JP2002067220A - 化粧板 - Google Patents

化粧板

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JP2002067220A
JP2002067220A JP2000262800A JP2000262800A JP2002067220A JP 2002067220 A JP2002067220 A JP 2002067220A JP 2000262800 A JP2000262800 A JP 2000262800A JP 2000262800 A JP2000262800 A JP 2000262800A JP 2002067220 A JP2002067220 A JP 2002067220A
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decorative
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sensitive adhesive
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JP2000262800A
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English (en)
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Seishi Ikemoto
精志 池本
Takeshi Sasaki
武 佐々木
Yasuo Nakai
康夫 中井
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熟練度を必要とすることなく、極めて容易に
労働負荷も少なく、かつ、短時間に施工することがで
き、施工費用(工賃)についても安価な化粧板を提供す
る。 【解決手段】 基材10の一方の面に、金属薄板30を
積層して基板2となし、該基板の前記金属薄板30上に
感熱型接着剤層3を形成したことを特徴とする化粧板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の壁面や床
面等に用いられる化粧板に関し、さらに詳しくは、施工
性に優れた化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅等の壁面、床面等には、合
板、パーチクルボード、中密度繊維板(MDF)等の木
質系基材に種々の意匠からなる化粧シートを貼着した化
粧板が用いられている。これらの化粧板は、通常、壁面
や床面を構成する下地材上に前記化粧シートが表出する
ようにして、釘、ネジ釘、タッカー等の固着手段を適宜
用いて前記下地材上に固着され、意匠性はもとより各種
要求物性に優れた壁面や床面を提供している。
【0003】しかし、壁面や床面を構成する下地材上に
化粧板を釘、ネジ釘、タッカー等の固着手段を用いて固
着する作業は、結構手間隙がかかる重労働な作業である
と共に、見栄え良くかつ化粧板を損傷することなく行う
には、熟練度を必要とする作業であり、通常専門業者に
より行われるために、施工費用(工賃)も結構高いもの
であった。そのために、このような施工を熟練度を要す
ることなく極めて容易に行うことができると共に、施工
費用(工賃)を安価なものとすることができる化粧板が
要望されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題を解決する目的でなされたものであり、熟練度を必
要とすることなく、極めて容易に労働負荷も少なく、か
つ、短時間に施工することができ、施工費用(工賃)に
ついても安価な化粧板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな目的を達成するべくなしたもので、請求項1記載の
発明は、基材の一方の面に、金属薄板を積層して基板と
なし、該基板の前記金属薄板上に感熱型接着剤層を形成
したことを特徴とするものである。
【0006】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の化粧板において、前記基材と前記金属薄板との間に
紙層を設けたことを特徴とするものである。
【0007】また、請求項3記載の発明は、請求項1、
2のいずれかに記載の化粧板において、前記金属薄板と
前記感熱型接着剤層との間に中間層を形成したことを特
徴とするものである。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載の化粧板において、前記金属薄板が
アルミニウムからなることを特徴とするものである。
【0009】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれかに記載の化粧板において、前記感熱型接着
剤層上にパターン状に形成した感圧型粘着剤層を介して
離型紙が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項6記載の発明は、請求項1〜
5のいずれかに記載の化粧板において、前記基材の他方
の面に装飾材が積層されていることを特徴とするもので
ある。
【0011】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の化粧板において、前記装飾材の表出面に保護層が形
成されていることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載の化粧板において、前記保護層が電離放射線硬化型樹
脂で形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面等を
用いて以下に更に詳しく説明する。まず、図1は本発明
にかかる化粧板の第1の実施形態を示す層構成図、図2
は本発明にかかる化粧板の第2の実施形態を示す層構成
図、図3は本発明にかかる化粧板の第3の実施形態を示
す層構成図、図4は本発明にかかる化粧板の第4の実施
形態を示す層構成図、図5は本発明にかかる化粧板の第
5の実施形態を示す層構成図、図6は本発明にかかる化
粧板に用いる装飾材の一実施例を示す層構成図、図7は
本発明にかかる化粧板に用いる装飾材の他の実施例を示
す層構成図であり、図中の1,1',1'',1''' ,
1''''は化粧板、2,2’は基板、3は感熱型接着剤
層、4は中間層、5は感圧型粘着剤層、6は離型紙、
7,7',7''は装飾材、10は基材、20は紙層、30は金属
薄板、70,70’は装飾材用基材、71は発泡樹脂層、72,
72’は絵柄層、73,73’は保護層、74,74’は凹凸模
様、75はワイピングインキ、76,76’はプライマー層を
それぞれ示す。
【0014】図1は本発明にかかる化粧板の第1の実施
形態を示す層構成図であり、化粧板1は基材10の一方の
面に、金属薄板30を積層して基板2となし、該基板2の
前記金属薄板30上に感熱型接着剤層3を形成したもので
ある。このように構成することにより、前記基材10側か
ら高周波発生装置を用いて高周波を発振して前記金属薄
板30を電磁誘導加熱により加熱して前記感熱型接着剤層
3に接着力を発現させることができ、たとえば、前記化
粧板1を前記感熱型接着剤層3が床材用下地材(図示せ
ず)と接触するように載置し、前記基材10側から高周波
発生装置を用いて高周波を発振するだけで、下地材(図
示せず)に前記化粧板1を接着固定することができる。
【0015】前記基材10としては、化粧板1の芯材とな
るものであり、合板,パーチクルボード,中密度繊維板
(MDF),高密度繊維板(HDF)等の木質系基材、
石膏ボード,石膏スラグボード等の石膏系基材、パルプ
セメント板,石綿スレート板、石綿セメント板,木片セ
メント板などの繊維セメント板、ジアリルフタレート樹
脂,ベンゾグアナミン樹脂,フェノール樹脂,メラミン
樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタ
ン樹脂などの樹脂を含浸した樹脂成形板、あるいは、木
粉プラスチック板(熱可塑性樹脂に木粉を添加してシー
ト化したもの、たとえば、熱可塑性樹脂100 重量部に平
均粒径30〜150 μmの木粉を10〜100 重量部添加してシ
ート化したもの)などを用いることができる。これらの
厚さとしては、概ね1〜20mmが適当である。なお、前記
基材10として、上記のような芯材として機能する材料に
限ることなく、たとえば、無垢材(天然木)や大理石等
の天然石を用いてもよい。
【0016】また、前記金属薄板30としては、電導性に
優れるものであれば、特に限定するものではないが、例
示するとするならば、鉄、銅、アルミニウム、チタン、
ニッケル、亜鉛、錫等を挙げることができるが、加工適
性やコスト、取扱い易さ等を勘案するとアルミニウムが
好ましく、その厚さとしては10〜50μm程度である。
【0017】なお、前記基材10と前記金属薄板30とを接
着する接着剤としては、たとえば、アクリル系、ウレタ
ン系、エポキシ系、酢酸ビニル系等の樹脂からなる周知
の接着剤を用いることにより、容易に両者を接着するこ
とができる。
【0018】また、前記感熱型接着剤層3としては、加
熱により接着力を発現する熱可塑性樹脂であれば特に限
定するものではないが、たとえば、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体
(EAA),エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA
A)などのエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エ
チレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA),エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体(EEA),エチレン−
メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのエチレ
ン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−
αオレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン系樹脂、
アイオノマー樹脂、その他のポリオレフィン系樹脂、あ
るいは、ブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ウレタ
ン樹脂などの1種ないし2種以上を適宜用いることがで
きるし、また、前記感熱型接着剤層3としては、たとえ
ば、特開平11−5959号広報に開示されているよう
な感熱型粘着剤を用いることができるし、またさらに、
前記感熱型接着剤層3としては、常温において粘着性を
有し、80℃以上の加熱により、1Kg/15mm巾(90度剥離
の強度)以上の剥離強度を有するようになる、たとえ
ば、綜研化学(株)製のSKダインTA−210のよう
な熱賦活型接着剤を用いることができる。なお、前記剥
離強度は、25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トフィルム(以下、第1PETフィルムと呼称する)に
SKダインTA−210を固形分として15g/m2 塗工
・乾燥し、その後に別途用意した25μmの2軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(以下、第2PETフ
ィルムと呼称する)を前記SKダインTA−210面に
80℃で10秒間加熱圧着し、このものを冷却して後に、前
記第1PETフィルムと前記第2PETフィルムとをテ
ンシロンを用いて90度剥離にて測定した強度である。こ
のような常温において粘着性を有し、加熱することによ
り1Kg/15mm巾(90度剥離の強度)以上の剥離強度を有
するようになる熱賦活型接着剤を感熱型接着剤層3とし
て用いる理由としては、たとえば、本発明の化粧板を床
材用途に用いる場合などに、常温で粘着力を有するため
に仮固定することができると共に、正しい位置が決まる
まで何回でも貼り直しが可能であるためであり、この結
果施工性が向上するからである。
【0019】また、前記感熱型接着剤層3の形成方法と
しては、上記した樹脂をエマルジョン化、溶液化等して
ロールコート法、エアナイフコート法、グラビアコート
法等の周知の塗工法で設けることができる他に、加熱溶
融押出し法で設けることができる。この感熱型接着剤層
3の塗工量(固形分として)としては、下地材に影響さ
れるが、概ね20〜50g/m2 である。
【0020】ところで、前記感熱型接着剤層3は、図1
に示すように上記した熱可塑性樹脂を前記金属薄板30上
に直接形成してもよいが、前記金属薄板30と前記感熱型
接着剤層3との接着強度を強固なものとする目的、ある
いは、前記感熱型接着剤層3に用いる熱接着性樹脂が高
価である場合、前記感熱型接着剤層3の塗工量を低減し
て安価にする目的で、図2に示すように前記金属薄板30
と前記感熱型接着剤層3との間に中間層4を形成した化
粧板1’であってもよい。この中間層4としては、有機
チタネート、ポリエチレンイミン誘導体、シランカップ
リング剤、イソシアネート系化合物、エポキシ系やシェ
ラック系樹脂、あるいは、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹
脂などの易接着樹脂からなる中間層4であってもよい
し、あるいは、前記感熱型接着剤層3に用いる上記した
熱可塑性樹脂の中から適宜用いて形成した中間層4であ
ってもよいし、あるいは、両者を用いた中間層4、具体
的には、金属薄板30/中間層(易接着樹脂層/熱可塑性
樹脂層)/感熱型接着材層3の構成とした中間層4であ
ってもよい。
【0021】図3は本発明にかかる化粧板の第3の実施
形態を示す層構成図であり、化粧板1''は図1に示した
化粧板1の前記感熱型接着剤層3上にパターン状に形成
した感圧型粘着剤層5を介して離型紙6を設けた以外は
化粧板1と同じである。このように構成することによ
り、たとえば、離型紙6を剥がした化粧板を壁面等の下
地材に軽く押圧して前記感圧型粘着剤層5で貼着するこ
とができ、仮止めすることができる。すなわち、離型紙
6を剥がした化粧板を壁面等の下地材に仮止め後に、前
記基材10側から高周波発生装置を用いて高周波を発振し
て前記金属薄板30を電磁誘導加熱により加熱して前記感
熱型接着剤層3に接着力を発現させて化粧板を壁面等の
下地材に接着固定すればよく、施工性を向上させること
ができる。
【0022】また、前記感圧型粘着剤層5としては、た
とえば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンラテックス、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、再生ゴム、合
成ゴム等のゴム系、アクリル系、シリコーン系等の周知
の粘着剤を溶剤型、水性エマルジョン型、ホットメルト
型、液状硬化型等の形状でロールコート法、エアナイフ
コート法、グラビアコート法、溶融押出し法等の周知の
塗工法で設けることができる。なお、粘着剤には必要に
応じて、増粘剤、分散剤、消泡剤、充填剤、帯電防止
剤、防腐剤等の添加剤を加えてもよい。また、前記感圧
型粘着剤層5の粘着力を弱くして再剥離可能な感圧型粘
着剤層5とするには、たとえば、上記粘着剤に合成シリ
カ、炭酸カルシウム等の充填剤を適宜添加すればよい。
前記感圧型粘着剤層5の塗膜厚さとしては、前記感圧型
粘着剤層5を形成するために用いる感圧型粘着剤の樹脂
系や必要に応じて添加する添加剤により異なるが、概ね
5〜50μm、より好ましくは5〜30μmである。また、
前記感圧型粘着剤層5の塗工面積としては、前記感熱型
接着剤3の塗工面積の1/2〜1/20が適当である。
【0023】また、前記離型紙6としては、基体として
上質紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙などの紙を
用い、該紙の一方の面にシリコーンを塗工して剥離層を
形成した通常セパレート紙と呼称されるものを用いるこ
とができ、シリコーンの塗工量としては、通常0.5 〜2.
0g/m2 程度が適当である。また、前記離型紙6は前記
紙の一方の面に低密度ポリエチレンをTダイ押出機で押
し出し塗工して低密度ポリエチレン層を形成し、該低密
度ポリエチレン層面にシリコーンを塗工したものであっ
てもよい。このように構成することによりシリコーンの
塗工量を紙面に直にシリコーンを塗工するよりも少なく
することができる。また、前記基体としては上記した紙
に限ることはなく、たとえば、ポリプロピレン、ポリエ
ステル等の合成樹脂製シートであってもよい。
【0024】ところで、図3においては、前記感熱型接
着剤層3と該感熱型接着剤層3上にパターン状に形成し
た感圧型粘着剤層5の面全面に離型紙6を設けた実施例
を示したが、これに限ることはないのであって、図示は
しないが、たとえば、感圧型粘着剤層5のパターンがス
トライプ状である場合には、ストライプ状の感圧型粘着
剤層5上にのみ離型紙を設けた構成としてもよいし、ま
た、感圧型粘着剤層5と両面離型紙とからなる両面粘着
テープをストライプ状に感熱型接着剤層3上に貼着した
構成としても構わない。
【0025】図4は本発明にかかる化粧板の第4の実施
形態を示す層構成図であり、化粧板1''' は基材10と金
属薄板30との間に紙層20を設けた基板2’からなるもの
であって、これ以外は図1の示した化粧板1と同じであ
る。このように構成することにより、前記基材10に前記
金属薄板30を積層する際に、前記金属薄板30単体の場合
に比べて、予め前記金属薄板30と前記紙層20とからなる
ものを用いる方が取扱いが容易であり、作業性が向上す
ると共に、たとえば、前記基材10が木質系基材や石膏系
基材、あるいは、木粉プラスチック板の場合には、木工
所等で通常使用されている酢酸ビニル系などの木質系接
着剤を用いて積層することができ、利便性に優れるため
である。また、前記金属薄板30と前記紙層20との積層は
酢酸ビニル系、アクリル系などの周知の接着剤を用いて
積層することができる。
【0026】また、前記紙層20としては、特に限定する
ものではないが、非塗工紙がより好適であり、たとえ
ば、純白、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、模造紙、
和紙など適宜用いることができ、その坪量としては、概
ね20〜300g/m2 、より好ましくは30〜120g/m2 である。
【0027】図5は本発明にかかる化粧板の第5の実施
形態を示す層構成図であり、化粧板1''''は図1に示す
化粧板1の基材10の他方の面に装飾材7を積層したもの
であって、これ以外は化粧板1と同じである。このよう
に構成することにより、意匠性を向上させることができ
ると共に、化粧板に要求される耐摩耗性、耐擦傷性、耐
汚染性等の諸物性を向上させることができる。
【0028】この装飾材7について、実施例を挙げて説
明する。図6は本発明にかかる化粧板に用いる装飾材の
一実施例を示す層構成図であり、装飾材7’は主に壁面
等に用いる壁面用化粧板に好ましいものである。この装
飾材7’は、装飾材用基材70の一方の面に発泡樹脂層71
と、絵柄層72と、保護層73とを順に形成すると共に、前
記保護層72側から凹凸模様74を形成したものである。
【0029】前記装飾材用基材70としては、たとえば、
薄紙,チタン紙,樹脂含浸紙,紙間強化紙,難燃紙、無
機質紙等の紙、あるいは、織布、不織布、あるいは、ポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の合成樹脂製
シートなどの1種ないし2種以上の積層体を用いること
ができると共に、前記合成樹脂製シートには必要に応じ
て難燃性を付与するために、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、三酸
化アンチモン、酸化チタン等の無機物の1種ないし2種
以上の混合物からなる無機充填剤を適宜添加されたもの
であってもよいし、また、前記合成樹脂製シートには必
要に応じて、片面ないし両面にコロナ放電処理、プラズ
マ処理等の易接着処理を施すことができる。この装飾材
用基材70の総厚としては20〜300 μmが適当である。
【0030】また、前記発泡樹脂層71としては、塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル系樹脂、あるいは、低密度ポリエ
チレン,線状低密度ポリエチレン,超低密度ポリエチレ
ン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−
αオレフィン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合
体,エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン
−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン
系樹脂などに周知の熱分解型発泡剤ないし熱膨張型カプ
セル発泡剤を添加した発泡樹脂組成物をロールコート
法、グラビアコート法、あるいは、Tダイ押出し法等の
周知の塗工法で前記装飾材用基材70上に塗工し、必要に
応じて乾燥等を行い、その後加熱発泡炉で前記発泡樹脂
組成物を加熱発泡することにより形成することができ
る。発泡剤の添加量は、樹脂100 重量部に対して概ね2
〜15重量部である。また、前記発泡樹脂層71には、必要
に応じて前記発泡樹脂層71に難燃性を付与する目的で水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン等の無機物の1種ないし2種以上の混合
物からなる無機充填剤を添加することができる。この無
機充填剤の添加量は、樹脂100 重量部に対して概ね30〜
200 重量部である。さらに、前記発泡樹脂層71には、紫
外線による劣化を防止し、耐候性を向上させる目的で必
要に応じて、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、およ
び/ないし、周知の紫外線吸収剤を添加することができ
る。さらにまた、前記発泡樹脂層71には、必要に応じ
て、着色剤や熱安定剤等の添加剤を添加することができ
る。
【0031】また、前記絵柄層72としては、意匠性付与
や意匠性向上を目的に設けられるものであり、前記発泡
樹脂層71にグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスク
リーン印刷、転写シートからの転写印刷等周知の印刷法
によりインキにて形成することができる。この絵柄層72
の形成は、前記発泡樹脂層71上に形成することもできる
し、前記装飾材用基材70上に形成した未発泡の発泡樹脂
組成物上に形成することもできる。前記絵柄層72の印刷
絵柄としては、木目模様柄、石目模様柄、布目模様柄、
皮紋模様柄、幾何学図形模様柄、文字、記号、あるい
は、全面ベタ模様柄等があり、インキは、ビヒクルとし
て、塩素化ポリエチレン,塩素化ポリプロピレンの塩素
化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポ
リオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1
種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各
種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることがで
きる。
【0032】また、前記保護層73としては、化粧板1〜
1''''に耐摩耗性、耐擦傷性、耐汚染性等の表面物性付
与を目的に設けられるものであり、この保護層73を形成
する樹脂としては、たとえば、エポキシ系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、あるいは、ポリエチレン, ポリプロピレ
ン, ポリブテン, ポリブタジエン, ポリイソプレン等の
ポリオレフィンの1種ないしエチレン,プロピレン,ブ
テン,ブタジエン,イソプレン等のオレフィンの2種以
上の共重合体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィ
ンの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、これらの
1種ないしそれ以上のからなる混合樹脂等を用いること
ができる。また、前記保護層73の形成方法としては、た
とえば、前記樹脂を溶液化したもの、あるいは、加熱溶
融したものを周知のグラビアコート法、ロールコート
法、あるいは、Tダイ押出し法等の塗工手段を適宜用い
て塗工するなり、あるいは、前記樹脂をフィルム化した
ものを周知のドライラミネーション法等で貼合するこに
より形成することができる。
【0033】また、前記凹凸模様74としては、意匠性を
さらに向上させることを目的に設けられるものであり、
周知の枚葉、あるいは、輪転式のエンボス機を用いて、
装飾材が加熱された状態にある時に、前記保護層73側か
らエンボス版で凹凸を施して後に冷却することにより、
凹凸模様74を形成することができる。この凹凸模様74の
形状としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テ
クスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等があ
る。
【0034】図7は本発明にかかる化粧板に用いる装飾
材の他の実施例を示す層構成図であり、装飾材7''は主
に床面等に用いる床材用化粧板に好ましいものである。
装飾材7''は合成樹脂製透明フィルムからなる装飾材用
基材70’の一方の面にエンボス加工を施して凹凸模様7
4’を設け、その上からワイピング処理を施して前記凹
凸模様74’の凹部内にワイピングインキ75を充填した後
に、表出面全面にプライマー層76を設け、該プライマー
層76上に電離放射線硬化型樹脂からなる保護層73’を形
成すると共に前記装飾材用基材70’の他方の面にプライ
マー層76’を介して絵柄層72’を形成したものである。
【0035】前記合成樹脂製透明フィルムからなる装飾
材用基材70’としては、低密度ポリエチレン(線状低密
度ポリエチレンを含む),中密度ポリエチレン,高密度
ポリエチレン,エチレンαオレフィン共重合体,ホモポ
リプロピレン,ポリメチルペンテン,ポリブテン,エチ
レン−プロピレン共重合体,プロピレン−ブテン共重合
体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物等の1種ないし2種以上の混合樹
脂等のオレフィン系熱可塑性樹脂、あるいは、これ以外
のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフ
タレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート
共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等の熱可
塑性エステル系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリ
メタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸エチル,ポリア
クリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、ナイロン
−6,ナイロン−66等のポリアミド系熱可塑性樹脂、あ
るいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹
脂)、あるいは、塩化ビニル系樹脂等からなるフィルム
が適当である。また、前記装飾材用基材70’はこれら熱
可塑性樹脂の単体フィルムであってもよいし、これら熱
可塑性樹脂を積層した積層フィルムであってもよい。し
かし、本発明の装飾材7''に用いる前記合成樹脂製透明
フィルムからなる装飾材用基材70’には、通常、印刷絵
柄や凹凸模様を設ける印刷やエンボス等の加工が施され
るために、これらの適性が要求されると共に安価である
必要があり、これらを考慮するとオレフィン系熱可塑性
樹脂が好ましい。
【0036】そして、前記合成樹脂製透明フィルムから
なる装飾材用基材70’は、無延伸の状態、あるいは、1
軸ないし2軸方向に延伸した状態のいずれの状態のフィ
ルムであってもよいし、また、顔料等を添加した着色フ
ィルムであっても構わないが、この装飾材用基材70’の
厚さとしては、概ね60〜300 μm程度が好ましい。ま
た、必要に応じて、この装飾材用基材70’の一方の面な
いし両方の面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン
処理等の易接着処理を施してもよい。当然のことである
が、前記装飾材用基材70’には必要に応じて、適宜、周
知の酸化防止剤、光安定剤、紫外線防止剤、あるいは、
難燃性を付与するための無機充填剤等の各種添加剤を添
加することができる。ところで、上記着色フィルムに用
いる顔料としては、耐熱性や耐候性を考慮すると周知の
無機系顔料が適当である。
【0037】また、前記保護層73’としては、耐擦傷
性、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性を向上させるため
に設けられるものであり、この保護層73’を形成する樹
脂としては、図5に示した前記装飾材7’の前記保護層
73で説明した同じ樹脂を用いて同じ形成方法で形成する
ことができるが、床材用化粧板としての用途においては
電離放射線硬化型樹脂で形成するのが特に好適である。
【0038】電離放射線硬化型樹脂とは、電離放射線を
照射することにより架橋重合反応を起こし3次元の高分
子構造に変化する樹脂である。電離放射線は、電磁波ま
たは荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギ
ー量子を有するものを意味し、可視光線、紫外線(近紫
外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があ
る。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫外線源とし
ては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボ
ンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドラ
ンプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通
常1900〜3800Åの波長域が主として用いられ、また、電
子線源としては、コックロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直
線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の各種電子線加速
器を用い、100 〜1000KeV、好ましくは100 〜300 K
eVのエネルギーをもつ電子を照射するものを使用でき
る。
【0039】前記保護層73’を形成する電離放射線硬化
型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、
(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽
和基、又はエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有す
る単量体、プレポリマー又はポリマー(以下、これらを
総称して化合物と呼称する)からなる。これら単量体、
プレポリマー、及びポリマーは、単体で用いるか、或い
は複数種混合して用いる。尚、本明細書で(メタ)アク
リレートとは、アクリレート又はメタアクリレートの意
味で用いる。
【0040】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000 程
度以下のものが用いられる。分子量が10000 を超えると
硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱
性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタ
アクリレートは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化
速度という点ではアクリレートの方が速い為、高速度、
短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレー
トの方が有利である。
【0041】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系
樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテ
ル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエー
テル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、
スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
【0042】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイド
ロゲンテレフタレート等が挙げられる。
【0043】また、ラジカル重合性不飽和基を有する多
官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレン
オキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)
アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられ
る。
【0044】カチオン重合性官能基を有する単量体は、
上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量
体を用いることができる。
【0045】上記の電離放射線硬化型樹脂は電子線を照
射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させ
る場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラ
ジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開
始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキ
サントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジ
フェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジ
エチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソ
プロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単
独又は混合して用いることができる。又、カチオン重合
性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾ
インスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニ
ウムジアリルヨードシル塩等を単独又は混合物として用
いることができる。尚、これら光重合開始剤の添加量は
一般に、電離放射線硬化性樹脂100 重量部に対して、0.
1 〜10重量部程度である。また、この電離放射線硬化性
樹脂で保護層を形成する方法としては、たとえば、この
電離放射線硬化性樹脂を溶液化し、グラビアコート法、
ロールコート法等の周知の塗工法で塗工することにより
形成することができる。この場合の塗工量としては、固
形分として概ね5〜30g/m2 が適当であり、より好ま
しくは15〜25g/m2 である。
【0046】また、電離放射線硬化性樹脂から形成され
た保護層73’に、より一層耐擦傷性、耐磨耗性を付与す
る場合には、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二
酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マ
グネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化
ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイア
モンド、金剛砂、ガラス繊維等の研磨材を加えることに
より達成することができる。この研磨材の電離放射線硬
化性樹脂100 重量部に対する割合は1〜80重量部が適当
である。
【0047】次に、前記プライマー層76、76’について
説明する。このプライマー層76、76’は、前記合成樹脂
製透明フィルムからなる装飾材用基材70’と前記保護層
73’との接着性向上、あるいは、前記合成樹脂製透明フ
ィルムからなる装飾材用基材70’と前記絵柄層72’ない
し前記ワイピングインキ75との接着性向上を目的に設け
られるものであり、特に前記合成樹脂製透明フィルムか
らなる装飾材用基材70’がオレフィン系熱可塑性樹脂で
ある場合に有効である。
【0048】また、前記プライマー層76、76’として
は、アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、
イソシアネートとからなる樹脂で形成されたものであ
る。すなわち、のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共
重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分
(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリ
オール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分
C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレ
ポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を
添加して鎖延長することで得られるものである。この反
応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアク
リル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有
するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成さ
れる。そして、このアクリル−ポリエステルウレタン共
重合体の末端の水酸基をのイソシアネートと反応させ
て硬化させたものがプライマー層76、76’である。
【0049】前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖
状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的に
は、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリ
レート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特
性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容
易である点から好ましい。前記成分Aは共重合体におい
てアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜70
00(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良
好であるために好ましく用いられる。また、前記成分A
は両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、
片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端
に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。共役二
重結合が残っているアクリル重合体を混合することによ
り、プライマー層76、76’と接する層、たとえば、保護
層73’の樹脂に電離放射線硬化型樹脂を用いた場合に、
該電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結
合が反応するために特に電離放射線硬化型樹脂との間の
接着性を向上させることができる。
【0050】前記成分Bは、ジイソシアネートと反応し
てポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウ
レタン樹脂成分を構成する。成分Bは両末端に水酸基を
有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエ
ステルジオールとしては、芳香族またはスピロ環骨格を
有するジオール化合物とラクトン化合物またはその誘導
体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基
酸とジオールとの縮合生成物、および環状エステル化合
物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることが
できる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタン
ジオール、ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール
等の短鎖ジオール、1,4シクロヘキサンジメタノール
などの脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。ま
た、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポ
リエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分とし
てアジピン酸またはアジピン酸とテレフタル酸の混合
物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3
−メチルペンタンジオールおよび1,4シクロヘキサン
ジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルであ
る。
【0051】前記プライマー層76、76’において、成分
Bと成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分
は、該プライマー層76、76’に柔軟性を与え、合成樹脂
製透明フィルムからなる前記装飾材用基材70’との接着
性に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル
樹脂成分は、前記プライマー層76、76’において耐候性
および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂にお
いて、成分Bの分子量は前記プライマー層76、76’に柔
軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲で
あればよく、アジピン酸またはアジピン酸とテレフタル
酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,
4シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジ
オールの場合、500 〜5000(重量平均分子量)が好まし
い。
【0052】成分Cは、1分子中に2個のイソシアネー
ト基を有する脂肪族または脂環族のジイソシアネート化
合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、た
とえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,
4)-1,6ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、4,4'ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、1,4'シクロヘキシルジイソシアネート等を挙
げることできる。ジイソシアネート成分としては、イソ
ホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点
で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアク
リル重合体、ポリエステルポリオール、および、後述す
る鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合も含める)
と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過
剰となるようにする。
【0053】上記の三成分A、B、Cを60〜120 ℃で2
〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシ
アネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反
応してポイエエステルウレタン樹脂成分が形成されると
共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが
付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基およ
び水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。
このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホ
ロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを
加えてイソシアネート基を該鎖延長剤と反応させ、鎖延
長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタ
ンの分子中に導入され、末端に水酸基を有するのアク
リル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができ
る。
【0054】こののアクリル−ポリエステルウレタン
共重合体に、のイソシアネートを加えると共に、塗工
法、塗工量(乾燥後の)を考慮して必要な粘度に調節し
た塗工液となし、たとえば、グラビアコート法、ロール
コート法等の周知の塗工法で塗工することにより、プラ
イマー層76、76’を形成することができる。前記プライ
マー層76、76’の乾燥後の塗工量としては、1〜20g/m2
が適当であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、前
記プライマー層76、76’は、上記樹脂以外に必要に応じ
てシリカ微粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添
加剤を添加した層としてもよい。また、のイソシアネ
ートとしてはのアクリル−ポリエステルウレタン共重
合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なも
のであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族または芳
香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候
性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的に
は、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、4,4'- ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネートの単量体、または、これらの2量体、3量体な
どの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリ
オールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイ
ソシアネートなどを挙げることができる。
【0055】また、前記絵柄層72’および、前記凹凸模
様74’は、図6に示した装飾材7’で説明した前記絵柄
層72および前記凹凸模様74と同じであり説明は省略す
る。また、前記ワイピングインキ75についても、図6に
示した装飾材7’で説明した前記絵柄層72を形成するイ
ンキと同じインキで形成することができる。
【0056】なお、上記した装飾材7’、7''は、いず
れも保護層73、73’側が表出するように前記基材10の他
方の面に、たとえば、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレ
タン系、エポキシ系等の樹脂からなる接着剤を適宜用い
て接着することにより、意匠性に優れると共に、耐摩耗
性、耐擦傷性、耐汚染性に優れた本発明の化粧板とする
ことができる。また、本発明の化粧板は、請求項1〜8
のいずれかに記載の化粧板であって、壁面や床面の下地
材上に感熱型接着剤層3が位置するように載置して、表
面側から高周波発生装置を用いて高周波を発振して前記
金属薄板30を電磁誘導加熱により加熱して前記感熱型接
着剤層3に接着力を発現させることにより、壁面や床面
の下地材に接着固定することができるために、熟練度を
必要とすることなく、極めて容易に労働負荷も少なく、
かつ、短時間に施工することができ、また、施工費用
(工賃)についても安価なものとすることができる。ま
た、今までは、壁面用化粧板、床材用化粧板ということ
で説明してきたが、本発明の化粧板は天井用化粧板とし
て用いてもよい。さらにまた、図6、7に示した装飾材
は、本発明の化粧板をより良く理解してもらうために、
例示したものであって、これに限るものでないことを断
っておく。
【0057】
【発明の効果】本発明の化粧板は、今まで縷々説明して
きたように、熟練度を必要とすることなく、極めて容易
に労働負荷も少なく、かつ、短時間に施工することがで
きるという優れた効果を奏するものである。また、この
ような効果により、施工費用(工賃)についても安価な
ものとすることができるという優れた効果を奏するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる化粧板の第1の実施形態を示す
層構成図である。
【図2】本発明にかかる化粧板の第2の実施形態を示す
層構成図である。
【図3】本発明にかかる化粧板の第3の実施形態を示す
層構成図である。
【図4】本発明にかかる化粧板の第4の実施形態を示す
層構成図である。
【図5】本発明にかかる化粧板の第5の実施形態を示す
層構成図である。
【図6】本発明にかかる化粧板に用いる装飾材の一実施
例を示す層構成図である。
【図7】本発明にかかる化粧板に用いる装飾材の他の実
施例を示す層構成図である。
【符号の説明】
1,1',1'',1''' ,1'''' 化粧板 2,2’ 基板 3 感熱型接着剤層 4 中間層 5 感圧型粘着剤層 6 離型紙 7,7',7'' 装飾材 10 基材 20 紙層 30 金属薄板 70,70’ 装飾材用基材 71 発泡樹脂層 72,72’ 絵柄層 73,73’ 保護層 74,74’ 凹凸模様 75 ワイピングインキ 76,76’ プライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中井 康夫 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2B002 AA01 BA01 BA20 BB06 DA01 DA02 2E110 AA42 AB04 AB22 AB23 BA03 BB02 BC04 CA03 DC22 GA32X GA33W GB01X GB02X GB05X GB06X GB07X GB16W GB23W GB42W GB62W 4F100 AB01B AB10B AK01E AK68 AK68G AK70 AK70G AN00 AN00G AP00 AR00C AR00E AS00E AT00A BA03 BA04 BA05 BA10A BA10C BA10E BA32E CB03 CB05 DC11E DG10D DH00 GB08 HB00 HB00E JB14E JL12C JL13E JM02B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に、金属薄板を積層して
    基板となし、該基板の前記金属薄板上に感熱型接着剤層
    を形成したことを特徴とする化粧板。
  2. 【請求項2】 前記基材と前記金属薄板との間に紙層を
    設けたことを特徴とする請求項1記載の化粧板。
  3. 【請求項3】 前記金属薄板と前記感熱型接着剤層との
    間に中間層を形成したことを特徴とする請求項1、2の
    いずれかに記載の化粧板。
  4. 【請求項4】 前記金属薄板がアルミニウムからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧
    板。
  5. 【請求項5】 前記感熱型接着剤層上にパターン状に形
    成した感圧型粘着剤層を介して離型紙が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧
    板。
  6. 【請求項6】 前記基材の他方の面に装飾材が積層され
    ていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の化粧板。
  7. 【請求項7】 前記装飾材の表出面に保護層が形成され
    ていることを特徴とする請求項6記載の化粧板。
  8. 【請求項8】 前記保護層が電離放射線硬化型樹脂で形
    成されていることを特徴とする請求項7記載の化粧板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009083283A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Dainippon Printing Co Ltd 発泡壁紙
JP2022051903A (ja) * 2018-04-26 2022-04-01 凸版印刷株式会社 床材およびその施工方法
CN115354258A (zh) * 2022-08-23 2022-11-18 徐州淮声电力工程有限公司 一种高熵合金高分子复合铺装材料及其制作方法

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