JP2002070567A - エンジン - Google Patents

エンジン

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JP2002070567A
JP2002070567A JP2000253694A JP2000253694A JP2002070567A JP 2002070567 A JP2002070567 A JP 2002070567A JP 2000253694 A JP2000253694 A JP 2000253694A JP 2000253694 A JP2000253694 A JP 2000253694A JP 2002070567 A JP2002070567 A JP 2002070567A
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combustion chamber
air
intake passage
fuel
combustion
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Shigeru Nagano
茂 長野
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/24Cylinder heads
    • F02F1/42Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads
    • F02F1/4214Shape or arrangement of intake or exhaust channels in cylinder heads specially adapted for four or more valves per cylinder
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷の大きさにかかわらず広い運転領域にわ
たり、燃焼室で強力な混合気の流動を発生させることが
できるエンジンを提供する。 【解決手段】 エンジンの各燃焼室7に、第1吸気通路
11及び第2吸気通路12を接続する。第1吸気通路1
1の燃焼室7寄りの箇所を、シリンダ2の略接線方向へ
延びるように形成し、その端部を燃焼室7の偏心した箇
所で開口させる。第2吸気通路12の燃焼室7寄りの箇
所を、第1吸気通路11とは略反対方向へ延びるように
形成する。第2吸気通路12の端部を、燃焼室7におけ
る第1吸気通路11の開口(第1吸気口22)に対し、
シリンダ2の軸線24を挟んで対向する箇所で開口させ
る。さらに第1及び第2吸気通路11、12に対して流
量調整弁13を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料及び空気の混
合気を燃焼室内で強制的に流動させるようにしたエンジ
ンに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、ピストンの往復動を、コネクティン
グロッドを介してクランク軸の回転運動に変換して動力
を得る、いわゆるレシプロエンジンが知られている。こ
のタイプのエンジンでは、燃料消費率の向上、出力の向
上、燃焼ガスの浄化等の観点から、燃焼室内に強力な混
合気の流動を発生させることが有効とされている。
【0003】例えば、燃料消費率の向上の一手段とし
て、理論空燃比よりも薄い混合気を燃焼させる希薄燃焼
(リーンバーン)と呼ばれる燃焼方式がある。ここで、
空燃比とは空気と燃料との重量比であり、理論空燃比と
は、燃料を理論的に完全燃焼させるために必要な量の空
気を用いた場合の空燃比である。前記燃焼方式は、燃焼
ガス中の有害性分である窒素酸化物(NOx)や、一酸
化炭素(CO)を低減でき、低燃料消費率を達成できる
反面、着火性が悪く失火しやすい、燃焼速度が遅い、燃
焼が不安定である等の問題がある。これに対処する方法
の1つとして、強力な混合気流動の発生がある。次に、
その一方式について説明する。
【0004】図7に示すように、シリンダ50上部の燃
焼室51には、一対の吸気通路52,53及び一対の排
気通路54がそれぞれ接続されている。両吸気通路5
2,53は互いに平行に延び、燃焼室51において偏心
した箇所で開口している。同様に両排気通路54は互い
に平行に延び、燃焼室51において偏心した箇所で開口
している。一方の吸気通路53には、エンジンの低負荷
時にのみ閉じられるバタフライ式のスワール制御弁55
が設けられている。スワール制御弁55が閉じられて吸
気通路53での混合気57(図8参照)の流れが止めら
れると、吸気通路52内での混合気56の流速が上昇
し、燃焼室51内でスワール58と呼ばれる旋回流が発
生する。このスワール58により混合気56の乱れ強さ
が強くなり、火炎伝播が速くなる。混合気56の燃焼期
間が短くなり、燃焼が安定して行われる。そして、燃料
消費率の向上に止まらず、出力の向上及び燃焼ガスの浄
化の対策としても同様の手段を用いることが考えられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
技術では、エンジンの高負荷時等において、図8で示す
ように、スワール制御弁55が開かれた場合、両吸気通
路52,53での混合気56,57の流通が可能とな
り、2つの開口から同混合気56,57が略同時に燃焼
室51内に流入する。この際、両開口が隣り合っている
ことから、混合気56,57が干渉し合い、十分に強力
なスワールを発生させることができない。その結果、燃
料消費率の向上等の効果が得られる領域が低負荷域に限
られてしまうという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、負荷の大きさにかかわ
らず広い運転領域にわたり、燃焼室で強力な混合気の流
動を発生させることができるエンジンを提供すること
を、その課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の
発明は、ピストンが往復動可能に収容されたシリンダ
と、前記シリンダ及びピストンの少なくともいずれか一
方に設けられた燃焼室と、前記燃焼室に接続された第1
吸気通路及び第2吸気通路とを備え、両吸気通路からの
空気及び燃料供給手段からの燃料よりなる混合気を前記
燃焼室で燃焼するようにしたエンジンにおいて、前記第
1吸気通路の燃焼室寄りの箇所を前記シリンダの略接線
方向へ延びるように形成し、その端部を前記燃焼室の偏
心した箇所で開口させるとともに、前記第2吸気通路の
燃焼室寄りの箇所を第1吸気通路とは略反対方向へ延び
るように形成し、同第2吸気通路の端部を、燃焼室にお
ける第1吸気通路の開口に対し、シリンダの軸線を挟ん
で略対向する箇所で開口させ、さらに、前記第1吸気通
路及び第2吸気通路において前記燃料供給手段よりも上
流には、同吸気通路の軸線を自己の中心とし、かつ、内
径の大きさを調整し得るバタフライ弁式の流量調整弁の
機構を備えたことを特徴としている。
【0008】ここで、空気及び燃料の混合気は、第1吸
気通路及び第2吸気通路で生成される場合と、燃焼室で
生成される場合とが挙げられる。前者は、第1吸気通路
及び第2吸気通路へそれぞれ燃料供給手段から燃料が供
給され、その燃料と吸気通路内の空気とが混合される場
合である。後者は、第1吸気通路及び第2吸気通路から
燃焼室に流入した空気に向けて、燃料供給手段から燃料
が供給される場合であり、通常「筒内噴射」とも呼ばれ
るものである。説明の便宜上、吸気通路を流れる気体を
「燃焼前ガス」と呼ぶことにする。すると、上述した前
者の場合には、混合気が「燃焼前ガス」に相当し、後者
の場合には、空気が「燃焼前ガス」に相当する。さら
に、第1吸気通路を流れる燃焼前ガスと、第2吸気通路
を流れる燃焼前ガスとを区別するために、ここでは前者
を「第1燃焼前ガス」と呼び、後者を「第2燃焼前ガ
ス」と呼ぶことにする。
【0009】上記第1の発明によると、エンジンの作動
に際し、第1燃焼前ガスが第1吸気通路を流れ、第2燃
焼前ガスが第2吸気通路を流れる。第1吸気通路では、
第1燃焼前ガスは、同通路によってシリンダの略接線方
向に導かれ、燃焼室に接近する。そして、第1燃焼前ガ
スは燃焼室に対し偏心した開口から流入し、燃焼室の壁
面に沿って螺旋を描くように旋回する。すなわち、シリ
ンダの軸線に直交する面での旋回流(スワール)と、同
軸線に沿う方向への旋回流(タンブル)とを合成したよ
うな渦が発生する。この際、第1吸気通路が前記軸線に
対し平行な状態に近づくほど、タンブルに近い渦が発生
する。
【0010】また、第2吸気通路では、第2燃焼前ガス
が、同通路によって第1吸気通路とは略反対方向からシ
リンダの略接線方向に導かれ、燃焼室に接近する。そし
て、第2燃焼前ガスは燃焼室に対し偏心した開口から流
入する。この流入箇所は、第1吸気通路からの流入箇所
に対し、シリンダの軸線を挟んで略対向しており、大き
く離れている。このため、燃焼室内に流入した第2燃焼
前ガスは第1燃焼前ガスから大きく離れた状態で、燃焼
室の壁面に沿いながら同第1燃焼前ガスと同じ方向へ螺
旋を描くように旋回する。すなわち、スワールとタンブ
ルとを合成したような渦が発生する。この際、第1吸気
通路が前記軸線に対し平行な状態に近づくほど、タンブ
ルに近い渦が発生する。
【0011】このように、第1燃焼前ガス及び第2燃焼
前ガスがそれぞれ燃焼室に流入し、互いに干渉すること
なく同一方向に旋回する。その結果、燃焼室内で混合気
の流動が活発に行われる。その後、混合気は着火され、
燃焼させられる。この際、強力な混合気の流動により火
炎が速く伝播し、短時間で燃焼が終了する。
【0012】さらに上記第1の発明では、バタフライ弁
式の流量調整弁は、第1吸気通路及び第2吸気通路での
空気の流通を妨げる。この妨げの度合いは、流量調整弁
が通気通路に対して垂直方向になるに従い増加する。別
の表現をすると、第1吸気通路及び第2吸気通路を流れ
る空気の量は、それぞれ流量調整弁の傾きの大きさに応
じて変化する。すなわち、傾きが大きくなるに従い、流
量調整弁を通過できる空気の量が少なくなる。このよう
に、傾きの変更により空気の流量が調整される。従っ
て、例えば、多くの空気を必要としないエンジンの低負
荷時に傾きを大きくし、多量の空気を必要とする高負荷
時に傾きを小さくすれば、各々の要求が満たされる。そ
して、燃料供給手段から適正量の燃料が供給されれば、
所望とする空燃比(希薄燃焼での空燃比をも含む)の混
合気が確実に生成される。
【0013】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明の構成に加え、さらに、前記燃焼室での燃焼により生
じた燃焼ガスを排出するための第1排気通路及び第2排
気通路を備えるエンジンにおいて、前記第1排気通路の
燃焼室寄りの箇所を前記シリンダの略接線方向へ延びる
ように形成し、その端部を前記燃焼室の偏心した箇所で
開口させるとともに、前記第2排気通路の燃焼室寄りの
箇所を第1排気通路とは略反対方向へ延びるように形成
し、同第2排気通路の端部を、燃焼室における第1排気
通路の開口に対し、シリンダの軸線を挟んで略対向する
箇所で開口させたものである。
【0014】上記第2の発明によると、燃焼室内での混
合気の燃焼により燃焼ガスが発生する。ここで、上記燃
焼前ガスの旋回が強く、混合気の燃焼後にも燃焼室内に
燃焼ガスの旋回流が継続して発生しているものとする。
すると、燃焼室の壁面に沿って旋回している燃焼ガスの
一部は、燃焼室に対し偏心した開口から第1排気通路へ
勢いよく流出するとともに、同開口に対しシリンダの軸
線を挟んで略対向する別の開口から第2排気通路へ勢い
よく流出する。これらの流出は略同時に行われる。第1
排気通路では、燃焼ガスが同通路によってシリンダの略
接線方向に導き出される。第2排気通路では、燃焼ガス
が同通路によって第1排気通路とは反対方向に導き出さ
れる。このように燃焼室内で生じている燃焼ガスは、互
いに遠く離れた2カ所の開口から効率よく排出される。
その結果、燃焼室内に残る燃焼ガスの量が減少し、その
分、次回の第1燃焼前ガス及び第2燃焼ガスが燃焼室に
多く流入し、充填効率が高くなる。充填効率は、シリン
ダに吸入した新気の重量と、標準大気状態のもとで行程
容積を占める新気の重量との比であり、エンジンの出力
に比例する。
【0015】また、燃焼室内に占める残存燃焼ガスの割
合が低くなることから、これが混合気の空燃比に及ぼす
影響はわずかである。従って、ガソリンエンジンの場
合、燃焼室内には、所望とする空燃比に近い空燃比を有
する混合気が生ずる。ここで、一般的に、空燃比が「1
8」前後の値であると、燃焼ガス中の有害性分であるN
Ox、CO、炭化水素(HC)の各排出率が低くなる傾
向にある。従って、前記混合気の空燃比を「18」前後
の値に設定すれば、実際にそれに近い値の空燃比を有す
る混合気が得られ、有害成分の発生が抑制される。
【0016】請求項3に記載の第3の発明は、第1乃至
第2の発明のいずれか1つの構成に加え、前記燃焼室の
一部を、前記ピストンの頂部の中央部分に形成された凹
部により構成し、前記燃料供給手段を、前記凹部に向け
て燃料を噴射する燃料噴射弁により構成したものであ
る。
【0017】上記第3の発明によると、空気からなる第
1燃焼前ガスが第1吸気通路を経由して燃焼室に流入
し、同じく空気からなる第2燃焼前ガスが第2吸気通路
を経由して燃焼室に流入する。これらの第1及び第2燃
焼前ガスは、凹部を含む燃焼室の壁面に沿って旋回す
る。そして、凹部内で旋回している両燃焼前ガスに対
し、燃料噴射弁から燃料が噴射される。この噴射によ
り、凹部内には、旋回流をともなった層状の混合気が生
ずる。
【0018】前記燃焼室では、混合気の燃焼により、高
温・高圧で旋回流をともなった燃焼ガスが発生する。こ
の燃焼ガスの圧力は、ピストン頂部の中央部分に位置す
る凹部に作用する。従って、ピストン頂部の偏心した箇
所に圧力が加わりにくい。燃焼室の壁面に沿って旋回し
ている燃焼ガスの一部は、燃焼室に対し偏心した開口か
ら第1排気通路へ流出するとともに、同開口に対しシリ
ンダの軸線を挟んで略対向する別の開口から第2排気通
路へ流出する。
【0019】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、第1乃至
第2の発明を希薄燃焼(リーンバーン)エンジンに具体
化した第1実施形態を、図1乃至図4に従って説明す
る。
【0020】図1及び図2に示すように、エンジン1は
複数(図1では3つ)のシリンダ2を有するシリンダブ
ロック3と、その上に取付けられたシリンダヘッド4と
を備えている。各シリンダ2内には、略平らな頂面を有
するピストン5が上下方向へ往復動可能に収容されてい
る。シリンダヘッド4の下面において、各シリンダ2に
対応する箇所には凹み6が形成されている。これらの凹
み6、シリンダ2及びピストン5によって囲まれた空間
は燃焼室7を構成している。
【0021】エンジン1は各燃焼室7に空気を導くため
の吸気通路8を備えている。吸気通路8には、空気中の
塵埃を捕捉するためのエアクリーナ9、吸入空気量を調
整するためのスロットル弁10等が配置されている。吸
気通路8においてスロットル弁10よりも下流の部分
は、燃焼室7と同数の第1吸気通路11に分岐されると
ともに、同じく燃焼室7と同数の第2吸気通路12に分
岐されている。
【0022】各第1吸気通路11及び各第2吸気通路1
2には、同通路11,12を流れる空気の量を微調整す
るための流量調整弁13が取付けられている。各流量調
整弁13は、バタフライ式弁と呼ばれるものと同様の構
造を有している。流量調整弁13は薄い円板状をなして
おり、その円板の中心には円板の開閉動作を稼動させる
軸にて構成されている。この軸を稼動することによって
流量調整弁13である薄い円板を開閉させ吸気通路12
を通過するシリンダへの流入空気の量を調整する構造と
している。流量調整弁13の動作については、エンジン
の負荷状況によって自動制御にて作動させる構造として
いる。
【0023】エンジンが低負荷の時には、バタフライ式
弁の流量調整弁13を吸気通路に対して垂直方向に動か
して吸気通路を狭める状態として、シリンダに流入する
空気の量を調整する。逆にエンジンが高負荷の時には、
バタフライ式弁の流量調整弁13を吸気通路に対して平
行方向に動かして吸気通路を最大限に広める状態とし
て、シリンダに流入する空気の量を多くするように流量
調整弁13を自動制御によって調整する構造としてい
る。
【0024】図1及び図2に示すように、各第1吸気通
路11の燃焼室7寄りの箇所は、シリンダ2の略接線方
向(図1の右方向)へ延び、しかも、シリンダ2の軸線
24に直交する面に対し大きく傾斜している。各第1吸
気通路11の端部には、燃焼室7の偏心した箇所で開口
する第1吸気口22が形成されている。また、各第2吸
気通路12の燃焼室7寄りの箇所は、第1吸気通路11
とは略反対方向(図1の左方向)へ延びている。第2吸
気通路12も第1吸気通路11と同様に、軸線24に直
交する面に対し大きく傾斜している。各第2吸気通路1
2の端部には第2吸気口23が形成されている。第2吸
気口23は、第1吸気口22に対し軸線24を挟んで対
向する箇所で開口している。従って、吸気口22,23
は、ちょうど軸線24を中心に互いに点対称となる箇所
に位置していることになる。
【0025】各吸気通路11,12において流量調整弁
13よりも下流には、燃料供給手段としての燃料噴射弁
25が配置されている。各燃料噴射弁25は、各吸気通
路11,12を流れる空気に向けて燃料を噴射し、空気
及び燃料の混合気を生成するための電磁弁である。ここ
での混合気は前述した「燃焼前ガス」に相当する。図1
及び図2に示すように、シリンダヘッド4には、吸気口
22,23を開閉するための吸気弁26が往復動可能に
支持されている。また、シリンダヘッド4における軸線
24上には、燃焼室7内の混合気に点火するための点火
プラグ27が取付けられている。
【0026】エンジン1は各燃焼室7で発生した燃焼ガ
ス34を排出するための排気通路28を備えている。排
気通路28は、燃焼室7と同数の第1排気通路29及び
第2排気通路30を含んでおり、これらは下流側で集め
られて1本の通路になっている。各第1排気通路29の
燃焼室7寄りの箇所は、シリンダ2の略接線方向(図1
の右方向)へ延びている。各第1排気通路29の端部に
は、燃焼室7の偏心した箇所で開口する第1排気口31
が形成されている。また、各第2排気通路30の燃焼室
7寄りの箇所は、第1排気通路29とは略反対方向(図
1の左方向)へ延びている。各第2排気通路30の端部
には第2排気口32が形成されている。第2排気口32
は、第1排気口31に対し軸線24を挟んで対向する箇
所で開口している。従って、排気口31,32は、ちょ
うど軸線24を中心に互いに点対称となる箇所に位置し
ていることになる。シリンダヘッド4には、排気口3
1,32を開閉するための排気弁33が往復動可能に支
持されている。
【0027】上述したエンジン1においては、混合気が
燃焼室7に吸入されて燃焼ガス34が排出されるまでの
期間、すなわち、1サイクルの間にピストン5が2往復
する。このサイクルは周知のように、吸入行程、圧縮行
程、爆発行程及び排気行程の4つの行程からなる。次
に、エンジン1の低負荷時における作用及び効果を、こ
れらの行程に従って説明する。
【0028】図3は吸入行程での燃焼室7及びその周辺
部分の状態を示している。この吸入行程では、排気口3
1,32が閉鎖され、吸気口22,23が開放される。
ピストン5の下降にともない燃焼室7内に負圧が発生す
る。この負圧は第1吸気口22を通じて第1吸気通路1
1に作用し、第2吸気口23を通じて第2吸気通路12
に作用する。
【0029】一方、流量調整弁13では、バタフライ式
弁の流量調整弁13を吸気通路に対して垂直方向に動か
して吸気通路を狭める状態として、シリンダに流入する
空気の量を調整する。このため、吸気通路11,12の
空気の流れがバタフライ式弁の流量調整弁13によって
妨げられ、低負荷時に必要とされる少量の空気が、燃焼
室7へ向けて流れる。
【0030】そして、燃料噴射弁25から、混合気の空
燃比を理論空燃比に比べて大きな値(例えば、「1
8」)とするのに必要な燃料が噴射される。この噴射さ
れた燃料と空気とが混ざり合い、第1燃焼前ガスとして
の第1混合気35と、第2燃焼前ガスとしての第2混合
気36とが生成する。これらの混合気35,36は高速
で流れ、しかも、上記値に近い空燃比を有しているの
で、後述するように安定した燃焼の実現を図るうえで効
果がある。
【0031】第1吸気通路11では、第1混合気35は
同通路11によってシリンダ2の略接線方向へ導かれ、
燃焼室7に接近する。そして、第1混合気35は燃焼室
7の偏心した箇所で開口した第1吸気口22を通り、燃
焼室7の壁面に沿いながら下方へ向けて、図3の反時計
回り方向へ螺旋を描くように高速で旋回する。ここでの
下方への流れは、第1吸気通路11を大きく傾斜させた
ことにより発生するものである。従って、軸線24に直
交する面上で流れる旋回流(スワール)と、同軸線24
に沿って流れる旋回流(タンブル)とを合成したしたよ
うな渦が発生する。
【0032】また、第2吸気通路12では、第2混合気
36が同通路12によって第1吸気通路11とは略反対
方向からシリンダ2の略接線方向へ導かれ、燃焼室7に
接近する。そして、第2混合気36は燃焼室7の偏心し
た箇所で開口した第2吸気口23から流入する。第2吸
気口23は、第1吸気口22に対し軸線24を挟んで対
向しており、大きく離れている。このため、燃焼室7内
へ流入した第2混合気36は第1混合気35から大きく
離れて、燃焼室7の壁面に沿いながら下方へ向けて、第
1混合気35と同じ方向へ螺旋を描くように、高速で旋
回する。ここでの下方の流れは、第2吸気通路12を大
きく傾斜させたことによるものである。従って、スワー
ルとタンブルとを合成したような渦が発生する。
【0033】このように吸入行程では、片側の吸気通路
53での空気の流れを止めてスワールを発生させるよう
にした従来技術とは異なり、混合気35,36が短期間
で燃焼室7に流入する。しかも、互いに干渉することな
く同一方向へ旋回し、強力な渦を発生する。
【0034】圧縮行程では、排気口31,32の閉鎖に
加え、吸気口22,23も閉鎖される。そして、ピスト
ン5が上昇して燃焼室7内の混合気35,36が圧縮さ
れる。この行程では、吸入行程で発生した強い渦が継続
している。
【0035】爆発行程では、圧縮された混合気35,3
6が点火プラグ27の点火により爆発及び燃焼される。
そして、爆発・燃焼によって発生した圧力がピストン5
に加わり、同ピストン5が押し下げられ、クランクシャ
フト(図示略)が回転させられる。ここで、爆発・燃焼
に際しては、強力な混合気35,36の渦により火炎が
速く伝播し、短時間で燃焼が終了する。この燃焼期間の
短縮により、安定して運転することのできる空燃比の領
域が拡大する。安定した希薄燃焼の実現が可能となり、
燃料消費率の向上を図ることができる。
【0036】また、燃焼期間の短縮によりノッキングの
発生も抑制できる。ノッキングは、点火プラグ27の火
炎核から始まった燃焼が火炎面の広がりによって行われ
ず、火炎が届かないうちに、本来なら一番最後に燃える
はずのエンドゾーンにある混合気が自然発火して燃える
現象である。ノッキングは燃焼室7を加振するほか、燃
焼ガス中にアルデヒド、過酸化物等を生成する原因とな
る。ノッキングは、吸・排気のバランスが崩れることに
より、燃焼室7内での燃焼時に火炎の伝播に時間がかか
り、混合気の燃焼が遅れることにより発生するものと考
えられる。これに対し、本実施形態では、常に強力な渦
を発生させることにより吸・排気性を向上させ、燃焼速
度を上昇させ、燃焼期間の短縮を図っている。このた
め、エンドゾーンにある混合気が自然発火する現象(ノ
ッキング)の発生を効果的に防止できる。
【0037】排気行程では、図4に示すように、吸気口
22,23は閉鎖されたままで、排気口31,32が開
放される。爆発行程で押し下げられたピストン5は再び
上昇する。ここで、吸入行程での旋回が強く、燃焼室7
内で燃焼ガスの旋回流が継続しているものとする。する
と、燃焼室7の壁面に沿って旋回している燃焼ガス34
の一部は、第1排気口31から第1排気通路29へ勢い
よく流出するとともに、第2排気口32から第2排気通
路30へ勢いよく流出する。これらの流出は略同時に行
われる。ここで、排気口31,32は、いずれも燃焼室
7に対し偏心した箇所で開口している。加えて、排気口
31,32は軸線24を挟んで互いに対向している。こ
のため、燃焼ガス34が排気口31,32を通過する際
に、互いに干渉するおそれがない。そして、第1排気通
路29では、燃焼ガス34が同通路29によってシリン
ダ2の略接線方向へ導き出される。第2排気通路30で
は、燃焼ガス34が同通路30によって第1排気通路2
9とは反対方向へ導き出される。
【0038】このように燃焼ガス34は、互いに遠く離
れた2つの排気口31,32から効率よく(勢いよく)
排出される。その結果、燃焼室7内に残る燃焼ガス34
の量が減少し、その分、次回サイクルの吸入行程におい
て、混合気35,36が燃焼室7に流入しやすくなる。
両混合気35,36が燃焼室7に多く流入し、充填効率
が高くなり、それにともないエンジン1の出力が増大す
る。加えて、燃焼室7内において、理想的な空燃比によ
る安定した燃焼が可能となる。従って、エンジン1の出
力や燃料消費率を向上させたりするために、別途、専用
の機構を設けなくてもすむ。このような機構としては、
例えば、吸気弁の開閉のタイミングをエンジンの運転状
態に応じて変化させる機構(可変バルブタイミング機
構)や、さらに吸気弁のリフト量を変化させる機構(可
変バルブタイミング・リフト機構)がある。
【0039】また、燃焼室7内に占める残存燃焼ガス3
4の割合が低くなることから、これが混合気35,36
の空燃比に及ぼす影響はわずかとなる。従って、燃焼室
7内には、所望とする、あるいはそれに近い空燃比を有
する混合気35,36が生ずる。ここで、本実施形態で
は空燃比が、燃焼ガス中の有害性分であるNOx、C
O、HCを低くするのに特に効果があるといわれている
値(「18」前後の値)に設定されているが、実際にそ
れに近い空燃比を有する混合気が得られることとなる。
このため、有害性分の発生を抑制し、燃焼ガス34の浄
化を図ることができる。
【0040】次に、エンジン1の高負荷時における作用
及び効果を、前記行程に従って説明する。この際、流量
調整弁13では、バタフライ式弁の流量調整弁13を吸
気通路に対して平行方向に動かすことによって吸気通路
を最大限に広められる。このため、吸気通路11,12
内の空気の流れはバタフライ式弁の流量調整弁13によ
ってほとんど妨げられない。吸気通路11,12の内壁
近傍の空気が、つまり、高負荷時に必要とされる多量の
空気が燃焼室7へ向けて流れる。そして、燃料噴射弁2
5から、混合気の空燃比を理論空燃比よりも小さな値と
するのに必要な燃料が噴射される。この噴射された燃料
と空気とが混ざり合い、上記空燃比を有する混合気が確
実に生成される。
【0041】吸入行程では、排気口31,32が閉鎖さ
れ、吸気口22,23が開放される。ピストン5の下降
にともない発生する負圧により、第1混合気35が第1
吸気口22から燃焼室7へ流入する。第1混合気35
は、燃焼室7の壁面に沿って螺旋を描くように高速で旋
回する。また、前記負圧により、第2混合気36が第2
吸気口23から燃焼室7へ流入する。第2混合気36
は、第1混合気35から大きく離れて、燃焼室7の壁面
に沿いながら同第1混合気35と同じ方向へ螺旋を描く
ように、高速で旋回する。このように吸入行程では、両
方の吸気通路52,53から燃焼室51へ混合気を流入
させるようにした従来技術とは異なり、互いの干渉を防
止しながら、混合気35,36を同一方向へ旋回させ、
強力な渦を発生させることができる。
【0042】なお、圧縮行程、爆発行程及び排気行程で
の作用及び効果は、前述した低負荷時の作用及び効果と
同様である。このため、ここでは説明を省略する。この
ように本実施形態によると、負荷の大きさにかかわらず
広い運転領域にわたり、燃焼室7内で強力な混合気3
5,36の流動を発生させることができ、燃料消費率の
向上、出力の向上及び燃焼ガスの浄化を図ることができ
る。
【0043】(第2実施形態)次に、第1乃至第3の発
明を筒内噴射ガソリンエンジンに具体化した第2実施形
態を、図5及び図6に従って説明する。第2実施形態
は、「燃焼前ガス」の内容と、燃焼室7の形状と、燃料
噴射弁25の取付け位置とが第1実施形態と大きく異な
っている。
【0044】「燃焼前ガス」は、吸気通路11,12を
通じてシリンダ2内に流入する空気により構成されてい
る。燃焼室8の一部は、ピストン5の頂部の中央部分に
形成された曲面状の凹部39によって構成されている。
燃料噴射弁25は、シリンダヘッド4における軸線24
の近傍部分に取付けられている。この取付け位置は、点
火プラグ27の近傍でもある(図6参照)。燃料噴射弁
25は前記凹部39へ向けて高圧の燃料を噴射し、空気
及び燃料の混合気を燃焼室7内で生成する。燃料噴射弁
25の作動は、図示しない制御装置により制御される。
この制御により、例えば、エンジン1の低負荷時には、
圧縮行程後半にピストン5が上昇してきたところで、燃
料噴射弁25から燃料が噴射される。噴射された燃料は
凹部39に取り込まれ、点火直前の点火プラグ27の近
傍にのみ濃い混合気が形成される。また、エンジン1の
高負荷時には、吸入行程中に燃料が噴射される。なお、
第1実施形態と同様の部材には同一の番号及び符号を付
し、詳しい説明を省略する。
【0045】次に、第2実施形態の作用について説明す
る。エンジン1の低負荷時における吸入行程では、流量
調整弁13によって吸気通路が狭まれている。第1吸気
通路11では、第1燃焼前ガスとしての第1空気37が
シリンダ2の略接線方向へ導かれ、第1吸気口22か
ら、凹部39を含む燃焼室7へ流入し、シリンダ2や凹
部39の壁面に沿って図8の反時計回り方向へ螺旋を描
くように旋回する。この際、第1吸気通路11が大きく
傾斜していることから、よりタンブルに近似した渦が発
生する。
【0046】第2吸気通路12では、第2燃焼前ガスと
しての第2空気38が、第1吸気通路11とは略反対方
向からシリンダ2の略接線方向へ導かれ、第2吸気口2
3から、凹部39を含む燃焼室7へ流入する。第2空気
38は第1空気37から大きく離れて、シリンダ2や凹
部39の壁面に沿いながら同第1空気37と同じ方向へ
螺旋を描くように旋回する。この場合にもタンブルに近
似した渦が発生する。このように、空気37,38がそ
れぞれ短期間で燃焼室7に流入し、互いに干渉すること
なく同一方向へ旋回する。
【0047】圧縮行程では、ピストン5の上昇により燃
焼室7内の空気37,38が圧縮される。この行程で
は、特に、凹部39内において、吸入行程で発生した強
い旋回流が続いている。ピストン5が上死点に到達する
少し前のタイミングで、燃料噴射弁25から凹部39へ
向けて少量の燃料が噴射される。この燃料は噴霧とな
り、凹部39内に取り込まれる。燃料は、凹部39内で
旋回している空気37,38と混ざり合って、適正な濃
さ(理論空燃比に近い空燃比)の混合気となり、点火プ
ラグ27の周りに集まる。換言すると、点火プラグ27
の近傍に適正な濃さの混合気が層状となって形成され
る。この混合気は、一般に成層混合気と呼ばれるもので
ある。
【0048】爆発行程では、点火プラグ27の点火によ
り混合気が爆発及び燃焼され(成層燃焼され)、高温・
高圧で旋回流をともなった燃焼ガスが発生する。この燃
焼ガスの圧力は、ピストン5頂部の中央部分に位置する
凹部39に作用する。従って、ピストン5の偏心した箇
所に圧力が加わりにくい。圧力が加えられたピストン5
は押し下げられる。爆発・燃焼に際しては、強力な混合
気の流動により、火炎が速く伝播し、短時間で燃焼が終
了する。
【0049】排気行程では、爆発行程で押し下げられた
ピストン5が再び上昇する。ここで、吸気行程での旋回
が強く、燃焼後にも燃焼室7内に燃焼ガス34の旋回流
が継続している。このため、旋回している燃焼ガス34
の一部は、第1排気口31から第1排気通路29へ勢い
よく流出するとともに、第2排気口32から第2排気通
路30へ勢いよく流出する。このように燃焼ガス34
は、互いに遠く離れた2つの排気口31,32から効率
よく排出される。
【0050】従って、低負荷時には、前述した第1実施
形態と同様に、安定した希薄燃焼の実現、燃料消費率の
向上、ノッキング発生の抑制、エンジン出力向上、燃焼
ガスの浄化等を図ることができる。さらに、燃焼ガス3
4の圧力が作用する凹部39がピストン5の中央部分に
設けられているため、同圧力を効率よくピストン5に伝
達することができる。
【0051】一方、エンジン1の高負荷時には、吸入行
程で燃料噴射弁25から燃料が噴射されて、燃焼室7内
で旋回している空気と混ざり合い、均一に拡散する。こ
の混合気は、一般に均質混合気と呼ばれる。この場合に
は、混合気がシリンダ2内で形成される点において第1
実施形態と異なるだけで、それ以外の点については同様
である。このため、高負荷時においても、第1実施形態
と同様の作用及び効果が得られる。
【0052】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。
【0053】(1)前記両実施形態において、排気通路
29,30の片方を省略してもよい。このようにすれ
ば、排気通路28の配置構造が簡単になり、コストダウ
ンを図ることができる。
【0054】(2)吸気通路11,12の傾斜角度を適
宜変更してもよい。この傾斜角度が大きくなるほど、軸
線24に沿う方向の流れ成分が強くなる。
【0055】(3)吸気性向上のためには、吸気口2
2,23を排気口31,32よりも大きく形成すること
が好ましい。
【0056】(4)流量調整弁13を第1実施形態で説
明したものとは異なるタイプに変更してもよい。
【0057】(5)本発明は、希薄燃焼エンジン、筒内
噴射ガソリンエンジン以外のガソリンエンジンや、ディ
ーセルエンジンにも適用可能である。また、本発明は、
ターボチャージャ等の過給機が組み込まれたエンジン
や、燃焼ガスの一部を排気通路から取り出して吸気通路
へ戻すようにした、いわゆるEGRシステムが組み込ま
れたエンジンにも適用可能である。
【0058】(6)第2実施形態において、点火プラグ
27や燃料噴射弁25の位置を変更してもよい。例え
ば、点火プラグ27及び燃料噴射弁25の少なくともい
ずれか一方を、吸気弁26のように軸線24に対し傾斜
させて配置してもよい。
【0059】(7)第2実施形態における凹部39の形
状や位置を変更してもよい。
【0060】(8)排気弁33の熱が吸気弁26に伝達
して悪影響を及ぼすおそれがある場合には、排気弁33
と吸気弁26との間に、それらの材質とは異なる材質か
らなる断熱材を配置することが望ましい。
【0061】
【発明の効果】第1の発明によれば、負荷の大きさにか
かわらず広い運転領域にわたり、燃焼室内で混合気の強
力な渦を効率よく発生させることができる。このため、
混合気の燃焼期間を短くし、安定して運転することので
きる空燃比の領域を拡大することができる。安定した希
薄燃焼の実現が可能となり、燃料消費率の向上を図るこ
とができる。また、燃焼期間の短縮により、ノッキング
の発生も抑制できる。さらにエンジンの運転状態にかか
わらず、燃焼室への燃焼用空気の量を連続可変させ調整
できる構造としていることから、かなり広範囲にて希薄
燃焼域でき、安定した燃焼を実現できる。
【0062】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加え、燃焼室内の燃焼ガスを効率よく短時間で第1排気
通路及び第2排気通路へ流出させることができる。これ
にともない燃焼室内に残る燃焼ガスの量を少なくし、次
回の燃焼のための空気を燃焼室に多く流入させ、充填効
率を高め、エンジンの出力向上を図ることができる。ま
た、燃焼ガス中の有害成分の発生を抑制し、燃焼ガスの
浄化を図ることができる。
【0063】第3の発明によれば、第1乃至第2の発明
のいずれか1つの効果に加え、層状をなす混合気を形成
して希薄燃焼を行うようにした筒内噴射式のエンジンに
おいて、燃焼ガスの圧力を効率よくピストンに伝達する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態におけるエン
ジンの概略構成を示す説明図である。
【図2】燃焼室及びその周辺部分の断面図である。
【図3】吸入行程での混合気の流れを示す説明図であ
る。
【図4】排気行程での燃焼ガスの流れを示す説明図であ
る。
【図5】本発明を具体化した第2実施形態において、燃
焼室及びその周辺部分の断面図である。
【図6】吸入行程での混合気の流れを示す説明図であ
る。
【図7】従来技術における低負荷時の混合気の流れを示
す説明図である。
【図8】従来技術における高負荷時の混合気の流れを示
す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 シリンダ 5 ピストン 7 燃焼室 8 吸気通路 11 第1吸気通路 12 第2吸気通路 13 流量調整弁 20、24 軸線 25 燃料供給手段としての燃料噴射弁 29 第1排気通路 30 第2排気通路 34 燃焼ガス 37 第1空気 38 第2空気 39 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 3/26 F02F 3/26 C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンが往復動可能に収容されたシリ
    ンダと、前記シリンダ及びピストンの少なくともいずれ
    か一方に設けられた燃焼室と、前記燃焼室に接続された
    第1吸気通路及び第2吸気通路とを備え、両吸気通路か
    らの空気及び燃料供給手段からの燃料よりなる混合気を
    前記燃焼室で燃焼するようにしたエンジンにおいて、前
    記第1吸気通路の燃焼室寄りの箇所を前記シリンダの略
    接線方向に延びるように形成し、その端部を前記燃焼室
    の偏心した箇所で開口させるとともに、前記第2吸気通
    路の燃焼室寄りの箇所を第1吸気通路とは略反対方向へ
    延びるように形成し、同第2吸気通路の端部を、燃焼室
    における第1吸気通路の開口に対し、シリンダの軸線を
    挟んで略対向する箇所で開口させ、さらに、前記第1吸
    気通路及び第2吸気通路において前記燃料供給手段より
    も上流には、同吸気通路の軸線を自己の中心とし、か
    つ、内径の大きさを調整し得るバタフライ弁式の流量調
    整弁の機構を備えたことを特徴とするエンジン。
  2. 【請求項2】 さらに、前記燃焼室での燃焼により生じ
    た燃焼ガスを排出するための第1排気通路及び第2排気
    通路を備えたエンジンにおいて、前記第1排気通路の燃
    焼室寄りの箇所を前記シリンダの略接線方向に延びるよ
    うに形成し、その端部を前記燃焼室の偏心した箇所で開
    口させるとともに、前記第2排気通路の燃焼室寄りの箇
    所を第1排気通路とは略反対方向へ延びるように形成
    し、同第2排気通路の端部を、燃焼室における第1排気
    通路の開口に対し、シリンダの軸線を挟んで略対向する
    箇所で開口させたことを特徴とする請求項1に記載のエ
    ンジン。
  3. 【請求項3】 前記燃焼室の一部を、前記ピストンの頂
    部の中央部分に形成された凹部により構成し、前記燃料
    供給手段を、前記凹部に向けて燃料を噴射する燃料噴射
    弁により構成したことを特徴とする請求項1乃至2のい
    ずれか1つに記載のエンジン。
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