JP2002070004A - 遮水壁の構築方法 - Google Patents
遮水壁の構築方法Info
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- JP2002070004A JP2002070004A JP2000259900A JP2000259900A JP2002070004A JP 2002070004 A JP2002070004 A JP 2002070004A JP 2000259900 A JP2000259900 A JP 2000259900A JP 2000259900 A JP2000259900 A JP 2000259900A JP 2002070004 A JP2002070004 A JP 2002070004A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い遮水性(低い透水性)を有し、しかも、
原地盤と同等の強度・変形特性を有することにより、地
盤変形などにも追従し得る、遮水壁の構築方法の提供が
望まれている。 【解決手段】 エタノールと水とベントナイトとを混合
してなるベントナイトスラリー1を、遮水壁構築場所と
なる地盤3に注入しつつ、この地盤3中の地盤土砂4と
注入したベントナイトスラリー1とを攪拌混合し、得ら
れた混合物5を所望する遮水壁形状に連続的に施工・配
置して、壁状構造6とする。この壁状構造6から遮水壁
7を得る。
原地盤と同等の強度・変形特性を有することにより、地
盤変形などにも追従し得る、遮水壁の構築方法の提供が
望まれている。 【解決手段】 エタノールと水とベントナイトとを混合
してなるベントナイトスラリー1を、遮水壁構築場所と
なる地盤3に注入しつつ、この地盤3中の地盤土砂4と
注入したベントナイトスラリー1とを攪拌混合し、得ら
れた混合物5を所望する遮水壁形状に連続的に施工・配
置して、壁状構造6とする。この壁状構造6から遮水壁
7を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベントナイトスラ
リーを用いた遮水壁の構築方法に関する。
リーを用いた遮水壁の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】構造物を構築する際、地下水等の水を遮
断する遮水を目的として、遮水壁を地中に構築して地中
構造体を形成することがある。このような遮水壁の構築
方法の一つとして、地中の不透水層に到達するまで垂直
に遮水壁を施工し、水の移動を締め切る(遮断する)鉛
直遮水工法がある。
断する遮水を目的として、遮水壁を地中に構築して地中
構造体を形成することがある。このような遮水壁の構築
方法の一つとして、地中の不透水層に到達するまで垂直
に遮水壁を施工し、水の移動を締め切る(遮断する)鉛
直遮水工法がある。
【0003】鉛直遮水工法として具体的には、 (1)鋼矢板等を連続して打設し、遮水壁とする鋼製矢
板締切工法 (2)地盤に連続した溝や孔を掘り、コンクリートを打
設充填する連続地中壁工法 (3)水ガラスなどを用いる薬液注入工法 (4)セメント系固化材等を現地地盤中に混合添加する
ソイル固化壁工法 (5)ベントナイト泥水を原地盤に添加混合し、ベント
ナイト泥水と土砂との混合物のトレンチ(溝)を形成し
て遮水壁とする泥水トレンチ工法等が提案されている。
板締切工法 (2)地盤に連続した溝や孔を掘り、コンクリートを打
設充填する連続地中壁工法 (3)水ガラスなどを用いる薬液注入工法 (4)セメント系固化材等を現地地盤中に混合添加する
ソイル固化壁工法 (5)ベントナイト泥水を原地盤に添加混合し、ベント
ナイト泥水と土砂との混合物のトレンチ(溝)を形成し
て遮水壁とする泥水トレンチ工法等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
工法には、それぞれ以下に述べるような不都合がある。 (1)の鋼製矢板締切工法では、腐食や継手部での漏水
のおそれがあり、完全な水の遮断は難しい。 (2)の連続地中壁工法では、得られる連続地中壁は高
い強度を有するものの、地盤の大きな変形等への追従性
が小さく、一旦クラック(ひび割れ)が発生すると修復
が困難である。また、コンクリートの硬化や温度変化に
伴うひび割れが発生することがある。さらに、施工に高
額を要する。
工法には、それぞれ以下に述べるような不都合がある。 (1)の鋼製矢板締切工法では、腐食や継手部での漏水
のおそれがあり、完全な水の遮断は難しい。 (2)の連続地中壁工法では、得られる連続地中壁は高
い強度を有するものの、地盤の大きな変形等への追従性
が小さく、一旦クラック(ひび割れ)が発生すると修復
が困難である。また、コンクリートの硬化や温度変化に
伴うひび割れが発生することがある。さらに、施工に高
額を要する。
【0005】(3)の薬液注入工法では、長期耐久性が
低く、また、連続遮水壁としての連続性が低い。 (4)のソイル固化壁工法では、地盤の変形等への追従
性が小さく、また、強度はある程度有するものの、前記
の連続地中壁ほどの強さはないため、ひび割れなどが生
じ易い。さらに、一旦ひび割れが発生すると、修復が困
難である。
低く、また、連続遮水壁としての連続性が低い。 (4)のソイル固化壁工法では、地盤の変形等への追従
性が小さく、また、強度はある程度有するものの、前記
の連続地中壁ほどの強さはないため、ひび割れなどが生
じ易い。さらに、一旦ひび割れが発生すると、修復が困
難である。
【0006】(5)の泥水トレンチ工法では、ベントナ
イト泥水中に混入できるベントナイト量が、通常6〜1
3質量%程度(泥水100質量部に対しベントナイト1
0質量部程度配合)以下であることから、この泥水を用
いて原地盤に混合できるベントナイト量については、ベ
ントナイト泥水の注入率が20〜30容量%程度である
ことにより15〜25kg/m3 にしかならず、十分な
遮水性(止水性)を確保するのが困難である。また、ト
レンチ内のベントナイト泥水と土砂との混合物には大量
の水が含まれているため、壁(トレンチ)自体の強度が
ほとんどなく、したがってトレンチ自体が極めて不安定
となる。特に、周辺地盤の僅かな沈下・変形等に対して
も、壁(トレンチ)に変形や崩壊などが起きて機能の低
下を招くおそれがある。
イト泥水中に混入できるベントナイト量が、通常6〜1
3質量%程度(泥水100質量部に対しベントナイト1
0質量部程度配合)以下であることから、この泥水を用
いて原地盤に混合できるベントナイト量については、ベ
ントナイト泥水の注入率が20〜30容量%程度である
ことにより15〜25kg/m3 にしかならず、十分な
遮水性(止水性)を確保するのが困難である。また、ト
レンチ内のベントナイト泥水と土砂との混合物には大量
の水が含まれているため、壁(トレンチ)自体の強度が
ほとんどなく、したがってトレンチ自体が極めて不安定
となる。特に、周辺地盤の僅かな沈下・変形等に対して
も、壁(トレンチ)に変形や崩壊などが起きて機能の低
下を招くおそれがある。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、高い遮水性(低い透水
性)を有し、しかも、原地盤と同等の強度・変形特性
(セン断強度で2.5kPa以上)を有することによ
り、地盤変形などにも追従し得る、遮水壁の構築方法を
提供することにある。
で、その目的とするところは、高い遮水性(低い透水
性)を有し、しかも、原地盤と同等の強度・変形特性
(セン断強度で2.5kPa以上)を有することによ
り、地盤変形などにも追従し得る、遮水壁の構築方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の遮水壁の構築方
法では、エタノールと水とベントナイトとを混合してな
るベントナイトスラリーを、遮水壁構築場所となる地盤
に注入しつつ、該地盤中の地盤土砂と注入したベントナ
イトスラリーとを攪拌混合し、得られた混合物を所望す
る遮水壁形状に連続的に施工・配置して、壁状構造とす
ることを前記課題の解決手段とした。
法では、エタノールと水とベントナイトとを混合してな
るベントナイトスラリーを、遮水壁構築場所となる地盤
に注入しつつ、該地盤中の地盤土砂と注入したベントナ
イトスラリーとを攪拌混合し、得られた混合物を所望す
る遮水壁形状に連続的に施工・配置して、壁状構造とす
ることを前記課題の解決手段とした。
【0009】この遮水壁の構築方法によれば、エタノー
ル水溶液とベントナイトとを混合したことによって得ら
れるベントナイトスラリー中のベントナイト量が30〜
120質量%程度(エタノール水溶液100質量部に対
してベントナイト量が30〜120質量部程度)と、従
来の水を用いた場合に比べて大幅にその濃度(密度)を
高めることが可能になり、したがって、このベントナイ
トスラリーを用いることにより、地盤土砂に混合できる
ベントナイト量を大幅に増大させることが可能になる。
ル水溶液とベントナイトとを混合したことによって得ら
れるベントナイトスラリー中のベントナイト量が30〜
120質量%程度(エタノール水溶液100質量部に対
してベントナイト量が30〜120質量部程度)と、従
来の水を用いた場合に比べて大幅にその濃度(密度)を
高めることが可能になり、したがって、このベントナイ
トスラリーを用いることにより、地盤土砂に混合できる
ベントナイト量を大幅に増大させることが可能になる。
【0010】また、壁状構造を構築した後、この壁状構
造中のエタノールを強制的に水と置き換えさせるのが好
ましく、このようにエタノールを水に置き換えさせるこ
とにより、壁状構造中のベントナイトを速やかに膨潤さ
せて高い遮水性と強度とを発現させることが可能にな
り、これにより得られる遮水壁の遮水性向上と強度増強
とを早期に達成することが可能になる。
造中のエタノールを強制的に水と置き換えさせるのが好
ましく、このようにエタノールを水に置き換えさせるこ
とにより、壁状構造中のベントナイトを速やかに膨潤さ
せて高い遮水性と強度とを発現させることが可能にな
り、これにより得られる遮水壁の遮水性向上と強度増強
とを早期に達成することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の遮水壁の構築方法では、まず、エタノールと水
とベントナイトとを混合してベントナイトスラリーを用
意する。媒質としてエタノールと水とからなるエタノー
ル水溶液を使用することにより、高濃度で流動性に富
み、したがってポンプ圧送性の良いベントナイトスラリ
ーを得ることができる。すなわち、水を用いて水−ベン
トナイトをスラリー化しようとすると、十分なポンプ圧
送性を確保するためには水に対するベントナイトの混合
割合を6〜13質量%程度にしかできないのに対し、エ
タノール水溶液を用いれば、30〜120質量%のベン
トナイト量を有するスラリーを得ることができる。
本発明の遮水壁の構築方法では、まず、エタノールと水
とベントナイトとを混合してベントナイトスラリーを用
意する。媒質としてエタノールと水とからなるエタノー
ル水溶液を使用することにより、高濃度で流動性に富
み、したがってポンプ圧送性の良いベントナイトスラリ
ーを得ることができる。すなわち、水を用いて水−ベン
トナイトをスラリー化しようとすると、十分なポンプ圧
送性を確保するためには水に対するベントナイトの混合
割合を6〜13質量%程度にしかできないのに対し、エ
タノール水溶液を用いれば、30〜120質量%のベン
トナイト量を有するスラリーを得ることができる。
【0012】よって、後述するようにこのベントナイト
スラリーを地盤に添加混合すれば、ベントナイトに対す
る媒質(エタノール水溶液)の量が極めて少なくて済む
ため、地盤を水で軟弱に薄めて泥水化してしまうことな
く、地盤中に大量のベントナイトを添加混合することが
できる。なお、エタノール水溶液は無害であり、生物分
解性が高いため、他の有機溶媒に比べて環境に与える影
響が小さく、したがって地盤に混合して用いるベントナ
イトスラリーの媒質として好適である。
スラリーを地盤に添加混合すれば、ベントナイトに対す
る媒質(エタノール水溶液)の量が極めて少なくて済む
ため、地盤を水で軟弱に薄めて泥水化してしまうことな
く、地盤中に大量のベントナイトを添加混合することが
できる。なお、エタノール水溶液は無害であり、生物分
解性が高いため、他の有機溶媒に比べて環境に与える影
響が小さく、したがって地盤に混合して用いるベントナ
イトスラリーの媒質として好適である。
【0013】使用するエタノール水溶液としては、エタ
ノールの濃度が40質量%以上、60質量%以下とする
のが好ましい。40質量%未満では、このエタノール水
溶液中に混合分散させるベントナイト量を十分に高くす
るのが難しいからであり、60質量%を越えると、材料
分離が起こり易くなってポンプによる圧送等に難を生じ
るおそれがあるからである。
ノールの濃度が40質量%以上、60質量%以下とする
のが好ましい。40質量%未満では、このエタノール水
溶液中に混合分散させるベントナイト量を十分に高くす
るのが難しいからであり、60質量%を越えると、材料
分離が起こり易くなってポンプによる圧送等に難を生じ
るおそれがあるからである。
【0014】また、形成するベントナイトスラリーとし
ては、前記濃度範囲のエタノール水溶液を用いることに
より、これとベントナイトとの混合割合を、30〜12
0質量%(エタノール水溶液100質量部に対してベン
トナイト量が30〜120質量部程度)とすることがで
きる。したがって、このようなベントナイト濃度となる
ことにより、得られたベントナイトスラリーは後述する
ように地盤土砂に混合されると、この地盤土砂との混合
物中のベントナイト量を十分に高くすることができる。
ては、前記濃度範囲のエタノール水溶液を用いることに
より、これとベントナイトとの混合割合を、30〜12
0質量%(エタノール水溶液100質量部に対してベン
トナイト量が30〜120質量部程度)とすることがで
きる。したがって、このようなベントナイト濃度となる
ことにより、得られたベントナイトスラリーは後述する
ように地盤土砂に混合されると、この地盤土砂との混合
物中のベントナイト量を十分に高くすることができる。
【0015】このようにしてベントナイトスラリーを調
整し用意したら、図1(a)に示すようにこのベントナ
イトスラリー1をポンプ2等によって圧送し、遮水壁構
築場所となる地盤3に注入しつつ、該地盤3中の地盤土
砂4と注入したベントナイトスラリー1とを、ジェット
噴射、攪拌羽根、スクリューオーガ等の攪拌装置(図示
せず)を用いて攪拌混合し、地盤土砂4とベントナイト
スラリー1との混合物(混合土)5を形成する。
整し用意したら、図1(a)に示すようにこのベントナ
イトスラリー1をポンプ2等によって圧送し、遮水壁構
築場所となる地盤3に注入しつつ、該地盤3中の地盤土
砂4と注入したベントナイトスラリー1とを、ジェット
噴射、攪拌羽根、スクリューオーガ等の攪拌装置(図示
せず)を用いて攪拌混合し、地盤土砂4とベントナイト
スラリー1との混合物(混合土)5を形成する。
【0016】ここで、ベントナイトスラリー1の地盤土
砂4に対する注入率としては、前述したように20〜3
0容量%程度とされるものの、ベントナイトスラリー1
中のベントナイト量が十分に高い(エタノール水溶液と
ベントナイトとの混合割合が30〜120質量%)こと
から、得られる混合物(混合土)5中のベントナイト量
も例えば従来の泥水トレンチ工法に比べ大幅に増大させ
ることができる。
砂4に対する注入率としては、前述したように20〜3
0容量%程度とされるものの、ベントナイトスラリー1
中のベントナイト量が十分に高い(エタノール水溶液と
ベントナイトとの混合割合が30〜120質量%)こと
から、得られる混合物(混合土)5中のベントナイト量
も例えば従来の泥水トレンチ工法に比べ大幅に増大させ
ることができる。
【0017】このようにして混合物(混合土)5を形成
したら、図1(b)に示すようにこれを所望する遮水壁
形状に連続的に施工・配置して、壁状構造6とする。そ
して、得られた壁状構造6を遮水壁7とする。
したら、図1(b)に示すようにこれを所望する遮水壁
形状に連続的に施工・配置して、壁状構造6とする。そ
して、得られた壁状構造6を遮水壁7とする。
【0018】このような遮水壁7の構築方法にあって
は、ベントナイトスラリー1中のベントナイトの濃度
(密度)を、従来の水を媒質に用いた場合に比べて大幅
に高めることができ、したがって、このベントナイトス
ラリー1を用いることにより、地盤土砂4に混合できる
ベントナイト量を大幅に増大し、得られる遮水壁7の遮
水性および強度を高めることができる。すなわち、この
ようにして得られた遮水壁7は、ベントナイトスラリー
1中のエタノールが時間の経過により地下水等と置き換
わることにより、ベントナイトの膨潤が大きくなる。
は、ベントナイトスラリー1中のベントナイトの濃度
(密度)を、従来の水を媒質に用いた場合に比べて大幅
に高めることができ、したがって、このベントナイトス
ラリー1を用いることにより、地盤土砂4に混合できる
ベントナイト量を大幅に増大し、得られる遮水壁7の遮
水性および強度を高めることができる。すなわち、この
ようにして得られた遮水壁7は、ベントナイトスラリー
1中のエタノールが時間の経過により地下水等と置き換
わることにより、ベントナイトの膨潤が大きくなる。
【0019】すると、壁状構造6を構成する混合物5
(混合土)は周囲が地盤で拘束されていることにより、
原地盤と同等の硬さにまでその強度が増加し、遮水性も
より高まる。したがって、高い遮水性と強度とが発現す
ることにより、得られる遮水壁7はその遮水性が向上
し、強度が増強するのである。また、ベントナイトスラ
リー1が混合されてなる混合物5(混合土)は可塑性の
高いものとなっているため、地盤の変形にもフレキシブ
ルに追従することができ、これにより地盤変形や振動等
によるひび割れなどが生じ難いものとなる。
(混合土)は周囲が地盤で拘束されていることにより、
原地盤と同等の硬さにまでその強度が増加し、遮水性も
より高まる。したがって、高い遮水性と強度とが発現す
ることにより、得られる遮水壁7はその遮水性が向上
し、強度が増強するのである。また、ベントナイトスラ
リー1が混合されてなる混合物5(混合土)は可塑性の
高いものとなっているため、地盤の変形にもフレキシブ
ルに追従することができ、これにより地盤変形や振動等
によるひび割れなどが生じ難いものとなる。
【0020】また、このようにエタノールが水と置き換
わっても、本来のベントナイトの吸水・膨潤性能からす
れば、その能力にはまだ数倍の余裕があるため、万一ク
ラック等が遮水壁7に生じても、そこに入ってきた水を
吸収し膨潤してクラック等を塞ぐ、自己修復性を発揮す
るものとなる。また、ベントナイトスラリー中のベント
ナイト量を高めることができることから、地盤3に添加
するスラリー量を従来の水を媒質としたスラリーに比べ
少なくすることができ、したがってこの従来の方法に比
べ、原地盤からの排土量(処分残土量)を大幅に少なく
することができる。
わっても、本来のベントナイトの吸水・膨潤性能からす
れば、その能力にはまだ数倍の余裕があるため、万一ク
ラック等が遮水壁7に生じても、そこに入ってきた水を
吸収し膨潤してクラック等を塞ぐ、自己修復性を発揮す
るものとなる。また、ベントナイトスラリー中のベント
ナイト量を高めることができることから、地盤3に添加
するスラリー量を従来の水を媒質としたスラリーに比べ
少なくすることができ、したがってこの従来の方法に比
べ、原地盤からの排土量(処分残土量)を大幅に少なく
することができる。
【0021】また、本発明では、前述したように得られ
た壁状構造6をそのまま遮水壁7とすることなく、この
壁状構造6を構築した後、該壁状構造6中のエタノール
を強制的に水と置き換えさせ、これにより遮水壁7を得
るようにすることもできる。エタノールの水への強制的
な置き換え方法として具体的には、壁状構造6を介した
内側の地盤からポンプ等の吸引手段(図示せず)で地下
水を吸引して壁状構造6を介した内外に水位差を設ける
ことにより、壁状構造6中のエタノールを強制的に水と
置き換えさせるといった方法が好適に採用される。
た壁状構造6をそのまま遮水壁7とすることなく、この
壁状構造6を構築した後、該壁状構造6中のエタノール
を強制的に水と置き換えさせ、これにより遮水壁7を得
るようにすることもできる。エタノールの水への強制的
な置き換え方法として具体的には、壁状構造6を介した
内側の地盤からポンプ等の吸引手段(図示せず)で地下
水を吸引して壁状構造6を介した内外に水位差を設ける
ことにより、壁状構造6中のエタノールを強制的に水と
置き換えさせるといった方法が好適に採用される。
【0022】このようにエタノールを水に置き換えさせ
ることにより、壁状構造6中のベントナイトを速やかに
膨潤させることができる。すると、前述したように高い
遮水性と強度とが発現することにより、得られる遮水壁
7はその遮水性が早期に向上し、また強度も早期に増強
する。
ることにより、壁状構造6中のベントナイトを速やかに
膨潤させることができる。すると、前述したように高い
遮水性と強度とが発現することにより、得られる遮水壁
7はその遮水性が早期に向上し、また強度も早期に増強
する。
【0023】また、エタノールは無害であるものの、本
来は地盤中には存在しないものであるため、本例のごと
くポンプ等の吸引手段で揚水することなどにより、短期
間のうちにエタノールを強制的に回収し、揮発や好気分
解で処理するのが、環境への影響をより少なくすること
ができ、好ましい。
来は地盤中には存在しないものであるため、本例のごと
くポンプ等の吸引手段で揚水することなどにより、短期
間のうちにエタノールを強制的に回収し、揮発や好気分
解で処理するのが、環境への影響をより少なくすること
ができ、好ましい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の遮水壁の構
築方法は、エタノール水溶液とベントナイトとを混合し
てなるベントナイトスラリーを、遮水壁構築場所となる
地盤に注入しつつ、該地盤中の地盤土砂と注入したベン
トナイトスラリーとを攪拌混合し、得られた混合物を所
望する遮水壁形状に連続的に施工・配置して、壁状構造
とするようにした方法であるから、ベントナイトスラリ
ー中のベントナイトの濃度(密度)を、従来の水を媒質
に用いた場合に比べて大幅に高めることができ、これに
より地盤土砂に混合できるベントナイト量を大幅に増大
し、得られる遮水壁の遮水性および強度を高めることが
できる。
築方法は、エタノール水溶液とベントナイトとを混合し
てなるベントナイトスラリーを、遮水壁構築場所となる
地盤に注入しつつ、該地盤中の地盤土砂と注入したベン
トナイトスラリーとを攪拌混合し、得られた混合物を所
望する遮水壁形状に連続的に施工・配置して、壁状構造
とするようにした方法であるから、ベントナイトスラリ
ー中のベントナイトの濃度(密度)を、従来の水を媒質
に用いた場合に比べて大幅に高めることができ、これに
より地盤土砂に混合できるベントナイト量を大幅に増大
し、得られる遮水壁の遮水性および強度を高めることが
できる。
【0025】また、ベントナイトスラリーが混合されて
なる混合物(混合土)は可塑性の高いものとなるため、
地盤の変形にもフレキシブルに追従することができ、こ
れにより地盤変形や振動等によるひび割れなどが生じ難
いものとなる。また、エタノールが水と置き換わって
も、本来のベントナイトの吸水・膨潤性能からすれば、
その能力にはまだ数倍の余裕があるため、万一クラック
等が遮水壁に生じても、ベントナイトがそこに入ってき
た水を吸収し膨潤してクラック等を塞ぐ、自己修復性を
発揮するものとなる。また、ベントナイトスラリー中の
ベントナイト量を高めることができることから、地盤に
添加するスラリー量を従来の水を媒質としたスラリーに
比べ少なくすることができ、したがってこの従来の方法
に比べ、原地盤からの排土量(処分残土量)を大幅に少
なくして輸送コスト等の低減化を可能にすることができ
る。
なる混合物(混合土)は可塑性の高いものとなるため、
地盤の変形にもフレキシブルに追従することができ、こ
れにより地盤変形や振動等によるひび割れなどが生じ難
いものとなる。また、エタノールが水と置き換わって
も、本来のベントナイトの吸水・膨潤性能からすれば、
その能力にはまだ数倍の余裕があるため、万一クラック
等が遮水壁に生じても、ベントナイトがそこに入ってき
た水を吸収し膨潤してクラック等を塞ぐ、自己修復性を
発揮するものとなる。また、ベントナイトスラリー中の
ベントナイト量を高めることができることから、地盤に
添加するスラリー量を従来の水を媒質としたスラリーに
比べ少なくすることができ、したがってこの従来の方法
に比べ、原地盤からの排土量(処分残土量)を大幅に少
なくして輸送コスト等の低減化を可能にすることができ
る。
【0026】また、壁状構造を構築した後、この壁状構
造中のエタノールを強制的に水と置き換えさせれば、壁
状構造中のベントナイトを速やかに膨潤させて高い遮水
性と強度とを発現させることができ、これにより得られ
る遮水壁の遮水性向上と強度増強とを早期に達成するこ
とができる。
造中のエタノールを強制的に水と置き換えさせれば、壁
状構造中のベントナイトを速やかに膨潤させて高い遮水
性と強度とを発現させることができ、これにより得られ
る遮水壁の遮水性向上と強度増強とを早期に達成するこ
とができる。
【図1】 (a)、(b)は本発明の遮水壁の構築方法
を工程順に説明するための部分断面図である。
を工程順に説明するための部分断面図である。
1…ベントナイトスラリー、2…ポンプ、3…地盤、4
…地盤土砂、5…混合物(混合土)、6…壁状構造、7
…遮水壁
…地盤土砂、5…混合物(混合土)、6…壁状構造、7
…遮水壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 澄夫 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 Fターム(参考) 2D049 EA01 GB01 GC05 GC11
Claims (4)
- 【請求項1】 エタノールと水とベントナイトとを混合
してなるベントナイトスラリーを、遮水壁構築場所とな
る地盤に注入しつつ、該地盤中の地盤土砂と注入したベ
ントナイトスラリーとを攪拌混合し、得られた混合物を
所望する遮水壁形状に連続的に施工・配置して、地盤と
して十分な強度の壁状構造とすることを特徴とする遮水
壁の構築方法。 - 【請求項2】 エタノールと水とが混合されてなるエタ
ノール水溶液のエタノール濃度が40〜60質量%であ
り、このエタノール水溶液とベントナイトとが混合され
て得られるベントナイトスラリー中のベントナイト量が
30〜120質量%であることを特徴とする請求項1記
載の遮水壁の構築方法。 - 【請求項3】 壁状構造を構築した後、この壁状構造中
のエタノールを強制的に水と置き換えさせ、該壁状構造
中のベントナイトを膨潤させて高い遮水性と強度とを発
現させることを特徴とする請求項1又は2記載の遮水壁
の構築方法。 - 【請求項4】 壁状構造中のエタノールを、該壁状構造
を介した内側の地盤からポンプ等の吸引手段で地下水を
吸引して壁状構造を介した内外に水位差を設けることに
より、強制的に水と置き換えさせることを特徴とする請
求項3記載の遮水壁の構築方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259900A JP2002070004A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 遮水壁の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259900A JP2002070004A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 遮水壁の構築方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002070004A true JP2002070004A (ja) | 2002-03-08 |
Family
ID=18748007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000259900A Pending JP2002070004A (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | 遮水壁の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002070004A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007031214A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Kajima Corp | 吹付け工法 |
-
2000
- 2000-08-29 JP JP2000259900A patent/JP2002070004A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007031214A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Kajima Corp | 吹付け工法 |
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