボーク開始位置取得手段」の一例と、請求項3におけ
る「ボーク開始位置取得手段」の一例と、請求項4にお
ける「ボーク開始位置取得手段」の一例と、請求項7に
おける「ボーク開始位置取得手段」の一例とを構成して
いるのである。さらに、変速ECU82のうち図13の
S508(すなわち、図15のボーク開始位置取得ルー
チン)を実行する部分が請求項1における「ボーク開始
位置取得手段」の一例と、請求項4における「ボーク開
始位置取得手段」の一例とを構成していると考えること
ができる。
【0134】さらに、本実施形態においては、変速EC
U82のうち図9のシフトアクチェータ制御プログラム
を実行する部分が請求項2の「信号変化手段」の一例を
構成し、変速ECU82のうちコンピュータ90のRA
M88が請求項4の「メモリ」の一例を構成しているの
である。さらに、変速ECU82のうち図13のS50
3と、S504ないしS506と、S509(すなわ
ち、図16の判定ルーチン)およびS510とを実行す
る部分が請求項6の「信頼性向上手段」の一例を構成
し、変速ECU82のうち図13のS512(すなわ
ち、図17の推定ルーチン)を実行する部分が請求項8
の「推定手段」を構成しているのである。
【0135】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
ただし、本実施形態は、第1実施形態と図13のS50
8のボーク開始位置取得ルーチンの内容が異なるのみ
で、他の要素は共通するため、異なる要素のみを説明
し、共通する要素については、第1実施形態の説明を代
用することにより、説明を省略する。
【0136】図18には、本実施形態である変速装置の
コンピュータ92のROM86に記憶されているボーク
開始位置取得ルーチンがフローチャートで概念的に表さ
れている。
【0137】A.まず、このボーク開始位置取得ルーチ
ンの内容を、第1実施形態におけるとは異なる点につい
てのみ概念的に説明する。
【0138】このルーチンは、スリーブ荷重Fの振動周
期TVIBをそのスリーブ荷重Fの実測値に基づいて取
得する。具体的には、図19に示すように、第1スリー
ブ荷重ピーク時期tP1の検出後において、理論ボーク
開始時期t以降において2番目にスリーブ荷重Fがピ
ーク値を取った時期である第2スリーブ荷重ピーク時期
P2を検出する。このルーチンは、さらに、振動周期
VIBをその検出された第1スリーブ荷重ピーク時期
P1と第2スリーブ荷重ピーク時期tP1とに基づい
て取得する。
【0139】ここで、振動周期TVIBと、第1スリー
ブ荷重ピーク時期tP1および第2スリーブ荷重ピーク
時期tP1との関係についてさらに詳しく説明する。
【0140】図19には、理論ボーク開始時期tの前
後において、スリーブ荷重Fが時間的に変化する様子が
グラフで示されている。このグラフは、ステップ状信号
をシフトアクチュエータ60に出力した場合におけるス
リーブ荷重Fの時間的変化を示している。
【0141】このグラフから明らかなように、スリーブ
荷重Fが理論ボーク開始時期t以降において2番目に
取るピーク値付近の変化は比較的顕著であり、そのピー
ク値を取った時期である第2スリーブ荷重ピーク時期t
P2は、比較的高い精度で検出し得る。また、第1スリ
ーブ荷重ピーク時期tP1と第2スリーブ荷重ピーク時
期tP2との間隔は、スリーブ荷重Fの振動周期T
VIBの半値と一致すると考えることができる。したが
って、第1スリーブ荷重ピーク時期tP1と第2スリー
ブ荷重ピーク時期tP2との間隔を2倍した値を振動周
期TVIBとして取得することができる。
【0142】このような知見に基づき、本実施形態にお
いては、スリーブ荷重Fの実測により検出した第1スリ
ーブ荷重ピーク時期tP1と第2スリーブ荷重ピーク時
期t P2とに基づいて振動周期TVIBが取得される。
具体的には、第1スリーブ荷重ピーク時期tP1と第2
スリーブ荷重ピーク時期tP2との間隔を2倍した値が
振動周期TVIBとして取得される。
【0143】B.次に、このボーク開始位置取得ルーチ
ンの内容を具体的に説明する。
【0144】このボーク開始位置取得ルーチンにおいて
は、まず、図18のS580において、経過時間tが0
にリセットされる。
【0145】次に、S581において、第1実施形態の
ボーク開始位置取得ルーチンにおけるS551(図15
参照)と同様にして、スリーブ移動位置X、スリーブ荷
重F、スリーブ回転数N、ギヤ回転数Nおよび相対
回転数Nが取得される。このステップにおいては、さ
らに、取得されたスリーブ移動位置X、スリーブ荷重
F、スリーブ回転数N、ギヤ回転数Nおよび相対回
転数Nがいずれも経過時間tと関連付けられた状態
で、RAM88の時系列データ記憶領域に記憶される。
【0146】続いて、S582において、第1スリーブ
荷重ピーク時期tP1を検出したか否かが判定される。
第1スリーブ荷重ピーク時期tP1の検出は、例えば、
第1実施形態におけるS552(図15参照)と同様に
して行われる。
【0147】第1スリーブ荷重ピーク時期tP1が検出
されなかった場合には、S582の判定がNOとなり、
S583において、経過時間tの現在値に増分Δtが加
算されて経過時間tが更新される。その増分Δtの長さ
は、例えば、S581およびS582を実行するのに必
要な時間に基づいて設定される。
【0148】その後、S581に戻る。このボーク開始
位置取得ルーチンにおいては、S581が、S582に
おいて第1スリーブ荷重ピーク時期tP1が検出される
まで繰返し実行される。したがって、スリーブ移動位置
X、スリーブ荷重F、スリーブ回転数N、ギヤ回転数
および相対回転数Nは、第1実施形態におけると
同様に時系列的にRAM88に記憶される。
【0149】それらS581ないしS583の実行が繰
り返された結果、第1スリーブ荷重ピーク時期tP1
検出されたと判定されるに至ると、S582の判定がY
ESとなり、S584において、経過時間tの現在値に
増分Δtが加算されて経過時間tが更新される。その増
分Δtの長さは、例えば、S581およびS582を実
行するのに必要な時間に基づいて設定される。
【0150】その後、S585において、スリーブ荷重
Fが取得され、さらに、そのスリーブ荷重Fが経過時間
tと関連付けられた状態でRAM88の時系列データ記
憶領域に記憶される。スリーブ荷重Fの取得は、第1実
施形態におけるS551(図15参照)と同様にして行
われる。
【0151】続いて、S586において、第2スリーブ
荷重ピーク時期tP2を検出したか否かが判定される。
その第2スリーブ荷重ピーク時期tP2を検出するに際
しては、例えば、まず、S585において取得されてR
AM88に記憶された複数のスリーブ荷重Fのうち今回
の取得値と過去の2つの取得値とが比較される。その比
較の結果、それら過去の取得値のうち新しいものが古い
ものよりも今回の取得値よりも小さいと判定された場合
に、それら過去の取得値のうち新しいものに関連付けら
れた経過時間tが第2スリーブ荷重ピーク時期tP2
して検出される。
【0152】第2スリーブ荷重ピーク時期tP2が検出
されなかった場合には、S586の判定がNOとなり、
S587において、経過時間tの現在値に増分Δtが加
算されて経過時間tが更新される。その増分Δtの長さ
は、例えば、S585およびS586を実行するのに必
要な時間に基づいて設定される。
【0153】その後、S585に戻る。このボーク開始
位置取得ルーチンにおいては、S585が、S586に
おいて第2スリーブ荷重ピーク時期tP2が検出される
まで繰返し実行される。したがって、スリーブ荷重Fは
時系列的にRAM88に記憶される。
【0154】それらS585ないしS587の実行が繰
り返された結果、第2スリーブ荷重ピーク時期tP2
検出されたと判定されるに至ると、S586の判定がY
ESとなり、S588において、スリーブ荷重Fの振動
周期TVIBが取得される。具体的には、S582にお
いて検出された第1スリーブ荷重ピーク時期tP1とS
586において検出された第2スリーブ荷重ピーク時期
P2との間隔が算出されるとともに、その算出された
間隔を2倍した値が振動周期TVIBとして取得され
る。
【0155】このS588においては、さらに、その取
得された振動周期TVIBがRAM88の振動周期記憶
領域(図示しない)に記憶される。この記憶は、過去に
取得された振動周期TVIBがRAM88に記憶されて
いる場合には、その今回取得された振動周期TVIB
そのまま利用して過去の振動周期TVIBを更新する形
式で行うことができる。また、今回取得された振動周期
VIBと、過去に取得されてRAM88に記憶されて
いる振動周期TVIBのうち設定数のものとの平均値を
算出する平均化処理を行い、その算出された平均値を真
の振動周期T IBとして記憶する形式とすることもで
きる。このように、このボーク開始位置取得ルーチンに
おいては、振動周期TVIBがスリーブ荷重Fの実測値
に基づいて取得されるのである。
【0156】その後、S589において、戻り時間t
が決定される。この戻り時間tは、第1実施形態にお
けるS554(図15参照)と同様にして、S588に
おいて取得された振動周期TVIBの半値と実質的に等
しい長さに決定される。続いて、S590において、実
際ボーク開始時期tBaが取得される。この実際ボーク
開始時期tBaは、第1実施形態におけるS555(図
15参照)と同様にして、S581において検出された
第1スリーブ荷重ピーク時期tP1からS589におい
て取得された戻り時間tだけ戻った時期とされる。
【0157】その後、S591において、実際ボーク開
始位置XBaが取得される。具体的には、RAM88に
記憶されている複数のスリーブ移動位置XのうちS59
0において取得された実際ボーク開始時期tBaに実質
的に等しい経過時間tと関連付けられたものが実際ボー
ク開始位置XBaとして取得される。以上で、このボー
ク開始位置取得ルーチンの今回の実行が終了する。
【0158】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、荷重センサ100が請求項5における
「振動周期関連量センサ」の一例を構成し、変速ECU
82のうち図18のS580ないしS588を実行する
部分が同請求項における「振動周期取得手段」の一例を
構成し、変速ECU82のうち図18のボーク開始位置
取得ルーチンを実行する部分が請求項1における「ボー
ク開始位置取得手段」の一例と、請求項4における「ボ
ーク開始位置取得手段」の一例と、請求項5における
「ボーク開始位置取得手段」の一例とを構成しているの
である。
【0159】以上、本発明の実施形態のいくつかを図面
に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前
記[課題を解決するための手段および発明の効果]の欄
に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種
々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるシンクロメッシュ
式トランスミッション14のための変速装置のハードウ
エア構成を概念的に示す系統図である。
【図2】図1に示す変速装置が使用される同期装置30
を示す正面断面図である。
【図3】図2に示す同期装置30におけるスリーブ34
の歯とシンクロナイザリング46の歯とを拡大して示す
平面図である。
【図4】図1に示す変速装置における伝達機構66を示
す斜視図である。
【図5】図1における変速ECU82の構成を概念的に
示すブロック図である。
【図6】図5におけるRAM88の構成を概念的に示す
ブロック図である。
【図7】図5におけるメインプログラムを概念的に表す
フローチャートである。
【図8】図5におけるセレクトアクチュエータ制御プロ
グラムを概念的に表すフローチャートである。
【図9】図5におけるシフトアクチュエータ制御プログ
ラムを概念的に表すフローチャートである。
【図10】図6におけるボーク開始位置関連データ記憶
領域に記憶される内容の一例を示す図である。
【図11】図9におけるS305の詳細を予定ボーク開
始位置決定ルーチンとして概念的に表すフローチャート
である。
【図12】図5におけるクラッチアクチュエータ制御プ
ログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図13】図5における推定ボーク開始位置決定プログ
ラムを概念的に表すフローチャートである。
【図14】図13の推定ボーク開始位置決定プログラム
の内容を説明するためのグラフである。
【図15】図13におけるS508の詳細をボーク開始
位置取得ルーチンとして概念的に表すフローチャートで
ある。
【図16】図13におけるS509の詳細を判定ルーチ
ンとして概念的に表すフローチャートである。
【図17】図13におけるS512の詳細を推定ルーチ
ンとして概念的に表すフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態であるシンクロメッシ
ュ式トランスミッション14のための変速装置における
変速ECU82のコンピュータ92により実行されるボ
ーク開始位置取得ルーチンを概念的に表すフローチャー
トである。
【図19】図18のボーク開始位置取得ルーチンの内容
を説明するためのグラフである。
【符号の説明】
10 エンジン 14 トランスミッション 26 アウトプットシャフト 30 同期装置 34 スリーブ 38 クラッチ(スリーブ34側) 46 シンクロナイザリング 48 クラッチ(遊動ギヤ側) 60 シフトアクチュエータ 82 変速ECU 98 スリーブ位置センサ 100 荷重センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:40 F16H 59:40 59:42 59:42 59:44 59:44 (72)発明者 宮崎 剛枝 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内 (72)発明者 調子 竜二 愛知県西尾市小島町城山1番地 アイシ ン・エーアイ株式会社内 (72)発明者 市川 義裕 岐阜県岐阜市須賀3丁目11番11−202号 Fターム(参考) 3J067 AA04 AA21 AB11 AB23 BA52 BB02 BB11 CA02 CA06 CA23 CA31 DB02 DB32 DB35 EA06 FB02 FB42 FB55 GA01 3J552 MA04 MA13 NA01 NB01 PA20 PA59 QC07 RA12 SA26 SA30 SB38 VA03W VA32Z VA37Z VA62Z VA65Z VA74Z VA76W VA78W VD01Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両において動力源の回転を駆動車輪に
    伝達するシンクロメッシュ式トランスミッションであっ
    て、各ギヤ対が常時噛み合わされるとともにギヤ比が互
    いに異なる複数のギヤ対のいずれかを有効ギヤ対として
    選択するために同期装置を備えており、かつ、その同期
    装置が、(a)前記ギヤ対の一方が遊動ギヤとして相対
    回転可能に装着されたシャフトに対して相対回転不能か
    つ軸方向に相対移動可能なスリーブと、前記遊動ギヤに
    対して相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能なシンク
    ロナイザリングとを備え、かつ、(b)作動状態では、
    前記スリーブを軸方向に移動させてそのスリーブを前記
    シンクロナイザリングに当接させ、それにより、そのシ
    ンクロナイザリングを、前記遊動ギヤに対して相対回転
    不能な摩擦面に押し付けてその遊動ギヤと前記スリーブ
    との同期を行うとともに、その同期が完了するまで、前
    記スリーブに対して相対回転不能なクラッチが前記遊動
    ギヤに対して相対回転不能なクラッチに噛み合うことを
    邪魔するボークを行うものであるトランスミッションと
    共に使用され、そのトランスミッションの変速比を変化
    させる変速装置であって、 外部からの信号に応じて電気的に制御されることによ
    り、前記スリーブを前記軸方向に移動させるために荷重
    を発生させるアクチュエータと、 前記スリーブに作用するスリーブ荷重に関連する物理量
    であるスリーブ荷重関連量を検出する荷重関連量センサ
    と、 前記スリーブの移動位置を検出する位置センサと、 前記車両の運転者の意思とその車両の状態と前記トラン
    スミッションの状態との少なくとも一つに基づいてその
    トランスミッションの変速比を変化させるために前記ア
    クチュエータに信号を供給して制御する制御装置であっ
    て、前記荷重関連量センサの出力信号の周期的特徴と、
    前記位置センサの出力信号と、前記スリーブ荷重の振動
    周期に基づいて設定された戻り時間とに基づき、過去の
    前記ボークの開始時期における前記スリーブの移動位置
    であるボーク開始位置を取得するボーク開始位置取得手
    段を有するものとを含むシンクロメッシュ式トランスミ
    ッションのための変速装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置が、さらに、前記ボーク開
    始位置取得手段により取得されたボーク開始位置または
    それに基づいて推定される真のボーク開始位置が将来の
    ボーク開始位置と実質的に一致することを前提とすると
    ともに、前記位置センサの出力信号に基づいて前記スリ
    ーブがボーク開始位置に位置したか否かを判定し、その
    判定結果に応じて前記アクチュエータに供給する信号を
    変化させる信号変化手段を含む請求項1に記載のシンク
    ロメッシュ式トランスミッションのための変速装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブのクラッチが、それの軸方
    向に延びるとともに互いに周方向に並んだ複数の歯を有
    するものであり、前記シンクロナイザリングが、それの
    軸方向に延びるとともに互いに周方向に並んだ複数の歯
    であって前記スリーブのクラッチの複数の歯と噛み合わ
    されるべきものを有するものであり、前記スリーブのク
    ラッチの各歯の歯すじ方向における先端部に2つのチャ
    ンファ面がその歯すじ方向外向きに尖る姿勢で形成さ
    れ、前記シンクロナイザリングの各歯の歯すじ方向にお
    ける先端部に2つのチャンファ面がその歯すじ方向外向
    きに尖る姿勢で形成され、前記ボークの開始時期に、前
    記スリーブが、それに属する前記2つのチャンファ面の
    うち前記シンクロナイザリングに対する相対回転方向前
    向きに位置するものにおいて、そのシンクロナイザリン
    グに、それに属する前記2つのチャンファ面のうち前記
    スリーブに対する相対回転方向前向きに位置するものに
    おいて当接し、前記ボーク開始位置取得手段が、前記ス
    リーブと前記シンクロナイザリングとの相対回転の正逆
    両方向についてそれぞれ前記ボーク開始位置を取得する
    ものである請求項1または2に記載のシンクロメッシュ
    式トランスミッションのための変速装置。
  4. 【請求項4】 前記制御装置が、メモリを含み、前記ボ
    ーク開始位置取得手段が、 (a)前記荷重関連量センサの出力信号に基づいて前記
    スリーブ荷重関連量を逐次取得するとともに、前記位置
    センサの出力信号に基づいて前記スリーブ移動位置を逐
    次取得し、 (b)その取得されたスリーブ移動位置をその取得時期
    に関連付けて前記メモリに記憶させ、 (c)前記取得されたスリーブ荷重関連量がピーク値を
    取った少なくとも一つの時期をスリーブ荷重ピーク時期
    として取得し、 (d)その取得されたスリーブ荷重ピーク時期より前記
    戻り時間だけ戻った時期と実質的に同じ時期に取得され
    て前記メモリに記憶させられたスリーブ移動位置を前記
    ボーク開始位置として取得するものである請求項1ない
    し3のいずれかに記載のシンクロメッシュ式トランスミ
    ッションのための変速装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記スリーブ荷重の振動周期に
    応じて変化する物理量を検出する振動周期関連量センサ
    を含み、前記制御装置が、さらに、その振動周期関連量
    センサの出力信号に基づいて前記振動周期を取得する振
    動周期取得手段を含み、前記ボーク開始位置取得手段
    が、その振動周期取得手段により取得された振動周期に
    基づいて前記ボーク開始位置を取得するものである請求
    項1ないし4のいずれかに記載のシンクロメッシュ式ト
    ランスミッションのための変速装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置が、さらに、前記荷重関連
    量センサの出力信号の周期的特徴が前記ボークに依拠し
    ない可能性がある場合に、前記ボーク開始位置取得手段
    による前記ボーク開始位置の取得を阻止することと、そ
    のボーク開始位置取得手段により取得されたボーク位置
    開始位置を無効にすることとのいずれかを行うことによ
    り、そのボーク開始位置取得手段により取得されるべき
    ボーク開始位置の信頼性を向上させる信頼性向上手段を
    含む請求項1ないし5のいずれかに記載のシンクロメッ
    シュ式トランスミッションのための変速装置。
  7. 【請求項7】 前記ボーク開始位置取得手段が、前記制
    御装置が前記トランスミッションの変速比を変化させる
    変速のために前記アクチュエータを制御するごとに前記
    ボーク開始位置を取得するものである請求項1ないし6
    のいずれかに記載のシンクロメッシュ式トランスミッシ
    ョンのための変速装置。
  8. 【請求項8】 前記制御装置が、さらに、前記ボーク開
    始位置取得手段によりボーク開始位置が取得されるごと
    に、その取得されたボーク開始位置のみならず、そのボ
    ーク開始位置取得手段により先に取得された少なくとも
    一つのボーク開始位置にも基づいて真のボーク開始位置
    を推定する推定手段とを含む請求項1ないし7のいずれ
    かに記載のシンクロメッシュ式トランスミッションのた
    めの変速装置。
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