JP2002069323A - 顔料組成物、顔料組成物の製造方法、該顔料組成物を含有する水性顔料分散体ならびに水性記録液 - Google Patents

顔料組成物、顔料組成物の製造方法、該顔料組成物を含有する水性顔料分散体ならびに水性記録液

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JP2002069323A
JP2002069323A JP2000258924A JP2000258924A JP2002069323A JP 2002069323 A JP2002069323 A JP 2002069323A JP 2000258924 A JP2000258924 A JP 2000258924A JP 2000258924 A JP2000258924 A JP 2000258924A JP 2002069323 A JP2002069323 A JP 2002069323A
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aqueous
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dispersion
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Isao Kitajima
勇夫 北島
Yoshikatsu Seki
義勝 関
Kengo Yasui
健悟 安井
Masao Tanaka
正夫 田中
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微粒子で、かつ樹脂による酸素遮断効果の少な
い場合であっても耐光性に優れ、光による変退色の少な
い画像を与える顔料組成物、該顔料組成物の製造方法、
該顔料組成物を含有する水性顔料分散体、並びに該顔料
組成物を含有する水性顔料分散体から調製される記録液
を提供する。 【解決手段】少なくとも顔料と単環式1,4−シクロヘ
キサジエン化合物を含有することを特徴とする顔料組成
物、顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物と
を機械的共摩砕処理する工程を含むことを特徴とする該
顔料組成物の製造方法、少なくとも該顔料組成物を含有
することを特徴とする水性顔料分散体、少なくとも該水
性顔料分散体を含有することを特徴とする水性記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料組成物および
該顔料組成物の製造方法、該顔料組成物を含有する水性
顔料分散体、ならびに該顔料分散体を用いた水性記録液
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、サインペン、水性マーカー等の筆
記具や、インクジェットプリンターのインクには、色材
として染料が用いられてきた。染料を用いた記録液は着
色力や鮮明性で優れているが、耐光性や耐水性等に問題
を有しているため、近年、これらの用途分野において色
材の染料から顔料への転換が活発に検討されている。
【0003】一方、顔料に対しさらに高度な耐光性を要
求する用途においては酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安
定化剤等、種々の添加剤が検討されており、キナクリド
ンキノン系黄色顔料の安定化のために、特許公告昭63
−27384号公報にはアクリドン系化合物との固溶体
が、US特許公報3748162号にはジヒドロキナク
リドンとの固溶体が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】当該分野においては、
より高度の耐光性が要求される場合がある。特にインク
ジェット用インクの分野において使用される場合、顔料
は非常に微細な粒子にまで分散されるため、耐光性が設
計レベルより大幅に低下する場合があった。
【0005】しかもインクジェット用インクの場合に
は、塗料やグラビアインキ等に比べて樹脂/顔料比がき
わめて低く、顔料表面が十分には被覆されておらずに直
接的に酸素や紫外線に曝されるため、酸化防止剤や紫外
線吸収剤は添加効果が発揮されなかった。
【0006】また、上記したアクリドン系化合物やジヒ
ドロキナクリドン等は、耐光性改良効果が不十分であっ
たり、原料が高価であったり、製造工程が長い等、経済
的観点からは満足できるものではなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、顔料に少なくとも
単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物を含有させた
顔料組成物が、より優れた耐光性を示すことを見出し、
本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち本発明は、次の各発明を提供する。 1.少なくとも顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエ
ン化合物を含有することを特徴とする顔料組成物。 2.顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物と
を機械的共摩砕処理する工程を含むことを特徴とする上
記1記載の顔料組成物の製造方法。 3.少なくとも上記1記載の顔料組成物を含有すること
を特徴とする水性顔料分散体。 4.上記3記載の水性顔料分散体を含有することを特徴
とする水性記録液。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、単環式1,4−
シクロヘキサジエン化合物は、顔料の耐光性を改善する
物質である。本発明で用いられる単環式1,4−シクロ
ヘキサジエン化合物は、特に限定されるものではなく公
知慣用のものがいずれも使用できる。しかしながら、異
性化による1,4−シクロヘキサジエン構造の変化を起
こしにくい点で、1位および4位に電子吸引性基を有す
る化合物が好ましく、その中で合成しやすい点を考慮す
ると電子吸引性基としてカルボキシル基およびその誘導
基を有する化合物(1,4−シクロヘキサジエン−1,
4−ジカルボン酸誘導体)が好ましく、特にアルコキシ
カルボニル基を有する化合物が好ましい。
【0010】さらに光安定剤的性質を補強するため、2
位および5位にアミノ基を有する化合物(2,5−ジア
ミノ−1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボ
ン酸誘導体)、とりわけ置換もしくは無置換の芳香族基
で置換されたアミノ基を有する化合物が好ましい。単環
式1,4−シクロヘキサジエン化合物は、対応するトリ
エン化合物よりも淡色である点でも、顔料自体の色相を
阻害しにくい点で好ましい。
【0011】以下に、好ましい単環式1,4−シクロヘ
キサジエン化合物を例示する。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物
としては、好ましくは平均粒子径1〜50nmのものが
使用できる。
【0021】単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物
と顔料組成物を形成しうる顔料は、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは有機顔料、例としては不溶性ア
ゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔
料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ジケト
ピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、等が挙げられ、こ
れらの顔料から選択される2種以上の顔料の混合物ある
いは固溶体等であってもよい。
【0022】これら顔料としては、単環式1,4−シク
ロヘキサジエン化合物と類似の化学構造を有する有機顔
料、なかでもキナクリドン系顔料が好ましい。
【0023】顔料としては、好ましくは平均粒子径1〜
300nmのものが使用できる。
【0024】本発明の顔料組成物は、少なくとも顔料と
単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物とを含有す
る。顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物と
の重量割合は特に制限されるものではないが、顔料10
0重量部当たり、2〜18重量部、中でも8〜15重量
部となる様にするのが好ましい。
【0025】本発明の顔料組成物を製造する方法は、両
者が十分均一に混合される方法であれば特に限定される
ものではないが、十分な効果発現のためには、両者がな
るべく微小な単位で混合されていることが好ましい。従
って、顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物
とを機械的に共摩砕処理する工程を含む方法が、特に好
ましい。
【0026】共摩砕とは、顔料と単環式1,4−シクロ
ヘキサジエン化合物とを同時に摩砕することを意味す
る。こうすることにより、顔料の粒子のより近傍に前記
化合物を配置したり、顔料結晶格子中に前記化合物を含
めることが出来るので、耐光性改良効果をより高めるこ
とが出来る。
【0027】この共摩砕としては、これらと水溶性無機
塩と有機溶媒とを用いてソルベントソルトミリングする
方法が好ましい。この場合に用いる顔料と単環式1,4
−シクロヘキサジエン化合物としては、例えば平均粒子
径1nm〜1cm、好ましくは1〜300μmのものを
用いる様にし、共摩砕後の顔料組成物の平均粒子径が1
〜500nm、特に10〜200nm、とりわけ20〜
100nmとなる様にするのが好ましい。
【0028】水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、有機溶媒として
は、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール等が挙げられる。
【0029】ソルベントソルトミリング後は、例えば水
溶性無機塩と有機溶媒とを除去し洗浄、濾過、乾燥、さ
らに必要に応じて粉砕することにより、本発明の顔料組
成物の粉体を得ることが出来る。
【0030】少なくとも顔料と単環式1,4−シクロヘ
キサジエン化合物とを、水に分散させれば水性顔料分散
体を調製することが出来る。
【0031】本発明の、少なくとも顔料と単環式1,4
−シクロヘキサジエン化合物とを含有する顔料組成物を
含有する水性分散体は、例えば、少なくとも顔料と単環
式1,4−シクロヘキサジエン化合物を分散剤を用いて
水に分散させることで調製することができる。
【0032】分散剤としては種々の界面活性剤や、アニ
オン性基含有有機高分子化合物を単独または混合して用
いることができる。界面活性剤としては、アニオン性、
カチオン性、両性イオン性、非イオン性のいずれの活性
剤でも良い。
【0033】アニオン性界面活性剤の例としては、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、半硬化牛脂
脂肪酸ナトリウム、等の脂肪酸塩類;ドデシル硫酸ナト
リウム、ドデシル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等のアルキル
硫酸エステル塩類;ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のベンゼンスルホ
ン酸塩類;ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、
ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物等のナフタレン
スルホン酸塩類;スルホコハク酸ジドデシルナトリウ
ム、スルホコハク酸ジオクタデシルナトリウム等のスル
ホコハク酸エステル塩類;ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシル
エーテル硫酸トリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレン硫酸エステル塩
類;ドデシルリン酸カリウム、オクタデシルリン酸ナト
リウム等のリン酸エステル塩類等が挙げられる。
【0034】カチオン性界面活性剤の例としては、酢酸
オクタデシルアンモニウム、ヤシ油アミン酢酸塩等のア
ルキルアミン塩類;塩化ドデシルトリメチルアンモニウ
ム、塩化オクタデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジ
オクタデシルジメチルアンモニウム、塩化ドデシルベン
ジルジメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩類
が挙げられる。
【0035】両性イオン性活性剤の例としては、ドデシ
ルベタイン、オクタデシルベタイン等のアルキルベタイ
ン類;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアミンオキ
シド類等が挙げられる。
【0036】非イオン性界面活性剤の例としては、ポリ
オキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレン
ヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(9−オクタデセニ
ル)エーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンフェニルエーテル類;ポリ酸化エチレン、コ
−ポリ酸化エチレン酸化プロピレン等のオキシラン重合
体類;ソルビタンドデカン酸エステル、ソルビタンヘキ
サデカン酸エステル、ソルビタンオクタデカン酸エステ
ル、ソルビタン(9−オクタデセン酸)エステル、ソル
ビタン(9−オクタデセン酸)トリエステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンドデカン酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタンヘキサデカン酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタンオクタデカン酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタンオクタデカン酸トリエステル、
ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタデセン酸)
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン(9−オクタ
デセン酸)トリエステル等のソルビタン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレンソルビトール(9−オクタデセ
ン酸)テトラエステル等のソルビトール脂肪酸エステル
類;グリセリンオクタデカン酸エステル、グリセリン
(9−オクタデセン酸)エステル等のグリセリン脂肪酸
エステル類が挙げられる。
【0037】アニオン性基含有有機高分子化合物として
はアニオン性基を有していれば特に限定されるものでは
なく、例えばカルボキシル基、スルホン基、ホスホ基、
チオカルボキシル基等のアニオン性基を含有するモノマ
ーの一種以上と、これらアニオン性基含有モノマーと共
重合し得るその他のモノマーを共重合させて得られるア
ニオン性基含有有機高分子化合物が挙げられるが、原料
モノマーの入手のしやすさ、価格等を考慮すると、カル
ボキシル基またはスルホン基を含有するアニオン性基含
有有機高分子化合物が好ましく、電気的中性状態とアニ
オン状態の共存範囲を広く制御できる点でカルボキシル
基を含有するアニオン性基含有有機高分子化合物が特に
好ましい。かかるアニオン性基含有有機高分子化合物は
その構造中に架橋部分を有していてもよい。
【0038】本発明において使用できるアニオン性基含
有有機高分子化合物の代表例としては、架橋部分を有す
るアクリル酸エステル系重合体、架橋部分を有さないア
クリル酸エステル系重合体、架橋部分を有するメタクリ
ル酸エステル系重合体、架橋部分を有さないメタクリル
酸エステル系重合体を挙げることができる。
【0039】カルボキシル基を含有するモノマーの例と
してはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、クロトン酸、イタコン酸、4−ビニル安息香酸等の
不飽和カルボン酸類;コハク酸ビニル、マレイン酸アリ
ル、テレフタル酸ビニル、トリメリット酸アリル等の多
塩基酸不飽和エステル類が挙げられる。またスルホン酸
基を含有するモノマーの例としてはアクリル酸2−スル
ホエチル、メタクリル酸4−スルホフェニル等の不飽和
カルボン酸スルホ置換アルキルまたはアリールエステル
類;スルホコハク酸ビニル等のスルホカルボン酸不飽和
エステル類;スチレン−4−スルホン酸等のスルホスチ
レン類を挙げることができる。
【0040】カルボキシル基を含有するモノマーと共重
合し得るその他のモノマーの例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクタデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル
酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3−エポ
キシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロヘキシ
ル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸2,3−エポキシプロピル、メタクリ
ル酸2,3−エポキシブチル、メタクリル酸2,3−エ
ポキシシクロヘキシル、メタクリル酸ビニル、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、
フマル酸ジエチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ベン
ジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル
酸2−アミノエチル、アクリル酸2−アミノプロピル、
アクリル酸3−アミノプロピル、アクリル酸2−(メチ
ルアミノ)エチル、アクリル酸2−(メチルアミノ)プ
ロピル、アクリル酸2−(エチルアミノ)エチル、アク
リル酸2−(エチルアミノ)プロピル、アクリル酸2−
(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチル
アミノ)プロピル、等の不飽和脂肪酸エステル類;アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ジメ
チルアクリルアミド、N−ジエチルアクリルアミド、N
−ジプロピルアクリルアミド、N−(2−アミノエチ
ル)アクリルアミド、N−(2−アミノプロピル)アク
リルアミド、N−(3−アミノプロピル)アクリルアミ
ド、N−[2−(メチルアミノ)エチル]アクリルアミ
ド、N−[2−(メチルアミノ)プロピル]アクリルア
ミド、N−[3−(メチルアミノ)プロピル]アクリル
アミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]アクリ
ルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]ア
クリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピ
ル]アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プ
ロピルメタクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミ
ド、N−ジエチルメタクリルアミド、N−ジプロピルメ
タクリルアミド、N−(2−アミノエチル)メタクリル
アミド、N−(2−アミノプロピル)メタクリルアミ
ド、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド、N
−[2−(メチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、
N−[2−(メチルアミノ)プロピル]メタクリルアミ
ド、N−[3−(メチルアミノ)プロピル]メタクリル
アミド、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]メタク
リルアミド、N−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]
メタクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロ
ピル]メタクリルアミド、マレアミド、N,N−ジメチ
ルマレアミド、フマラミド、N,N−ジメチルフマラミ
ド、等の不飽和脂肪酸アミド類;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、等の不飽和ニトリル類;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ブタン酸ビニル、ヘキサン酸
ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、オクタデカン酸
ビニル、安息香酸ビニル、酢酸アリル、プロピオン酸ア
リル、ヘキサン酸アリル、デカン酸アリル、等のカルボ
ン酸不飽和エステル類;エチルビニルエーテル、ブチル
ビニルエーテル、2−ポリオキシエチレン−2−(4−
ノニルフェノキシ)メチルエチルアリルエーテル等の不
飽和エーテル類;スチレン、α−メチルスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、p−t−ブチルスチレン、4−メトキシスチレ
ン、4−クロロスチレン、等スチレン類;エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、1−オクテン、ビニルシクロヘ
キサン、4−ビニルシクロヘキセン、等の不飽和炭化水
素類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエ
チレン、3−クロロプロピレン、等の不飽和ハロゲン化
炭化水素類;4−ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルピロリドン、等のビニル置換複素環化
合物類;上記例示モノマー中のカルボキシル基、水酸
基、アミノ基等活性水素を有する置換基を含有するモノ
マーとエチレンオキシド、プロピレンオキシド、シキロ
ヘキセンオキシド等、エポキシド類との反応生成物;上
記例示モノマー中の水酸基、アミノ基等を有する置換基
を含有するモノマーと酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、
ヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸等カルボン酸類との
反応生成物等を挙げることができる。
【0041】かかるアニオン性基含有有機高分子化合物
は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来
より公知の種々の反応方法によって合成することができ
る。
【0042】本発明におけるアニオン性基含有有機高分
子化合物としては、アクリル酸エステルまたはメタクリ
ル酸エステルを必須成分として重合した重合体が、該顔
料組成物の分散性に優れるので好ましい。
【0043】本発明に用いられるアニオン性基含有有機
高分子化合物の重量平均分子量は2,000〜100,
000の範囲にあることがが好ましく、5,000〜5
0,000の範囲にあることが特に好ましい。重量平均
分子量が小さすぎると水性顔料分散体自体の分散安定性
が低下し、大きすぎると分散体の粘度が高くなるだけで
なく、分散性が低下する傾向が認められる。
【0044】また重量平均分子量が小さすぎたり大きす
ぎる場合には、例えばインクジェットプリンタ用インク
に適用した場合に、印字特性に関して悪影響を及ぼし、
長期間安定した印字を行わせることが困難になる。
【0045】また本発明に用いられるアニオン性基含有
有機高分子化合物の酸価は30〜220mgKOH/g
の範囲にあることが好ましく、なかでも50〜150の
範囲にあることが時に好ましい。酸価が低すぎる場合に
は水性顔料分散体の分散性や分散安定性が低下し、特に
アニオン性基含有有機高分子化合物使用量に低い領域で
の分散性、分散安定性が低下しやすい。またインクジェ
ットプリンタ用インクに適用した場合の印字安定性が悪
くなる。酸価が高すぎる場合には、インクジェットプリ
ンタ用インクに適用した場合に画像の耐水性が低下しや
すい。
【0046】アニオン性基含有有機高分子化合物のガラ
ス転移点は−20〜60℃の範囲にあることが好まし
い。ガラス転移点が高すぎる場合には安定した印字が得
にくく、低すぎる場合には耐摩擦性、耐棒積み性等の画
像保存性が低下する傾向がある。
【0047】本発明の水性顔料分散体中におけるアニオ
ン性基含有有機高分子化合物は、アニオン性基の少なく
とも一部が塩基性物質によってイオン化された形態をと
っていることが分散性、分散安定性の発現のうえで好ま
しい。アニオン性基のうちイオン化された基の最適割合
は、用いるアニオン性基含有有機高分子化合物の組成、
分子量、酸価等により変化するため一意的に限定される
ものではないが、所望の分散性、分散安定性が発現され
る範囲であればよく、通常30〜100%、特に70〜
100%の範囲に設定されることが好ましい。このイオ
ン化された基の割合はアニオン性基と塩基性物質のモル
比を意味しているのではなく、解離平衡を考慮に入れた
ものである。例えばアニオン性基がカルボキシル基の場
合、化学量論的に等量の強塩基性物質を用いても解離平
衡によりイオン化された基(カルボキシラート基)の割
合は100%未満であって、カルボキシラート基とカル
ボキシル基の混在状態である。
【0048】このように、アニオン性基含有有機高分子
化合物の、アニオン性基の少なくとも一部をイオン化す
るために用いられる塩基性物質としては、公知慣用のも
のが挙げられるが、例えばアンモニア、第一級、第二級
もしくは第三級の有機アミン(塩基性含窒素複素環化合
物を含む)、水酸化アルカリ金属からなる群から選ばれ
る化合物が好適には挙げられる。これらの例示した好適
な塩基性物質でアニオン性基の少なくとも一部をイオン
化することにより、カルボキシラート基の対イオンは、
アンモニウムイオン(塩基性含窒素複素環化合物のプロ
トン化カチオンを含む)、アルカリ金属イオンからなる
群から選ばれるカチオンとなる。どが挙げられる。
【0049】上記した様なアニオン性基含有有機高分子
化合物には、その他の分散剤を用いなくとも自分自身を
水に微分散した状態に出来るものがある。この性質を自
己水分散性という。
【0050】本発明の水性顔料分散体で好ましいのは、
顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物とアニ
オン性基含有有機高分子化合物とを含有する水性顔料分
散体である。分散剤の機能を有するアニオン性基含有有
機高分子化合物としては、自己水分散性を有する、アニ
オン性基含有有機高分子化合物を用いるのが好ましい。
【0051】顔料組成物、分散剤、水の重量割合は、特
に制限されないが、顔料組成物100重量部当たり、分
散剤10〜50重量部、水300〜1000重量部の範
囲から選択するのが好ましい。自己水分散性を有するア
ニオン性基含有有機高分子化合物を用いる場合は、顔料
100重量部当たり、自己水分散性を有するアニオン性
基含有有機高分子化合物は5〜200重量部、なかでも
10〜100重量部となる様にするのが好ましい。自己
水分散性を有するアニオン性基含有有機高分子化合物を
用いる場合は、顔料100重量部当たり、単環式1,4
−シクロヘキサジエン化合物は2〜15重量部となる様
にするのが好ましい。水性顔料分散体中の顔料組成物の
含有率は、5〜30重量%となる様にするのが好まし
い。
【0052】水性顔料分散体中において、顔料と単環式
1,4−シクロヘキサジエン化合物とアニオン性基含有
有機高分子化合物とは、それぞれ別々に水に分散してい
ても良いが、顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン
化合物とが、アニオン性基含有有機高分子化合物で被覆
された粒子が水に分散しているほうが好ましい。顔料と
単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物とがアニオン
性基含有有機高分子化合物で被覆された粒子では、より
耐光性が良好となる。
【0053】顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエン
化合物とがアニオン性基含有有機高分子化合物で被覆さ
れた粒子を含有する水性顔料分散体としては、有機溶剤
は極力含まないほうが、粒子の経時分散安定性がより良
好なので好ましい。
【0054】本発明の水性顔料分散体の製造プロセスに
は、必要に応じて分散工程以外の工程を組み込んでもよ
い。組み込み得るその他の工程の例としては、予備分散
工程、溶解工程、希釈工程、蒸留工程、遠心分離工程、
酸析工程、転相工程、濾過工程、再分散工程、pH調整
工程、充填工程等が挙げられる。
【0055】予備分散工程の例には、液体状態、溶液状
態または溶融状態の分散剤と顔料と単環式1,4−シク
ロヘキサジェン化合物とを混合、分散し、スラリー状、
ペースト状もしくはマスターバッチまたはチップと呼ば
れる固体状態にする工程等がある。アニオン性基含有有
機高分子化合物を用いた溶解工程の例には、固体状のア
ニオン性基含有有機高分子化合物を有機溶剤、好ましく
は水溶性有機溶剤中、または塩基性物質を含む水性媒体
中に溶解させる工程、もしくはアニオン性基含有有機高
分子化合物の水溶性有機溶剤溶液を塩基性物質を含む水
性媒体中に溶解させる工程等がある。
【0056】蒸留工程の例には、分散工程において有機
溶剤を使用した場合にこれを除去する工程、所望の固形
分濃度にするため余剰の水を除去する工程等がある。遠
心分離工程の例には、水性記録液としての使用適性に悪
影響を及ぼす分散体中の粗大粒子を除去する工程等があ
る。
【0057】アニオン性基含有有機高分子化合物を用い
た酸析工程の例には、分散工程で得られた水性分散体に
塩酸、硫酸、酢酸等の酸を加えて酸性化し、塩基と塩を
形成することによって溶解状態にあるアニオン性基含有
有機高分子化合物を顔料粒子表面に析出させる工程等が
ある。転相工程の例にはアニオン性基含有有機高分子化
合物を溶解させた水溶性有機溶剤中で顔料を分散させ、
得られた分散液を水中に投入もしくは水を添加すること
でアニオン性基含有有機高分子化合物を顔料粒子表面に
析出させる工程等がある。これらの工程により顔料とア
ニオン性基含有有機高分子化合物との相互作用を高める
ことができる。その結果、顔料がアニオン性基含有有機
高分子化合物の濃密な層によって被覆された、いわゆる
マイクロカプセル化顔料が水性分散体中に分散している
形態を取らせることができ、水性分散体として、分散到
達レベルや分散安定性等の物性面や耐溶剤性等の使用適
性の面で、より優れた特性を発揮させることができる。
【0058】濾過工程の例には、遠心分離工程と同様に
分散体中の粗大粒子をカートリッジフィルターやメンブ
ランフィルターにより除去する工程、前述した酸析工程
後に固形分をフィルタープレス、ヌッチェ式濾過装置、
加圧濾過装置等により濾過する工程等がある。再分散工
程の例には、酸析工程、濾過工程によって得られた固形
分に塩基性物質および必要により水や添加物を加えて再
び分散体とする工程がある。アニオン性基含有有機高分
子化合物を用いた場合には、これによりアニオン性基含
有有機高分子化合物中のイオン化したアニオン性基の対
イオンを分散工程で用いたものから変更することができ
る。
【0059】また、分散工程において水溶性有機溶剤を
併用することができ、それにより分散工程における液粘
度を低下させることができる場合がある。水溶性有機溶
媒の例としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチル
ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン
類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−
メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メト
キシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、
等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が
3〜6のケトンおよび炭素数が1〜5のアルコールから
なる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。これ
らの水溶性有機溶剤はアニオン性基含有有機高分子化合
物溶液として用いられても良く、別途独立に分散混合物
中に加えられても良い。
【0060】分散工程において用いることのできる分散
装置として、既に公知の種々の方式による装置が使用で
き、特に限定されるものではないが、例えば、スチー
ル、ステンレス、ジルコニア、アルミナ、窒化ケイ素、
ガラス等でできた直径0.1〜10mm程度の球状分散
媒体の運動エネルギーを利用する方式、機械的攪拌によ
る剪断力を利用する方式、高速で供給された被分散物流
束の圧力変化、流路変化あるいは衝突に伴って発生する
力を利用する方式、等の分散方式を採ることができる。
【0061】本発明において、アニオン性基含有有機高
分子化合物が架橋性基を含有している場合、例えばアク
リル酸2,3−エポキシプロピル、アクリル酸2,3−
エポキシブチル、アクリル酸2,3−エポキシシクロヘ
キシル、メタクリル酸2,3−エポキシプロピル、メタ
クリル酸2,3−エポキシブチル、メタクリル酸2,3
−エポキシシクロヘキシル等のエポキシ基を有する不飽
和脂肪酸類の少なくとも1以上からなるモノマーを含ん
だ共重合体である場合には、水性分散体製造プロセスに
おいて開環反応させ、架橋させることができる。
【0062】架橋工程は、分散工程以降の任意の段階で
行うことができるが、本発明の水性顔料分散体の特徴で
ある高度の分散安定性を十分発揮させるためには、貯
蔵、輸送、実使用時には架橋反応が完結していることが
好ましく、遠心分離等によって水性分散体中の粗粒を除
去する工程以前に完結させておくことが特に好ましい。
【0063】開環反応温度は80〜140℃程度が好ま
しい。反応温度は低すぎる場合には反応速度が遅く、反
応完結に長時間を要するため、顔料粒子同士が融着して
凝集体を形成しやすくなる。反応温度が高すぎる場合に
は、顔料粒子同士の融着や顔料粒子自体の成長が起こ
り、いずれにしても好ましくない。反応温度が分散体の
沸点より高くなる場合には加圧反応装置を用いる必要が
ある。
【0064】本発明の水性顔料分散体は、公知慣用の用
途にいずれも使用できるが、例えばこれを含有する水性
記録液は、最も好ましい用途のひとつである。
【0065】本発明の記録液は、少なくとも顔料および
アニオン性基含有有機高分子化合物を含有する水性顔料
分散体に、水溶性有機溶剤、水等を混合して調製され
る。必要に応じて、界面活性剤、水溶性樹脂、防腐剤、
粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤等を添加するこ
ともできる。
【0066】記録液の調整に用いることのできる水溶性
有機溶剤の例としては、メタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プ
ロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエト
キシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタ
ノール、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキ
シ]エタノール、2−[2−(2−ブトキシエトキシ)
エトキシ]エタノール等のアルコール類;1,2−エタ
ンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2’−オキ
シビスエタノール、2,2’−エチレンジオキシビス
(エタノール)、チオジエタノール、グリセリン、1,
2,6−ヘキサントリオール等の多価アルコール類;ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケ
トン類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、2,2’−オキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−オキシビス(2−エトキシエタン)、2,
2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタン)、
2,2’−エチレンジオキシビス(2−メトキシエタ
ン)等のエーテル類が挙げられる。記録液中の水溶性有
機溶剤の含有割合は、50重量%以下が好ましく、5〜
40重量%の範囲が特に好ましい。
【0067】本発明の記録液に添加しても良い界面活性
剤としては、前記した様な、アニオン性、カチオン性、
両性イオン性、非イオン性のいずれの活性剤でも良い。
非イオン性活性剤の中でもHLBが14以上のものが特
に好ましい。
【0068】本発明の水性記録液に添加されても良い水
溶性樹脂の例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、
アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリュー、アル
ギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリ酸化エチレン、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアク
リル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸
共重合体、アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体等
が挙げられる。
【0069】水溶性樹脂は、定着性や粘度調節、速乾性
を挙げる目的で、必要に応じて使用されるものであり、
記録液に使用する場合の記録液中の水溶性樹脂の含有割
合は、0〜30重量%が好ましく、0〜20重量%が特
に好ましい。
【0070】本発明の水性記録液は、サインペン、マー
カー等の文具類や各種プリンタ、プロッタ類のインクと
して好適に使用することができ、とりわけ、その優れた
分散性、分散安定性を生かしてインクジェット用インク
として好適に使用することができる。
【0071】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明する。以下の実施例及び比較例において、
「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」を
表わす。
【0072】<実施例1>(顔料組成物の製造) ニーダー(井上製作所製)に食塩2350部、粗製ジメ
チルキナクリドン470部(平均粒子径10〜20n
m)、前に例示した単環式1,4−シクロヘキサジエン
化合物(1)23.5部、およびジエチレングリコール
450部を加え、80℃で7時間摩砕した。摩砕物を8
0℃の温水40,000部に加え、1時間撹拌したのち
濾過した、ケーキを温水で洗浄したのち、乾燥、粉砕し
て顔料組成物(P−1)を得た(平均粒子径約30n
m)。
【0073】<実施例2>例示化合物(1)の使用量を
47部に代えた以外は実施例1と同様にして顔料組成物
(P−2)を得た(平均粒子径約30nm)。
【0074】<比較例1>粗製ジメチルキナクリドン4
70部、例示化合物(1)23.5部に代えて、粗製ジ
メチルキナクリドン470部、酸化防止剤 Irgan
ox 1010(チバスペシャリティケミカルズ社製)
23.5部を用いたこと以外は実施例1と同様にしてジ
メチルキナクリドン顔料(P−3)を得た(平均粒子径
約30nm)。
【0075】<実施例3>(水性顔料分散体の製造) 冷却用ジャケットを備えた混合槽に、メタクリル酸n−
ブチル65部、アクリル酸n−ブチル5部、メタクリル
酸2−ヒドロキシエチル15部、メタクリル酸15部の
モノマー組成を有する重合体からなるアニオン性基含有
有機高分子化合物(重量平均分子量23,000。50
%2−ブタノン溶液)300部、実施例1で得た顔料組
成物(1)500部、20%水酸化ナトリウム水溶液5
0部、水2,150部を仕込み、攪拌、混合した。
【0076】混合液を直径0.3mmのジルコニアビー
ズを充填した分散装置(SCミルSC100/32型、
三井鉱山(株)製)に通し、循環方式により6時間分散
した。分散装置の回転数は2700回転/分とし、冷却
用ジャケットには冷水を通して分散液温度が40℃以下
に保たれるようにした。
【0077】分散終了後、混合槽より分散原液を抜き採
り、次いで水5,000部で混合槽および分散装置流路
を洗浄し、分散原液と合わせて希釈分散液を得た。ガラ
ス製蒸留装置に希釈分散液を入れ、2−ブタノンの全量
と水の一部を留去し、濃縮分散液を得た。
【0078】室温まで放冷後、濃縮分散液に攪拌しなが
ら10%塩酸を滴下してpH3.5に調整したのち、固
形分をヌッチェ式濾過装置で濾過、水洗した。ケーキを
容器に採り、20%水酸化カリウム水溶液70部と水5
0部を加え、分散攪拌機(TKホモディスパ20型、特
殊機化工業(株)製)にて再分散した。遠心分離器(5
0A−IV型、(株)佐久間製作所)にて粗大粒子を除
去したのち、不揮発分を調整して不揮発分20%の水性
顔料分散体(D−1)を得た。
【0079】この分散体中は、ジメチルキナクリドン顔
料と単環式1,4−シクロヘキサジエン化合物(1)と
がアニオン性基含有有機高分子化合物で被覆された着色
樹脂粒子(マイクロカプセル化顔料)を専ら含有してい
た。
【0080】<実施例4>顔料組成物(P−1)に代え
て顔料組成物(P−2)を用いたこと以外は実施例3と
同様にして水性顔料分散体(D−2)を得た。
【0081】この分散体中は、実施例1と同様に、ジメ
チルキナクリドン顔料と単環式1,4−シクロヘキサジ
エン化合物(1)とがアニオン性基含有有機高分子化合
物で被覆された着色樹脂粒子(マイクロカプセル化顔
料)を専ら含有していた。
【0082】<比較例2>顔料組成物(P−1)に代え
て比較例1で得られた顔料組成物(P−3)を用いたこ
と以外は実施例3と同様にして水性顔料分散体(D−
3)を得た。
【0083】<実施例5>(インクジェットプリンタ用
水性記録液の調製) 実施例3で得られた水性顔料分散体(D−1)を用い、
特開平6−122846公報記載の実施例2を参考にし
てインクジェットプリンタ用インク(I−1)を調整し
た。インク組成を以下に示す。
【0084】 水性顔料分散体 25部 グリセリン 8部 エチレングリコール 5部 エタノール 5部 エマルゲン147(花王(株)製)0.05部 水 57部
【0085】<実施例6>実施例3で得られた水性顔料
分散体(D−1)に代えて実施例4で得られた水性顔料
分散体(D−2)を用いたこと以外は実施例5と同様に
してインクジェットプリンタ用インク(I−2)を得
た。
【0086】<比較例3>実施例3で得られた水性顔料
分散体(D−1)に代えておよび比較例2で得られた水
性顔料分散体(D−3)を用いたこと以外は実施例5と
同様にしてインクジェットプリンタ用インク(I−3)
を得た。
【0087】<実施例7>(耐光性試験) このようにして調製したインクについて、サーマル方式
のインクジェットプリンタ(NovaJet Pro3
6型、ENCAD社製)にて普通紙にベタ地を印字し、
カーボンアーク耐光性試験機(U48H型、スガ試験機
(株)製)にて耐光性を評価した。
【0088】カーボンアークの照射時間によるΔEの変
化を下表に示した。尚、ΔEは、分光光度計 Spec
traflash 500型(Datacolor I
nternational社製)を用い、D65光源、
10°視野にて測定した。
【0089】
【表1】
【0090】
【発明の効果】本発明による顔料組成物は、単環式1,
4−シクロヘキサジエン化合物を含んでいるので、従来
の酸化防止剤を用いる場合よりも色の耐光性に優れてお
り、とりわけ樹脂による酸素遮断効果の少ない使用条
件、例えばインクジェットプリンタ用インクに用いた場
合に光による変色の少ない画像を与えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA02 BA55 BA59 4J039 BC02 BC05 BC12 BC20 BC28 BC33 BC50 BC68 BE01 BE24 BE33 CA06 EA35 GA24 GA26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも顔料と単環式1,4−シクロ
    ヘキサジエン化合物を含有することを特徴とする顔料組
    成物。
  2. 【請求項2】 単環式1,4−シクロヘキサジエン化合
    物が、1,4−シクロヘキサジエン−1,4−ジカルボ
    ン酸誘導体である請求項1記載の顔料組成物。
  3. 【請求項3】 単環式1,4−シクロヘキサジエン化合
    物が、2,5−ジアミノ−1,4−シクロヘキサジエン
    −1,4−ジカルボン酸誘導体である請求項1記載の顔
    料組成物。
  4. 【請求項4】 顔料と単環式1,4−シクロヘキサジエ
    ン化合物とを機械的共摩砕処理する工程を含むことを特
    徴とする請求項1〜3記載の顔料組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも請求項1〜3記載の顔料組成
    物を含有することを特徴とする水性顔料分散体。
  6. 【請求項6】 少なくとも請求項1〜3記載の顔料組成
    物とアニオン性基含有有機高分子化合物とを含有するこ
    とを特徴とする水性顔料分散体。
  7. 【請求項7】 アニオン性基含有有機高分子化合物が自
    己水分散性である請求項6記載の水性顔料分散体
  8. 【請求項8】 顔料組成物がアニオン性基含有有機高分
    子化合物によって被覆されている請求項6〜7記載の水
    性顔料分散体。。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8記載の水性顔料分散体を含
    有することを特徴とする水性記録液。
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