JP2002065262A - アゾ染料還元分解酵素、アゾ染料還元分解酵素をコードする遺伝子、組換えベクター、形質転換体、アゾ染料還元分解酵素の製造方法、アゾ染料含有排水の処理方法、及び捺染方法 - Google Patents

アゾ染料還元分解酵素、アゾ染料還元分解酵素をコードする遺伝子、組換えベクター、形質転換体、アゾ染料還元分解酵素の製造方法、アゾ染料含有排水の処理方法、及び捺染方法

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JP2000252388A
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Wataru Sugiura
渉 杉浦
Sadahiko Suzuki
定彦 鈴木
Masaharu Fuchigami
正晴 淵上
Tadashi Yokoyama
正 横山
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Osaka Prefecture
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Osaka Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 難分解性のアゾ染料を分解できるアゾ染料還
元分解酵素(AZR)と、該AZRをコードする遺伝子
と、該遺伝子を含んだ組換えベクターと、該組換えベク
ターを有する形質転換体と、該形質転換体を培養するこ
とによりAZRを製造する方法と、AZR又は形質転換
体を用いた排水処理方法の提供。 【解決手段】 BacillusOY1−2(FERM
BP−5261)に由来する特定なアミノ酸配列のA
ZRと、合成に由来する特定な核酸配列の該AZRをコ
ードする遺伝子と、該遺伝子を含む組換えベクターと、
該組換えベクターにより形質転換を行うことにより得ら
れ、効率的にAZRを産生することができる菌株E.c
oliGI618/pAZR(FERM BP−714
2)と、かかるAZRを使用することにより、排水中の
難分解性のアゾ染料を分解する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難分解性のアゾ染
料を分解することができるアゾ染料還元分解酵素(以
下、「AZR」という。)と、該AZRをコードする遺
伝子と、該遺伝子を含んだ組換えベクターと、該組換え
ベクターを有する形質転換体と、該形質転換体を培養す
ることによりAZRを製造する方法と、AZR又は形質
転換体を用いた排水処理方法及び捺染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アゾ染料は有機系の染色剤として非常に
構造的に種類に富んだ特徴を有している。このような合
成アゾ染料は、繊維、食品、化粧品分野等の幅広い各種
分野で染料として広く用いられており、現在、全世界で
年間7万トン以上生産されている。そして、従来より、
アゾ染料を含んだ排水は、繊維工業、食品工業、化粧品
工業や染料製造工業の工場等から環境中へ放出されてい
る。しかし、アゾ染料は比較的安定で、好気性の条件下
では容易に分解されないことから、汚水処理施設の流水
中よりしばしば化学的に変化していない状態で検出され
る。よって、アゾ染料は環境中では水質汚濁物質と考え
られている。
【0003】このように排水中から難分解性のアゾ染料
を除去して、汚水処理システムにおいて排水からアゾ染
料による着色を除く方法として、従来より主に物理的又
は化学的方法が行われている。しかしながら、これらの
方法は設備等が高価であったり、また、処理コストが高
かったり、副産物の産生によりかえって処理が困難にな
ったり、更には処理のために集中的なエネルギーが必要
という問題点があった。そこで、従来の物理的、化学的
方法以外に、低コストで、環境に影響を与えることな
く、容易にアゾ染料を分解除去することができる方法が
求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、難分解性のアゾ染料を分解す
ることができるAZRと、該AZRをコードする遺伝子
と、該遺伝子を含んだ組換えベクターと、該組換えベク
ターを有する形質転換体と、該形質転換体を培養するこ
とによりAZRを製造する方法と、AZR又は形質転換
体を用いた排水処理方法及び捺染方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】過去に本発明者らは、微
生物によるアゾ染料の脱色に着目し、染色廃液その他の
試料からアゾ系染料を脱色する微生物を見出すべく検索
を行った結果、バチルス属に属する菌株バチルス(Ba
cillus)OY1−2(受託番号;FERM BP
−5261号、以下、単に「菌株OY1−2」とい
う。)がアゾ染料を脱色することを見つけ出し、出願を
している(特許第2086076号公報)。また、菌株
OY1−2由来のAZRについて、その一部のアミノ酸
配列について報告しているが、その全アミノ酸配列につ
いては不明であった(特開平8−13360号公報)。
【0006】そこで、本発明者らは、従来の物理的、化
学的処理に代わり、かかる微生物を用いたアゾ染料の生
物学的分解による排水処理を可能にするため、上記菌株
OY1−2及び菌株OY1−2由来のAZRについて鋭
意検討した。その結果、上記菌株OY1−2由来のAZ
Rの全アミノ酸配列を決定すると共に、上記菌株OY1
−2からAZRをコードする遺伝子を単離し、これをベ
クターに組み込むことにより得られる形質転換体が効率
的にAZRを産生することを見出して、本発明を完成す
るに至った。
【0007】本第1発明のAZRは、(a)配列表の配
列番号1に記載のアミノ酸配列を有することを特徴とす
る。本第1発明のAZRにより分解される「アゾ染料」
は、ベンゼンアゾ系、ナフタレンアゾ系、複素環アゾ系
等、アゾ結合を有する染料の全てが含まれる。そして、
本第1発明のAZRによれば、上記アゾ染料のアゾ結合
を非特異的に還元的に開裂分解して無色の芳香族アミン
に分解することができる。尚、本第1発明のAZRによ
る還元分解は、完全に無色とするのが好ましいが、還元
分解の結果、完全に無色でなくても、元のアゾ染料より
も色調が薄まっていれば、還元分解に含まれる。
【0008】また、本第1発明のAZRは、通常は
(a)配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
るが、本第2発明に示すように、(b)配列番号1に記
載のアミノ酸配列において1以上のアミノ酸が欠失、置
換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、且つアゾ染
料を還元分解することができるものであってもよい。こ
の場合、上記配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する
AZRとのアミノ酸の相同性は、通常は50%以上、好
ましくは60%以上、更に好ましくは80%以上、最も
好ましくは90%以上である。尚、本第1発明又は本第
2発明のAZRは、上記(a)又は(b)のアミノ酸配
列を有していれば、菌体等から分離精製された天然由来
のものでもよく、また、人工的に合成されたり、あるい
は組換えDNAにより他の宿主微生物、あるいは宿主細
胞等から得られる組換え体でもいい。
【0009】本第1発明及び第2発明のAZRは、下記
の実施例の記載した方法により培養、精製分離すること
により得られる。本第1発明及び第2発明のAZRは、
以下のような性質を通常有する。 〔酵素の性質〕 (1)酸化還元反応に関係する酵素である。 (2)菌体内で生産される酵素である。 (3)酵素の生産時期は、定常期前期に産生される。 (4)アゾ基を2個のアミン基にまで還元する。 (5)この酵素による反応には補酵素として、NADP
H(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド−リン
酸)、又はNADH(ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド−水素化物)が必要である。 (6)この酵素の至適pHはpH7.5で反応する。 (7)至適温度は50℃である。20〜70℃は安定で
ある。通常30〜80℃、好ましくは40〜70℃、更
に好ましくは40〜60℃、最も好ましくは40℃〜5
5℃である。 (8)pHの安定性はpH4〜10で安定である。 (9)温度に対して70℃まで安定であるから、耐熱性
を持っている。この温度において安定性を持つので、保
存、腐敗に強いものである。また、65℃で殺菌が可能
である。 (10)エタノール、アセトンに安定である。そして、
酵素をエタノール、アセトンで抽出することができるの
で、工業化には有利である。 (11)菌体内酵素であるので、細胞膜を破壊して酵素
を溶出(抽出)するために超音波処理、リゾチーム処理
ができる。 (12)公知のSDS−PAGE法により測定した分子
量が通常15〜25キロダルトン、好ましくは18〜2
3キロダルトン、更に好ましくは19〜21キロダルト
ンである。 (13)三量体を形成してアゾ染料の還元分解作用を奏
する場合がある。
【0010】本第3発明の遺伝子は、請求項1又は2に
記載のアゾ染料還元分解酵素をコードすることを特徴と
する。尚、本明細書において「遺伝子」には、ハイブリ
ダイゼーション用プローブや、あるいはPCR用プライ
マーのように、直接翻訳されてAZRを産生する用途以
外の用途に使用するものも含む。
【0011】本第3発明の遺伝子は、(a)配列番号1
に記載のアミノ酸配列を有するAZR、又は(b)上記
配列番号1に記載のアミノ酸配列において1以上のアミ
ノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有
し、且つアゾ染料を還元分解することができる酵素をコ
ードするものであれば、その核酸配列には限定はない。
通常は、本第4発明に示すように、配列表の配列番号2
に記載の核酸配列を有しているが、その他、配列表の配
列番号2に記載の核酸配列と50%以上、好ましくは6
0%以上、更に好ましくは80%以上、最も好ましくは
90%以上の相同性を有し、且つアゾ染料を還元分解す
ることができる酵素をコードするものでもよい。
【0012】本第3発明及び第4発明の遺伝子は、微生
物等から得られる天然起源のものを分離精製したものの
他、本第3発明及び第4発明の遺伝子の核酸配列とハイ
ブリダイズするプローブを調製し、これを用いてポリメ
ラーゼ連鎖反応法(以下、「PCR法」という。)によ
り調製する等の方法により、人工的に合成したものでも
よい。通常は、本第5発明に示すようにバチルス属起源
であり、その中でも、本第6発明に示すように、バチル
ス属に属する菌株である菌株OY1−2(受託番号;F
ERM BP−5261号)起源のものが好ましい。
【0013】本第7発明の組換えベクターは、上記第3
発明乃至第6発明のいずれかに記載の遺伝子を含むこと
を特徴とする。本第7発明において組換えベクターを調
製するために用いることができるベクターには特に限定
はなく、プラスミドベクター、バクテリオファージベク
ター等が挙げられるが、通常は本第8発明に示すよう
に、pUC118、pUC119、pTrx−Fus等
のプラスミドベクターが用いられ、特に、本第9発明に
示す組換えベクターpTrx−AZRを得るために導入
されるプラスミドベクターであるpTrx−Fus等が
挙げられる。本第7発明乃至第9発明の組換えベクター
は、上記ベクターDNAに制限酵素、例えばEcoRI
やNdeI、XbaI等を作用させて消化し、得られた
DNA断片に上記第3発明乃至第6発明のいずれかに記
載のDNAを組み込んで、T4リガーゼ等の公知の方法
で連結することにより得ることができる。
【0014】本第10発明の形質転換体は、上記第7発
明乃至第9発明のいずれかに記載の組換えベクターを導
入して形質転換したものであることを特徴とする。本第
10発明において、宿主については特に限定はないが、
通常は本第11発明に示すように、微生物を宿主として
形質転換を行う。このような微生物としては、例えば、
大腸菌(E.coli)、枯草菌(B.subtili
s)等が挙げられる。このようにして得られた形質転換
体としては、本第12発明に示すように、組換えベクタ
ーpTrx−AZR等の組換えベクターを大腸菌(E.
coli)GI618に公知の方法により導入して形質
転換を行い得られた形質転換微生物である大腸菌(E.
coli)GI618/pAZR(受託番号;FERM
BP−7142号、以下、単に「GI618/pAZ
R」という。)は、AZR産生能力に優れているので好
ましい。
【0015】本第13発明のアゾ染料還元分解酵素の製
造方法は、本第10発明乃至第12発明のうちのいずれ
かに記載の形質転換微生物を培地で培養し、培養物より
アゾ染料還元分解酵素を採取することを特徴とする。本
第13発明の方法により製造されるAZRは、アゾ染料
還元分解作用を有し、通常は、(a)配列表の配列番号
1に記載のアミノ酸配列を有しているが、その他、
(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1以上
のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配
列を有し、且つアゾ染料を還元分解することができる酵
素も含まれる。この場合、本第13発明に示すように、
上記(b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1
以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ
酸配列と、上記(a)配列番号1に記載のアミノ酸配列
を有するAZRとのアミノ酸の相同性は、通常50%以
上、好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以
上、最も好ましくは90%以上である。
【0016】本第13発明のAZRの製造方法における
条件については、AZRを製造することができる限り、
特に限定はなく、種々の条件により行うことができる
が、通常は次のような方法により行われる。即ち、上記
形質転換微生物GI618/pAZRを、ID培地(1
リットルあたり「カザアミノ酸」〔Difco社製〕;
0.4g、グルコース;5g、MgCl2;1mM、N
2HPO4;6g、KH2PO4;3g、NaCl;0.
5g含む)200mlに接種して、30℃、5時間培養
し、次いで、終濃度が0.1g/lとなるようにトリプ
トファンを添加した上記ID培地で30℃、4時間培養
する。これに20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)を20ml添加した後、集菌して菌体懸濁液を
調製し、これを−80℃での凍結し、37℃で融解した
後、超音波処理(1サイクル3.5W、15秒、10サ
イクル繰り返す)を行って菌体を破砕する。そして、破
砕後の菌体懸濁液を4℃、9000gで30分間遠心分
離し、その上清を「RedセファロースCL−6B」
(アマーシャム・ファルマシア社製、カラムサイズ;直
径1.0cm×長さ2.0cm)に添加し、次いで20
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)20mlを
添加して、上記「RedセファロースCL−6B」の洗
浄を行い、その後、溶離液である10mMのNADHを
10ml添加することにより、組換えAZRをカラムか
ら流出させることにより得られる。
【0017】上記AZRは、アゾ染料を還元分解するこ
とができるので、アゾ染料の分解が必要とされる様々な
分野に適用することができる。例えば、第14発明に示
すように、上記第1発明又は第2発明に記載のAZR
や、本第16発明に示すように、上記第13発明に記載
のAZRの製造方法により得られたAZRをアゾ染料含
有排水に添加したり、第15発明に示すように、上記第
10発明乃至第12発明のいずれかに記載の形質転換体
を適用することにより、アゾ染料含有排水の処理を行う
ことができる。
【0018】本第14発明乃至第16発明の各アゾ染料
含有排水の処理方法によれば、従来の物理的、化学的方
法と比較して、低コストで、環境に影響を与えることな
く、排水中から難分解性のアゾ染料を容易に分解除去す
ることができる。本第14発明乃至第16発明におい
て、アゾ染料含有排水を処理するために、上記形質転換
体又はAZRを排水に適用する方法については特に限定
はなく、上記形質転換体又はAZRを適当な担体に固定
したバイオリアクターに排水を通したり、あるいは、上
記形質転換体又はAZRを排水に直接添加することによ
り適用することができる。また、本第14発明乃至第1
6発明の各アゾ染料含有排水の処理方法における排水処
理条件についても、排水中のアゾ染料を還元分解するこ
とができる限り、特に限定はない。
【0019】その他、本第17発明乃至本第19発明に
示すように、染色基材上に、アゾ系染料と、上記第1発
明又は第2発明に記載のアゾ染料還元分解酵素や、上記
第13発明に記載のアゾ染料還元分解酵素の製造方法に
より得られたアゾ染料還元分解酵素のうちの少なくとも
該酵素を含む液若しくは糊剤、又は上記第10発明乃至
第12発明のうちのいずれかに記載の形質転換体を含む
液若しくは糊剤を所望形状に塗布し、その後、該酵素を
作用させて上記アゾ系染料による着色を消失若しくは低
減させて捺染を行うこともできる。
【0020】本第17発明乃至本第19発明の各捺染方
法によれば、脱色に還元剤又はアルカリ等の化学剤を使
用する必要がないので、染料の制約が少なく、基材の痛
みも少ない上、色境界部分のにじみが少ないため細かく
て複雑な模様の作成が可能で、鮮やかな色を有する着色
抜染が可能で、更にぼかし模様も容易に作成できる。
尚、本第17発明乃至本第19発明の各捺染方法の捺染
条件については、アゾ染料を還元分解できる限り特に限
定はなく、温度、pH及び処理時間等を種々選択するこ
とにより、完全に抜染するだけでなく、ぼかし模様(色
違い模様)とすることができるし、この両者を組み合わ
せることにより、更に複雑且つ美観に優れた模様を作成
することもできる。
【0021】本第17発明乃至第19発明の各捺染方法
としては、例えば、アゾ系染料により染色された染色基
材上に、アゾ系染料及び上記AZR又は形質転換体を作
用させることにより行われる。その他、アゾ系染料及び
非アゾ系染料により染色された複合染色基材上に、アゾ
系染料及び上記AZR又は形質転換体を作用させたり、
あるいは、染色されていない基材若しくは非アゾ系染料
により染色された染色基材上に、アゾ系染料及び上記A
ZRや形質転換体を作用させて行うこともできる。尚、
染色基材上に適用される上記「アゾ系染料」には、非ア
ゾ系染料を含んでいてもよい。また、本第17発明乃至
第19発明において「捺染」とは、直接捺染(白地或い
は地染の生地に模様をプリントするもの)、抜染[地染
の生地に模様をつけるもの(白色抜染、着色抜染及び半
抜染を含む。)]及び防染(染色を阻害するもので模様
を書き、染めるもの)を含む。
【0022】また、本第17発明乃至第19発明におけ
る上記「基材」は、アゾ系染料等にて染色可能のもので
あれば良く、通常は、織布(繊維材料種、織り方等は問
わない。)等であるが、これに限らず、不織布、紙、樹
脂シート等であってもよい。更に、本第17発明乃至第
19発明において、所定の酵素を含む液(染料の含有の
有無は問わない。染料を含む場合は着色液となる。)、
所定の酵素及び糊成分を含む糊剤(染料の含有の有無は
問わないし、液状、ペースト状等の形態も問わない。染
料を含む場合は色糊剤となる。)を所定の基材上に塗布
する方法は、特に限定されず、例えば、型紙印捺方式、
インクジェット方式、手書き方式、ローラー印捺方式、
スクリーン印捺方式等の所望の塗布方法とすることがで
きる。この糊剤は、通常、直接捺染に用いられ、これに
含まれる上記糊成分としては、でんぷん類(小麦でんぷ
ん等)、化工でんぷん(ブリティッシュガム等)、化工
天然ガム(ローカストビーンガム等)、アルギン酸ナト
リウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、合成
糊料(ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等)等を
用いることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施例及
び比較例を挙げて具体的に説明する。 (1)菌株OY1−2由来の天然AZRの調製及びN末
端のアミノ酸配列の決定 500mlの坂口フラスコに、乾燥(普通)ブイヨン
(日水製薬製)200ml及びアゾ系染料(商品名「R
occelline NS conc.120%」 住
友化学株式会社製)0.02%を添加し、次いで菌株O
Y1−2(受託番号;FERM BP−5261号)を
接種して38℃で48時間振盪培養し、その培養液を遠
心分離(3000g、20分間)して菌体を集めた。そ
して、該菌体を0.1Nリン酸緩衝液(pH7.0、
1.0mM ジチオトレイトール)で洗浄後、遠心分離
(5000g、10分間)して菌体の懸濁液を調製し
た。
【0024】次に、上記菌体の懸濁液に、超音波破砕装
置により200W、15分間(30秒間隔)下にて超音
波を照射して、酵素のリゾチームにより細胞膜を破壊
し、その後、該菌体の懸濁液を遠心分離(12000
g、60分間)にかけて、上清液であるAZRを含む酵
素液を得た。更に、該酵素液に硫酸アンモニウム液(硫
酸アンモニウム濃度40%)を加えて懸濁液とし、透析
液を、以下の、、及びのクロマトグラフィー処
理を順次行って、菌株OY1−2由来の天然AZRを精
製した。 DEAE−セファロース CL−6B クロマトグラ
フィー(溶離液;0〜0.5N NaCl)(アマーシ
ャム・ファルマシア社製) ブルーセルロファイン アフィニティークロマトグラ
フィー(溶離液;10mM NADH)(第一製薬株式
会社製) レッドセファロース CL−6B アフィニティーク
ロマトグラフィー(溶離液;10mM NADH)(ア
マーシャム・ファルマシア社製) ゲルクロマトグラフィー(Hiload16/60
Superdex 200pg)(溶離液;0.02M
リン酸緩衝液 pH7.0〔0.1M NaCl〕)
(アマーシャム・ファルマシア社製)
【0025】上記菌株OY1−2由来の天然AZRのN
末端のアミノ酸配列は、上記分離・精製後、2フッ化ポ
リビニリデンメンブラン(PVDF;商品名「Sequ
i−Blot−PVDFメンブレン」 Bio−Rad
社製)へブロッティングし、次いで「プロテインシーク
エンサー470/120A」(PE アプライドバイオ
システムズ社製)により決定した。
【0026】(2)菌株OY1−2の遺伝子DNAの調
製 菌株OY1−2を乾燥(普通)ブイヨン(日水製薬製)
200mlで37℃、24時間、好気性の条件下で振と
う培養した。その後、該液体培地5mlに、分解緩衝液
(トリス塩酸〔pH8.0〕;0.3M、NaCl;
0.1M、EDTA;6mM)0.5mlを添加して菌
体懸濁液を調製した。そして、0.1N塩酸で洗浄した
直径0.17mmの滅菌ガラスビーズを1/4程度充填
した2mlのスクリューキャップ遠心管に上記菌体懸濁
液を移し、次いで、クロロホルムを0.5ml添加し、
「ミニ−ヴィードヴィーターセル粉砕機」(バイオスペ
ックプロダクト社製)で5分間強く振ることにより、菌
体OY1−2を粉砕した。その後、上記菌体懸濁液を4
℃、9000gで5分間遠心分離して菌体OY1−2の
遺伝子DNAを含む上層を分離し、該上層にフェノール
−クロロホルム抽出液を0.5ml添加して再抽出を行
うことにより更に精製した。次いで、3Mの酢酸ナトリ
ウム溶液50μlと1mlの99.5%エタノールを添
加して攪拌し、4℃、9000gで5分間遠心分離する
ことにより、菌体OY1−2の遺伝子DNAを濃縮し
た。該遺伝子DNAは、TE緩衝液(トリス塩酸〔pH
8.0〕;10mM、EDTA;1mM)300μlに
溶解した。
【0027】(3)スクリーニングのためのジゴキシゲ
ニン標識プローブの調製 プローブ調製用の鋳型DNAの調製 プローブ調製用の鋳型DNAを以下の方法により調製し
た。PCR法により調製する際に使用するプライマーと
して、上記〔0025〕の方法により決定されたアミノ
酸配列に対応するヌクレオチドであるAZR−1(配列
番号3)及びAZR−2(配列番号4)を用いてPCR
用の反応混合液(50μl)を調製した。配列番号3及
び4のAZR−1及びAZR−2の塩基配列中、Iはイ
ノシンを示す。また、AZR−1の6番目の塩基は、A
(アデニン)とG(グアニン)がA:G=1:1の割合
で含まれており、7番目の塩基は、C(シトシン)とT
(チミン)がC:T=1:1の割合で含まれている。ま
た、18番目の塩基は、A、C及びTがA:C:T=
1:1:1の割合で含まれており、21番目の塩基は、
CとTがC:T=1:1の割合で含まれている。AZR
−1はこれらの24種類のヌクレオチド配列の混合物で
ある。同様に、AZR−2の2番目、14番目及び20
番目の塩基は、AとGがA:G=1:1の割合で含まれ
ており、4番目、11番目及び17番目の塩基は、C
(シトシン)とT(チミン)がC:T=1:1の割合で
含まれている。AZR−2はこれらの64種類のヌクレ
オチド配列の混合物である。
【0028】PCR用の反応混合液(50μl)は、L
A−PCR緩衝液II(Mg2+フリー)に、MgCl2
を2.5mM、dATP,dCTP,dGTP,dTT
Pを各250μM、上記段落番号〔0026〕の(2)
で調製した菌株OY1−2由来のDNAを10ng、耐
熱性DNAポリメラーゼ(商品名「Takara LA
TaqDNAポリメラーゼ」、宝酒造株式会社製)を
1.25単位、プライマーである上記AZR−1及びA
ZR−2を各2μM含んでいる。そして、上記PCR用
の反応混合液を使用し、商品名「タカラサーマルサイク
ラーパーソナル」(宝酒造株式会社製)を用いて、9
4℃、30秒間の条件でのDNA鎖の解離、55℃、
30秒間の条件でのプライマーとDNAのアニーリン
グ、72℃、1分間の条件での伸長反応、を1サイク
ルとして、これを30サイクル行うことによりPCR法
を行った。その後、得られたPCR産物であるプローブ
調製用の鋳型DNAを1%アガロースゲル電気泳動によ
り分離後、ゲルから抽出し、次いで、「タカラライゲー
ションキットVer.2」(宝酒造株式会社製)を使用
して、pT7Blue(R)Tベクター(Novage
n社製)に直接サブクローニングした。サブクローンの
塩基配列は、「モデル310ジェネティックアナライザ
ー」(PE アプライドバイオケミカルズ社)を用いて
ジデオキシチェーンターミネーター法により決定され
た。
【0029】ジゴキシゲニン標識プローブの調製 ハイブリダイゼーション用のジゴキシゲニン標識プロー
ブは、PCR−DIGラベリングキット(ロッシュモレ
キュラーバイオケミカルス社製)を用いてPCR法によ
り調製した。このPCR法で用いられた反応混合液(5
0μl)は、トリス塩酸(pH8.3)を10mM、K
Clを50mM、MgCl2を1.5mM、dATP、
dCTP、dGTP及びdTTPを各200μM、ジゴ
キシゲニン−11−dUTPを70μM、上記キットに
付属している耐熱性DNAポリメラーゼを1.25単
位、「プライマーM13M1」及び「M13RV」(両
者とも宝酒造株式会社製)を2μM、及び上記段落番号
〔0027〕の(3)の方法により調製されたプロー
ブ調製用の鋳型DNAを含むpT7Blue(R)Tベ
クターを10ng含んでいる。
【0030】PCR法は上記段落番号〔0028〕に記
載されたのと同じ条件及び方法で行われた。そして、得
られたPCR産物を1%アガロースゲル電気泳動により
分離後、ゲルから抽出して、スクリーニングのためのジ
ゴキシゲニン標識プローブとした。
【0031】(4)菌株OY1−2の遺伝子ライブラリ
ーの調製 上記段落番号〔0026〕の(2)の方法により精製さ
れた菌株OY1−2由来のDNAを、制限酵素EcoR
I処理して完全に分解して断片化した。同様に、ファー
ジベクターλgt10についても制限酵素EcoRI処
理を行った。そして、得られた菌株OY1−2由来のD
NA断片2μgと、1μgのファージベクターλgt1
0のEcoRI消化物とを、「DNAライゲーションキ
ットVer.1」(宝酒造株式会社製)を用い、当該キ
ットのプロトコールに基づいて連結した。そして、「ギ
ガパックインビトロパッケージングキット」(ストラタ
ジーン社製)を用いてパッケージングを行い、その後、
大腸菌p2392(λgt10と共に東洋紡より入手)
に感染させた。次いで、感染させた該大腸菌p2392
をLB寒天培地(Difco社製)に接種し、37℃で
12時間培養することにより、約1×106個のプラー
クを有する菌株OY1−2の遺伝子ライブラリーを調製
した。
【0032】(5)AZR遺伝子のクローニングと核酸
配列の決定 LB寒天培地(Difco社製)に、上記遺伝子ライブ
ラリーと大腸菌C600hflとを共に接種し、37℃
で6時間培養した。そして、得られたプラーク上にナイ
ロンフィルター(「ナイトラン45」 Schleic
her&Schuell社製 9cm×12cm)を重
層し、上記ナイロンフィルター上にプラークを転写し
た。
【0033】上記ナイロンフィルターについて、試薬
「ExpressHyb hybridization
solution」(クローンテク社製)3ml中、
68℃で30分間の条件でプレハイブリダイゼーション
を行った。そして、上記試薬を一度捨てた後、終濃度が
10ng/mlになるように、上記〔0027〕の
(3)の方法により調製されたジゴキシゲニン標識プロ
ーブを添加した試薬「ExpressHyb hybr
idization solution」(クローンテ
ク社製)1.5mlを再度添加して、60℃で1時間の
条件でハイブリダイゼーションを行った。その後、上記
ナイロンフィルターを、2×SSCと0.1%SDSと
を含む洗浄液により室温で5分間洗浄を行い、更に、
0.2×SSCと0.1%SDSとを含む洗浄液により
60℃で15分間洗浄を行った。
【0034】そして洗浄液を捨てた後、2%上記ナイロ
ンフィルターを1:5000に希釈されたアルカリフォ
スファターゼ結合抗ジゴキシゲニン抗体(Fab;ロッ
シュモレキュラーバイオケミカルズ社製)と共に室温で
30分間インキュベートし、次いで、緩衝液3(トリス
塩酸〔pH9.5〕:100mM、MgCl2:50m
M)10mlに、10%ニトロブルーテトラゾリウム塩
(NBT)45μl/5%5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリルホスフェート(BCIP)35μlを含む
発色液(和光純薬工業株式会社)を4ml添加して、ア
ルカリフォスファターゼにより触媒される色素反応を行
うことにより、ハイブリダイズしたプローブを検出し
た。そして、検出されたポジティブクローンに挿入され
ているDNAをEcoRI処理し、得られたDNA断片
をプラスミドpUC18のEcoRI部位へ挿入してサ
ブクローンを行い、組換えプラスミドpT7B−AZR
5−8を得た。そして、得られたpT7B−AZR5−
8の塩基配列は、「モデル310ジェネティックアナラ
イザー」(PE アプライドバイオケミカルズ社製)を
用いてジデオキシチェーンターミネーター法により決定
した。
【0035】(6)サザンプロットハイブリダイゼーシ
ョン 上記段落番号〔0034〕において検出されたポジティ
ブクローンに挿入されているDNAをEcoRI処理
し、得られたDNA断片を鋳型として、上記段落番号
〔0027〕の(3)に記載されたジゴキシゲニン標識
プローブの調製と同じ方法により、ジゴキシゲニン標識
DNA断片を調製した。このジゴキシゲニン標識DNA
断片は、ジゴキシゲニンでラベルされた、AZRをコー
ドする領域全体を含む1.2kbpのDNA断片であ
る。
【0036】そして、上記〔0026〕の(2)の方法
により得られた菌株OY1−2由来のDNA1μgに制
限酵素EcoRI、BamHI、HindIII、Ps
tI、SalI、SmaI及びXbaIを添加して完全
に消化し、消化物を0.7%アガロースゲルで分離後、
ナイロンフィルター「ナイトラン45」(5.5cm×
6.5cm)へ真空転写した。上記ナイロンフィルター
は試薬「ExpressHyb hybridizat
ion solution」(クローンテク社製)2m
l中、68℃で30分間プレハイブリダイゼーションを
行った。続いて、上記試薬を一度捨てた後、終濃度が1
0ng/mlになるように、上記ジゴキシゲニン標識D
NA断片を添加した試薬「ExpressHyb hy
bridization solution」(クロー
ンテク社製)1mlを再度加え、68℃、30分間の条
件でハイブリダイゼーションを行った。
【0037】そして、ハイブリダイゼーション後、洗浄
液として2×SSC/0.1%SDSを250ml用
い、室温で5分間、上記ナイロンフィルターを洗浄し、
続いて0.2×SSC/0.1%SDSを250ml用
い、68℃で15分間、上記ナイロンフィルターを2回
洗浄した。そして洗浄液を捨てた後、上記ナイロンフィ
ルター上でハイブリダイズした上記ジゴキシゲニン標識
プローブは、1:5000に希釈されたアルカリフォス
ファターゼ結合抗ジゴキシゲニン抗体(Fab;ロッシ
ュモレキュラーバイオケミカルズ社製)と共に室温で3
0分間インキュベートし、続いて、緩衝液3(トリス塩
酸〔pH9.5〕:100mM、MgCl 2:50m
M)中、NBT/BCIPシステム(和光純薬工業株式
会社)を4ml添加して、アルカリフォスファターゼに
より触媒される色素反応を行うことにより検出した。
【0038】(7)形質転換体の調製及び形質転換体に
よるAZRの産生 AZRをコードするDNAの転写解読枠全体を、以下に
示すPCRにより増幅した。この過程で用いられた反応
混合液(50μl)は、LA−PCR緩衝液II(Mg
2+フリー)に、MgCl2を2.5mM、dATP,d
CTP,dGTP,dTTPを各250μM、上記段落
番号〔0034〕で調製したプラスミドpT7B−AZ
R5−8を10ng、耐熱性DNAポリメラーゼ(商品
名「Takara LATaqDNAポリメラーゼ」、
宝酒造株式会社製)を1.25単位、そして、プライマ
ーであるAZR−rec−S−Nde(配列番号5)と
AZR−rec−E−Xba(配列番号6)を各2μM
含んでいる。
【0039】そして、上記反応混合液を使用し、商品名
「タカラサーマルサイクラーパーソナル」(宝酒造株式
会社製)を用いてPCR法を行った。PCR法は、9
4℃、30秒間の条件でのDNA鎖の解離、55℃、
30秒間の条件でのアニーリング、72℃、1分間の
条件での伸長反応、を1サイクルとして、30サイクル
行った。その後、得られたPCR産物を1%アガロース
ゲル電気泳動により分離後、ゲルから抽出し、そしてヌ
クレオチド配列形成のため、直ちにpT7Blue
(R)T(ノバゲン社製)へサブクローンし、次いで、
制限酵素NdeIとXbaIにより断片化後、発現ベク
ターであるpTrx−Fus(インビトロジェン社製)
へ導入して組換えベクターpTrx−AZRを得た(図
1参照)。そして、上記組換えベクターpTrx−AZ
RをHanahanの方法により宿主微生物である大腸
菌GI618へ導入して形質転換体である大腸菌(E.
coli)GI618/pAZR(受託番号;FERM
BP−7142号)を得た。
【0040】(8)組換えAZRの精製 上記GI618/pAZRを、ID培地(1リットルあ
たり「カザアミノ酸」〔Difco社製〕;0.4g、
グルコース;5g、MgCl2;1mM、Na2HP
4;6g、KH2PO4;3g、NaCl;0.5g含
む)200mlに接種して、30℃、5時間培養し、次
いで、終濃度が0.1g/lとなるようにトリプトファ
ンを添加した上記ID培地で30℃、4時間培養する。
これに20mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
を20ml添加した後、集菌して菌体懸濁液を調製し、
これを−80℃での凍結し、37℃で融解した後、超音
波処理(1サイクル3.5W、15秒、10サイクル繰
り返す)を行って菌体を破砕する。そして、破砕後の菌
体懸濁液を4℃、9000gで30分間遠心分離し、そ
の上清を「RedセファロースCL−6B」(アマーシ
ャム・ファルマシア社製、カラムサイズ;直径1.0c
m×長さ2.0cm)に添加し、次いで20mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.0)20mlを添加して、
上記「RedセファロースCL−6B」の洗浄を行い、
その後、溶離液である10mMのNADHを10ml添
加することにより、組換えAZRをカラムから流出させ
た。この過程における各流出分画でのタンパク質濃度
(mg/ml)を、280nmにおける光学密度の減少
を測定することにより求め、各流出分画とタンパク質濃
度との関係を図2に、精製した組換えAZRをSDS−
PAGEで分析した結果を図3に示す。尚、図3中、1
は精製前の大腸菌(E.coli)GI618/pAZ
R由来のタンパク質を示し、2は精製後の組換えAZR
を示し、3は菌株OY1−2由来のAZRを示す。そし
て、組換えAZRを含む流出液をセルロース製透析チュ
ーブに入れて、これを流出液の1000倍量の20mM
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中に入れて攪拌
することによりNADHを流出液から除く工程を2回行
って、組換えAZRの精製を行った。
【0041】(9)AZRのアゾ染料還元分解活性の評
価 AZRのアゾ染料還元分解は、以下の方法により測定し
て評価した。GI618/pAZRから得られた組換え
AZR1μgを反応溶液(アゾ染料「Roccelli
n NS200」〔住友化学株式会社製〕;20μM、
リン酸ナトリウム緩衝液〔pH7.5〕;20mM)
1.0mlに添加した。そして、AZR添加後の上記反
応溶液を20℃〜90℃の各温度で5分間プレインキュ
ベートし、次いで、この反応溶液に10mMのNADP
Hを25μl添加して、20℃〜90℃の各温度の下、
アゾ染料の還元分解反応を行った。そして、アゾ染料の
吸収極大(510nm)における光学密度の減少を測定
して、酵素の相対活性(%)を求めた。この結果を図4
に示す。
【0042】また、上記組換えAZRに代えて、菌株O
Y1−2とGI618/pAZRを各1μg用い、アゾ
染料として「Roccellin NS200」、「S
olar Orange」、及び「Black B」
〔いずれも住友化学株式会社製〕を使用して、上記と同
じ方法によりアゾ染料の還元分解反応を行い(反応温度
37℃)、各時間におけるアゾ染料の吸収極大における
光学密度の減少を測定することにより、アゾ染料還元分
解活性を調べた。その結果を図5に示す。尚、吸収極大
は、「Black B」で600nm(図5A)、「R
occellinNS200」で510nm(図5
B)、「Solar Orange」で485nm(図
5C)である。
【0043】(10)実施例の効果 上記段落番号〔0031〕の(4)において調製された
菌株OY1−2の遺伝子ライブラリーから、上記段落番
号〔0035〕の(6)に示すハイブリダイゼーション
により、AZRをコードするDNAのクローンを行った
結果、配列番号2に示す単一の転写解読枠を有する1.
2kbpのEcoRI断片を含むDNA断片が分離され
た。配列番号2のDNA断片から導き出されるアミノ酸
配列は、配列番号1に示す精製された天然AZRから決
定されたアミノ酸配列とよい同一性を示した。しかも、
上記配列番号2のDNA断片から翻訳されるAZRの分
子量を計算すると19423ダルトンであり、これは、
精製された天然AZRの分子量である20000ダルト
ンとよく一致していた。
【0044】上記組換えベクターであるプラスミドpT
rx−AZRにより形質転換して得られた形質転換体で
あるGI618/pAZRを培養することにより得られ
た組換えAZRを公知のSDS−PAGE法により分析
した結果、分子量が約20000ダルトンであることが
判る。また、このタンパク質をPVDFメンブラン上へ
転写してアミノ酸配列を調べた結果、アミノ酸配列はM
KLVVINGTPRKFGRVVを示し、配列番号1
に示す天然のAZRのアミノ酸配列とよい同一性を示し
た。更に、図3より、GI618/pAZRを培養する
ことにより得られた組換えAZRのバンドが菌株OY1
−2由来のAZRとほぼ同じ箇所に現れていることが判
る。これらの結果より、本実施例において、形質転換体
であるGI618/pAZRを培養することにより得ら
れた組換えAZRは、菌株OY1−2から得られた天然
のAZRと同じであることを示している。
【0045】形質転換体GI618/pAZRを培養す
ることにより得られた組換えAZRは、図2に示すよう
に、10mMのNADHを添加することにより、「Re
dセファロースCL−6B」より溶出した。また、菌株
OY1−2から純粋な天然AZRを得るためには、特開
平8−13360号公報や上記段落番号〔0026〕の
(2)に示すように、4ステップのカラムクロマトグラ
フィーが必須だったのに対し、上記形質転換体GI61
8/pAZRを培養することにより得られた組換えAZ
Rについて、上記段落番号〔0040〕の(8)に示す
条件で精製を行った結果、図3に示すように、1ステッ
プでほぼ純粋な組換えAZRが得られることが判る。即
ち、形質転換体GI618/pAZRを培養することに
よりAZRを製造すると、菌株OY1−2と比べて、不
純物が少ない状態でAZRが得られることから、より効
率的にAZRを得ることができることが判る。
【0046】また、アゾ染料「Roccelin NS
200」を基質として、形質転換体GI618/pAZ
Rを培養することにより得られた組換えAZRの種々の
反応温度でのアゾ染料還元活性を調べたところ、図4に
示すように、50℃で最大となることが判る。更に、図
5A〜Cより、菌株OY1−2とGI618/pAZR
を同量用いた場合のアゾ染料還元分解活性を比較した結
果、GI618/pAZRの方が菌株OY1−2よりも
10倍以上高いことが判る。この結果より、本実施例の
形質転換微生物GI618/pAZRを培養すると、不
純物が少なく、純度が高いAZRを効率的に得ることが
できることが判る。
【0047】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0048】
【発明の効果】本第1発明及び第2発明により得られた
AZRは、アゾ染料を生物学的に分解することができる
ので、アゾ染料含有排水の処理や、染色基材上に適用す
ることにより、捺染、白抜抜染を行う等、アゾ系染料の
還元分解が要求される幅広い分野において利用すること
ができる。また、本第3発明乃至第6発明の遺伝子によ
れば、アゾ染料の脱色や排水処理等に好適に使用するこ
とができるAZRを効率的に産生できる他、AZRを生
物学的に産生するために、AZR産生能を有する形質転
換微生物を得るのに好適に使用することができる。ま
た、本第7発明乃至第9発明の組換えベクターによれ
ば、本第3発明乃至本第6発明の遺伝子を宿主に導入す
ることにより、AZR産生能を有する形質転換体を得る
ことができる。
【0049】本第10発明乃至第12発明の形質転換体
によれば、AZR産生能のない微生物であっても、形質
転換によりAZR産生能を持たせることができる。これ
により、本第13発明のAZRの製造方法に示すよう
に、かかる形質転換体を培養することにより、アゾ染料
還元分解活性の高いAZRを効率的に得ることができ
る。そして、本第14発明乃至第16発明に示すよう
に、上記形質転換体やAZRをアゾ染料含有排水に適用
することにより、アゾ染料含有排水を好適に処理するこ
とができる。また、本第17発明乃至第19発明に示す
ように、上記形質転換体やAZRを用いて、アゾ系染料
による着色を消失若しくは低減させて捺染を行うことが
できる。
【0050】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Osaka Prefecture; Yushiro Chemical Industry co.,Ltd. <120> Azoreductase, Genes Encoding Azoreductase, Recombinant vector, Tra nsformation, Process for producing Azoreductase, Method of waste water t reatment and method for printing <130> P1758 <160> 6 <210> 1 <211> 178 <212> PRT <213> Bacillus sp.OY1-2 <400> 1 Met Lys Leu Val Val Ile Asn Gly Thr Pro Arg Lys Phe Gly Arg Thr 1 5 10 15 Arg Val Val Ala Lys Tyr Ile Ala Asp Gln Phe Glu Gly Glu Leu Tyr 20 25 30 Asp Leu Ala Ile Glu Glu Leu Pro Leu Tyr Asn Gly Glu Glu Ser Gln 35 40 45 Arg Asp Leu Glu Ala Val Lys Lys Leu Lys Thr Leu Val Lys Ala Ala 50 55 60 Asp Gly Val Val Leu Cys Thr Pro Glu Tyr His Asn Ala Met Ser Gly 65 70 75 80 Ala Leu Lys Asn Ser Leu Asp Tyr Leu Ser Ser Ser Glu Phe Ile His 85 90 95 Lys Pro Val Ala Leu Leu Ala Val Ala Gly Gly Gly Lys Gly Gly Ile 100 105 110 Asn Ala Leu Asn Ser Met His Ala Ser Leu Ala Gly Val Tyr Ala Asn 115 120 125 Ala Ile Pro Lys Gln Val Val Leu Asp Gly Leu His Val Gln Asp Gly 130 135 140 Glu Leu Gly Glu Asp Ala Lys Pro Leu Ile His Asp Val Val Lys Glu 145 150 155 160 Leu Lys Ala Tyr Met Ser Val Tyr Lys Glu Val Lys Lys Gln Leu Gly 165 170 175 Val Glu <210> 2 <211> 537 <212> DNA <213> Bacillus sp.OY1-2 <400> 2 atg aaa cta gtc gtt att aac ggt aca cca aga aaa ttt ggt aga act 48 Met Lys Leu Val Val Ile Asn Gly Thr Pro Arg Lys Phe Gly Arg Thr 1 5 10 15 cgc gtg gtg gca aaa tat att gcg gat caa ttt gaa ggg gaa tta tat 96 Arg Val Val Ala Lys Tyr Ile Ala Asp Gln Phe Glu Gly Glu Leu Tyr 20 25 30 gat tta gca att gag gag tta cct tta tac aat gga gaa gag tcg caa 144 Asp Leu Ala Ile Glu Glu Leu Pro Leu Tyr Asn Gly Glu Glu Ser Gln 35 40 45 cgt gat tta gag gca gta aaa aaa tta aaa acg tta gtg aaa gct gcg 192 Arg Asp Leu Glu Ala Val Lys Lys Leu Lys Thr Leu Val Lys Ala Ala 50 55 60 gat ggg gtt gta tta tgt aca cca gaa tat cat aat gcg atg agc ggt 240 Asp Gly Val Val Leu Cys Thr Pro Glu Tyr His Asn Ala Met Ser Gly 65 70 75 80 gcg ctg aaa aac tct tta gat tac tta agt agt agt gaa ttt att cat 288 Ala Leu Lys Asn Ser Leu Asp Tyr Leu Ser Ser Ser Glu Phe Ile His 85 90 95 aaa cca gtt gca ttg tta gcg gtt gct ggt ggc ggt aaa ggt gga ata 336 Lys Pro Val Ala Leu Leu Ala Val Ala Gly Gly Gly Lys Gly Gly Ile 100 105 110 aat gca tta aac agc atg cac gcg tcg cta gca ggt gtt tat gca aat 384 Asn Ala Leu Asn Ser Met His Ala Ser Leu Ala Gly Val Tyr Ala Asn 115 120 125 gca att cca aaa caa gtt gtg ctt gat gga tta cat gtg caa gat ggt 432 Ala Ile Pro Lys Gln Val Val Leu Asp Gly Leu His Val Gln Asp Gly 130 135 140 gaa ctt ggg gaa gat gca aaa cca tta att cat gat gta gtt aaa gaa 480 Glu Leu Gly Glu Asp Ala Lys Pro Leu Ile His Asp Val Val Lys Glu 145 150 155 160 ttg aaa gca tat atg agc gta tat aaa gag gtg aaa aaa caa cta gga 528 Leu Lys Ala Tyr Met Ser Val Tyr Lys Glu Val Lys Lys Gln Leu Gly 165 170 175 gtg gag tga 537 Val Glu <210> 3 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer using for generation of probe for screening <400> 3 atgaarytig tigtiathaa ygg <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer using for generation of probe for screening <400> 4 arcytciccc ytcraaytgr tc <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer using for amplification of the entire open reading frame of AZR by PCR <400> 5 catatgaaac tagtcgttat taac <210> 6 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Designed oligonucleotide primer using for amplification of the entire open reading frame of AZR by PCR <400> 6 tctagagcag atagactatt ggctcc
【0051】
【配列表フリーテキスト】
【0052】
【配列番号3】スクリーニング用プローブの調製に使用
するプライマーとして設計したオリゴヌクレオチド。
【0053】
【配列番号4】スクリーニング用プローブの調製に使用
するプライマーとして設計したオリゴヌクレオチド。
【0054】
【配列番号5】PCR法によるAZRの転写解読枠の増
幅に使用するプライマーとして設計したオリゴヌクレオ
チド。
【0055】
【配列番号6】PCR法によるAZRの転写解読枠の増
幅に使用するプライマーとして設計したオリゴヌクレオ
チド。
【図面の簡単な説明】
【図1】組換えベクターpTrx−AZRを得る実験の
説明図である。
【図2】組換えAZRのカラムクロマトグラフィーにお
ける流出分画とAZR濃度との関係を示したグラフであ
る。
【図3】精製した組換えAZRをSDS−PAGEで分
析した結果を示す写真である。
【図4】組換えAZRの各温度における相対活性のグラ
フである。
【図5】菌株OY1−2とGI618/pAZRを用い
て行ったアゾ染料還元分解活性と時間との関係を表した
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 9/02 9/02 D06P 5/00 120B D06P 5/00 120 121 121 5/12 101 5/12 101 5/13 A 5/13 C12R 1:07) //(C12N 15/09 ZNA (C12N 1/20 F C12R 1:07) C12R 1:19) (C12N 1/20 (C12N 1/21 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 1/21 (C12N 9/02 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/02 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) C12R 1:07) (72)発明者 鈴木 定彦 大阪府大阪市東成区中道1−3−69 大阪 府立公衆衛生研究所内 (72)発明者 淵上 正晴 神奈川県高座郡寒川町田端1580番地 ユシ ロ化学工業株式会社内 (72)発明者 横山 正 神奈川県高座郡寒川町田端1580番地 ユシ ロ化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4B024 AA03 AA17 BA08 DA06 EA04 GA11 GA19 HA12 4B050 CC01 CC03 DD02 FF04E FF05E FF09E FF11E FF14E LL10 4B065 AA16Y AA26X AB01 AC14 BA02 CA28 CA56 CA60 4D050 AA13 AB03 AB17 BC04 4H057 AA02 BA24 CA04 CB03 CC03 DA01 GA04

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列表の配列番号1に記載のアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とするアゾ染料還元分解酵
    素。
  2. 【請求項2】 (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列
    において1以上のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加さ
    れたアミノ酸配列を有し、且つアゾ染料を還元分解する
    ことができることを特徴とするアゾ染料還元分解酵素。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のアゾ染料還元分
    解酵素をコードすることを特徴とする遺伝子。
  4. 【請求項4】 配列表の配列番号2に記載の核酸配列を
    有する請求項3記載の遺伝子。
  5. 【請求項5】 上記遺伝子がバチルス属起源である請求
    項3又は4記載の遺伝子。
  6. 【請求項6】 上記バチルス属がバチルス(Bacil
    lus)OY1−2(受託番号;FERM BP−52
    61号)である請求項5記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】 上記請求項3乃至6のいずれかに記載の
    遺伝子を含むことを特徴とする組換えベクター。
  8. 【請求項8】 上記組換えベクターが組換えプラスミド
    ベクターである請求項7記載の組換えベクター。
  9. 【請求項9】 上記組換えプラスミドベクターがプラス
    ミドベクターpTrx−AZRである請求項8記載の組
    換えベクター。
  10. 【請求項10】 宿主に上記請求項7乃至9のいずれか
    に記載の組換えベクターを導入して形質転換したことを
    特徴とする形質転換体。
  11. 【請求項11】 上記宿主が微生物である請求項10記
    載の形質転換体。
  12. 【請求項12】 上記形質転換体が大腸菌(E.col
    i)GI618/pAZR(受託番号;FERM BP
    −7142号)である請求項11記載の形質転換体。
  13. 【請求項13】 上記請求項10乃至12のいずれかに
    記載の形質転換体を培地で培養し、培養物よりアゾ染料
    還元分解酵素を採取することを特徴とするアゾ染料還元
    分解酵素の製造方法。
  14. 【請求項14】 アゾ染料含有排水に上記請求項1又は
    2に記載のアゾ染料還元分解酵素を添加することを特徴
    とするアゾ染料含有排水の処理方法。
  15. 【請求項15】 アゾ染料含有排水に上記請求項10乃
    至12のうちのいずれかに記載の形質転換体を適用する
    ことを特徴とするアゾ染料含有排水の処理方法。
  16. 【請求項16】 アゾ染料含有排水に上記請求項13に
    記載のアゾ染料還元分解酵素の製造方法により得られた
    アゾ染料還元分解酵素を添加することを特徴とするアゾ
    染料含有排水の処理方法。
  17. 【請求項17】 染色基材上に、アゾ系染料及び上記請
    求項1又は2に記載のアゾ染料還元分解酵素のうちの少
    なくとも該酵素を含む液若しくは糊剤を所望形状に塗布
    し、その後、該酵素を作用させて上記アゾ系染料による
    着色を消失若しくは低減させて捺染を行うことを特徴と
    する捺染方法。
  18. 【請求項18】 染色基材上に、アゾ系染料及び上記請
    求項10乃至12のうちのいずれかに記載の形質転換体
    を含む液若しくは糊剤を所望形状に塗布し、その後、上
    記アゾ系染料による着色を消失若しくは低減させて捺染
    を行うことを特徴とする捺染方法。
  19. 【請求項19】 染色基材上に、アゾ系染料及び上記請
    求項13に記載のアゾ染料還元分解酵素の製造方法によ
    り得られたアゾ染料還元分解酵素のうちの少なくとも該
    酵素を含む液若しくは糊剤を所望形状に塗布し、その
    後、該酵素を作用させて上記アゾ系染料による着色を消
    失若しくは低減させて捺染を行うことを特徴とする捺染
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109574050A (zh) * 2019-01-16 2019-04-05 江苏师范大学 一种超高比表面积碳酸铝铵的制备及其热分解制备氧化铝的方法
CN110241094A (zh) * 2019-05-23 2019-09-17 华东理工大学 一种偶氮还原酶及其应用

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