JP2002067625A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及びその製造方法

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JP2002067625A
JP2002067625A JP2000267237A JP2000267237A JP2002067625A JP 2002067625 A JP2002067625 A JP 2002067625A JP 2000267237 A JP2000267237 A JP 2000267237A JP 2000267237 A JP2000267237 A JP 2000267237A JP 2002067625 A JP2002067625 A JP 2002067625A
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tire
tread
pneumatic tire
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groove
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Yasuhiko Kobayashi
靖彦 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】割モールドを用いた製法による段差の発生を防
止するとともに、摩耗を効果的に防止し摩耗寿命を向上
することができる空気入りタイヤ及びその製造方法を得
る。 【解決手段】トレッド部16のショルダー部20側の端
部からトレッド幅の5%〜20%の領域には、タイヤ周
方向に沿って深さがラグ溝18の深さの5%〜30%、
溝幅がトレッド幅の0.5%〜3%である補助溝24が
形成されている。このため、ショルダー部20のサイド
フォースによる片減り摩耗が補助溝24で遮断されるた
め、タイヤセンター側のトレッド部16の摩耗速度が低
減され摩耗寿命を向上できる。また、加硫工程において
補助溝24のショルダー部側の端部24Aが割モールド
26A、26Bの割位置と一致しているため、割モール
ド26A、26Bの割位置による段差を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に鉱山等悪路を
走行する建設車両用に装着される空気入りタイヤ及びそ
の製造方法に係り、摩耗速度を低減し摩耗寿命を向上さ
せるとともに製造時において割モールドの割位置による
段差の発生を防止する空気入りタイヤ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば従来の建設車両用の重荷重ラジア
ルタイヤにおいては、その寿命を延ばすために、耐摩耗
性が向上したトレッドコンパウンドを適用したり、トレ
ッドに形成された溝の深さを深くし、さらにはネガティ
ブ比を低下したこと等によるトレッドボリュームの増加
などが図られてきた。
【0003】また、片減り等の偏摩耗を抑制するために
も、ラグ溝角度の最適化、ラグ・ブロック剛性の向上等
が図られてきた。
【0004】さらに、深溝化及びトレッドパターンの複
雑化に伴ない、製造方法が簡便なフルモールドに対し、
割モールドで製造されるタイヤの割合が増加しつつあ
る。
【0005】しかしながら、上記手法はいずれもトレッ
ド部の発熱性を向上させる原因となるため、対象となる
ユーザーが限られてしまう問題がある。
【0006】また、一般に建設車両用タイヤは、新品時
にフロントタイヤとして使用され、約1/3程度摩耗し
た時点でリヤタイヤとして使用される。ここで、フロン
トタイヤとして使用されているときには、サイドフォー
スの入力が支配的なため、ショルダー部の片減り摩耗が
大きく、このためフロントタイヤとして使用していくと
ショルダー部のクラウンR(トレッド半径)が小さくな
ってしまう。さらに、このサイドフォースはタイヤ赤道
線側のトレッド部まで伝達されるため、タイヤ赤道線側
のトレッド部のクラウンR(トレッド半径)も小さくな
る。
【0007】その後、リヤタイヤとして使用されると、
今度はトラクション入力が支配的となるため、タイヤ赤
道線側のトレッド部の摩耗が促進され、先のサイドフォ
ースによるタイヤ赤道線側のトレッド部の摩耗と相俟っ
て摩耗寿命が短くなる傾向がある。
【0008】一方、深溝パターン、ブロック剛性の均一
化のためのブロックパターンに対しては、割モールドで
の製造が必須となる。しかし、タイヤの大型化に伴な
い、タイヤ踏面部に位置する割モールドの割位置におい
て段差が発生し易くなり、たとえ少しの段差でも、割れ
や偏摩耗の核となり、タイヤの商品価値を低下させるこ
ととなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記事実を考慮し、割モールドを用いた製法による段差の
発生を防止するとともに、摩耗を効果的に防止し摩耗寿
命を向上することができる空気入りタイヤ及びその製造
方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入
りタイヤでは、少なくともタイヤ幅方向に延びるラグ溝
を備えた空気入りタイヤであって、トレッド部のショル
ダー部側の端部からトレッド幅の5%〜20%の領域に
おいて、タイヤ周方向に沿って、深さがラグ溝の深さの
5%〜30%、溝幅がトレッド幅の0.5%〜3%であ
る補助溝を設けたことを特徴とする。
【0011】次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0012】トレッド部のショルダー部側の端部からト
レッド幅の5%〜20%の領域において、タイヤ周方向
に沿って、深さがラグ溝の深さの5%〜30%、溝幅が
トレッド幅の0.5%〜3%である補助溝を設けたこと
により以下の作用及び効果を得ることができる。
【0013】すなわち、補助溝を上記のようにショルダ
ー部に近い領域に設けることにより、新品時にこの空気
入りタイヤを車両のフロントに装着して車両を走行させ
たときに、サイドフォースによるショルダー部の片減り
摩耗を補助溝で遮断することができる。
【0014】このため、補助溝よりもタイヤ赤道線側の
トレッド部のサイドフォースによる片減り摩耗を防止す
ることができるため、最適なクラウンRの状態のまま、
この空気入りタイヤを車両のリヤに装着することができ
る。
【0015】この結果、サイドフォースによるタイヤ赤
道線側のトレッド部の片減り摩耗を防止できる分だけ、
空気入りタイヤのタイヤ赤道線側のトレッド部の摩耗速
度を低減でき、ひいては摩耗寿命を延ばすことができ
る。
【0016】逆に、補助溝をトレッド部のショルダー部
側の端部からトレッド幅の5%未満の領域に設けると、
片減りが補助溝を超えてタイヤ赤道線側のトレッド部に
及んでしまうため不適切となる。また、補助溝をトレッ
ド部のショルダー部側の端部からトレッド幅の20%よ
りもタイヤ赤道線側の領域に設けると、片減り領域が広
くなるため、補助溝よりもショルダー部側のトレッド部
の適度なクラウンRが維持できなくなり不適切となる。
【0017】一方、補助溝の深さがラグ溝の深さの5%
未満であると、上記補助溝としての機能を発揮できず不
適切なる。また補助溝の深さがラグ溝の深さの30%よ
りも深くなれば、補助溝よりもショルダー部側のトレッ
ド部の剛性の低下が著しくなり、片減りが大きくなるた
め不適切となる。
【0018】さらに、補助溝の溝幅がトレッド幅の0.
5%未満であると、補助溝のショルダー部側の溝壁とタ
イヤ赤道線側の溝壁とが接触し、サイドフォースが補助
溝で遮断されずタイヤ赤道線側のトレッド部に伝達され
る結果、片減り領域の拡大を招いてしまうため不適切と
なる。また補助溝の溝幅がトレッド幅の3%よりも広く
なると、トレッド部のボリュームの減少が著しくなるた
め、トレッド部の剛性の低下が大きくなり不適切とな
る。
【0019】また、本請求項の補助溝は、トレッド部の
陸部だけでなく、ラグ溝の溝底に設けてもよい。
【0020】なお、トレッド部のショルダー部側の端部
とは、上記トレッド幅のタイヤ軸方向端部を指す。
【0021】また、トレッド幅とは、「タイヤ接地最大
幅」を意味する。タイヤ接地最大幅とは、タイヤを「正
規リム」にリム組して「正規内圧」を充填し、「正規荷
重」を静的に負荷したときのトレッド部のタイヤ軸方向
の接地最大幅を指す。
【0022】ここで、「荷重」とは下記規格に記載され
ている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能
力)のことであり、「内圧」とは下記規格に記載されて
いる適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能
力)に対応する空気圧のことであり、「リム」とは下記
規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(”
Approved Rim”、Recommended
Rim”)のことである。
【0023】そして「規格」とは、タイヤが生産又は使
用される地域に有効な産業規格によって決められてい
る。例えば、アメリカ合衆国では”The Tire
andRim Association Inc.のY
EAR BOOK”であり、欧州では”The Eur
opean Tire and Rim Techni
cal OrganizationのStandard
s Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ
協会の”JATMA Year Book”にて規定さ
れている。
【0024】請求項2に記載の空気入りタイヤでは、補
助溝は、トレッド部の陸部及びラグ溝に設けられたこと
を特徴とする。
【0025】次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0026】特に、補助溝をトレッド部の陸部及びラグ
溝に設けたことにより、ショルダー部から入力するサイ
ドフォースを補助溝で確実に遮断することができる。
【0027】このため、サイドフォースがタイヤ赤道線
側のトレッド部に伝達することを極力防止することがで
きる。
【0028】この結果、空気入りタイヤのタイヤ赤道線
側のトレッド部の摩耗速度をさらに低減でき、ひいては
摩耗寿命をさらに延ばすことができる。
【0029】請求項3に記載の空気入りタイヤでは、空
気入りタイヤは複数に分割する割モールドにより成型さ
れるものであり、補助溝は割モールドの割位置に形成さ
れていることを特徴とする。
【0030】次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0031】補助溝は割モールドの割位置に形成されて
いるため、割モールドの割位置で段差が発生したとして
も、補助溝を境界としてショルダー部側のトレッド部と
タイヤ赤道線側のトレッド部との高さの差を外部から視
覚で見極めることが困難となり、実質的に段差をゼロと
することができる。
【0032】請求項4に記載の空気入りタイヤでは、ト
レッド部表面における補助溝のショルダー部側の端部又
はタイヤ赤道線側の端部と割モールドの割位置が一致す
ることを特徴とする。
【0033】次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0034】特に、トレッド部表面における補助溝のシ
ョルダー部側の端部又はタイヤ赤道線側の端部と割モー
ルドの割位置が一致することが好ましい。
【0035】これにより、補助溝の溝底に割モールドの
割位置による段差が発生するのを防止することができ
る。
【0036】請求項5に記載の空気入りタイヤでは、補
助溝を境界として、ショルダー部側のトレッド部のクラ
ウンRをCRSとし、タイヤ赤道線側のトレッド部のク
ラウンRをCRCとした場合に、 CRS≠CRC………(A) を満足することを特徴とする。
【0037】次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0038】補助溝を境界として、ショルダー部側のト
レッド部のクラウンR(トレッド半径)の値と、タイヤ
赤道線側のトレッド部のクラウンR(トレッド半径)の
値とを異ならせることにより、以下のような効果を得る
ことができる。
【0039】例えば、タイヤ赤道線側のトレッド部のク
ラウンRに対して、ショルダー部側のトレッド部のクラ
ウンRを小さくすることにより、ベルト端部の故障に影
響するショルダー部の接地圧及び発熱量を低減すること
ができる。
【0040】ところで、悪路走行時における突起踏み込
み時の反力の低減、振動対策等で剛性の低いベルトを有
するタイヤでは、タイヤセンター部の径の変化が大きく
なるため、ショルダー部側のトレッド部のクラウンRが
小さくなる傾向がある。このようなタイヤに対しては、
補助溝を介してショルダー部側のトレッド部のクラウン
Rを大きくすることにより、走行時にショルダー部側の
トレッド部の最適なクラウンRを維持することができ
る。
【0041】なお、補助溝を境界として、ショルダー部
側のトレッド部のクラウンRの値と、タイヤ赤道線側の
トレッド部のクラウンRの値とを異ならせても、外観上
不均一な踏面形状として認識されにくいため問題がな
い。
【0042】請求項6に記載の空気入りタイヤでは、補
助溝は、トレッド表面においてジグザグ状に形成されて
いることを特徴とする。
【0043】次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの
作用及び効果について説明する。
【0044】補助溝をトレッド表面においてジグザグ状
に形成することにより、デザイン上の観点からも優れた
ものとすることができる。
【0045】請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方
法では、生タイヤを成型するタイヤ成型工程と、生タイ
ヤを複数に分割する割モールドに嵌め加硫する加硫工程
とを含んだ各工程により請求項1乃至6のいずれか1項
に記載の空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製
造方法において、加硫工程において、割モールドの割位
置を補助溝のトレッド表面に位置させて加硫することを
特徴とする。
【0046】次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの
製造方法の作用及び効果について説明する。
【0047】上記した空気入りタイヤの製造方法によれ
ば、割モールドの割位置を補助溝のトレッド表面に位置
させて製造するため、割モールドの割位置で段差が発生
したとしても、補助溝を境界としてショルダー部側のト
レッド部とタイヤ赤道線側のトレッド部との高さの差を
外部から視覚で見極めることが困難となり、実質的に段
差をゼロとすることができる。
【0048】請求項8に記載の空気入りタイヤの製造方
法では、生タイヤを成型するタイヤ成型工程と、生タイ
ヤを複数に分割する割モールドに嵌め加硫する加硫工程
とを含んだ各工程により請求項1乃至6のいずれか1項
に記載の空気入りタイヤを製造する空気入りタイヤの製
造方法において、加硫工程において、割モールドの割位
置をトレッド部表面における補助溝のショルダー部側の
端部又はタイヤ赤道線側の端部に位置させて加硫するこ
とを特徴とする。
【0049】次に、請求項8に記載の空気入りタイヤの
製造方法の作用及び効果について説明する。
【0050】この空気入りタイヤの製造方法によれば、
特に割モールドの割位置をトレッド部表面における補助
溝のショルダー部側の端部又はタイヤ赤道線側の端部に
位置させて製造することにより、補助溝の溝底に割モー
ルドの割位置による段差が発生するのを防止することが
できる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の第1実施形態に係る空気入りタイヤについて説明す
る。
【0052】図1及び図2に示すように、空気入りタイ
ヤ10(ORR36.00R51、以下、単に「タイヤ
10」と略称する。)は、4枚のベルトからなるベルト
層12を備えている。このベルト層12のタイヤ径方向
外側には、ベルト補強層14が設けられている。
【0053】一方、タイヤ10のトレッド部16には、
ラグパターンを構成するタイヤ軸方向に沿ってラグ溝1
8が形成されている。なお、当第1実施形態及び後述の
第2実施形態は、ラグ溝18の深さが40mm以上であ
るタイヤに適用することが好ましい。
【0054】ここで、トレッド部16のショルダー部2
0側の端部からトレッド幅の5%〜20%の領域に、タ
イヤ周方向に沿ってトレッド16の陸部22に補助溝2
4が形成されている。
【0055】この補助溝24の深さ(タイヤ径方向の最
短寸法)はラグ溝18の深さ(タイヤ径方向の最短寸
法)の5%〜30%、補助溝24の溝幅(タイヤ軸方向
の最短寸法)はトレッド幅の0.5%〜3%となるよう
に設定されている。
【0056】また、この補助溝24を境界として、ショ
ルダー部20側のトレッド部16の陸部22Aのクラウ
ンR(トレッド半径)をCRSとし、タイヤ赤道線CL
側のトレッド部16の陸部22BのクラウンR(トレッ
ド半径)をCRCとした場合に、 CRS≠CRC………(1) を満足するように設定されている。
【0057】なお、具体的な寸法について、本実施形態
では、トレッド幅は800mm、ラグ溝18の深さ86
mm、補助溝24の溝幅10mm、補助溝24の深さ1
8mmであり、補助溝24はトレッド部16のショルダ
ー部20側の端部から100mmの位置に設けられてい
る。
【0058】ここで、空気入りタイヤ10の製造方法に
ついて説明する。
【0059】本実施形態の空気入りタイヤ10は、一般
の空気入りタイヤと同様に、圧延工程、押出工程、ビー
ド工程等の各工程を経て、成型工程において生タイヤ
(図示省略)が成型される。
【0060】次に、加硫工程において、生タイヤが3つ
に分割する割モールド26A、26B(他の一つの割モ
ールドは図示省略)に嵌められ加硫される。これによ
り、ラグパターン及び上記補助溝24が形成される。
【0061】この加硫工程では、図2に示すように、ト
レッド表面における補助溝24のショルダー部20側の
端部24Aが割モールド26A、26Bの割位置と一致
させて加硫される。
【0062】加硫後、一方の割モールド26Aがタイヤ
軸方向外側(図2中矢印A方向)に外され、他方の割モ
ールド26Bがタイヤ径方向外側(矢印B方向)に外さ
れ、さらに他の一方の割モールド(図示省略)がタイヤ
軸方向外側に外され、空気入りタイヤ10が製造され
る。
【0063】本発明の空気入りタイヤ10の製造方法に
よれば、割モールド26A、26Bの割位置で段差が発
生したとしても、補助溝24を境界としてショルダー部
20側のトレッド部16の陸部22Aとタイヤ赤道線C
L側のトレッド部16の陸部22Bとの高さの差を外部
から視覚で見極めることが困難となり、実質的に両者の
段差をゼロとすることができる。この結果、タイヤ10
の商品価値の低下を防止することができる。
【0064】特に、割モールド26A、26Bの割位置
をトレッド部16の陸部22表面における補助溝24の
ショルダー部20側の端部24Aと一致させることによ
り、補助溝24の溝底又は溝壁に割モールド26A、2
6Bの割位置による段差が発生するのを防止することが
できる。
【0065】次に、空気入りタイヤ10の作用及び効果
について説明する。
【0066】補助溝24を上記のようにショルダー部2
0に近い領域に設けることにより、新品時にこのタイヤ
10を車両のフロントに装着して車両を走行させたとき
に、サイドフォースによるショルダー部20の片減り摩
耗を補助溝24で遮断することができる。
【0067】このため、補助溝24よりもタイヤ赤道線
CL側のトレッド部16の陸部22Bのサイドフォース
による片減り摩耗を防止することができるため、最適な
クラウンRの状態のまま、このタイヤ10を車両のリヤ
に装着することができる。
【0068】この結果、サイドフォースによるタイヤ赤
道線CL側のトレッド部16の陸部22Bの片減り摩耗
を防止できる分だけ、タイヤ10のタイヤ赤道線CL側
のトレッド部16の陸部22Bの摩耗速度を低減でき、
ひいては摩耗寿命を延ばすことができる。
【0069】逆に、補助溝24をトレッド部16のショ
ルダー部20側の端部からトレッド幅の5%未満の領域
に設けると、片減りが補助溝24を超えてタイヤ赤道線
CL側のトレッド部16に及んでしまうため不適切とな
る。また、補助溝24をトレッド部16のショルダー部
20側の端部からトレッド幅の20%よりもタイヤ赤道
線CL側の領域に設けると、片減り領域が広くなるた
め、補助溝24よりもショルダー部20側のトレッド部
16の適度なクラウンRが維持できなくなり不適切とな
る。
【0070】一方、補助溝24の深さがラグ溝18の深
さの5%未満であると、上記補助溝24としての機能を
発揮できず不適切なる。また補助溝24の深さがラグ溝
18の深さの30%よりも深くなれば、補助溝24より
もショルダー部20側のトレッド部16の剛性の低下が
著しくなり、片減りが大きくなるため不適切となる。
【0071】さらに、補助溝24の溝幅がトレッド幅の
0.5%未満であると、補助溝24のショルダー部20
側の溝壁とタイヤ赤道線CL側の溝壁とが接触し、サイ
ドフォースが補助溝24で遮断されずタイヤ赤道線CL
側のトレッド部16に伝達される結果、片減り領域の拡
大を招いてしまうため不適切となる。また補助溝24の
溝幅がトレッド幅の3%よりも広くなると、トレッド部
16のボリュームの減少が著しくなるため、トレッド部
16の剛性の低下が大きくなり不適切となる。
【0072】ここで、補助溝24を境界として、ショル
ダー部20側のトレッド部16の陸部22Aのクラウン
R(トレッド半径)の値と、タイヤ赤道線CL側のトレ
ッド部16の陸部22BのクラウンR(トレッド半径)
の値とを異ならせたことによる特有の作用及び効果につ
いて説明する。
【0073】例えば、タイヤ赤道線CL側のトレッド部
16の陸部22BのクラウンRに対して、ショルダー部
20側のトレッド部16の陸部22AのクラウンRを小
さくすることにより、ベルト端部の故障に影響するショ
ルダー部20の接地圧及び発熱量を低減することができ
る。
【0074】ところで、悪路走行時における突起踏み込
み時の反力の低減、振動対策等で剛性の低いベルトを有
するタイヤでは、タイヤセンター部の径の変化が大きく
なるため、ショルダー部側のトレッド部のクラウンRが
小さくなる傾向がある。
【0075】このようなタイヤに対しては、補助溝24
を介してショルダー部20側のトレッド部16の陸部2
2AのクラウンRを大きくすることにより、走行時にシ
ョルダー部20側のトレッド部16の陸部22Aの最適
なクラウンRを維持することができる。
【0076】次に、本発明の第2実施形態に係る空気入
りタイヤについて説明する。
【0077】なお、第1実施形態と同様の構成には同符
号を付するとともに、適宜説明を省略する。
【0078】上記第1実施形態の空気入りタイヤ10で
は、補助溝24がタイヤ周方向に沿ってトレッド部16
の陸部22にのみ設けられていたが、図3及び図4に示
すように、本実施形態の空気入りタイヤ30では、補助
溝24を陸部22のみならずラグ溝18の溝底にも設け
たものである。
【0079】特に、補助溝32をラグ溝18の溝底にも
設けることにより、サイドフォースをより確実に補助溝
24、32で遮断することができ、タイヤ赤道線CL側
のトレッド部16への伝達を効果的に防止できる。
【0080】この結果、空気入りタイヤ30のタイヤ赤
道線CL側のトレッド部16の陸部22Bの摩耗速度を
さらに低減でき、ひいては摩耗寿命をさらに延ばすこと
ができる。
【0081】次に、本発明の第3実施形態に係る空気入
りタイヤ40について説明する。
【0082】なお、第1実施形態と同様の構成には同符
号を付するとともに、適宜説明を省略する。
【0083】第1実施形態の空気入りタイヤ10では、
トレッド部16の陸部22において周方向に沿ってトレ
ッド平面視で直線状の補助溝24を設けたが、図5及び
図6に示すように、本実施形態の空気入りタイヤ40で
は、トレッド平面視でジグザグ状の補助溝42を設けた
ものである。
【0084】特に、補助溝42をジグザグ状にすること
により、デザイン上の自由度を上げることができる。
【0085】次に、本発明の第4実施形態に係る空気入
りタイヤについて説明する。
【0086】なお、第1実施形態と同様の構成には同符
号を付するとともに、適宜説明を省略する。
【0087】第1実施形態の空気入りタイヤ10では、
ラグパターンを備えたトレッド部16の陸部22に補助
溝24を設け、さらに、割モールド26A、26Bの割
位置を補助溝24のショルダー部20側の端部24Aと
一致させて製造したが、図7及び図8に示すように、本
実施形態の空気入りタイヤ50では、ブロックパターン
を備えたトレッド部52の陸部54に補助溝56を設け
たものである。
【0088】また、補助溝56のタイヤ赤道線CL側の
端部56Bに割モールド58A、58Bの割位置を合わ
せたものである。なお、本実施形態では、割モールド5
8A、58Bはタイヤ径方向外側(図8中矢印C方向)
に外す。
【0089】本実施形態の空気入りタイヤ50において
も、上記各実施形態の空気入りタイヤと同様の効果を得
ることができる。
【0090】次に、上記第1実施形態の空気入りタイヤ
10を、補助溝が設けられていない従来の空気入りタイ
ヤと共に市場に投入し、耐摩耗性の評価を行った。
【0091】この結果、本発明の空気入りタイヤ10
は、従来のタイヤと比較して、車両のフロントに装着し
て使用したときの片減り摩耗が低減し、摩耗寿命が15
%〜20%向上したことが判明した。
【0092】また、本発明のタイヤ10では、割モール
ド26A、26Bの割位置での段差も全く確認できず、
タイヤとしての商品価値の低下を防止できることが判明
した。
【0093】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤ及びその製造方
法によれば、割モールドを用いた製法による段差の発生
を防止するとともに、偏摩耗を効果的に防止し摩耗寿命
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的なトレッドパターンを示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的な断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的なトレッドパターンを示した図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的な断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的なトレッドパターンを示した図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的な断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的なトレッドパターンを示した図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る空気入りタイヤの
部分的な断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 16 トレッド部 18 ラグ溝 20 ショルダー部 22 陸部 24 補助溝 26A 割モールド 26B 割モールド 30 空気入りタイヤ 32 補助溝 40 空気入りタイヤ 42 補助溝 50 空気入りタイヤ 52 トレッド部 54 陸部 56 補助溝 58A 割モールド 58B 割モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:24 B29L 30:00 B29L 30:00 B60C 11/08 D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともタイヤ幅方向に延びるラグ溝
    を備えた空気入りタイヤであって、 トレッド部のショルダー部側の端部からトレッド幅の5
    %〜20%の領域において、タイヤ周方向に沿って、深
    さが前記ラグ溝の深さの5%〜30%、溝幅がトレッド
    幅の0.5%〜3%である補助溝を設けたことを特徴と
    する空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記補助溝は、前記トレッド部の陸部及
    びラグ溝に設けられたことを特徴とする請求項1に記載
    の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記空気入りタイヤは複数に分割する割
    モールドにより成型されるものであり、 前記補助溝は、前記割モールドの割位置に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタ
    イヤ。
  4. 【請求項4】 トレッド部表面における前記補助溝のシ
    ョルダー部側の端部又はタイヤ赤道線側の端部と前記割
    モールドの割位置が一致することを特徴とする請求項3
    に記載の空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記補助溝を境界として、ショルダー部
    側のトレッド部のクラウンRをCRSとし、タイヤ赤道
    線側のトレッド部のクラウンRをCRCとした場合に、 CRS≠CRC………(A) を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか
    1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記補助溝は、トレッド表面においてジ
    グザグ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 生タイヤを成型するタイヤ成型工程と、
    前記生タイヤを複数に分割する割モールドに嵌め加硫す
    る加硫工程とを含んだ各工程により請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の空気入りタイヤを製造する空気入り
    タイヤの製造方法において、 前記加硫工程において、前記割モールドの割位置を前記
    補助溝のトレッド表面に位置させて加硫することを特徴
    とする空気入りタイヤの製造方法。
  8. 【請求項8】 生タイヤを成型するタイヤ成型工程と、
    前記生タイヤを複数に分割する割モールドに嵌め加硫す
    る加硫工程とを含んだ各工程により請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載の空気入りタイヤを製造する空気入り
    タイヤの製造方法において、 前記加硫工程において、前記割モールドの割位置をトレ
    ッド部表面における前記補助溝のショルダー部側の端部
    又はタイヤ赤道線側の端部に位置させて加硫することを
    特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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