JP2002066741A - アーク溶接装置 - Google Patents

アーク溶接装置

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JP2002066741A
JP2002066741A JP2000248955A JP2000248955A JP2002066741A JP 2002066741 A JP2002066741 A JP 2002066741A JP 2000248955 A JP2000248955 A JP 2000248955A JP 2000248955 A JP2000248955 A JP 2000248955A JP 2002066741 A JP2002066741 A JP 2002066741A
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JP
Japan
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power supply
welding
tip
welding wire
arc
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JP2000248955A
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English (en)
Inventor
Keiichiro Kagawa
馨一郎 香川
柳平 ▲高▼木
Ryuhei Takagi
Hiroaki Suzuki
宏明 鈴木
Noboru Yamamoto
登 山本
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】給電チップの先端側に絶縁ガイドを設けること
によって溶接ワイヤの突き出し長さを長く保持するよう
になしたアーク溶接装置において、溶接ワイヤに対する
給電チップの給電点の位置を一定に保持してアーク溶接
を安定して行えるようにする。 【解決手段】アーク溶接装置12を、溶接トーチ本体1
8と、給電孔36を有する給電チップ14と、給電チッ
プ14からの溶接ワイヤWをガイド孔32で案内する絶
縁ガイド30と、絶縁ガイド30を内側に保持する金属
ガイド24とを含むように構成する。そしてその給電チ
ップ14における給電孔36の形状を、長手方向中間部
の変曲部を境として上側部分と下側部分とが互いに逆向
きの斜め孔36A,36Bをなす屈曲形状となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は溶接ワイヤと被溶
接母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶
接装置に関する。
【0002】
【発明の背景】従来よりこの種アーク溶接装置として、
溶接トーチ本体に給電チップを連結し、中心部のワイヤ
挿通孔を通じて溶接ワイヤを送給し、そのワイヤ挿通孔
の一部を成す給電チップの給電孔において溶接ワイヤと
給電チップとを接触させて溶接ワイヤに給電を行うよう
になしたものが一般に用いられている。
【0003】ここで従来の通常のアーク溶接装置の場
合、溶接ワイヤの自由曲りを利用して給電孔の先端と溶
接ワイヤとの接触を確保している。即ち給電点の位置を
一定に確保している。ワイヤ突き出し長さはこの給電点
からワイヤ先端までの長さで規定され、従って上記アー
ク溶接装置によればワイヤ突き出し長さを一定に保持す
ることができる。
【0004】これに対して、給電チップから送り出され
た溶接ワイヤを中心部のガイド孔において案内する絶縁
ガイドと、その絶縁ガイドを内側に保持する金属ガイド
とを備えたアーク溶接装置が提案されている。
【0005】図9はその一例を示している。同図におい
て200は給電チップで、雄ねじ部202において溶接
トーチ本体204の雌ねじ部206にねじ結合されてい
る。この給電チップ200は給電孔216を有してお
り、その給電孔216において溶接ワイヤWに接触し、
これに給電を行う。尚、208は溶接トーチ本体204
内部に挿入されたコンジットチューブである。
【0006】210は筒状をなす金属ガイドであって、
雌ねじ部212において給電チップ200の雄ねじ部2
14にねじ結合されている。この金属ガイド210の内
側には、パイプ状をなすセラミック製の絶縁ガイド21
8が保持されている。この絶縁ガイド218は中心部に
ガイド孔220を有しており、このガイド孔220にお
いて溶接ワイヤWの送給ガイドを行う。尚222は被溶
接母材を表しており、またAは溶接ワイヤWと被溶接母
材222との間に発生するアークを表している。
【0007】この図9に示すアーク溶接装置の場合、給
電チップ200の先端側に金属ガイド210及び絶縁ガ
イド218を設けることで、溶接ワイヤWの突き出し長
さを長く取ることができる。而してこのように溶接ワイ
ヤWの突き出し長さが長くなれば、その突き出した部
分、即ち溶接ワイヤWの給電チップ200との接触点
(給電点)から先端側の部分に流れる電流によって発生
する発熱量(IR)がそれだけ大きくなる。発熱量が
大となれば、アークAを発生する前に溶接ワイヤWの温
度が高くなって溶け易くなり、従って溶接ワイヤWに対
して供給するエネルギー量が少なくて済む利点が得られ
る。
【0008】しかしながら一方でこのように給電チップ
200の先端側に絶縁ガイド218を設けた場合、溶接
ワイヤWに対する給電点の位置が不安定化する不都合が
生ずる。従来の通常のアーク溶接装置では、溶接ワイヤ
の自由曲りを利用して給電点の位置を一定に保持できた
のが、給電チップ200の先端側に絶縁ガイド218を
設けることで給電チップ200から出た溶接ワイヤWが
曲ることができなくなり、この結果溶接ワイヤWと給電
チップ200との接触点(給電点)の位置が不安定化し
てしまうのである。
【0009】アーク溶接を良好に行うためには、溶接ワ
イヤWの突き出し長さ、即ち給電点の位置が一定してい
て溶接ワイヤWの突き出した部分の加熱が一定に行われ
ることが必要であり、この点において上記図9に示すア
ーク溶接装置の場合未だ不十分な点を有しているのであ
る。
【0010】そこで本発明者は給電点を安定化すべく、
図10に示しているように給電チップ200における給
電孔216を細孔径として(例えばワイヤ径1.20m
mに対して孔径を1.23mm程度とする)アーク溶接
試験を行ったが、満足すべき結果は得られなかった。
【0011】その理由は、当初においては給電孔216
が一定位置で溶接ワイヤWに接触していたとしても、溶
接ワイヤWを送給し続けるうちに給電孔216が早期に
磨耗してしまい、接触点つまり給電点が不安定化してし
まうことによる。
【0012】そこで本発明者は給電孔216を斜めの孔
とすることに着眼し、図11に示すようなアーク溶接装
置を案出した。しかしながらこのようにした場合におい
ても、給電点を安定化する上で尚十分とは言えないもの
であった。その理由については必ずしも十分明らかでな
いが、一応次のような理由によるものと考えられる。
【0013】即ち、給電孔216先端と溶接ワイヤWと
の確実な接触を確保しようとすると、給電孔216をあ
る程度急角度の斜め孔とせざるを得ないが、このように
すると溶接ワイヤWを送給する際に給電孔216の部分
で局部的に大きな抵抗力が働いてしまって、溶接ワイヤ
Wを円滑に送ることができなくなるとともに、溶接ワイ
ヤWは一定の剛性を有しているため、給電孔216先端
が磨耗することによって溶接ワイヤWに対して給電孔2
16先端を接触させる強制力が漸次弱まるといったこと
が考えられる。
【0014】更にまた溶接ワイヤWが給電孔216の部
分で急激に曲げられることから、給電孔216より先端
側の部分(溶接ワイヤの)がセラミック製の絶縁ガイド
218に強く当って、場合によりその力が強過ぎると絶
縁ガイド218が割れてしまうといった不都合を生ず
る。
【0015】一方このような不都合を是正しようとして
給電孔216の傾斜角度を小さくすると、今度は給電孔
216と溶接ワイヤWとの接触が不安定化してしまう。
即ち図9に示す従来の通常の給電孔216に近いものと
なってしまう。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のアーク溶接装置
はこのような課題を解決するために案出されたものであ
る。而して請求項1のものは、(イ)溶接トーチ本体
と、(ロ)該溶接トーチ本体に連結されるとともに先端
部に給電孔を有し、該給電孔を挿通する溶接ワイヤと接
触して給電を行う給電チップと、(ハ)該給電チップか
ら送り出される該溶接ワイヤを中心部のガイド孔におい
て案内する絶縁ガイドと、(ニ)該絶縁ガイドを内側に
保持する金属ガイドと、を備え、該溶接ワイヤ先端と被
溶接母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク
溶接装置であって、前記給電チップにおける前記給電孔
の形状を、長手方向中間部の変曲部を境として上側部分
と下側部分とが互いに逆向きの斜め孔をなす屈曲形状と
なしたことを特徴とする。
【0017】請求項2のものは、請求項1において、前
記給電孔が全体としてくの字形状をなしていることを特
徴とする。
【0018】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
において、前記給電孔が前記給電チップの実質的に全長
に亘って形成されていることを特徴とする。
【0019】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記給電孔の屈曲形状が前記給電チップに送
られて来る溶接ワイヤ自身の有する曲りに沿って屈曲す
るように、該給電チップの軸心回りの回転方向位置が定
めてあることを特徴とする。
【0020】請求項5のものは、(イ)溶接トーチ本体
と、(ロ)端部に筒状の雄ねじ部を有し、該雄ねじ部と
前記溶接トーチ本体の雌ねじ部とのねじ結合により該溶
接トーチ本体に連結されるとともに、先端部に給電孔を
有し、該給電孔を挿通する溶接ワイヤと接触して給電を
行う給電チップと、を備え、該溶接ワイヤ先端と被溶接
母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接
装置であって、前記給電チップには前記溶接トーチ本体
との連結側端部にすり割部が設けてあって、該すり割部
の間に塑性変形部が形成されている一方、前記溶接トー
チ本体には前記雄ねじ部のねじ込時に該塑性変形部を変
形させるテーパ部が設けてあり、該雄ねじ部のねじ込み
により塑性変形した該塑性変形部と該テーパ部との間に
回転方向の抵抗力を発生させるようになしてあることを
特徴とする。
【0021】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1のアーク
溶接装置は、給電チップにおける給電孔の形状を、長手
方向中間部の変曲部を境として上側部分と下側部分とが
互いに逆向きの斜め孔をなす屈曲形状となしたもので、
本発明によれば、図11に示すアーク溶接装置のように
給電孔216が単に一方向にのみ斜め孔をなしている場
合に比べて、給電孔と溶接ワイヤとの確実な接触を確保
でき且つその接触点(給電点)の位置を一定に保持する
ことができる。これにより溶接ワイヤの突き出し長さを
長く保持しつつアーク溶接を良好に行えるようになる。
また溶接ワイヤの突き出し長さが長いことから、少ない
エネルギー供給でアーク溶接を行うことができる。
【0022】また本発明では、図11に示すアーク溶接
装置のように一方向の斜め孔(給電孔)だけで溶接ワイ
ヤに無理な曲げ力を加える必要がないため(互いに逆向
きの一対の斜め孔にて溶接ワイヤを曲げることができる
ため)、短い距離範囲で溶接ワイヤの送給に対して局部
的に大きな抵抗力を発生させてしまうといったことがな
い。即ち溶接ワイヤに対する送給の抵抗力を小さくし得
て、溶接ワイヤを円滑に送給することができる。
【0023】本発明においては、上記給電孔における上
側部分と下側部分とを必ずしも直線的な形状としなくて
も良く、多少湾曲した形状となしておくことも可能であ
る。但し本発明においては、上記給電孔を全体としてく
の字形状に形成することができる(請求項2)。
【0024】更にまた上記給電孔は、給電チップの実質
的に全長に亘って形成しておくことができる(請求項
3)。このようにすれば、より広い長さ範囲に亘って溶
接ワイヤを形状拘束することができ、給電点の位置をよ
り確実に一定に保持することができるとともに、給電孔
による溶接ワイヤの送給抵抗を広い範囲に亘って分散さ
せることができ、溶接ワイヤの送給をより円滑化するこ
とができる。
【0025】請求項4のものは、上記給電孔が給電チッ
プに対して送られて来る溶接ワイヤ自身の有する曲りに
沿って屈曲するように給電チップの軸心回りの回転方向
位置を定めたもので、このようにすることで、溶接ワイ
ヤを更に円滑に給電孔を通じて送給することができる。
【0026】ところで請求項4に従って給電チップの軸
心回りの回転方向位置を定めるに当り、そのための手段
が問題となる。例えば給電チップの雄ねじ部と溶接トー
チ本体の雌ねじ部とをねじ結合させるようになした場
合、給電チップの回転方向位置を所望の任意の位置に位
置決めするといったことができない。
【0027】ここにおいて請求項5のアーク溶接装置
は、給電チップに塑性変形部を設ける一方、溶接トーチ
本体側に対応するテーパ部を設け、給電チップの雄ねじ
部をねじ込む際に塑性変形部をねじ込力で塑性変形させ
てテーパ部との間に回転方向の抵抗力を発生させるよう
になしたもので、このようにしておけば、溶接トーチ本
体に対する給電チップの回転方向位置を、雄ねじ部と雌
ねじ部とのねじ結合にも拘わらず所望の任意の回転方向
位置に位置決めすることができる。
【0028】尚この請求項5の発明は、上記図10,図
11に示すような絶縁ガイドを有する形態のアーク溶接
装置への適用のみならず、溶接ワイヤの自由曲りを利用
して給電を行う従来の通常のアーク溶接装置や、溶接ワ
イヤを挿通したパイプを軸直角方向に移動させることで
溶接ワイヤを給電チップの給電孔に強制接触させる強制
給電式のアーク溶接装置その他各種の溶接装置に適用す
ることが可能である。
【0029】給電チップにおける給電点、即ち給電孔に
おける溶接ワイヤとの接触点は、溶接ワイヤの送給を続
けるうちに段々と磨耗して来る。そしてその磨耗が大き
く進むことによって、溶接ワイヤとの接触が確保できな
くなってしまう。そのような状態になると、それ以上同
じ給電チップを使うことができなくなる。即ち給電チッ
プが使用寿命に達する。
【0030】しかるに本発明に従って給電チップの回転
角度位置を変化させることができれば、給電孔における
軸心回りの別の箇所を新たな給電点として用いることが
でき、その使用寿命を効果的に延長することが可能とな
る。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1においてWは溶接ワイヤで、10はコイ
ル状に巻かれた溶接ワイヤWを溶接部へと供給するワイ
ヤ送給装置である。12は本例のアーク溶接装置で、給
電チップ14を有している。
【0032】給電チップ14は上端側に雄ねじ部16を
有しており、この雄ねじ部16が、溶接トーチ本体18
の下端側の雌ねじ部20にねじ結合されている。尚、2
2は溶接トーチ本体18内部に挿入されたコンジットチ
ューブである。
【0033】24は筒状をなす金属ガイドで、図中上端
側に雌ねじ部26を有しており、この雌ねじ部26にお
いて給電チップ14の下端側の雄ねじ部28にねじ結合
されている。金属ガイド24の内側にはパイプ状をなす
セラミック製の絶縁ガイド30が保持されている。
【0034】この絶縁ガイド30は中心部にガイド孔3
2を有しており、このガイド孔32において溶接ワイヤ
Wを案内するようになっている。尚、34は被溶接母材
であり、Aは溶接ワイヤWと被溶接母材34との間に発
生したアークを表している。
【0035】図3及び図4に示しているように、給電チ
ップ14にはその中心部に実質的に全長に亘って給電孔
36が形成されている。給電孔36は、図2の模式図に
示しているようにくの字形状をなしており、図中上側部
分の斜め孔36Aと下側部分の斜め孔36Bとが、長手
方向中間部の変曲部を境として互いに逆向きに傾斜した
形態をなしている。
【0036】尚本例ではワイヤ径1.20mmに対し
て、図中上側部分の斜め孔36Aが1.80mmの孔径
で且つ2°の傾斜角度で形成されている。一方下側部分
の斜め孔36Bについては孔径1.30mmで傾斜角度
が2°とされている。即ち上側部分の斜め孔36Aと下
側部分の斜め孔36Bとはその孔径が若干異ならせてあ
る。但し軸方向長さについては何れも13mmで同じで
ある。尚38は給電孔36における下端の開口を表して
いる。
【0037】給電チップ14における溶接トーチ本体1
8との連結側端部には円筒部が形成されていて、その円
筒部に図5(I)に詳しく示しているように十字状のす
り割部40が形成されている。そしてこれら円筒部にお
けるすり割部40と40との間の部分が塑性変形部42
とされている。
【0038】一方溶接トーチ本体18には、これら塑性
変形部42に対応するテーパ部44が形成されており、
図5(II),(III)に示しているように給電チップ14
の雄ねじ部16を溶接トーチ本体18の雌ねじ部20に
ねじ込む際に、そのテーパ部44によって塑性変形部4
2が強制的に曲げ変形させられるようになっている。曲
げ変形した塑性変形部42はテーパ部44との間に回転
方向の大きな抵抗力を発生させる。そしてその抵抗力に
基づいて給電チップ14を軸心回りの所望の任意の回転
方向位置に位置決作用する。
【0039】本例のアーク溶接装置12では、給電チッ
プ14における雄ねじ部16を溶接トーチ本体18の雌
ねじ部20にねじ込んでこれを溶接トーチ本体18に連
結する。その際くの字形状をなす給電孔36が図1に示
す向き、即ちくの字状に屈曲した形状をなす給電孔36
が、溶接ワイヤW自身の有する曲率の大きな曲りに沿う
ように給電チップ14の回転方向位置を定める。このと
き上記塑性変形部42とテーパ部44との作用によっ
て、給電チップ14を図1に示す回転角度位置に位置規
定することができる。
【0040】而してその状態で図1及び図3に示してい
るように溶接ワイヤWをアーク溶接装置12中心部のワ
イヤ挿通孔に挿通すると、溶接ワイヤWが給電チップ1
4におけるくの字屈曲形状の給電孔36において強制的
に曲げられ、そしてその強制的な曲げ変形作用によっ
て、給電孔36の下端開口38の縁部と溶接ワイヤWと
の接触が確保される。即ちくの字形状に屈曲した給電孔
36によって、溶接ワイヤWに対する給電チップ14の
給電点が一定位置に保持される。
【0041】かかる本例のアーク溶接装置12によれ
ば、給電孔36が互いに逆向きの斜め孔36A,36B
が変曲部で交差するくの字屈曲形状をなしていることか
ら、図11に示すアーク溶接装置のような給電孔216
が単に一方向にのみ斜め孔をなしている場合に比べて、
給電孔36と溶接ワイヤWとの確実な接触を確保でき且
つその接触点(給電点)の位置を一定に保持することが
できる。これにより溶接ワイヤWの突き出し長さを長く
保持しつつアーク溶接を良好に行うことができる。また
溶接ワイヤWの突き出し長さが長いことから、少ないエ
ネルギー供給でアーク溶接を行うことができる。また本
例によれば、溶接ワイヤWに対する送給の抵抗力を小さ
くでき、溶接ワイヤWを円滑に送給することができる。
【0042】図6は本発明の他の実施例を示している。
この例は上記実施例における絶縁ガイド30及び金属ガ
イド24を有しない形態のアーク溶接装置12の例であ
って、45は溶接トーチ本体、46は給電チップであ
る。給電チップ46は、図中上端側に円筒形状の雄ねじ
部48を有しており、この雄ねじ部48がテーパ形状を
なす溶接トーチ本体45の雌ねじ部50にねじ結合され
ている。
【0043】給電チップ46の雄ねじ部48とは反対側
の端部には給電孔52が形成されており、この給電孔5
2を溶接ワイヤWが挿通し且つその給電孔52内面に接
触して給電を受けるようになっている。溶接トーチ本体
45及び給電チップ46内部にはパイプ54が挿入され
ており、このパイプ54の内部を溶接ワイヤWが挿通し
ている。この例のアーク溶接装置12は強制給電式のも
のであって、パイプ54を図中例えば右方向に移動させ
ることで、溶接ワイヤWを給電孔52の右内側面に強制
接触させ給電を行う。
【0044】図6の部分拡大図に示しているように、円
筒形状をなす雄ねじ部48にはすり割部56が形成され
ており、このすり割部56によって雄ねじ部48が2つ
割構成とされている。本例では、雄ねじ部48の分割体
48Aが塑性変形部として構成されている。
【0045】即ち、雄ねじ部48を雌ねじ部50にねじ
込むとテーパ作用によって各分割体48Aが塑性変形
し、溶接トーチ本体45側のテーパ部、即ちテーパ形状
の雌ねじ部50との間に回転方向の大きな抵抗力を発生
させる。そしてこれにより給電チップ46の回転方向位
置を規定する。
【0046】本例のアーク溶接装置12の場合、次のよ
うな利点を有する。即ち、アーク溶接に際して溶接ワイ
ヤWを送給し、且つこれをパイプ54によって給電孔5
2の例えば図中右内側面に強制接触させると、当初図7
(I)に示しているように円形をなしていた給電孔52
が、右内側面の磨耗によって図7(II)に示すように図
中右方向に広がって行く。
【0047】そしてその広がりがある一定の広がりにな
ったところで、従来では給電チップ46が使用寿命に達
するが、本例によれば図7(III)に示しているように
給電チップ46を例えば90°図7中時計方向に回転さ
せることで、磨耗を生じていない給電孔52の他の内側
面を給電部として働かせることができる。
【0048】そして更にその新たな給電部となった内側
面が磨耗したところで、図7(IV)に示しているように
更にこれを90°回転させる。そしてその状態で一定時
間使用した後、図7(V)に示しているように再びこれ
を90°回転させてこれを更に使用し続けることができ
る。即ち本例によれば、例えば従来使用寿命が2時間で
あったのがその4倍の8時間まで使用寿命を延ばすこと
ができる。
【0049】図8は本発明の更に他の実施例を示してい
る。この例はワイヤの自由曲りによって給電を行う通常
給電式のアーク溶接装置12の例である。同図において
58は給電チップであって雄ねじ部60を有しており、
この雄ねじ部60が溶接トーチ本体62の雌ねじ部64
にねじ結合されている。ここで給電チップ58は中心部
に給電孔66を有しており、この給電孔66において溶
接ワイヤWに対する給電を行う。
【0050】給電チップ58には、上記第1の実施例と
同様の塑性変形部42が形成されている。また一方溶接
トーチ本体62には対応するテーパ部44が形成されて
おり、それら塑性変形部42とテーパ部44との作用に
よって、給電チップ58のねじ込みの際の回転方向位置
を規定できるようになっている。この図8に示すアーク
溶接装置12においても、図6及び図7の実施例と同様
の効果を奏することができる。
【0051】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるアーク溶接装置を示す
図である。
【図2】同じ実施例のアーク溶接装置を模式的に示した
図である。
【図3】同じアーク溶接装置における給電チップとその
周辺部を拡大して示す図である。
【図4】図3に示した要部を各部材に分解して示す図で
ある。
【図5】図3における塑性変形部とテーパ部との作用を
示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施例のアーク溶接装置の要部を
示す図である。
【図7】同じ実施例のアーク溶接装置の作用説明図であ
る。
【図8】本発明の更に他の実施例のアーク溶接装置の要
部を示す図である。
【図9】本発明の背景説明のために示した比較例図であ
る。
【図10】図9とは異なる比較例を示す比較例図であ
る。
【図11】図9及び図10とは異なる比較例を示す比較
例図である。
【符号の説明】
12 アーク溶接装置 14,46,58 給電チップ 18,45,62 溶接トーチ本体 24 金属ガイド 30 絶縁ガイド 32 ガイド孔 34 被溶接母材 36,52,66 給電孔 36A,36B 斜め孔 40,56 すり割部 42 塑性変形部 44 テーパ部 48 雄ねじ部 48A 分割体(塑性変形部) 50 雌ねじ部(テーパ部) W 溶接ワイヤ A アーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 宏明 愛知県名古屋市南区大同町5丁目6−2 (72)発明者 山本 登 愛知県名古屋市西区円明町51

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)溶接トーチ本体と、(ロ)該溶接トー
    チ本体に連結されるとともに先端部に給電孔を有し、該
    給電孔を挿通する溶接ワイヤと接触して給電を行う給電
    チップと、(ハ)該給電チップから送り出される該溶接
    ワイヤを中心部のガイド孔において案内する絶縁ガイド
    と、(ニ)該絶縁ガイドを内側に保持する金属ガイド
    と、を備え、該溶接ワイヤ先端と被溶接母材との間にア
    ークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置であって、 前記給電チップにおける前記給電孔の形状を、長手方向
    中間部の変曲部を境として上側部分と下側部分とが互い
    に逆向きの斜め孔をなす屈曲形状となしたことを特徴と
    するアーク溶接装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記給電孔が全体と
    してくの字形状をなしていることを特徴とするアーク溶
    接装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記給
    電孔が前記給電チップの実質的に全長に亘って形成され
    ていることを特徴とするアーク溶接装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記給
    電孔の屈曲形状が前記給電チップに送られて来る溶接ワ
    イヤ自身の有する曲りに沿って屈曲するように、該給電
    チップの軸心回りの回転方向位置が定めてあることを特
    徴とするアーク溶接装置。
  5. 【請求項5】(イ)溶接トーチ本体と、(ロ)端部に筒状
    の雄ねじ部を有し、該雄ねじ部と前記溶接トーチ本体の
    雌ねじ部とのねじ結合により該溶接トーチ本体に連結さ
    れるとともに、先端部に給電孔を有し、該給電孔を挿通
    する溶接ワイヤと接触して給電を行う給電チップと、を
    備え、該溶接ワイヤ先端と被溶接母材との間にアークを
    発生させて溶接を行うアーク溶接装置であって、 前記給電チップには前記溶接トーチ本体との連結側端部
    にすり割部が設けてあって、該すり割部の間に塑性変形
    部が形成されている一方、前記溶接トーチ本体には前記
    雄ねじ部のねじ込時に該塑性変形部を変形させるテーパ
    部が設けてあり、該雄ねじ部のねじ込みにより塑性変形
    した該塑性変形部と該テーパ部との間に回転方向の抵抗
    力を発生させるようになしてあることを特徴とするアー
    ク溶接装置。
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