JP2002069648A - 成膜装置の内壁堆積物検出方法及び監視装置付き成膜装置 - Google Patents

成膜装置の内壁堆積物検出方法及び監視装置付き成膜装置

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JP2002069648A
JP2002069648A JP2000266349A JP2000266349A JP2002069648A JP 2002069648 A JP2002069648 A JP 2002069648A JP 2000266349 A JP2000266349 A JP 2000266349A JP 2000266349 A JP2000266349 A JP 2000266349A JP 2002069648 A JP2002069648 A JP 2002069648A
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wall
etching
film forming
gas
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JP2000266349A
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Yoshitaka Nozaki
喜敬 野崎
Hideki Matsumura
英樹 松村
Atsushi Masuda
淳 増田
Akira Izumi
亮 和泉
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Japan Advanced Institute of Science and Technology
SIGMAKOKI Co Ltd
Original Assignee
Japan Advanced Institute of Science and Technology
SIGMAKOKI Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CVD法、特にCat−CVD法による成膜
は、チェンバー内壁に付着する堆積物の影響で再現性が
充分でない。 【解決手段】 原料ガス(SiH4 とH2 )の内水素ガ
スを、成膜と同じ条件で供給し、該水素ガスを加熱触媒
体により分解して発生した水素原子(H)にてチェンバ
ー内壁の堆積物をエッチングする。該エッチング副生成
物を基板ホルダー9に設けた吸込み口11より抽出し
て、分析計10によりその量を測定することに基づき、
内壁堆積物を検出する。更に、上記検出信号を規定値と
比較することにより、成膜作業中におけるクリーニング
時期、又はクリーニング作業中におけるクリーニング終
期を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学気相成長法
(CVD)、特に触媒化学気相成長法(Cat−CV
D)に用いて好適な成膜装置の内壁堆積物検出方法並び
にそれを用いた監視装置付き成膜装置に係り、詳しくは
プロセスチェンバー内壁に生成・付着した堆積物を所定
分解ガスによりエッチングしたエッチング副生成物を検
出して、チェンバー内壁の堆積物の量を検出する方法、
並びに監視装置付き成膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学気相成長法(CVD)による
成膜装置(以下CVD装置という)として、熱CVD装
置、プラズマ(P)CVD装置、光CVD装置、MOC
VD装置、メタルCVD装置等があるが、熱CVD装置
は、高温により加熱された表面での化学反応により薄膜
を生成するため、数百℃以上の高温化が不可欠であり、
またプラズマCVD装置は、低温化が可能であるが、プ
ラズマ処理中に膜中に取り込まれる各種の欠陥ダメージ
や、後工程の高温処理によるダメージ等があり、近年、
これらの課題を解決し得る可能性のあるものとして、触
媒CVD(Cat−CVD)が注目されている。
【0003】一般に、CVD装置(熱CVD、プラズマ
CVD、Cat−CVD等を含む)は、基板表面に成膜
すると、同時にチェンバー内壁にも膜が生成して堆積す
る。該チェンバー内壁に堆積した膜は、成膜処理枚数、
総処理時間に従って厚くなり、一定の膜厚を超えると剥
がれやすくなる。該剥がれた膜は、ダストとなり、基板
表面に付着して欠陥の原因となる。従って、適切な時期
にチェンバー内をクリーニングする必要がある。
【0004】従来、チェンバーの内壁面に付着した堆積
物を検出し、適時にクリーニングする方法として、特開
平9−36102号公報、特開平9−162165号公
報及び特開平11−140655号公報に示されるもの
がある。
【0005】これらのものは、チェンバーに1対の監視
窓を設けて、これら監視窓に赤外線、光、レーザ光等の
電磁波を透過し、該透過した電磁波を検出手段にて検出
して、それを分析することにより、前記監視窓に付着し
ている堆積物の量を検知して、クリーニングの適時又は
クリーニングの終了時を判定するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した監視
窓への堆積物の付着に基づく、電磁波透過量の変化によ
る堆積物の検出は、監視窓での堆積物により検出するた
め、チェンバー内壁面での堆積物の量と位置的及び材質
的な差により必ずしも一致せず、チェンバー内壁面全
体、特に薄膜生成と密接に関係する部分に影響する内壁
の堆積物の量を正確に検出することは困難である。
【0007】また近時、Cat−CVD法は、プラズマ
を用いることなく、300[℃]程度以下の低温で薄膜
生成が可能であることから、水素化アモルファスシリコ
ン(a−Si:H)膜、多結晶シリコン(poly−S
i)膜、窒化シリコン(SiNx)等の薄膜形成の実現
に向けて研究が進められているが、その再現性、特にa
−Si:H膜の形成に際して、再現性は高くない。
【0008】これは、上述したチェンバー内壁から剥落
したダストによる欠陥だけではなく、チェンバー内壁面
の状態が変わると、膜の構造にも影響を及ぼすことが原
因と考えられ、原料ガスが加熱触媒体により分解されて
生成された水素原子がチェンバー内壁の堆積物をエッチ
ングし、該エッチングされた化合物(エッチング副生成
物)が基板上に成膜される膜に取り込まれるものと推測
される。
【0009】そこで、本発明は、プロセスチェンバー内
壁の堆積物をエッチングすることにより発生する副生成
物を検出することにより、チェンバー内壁の堆積物の量
を検出し、もって上述課題を解決した成膜装置の内壁堆
積物検出方法及び監視装置付き成膜装置を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、ソースガス(例えばシラン[SiH4 ])とキャリ
ヤガス(例えば水素[H2 ]、アンモニア[NH3 ])
を有する原料ガスをプロセスチェンバー(1)内に供給
し、該原料ガスを分解手段(例えば加熱触媒体)2によ
り分解して、該分解にて生成された堆積種を基板(3)
に堆積して薄膜(例えばa−Si:H、poly−S
i、SiNx)を生成すると共に、前記チェンバー内壁
(1a)にも堆積物が生成して付着してなる、化学気相
成長法による成膜装置(5)において、前記分解手段
(2)によって前記原料ガスの少なくとも一部(例えば
2 、NH3 )を分解することにより生じた所定分解種
(例えば水素原子[H])が、前記チェンバー内壁(1
a)の堆積物をエッチングする作用を有し、前記チェン
バー内のガスを分析し、前記所定分解種による前記チェ
ンバー内壁の堆積物のエッチング作用に基づき発生する
エッチング副生成物(例えばSiHx、Si2 Hx)を
検出することにより、前記チェンバー内壁の堆積物の量
を検出する、ことを特徴とする成膜装置の内壁堆積物検
出方法にある。
【0011】請求項2に係る本発明は、前記化学気相成
長法による成膜条件と略々同等の流量及び圧力で前記原
料ガスの内のキャリヤガス(例えばH2 )を前記チェン
バー(1)内に供給して、該キャリヤガスを前記分解手
段(2)にて分解して発生する前記所定分解種(例えば
H)により、前記チェンバー内壁(1a)の堆積物をエ
ッチングして、該エッチング作用に基づく前記エッチン
グ副生成物の量を検出してなる、請求項1記載の成膜装
置の内壁堆積物検出方法にある。
【0012】請求項3に係る本発明は、前記化学気相成
長法による成膜作業中に、前記原料ガスの内のソースガ
ス(例えばSiH4 )の供給を停止すると共に、前記キ
ャリヤガス(例えばH2 )の供給を続け、該キャリヤガ
スを、前記分解手段(2)にて分解して発生する前記所
定分解種(例えばH)により、前記チェンバー内壁(1
a)の堆積物をエッチングして、該エッチング作用に基
づく前記エッチング副生成物の量を検出してなる、請求
項1又は2記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法にあ
る。
【0013】請求項4に係る本発明は、ソースガス及び
キャリヤガスを有する前記原料ガスを前記チェンバー内
に供給している、前記化学気相成長法による成膜作業中
に、前記チェンバー内のガスをサンプリングし、該サン
プリングしたガスを分析して、前記エッチング副生成物
(例えばSiHx、Si2 Hx)の変化量を検出するこ
とにより、前記チェンバー内壁の堆積物の量を検出して
なる、請求項1記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法に
ある。
【0014】請求項5に係る本発明は、前記チェンバー
内壁の堆積物は、炭素(C)、珪素(Si)およびゲル
マニウム(Ge)のうち少なくともいずれか一つを含有
する物質である、請求項1ないし4のいずれか記載の成
膜装置の内壁堆積物検出方法にある。
【0015】請求項6に係る本発明は、前記チェンバー
内壁の堆積物は、珪素(Si)を含有する物質であり、
前記エッチング作用を有する所定分解種は水素原子
(H)であり、前記エッチング副生成物は、珪素と水素
からなる化合物(例えばSiHx、[x=0−4]、S
2 Hx[x=0−6])である、請求項1ないし4の
いずれか記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法にある。
【0016】請求項7に係る本発明は、前記エッチング
副生成物は、珪素と水素からなる化合物のうち珪素原子
を少なくとも2個含有するもの(例えばSi2 Hx[x
=0−6])である、請求項6に記載の成膜装置の内壁
堆積物検出方法にある。
【0017】請求項8に係る本発明は、前記分解手段
は、加熱触媒体(2)であり、触媒化学気相成長法にて
前記薄膜を生成してなる、請求項1ないし7のいずれか
記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法にある。
【0018】請求項9に係る本発明は(例えば図1、図
2参照)、プロセスチェンバーに原料ガスを供給する手
段(6,7)と、該供給手段により供給された該原料ガ
スを分解する分解手段(2)と、を備え、前記分解手段
によって前記原料ガスを分解することで生じた堆積種を
基板(3)に堆積させることで薄膜を生成すると共に、
前記チェンバーの内壁(1a)にも堆積物が生成して付
着してなる、化学気相成長法による成膜装置において、
前記分解手段(2)によって前記原料ガスの少なくとも
一部(例えばH2 、NH3 )を分解することによって生
じた所定分解種(例えばH)が、前記チェンバー内壁の
堆積物をエッチングする作用を有し、前記チェンバー内
のガスを分析し、前記所定分解種のエッチング作用によ
り該チェンバー内壁の堆積物から発生するエッチング副
生成物(例えばSiHx、Si2 Hx)を検出する検出
手段(8)を備え、該検出手段により検出されたエッチ
ング副生成物により前記チェンバー内壁の堆積物の量を
監視することを特徴とする、監視装置付き成膜装置にあ
る。
【0019】請求項10に係る本発明は(例えば図3参
照)、前記検出手段(8)は、前記チェンバー内のガス
を抽出する手段(11〜14)と、該抽出したガスを分
析して前記エッチング副生成物の量を検出する手段(1
0)と、を有する、請求項9記載の監視装置付き成膜装
置にある。
【0020】請求項11に係る本発明は(例えば図3参
照)、前記チェンバー内のガスを抽出する手段は、前記
基板を載置する基板ホルダー(9)にあけられたガス吸
込み口(11)を有する、請求項10記載の監視装置付
き成膜装置にある。
【0021】請求項12に係る本発明は(例えば図3参
照)、前記検出手段により検出した前記エッチング副生
成物に基づき、該エッチング副生成物の量を検知し、該
エッチング副生成物の量を規定値と比較して、該エッチ
ング副生成物が前記規定値より大きくなる状態を前記チ
ェンバー内壁のクリーニング時期と判断する判断手段
(15a)を備えてなる、請求項9ないし11のいずれ
か記載の監視装置付き成膜装置にある。
【0022】請求項13に係る本発明は(例えば図3参
照)、前記検出手段により検出した前記エッチング副生
成物に基づき、該エッチング副生成物の量を検知し、該
エッチング副生成物の量を規定値と比較して、該エッチ
ング副生成物が前記規定値より小さくなる状態を前記チ
ェンバー内壁のクリーニングが終了したと判断する判断
手段(15b)を備えてなる、請求項9ないし12のい
ずれか記載の監視装置付き成膜装置にある。
【0023】請求項14に係る本発明は、前記分解手段
は、加熱触媒体であり、前記成膜装置が、触媒化学気相
成長法による成膜装置である、請求項9ないし13のい
ずれか記載の監視装置付き成膜装置にある。
【0024】なお、上記カッコ内の符号は、図面との対
照符号であるが、これは、本発明の実施の形態との対応
関係の理解を容易にするための便宜的なものであって、
これにより本発明の特許請求の範囲の記載に何等影響を
及ぼすものではない。
【0025】また、本発明において、キャリヤガスと
は、例えばアルゴンやヘリウム等のチェンバー内で分解
されず、成膜反応や内壁膜堆積物の生成に関与しないガ
スのみに限定して意味するものではなく、その分解種
が、通常用いる常温以上の基板温度において、単独では
基板上に薄膜を形成し得ないガスを意味する。なお、そ
の分解種が単独で薄膜を形成し、チェンバー内壁の堆積
物の検出の妨げとなるガスをソースガスとする。
【0026】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、原料ガ
スの少なくとも一部を分解することにより生ずる所定分
解種がチェンバー内壁の堆積物を分解し、これにより発
生するエッチング副生成物を検出することによりチェン
バー内壁の堆積物の量を検出するので、監視窓等の設置
位置に拘らず、チェンバー内壁全体の堆積物の量を直接
検出することができ、成膜条件等に拘らず、常に適正に
内壁への堆積物の量を検出して、クリーニングの適時又
はクリーニングの終期を正確に判断することができる。
また、原料ガスの少なくとも一部を用いてチェンバー内
壁のエッチングを行い、該エッチング副生成物を検出す
るので、モニター試料や特殊なガスを用いる必要がな
く、内壁堆積物の量を検出することができる。
【0027】請求項2に係る本発明によると、成膜条件
と略々同等の流量及び圧力のキャリヤガスを供給するの
で、成膜工程と同様なチェンバー内環境において、所定
分解種により内壁から発生するエッチング副生成物を検
出することができ、内壁堆積物が成膜に及ぼす影響を直
接的に知ることができると共に、成膜工程を続けた状態
での将来の内壁堆積物の量を、線形演算式又は経験則を
加味して補正した非線形演算式又はマップにより予測す
ることができ、将来のクリーニング適時又はクリーニン
グ終期を容易かつ正確に判断することが可能となる。
【0028】請求項3に係る本発明によると、成膜作業
中に、原料ガスの内のソースガスの供給を停止して、キ
ャリヤガスを供給し続けることにより、成膜作業中にも
内壁堆積物の量を検出することができ、成膜作業の効率
低下を伴うことなく、適正な時期に内壁堆積物の検出を
行うことが可能となる。
【0029】請求項4に係る本発明によると、原料ガス
を供給している成膜作業中に、所定時間毎又は連続し
て、チェンバー内のガスをサンプリングして、内壁堆積
物の量を検出することができ、チェンバー内壁の堆積物
の量を適時に検出できると共に、正確に将来の堆積物の
量変化を予測することができ、成膜作業の効率を低下す
ることなく、クリーニング適時又はクリーニング終期を
正確に判断することが可能となる。
【0030】請求項5に係る本発明によると、人工ダイ
ヤモンド等の炭素を含む成膜、アモルファスシリコン、
多結晶シリコン、シリコン窒化膜等の珪素を含む成膜、
半導体材料等のゲルマニウムを含む成膜において、内壁
堆積物からのエッチング副生成物を検出することに基づ
く内壁堆積物の量を検出することができる。
【0031】請求項6に係る本発明によると、内壁堆積
物、従って基板上の成膜が珪素を含むもの、例えばアモ
ルファスシリコン、多結晶シリコン等の太陽電池、薄膜
トランジスタ等の材料となるもの、及びガリウム砒素ウ
ェーハFET/ICの表面被覆として好適なシリコン窒
化膜となるもの等を、適切な時期によるクリーニングに
より、高品質にかつ高い効率で形成することが可能とな
り、かつ所定分解種が水素原子であるため、例えば水素
(H2 )又はアンモニア(NH3 )等のキャリヤガスを
分解することにより得られると共に、チェンバー内に多
量の水素原子が存在する化学気相成長法による成膜工程
にあって、該成膜時と同様な環境状態にて、内壁堆積物
の量を検出することが可能となる。
【0032】請求項7に係る本発明によると、エッチン
グ副生成物が、Si2 Hx等の珪素を少なくとも2個含
有する高次生成物であるので、該高次生成物は、その量
が増えると膜質が低下するものであると共に、チェンバ
ー内壁の堆積物のエッチングにより直接発生するが、該
膜質に直接影響する高次生成物を検出することにより、
正確に内壁堆積物が成膜に及ぼす影響を検知することが
可能となる。
【0033】請求項8に係る本発明によると、分解手段
を加熱触媒体として、原料ガスを触媒により化学反応さ
せて薄膜を成長させ、300〜400[℃]以下の低温
で成膜が可能な触媒化学気相成長(Cat−CVD)法
に適用するので、従来のCat−CVD法の課題であっ
た再現性を向上し、常に高い品質による成膜が可能とな
る。
【0034】請求項9に係る本発明によると、原料ガス
の少なくとも一部を分解した所定分解種により、チェン
バー内壁の堆積物をエッチングし、該エッチング副生成
物を検出手段により検出して内壁堆積物の量を監視する
ので、既存の成膜装置に大きな変更又は大きな設備の追
加を伴うことなく、正確に内壁堆積物を監視することが
でき、大幅なコストアップを伴うことのない監視装置付
き成膜装置を得ることができる。
【0035】請求項10に係る本発明によると、検出手
段が、チェンバー内のガスを抽出して分析するので、真
空装置の一部を改良する等により、容易に監視装置を付
設することができる。
【0036】請求項11に係る本発明によると、ガスを
抽出する吸込み口を基板ホルダーに配置したので、基板
と略々同じ雰囲気のガス成分を抽出して分析でき、成膜
環境と略々同じ条件における内壁堆積物の影響を直接検
知することができる。
【0037】請求項12に係る本発明によると、エッチ
ング副生成物が規定値より大きくなる状態をチェンバー
内壁のクリーニング時期と判断する手段を設けたので、
作業者は、成膜作業状態において、表示装置又は警報装
置等により容易かつ確実にクリーニング時期を知ること
ができ、更には成膜装置の自動化にも寄与することがで
きる。
【0038】請求項13に係る本発明によると、エッチ
ング副生成物が規定値より小さくなる状態をクリーニン
グ終期と判断する手段を設けたので、作業者は、クリー
ニング作業状態において、表示装置又は警報装置等によ
り容易かつ確実にクリーニング終期を知ることができ、
更には成膜装置の自動化にも寄与することができる。
【0039】請求項14に係る本発明によると、原料ガ
スを触媒により化学反応させて薄膜を成長させる触媒化
学気相成長(Cat−CVD)法による成膜装置に適用
して、チェンバー内壁の堆積物の量を容易かつ正確に監
視することができるので、従来のCat−CVD成膜装
置の課題であった再現性を向上し、常に高い品質の成膜
が可能なCat−CVD成膜装置を得ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、触媒化学気相成長
(Catalytic Chemical Vapor Deposition→Cat−C
VD)法による解析実験用成膜装置全体を示す正面図、
図2は、その要部を示す概略図であり、成膜装置5は、
基台20上に配置された真空容器からなるプロセスチェ
ンバー1を有する。
【0041】該チェンバー1内には、その上面に原料ガ
ス導入シャワー6が配置され、上下方向中間部分を横切
るように、タングステンフィラメントからなる加熱触媒
体2が張設されており、下面中央に基板ホルダー9が配
設されている。更に、上記チェンバー1は、その両側に
1対の監視窓21,21を有しており、また上面に1対
の触媒体上下調整用ダイヤル22,22、シャワーヘッ
ド冷却水用カプラ23,23、そして原料ガス供給用カ
プラ7が立設されている。
【0042】一方、前記基台20には、主排気複合分子
ポンプ25、差動排気ターボ分子ポンプ14、四重極質
量分析計10、及び図示しない補助排気用ロータリポン
プ等が配置されている。主排気複合分子ポンプ25(及
び補助排気用ロータリポンプ)は、プロセスチェンバー
1内を排気して略々真空状態にするためのものであり、
差動排気ターボ分子ポンプ14は、チェンバー1内のガ
スを抽出して、四重極質量分析計等のガス成分分析器1
0を差動排気するものである。
【0043】図3は、本発明の要部である監視装置、即
ちエッチング副生成物を抽出して分析する検出手段8部
分を示す図であり、前記基板ホルダー9の中心部分にあ
けられたガス吸込み口11を有する。ガス吸込み口11
は、オリフィス12及び連結管13を介して差動排気タ
ーボ分子ポンプ14及び別室に連通しており、該別室に
は四重極質量分析計10が備えられている。なお、前記
基板ホルダー9の表面9aの裏面には基板3を加熱する
ためのヒータ27が設けられている。
【0044】そして、上記質量分析部である四重極質量
分析計10にて測定された結果は、電子制御部15のク
リーニング時期判断手段15a及びクリーニング終期判
断手段15bに送信される。クリーニング時期判断手段
15aは、成膜作業中において、前記分析計10にて測
定された結果に基づくエッチング副生成物(SiHx、
Si2 Hx等)の量を予め設定される規定値と比較し
て、エッチング副生成物が該規定値より大きくなる状態
を直接判定するか又は演算して、この状態をチェンバー
内壁1aをクリーニングする適時であると判断する。ま
た、クリーニング終期判断手段15bは、クリーニング
作業中において、前記分析計10にて測定された結果に
基づくエッチング副生成物の量を予め設定される規定値
(上記クリーニング時期判断手段15aの規定値とは一
般には異なる値である)と比較して、エッチング副生成
物が該規定値より小さくなる状態を直接判定するか又は
演算して、この状態をチェンバー内壁1aのクリーニン
グが終了した時期であると判断する。
【0045】ついで、上述した監視装置付き成膜装置5
を用いて、チェンバー内壁堆積物の検出方法について説
明する。
【0046】プロセスチェンバー1内を主排気複合分子
ポンプ25等により排気して、10 −6[Torr]程
度の比較的高真空にした状態で、シラン(SiH4 )か
らなるソースガスと、水素(H2 )からなるキャリヤガ
スとの所定割合による混合ガスである原料ガスを、原料
ガス供給カプラ7を介してシャワーヘッド6からチェン
バー1内に所定流量及び圧力で供給する。一方、加熱触
媒体2は、1600[℃]程度以上の高温度に加熱され
ており、上記原料ガスが該加熱触媒体に接触する。
【0047】すると、加熱触媒体2に接触して分解され
た種(Si、H及びその化合物)は、高いエネルギを有
するが、触媒体に接触しない種(分解されないSiH4
ガス、H2 ガス等)は、低温のままであって、いわば熱
的非平衡の状態で、基板3の表面に到達する。そして、
上記低温のままの種により基板3が低温に保持された状
態で、上記分解種(Si、H等)が高いエネルギでもっ
て基板3上に飛来し、該基板3上にシリコンの薄膜が生
成される。なお、成膜条件(真空度、加熱触媒体の温
度、ソースガスとキャリヤガスの割合、原料ガスの供給
流量及び圧力等)により、上記シリコン薄膜は、水素化
アモルファスシリコン(a−Si:H)膜、多結晶シリ
コン(poly−Si)膜となる。
【0048】上記基板3でのシリコン薄膜の生成と同時
に、前記分解種は、チェンバー内壁1aにも到達し、該
内壁に付着して堆積物(シリコン膜)を生成する。この
際、原料ガス(ソースガス)であるSiH4 と、その分
解種とが衝突を繰返すことで(原料ガスの気相反応
で)、Si2 Hx等のシリコン原子(Si)を2個以上
含む高次生成物が生成するが、該高次生成物がチェンバ
ー内に増加して、成膜への寄与が増すと、シリコン膜
(特にアモルファスシリコン膜)の特性が低下すること
が知られている。
【0049】本出願の発明者等は、水素原子(H)のエ
ッチング作用によって、チェンバーの内壁1aに堆積し
たシリコン膜から上記高次生成物(Si2 Hx)が直接
的に発生することを発見した。これにより、チェンバー
内壁に付着した堆積物の量が増加することに応じて、成
膜作業時に内壁面堆積物から発生する高次生成物も増
し、その結果、膜質が低下すると推察した。
【0050】従って、原料ガスの内のキャリヤガス(H
2 ガス)のみを、チェンバー1内に供給し、該水素ガス
を加熱触媒体2により分解して水素原子(H)を発生
し、該水素原子によりチェンバー内壁1aの堆積物をエ
ッチングし、該エッチング副生成物(SiHx、Si2
Hx等)、特に高次生成物(Si2 Hx)の量を検出す
ることにより、チェンバー内壁の堆積物の量を検出し、
これにより、チェンバー内壁の堆積物の量を検出するこ
とを想起した。この際、成膜条件と略々同じ条件(同じ
流量及び圧力)で水素ガスを、原料ガス導入シャワーヘ
ッド6からチェンバー内に供給し、かつ成膜工程と略々
同じ温度の加熱触媒体2により水素ガスを分解すること
により、成膜工程中と略々同様に、チェンバー内壁から
エッチング副生成物、特に高次生成物を発生させ、該副
生成物の量を検出することにより、成膜時にチェンバー
内壁の堆積物が成膜に及ぼす影響を知ることができる。
【0051】具体的には、成膜作業を開始する前に、検
出手段8により、チェンバー内のガス成分を分析する。
即ち、差動排気ターボ分子ポンプ14により、吸込み口
11からチェンバー内のガスを抽出し、オリフィス12
及び連結管13を介して別室に送込み、該別室内に抽出
したガスは、四重極質量分析計10により測定される。
その結果を図4に示す。図4において、mass number 3
0近傍にエッチング副生成物信号(SiHx)が現われ
るが、これは、過去の成膜作業により堆積物が多少残っ
ているためである。
【0052】ついで、前述したように、ソースガスのS
iH4 とキャリヤガスのH2 との混合ガスである原料ガ
スを供給して、基板ホルダー9上に載置した基板3への
成膜作業(例えばアモルファスシリコン膜、ポリシリコ
ン膜)を所定時間又は所定枚数行う。そして、基板ホル
ダー9から基板3を取り出した状態で、成膜作業を中断
し、成膜条件と同じ条件で、キャリヤガスである水素
(H2 )ガスのみをシャワーヘッド6から供給し、成膜
と同様に加熱触媒体2を加熱して、そのとき発生するエ
ッチング生成物を検出する。なお、ガス吸込み口11
が、基板近傍のガスを吸込むので成膜状態と同じガスを
検出し、監視窓21の位置及び成膜条件等に拘らず、常
に成膜に直接影響する部分のガス成分を抽出できる。そ
の結果を図5に示す。チェンバー内壁の堆積物が増した
ことにより、エッチング副生成物(SiHx、Si2
x)の信号値が増加している。mass number 30近傍の
SiHxの信号が増加していることから、チェンバー内
壁堆積物の影響で、成膜のガス条件(SiH4 とH2
比率)が設定値からずれてしまっていることが分かる。
また、mass number 60近傍に表われるエッチング副生
成物は、上述した膜質低下の原因となる高次生成物(S
2 Hx)である。該高次生成物の信号が、膜質の低下
の許容範囲に基づき設定された規定値を越えた場合、ク
リーニング時期と判断する。
【0053】上記エッチング副生成物の検出は、成膜作
業の所定時間毎又は所定処理枚数毎に行われ、検出量が
規定値以下であれば、次の基板(ウエハ)をセットして
成膜作業が繰返される。上述したように、作業者がエッ
チング副生成物の信号を直接規定値と比較してもよい
が、該信号値を、以下のように電子制御部に送って、自
動的に判断するのが好ましい。
【0054】即ち、四重極質量分析計10によるエッチ
ング副生成物の信号は、電子制御部(ECU)15にお
けるクリーニング時期判断手段15aに検出毎に複数個
格納され、該信号値の変化から、線形演算又は経験則等
を加味して補正した非線形演算又はマップにより将来の
内壁堆積物の量を算出する。この量が、前記膜質許容範
囲に基づく規定値を越える点から、後何時間、何分又は
何枚のウエハを処理できるかを演算し、それをディスプ
レイ等に表示する。
【0055】更に、上述説明は、基板(ウエハ)をチェ
ンバー1から取り出して成膜作業を中断した状態で、水
素ガスのみを供給してエッチング副生成物を検出した
が、例えば基板ホルダー9上に基板3を載置した成膜作
業中において、比較的短い所定時間毎に、混合ガスから
なる原料ガスの内のソースガス(SiH4 )の供給を停
止すると共に、水素ガス(H2 )のみの供給を続け、こ
れにより、上述と同様に、エッチング副生成物を検出す
る。該検出信号をクリーニング判断手段15aに送り、
クリーニング時期までの残り時間を判断する。この場
合、基板(ウエハ)の供給及び取り出し、原料ガスの供
給、上記エッチング副生成物の検出を自動制御して、C
at−CVD装置5全体を自動化して、クリーニング時
期までの残り時間がウエハ1枚分以下となった場合、成
膜作業を中断して、クリーニング作業に自動的に入るよ
うにすることが可能となる。
【0056】そして、前記エッチング副生成物の量が規
定値より大きくなると、クリーニング時期判断手段15
aは、クリーニング適時と判断して、クリーニング作業
に入る。クリーニング作業は、基板をチェンバーから取
り出した状態で、水素ガス(H2 )を比較的多い流量で
かつ比較的高い圧力でチェンバー1内に供給する。ま
た、加熱触媒体2を同様に加熱して、分解種である水素
原子(H)を発生し、チェンバー内壁の堆積物をエッチ
ングし、該エッチング効果により内壁堆積物を除去す
る。図6は、クリーニング終了状態での四重極質量分析
計10によるエッチング副生成物の測定結果である。ク
リーニングしたことにより、図4に示す初期状態に戻っ
たことが分かる。この状態による成膜作業は、膜質の特
性も高品位な初期の状態に回復する。
【0057】該クリーニング作業は、所定時間行っても
よいが、上述と同様に、チェンバー内のガス成分を吸込
み口11から所定時間毎に抽出して、四重極質量分析計
10によりエッチング副生成物を検出し、該検出信号を
クリーニング終期判断手段15bに送って、所定規定値
と比較し、上記副生成物信号が該所定値以下となったこ
とを認知又は演算して、クリーニング終了の時期をディ
スプレイに表示するか、又は自動的にクリーニングを終
了するようにするのが好ましい。
【0058】他の実施の形態として、ソースガス(Si
4 )及びキャリヤガス(H2 )を供給している成膜作
業中に、前述と同様に、所定時間毎に検出手段8により
チェンバー内のガスをサンプリングし、該ガスにてエッ
チング副生成物の量を検出する。該副生成物(SiHx
又はSi2 Hx)の変化量を監視することにより、本来
の原料ガスによるSiHx又はSi2 Hxの量との差か
ら、チェンバー内壁堆積物の量を検出し得る。該方法に
よると、上記電子制御部15と連結して、一層高度で正
確な自動制御が可能となる。
【0059】なお、上記説明は、原料ガスとしてSiH
4 とH2 の混合ガスを用いて、シリコン膜の成膜に基づ
き説明したが、これに限らず、シラン(SiH4 )とア
ンモニア(NH3 )を用いて、基板上シリコン窒化膜
(SiNHx)を形成するものにも同様に適用し得る。
また、本発明は、再現性に課題を有するCat−CVD
法に適用して好適であるが、これに限らず、熱CVD、
プラズマCVD、光CVD等の他のCVD法に適用で
き、特に成膜工程において水素原子が多量に存在するC
VD法に適用して好適である。
【0060】また、監視対象である内壁堆積物は、珪素
(Si)を含有するものに限らず、人工ダイヤモンド等
に用いられる炭素(C)、及び半導体ディバイスに用い
られるゲルマニウム(Ge)を含有する物質からなるも
のにも同様に適用可能である。また、エッチング副生成
物の量を四重極質量分析計で測定したが、分析手段はこ
れに限らず、X線解析、ラマン分光、真空紫外吸収分光
測定等の他の方法により検出してもよい。
【0061】ついで、本発明による実験結果である実施
例について説明する。
【0062】[実施例1]本実施例は、成膜条件(原料
ガスSiH4 、H2 )と同じ条件で水素ガス(H 2 )の
みをチェンバー内に供給して、図3に示す検出手段、即
ち四重極質量分析計を用いて、エッチング副生成物の質
量スペクトルを測定したものである。エッチング副生成
物の検出条件は、以下の通りである。
【0063】 水素(H2 );流量150[sccm]、圧力42[m
Torr] 加熱触媒体;φ0.4[mm]、長さ120[cm]、
ダングステンワイヤ、加熱温度2000[℃]。
【0064】図4は、初期状態を示し、過去の実験によ
る堆積物が残っているため、mass number 30近辺にエ
ッチング副生成物(SiHx)の信号が現われている。
【0065】図5は、総計60分の成膜作業を行った後
のエッチング副生成物の測定結果を示す。チェンバー内
壁の堆積物が増したことでエッチング副生成物の信号が
増加している。mass number 30近辺のSiHxの信号
が増していることから、内壁堆積物の影響で、成膜ガス
条件(SiH4 とH2 の比率)が設定値からずれてしま
っていることが分かる。また、mass number 60近辺の
Si2 Hxの信号が顕著に増加しており、該Si2 Hx
は、膜質低下の原因である高次生成物であり、該Si2
Hxの信号値が、膜質の低下の許容範囲を超えたと判断
し、クリーニングを開始した。
【0066】クリーニングは、水素原子(H)によるエ
ッチング効果を利用した。クリーニング条件は、以下の
通りである。
【0067】 水素(H2 );流量2000[sccm]、圧力57
[mTorr] 加熱触媒体;φ0.4[mm]、長さ120[cm]、
ダングステンワイヤ、加熱温度200[℃] クリーニング時間 60分。
【0068】図3は、クリーニング後のエッチング副生
成物の測定結果を示す。クリーニングにより初期状態
(図4参照)に戻ったことが分かる。
【0069】[実施例2]上述したCat−CVD装置
5を用いて、水素化アモルファスシリコン(a−Si:
H)膜を成膜する。成膜条件は、以下の通りである。
【0070】 ソースガス ;SiH4 流量20[sccm]圧力8
[mTorr] キャリヤガス;H2 流量10[sccm]圧力8[m
Torr] 加熱解媒体 ;タングステンワイヤ φ0.4[mm]
長さ120[cm]表面温度1900[℃] 基板 ;表面温度350[℃] 検出手段として、四重極質量分析計を用い、また薄膜の
評価は、膜中の結合水素量およびその結合形態をもって
行なった。
【0071】まず、水素(H2 )ガスのみをプロセスチ
ェンバーに供給して、該チェンバー内壁の現状をモニタ
ーした。このときの測定条件は、以下の通りである。
【0072】 H2 ;流量69[sccm]、圧力8[mTo
rr] 加熱触媒体 ;タングステンワイヤ φ0.4[mm]
長さ120[cm]表面温度1900[℃] 上記測定条件は、前述の成膜条件からSiH4 の供給を
停止し、一方でH2 の供給量を増すことで圧力を成膜時
と同様に一定に保った状態である。
【0073】図7は、その測定結果を示す。mass numbe
r 60近傍のSi2 Hxに関する信号の強度は、H2
信号強度を1として、0.0005であった。このチェ
ンバー内壁の状態(現状)で得られた水素化アモルファ
スシリコン膜を評価すると、膜中の結合水素量は3
[%]であった。しかし、膜中にSiH2 結果が認めら
れ、膜質が低下し始めていた。
【0074】ここで、チェンバー内壁のクリーニングを
行なった。該クリーニング後のチェンバー内をモニター
した。上述した測定条件と同じ条件でのモニターでは、
Siを含む種に関する信号は、全く検出されなかった。
参考に、以下の条件でモニターした結果を図8に示す。
【0075】 H2 ;流量200[sccm]、圧力100
[mTorr] 加熱触媒体 ;先の条件と同じ H2 の圧力をここまで上げても、mass number 30近傍
のSiHxが僅かに検出されるだけであり、Si2 Hx
は全く検出されない。
【0076】この状態で、前述の成膜条件で水素化アモ
ルファスシリコン膜を成膜した。膜を評価すると、膜中
の結合水素量は2[%]に低下し、また膜中のSiH2
結合も減少し、チェンバーのクリーニング前に対して膜
質が向上した。
【0077】引き続き、累積膜が2500[mm]に達
するまで成膜を繰り返した。該成膜後のチェンバー内壁
の状態をモニターした結果を図9に示す。Si2 Hxに
関する信号の強度は、0.0005(H2 の信号強度を
1とする)に達した。この状態で得られる水素化アモル
ファスシリコン膜を評価すると、膜中の結合水素量は3
[%]に達し、また膜中にSiH2 結合が現われ、膜質
の低下が認められた。
【0078】以上から、Si2 Hxに関する強度が、
0.0005(H2 の信号強度を1とする)を超えない
ように、チェンバー内壁のクリーニングを行なうことに
より、良質の水素化アルモファスシリコン膜を成膜でき
ることが解った。また、上記モニターすることによる成
膜の負担は、チェンバーに供給するガスの供給量を制御
するだけなので、例え成膜1回毎にモニターを行って
も、生産効率を著しく低下することはない。
【0079】なお、本実施例は、アモルファスシリコン
膜の成膜に関するものであり、流量比(SiH4
2 )が大きいため、SiH4 (ソースガス)の供給を
停止した後、H2 (キャリヤガス)の供給を増やさなけ
れば、成膜条件と同等の圧力にならないが(H2 を成膜
条件のままでSiH4 を停止すると、圧力は1[mTo
rr]以下となる)、多結晶シリコン膜の場合、流量比
(SiH4 /H2 )が小さいので、SiH4 の停止のみ
で、H2 を成膜条件を変更せずに供給することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した解析実験用Cat−CVD装
置の全体の示す概略正面図。
【図2】そのプロセスチェンバー部分を示す概略断面
図。
【図3】本発明の要部である監視装置(検出手段)部分
を示す断面図及びブロック図。
【図4】本発明による実験結果(実施例1)を示す、初
期状態を示す図。
【図5】その成膜作業後の状態を示す図。
【図6】そのクリーニング終了状態を示す図。
【図7】本発明の異なる条件の実験結果(実施例2)を
示す、現状を示す図。
【図8】そのクリーニング後の状態を示す、測定条件を
変更した結果を示す図。
【図9】その成膜作業後の状態を示す図。
【符号の説明】
1 プロセスチェンバー 1a チェンバー内壁 2 分解手段(加熱触媒体) 3 基板(ウエハ) 5 (触媒)化学気相成長法による成膜装置;(C
at−)CVD 6,7 原料ガス供給手段(シャワーヘッド、ガス
供給カプラ) 8 検出手段 9 基板ホルダー 10 エッチング副生成物の量を検出する手段(四
重極質量分析計) 11,12,13,14 ガスを抽出する手段(ガ
ス吸込み口、オリフィス、連結管、差動排気ターボ分子
ポンプ) 15a クリーニング時期判断手段 15b クリーニング終期判断手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年9月13日(2000.9.1
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】水素(H2 );流量200[sccm]、
圧力57[mTorr] 加熱触媒体;φ0.4[mm]、長さ120[cm]、
ダングステンワイヤ、加熱温度200[℃] クリーニング時間 60分。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】 ソースガス ;SiH4 流量20[sccm] キャリヤガス;H2 流量10[sccm]圧力8[m
Torr] 加熱解媒体 ;タングステンワイヤ φ0.4[mm]
長さ120[cm]表面温度1900[℃] 基板 ;表面温度350[℃] 検出手段として、四重極質量分析計を用い、また薄膜の
評価は、膜中の結合水素量およびその結合形態をもって
行なった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月13日(2000.10.
13)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】水素(H2 );流量200[sccm]、
圧力57[mTorr] 加熱触媒体;φ0.4[mm]、長さ120[cm]、
ダングステンワイヤ、加熱温度2000[℃] クリーニング時間 60分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 淳 石川県金沢市馬替2丁目56番地1号 ラ・ コート・ドールI 306号 (72)発明者 和泉 亮 石川県能美郡辰口町旭台1丁目50番地 大 学宿舎C−52号 Fターム(参考) 4K030 AA06 AA13 AA17 BA28 BA29 BA30 BA40 DA06 DA08 FA10 KA39 KA43 5F004 AA15 BA19 BB28 CB04 DA24 DB00 5F045 AA03 AB04 AB07 AB33 AC01 AC12 BB15 EB06 EK07 GB02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスをプロセスチェンバー内に供給
    し、該原料ガスを分解手段により分解して、該分解にて
    生成された堆積種を基板に堆積して薄膜を生成すると共
    に、前記チェンバー内壁にも堆積物が生成して付着して
    なる、化学気相成長法による成膜装置において、 前記分解手段によって前記原料ガスの少なくとも一部を
    分解することにより生じる所定分解種が、前記チェンバ
    ー内壁の堆積物をエッチングする作用を有し、 前記チェンバー内のガスを分析し、前記所定分解種によ
    る前記チェンバー内壁の堆積物のエッチング作用に基づ
    き発生するエッチング副生成物を検出することにより、
    前記チェンバー内壁の堆積物の量を検出する、 ことを特徴とする成膜装置の内壁堆積物検出方法。
  2. 【請求項2】 前記化学気相成長法による成膜条件と略
    々同等の流量及び圧力で前記原料ガスの内のキャリヤガ
    スを前記チェンバー内に供給して、該キャリヤガスを前
    記分解手段にて分解して発生する前記所定分解種によ
    り、前記チェンバー内壁の堆積物をエッチングして、該
    エッチング作用に基づく前記エッチング副生成物の量を
    検出してなる、 請求項1記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法。
  3. 【請求項3】 前記化学気相成長法による成膜作業中
    に、前記原料ガスの内のソースガスの供給を停止すると
    共に、キャリヤガスの供給を続け、 該キャリヤガスを、前記分解手段にて分解して発生する
    前記所定分解種により、前記チェンバー内壁の堆積物を
    エッチングして、該エッチング作用に基づく前記エッチ
    ング副生成物の量を検出してなる、 請求項1又は2記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法。
  4. 【請求項4】 ソースガス及びキャリヤガスを有する前
    記原料ガスを前記チェンバー内に供給している、前記化
    学気相成長法による成膜作業中に、 前記チェンバー内のガスをサンプリングし、該サンプリ
    ングしたガスを分析して、前記エッチング副生成物の変
    化量を検出することにより、前記チェンバー内壁の堆積
    物の量を検出してなる、 請求項1記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法。
  5. 【請求項5】 前記チェンバー内壁の堆積物は、炭素、
    珪素およびゲルマニウムのうち少なくともいずれか一つ
    を含有する物質である、 請求項1ないし4のいずれか記載の成膜装置の内壁堆積
    物検出方法。
  6. 【請求項6】 前記チェンバー内壁の堆積物は、珪素を
    含有する物質であり、前記エッチング作用を有する所定
    分解種は水素原子であり、前記エッチング副生成物は、
    珪素と水素からなる化合物である、 請求項1ないし4のいずれか記載の成膜装置の内壁堆積
    物検出方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング副生成物は、珪素と水素
    からなる化合物のうち珪素原子を少なくとも2個含有す
    るものである、 請求項6に記載の成膜装置の内壁堆積物検出方法。
  8. 【請求項8】 前記分解手段は、加熱触媒体であり、触
    媒化学気相成長法にて前記薄膜を生成してなる、 請求項1ないし7のいずれか記載の成膜装置の内壁堆積
    物検出方法。
  9. 【請求項9】 プロセスチェンバーに原料ガスを供給す
    る手段と、該供給手段により供給された該原料ガスを分
    解する分解手段と、を備え、 前記分解手段によって前記原料ガスを分解することで生
    じた堆積種を基板に堆積させることで薄膜を生成すると
    共に、前記チェンバーの内壁にも堆積物が生成して付着
    してなる、化学気相成長法による成膜装置において、 前記分解手段によって前記原料ガスの少なくとも一部を
    分解することによって生じた所定分解種が、前記チェン
    バー内壁の堆積物をエッチングする作用を有し、 前記チェンバー内のガスを分析し、前記所定分解種のエ
    ッチング作用により該チェンバー内壁の堆積物から発生
    するエッチング副生成物を検出する検出手段を備え、 該検出手段により検出されたエッチング副生成物により
    前記チェンバー内壁の堆積物の量を監視することを特徴
    とする、 監視装置付き成膜装置。
  10. 【請求項10】 前記検出手段は、前記チェンバー内の
    ガスを抽出する手段と、該抽出したガスを分析して前記
    エッチング副生成物の量を検出する手段と、を有する、 請求項9記載の監視装置付き成膜装置。
  11. 【請求項11】 前記チェンバー内のガスを抽出する手
    段は、前記基板を載置する基板ホルダーにあけられたガ
    ス吸込み口を有する、 請求項10記載の監視装置付き成膜装置。
  12. 【請求項12】 前記検出手段により検出した前記エッ
    チング副生成物に基づき、該エッチング副生成物の量を
    検知し、該エッチング副生成物の量を規定値と比較し
    て、該エッチング副生成物が前記規定値より大きくなる
    状態を前記チェンバー内壁のクリーニング時期と判断す
    る判断手段を備えてなる、 請求項9ないし11のいずれか記載の監視装置付き成膜
    装置。
  13. 【請求項13】 前記検出手段により検出した前記エッ
    チング副生成物に基づき、該エッチング副生成物の量を
    検知し、該エッチング副生成物の量を規定値と比較し
    て、該エッチング副生成物が前記規定値より小さくなる
    状態を前記チェンバー内壁のクリーニングが終了したと
    判断する判断手段を備えてなる、 請求項9ないし12のいずれか記載の監視装置付き成膜
    装置。
  14. 【請求項14】 前記分解手段は、加熱触媒体であり、
    前記成膜装置が、触媒化学気相成長法による成膜装置で
    ある、 請求項9ないし13のいずれか記載の監視装置付き成膜
    装置。
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