JP2002070006A - ワイヤアンカーの施工方法及びそのワイヤアンカー - Google Patents

ワイヤアンカーの施工方法及びそのワイヤアンカー

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JP2002070006A
JP2002070006A JP2000258233A JP2000258233A JP2002070006A JP 2002070006 A JP2002070006 A JP 2002070006A JP 2000258233 A JP2000258233 A JP 2000258233A JP 2000258233 A JP2000258233 A JP 2000258233A JP 2002070006 A JP2002070006 A JP 2002070006A
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Kazuo Kiuchi
和夫 木内
Yoshiyasu Takahashi
義康 高橋
Takashi Okochi
隆 大河内
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Okabe Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーに対する引張力の方向性に関する自由
度を拡大し、各アンカーに接続される目的部材を介して
作用する引張力の方向に応じて、簡便かつ適切に対応し
得るアンカー技術を提供する。 【解決手段】地盤3に形成したアンカー挿入孔4に可撓
性を有するワイヤアンカー8を挿入して、少なくとも一
部を岩盤等の硬い地質部分からなる不動層5に定着させ
るとともに、ワイヤアンカー8の上部を引張力の方向に
曲げた状態に施工する。前記アンカー挿入孔4の上部に
湾曲案内部材6を設置し、ワイヤアンカー8の湾曲を案
内する。地盤3に差込んだパイプの内部をアンカー挿通
孔として使用することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜面に対する落石
防止用のワイヤロープ等の固定手段として好適なアンカ
ー手段に関する。より詳しくは、アンカーに対して作用
する引張力の方向性に関する自由度を拡大したアンカー
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、斜面の巨石等に対する落石防止手
段として、ワイヤロープなどをネット状に張り巡らして
落下を防止する防護工法が知られている。(特開平10
−219630号公報、特開平11−1912号公報、
特開平11−148113号公報)。この種の落石防護
工法においては、ネットを構成するワイヤロープ等から
なる各ネットロープに対して、巨石等を支えるための大
きな引張力が作用することから、それらのロープを地山
側に固定するアンカーにも地盤に沿った当然大きな引張
力が作用することになる。したがって、この場合には、
アンカーの軸線に対して横方向から作用する地盤に沿っ
た引張力に対する耐力がきわめて重要になる。しかも、
アンカーに対して作用するネットロープ等からの引張力
の方向は、各ロープの設置方向、巨石やアンカー設置部
の状況などにより大きく変化する。しかしながら、従来
のアンカー技術における引張力の方向性に対する工夫
は、必ずしも充分であるとはいえず、改良の余地があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の技術状況に鑑みて発明したもので、アンカーに
対する引張力の方向性に関する自由度を拡大し、各アン
カーに接続される目的部材を介して作用する引張力の方
向に応じて、簡便かつ適切に対応し得るアンカー技術を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、地盤にアンカー挿入孔を形成
し、そのアンカー挿入孔に可撓性を有するワイヤアンカ
ーを挿入して、少なくとも一部を岩盤等の硬い地質部分
に定着するとともに、そのワイヤアンカーの上部を引張
力の方向に曲げた状態に施工するという技術手段を採用
した。さらに、請求項2の発明では、前記アンカー挿入
孔の上部に湾曲案内部材を設置し、ワイヤアンカーの上
部を該湾曲案内部材に沿わせて引張力の方向に湾曲した
状態に施工するという技術手段を採用した。請求項3の
発明では、地盤にパイプを差込み、そのパイプ内部に可
撓性を有するワイヤアンカーを挿入するとともに、前記
パイプの上部に湾曲案内部材を設置し、ワイヤアンカー
の上部を該湾曲案内部材に沿わせて引張力の方向に湾曲
した状態に施工するという技術手段を採用した。以上に
おいて、ワイヤアンカーの上部を湾曲案内部材に沿わせ
て湾曲するとは、その湾曲案内部材の湾曲面の一部に沿
わせて湾曲させる場合を当然含むものである。要する
に、ワイヤアンカーが折れ曲ることなく、湾曲案内部材
の湾曲面に沿ってスムーズに湾曲するものであればよ
い。また、ワイヤアンカーの上部を前記湾曲案内部材に
沿わせて湾曲する作業タイミングに関しては、当該ワイ
ヤアンカーの設置作業において適宜の方法により予め湾
曲案内部材に沿わせて湾曲した状態にしておき、しかる
後にネットロープ等を接続して引張力を作用させるよう
にしてもよいし、当該ワイヤアンカーの設置作業の途中
で、湾曲作業前のワイヤアンカーの上端部にネットロー
プ等を接続して引張力を作用させ、その引張力により湾
曲案内部材に沿わせて湾曲するようにしてもよい。さら
に、請求項4の発明では、ワイヤアンカーを、一端部の
近傍の適宜位置にアンカー体を備え、かつ他端部に接続
部を設けた可撓性を有するワイヤから構成し、設置作業
において上部を引張力の方向に合わせて曲げ変形可能に
構成したことを特徴とする。請求項5の発明では、前記
ワイヤアンカーの上部の湾曲変形を案内する湾曲案内部
材を備え、請求項6の発明では、前記ワイヤアンカーが
挿通可能に構成され、かつ地盤に差込み可能に構成され
たパイプを備えたことを特徴とする。
【0005】以上のように、本発明においては、アンカ
ーとして可撓性を有するワイヤアンカーを採用し、その
上部を曲げ変形可能に構成したことから、ワイヤアンカ
ーの上端部に接続されるネットロープ等を介して作用す
る引張力の方向に自由に曲げることが可能である。した
がって、ワイヤアンカーに接続されるネットロープ等の
目的部材の設置状態やワイヤアンカー自体の設置部位に
おける地表の状態等に応じて引張力の作用する方向に合
わせてワイヤアンカーの上部を曲げることが可能であ
る。この結果、ワイヤアンカーに対して無理のない引張
力の伝達が可能となり、アンカー手段としての耐力を低
下させることなく、もっている性能を有効に発揮させる
ことが可能である。なお、前記湾曲案内部材を使用すれ
ば、ワイヤアンカーの局部的な折れ曲りが回避でき、ス
ムーズな湾曲状態が得られる。さらに、前記パイプを使
用して、その上部に前記湾曲案内部材を設置する場合
に、両者を固定して前記ワイヤアンカーに作用する引張
力を湾曲案内部材を介して前記パイプに伝達するように
構成すれば、そのパイプが地盤から受ける抗力を引張力
に対する抗力として活用することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係るアンカー技術は、落
石防護工のほか、斜面安定工や索道用のアンカーなどに
も広く適用することができる。ワイヤアンカーとしての
具体的構成に関しては、鋼線を撚って形成したものが一
般的であるが、適度の可撓性を有するものであれば、種
々の形態のワイヤの使用が可能である。なお、ワイヤの
外周部を樹脂被覆したり溶融亜鉛メッキを施したりする
ことによって、ワイヤアンカーとしての耐久性を向上す
ることも可能である。
【0007】前記ワイヤアンカーの地中への設置の仕方
に関する形態に関しても、種々の形態が可能である。例
えば、地盤に形成した削孔自体により自立し得る地質の
場合には、その削孔からなるアンカー挿入孔自体にグラ
ウト材を注入するとともにワイヤアンカーを挿入して少
なくともその一部を岩盤等の硬い地質部分に定着させる
という形態が可能である。また、削孔だけでは自立でき
ない地質の場合には、地盤にパイプを差込んで、そのパ
イプの内部をアンカー挿入孔とし、パイプの内外にグラ
ウト材を注入するとともに内部にワイヤアンカーを挿通
して、少なくともその一部を岩盤等の硬い地質部分に定
着させるという形態が可能である。因みに、削孔だけで
自立できる場合においても、後者の形態をあえて選択し
得ることはいうまでもない。
【0008】さらに、パイプを使用する形態の場合に
は、パイプの先端部に備えた自穿孔用ビットにより削孔
しながら同時にパイプを地中に差込み、差込み作業後も
自穿孔ビットをそのまま埋設する形態と、他穿孔用ロッ
ドの先端部に備えた穿孔用ビットにより地盤の所定位置
に削孔しながら同時にパイプを地中に差込み、差込み作
業の終了後に前記他穿孔用ロッドを回収する形態が可能
である。なお、前記パイプとしては、鋼製、樹脂製ある
いはガラス繊維製のものなど、自穿孔方式あるいは他穿
孔方式の別や地質等との関係から要求される所定の強度
と耐久性を備えるものであればよく、外形に関しても、
ネジ状のものや、地山との付着をとるために周面に多数
の孔を点在させたものや網状に形成したものなどの使用
が可能である。なお、グラウト材を削孔内あるいは前記
パイプの内外に注入するタイミングとワイヤアンカーを
挿入するタイミングに関しては、例えば、グラウト材の
注入前あるいは注入後にワイヤアンカーを挿入して、上
部を予め適宜の方法で引張力の方向に曲げた状態で固化
させた後、目的部材を接続して引張力を作用させる形態
が可能である。その場合、上部の曲げ変形部分を残して
部分的にグラウト材を注入し、そのグラウト材が固化し
てワイヤアンカーの下部が固定された後、その上部を適
宜の方法で引張力の方向に曲げて、更にグラウト材を注
入して固化させ、しかる後、ワイヤアンカーの上端部に
目的部材を接続するという2段階注入形態も可能であ
る。さらに、ワイヤアンカーの少なくとも上部の曲げ変
形部分を残して部分的にグラウト材を注入し、そのグラ
ウト材が固化してワイヤアンカーの下部が固定された
後、そのワイヤアンカーの上端部に目的部材を接続して
引張力を作用させ、上部を曲げた状態において残りの部
分にグラウト材を注入する形態も可能である。
【0009】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例に関して
説明する。図1〜図6は本発明に係るワイヤアンカーの
施工方法に関する実施例として第1施工法の作業手順を
示した概略作業説明図である。この第1施工法は、形成
した削孔が自立できる地盤に好適な施工方法である。本
施工法においては、先ず図1に示したように、先端部に
ビット1を備えた削孔ロッド2を用いて地盤3の所定位
置にアンカー挿入孔4を形成する。このアンカー挿入孔
4は、図2に示したように、少なくともその一部が岩盤
等の硬い地質部分からなる不動層5に達するように形成
する。しかる後、削孔ロッド2を引抜き、図3に示した
ように、削孔したままのアンカー挿入孔4の地表部分に
湾曲案内部材6を設置する。次に、図4に示したよう
に、アンカー挿入孔4の内部にグラウト材7を注入し、
そのグラウト材7が固化する前に、図5に示したように
ワイヤーアンカー8を挿入する。
【0010】このワイヤアンカー8は、前述のように可
撓性を備えており、本実施例では、図7の組立図に示し
たように、略中央部をUターン状に折返し、その折返し
部分がアンカー手段としての上端部を構成し、その部分
に目的部材接続用の連結金具9を挟み込んで固定部材1
0により外れないように固定されている。すなわち、図
示のように、ワイヤアンカー8の一端部には、アンカー
体としての定着用のグリップ11が固着され、他端部に
は目的部材接続用の連結金具9が設けられている。な
お、ワイヤアンカー8のみによりアンカーとしての引抜
き抵抗力が充分な場合にはグリップ11を省略すること
も可能である。前記連結金具9は、図8〜図10に示し
たように、ワイヤアンカー8としての他端部を構成する
折返し部分の内部空間に合った外形に形成され、外力と
しての引張力を伝達するための後述の連結部材を挿通す
るための連結孔12を有するとともに、その外周面に
は、図10に示したようにワイヤアンカー8に嵌合する
係合溝13が形成されている。
【0011】しかして、図5の作業状態において、注入
された前記グラウト材7が固化した場合には、必要な養
生を施した後、図6に示したようにワイヤアンカー8の
折返し部分に固定した前記連結金具9の連結孔12にU
ボルト等の連結部材14を挿通し、この連結部材14を
介して図示しない目的部材に接続される。なお、この場
合、実施の形態に関して詳述したように、ワイヤアンカ
ー8の上部は、グラウト材7の固化の時期とも関係しな
がら、連結部材14を介して接続対象としての目的部材
が接続される以前あるいは以後において、図6に示した
ように湾曲案内部材6に沿って湾曲した状態におかれる
ことになる。なお、この図6は、ワイヤアンカー8の湾
曲状態及び連結部材14との連結状態をより明確にする
ため、図5に対して90度回転した状態を示した。以上
のように、本実施例によれば、ワイヤアンカー8に作用
する引張力は、そのワイヤアンカー8の軸線に沿った引
張力として作用するとともに、ワイヤアンカー8の上部
の湾曲部には折れ曲った部分は存在しないことから、ア
ンカー手段としての耐力を低下することなく、定着用グ
リップ11等の定着作用に基づく引抜き抵抗力を有効に
活用することができる。
【0012】なお、ワイヤアンカー8を湾曲案内部材6
に沿ってスムーズに湾曲させるために、その変形に邪魔
になる部分のグラウト材は除去するように養生する。ま
た、前記グラウト材7の注入量に関しては、必ずしも図
4のようにアンカー挿入孔4の地表部分まで注入する必
要はない。因みに、アンカー挿入孔4の上方部にグラウ
ト材を注入しない部分を設けて、その部分のワイヤアン
カー8を自由長部分として不拘束状態に設定すれば、前
記湾曲案内部材6に対する引張力の分力成分によって地
盤3の表層部分を押圧するように設置することも可能で
あり、この場合には、表層部分が堆積した表土等の軟ら
かい地質からなる地盤に対して有効である。
【0013】さらに、前記アンカー挿入孔4としての削
孔径は、ワイヤアンカー8の挿入が可能であり、グラウ
ト材7に基づく地盤3とワイヤアンカーとの付着力が十
分とれる大きさであればよい。また、1個のアンカー挿
入孔に対するワイヤアンカー8の設置本数は、必要に応
じて複数に設定することも可能である。図11はワイヤ
アンカーに関する他の実施例を示したものであり、本実
施例に係るワイヤアンカー15のように、1本のワイヤ
の他端部に輪部16を形成して前記連結金具9を取付
け、その連結金具9の連結孔12を介してUボルト等の
連結部材14を連結し得るように構成することも可能で
ある。なお、図中17は結束具である。
【0014】図12は前記湾曲案内部材6を示した片側
断面図であり、図13はその平面図である。図示のよう
に、本実施例に係る湾曲案内部材6は、上半部がワイヤ
アンカー8,15の変形を案内するラッパ状の湾曲案内
面18として構成され、下半部の内面には雌ネジ19が
形成されている。この雌ネジ19は、後述のパイプの上
端部に螺合し得るように構成して部品の共通化を図るた
めに形成したもので、パイプを使用しない前記第1施工
法の場合においては使われない不用のものである。
【0015】図14は湾曲案内部材に関する他の実施例
を示した縦断面図であり、図13はその右側面図であ
る。図示のように、本実施例に係る湾曲案内部材20
は、略L字状に形成されており、その内径側面がワイヤ
アンカー8,15の変形を案内する湾曲案内面21とし
て構成され、下半部の内面には雌ネジ22が形成されて
いる。この雌ネジ22は、前記実施例と同様に、後述の
パイプの上端部に螺合し得るように構成して部品の共通
化を図るためのもので、パイプを使用しない前記第1施
工法の場合には不用のものである。
【0016】図16〜図19は本発明に係るワイヤアン
カーの施工方法に関する実施例として第2施工法の作業
手順を示した概略作業説明図である。この第2施工法
は、形成した削孔だけでは自立できず、削孔のままでは
ワイヤアンカーの挿入設置が困難な地盤に好適な施工方
法である。本施工法では、先ず図16に示したように、
先端部に自穿孔用のビット23を備えた中空状のロック
ボルト等からなる自穿孔型のパイプ24を用いて、それ
自体の自穿孔作用により地盤3の所定位置に差込む。そ
して、図17に示したように、パイプ24を少なくとも
その一部が岩盤等の硬い地質部分からなる不動層5に達
するように差込んだ後、そのパイプ24の上端部に前記
湾曲案内部材6あるいは20を螺合して固定する。しか
る後、図18に示したように、パイプ24の内外にグラ
ウト材7を注入し、そのグラウト材7が固化する前に、
図19に示したように中央部をU字状に折返してアンカ
ー手段としての他端部を構成した前記ワイヤーアンカー
8を挿入する。そして、前記第1施工法の場合と同様
に、ワイヤアンカー8の上部は、図6に示したように、
連結部材14を介して接続対象としての目的部材が接続
される以前あるいは以後において湾曲案内部材6に沿っ
て湾曲した状態におかれることになる。さらに、必要な
養生を施した後、ワイヤアンカー8の折返し部分に固定
した連結金具9の連結孔12に挿通したUボルト等の連
結部材14などを介して地盤3に沿った引張力が付加さ
れることになる。
【0017】図20〜図25は本発明に係るワイヤアン
カーの施工方法に関する実施例として第3施工法の作業
手順を示した概略作業説明図である。この第3施工法
も、パイプを使用する点で、形成した削孔だけでは自立
できず、削孔のままではワイヤアンカーの挿入設置が困
難な地盤に好適な施工方法である。本施工法では、先ず
図20に示したように、先端部にビット25を備えた他
穿孔用ロッド26を使用して、その他穿孔用ロッド26
により地盤3の所定位置に削孔しながら同時にパイプ2
7を伴って地中に差込む。なお、この場合のパイプ27
には、前記24のように穿孔力は作用しないことから、
板厚のより薄いものでも足りる。そして、図21に示し
たように、少なくともそのパイプ27の一部が岩盤等の
硬い地質部分からなる不動層5に達するように所定の深
さまで差込んだ後、図22に示したように他穿孔用ロッ
ド26を上方に引抜く。しかる後、図23に示したよう
に、パイプ27の上端部に前記湾曲案内部材6あるいは
20を螺合して固定し、さらに図24に示したように、
パイプ27の内外にグラウト材7を注入して、そのグラ
ウト材7が固化する前に、図25に示したようにワイヤ
アンカー15を挿入する。なお、本実施例では、ワイヤ
アンカーとして、図11に示したワイヤアンカー15を
使用した場合を例示したが、前記ワイヤーアンカー8を
使用し得ることもいうまでもない。そして、グラウト材
7が固化した場合には、必要な養生を施した後、前記第
1施工法における図6の場合と同様に、前記湾曲案内部
材6あるいは20に沿って湾曲したワイヤアンカー15
の上部の輪部16に固定された連結金具9の連結孔12
にUボルト等の連結部材14を挿通し、これを介して地
盤3に沿った引張力が付加されることになる。
【0018】図26は湾曲案内部材に関する変形例を示
した片側断面図である。図示のように、本実施例に係る
湾曲案内部材28は、ラッパ状の前記湾曲案内部材6の
変形例であり、湾曲部29の下部に連結金具30を溶接
等により一体的に固着し、その連結金具30に形成した
連結孔31を介してワイヤアンカーに作用する外力とし
ての引張力を前記湾曲案内部材28に伝達し得るように
構成した点で特徴を有する。また、図27は湾曲案内部
材に関する他の変形例を示した縦断面図である。図示の
ように、本実施例に係る湾曲案内部材32は、L字状の
前記湾曲案内部材20の変形例であり、湾曲案内面33
の下部に連結金具34を溶接等により一体的に固着し、
その連結金具34に形成した連結孔35を介してワイヤ
アンカーに作用する外力としての引張力を前記湾曲案内
部材32に伝達し得るように構成した点で特徴を有す
る。
【0019】図28は前記湾曲案内部材28を使用した
本発明に係る施工方法に関する他の施工状態を示した概
略施工状態図である。本実施例は、前記第2施工法に湾
曲案内部材28を適用した場合を例示したものであり、
前記ワイヤアンカー8に連結されたUボルト等からなる
連結部材14に対して、さらに連結部材36を使用し
て、前記連結金具30の連結孔31を介して湾曲案内部
材28側にも同時に連結したものである。すなわち、連
結部材14を介して横方向から外力として地盤3に沿っ
て作用される引張力は、ワイヤアンカー8に伝達される
とともに、湾曲案内部材28を介してパイプ24側にも
伝達される。したがって、パイプ24が地盤3から受け
る抗力を有効に活用することができ、地盤に沿った外力
に対するアンカー手段としての耐力を更に向上すること
が可能である。
【0020】図29は前記湾曲案内部材32を使用した
本発明に係る施工方法に関する他の施工状態を示した概
略施工状態図である。本実施例は、前記第2施工法に湾
曲案内部材32を適用した場合を例示したものであり、
前記ワイヤアンカー8に連結されたUボルト等からなる
連結部材14に対して、さらに連結部材37を使用し
て、前記連結金具34の連結孔35を介して湾曲案内部
材32側にも同時に連結したものである。すなわち、連
結部材14を介して横方向から外力として地盤3に沿っ
て作用される引張力は、ワイヤアンカー8に伝達される
とともに、湾曲案内部材32を介してパイプ24側にも
伝達される。したがって、パイプ24が地盤3から受け
る抗力を有効に活用することができ、地盤に沿った外力
に対するアンカー手段としての耐力を更に向上すること
が可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を得ることが
できる。 (1)アンカー手段として可撓性を有するワイヤアンカ
ーを採用し、その上部を曲げ変形可能に構成したので、
ワイヤアンカーの上端部に接続されるネットロープ等の
目的部材を介して作用する引張力の方向に向けて自由に
曲げることが可能である。したがって、ワイヤアンカー
に対して直線的に無駄のない引張力の伝達が可能となる
ことから、アンカー手段としての耐力を低下させること
なく、もっている性能を有効に発揮させることが可能で
ある。 (2)前記湾曲案内部材を使用すれば、ワイヤアンカー
の局部的な折れ曲りが回避でき、スムーズな湾曲状態が
得られる。 (3)パイプを地中に差込んで、パイプの内部を介して
ワイヤアンカーを挿入する場合には、パイプの内面によ
りワイヤアンカーの挿入が案内されるため、作業性が向
上される。また、パイプに水の浸入を遮断する防水機能
をもたせることも可能であり、その場合にはワイヤアン
カーの耐久性を更に向上できる。 (4)前記湾曲案内部材を前記パイプの上部に固定して
前記ワイヤアンカーに作用する引張力を湾曲案内部材を
介して前記パイプに伝達するように構成すれば、そのパ
イプが地盤から受ける抗力を引張力に対する抗力として
活用することができ、アンカー手段としての耐力を向上
することが可能である。 (5)前記ワイヤアンカーは、一端部の近傍の適宜位置
にアンカー体を備え、かつ他端部に接続部を設けた可撓
性を有するワイヤから構成され、上部を引張力の方向に
向けて簡便に曲げることの可能なアンカー手段を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る施工方法に関する実施例である
第1施工法の作業手順を示した概略作業説明図である。
【図2】 同第1施工法の作業手順を示した概略作業説
明図である。
【図3】 同第1施工法の作業手順を示した概略作業説
明図である。
【図4】 同第1施工法の作業手順を示した概略作業説
明図である。
【図5】 同第1施工法の作業手順を示した概略作業説
明図である。
【図6】 同第1施工法の作業手順を示した概略作業説
明図である。
【図7】 ワイヤアンカーに関する実施例を示した組立
図である。
【図8】 連結金具に関する実施例を示した拡大部品図
である。
【図9】 図8のA−A断面図である。
【図10】 図8のB−B断面図である。
【図11】 ワイヤアンカーに関する他の実施例を示し
た組立図である。
【図12】 湾曲案内部材に関する実施例を示した片側
断面図である。
【図13】 同実施例の平面図である。
【図14】 湾曲案内部材に関する他の実施例を示した
縦断面図である。
【図15】 同実施例の右側面図である。
【図16】 本発明に係る施工方法に関する実施例であ
る第2施工法の作業手順を示した概略作業説明図であ
る。
【図17】 同第2施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図18】 同第2施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図19】 同第2施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図20】 本発明に係る施工方法に関する実施例であ
る第3施工法の作業手順を示した概略作業説明図であ
る。
【図21】 同第3施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図22】 同第3施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図23】 同第3施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図24】 同第3施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図25】 同第3施工法の作業手順を示した概略作業
説明図である。
【図26】 湾曲案内部材に関する変形例を示した片側
断面図である。
【図27】 湾曲案内部材に関する他の変形例を示した
縦断面図である。
【図28】 本発明に係る施工方法に関する他の施工状
態を示した概略施工状態図である。
【図29】 本発明に係る施工方法に関する他の施工状
態を示した概略施工状態図である。
【符号の説明】
1…ビット、2…削孔ロッド、3…地盤、4…アンカー
挿入孔、5…不動層、6…湾曲案内部材、7…グラウト
材、8…ワイヤーアンカー、9…連結金具、10…固定
部材、11…定着用グリップ、12…連結孔、13…係
合溝、14…連結部材、15…ワイヤアンカー、16…
輪部、17…結束具、18…湾曲案内面、19…雌ネ
ジ、20…湾曲案内部材、21…湾曲案内面、22…雌
ネジ、23…ビット、24…パイプ、25…ビット、2
6…他穿孔用ロッド、27…パイプ、28…湾曲案内部
材、29…湾曲部、30…連結金具、31…連結孔、3
2…湾曲案内部材、33…湾曲案内面、34…連結金
具、35…連結孔、36…連結部材、37…連結部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤にアンカー挿入孔を形成し、そのア
    ンカー挿入孔に可撓性を有するワイヤアンカーを挿入し
    て、少なくとも一部を岩盤等の硬い地質部分に定着する
    とともに、そのワイヤアンカーの上部を引張力の方向に
    曲げた状態に施工することを特徴とするワイヤアンカー
    の施工方法。
  2. 【請求項2】 地盤にアンカー挿入孔を形成し、そのア
    ンカー挿入孔に可撓性を有するワイヤアンカーを挿入し
    て、少なくとも一部を岩盤等の硬い地質部分に定着させ
    るとともに、前記アンカー挿入孔の上部に湾曲案内部材
    を設置し、前記ワイヤアンカーの上部を該湾曲案内部材
    に沿わせて引張力の方向に湾曲した状態に施工すること
    を特徴とするワイヤアンカーの施工方法。
  3. 【請求項3】 地盤にパイプを差込み、そのパイプ内部
    に可撓性を有するワイヤアンカーを挿入して、少なくと
    も一部を岩盤等の硬い地質部分に定着させるとともに、
    前記パイプの上部に湾曲案内部材を設置し、前記ワイヤ
    アンカーの上部を該湾曲案内部材に沿わせて引張力の方
    向に湾曲した状態に施工することを特徴とするワイヤア
    ンカーの施工方法。
  4. 【請求項4】 一端部の近傍の適宜位置にアンカー体を
    備え、かつ他端部に接続部を設けた可撓性を有するワイ
    ヤから構成したことを特徴とするワイヤアンカー。
  5. 【請求項5】 前記ワイヤアンカーの上部の湾曲変形を
    案内する湾曲案内部材を備えたことを特徴とする請求項
    4に記載のワイヤアンカー。
  6. 【請求項6】 前記ワイヤアンカーが挿通可能に構成さ
    れ、かつ地盤に差込み可能に構成されたパイプを備えた
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のワイヤアンカ
    ー。
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