JP2002064833A - 固体撮像素子および固体撮像装置 - Google Patents

固体撮像素子および固体撮像装置

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JP2002064833A
JP2002064833A JP2000247453A JP2000247453A JP2002064833A JP 2002064833 A JP2002064833 A JP 2002064833A JP 2000247453 A JP2000247453 A JP 2000247453A JP 2000247453 A JP2000247453 A JP 2000247453A JP 2002064833 A JP2002064833 A JP 2002064833A
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color filter
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color
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JP2000247453A
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Ryuji Kondo
隆二 近藤
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Fujifilm Holdings Corp
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Microdevices Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止画記録と動画表示とを行うことができる
固体撮像装置においては、動画表示時に電荷の垂直加算
および水平加算を行うことにより、比較的明るい動画を
表示することができるが、従来の色フィルタアレイを用
いた場合には互いに異なる色を有する色フィルタがその
上方に配置されている複数の光電変換素子それぞれから
読み出された電荷同士を加算することになる結果、複雑
な信号処理を行うことが必要になってS/N比を改善す
ることが困難になる。 【解決手段】 光電変換素子列方向および光電変換素子
行方向のいずれの方向についても基本的に第1の繰返し
パターンの下に複数色の色フィルタを配列する一方で、
電荷の垂直加算および水平加算を行って信号処理上1つ
の画素として扱うことのできる少なくとも4個の光電変
換素子それぞれの上方に同色の色フィルタが配置される
ように、前記第1の繰返しパターンから外れて配置され
たパターン外色フィルタを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は固体撮像素子および固体
撮像装置、ならびに色フィルタアレイの形成方法に係
り、特に、カラー撮像用の固体撮像素子および固体撮像
装置、ならびにカラー撮像用の色フィルタアレイの形成
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CCD(電荷結合素子)の量産技術が確
立されて以来、CCD型の固体撮像素子をエリア・イメ
ージセンサとして利用した固体撮像装置が急速に普及し
ている。今日では、カラー撮像用の固体撮像素子および
固体撮像装置が種々の分野で利用されている。
【0003】エリア・イメージセンサに利用される固体
撮像素子では、1枚の半導体基板の一表面側に多数個の
光電変換素子が複数行、複数列に亘って行列状に形成さ
れる。光電変換素子の総数は、例えば数10万〜数10
0万個に達する。光電変換素子としては、一般に、フォ
トダイオードが利用される。
【0004】光電変換素子に光が入射すると、この光電
変換素子に電荷が蓄積される。光電変換素子に蓄積され
た電荷は、同じ半導体基板に形成されている垂直電荷転
送路および水平電荷転送路を経て出力部へ転送され、こ
こで画像信号(信号電圧)に変換される。
【0005】垂直電荷転送路は、1列の光電変換素子列
に1本ずつ、この光電変換素子列に近接して配設され
る。個々の垂直電荷転送路は、対応する光電変換素子列
に沿って延在するCCDによって構成される。光電変換
素子から垂直電荷転送路への電荷の読み出しを制御する
ために、1個の光電変換素子に1個ずつ、読出ゲートが
配設される。
【0006】本明細書においては、1本の垂直電荷転送
路と、この垂直電荷転送路に対応する各読出ゲートと
を、1本の「垂直電荷転送路」と総称するものとする。
【0007】水平電荷転送路も、CCDによって構成さ
れる。水平電荷転送路は、垂直電荷転送路それぞれの下
流端側において、これらの垂直電荷転送路の各々と電気
的に接続されている。出力部は、水平電荷転送路の一端
に電気的に接続されている。
【0008】各垂直電荷転送路、水平電荷転送路および
出力部の動作を制御することにより、所望の画像信号
(信号電圧)を得ることができる。
【0009】なお、本明細書においては、光電変換素子
から出力部へ転送される電荷の移動を1つの流れとみな
して、個々の部材等の相対的な位置を、必要に応じて
「何々の上流」、「何々の下流」等と称して特定するも
のとする。
【0010】固体撮像装置は、上述した固体撮像素子の
他に、例えば駆動回路、映像信号処理回路および画像デ
ータ出力部等、ならびにこれらの構成要素のための制御
部およびパルス信号発生部等を含んで構成される。
【0011】駆動回路は、固体撮像素子中の各垂直電荷
転送路、水平電荷転送路および出力部を駆動するための
駆動信号を生成する。映像信号処理回路は、固体撮像素
子の出力部で発生した画像信号(信号電圧)に基づいて
画像データを生成する。
【0012】画像データ出力部は、映像信号処理回路か
ら出力された画像データを受け取り、必要に応じてこれ
を記憶し、この画像データを表示装置または記録媒体に
出力する。
【0013】制御部は、映像信号処理回路や画像データ
出力部の動作を制御する。パルス信号発生部は、装置内
の動作の統一をとるためのパルス信号を生成し、駆動回
路、映像信号処理回路および制御部に供給する。
【0014】カラー撮像用の固体撮像装置においては、
一般に、カラー撮像用の色フィルタアレイを備えた固体
撮像素子が利用される。カラー撮像用の色フィルタアレ
イは、原色型の色フィルタアレイと補色型の色フィルタ
アレイとに大別される。
【0015】原色型および補色型いずれの色フィルタア
レイにおいても、カラー撮像に必要な複数色の色フィル
タが、光電変換素子列方向および光電変換素子行方向に
一定の繰返しパターンの下に配列されている。1個の光
電変換素子の上方に1個の色フィルタが位置する。
【0016】なお、本明細書では、行列状に形成された
多数個の光電変換素子の配列方向のうちで、その方向の
一端に水平電荷転送路が形成されている配列方向を「光
電変換素子列方向」といい、この方向の光電変換素子の
配列を「光電変換素子列」という。光電変換素子列に交
差する方向を「光電変換素子行方向」といい、この方向
の光電変換素子の配列を「光電変換素子行」という。
【0017】カラー撮像用の色フィルタアレイにおける
色フィルタの配列方式としては、原色型の色フィルタア
レイではベイヤー配列が多用されており、補色型の色フ
ィルタアレイではフィールド色差順次方式が多用されて
いる。近年では、ベイヤー配列を45°程度回転させた
配列に相当するハニカム配列も利用されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】固体撮像素子を利用し
た近年の電子スチルカメラでは、一般に、静止画を記録
する静止画モードと動画表示を行う動画モードとを使用
者が選択できるように構成されている。動画表示は、例
えば、使用者が静止画の画角を決める際に利用される。
【0019】電子スチルカメラでの動画表示は、一般
に、約40万画素(704×576画素)のVGAサイ
ズまたは約10万画素のCIFサイズで行われる。
【0020】一方、電子スチルカメラで記録される静止
画の画素数は、近年では数100万に達し、さらには6
00万を超えようとしている。
【0021】例えば600万を超える画素数の静止画を
記録することができる電子スチルカメラでVGAサイズ
の動画表示を行う際には、全体の1/16に当たる画素
に蓄積された電荷に基づいて画像データを生成すること
が必要となる。同様に、CIFサイズの動画表示を行う
際には、全体の1/64に当たる画素に蓄積された電荷
に基づいて画像データを生成することが必要となる。動
画の撮像時には、一般的には、光電変換素子行を1/2
以上間引きながら固体撮像素子を駆動させる。
【0022】動画の画像データの生成に寄与する光電変
換素子の数が減少すると、特に屋内での撮像時には、表
示される動画が暗くなり、見づらくなる。
【0023】個々の光電変換素子の感度を向上させるこ
とができれば、屋内で動画表示を行っても、比較的明る
い画像を得ることが可能である。
【0024】しかしながら、光電変換素子の数が数10
0万ないしそれ以上の固体撮像素子において、チップサ
イズを増大させることなく個々の光電変換素子の感度を
向上させることは困難である。
【0025】複数の光電変換素子を信号処理上1つの画
素として扱って画像データを生成する、すなわち、光電
変換素子列方向に互いに近接する2以上の光電変換素子
それぞれに蓄積された電荷同士を、信号処理上、加算
(垂直加算)して、画像データを生成することにより、
比較的明るい画像を得ることが可能である。
【0026】また、最近では、光電変換素子行方向に互
いに近接する2以上の光電変換素子それぞれに蓄積され
た電荷同士を、信号処理上、加算(水平加算)して、動
画の画像データ得ることも提案されている。
【0027】ただし、従来の色フィルタアレイを備えた
固体撮像装置において、複数の光電変換素子それぞれか
ら読み出された電荷同士を垂直加算および/または水平
加算して画像データを生成しようとすると、映像信号処
理回路で複雑な信号処理を行うことが必要になる。ま
た、S/N比を改善することが困難になる。
【0028】本発明の目的は、複数の光電変換素子を信
号処理上1つの画素として扱うことが容易な固体撮像素
子を提供することである。
【0029】本発明の他の目的は、複数の電荷同士を垂
直加算および水平加算して画像データを得ることが容易
な固体撮像装置を提供することである。
【0030】本発明の更に他の目的は、複数の光電変換
素子を信号処理上1つの画素として扱うことを容易にす
るカラー撮像用の色フィルタアレイの形成方法を提供す
ることである。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、半導体基板と、前記半導体基板の一表面側に複数
行、複数列に亘って行列状に形成された多数個の光電変
換素子と、1列の光電変換素子列に1本ずつ該光電変換
素子列に近接して前記半導体基板に形成された複数本の
垂直電荷転送路と、前記複数本の垂直電荷転送路の各々
に電気的に接続された水平電荷転送路と、前記水平電荷
転送路の一端に電気的に接続された出力部と、前記多数
個の光電変換素子それぞれの上方に1個ずつ形成された
多数個の色フィルタによって構成されるカラー撮像用の
色フィルタアレイであって、光電変換素子列方向および
光電変換素子行方向のいずれの方向についても基本的に
第1の繰返しパターンの下に複数色の色フィルタが配列
され、電荷の垂直加算および水平加算を行って信号処理
上1つの画素として扱うことのできる少なくとも4個の
光電変換素子それぞれの上方に形成された同色の色フィ
ルタによって構成される加算用色フィルタユニットを複
数個含み、該複数個の加算用色フィルタユニットのうち
の一部または全部が、個々の色フィルタの色に着目した
ときに前記第1の繰返しパターンから外れて配置された
パターン外色フィルタを少なくとも1個含む色フィルタ
アレイとを有する固体撮像素子が提供される。
【0032】本発明の他の観点によれば、半導体基板
と、前記半導体基板の一表面側に複数行、複数列に亘っ
て行列状に形成された多数個の光電変換素子と、1列の
光電変換素子列に1本ずつ該光電変換素子列に近接して
前記半導体基板に形成された複数本の垂直電荷転送路
と、前記複数本の垂直電荷転送路の各々に電気的に接続
された水平電荷転送路と、前記水平電荷転送路の一端に
電気的に接続された出力部と、前記多数個の光電変換素
子それぞれの上方に1個ずつ形成された多数個の色フィ
ルタによって構成されるカラー撮像用の色フィルタアレ
イであって、光電変換素子列方向および光電変換素子行
方向のいずれの方向についても基本的に第1の繰返しパ
ターンの下に複数色の色フィルタが配列され、電荷の垂
直加算および水平加算を行って信号処理上1つの画素と
して扱うことのできる少なくとも4個の光電変換素子そ
れぞれの上方に形成された同色の色フィルタによって構
成される加算用色フィルタユニットを複数個含み、該複
数個の加算用色フィルタユニットのうちの一部または全
部が、個々の色フィルタの色に着目したときに前記第1
の繰返しパターンから外れて配置されたパターン外色フ
ィルタを少なくとも1個含む色フィルタアレイとを有す
る固体撮像素子と、前記複数本の垂直電荷転送路の各
々、前記水平電荷転送路および前記出力部を駆動するた
めの駆動信号を生成することができる駆動回路と、前記
出力部で発生した信号電圧に基づいて画像データを生成
することができる映像信号処理回路とを備えた固体撮像
装置が提供される。
【0033】本発明の更に他の観点によれば、一表面側
に多数個の光電変換素子が複数行、複数列に亘って行列
状に形成された半導体基板を用意する工程と、前記多数
個の光電変換素子それぞれの上方に1個ずつ配置された
多数個の色フィルタによって構成されるカラー撮像用の
色フィルタアレイを形成する工程であって、光電変換素
子列方向および光電変換素子行方向のいずれの方向につ
いても基本的に所定の繰返しパターンの下に複数色の色
フィルタが配列され、電荷の垂直加算および水平加算を
行って信号処理上1つの画素として扱うことのできる少
なくとも4個の光電変換素子それぞれの上方に形成され
た同色の色フィルタによって構成される加算用色フィル
タユニットを複数個含み、該複数個の加算用色フィルタ
ユニットのうちの一部または全部が、個々の色フィルタ
の色に着目したときに前記繰返しパターンから外れて配
置されたパターン外色フィルタを少なくとも1個含む色
フィルタアレイを形成する工程とを含む色フィルタアレ
イの形成方法が提供される。
【0034】電荷同士の垂直加算または水平加算を行う
ことができる固体撮像装置を設計する際には、電荷同士
を加算すべき光電変換素子が予め決定される。上述の加
算用色フィルタユニットの各々は、これら電荷同士を加
算すべき光電変換素子の上方に形成される。各加算用色
フィルタユニットの下方に形成されている光電変換素子
の各々から読み出された電荷のみを利用して、動画デー
タまたは静止画データを得ることが可能である。
【0035】このとき、1つの加算用色フィルタユニッ
トの下方に形成されている光電変換素子から読み出され
た電荷同士を固体撮像素子内で垂直加算および水平加算
して1つの電荷を得、この電荷を出力部へ転送するよう
にすれば、次の利点が得られる。
【0036】すなわち、個々の加算用色フィルタユニッ
トが互いに同色の色フィルタによって構成されているこ
とから、出力部で発生した画像信号(信号電圧)に映像
信号処理回路で複雑な信号処理を施さなくても、所望の
動画データまたは静止画データを得ることができる。加
算用色フィルタユニットの下に形成されている複数の光
電変換素子を、信号処理上、1つの画素として扱うこと
が容易である。また、S/N比を改善することが容易に
なる。さらに、少なくとも4つの電荷同士を垂直加算お
よび水平加算して1つの電荷を得るので、比較的明るい
画像を表示することが容易になる。
【0037】1つの加算用色フィルタユニットの下方に
形成されている光電変換素子の各々から読み出された電
荷を別々に出力部へ転送し、これらの電荷に基づいて出
力部が発生する画像信号(信号電圧)同士を映像信号処
理回路内で垂直加算および水平加算して1つの信号を得
た場合においても、同様の利点が得られる。
【0038】高精細な静止画の画像データを得る場合に
は、例えば全ての光電変換素子から電荷が読み出され
る。ただし、パターン外色フィルタの下方に形成されて
いる光電変換素子から読み出された電荷は、高精細な静
止画の画像データの生成には利用されない。高精細な静
止画の画像データは、第1の繰返しパターンに含まれる
色フィルタそれぞれの下方に形成されている光電変換素
子に蓄積された電荷のみを利用して生成される。このと
き、例えば映像信号処理回路内での演算により、パター
ン外色フィルタの形成箇所に本来の色の色フィルタ、す
なわち、第1の繰返しパターンに含まれる色の色フィル
タが形成されているものとして、高精細な静止画の画像
データが生成される。
【0039】固体撮像装置に記録される高精細な静止画
の画素数をSとし、垂直加算および水平加算して生成す
る画像データの1フレーム分の画素数をVとしたとき、
これらの比V/Sがあまりに大きいと、高精細な静止画
の画質が低下する。比V/Sは、下記の式(I)を満た
すように選択することが好ましい。V×K/Sは、0.
1以下であることが好ましい。
【0040】
【数1】
【0041】
【発明の実施の形態】図1は、実施例による固体撮像装
置の概略を示すブロック図である。同図に示すように、
本実施例の固体撮像装置100は、撮像光学系1、固体
撮像素子10、駆動回路50、映像信号処理回路60、
画像データ出力部70、表示部75、記録部76、制御
部80、モードセレクタ85およびパルス信号発生部9
0を備えている。
【0042】撮像光学系1は、固体撮像素子10上に光
学像を結像させる。この撮像光学系1は、例えば光学レ
ンズ、絞り、オプティカルローパスフィルタ等を含んで
構成される。図中の矢印Lは光を示す。
【0043】固体撮像素子10は、撮像光学系1が結像
した光学像を電気信号に変換する。この固体撮像素子1
0は、光電変換素子、垂直電荷転送路、水平電荷転送
路、出力部および色フィルタアレイを含んで構成され
る。固体撮像素子10の詳細については、後述する。
【0044】駆動回路50は、固体撮像素子10の撮像
動作に必要な駆動信号を固体撮像素子10に供給する。
この駆動回路50は、例えば垂直ドライバ、水平ドライ
バ、DC電源等を含んで構成される。
【0045】映像信号処理回路60は、固体撮像素子1
0で生成された画像信号を受け取り、これに種々の処理
を施して画像データを生成する。この映像信号処理回路
60は、例えばアナログ/デジタル変換器、CDS回路
(相関二重サンプリング回路)、色分離回路、ディレー
ライン等を含んで構成される。
【0046】画像データ出力部70は、映像信号処理回
路60から出力された画像データを受け取り、例えば、
この画像データをフレームメモリ等の記憶媒体に記憶す
る。
【0047】表示部75は、画像データ出力部70から
供給される画像データに基づいて、静止画または動画を
表示する。この表示部75は、例えば液晶ディスプレイ
等の表示装置を含んで構成される。
【0048】記録部76は、画像データ出力部70から
供給される画像データを、例えばメモリカード等の記録
媒体に記録する。
【0049】制御部80は、駆動回路50、映像信号処
理回路60および画像データ出力部70の動作を制御す
る。この制御部80は、例えば中央演算処理装置(CP
U)によって構成される。
【0050】モードセレクタ85は、固体撮像装置10
0の撮像モードを選択するための選択スイッチである。
固体撮像装置100は、例えば、少なくとも2つの撮像
モード、すなわち、静止画記録を行う静止画モードと、
動画表示を行う動画モードとを有する。モードセレクタ
85は、固体撮像装置100の使用者によって操作され
る。
【0051】パルス信号発生回路90は、装置内の動作
タイミングの統一をとるためのパルス信号を生成し、駆
動回路50、映像信号処理回路60および制御部80に
供給する。このパルス信号発生回路90は、例えば、一
定の周期でパルスを発生する原発振、タイミングジェネ
レータ等を含んで構成される。
【0052】固体撮像装置100を構成する固体撮像素
子10は、複数の光電変換素子に蓄積された電荷同士を
固体撮像素子10内で垂直加算および水平加算できるタ
イプの固体撮像素子である。以下、固体撮像素子10の
構成について、実施例を挙げて説明する。
【0053】図2は、固体撮像素子10に係る第1の実
施例による固体撮像素子10aを概略的に示す平面図で
ある。同図に示すように、固体撮像素子10aは、半導
体基板11、多数個の光電変換素子15、複数本の垂直
電荷転送路20、水平電荷転送路30および出力部35
を有する。図2においては図示を省略した光遮蔽膜、色
フィルタアレイおよびマイクロレンズアレイが、半導体
基板1の上方に形成されている。
【0054】多数個の光電変換素子15は、半導体基板
11の一表面側に複数行、複数列に亘って正方行列状に
配設されている。図示されている光電変換素子15の数
は、部分的に見えているものを除き、45個である。実
際の固体撮像装置では、光電変換素子15の総数が例え
ば数100万個を超える。
【0055】CCDによって構成される垂直電荷転送路
20が、1列の光電変換素子列に1本ずつ配設されてい
る。
【0056】個々の垂直電荷転送路20は、対応する光
電変換素子列に近接して半導体基板11に形成された垂
直電荷転送チャネル21を含む。垂直電荷転送チャネル
21は、例えば半導体基板11に帯状に形成されたn型
領域によって構成される。個々の垂直電荷転送チャネル
21は、対応する光電変換素子列に沿って延在する。
【0057】各垂直電荷転送チャネル21と平面視上交
差する2種類の垂直転送電極22、23が、1行の光電
変換素子行に各1本ずつ配設されている。
【0058】垂直転送電極22の各々は、各垂直電荷転
送チャネル21と平面視上交差しつつ、対応する光電変
換素子行に沿ってその下流側に延在する。垂直転送電極
23の各々は、各垂直電荷転送チャネル21と平面視上
交差しつつ、対応する光電変換素子行に沿ってその上流
側に延在する。各垂直転送電極23は、対応する光電変
換素子15それぞれの図2での右側方において、読出ゲ
ート24を構成する。
【0059】1行の光電変換素子行に対応する垂直転送
電極22、23は、左端の光電変換素子列に含まれる光
電変換素子15を除き、この光電変換素子行中の光電変
換素子15の各々を平面視上取り囲む。
【0060】最も下流の垂直転送電極23の下流側に、
1本の第1補助転送電極24が配設されている。第1補
助転送電極24も、各垂直電荷転送チャネル21と平面
視上交差しつつ、光電変換素子行方向に延在する。
【0061】第1転送制御電極26、第2転送制御電極
27、第3転送制御電極28および第4転送制御電極2
9が、第1補助転送電極24の下流側にこの順番で配設
されている。第1〜第4の転送制御電極26〜29も、
各垂直電荷転送チャネル21と平面視上交差しつつ、光
電変換素子行方向に延在する。
【0062】これらの電極22〜24、26〜29は、
いずれも、電気的絶縁膜(図2においては図示せず。)
を介して半導体基板11の上方に形成されている。垂直
転送電極22、第1補助転送電極24および第4転送制
御電極29は、半導体基板11上の第1レベルに設けら
れた第1ポリシリコン層によって形成される。垂直転送
電極23、第1転送制御電極26および第3転送制御電
極28は、半導体基板11上の第1レベルよりも上の第
2レベルに設けられた第2ポリシリコン層によって形成
される。第2転送制御電極27は、半導体基板11上の
第2レベルよりもさらに上の第3レベルに設けられた第
3ポリシリコン層によって形成される。個々の電極22
〜24、26〜29は、電気的絶縁膜(熱酸化膜)によ
って覆われている。
【0063】垂直電荷転送チャネル21の各々において
各電極22〜24、26〜29と平面視上交差する各領
域のうち、その上に電気的絶縁膜のみを介して電極22
〜24、26〜29が形成されている領域は、その上の
電極22〜24、26〜29と共に1つの電荷転送段を
構成する。
【0064】垂直転送電極22、23および第1補助転
送電極24は、垂直電荷転送チャネル21の各々と1つ
ずつ電荷転送段を構成する。
【0065】一方、第1転送制御電極26は、特定のパ
ターンで選択された所定個の垂直電荷転送チャネル21
とのみ電荷転送段を構成する。そのために、第1転送制
御電極26は、光電変換素子行方向に所定の間隔で形成
された複数個の電荷転送段形成部26aを有する。
【0066】1個の電荷転送段形成部26aは、1本の
垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段を構成する。左
端の電荷転送段形成部26aは、左から数えて4番目の
垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段を構成する。図
2での左から数えて2番目以降の各電荷転送段形成部2
6a(図示されていない。)は、7本おきの垂直電荷転
送チャネル21と電荷転送段を構成する。
【0067】第2転送制御電極27も、特定のパターン
で選択された所定個の垂直電荷転送チャネル21とのみ
電荷転送段を構成する。そのために、第2転送制御電極
27は、光電変換素子行方向に所定の間隔で形成された
複数個の電荷転送段形成部27aを有する。
【0068】1個の電荷転送段形成部27aは、1本の
垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段を構成する。左
端の電荷転送段形成部27aは、左から数えて5番目の
垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段を構成する。左
から数えて2番目以降の各電荷転送段形成部26a(た
だし、図示されていない。)は、7本おきの垂直電荷転
送チャネル21と電荷転送段を構成する。
【0069】第3転送制御電極28も、特定のパターン
で選択された所定個の垂直電荷転送チャネル21とのみ
電荷転送段を構成する。そのために、第3転送制御電極
28は、光電変換素子行方向に所定の間隔で形成された
複数個の電荷転送段形成部28aを有する。
【0070】左端の電荷転送段形成部28aは、左から
数えて1番目、2番目および3番目の各垂直電荷転送チ
ャネル21と電荷転送段を構成する。左から数えて2番
目以降の電荷転送段形成部28aの各々は、光電変換素
子行方向に相隣る6本の垂直電荷転送チャネル21のそ
れぞれと電荷転送段を構成する。2番目以降の各電荷転
送段形成部28aは、その左隣の電荷転送段形成部28
aとの間に2本の垂直電荷転送チャネル21を置いて、
形成されている。
【0071】第4転送制御電極29は、垂直電荷転送チ
ャネル21の各々と1つずつ電荷転送段を構成する。第
4転送制御電極29における電荷転送段形成部を参照符
号29aで示す。
【0072】垂直電荷転送路20の各々は、光電変換素
子列方向に連なった多数の電荷転送段によって構成され
ている。
【0073】各垂直電荷転送路20の下流端は、水平電
荷転送路30に電気的に接続されている。水平電荷転送
路30は、1本の水平電荷転送チャネル31と、多数本
の水平転送電極32a、32b、32c、32dとを有
する2相駆動型のCCDによって構成されている。
【0074】水平電荷転送チャネル31は、例えば、半
導体基板11にn型領域とn+ 型領域とを交互に繰り返
し形成することによって形成される。n+ 型領域におけ
るn型不純物の濃度は、n型領域におけるn型不純物の
濃度よりも高い。
【0075】各水平転送電極32a、32cは、水平電
荷転送用チャネル31中のn+ 型領域上に、電気的絶縁
膜を介して形成されている。各水平転送電極32b、3
2dは、水平電荷転送チャネル31中のn型領域上に、
電気的絶縁膜を介して形成されている。
【0076】1本の垂直電荷転送路20あたり、水平転
送電極32a、32b、32c、32dが1本ずつ形成
されている。水平転送電極32a、32b、32c、3
2dは、出力部35側からこの順番で繰返し配列してい
る。水平転送電極32b、32dの各々は第1ポリシリ
コン層によって形成され、水平転送電極32a、32c
の各々は第2ポリシリコン層によって形成される。個々
の水平転送電極32a〜32dは、電気的絶縁膜(熱酸
化膜)によって覆われている。
【0077】水平転送電極32a、32cは、図中右隣
の水平電荷転送電極32b、32dと電気的に接続され
ている。
【0078】1本の水平転送電極32aまたは32cと
その右隣の水平転送電極32bまたは32dとは、これ
らの電極によって平面視上覆われている水平電荷転送チ
ャネル31の一領域と共に、1つの水平電荷転送段を構
成する。
【0079】個々の水平電荷転送段における水平転送電
極32aまたは32cとその下のn + 型領域とは1つの
ポテンシャル・ウェル領域として機能し、水平転送電極
32bまたは32dとその下のn型領域とは1つのポテ
ンシャル・バリア領域として機能する。
【0080】出力部35は、水平電荷転送路30の左端
に接続されている。この出力部35は、水平電荷転送路
30から送られてきた電荷を例えばフローティング容量
(図示せず。)によって信号電圧に変換し、この信号電
圧をソースホロワ回路(図示せず。)等を利用して増幅
する。検出(変換)された後のフローティング容量の電
荷は、図示を省略したリセットトランジスタを介して電
源(図示せず。)に吸収される。この出力部35は、例
えば、特願平11−287332号明細書の第0084
段〜0091段において図4(b)を参照しつつ説明さ
れている出力部と同様にして構成することができる。
【0081】図2には、垂直電荷転送路20の各々を1
6相の垂直駆動信号φV1〜φV16と4相の制御信号
φC1〜φC4とによって駆動させ、水平電荷転送路3
0を2相の水平駆動信号φH1、φH2によって駆動さ
せる際の配線例を付記してある。
【0082】各垂直転送電極22、23が16のグルー
プに分けられ、グループ毎に異なる垂直駆動信号φV1
〜φV16が供給される。1つのグループは、15本お
きに選択された垂直転送電極22、23によって構成さ
れる。第1補助転送電極24は、これらのグループのい
ずれか1つに含まれる。
【0083】制御信号φC1は第1転送制御電極26に
供給され、制御信号φC2は第2転送制御電極27に供
給される。制御信号φC3は第3転送制御電極28に供
給され、制御信号φC4は第4転送制御電極29に供給
される。
【0084】水平駆動信号φH1は水平転送電極32
a、32bの各々に供給され、水平駆動信号φH2は水
平転送電極32c、32dの各々に供給される。
【0085】これらの駆動信号φV1〜φV16、φH
1〜φH2および制御信号φC1〜φC4の波形は、固
体撮像素子10aの撮像モードに応じて異なる。
【0086】静止画モードのとき、固体撮像素子10a
はインターレース走査の下に駆動される。電荷の垂直加
算および水平加算は行われない。
【0087】このとき、光電変換素子15の各々が2つ
のグループ、すなわち偶数行の光電変換素子15と奇数
行の光電変換素子15とに分けられ、グループ単位で電
荷の読み出しおよび転送が行われる。駆動信号φV1〜
φV16、φH1〜φH2および制御信号φC1〜φC
4は、インターレース走査に応じた波形を有する。
【0088】固体撮像装置100は、全ての光電変換素
子15それぞれに蓄積された電荷に基づいて、静止画の
画像データを生成する。
【0089】動画モードのとき、固体撮像素子10aは
1/4間引き走査の下に駆動される。全光電変換素子行
のうちの1/4の光電変換素子行を対象に、光電変換素
子から電荷が読み出される。また、電荷の垂直加算およ
び水平加算が行われる。
【0090】このとき、全光電変換素子15が、例えば
図2中の左下隅を基準にして8行8列毎にグループ化さ
れる。このグループ化によって生じるグループの数は、
固体撮像装置100が行う動画表示の画素数に対応す
る。
【0091】これらのグループ毎に、その中央部に2行
2列に亘って位置する計4個の光電変換素子15に蓄積
された電荷が垂直加算および水平加算され、動画の画像
データの生成に供される。これら4個の光電変換素子1
5は、信号処理上、1つの画素として扱われる。図2に
おいては、動画モードの際に電荷の垂直加算および水平
加算が行われる4個の光電変換素子を、参照符号「15
1 」、「15a2 」、「15a3 」、「15a4 」で
示している。
【0092】駆動信号φV1〜φV16、φH1〜φH
2および制御信号φC1〜φC4は、1/4間引き走査
ならびに上記の垂直加算および水平加算に応じた波形を
有する。
【0093】固体撮像装置100は、全光電変換素子1
5の1/16の光電変換素子15に蓄積された電荷に基
づいて、動画の画像データを生成する。
【0094】静止画モードおよび動画モードのいずれの
モードにおいても、1行の光電変換素子行を構成する光
電変換素子15の各々から読み出された電荷は、電荷転
送段形成部26a、27a、28aを含んで構成される
電荷転送段の各々へ、同じタイミングで転送される。
【0095】図3は、動画モードの際の駆動信号φV1
〜φV16の波形を示す。同図に示すように、光電変換
素子15に蓄積された電荷を対応する垂直電荷転送路2
0に読み出すための読出パルスRは、駆動信号φV9、
φV11に含まれる。
【0096】光電変換素子15から電荷を読み出す前
に、駆動信号φV9〜φV11がハイレベルHになり、
他の駆動信号はローレベルLになる。個々の垂直電荷転
送路20において駆動信号φV9〜φV11の供給を受
けている電荷転送段の各々に、ポテンシャル・ウェルが
形成される。これらのポテンシャル・ウェルは光電変換
素子列方向に互いに連なる3連のポテンシャル・ウェル
を構成する。
【0097】この後、駆動信号φV9、φV11に読出
パルスRが重畳される。水平電荷転送路30側から数え
て第5行および第4行の光電変換素子15それぞれに蓄
積されていた電荷が、対応する垂直電荷転送路20に形
成されている3連のポテンシャル・ウェルに読み出され
る。各垂直電荷転送路20において、第5行および第4
行の光電変換素子15から読み出された2個の電荷同士
が垂直加算される。
【0098】光電変換素子15a1 から読み出された電
荷と光電変換素子15a2 から読み出された電荷とが垂
直加算され、光電変換素子15a3 から読み出された電
荷と光電変換素子15a4 から読み出された電荷とが垂
直加算される。以下、光電変換素子15a1 、15a2
から読み出された電荷同士が垂直加算されて生じた電荷
を「電荷Q1」、光電変換素子15a3 、15a4 から
読み出された電荷同士が垂直加算されて生じた電荷を
「電荷Q2」ということがある。
【0099】その後、駆動信号φV1〜φV16が図示
のように変化する。3連のポテンシャル・ウェルが下流
側に1電荷転送段分伸長して4連のポテンシャル・ウェ
ルになった後、その上流端の1電荷転送段がポテンシャ
ル・バリアに転じて3連のポテンシャル・ウェルにな
る、という動作が繰返し行われる。各垂直電荷転送路2
0内の電荷が順次下流に転送され、電荷転送段形成部2
6a、27a、28aを含んで構成される電荷転送段の
各々へ同じタイミングで転送される。
【0100】図3中の時刻T1 のとき、各垂直電荷転送
路20において最も下流の垂直転送電極22、最も下流
の垂直転送電極23および第1補助転送電極24を含ん
で構成される3つの電荷転送段は、3連のポテンシャル
・ウェルを形成している。第5行および第4行の光電変
換素子15から読み出され、垂直加算された電荷の各々
は、対応する垂直電荷転送路20におけるこの3連のポ
テンシャル・ウェルに分布している。
【0101】制御信号φC1〜φC3の波形を制御し
て、電荷転送段形成部26a、27a、28aを含んで
構成される電荷転送段それぞれのポテンシャルを、電荷
が分布している上記3連のポテンシャル・ウェルのポテ
ンシャルより高くする。電荷転送段形成部26a、27
a、28aを含んで構成される電荷転送段それぞれに電
荷が転送される。
【0102】なお、本明細書においては、電圧を印加し
たときに形成される電位の井戸が深い領域程「ポテンシ
ャルが高い」といい、電位の井戸が浅い領域程「ポテン
シャルが低い」という。
【0103】制御信号φC1〜φC4の波形を、電荷転
送段形成部26a、27a、28a、29aを含んで構
成される電荷転送段それぞれのポテンシャルP1、P
2、P3、P4の関係がP2<P4<P1=P3となる
ように制御する。駆動信号φH2の波形を、水平転送電
極32cを含んで構成されるポテンシャル・ウェル領域
のポテンシャルPh1がPh1>P4となるように制御
する。
【0104】図4に示すように、電荷転送段形成部27
aを含んで構成される電荷転送段に分布していた電荷Q
2が、水平電荷転送路30へ転送される。電荷転送段形
成部26aを含んで構成される電荷転送段に分布してい
る電荷Q1、および、電荷転送段形成部28aを含んで
構成される電荷転送段に分布している電荷Q3は、これ
らの電荷転送段に留まる。
【0105】なお、図4に示した構成要素のうちで図2
において既に示した構成要素については、図2で用いた
参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図4においても、図2と同様に、電極24、26〜29
および32cと半導体基板11との間に介在する電気的
絶縁膜、ならびに、各電極24、26〜29および32
cを覆っている電気的絶縁膜の図示を省略している。
【0106】駆動信号φH1、φH2の波形を制御し
て、水平電荷転送路30内の電荷Q2を2水平電荷転送
段分、下流側に転送する。電荷Q2が、電荷転送段形成
部26aを含んで構成される電荷転送段の下流に相当す
る水平電荷転送段に移動する。
【0107】制御信号φC1〜φC4の波形を、電荷転
送段形成部26a、27a、28a、29aを含んで構
成される電荷転送段それぞれのポテンシャルP1、P
2、P3、P4の関係がP1<P4<P2=P3となる
ように制御する。駆動信号φH2の波形を、水平転送電
極32cを含んで構成されるポテンシャル・ウェル領域
のポテンシャルPh1がPh1>P4となるように制御
する。
【0108】図5に示すように、電荷転送段形成部26
aを含んで構成される電荷転送段に分布していた電荷Q
1が、水平電荷転送路30へ転送される。このとき、電
荷転送段形成部27aを含んで構成される電荷転送段に
は電荷が分布していない。電荷転送段形成部28aを含
んで構成される電荷転送段に分布している電荷Q3は、
この電荷転送段に留まる。
【0109】なお、図5に示した構成要素のうちで図2
において既に示した構成要素については、図2で用いた
参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
図5においても、図2と同様に、電極24、26〜29
および32cと半導体基板11との間に介在する電気的
絶縁膜、ならびに、各電極24、26〜29および32
cを覆っている電気的絶縁膜の図示を省略している。
【0110】図5に示すように、また、上述したよう
に、電荷Q1が転送される水平電荷転送段には、先に水
平電荷転送路30に転送されていた電荷Q2が分布して
いる。したがって、この水平電荷転送段において、2つ
の電荷Q1、Q2が水平加算される。以下、電荷Q1、
Q2が水平加算されて生じた電荷を「電荷Q4」という
ことがある。
【0111】水平電荷転送路30内には、電荷Q4と同
様に垂直加算および水平加算によって生じた多数の電荷
が分布する。
【0112】この後、駆動信号φH1、φH2の波形を
制御して、水平電荷転送路30内の電荷を出力部35へ
転送する。
【0113】出力部35は、これらの電荷に基づいて、
画像信号(信号電圧)を出力する。図1に示した映像信
号処理回路60は、この画像信号(信号電圧)を利用し
て、動画の画像データを生成する。
【0114】電荷転送段形成部28aを含んで構成され
る電荷転送段の各々に転送された電荷Q3は、動画の画
像データの生成に寄与しない。これらの電荷Q3は、例
えば、動画の画像データの生成に利用される電荷を出力
部35へ転送し終えた後に水平電荷転送路30へ転送さ
れ、出力部35において画像信号(信号電圧)に変換さ
れる。この画像信号(信号電圧)は、映像信号処理回路
60において画像データの生成に使用されることなく、
ここで廃棄される。あるいは、例えば、水平電荷転送路
30へ転送されることなく、半導体基板11に形成され
た電荷排出用ドレインに排出される。
【0115】図6は半導体基板11に形成された電荷排
出用ドレインDを概略的に示す。同図に示すように、電
荷排出用ドレインDは、電荷転送段形成部28aを含ん
で構成される各電荷転送段の近傍に1個づつ形成され
る。電荷転送段形成部28aは所定の垂直電荷転送チャ
ネル21の上方に1つずつ形成される。電荷転送段形成
部28aを含んで構成される電荷転送段から電荷排出用
ドレインDへの電荷の排出を制御するための制御ゲート
電極37が例えば第3ポリシリコン層によって形成され
る。制御ゲート電極37は、電荷排出用ドレインDの各
々と、この電荷排出用ドレインDに対応する垂直電荷転
送チャネル21とをそれぞれ部分的に覆う所定個の制御
ゲート部37aを有する。
【0116】各電荷排出用ドレインDの電位を例えば+
5Vとし、制御ゲート電極37に例えば+8V程度の電
圧を印加することにより、電荷転送段形成部28aを含
んで構成される電荷転送段の各々に分布している電荷を
対応する電荷排出用ドレインDに排出することができ
る。
【0117】前述したように、固体撮像素子10aは、
光遮蔽膜、色フィルタアレイおよびマイクロレンズアレ
イを備えている。
【0118】光遮蔽膜は、光電変換素子15以外の領域
において無用の光電変換が行われるのを防止する。色フ
ィルタアレイは、カラー撮像を可能にする。マイクロレ
ンズアレイは、個々の光電変換素子15での光の利用効
率を向上させる。
【0119】図7は、固体撮像素子10aにおける1個
の光電変換素子15とその周辺を概略的に示す断面図で
ある。
【0120】同図には、図2において図示を省略した光
遮蔽膜41、色フィルタアレイ45およびマイクロレン
ズアレイ48が示されている。
【0121】図7における光遮蔽膜41よりも半導体基
板11側の領域は、図2に示したA−A線に沿った断面
に相当する。図7に示した構成要素のうちで図2に示し
た構成要素に対応するものには図2で用いた参照符号と
同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0122】図7に示すように、固体撮像素子10aを
構成するシリコン等の半導体基板11は、n型半導体基
板11aと、この上に形成されたp型不純物添加領域1
1bとを有する。
【0123】個々の光電変換素子15は、例えば、p型
不純物添加領域11bの所定箇所にn型不純物添加領域
15aを設け、その上にp+ 型不純物添加領域15bを
設けることによって形成された埋込型のフォトダイオー
ドである。n型不純物添加領域15aの各々は、電荷蓄
積領域として機能する。
【0124】各垂直電荷転送チャネル21は、例えば、
p型不純物添加領域11bの所定箇所にn型不純物添加
領域を設けることによって形成される。
【0125】個々の光電変換素子15(n型不純物添加
領域15a)における図7での右側縁部に沿って、p型
不純物添加領域11bが露出している。p型不純物添加
領域11bにおけるこの領域が、読出ゲート用のチャネ
ル領域24aとして利用される。チャネル領域24aの
各々は、対応する光電変換素子15の右側縁部のほぼ中
央からその下流端にかけて延在する。電荷転送チャネル
21とこれに対応する光電変換素子15とは、チャネル
領域24aを介して隣接する。
【0126】チャネル領域24aが形成されている箇所
を除き、チャネルストップ領域17が各光電変換素子1
5の周囲を取り囲んでいる。このチャネルストップ領域
17は、光電変換素子15同士、および、光電変換素子
15とこれに対応しない電荷転送チャネル21とを電気
的に分離する。チャネルストップ領域17は、例えば、
p型不純物添加領域11bの所定箇所にp+ 型不純物添
加領域を設けることによって形成される。
【0127】なお、各不純物添加領域は、例えばイオン
注入とその後のアニールとによって形成することができ
る。p型不純物添加領域11bは、例えばエピタキシャ
ル成長法によって形成することもできる。p+ 型不純物
添加領域におけるp型不純物の濃度はp型不純物添加領
域におけるp型不純物の濃度よりも高い。
【0128】電気的絶縁膜18が、半導体基板11にお
ける一表面上、すなわち、上述した各種の不純物添加領
域が形成されている側の表面(各種の不純物添加領域の
表面を含む。)上に形成されている。
【0129】電気的絶縁膜18は、例えば、酸化ケイ素
等の電気絶縁性酸化物や、窒化ケイ素等の電気絶縁性窒
化物を用いて形成される。この電気的絶縁膜18は、例
えば、1つの電気絶縁性酸化物層からなる単層構造、電
気絶縁性酸化物層とその上に形成された電気絶縁性窒化
物層との2層積層構造、または、電気絶縁性酸化物層と
その上に形成された電気絶縁性窒化物層とその上に形成
された電気絶縁性酸化物層との3層積層構造を有する。
【0130】各垂直転送電極22、23、第1補助転送
電極24、第1〜第4転送制御電極26〜29および各
水平転送電極32a〜32dは、電気的絶縁膜18上に
形成されている。図7においては、垂直転送電極23の
みが見えている。各電極22〜24、26〜29、32
a〜32dは、それぞれ別個に、電気的絶縁膜(熱酸化
膜)40によって覆われている。
【0131】垂直転送電極23の一領域は、チャネル領
域24aを平面視上覆って、このチャネル領域24aと
ともに読出ゲート24を構成する。垂直転送電極23に
読出パルスを印加すると、チャネル領域24aにチャネ
ルが誘起され、光電変換素子15(n型不純物添加領域
15a)とこれに対応する電荷転送チャネル21とが導
通する。
【0132】光遮蔽膜41は、光電変換素子15(p+
型不純物添加領域15b)それぞれの上に1個ずつ所定
形状の開口部41aを有し、これらの箇所を除き、電気
的絶縁膜18およびその上に形成されている各種の電極
を覆っている。各開口部41aは、光電変換素子15に
おけるp+ 型不純物添加領域15bの外周面よりも平面
視上の内側において開口している。
【0133】光遮蔽膜41は、例えばアルミニウム、ク
ロム、タングステン、チタン、モリブデン等の金属から
なる薄膜や、これらの金属の2種以上からなる合金薄
膜、あるいは、前記の金属同士または前記の金属と前記
の合金とを含む群から選択された2種以上を組み合わせ
た多層金属薄膜等によって形成される。
【0134】保護膜42が、光遮蔽膜41上および開口
部41aから露出している電気的絶縁膜18上に形成さ
れている。この保護膜42は、例えばシリコン窒化物、
シリコン酸化物、PSG(ホスホシリケートガラス)、
BPSG(ボロホスホシリケートガラス)、ポリイミド
等によって形成される。
【0135】第1の平坦化膜43が、保護膜42を覆っ
ている。第1の平坦化膜43はマイクロレンズ用の焦点
調節層としても利用される。必要に応じて、第1の平坦
化膜43中にインナーレンズが形成される。
【0136】第1の平坦化膜43は、例えばフォトレジ
スト等の透明樹脂を例えばスピンコート法によって所望
の厚さに塗布することによって形成される。
【0137】色フィルタアレイ45は、第1の平坦化膜
43上に形成される。この色フィルタアレイ45は、カ
ラー撮像を可能にする複数種の色フィルタを所定のパタ
ーンで形成したものである。カラー撮像用の色フィルタ
アレイとしては、原色型の色フィルタアレイ、および、
補色型の色フィルタアレイがある。
【0138】原色型の色フィルタアレイおよび補色型の
色フィルタアレイのいずれにおいても、個々の光電変換
素子15の上方に色フィルタが1個ずつ配設される。図
7においては、1個の緑色フィルタ45Gと、2個の青
色フィルタ45Bとが見えている。
【0139】色フィルタアレイ45は、例えば、所望色
の顔料もしくは染料を含有させた樹脂(カラーレジン)
の層を、フォトリソグラフィ法等の方法によって所定箇
所に形成することによって作製することができる。
【0140】第2の平坦化膜46が、色フィルタアレイ
45上に形成されている。第2の平坦化膜46は、例え
ばフォトレジスト等の透明樹脂を例えばスピンコート法
によって所望の厚さに塗布することによって形成され
る。
【0141】マイクロレンズアレイ48は、第2の平坦
化膜46上に形成されている。このマイクロレンズアレ
イ48は、個々の光電変換素子15の上方に1個ずつ配
設されたマイクロレンズ48aによって構成される。
【0142】これらのマイクロレンズ48aは、例え
ば、屈折率が概ね1.3〜2.0の透明樹脂(フォトレ
ジストを含む。)からなる層をフォトリソグラフィ法等
によって所定形状に区画した後、熱処理によって各区画
の透明樹脂層を溶融させ、表面張力によって角部を丸め
込ませた後に冷却すること等によって得られる。
【0143】固体撮像素子10aは、前述した垂直加算
および水平加算を行って動画の画像データが容易に得ら
れるように、特徴的な色フィルタアレイ45を有してい
る。
【0144】図8は、固体撮像素子10aにおける色フ
ィルタアレイ45の一部を示す。同図においては、赤色
フィルタを記号Rで示し、緑色フィルタを記号Gで示
し、青色フィルタを記号Bで示している。図面を解りや
すくするために、個々の色フィルタの輪郭線を省略して
いる。
【0145】図中の左下隅の色フィルタRが、図2にお
ける左下隅の光電変換素子15の上方に位置する。
【0146】同図に示した色フィルタアレイ45では、
赤色フィルタR、緑色フィルタGおよび青色フィルタB
が、基本的に、所定の繰返しパターンの下に配列されて
いる。本明細書においては、色フィルタ配列の基本的な
繰返しパターンを「第1の繰返しパターン」という。色
フィルタアレイ45における第1の繰返しパターンは、
ベイヤー配列に則った繰返しパターンである。
【0147】基本的に、光電変換素子列方向Cdに緑色
フィルタGと赤色フィルタRとを交互に繰返し配列した
色フィルタ列と、光電変換素子列方向Cdに青色フィル
タBと緑色フィルタGとを交互に繰返し配列した色フィ
ルタ列とが、交互に形成されている。光電変換素子行方
向Rdについても同様である。
【0148】ただし、この色フィルタアレイ45は、ベ
イヤー配列における色フィルタの繰返しパターン(第1
の繰返しパターン)から外れて配置された所定個のパタ
ーン外色フィルタを含んでいる。図8には、計10個の
パターン外色フィルタが示されている。図8において
は、パターン外色フィルタそれぞれに下線を付してあ
る。
【0149】これらのパターン外色フィルタは、色フィ
ルタアレイ45中の全色フィルタを8行8列単位で格子
状に区切ったときの各区画の中央付近に配置されてい
る。図8中の一点鎖線が各区画の輪郭を示す。
【0150】動画モードの際には、各区画の中央部に位
置する4個の色フィルタそれぞれの下方の光電変換素子
15a1 〜15a4 (図2参照)に蓄積された電荷同士
が垂直加算および水平加算され、前述した1つの電荷Q
4となって、出力部35(図2参照)に転送される。
【0151】図8では、各区画におけるこれら4個の色
フィルタを破線で括っている。また、本明細書において
は、各区画におけるこれら4個の色フィルタを「加算用
色フィルタユニット」という。図8には3種類の加算用
色フィルタユニットUg、Ur、Ubが計4個示されて
いる。
【0152】いずれの加算用色フィルタユニットUg、
Ur、Ubも、同色の色フィルタによって構成されてい
る。いずれのパターン外色フィルタも、加算用色フィル
タユニットUg、UrまたはUbに含まれている。
【0153】色フィルタアレイ45全体では、緑色フィ
ルタGによって構成される加算用色フィルタユニットU
g、赤色フィルタRによって構成される加算用色フィル
タユニットUrおよび青色フィルタBによって構成され
る加算用色フィルタユニットUbが、それぞれ所定数ず
つ含まれている。
【0154】これらの加算用色フィルタユニットUg、
Ur、Ubは、当該加算用色フィルタユニットを構成す
る色フィルタの色に着目したとき、赤、緑および青の加
算用色フィルタユニットが所定の繰返しパターンを形成
するように配列されている。本明細書においては、色フ
ィルタアレイ中での加算用色フィルタユニットの繰返し
パターンを「第2の繰返しパターン」という。色フィル
タアレイ45における第2の繰返しパターンは、ベイヤ
ー配列に則った繰返しパターンである。
【0155】個々の加算用色フィルタユニットUg、U
r、Ubが同色の色フィルタによって構成されているの
で、出力部35で発生した画像信号(信号電圧)に映像
信号処理回路60(図1参照)で複雑な映像信号処理を
施さなくても、所望の動画用画像データを得ることがで
きる。個々の加算用色フィルタユニットUg、Ur、U
bの下に形成されている4個の光電変換素子を、信号処
理上、1つの画素として扱うことが容易である。また、
S/N比を改善することが容易になる。さらに、4個の
光電変換素子15a1 〜15a4 に蓄積された電荷同士
を垂直加算および水平加算して1つの電荷として扱って
いる、すなわち、光電変換素子15a1〜15a4 を、
信号処理上、1つの画素として扱っているので、比較的
明るい動画を表示することが容易になる。
【0156】静止画モードの際には、例えば全ての光電
変換素子15から電荷が読み出される。ただし、パター
ン外色フィルタの下方に形成されている光電変換素子1
5a 1 〜15a4 に蓄積された電荷は、静止画の画像デ
ータの生成には利用されない。静止画の画像データは、
第1の繰返しパターンに含まれる色フィルタそれぞれの
下方に形成されている光電変換素子15に蓄積された電
荷のみを利用して生成される。このときの画像データの
生成は、例えば映像信号処理回路60内での演算によ
り、パターン外色フィルタの形成箇所に本来の色の色フ
ィルタ、すなわち、第1の繰返しパターンに含まれる色
の色フィルタが形成されているものとして、行われる。
【0157】図8に示した色フィルタアレイ45におけ
るパターン外色フィルタの割合は、10/256で約4
%である。静止画の画素数をS(ただし、全ての光電変
換素子15から電荷を読み出すものとする。)、垂直加
算および水平加算して生成する画像データ(動画デー
タ)の1フレーム分の画素数をVとすると、比V/S
は、4/256で約1.6%である。1個の加算用色フ
ィルタユニットにおける色フィルタ数は4であるので、
前述した式(I)におけるKは4である。したがって、
V×K/Sは16/256で6.25%である。すなわ
ち、本実施例の固体撮像素子10aは、前述した式
(I)を満たす。
【0158】次に、固体撮像素子10に係る第2の実施
例による固体撮像素子について、図9、図10および図
11を用いて説明する。
【0159】図9は、第2の実施例による固体撮像素子
10bを概略的に示す平面図である。同図に示した構成
要素は全て図2に示されているので、これらの構成要素
には図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその
説明を省略する。
【0160】図9と図2との比較から明らかなように、
固体撮像素子10bにおいては、光電変換素子15a
2 、15a4 の位置が、固体撮像素子10aに比べて1
光電変換素子行分、下流側にずれている。
【0161】図10は、動画モードの際の駆動信号φV
1〜φV16の波形を示す。同図に示した項目は図3に
示した項目と共通するので、ここでは各項目の説明を省
略する。図10に示すように、読出パルスRは、駆動信
号φV9、φV13に含まれる。
【0162】光電変換素子15から電荷を読み出す前
に、駆動信号φV9、φ10、φV13がハイレベルH
になり、他の駆動信号はローレベルLになる。個々の垂
直電荷転送路20において駆動信号φV9、φ10、φ
V13の供給を受けている電荷転送段の各々に、ポテン
シャル・ウェルが形成される。
【0163】この後、駆動信号φV9、φV13に読出
パルスが重畳される。図示の例では駆動信号φV9、φ
V13に同じタイミングで読出パルスが重畳されている
が、これらの読出パルスを異なるタイミングで駆動信号
φV9、φV13に重畳することもできる。
【0164】水平電荷転送路30側から数えて第5行目
および第3行面の光電変換素子15それぞれに蓄積され
ていた電荷が、対応する垂直電荷転送路20に形成され
ているポテンシャル・ウェルに読み出される。
【0165】第5行の光電変換素子15それぞれに蓄積
されていた電荷は、対応する垂直電荷転送路20におい
て駆動信号φV9、φ10の供給を受けている2つの電
荷転送段に亘って形成された2連のポテンシャル・ウェ
ルに読み出される。第3行の光電変換素子15それぞれ
に蓄積されていた電荷は、対応する垂直電荷転送路20
において駆動信号φV13の供給を受けている1つの電
荷転送段に形成された1連のポテンシャル・ウェルに読
み出される。
【0166】駆動信号φV9〜φV12が図示のように
変化する。駆動信号φV13は、暫くの間、ハイレベル
Hを維持する。時刻T0 のとき、個々の垂直電荷転送路
20において駆動信号φV11〜φV14の供給を受け
ている4つの電荷転送段に亘る4連のポテンシャル・ウ
ェルが形成される。
【0167】このとき、第5行の光電変換素子15から
対応する垂直電荷転送路20に読み出されていた電荷
は、この4連のポテンシャル・ウェルに分布する。同様
に、第3行の光電変換素子15から対応する垂直電荷転
送路20に読み出されていた電荷も、この4連のポテン
シャル・ウェルに分布する。各垂直電荷転送路20にお
いて、第5行および第3行の光電変換素子15それぞれ
に蓄積されていた2個の電荷同士が垂直加算される。
【0168】光電変換素子15a1 から読み出された電
荷と光電変換素子15a2 から読み出された電荷とが垂
直加算されて、電荷Q1が生じる。光電変換素子15a
3 から読み出された電荷と光電変換素子15a4 から読
み出された電荷とが垂直加算されて、電荷Q2が生じ
る。
【0169】その後、図3を用いて説明した固体撮像素
子10aと同様に駆動信号φV1〜φV16、φH1、
φH2および制御信号φC1〜φC4が変化する。
【0170】電荷Q2が水平電荷転送路30へ転送され
た後に電荷Q1が水平電荷転送路30へ転送され、水平
電荷転送路30内で電荷Q1と電荷Q2とが水平加算さ
れて電荷Q4が生じる。出力部35が、垂直加算および
水平加算によって生じた電荷に基づいて、画像信号(信
号電圧)を出力する。図1に示した映像信号処理回路6
0が、この画像信号(信号電圧)を利用して、動画の画
像データを生成する。
【0171】電荷転送段形成部28aを含んで構成され
る電荷転送段の各々に転送された電荷Q3は、動画の画
像データの生成に利用されることなく、廃棄される。
【0172】動画モードの際に第5行および第3行の光
電変換素子15から電荷を読み出す固体撮像素子10b
は、前述した固体撮像素子10aとは異なる色フィルタ
アレイを有している。
【0173】図11は、固体撮像素子10bにおける色
フィルタアレイ145の一部を示す。この色フィルタア
レイ145では、個々の加算用色フィルタユニットU
g、Ur、Ubを構成する色フィルタが以下のように選
択されている。
【0174】すなわち、全色フィルタを8行8列単位で
格子状に区切り、これらの区画それぞれにおける左上隅
の色フィルタを第1行第1列の色フィルタ、右下隅の色
フィルタを第8行第8列の色フィルタとしたとき、各区
画における第4行第4列、第6行第4列、第4行第5列
および第6行第5列の各色フィルタによって、加算用色
フィルタユニットUg、UrまたはUbが構成されてい
る。
【0175】この点を除けば、色フィルタアレイ145
の構成は図8に示した色フィルタアレイ45の構成と同
様である。多数個の赤色フィルタR、緑色色フィルタ
G、青色色フィルタBがベイヤー配列に則った第1の繰
返しパターンの下に配列している。このため、図11に
おいては図8で用いた参照符号と同じ参照符号を用いて
色フィルタアレイ145の各構成要素を示し、共通する
構成要素についてはその説明を省略する。
【0176】動画モードの際には、各区画において加算
用色フィルタユニットUg、UrまたはUbを構成する
4個の色フィルタそれぞれの下方の光電変換素子15a
1 〜15a4 (図9参照)に蓄積された電荷同士が垂直
加算および水平加算されて、前述した1つの電荷Q4と
なる。
【0177】色フィルタアレイ145全体では、緑色フ
ィルタGによって構成される加算用色フィルタユニット
Ug、赤色フィルタRによって構成される加算用色フィ
ルタユニットUrおよび青色フィルタBによって構成さ
れる加算用色フィルタユニットUbが、それぞれ所定数
ずつ含まれている。
【0178】これらの加算用色フィルタユニットUg、
Ur、Ubは、第2の繰返しパターンの下に配置されて
いる。色フィルタアレイ145における第2の繰返しパ
ターンも、ベイヤー配列に則った繰返しパターンであ
る。
【0179】図8に示した色フィルタアレイ45と同様
の理由から、出力部35で発生した画像信号(信号電
圧)に映像信号処理回路60(図1参照)で複雑な映像
信号処理を施さなくても、所望の動画用画像データを得
ることができる。個々の加算用色フィルタユニットU
g、Ur、Ubの下に形成されている4個の光電変換素
子を、信号処理上、1つの画素として扱うことが容易で
ある。また、S/N比を改善することが容易になる。さ
らに、比較的明るい動画を表示することが容易になる。
【0180】静止画モードの際には、第1の実施例によ
る固体撮像素子10aを用いた場合と同様に、第1の繰
返しパターンに含まれる色フィルタそれぞれの下方に形
成されている光電変換素子15に蓄積された電荷のみを
利用して、画像データが生成される。このときの画像デ
ータの生成は、例えば映像信号処理回路60内での演算
により、パターン外色フィルタの形成箇所に本来の色の
色フィルタ、すなわち、第1の繰返しパターンに含まれ
る色の色フィルタが形成されているものとして、行われ
る。
【0181】図8に示した色フィルタアレイ45におけ
るパターン外色フィルタの割合は、10/256で約4
%である。静止画の画素数をS(ただし、全ての光電変
換素子15から電荷を読み出すものとする。)、垂直加
算および水平加算して生成する画像データ(動画デー
タ)の1フレーム分の画素数をVとすると、比V/S
は、4/256で約1.6%である。1個の加算用色フ
ィルタユニットにおける色フィルタ数は4であるので、
前述した式(I)におけるKは4である。したがって、
V×K/Sは16/256で6.25%である。すなわ
ち、本実施例の固体撮像素子10bは、前述した式
(I)を満たす。
【0182】次に、固体撮像素子10に係る第3の実施
例による固体撮像素子について、図12、図13および
図14を用いて説明する。
【0183】図12は、第3の実施例による固体撮像素
子10cを概略的に示す平面図である。同図に示すよう
に、固体撮像素子10cにおいては、多数個の光電変換
素子15が画素ずらし配置されている。この点で、固体
撮像素子10cは、第1または第2の実施例による固体
撮像素子10a、10bと大きく異なる。
【0184】他に下記(1) 〜(9) の点でも、固体撮像素
子10cは固体撮像素子10a、10bと異なる。 (1) 各光電変換素子15の平面視上の形状がほぼ八角形
である。 (2) 個々の垂直電荷転送チャネル21が、対応する光電
変換素子列に沿って蛇行しつつ延在する。 (3) 垂直転送電極22、23の各々が、対応する光電変
換素子行に沿って蛇行しつつ延在する。 (4) 第1補助転送電極24の下流側に第2補助転送電極
25が配設されている。 (5) 個々の読出ゲート24が、対応する光電変換素子1
5の左上の辺に沿って構成されている。 (6) 動画モードの際に電荷が読み出される光電変換素子
15a1 〜15a4 が、図12での左下隅の光電変換素
子15を基準(第1行第1列)にしたときの第9行第7
列、第7行第7列、第9行第9列および第7行第9列に
配置されている。 (7) 第1転送制御電極26における左端の電荷転送段形
成部26aが、左から数えて7番目の垂直電荷転送チャ
ネル21と電荷転送段を構成し、左から数えて2番目以
降の各電荷転送段形成部26a(図示されていない。)
が、7本おきの垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段
を構成する。 (8) 第2転送制御電極27における左端の電荷転送段形
成部27aが、左から数えて9番目の垂直電荷転送チャ
ネル21と電荷転送段を構成し、左から数えて2番目以
降の各電荷転送段形成部27a(図示されていない。)
が、7本おきの垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段
を構成する。 (9) 第3転送制御電極28が2種類の電荷転送段形成部
28a1 、28a2 を有する。
【0185】左端の電荷転送段形成部28a1 は、左か
ら数えて1〜6番目の各垂直電荷転送チャネル21と電
荷転送段を構成し、左から数えて2番目以降の各電荷転
送段形成部28a1 は、その左隣の電荷転送段形成部2
8a1 との間に3本の垂直電荷転送チャネル21を置い
て、5本の垂直電荷転送チャネル21と電荷転送段を構
成する。
【0186】左端の電荷転送段形成部28a2 は、左か
ら数えて8番目の垂直電荷転送チャネル21と電荷転送
段を構成し、左から数えて2番目以降の各電荷転送段形
成部28a2 (図示されていない。)は、その左隣の電
荷転送段形成部28a2 との間に7本の垂直電荷転送チ
ャネル21を置いて、1本の垂直電荷転送チャネル21
と電荷転送段を構成する。
【0187】これらの相違点を除けば、図12に示した
固体撮像素子10cは、図2または図9に示した固体撮
像素子10a、10bと同様の構成を有する。
【0188】このため、図12に示した構成要素のうち
で図2または図9に示した構成要素と共通するものにつ
いては、図2または図9で用いた参照符号と同じ参照符
号を付してその説明を省略する。
【0189】本実施例による固体撮像素子10cの特徴
の1つである「画素ずらし配置」とは、奇数番目に当た
る光電変換素子列の各光電変換素子に対し、偶数番目に
当たる光電変換素子列の光電変換素子の各々が、光電変
換素子列内での光電変換素子のピッチの約1/2、列方
向にずれ、奇数番目に当たる光電変換素子行の各光電変
換素子に対し、偶数番目に当たる光電変換素子行の光電
変換素子の各々が、光電変換素子行内での光電変換素子
のピッチの約1/2、行方向にずれ、光電変換素子列の
各々が奇数行または偶数行の光電変換素子のみを含むよ
うな、多数個の光電変換素子の配置を意味する。「画素
ずらし配置」は、複数行、複数列に亘って行列状に形成
された多数個の光電変換素子の一形態である。
【0190】「光電変換素子列内での光電変換素子のピ
ッチの約1/2」とは、1/2を含む他に、製造誤差、
設計上もしくはマスク製作上起こる画素位置の丸め誤差
等の要因によって1/2からはずれてはいるものの、得
られる固体撮像装置の性能およびその画像の画質からみ
て実質的に1/2と同等とみなすことができる値をも含
むものとする。「光電変換素子行内での光電変換素子の
ピッチの約1/2」についても同様である。
【0191】固体撮像素子10cにおいて新たに配設さ
れた第2補助転送電極25は、垂直電荷転送チャネル2
1の各々と1つずつ電荷転送段を構成する。これらの電
荷転送段は、それぞれが別個の垂直電荷転送路20を構
成する。第2補助転送電極25は、第1ポリシリコン層
によって形成されている。図示を省略した電気的絶縁膜
(熱酸化膜)が、第2補助転送電極25を覆っている。
【0192】上述した構成を有する固体撮像素子10c
は、静止画モードのときには、第1または第2の実施例
による固体撮像素子10a、10bと同様にインターレ
ース走査の下に駆動される。電荷の垂直加算および水平
加算は行われない。
【0193】動画モードのとき、固体撮像素子10c
は、第1または第2の実施例による固体撮像素子10
a、10bと同様に1/4間引き走査の下に駆動され
る。また、電荷の垂直加算および水平加算が行われる。
動画モードの際の読出パルスRは、駆動信号φV7、φ
V9に重畳される。
【0194】図13は、動画モードの際の駆動信号φV
1〜φV16の波形を示す。
【0195】図13と図3との比較から明らかなよう
に、読出パルスRが重畳される駆動信号を基準にして駆
動信号同士の波形の相互関係をみると、図13に示した
駆動信号φV1〜φV16の相互関係は、図3に示した
駆動信号φV1〜φV16での相互関係と同様である。
【0196】固体撮像素子10cにおいては、第1の実
施例による固体撮像素子10aと同様にして、各垂直電
荷転送路20内および水平電荷転送路30内を電荷が転
送される。垂直電荷転送路20内で電荷の垂直加算が行
われて、電荷Q1、Q2が生じる。水平電荷転送路30
内で電荷Q1、Q2の水平加算が行われて、電荷Q4が
生じる。
【0197】ただし、水平電荷転送路30に転送された
電荷Q2は、電荷Q1が水平電荷転送路30へ転送され
てくる前に、4水平電荷転送段分、下流側に転送され
る。
【0198】出力部35が、垂直加算および水平加算に
よって生じた電荷に基づいて、画像信号(信号電圧)を
出力する。図1に示した映像信号処理回路60が、この
画像信号(信号電圧)を利用して、動画の画像データを
生成する。
【0199】電荷転送段形成部28a1 、28a2 を含
んで構成される電荷転送段の各々に転送された電荷は、
動画の画像データの生成に利用されることなく廃棄され
る。
【0200】固体撮像素子10cは、第1または第2の
実施例による固体撮像素子10a、10bとは異なる色
フィルタアレイを有している。
【0201】図14は、固体撮像素子10cにおける色
フィルタアレイ245の一部を示す。この色フィルタア
レイ245では、基本的に、赤色フィルタR、緑色フィ
ルタGおよび青色フィルタBがハニカム配列に則った第
1の繰返しパターンの下に配列されている。この点で、
色フィルタアレイ245は図8に示した色フィルタアレ
イ45と大きく異なる。ハニカム配列は、ベイヤー配列
を45°程度回転させた配列に相当する。
【0202】また、後述するように、個々の加算用色フ
ィルタユニットUg、Ur、Ubを構成する各色フィル
タの配設位置および各パターン外色フィルタの配設位置
が、色フィルタアレイ45と大きく異なる。
【0203】これらの点を除けば、色フィルタアレイ2
45の構成は色フィルタアレイ45の構成と同様であ
る。このため、図14においては図8で用いた参照符号
と同じ参照符号を用いて色フィルタアレイ245の各構
成要素を示し、共通する構成要素についてはその説明を
省略する。
【0204】色フィルタアレイ245において加算用色
フィルタユニットを構成する各色フィルタは、色フィル
タアレイ245を45°程度回転させてベイヤー配列に
戻した状態でこれらを8行8列単位で格子状に区切った
ときの各区画における下記(1) および(2) の位置に配設
された色フィルタである。(1) 色フィルタアレイ245
を45°程度回転させてハニカム配列の状態に戻した状
態で各区画をみたときに、光電変換素子行方向に延在す
る対角線上中央部の2箇所。(2) 上記(1) の2箇所それ
ぞれの2行下流側に位置する計2箇所。
【0205】各加算用色フィルタユニットUg、Ur、
Ubは、その色に着目したときに、ハニカム配列に則っ
た第2の繰返しパターンの下に配置されている。
【0206】動画モードの際には、各区画において加算
用色フィルタユニットUg、Ur、Ubを構成する4個
の色フィルタそれぞれの下方の光電変換素子15a1
15a4 (図12参照)に蓄積された電荷同士が垂直加
算および水平加算されて、前述した1つの電荷Q4とな
る。
【0207】図8に示した色フィルタアレイ45と同様
の理由から、出力部35で発生した画像信号(信号電
圧)に映像信号処理回路60(図1参照)で複雑な映像
信号処理を施さなくても、所望の動画用画像データを得
ることができる。個々の加算用色フィルタユニットU
g、Ur、Ubの下に形成されている4個の光電変換素
子を、信号処理上、1つの画素として扱うことが容易で
ある。また、S/N比を改善することが容易になる。さ
らに、比較的明るい動画を表示することが容易になる。
【0208】静止画モードの際には、第1の実施例によ
る固体撮像素子10aを用いた場合と同様に、第1の繰
返しパターンに含まれる色フィルタそれぞれの下方に形
成されている光電変換素子15に蓄積された電荷のみを
利用して、画像データが生成される。このときの画像デ
ータの生成は、例えば映像信号処理回路60内での演算
により、パターン外色フィルタの形成箇所に本来の色の
色フィルタ、すなわち、第1の繰返しパターンに含まれ
る色の色フィルタが形成されているものとして、行われ
る。
【0209】図14に示した色フィルタアレイ45にお
けるパターン外色フィルタの割合は、8/256〜10
/256で約3〜4%である。静止画の画素数をS(た
だし、全ての光電変換素子15から電荷を読み出すもの
とする。)、垂直加算および水平加算して生成する画像
データ(動画データ)の1フレーム分の画素数をVとす
ると、比V/Sは、4/256で約1.6%である。1
個の加算用色フィルタユニットにおける色フィルタ数は
4であるので、前述した式(I)におけるKは4であ
る。したがって、V×K/Sは16/256で6.25
%である。すなわち、本実施例の固体撮像素子10c
は、前述した式(I)を満たす。
【0210】以上、実施例による固体撮像装置および固
体撮像素子について説明したが、本発明は上述した実施
例に限定されるものではない。種々の変更、改良、組み
合わせ等が可能である。
【0211】特に、固体撮像素子内で電荷を垂直加算お
よび水平加算するうえで必要となる電極構成および色フ
ィルタアレイの構成をそれぞれ除いた残りの構成は、種
々変更可能である。
【0212】また、固体撮像素子の駆動方法は、その電
極構成に応じて適宜選定可能である。水平電荷転送路を
4相駆動型のCCDによって構成することもできる。
【0213】さらに、固体撮像素子内で電荷を垂直加算
および水平加算するうえで必要となる電極構成自体も、
適宜変更可能である。例えば、特願平11−16124
6号明細書に記載された発明に係る垂直加算および水平
加算を可能にする電極構成を採用することもできる。
【0214】勿論、固体撮像素子内での電荷同士の垂直
加算および水平加算は、必須の要件ではない。1つの加
算用色フィルタユニットの下方に形成されている光電変
換素子の各々から読み出された電荷を別々に出力部へ転
送し、これらの電荷に基づいて出力部が発生する画像信
号(信号電圧)同士を映像信号処理回路内で垂直加算お
よび水平加算して1つの信号を得てもよい。映像信号処
理回路内で垂直加算および水平加算を行った場合におい
ても、固体撮像素子内で電荷同士の垂直加算および水平
加算を行った場合と同様の利点が得られる。
【0215】色フィルタアレイは、原色型の色フィルタ
アレイであってもよいし、補色型の色フィルタアレイで
あってもよい。ベイヤー配列やハニカム配列は、原色型
の色フィルタアレイにおける色フィルタの配列パターン
の一形態である。
【0216】原色型の色フィルタアレイでは、ベイヤー
配列以外に、インターライン型、GストライプRB市松
型、GストライプRB完全市松型、ストライプ型、斜め
ストライプ型等の配列パターンが知られている。これら
の配列パターンを45°程度回転させれば、多数個の光
電変換素子が画素ずらし配置された固体撮像素子に適用
することが可能な原色型の色フィルタアレイを得ること
ができる。
【0217】補色型の色フィルタアレイでは、フィール
ド色差順次型、フレーム色差順次型、MOS型、改良M
OS型、フレームインタリーブ型、フィールドインタリ
ーブ型、ストライプ型等の配列パターンが知られてい
る。これらの配列パターンを45°程度回転させれば、
多数個の光電変換素子が画素ずらし配置された固体撮像
素子に適用することが可能な補色型の色フィルタアレイ
を得ることができる。
【0218】パターン外色フィルタの色を何色にするか
は、色フィルタアレイにおける色フィルタの基本的な配
列パターン(第1の繰返しパターン)、色フィルタアレ
イ中での加算用色フィルタユニットの配置パターン(第
2の繰返しパターン)等に応じて適宜選定可能である。
第1の繰返しパターンと第2の繰返しパターンとは、同
じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0219】加算用色フィルタユニットの配置は、どの
光電変換素子に蓄積された電荷同士を垂直加算および水
平加算して画像データを得るかに応じて、適宜選定され
る。どの光電変換素子に蓄積された電荷同士を垂直加算
および水平加算して画像データを得るかは、適宜選択可
能である。
【0220】加算用色フィルタユニットの下の各光電変
換素子に蓄積された電荷同士を垂直加算および水平加算
して生成する画像データは、動画データに限定されるも
のではなく、静止画データであってもよい。例えば、パ
ーソナルコンピュータや携帯用端末に取り込むための静
止画データを、加算用色フィルタユニットの下の各光電
変換素子に蓄積された電荷同士を垂直加算および水平加
算して生成することもできる。
【0221】なお、上述した色フィルタアレイは、MO
S型固体撮像素子のようにCCDによって構成された電
荷転送路を備えていない固体撮像素子に対しても適用す
ることが可能である。
【0222】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能であることは当業者に自明であろう。
【0223】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の光電変換素子を信号処理上1つの画素として扱う
ことが容易になり、複数の電荷同士を垂直加算および水
平加算して容易に画像データを得ることが可能になる。
したがって、例えば固体撮像装置において動画表示の際
の画素数に対する静止画記録の際の画素数の比が大きく
なっても、静止画記録と、比較的明るい動画表示とを行
うことが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例による固体撮像装置の概略を示すブロッ
ク図である。
【図2】第1の実施例による固体撮像素子を概略的に示
す平面図である。
【図3】図2に示した固体撮像素子を用いて動画を撮像
する際の駆動信号φV1〜φV16の波形を示すタイミ
ングチャートである。
【図4】図2に示した固体撮像素子において垂直電荷転
送路から水平電荷転送路へ電荷が転送される際のポテン
シャル図である。
【図5】図2に示した固体撮像素子において垂直電荷転
送路から水平電荷転送路へ電荷が転送される際の他のポ
テンシャル図である。
【図6】電荷転送段に分布する電荷を排出するための電
荷排出用ドレインとその周辺を概略的に示す平面図であ
る。
【図7】図2に示した固体撮像素子における1個の光電
変換素子とその周辺を概略的に示す断面図である。
【図8】図2に示した固体撮像素子における色フィルタ
アレイの一部を示す概略図である。
【図9】第2の実施例による固体撮像素子を概略的に示
す平面図である。
【図10】図9に示した固体撮像素子を用いて動画を撮
像する際の駆動信号φV1〜φV16の波形を示すタイ
ミングチャートである。
【図11】図9に示した固体撮像素子における色フィル
タアレイの一部を示す概略図である。
【図12】第3の実施例による固体撮像素子を概略的に
示す平面図である。
【図13】図12に示した固体撮像素子を用いて動画を
撮像する際の駆動信号φV1〜φV16の波形を示すタ
イミングチャートである。
【図14】図12に示した固体撮像素子における色フィ
ルタアレイの一部を示す概略図である。
【符号の説明】 10、10a、10b、10c…固体撮像素子、 15
…固体撮像素子、 20…垂直電荷転送路、 21…垂
直電荷転送チャネル、 22、23…垂直転送電極、
24…読出ゲート、 30…水平電荷転送路、 31…
水平電荷転送チャネル、 32a〜32d…水平転送電
極、 35…出力部、 45、145、245…色フィ
ルタアレイ、 48…マイクロレンズアレイ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/335 H04N 5/335 P H01L 27/14 D B Fターム(参考) 2H048 BB02 BB07 BB08 BB47 4M118 AA01 AB01 BA08 BA13 CA03 DA03 DB06 FA06 FA13 GC08 GC14 GD03 GD04 GD07 5C024 CX38 CX41 CY11 DX01 GX03 GY04 GZ30 HX28 JX23 5C065 AA01 AA03 BB48 CC01 CC08 DD05 DD07 EE06 EE07 EE14 GG21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と、 前記半導体基板の一表面側に複数行、複数列に亘って行
    列状に形成された多数個の光電変換素子と、 1列の光電変換素子列に1本ずつ該光電変換素子列に近
    接して前記半導体基板に形成された複数本の垂直電荷転
    送路と、 前記複数本の垂直電荷転送路の各々に電気的に接続され
    た水平電荷転送路と、 前記水平電荷転送路の一端に電気的に接続された出力部
    と、 前記多数個の光電変換素子それぞれの上方に1個ずつ形
    成された多数個の色フィルタによって構成されるカラー
    撮像用の色フィルタアレイであって、光電変換素子列方
    向および光電変換素子行方向のいずれの方向についても
    基本的に第1の繰返しパターンの下に複数色の色フィル
    タが配列され、電荷の垂直加算および水平加算を行って
    信号処理上1つの画素として扱うことのできる少なくと
    も4個の光電変換素子それぞれの上方に形成された同色
    の色フィルタによって構成される加算用色フィルタユニ
    ットを複数個含み、該複数個の加算用色フィルタユニッ
    トのうちの一部または全部が、個々の色フィルタの色に
    着目したときに前記第1の繰返しパターンから外れて配
    置されたパターン外色フィルタを少なくとも1個含む色
    フィルタアレイとを有する固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 前記複数個の加算用色フィルタユニット
    が、該加算用色フィルタユニットを構成する前記色フィ
    ルタの色に着目したときに、カラー撮像を可能にする第
    2の繰返しパターンの下に配置されている請求項1に記
    載の固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 半導体基板と、前記半導体基板の一表面
    側に複数行、複数列に亘って行列状に形成された多数個
    の光電変換素子と、1列の光電変換素子列に1本ずつ該
    光電変換素子列に近接して前記半導体基板に形成された
    複数本の垂直電荷転送路と、前記複数本の垂直電荷転送
    路の各々に電気的に接続された水平電荷転送路と、前記
    水平電荷転送路の一端に電気的に接続された出力部と、
    前記多数個の光電変換素子それぞれの上方に1個ずつ形
    成された多数個の色フィルタによって構成されるカラー
    撮像用の色フィルタアレイであって、光電変換素子列方
    向および光電変換素子行方向のいずれの方向についても
    基本的に第1の繰返しパターンの下に複数色の色フィル
    タが配列され、電荷の垂直加算および水平加算を行って
    信号処理上1つの画素として扱うことのできる少なくと
    も4個の光電変換素子それぞれの上方に形成された同色
    の色フィルタによって構成される加算用色フィルタユニ
    ットを複数個含み、該複数個の加算用色フィルタユニッ
    トのうちの一部または全部が、個々の色フィルタの色に
    着目したときに前記第1の繰返しパターンから外れて配
    置されたパターン外色フィルタを少なくとも1個含む色
    フィルタアレイとを有する固体撮像素子と、 前記複数本の垂直電荷転送路の各々、前記水平電荷転送
    路および前記出力部を駆動するための駆動信号を生成す
    ることができる駆動回路と、 前記出力部で発生した信号電圧に基づいて画像データを
    生成することができる映像信号処理回路とを備えた固体
    撮像装置。
  4. 【請求項4】 前記複数個の加算用色フィルタユニット
    が、該加算用色フィルタユニットを構成する前記色フィ
    ルタの色に着目したときに、カラー撮像を可能にする第
    2の繰返しパターンの下に配置されている請求項3に記
    載の固体撮像装置。
  5. 【請求項5】 一表面側に多数個の光電変換素子が複数
    行、複数列に亘って行列状に形成された半導体基板を用
    意する工程と、 前記多数個の光電変換素子それぞれの上方に1個ずつ配
    置された多数個の色フィルタによって構成されるカラー
    撮像用の色フィルタアレイを形成する工程であって、光
    電変換素子列方向および光電変換素子行方向のいずれの
    方向についても基本的に所定の繰返しパターンの下に複
    数色の色フィルタが配列され、電荷の垂直加算および水
    平加算を行って信号処理上1つの画素として扱うことの
    できる少なくとも4個の光電変換素子それぞれの上方に
    形成された同色の色フィルタによって構成される加算用
    色フィルタユニットを複数個含み、該複数個の加算用色
    フィルタユニットのうちの一部または全部が、個々の色
    フィルタの色に着目したときに前記繰返しパターンから
    外れて配置されたパターン外色フィルタを少なくとも1
    個含む色フィルタアレイを形成する工程とを含む色フィ
    ルタアレイの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009015074A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Sanyo Electric Co Ltd カラーフィルタ及びカラーフィルタを搭載した光学センサ並びにそれらの製造方法

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JP2009015074A (ja) * 2007-07-05 2009-01-22 Sanyo Electric Co Ltd カラーフィルタ及びカラーフィルタを搭載した光学センサ並びにそれらの製造方法

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