JP2002064032A - キャパシタとこのキャパシタを有する半導体装置 - Google Patents

キャパシタとこのキャパシタを有する半導体装置

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JP2002064032A JP2000248951A JP2000248951A JP2002064032A JP 2002064032 A JP2002064032 A JP 2002064032A JP 2000248951 A JP2000248951 A JP 2000248951A JP 2000248951 A JP2000248951 A JP 2000248951A JP 2002064032 A JP2002064032 A JP 2002064032A
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capacitor electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で信頼性の高いキャパシタとこれを有す
る半導体装置を提供する。 【解決手段】 半導体基板42のV/H44を取囲ん
で、半導体基板42上にキャパシタの下部電極48を形
成し、下部電極48上にキャパシタの絶縁体膜50を設
けるとともにV/H44の接続導体44bと下部電極4
8とを絶縁体膜50で隔離し、上部電極52をV/H4
4の直上に配設し、V/H44のAu膜44bを上部電
極52と接続したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、キャパシタとこ
のキャパシタを備えた半導体装置に係り、特に高周波用
のMIMキャパシタとそれを備えた半導体装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】携帯端末機器の普及に伴って、携帯端末
機器の小型軽量化が開発時の重要な要素となってきた。
さらに携帯端末機器が、例えば携帯電話機のように常に
持ち歩かれるために、機械的な強度や信頼性も重要な要
素である。携帯端末機器の高周波用の半導体装置とし
て、小型軽量化のためにMMIC(Momolithic Microwav
e IC)が多く用いられている。このMMICに用いられ
る高周波回路には、多くのキャパシタが用いられ、特に
MIM(Metal Insulator Metal)構造のキャパシタ(以
下、MIMキャパシタ、という)が用いられる。
【0003】このMIMキャパシタは一方の極板がバイ
アホール(以下、V/Hと略記する)を介して接地され
る構造が多い。V/HとはMMICなどのGaAs基板
に貫通孔を設け、この貫通孔に設けられた接続導体を介
してMMIC表面の配線と裏面側の接地導体とを接続す
る構造である。このV/HはMMICに数多く配置され
るために、配置の仕方によってはMMICの素子面積に
大きく影響を与えるとともに、単に形状の問題ではなく
高周波回路特有の問題として、そのMMICの特性にも
影響を与えかねないものである。このためV/Hと一緒
に配置されるMIMキャパシタの占有面積を小さくする
ことは、V/Hの設計の自由度を高めることにもなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図13は従来のMIM
キャパシタの平面図である。図14は図13のXIV−
XIV断面の断面図である。図13および図14におい
て、201はGaAs基板、202はMIM下部電極、
203はMIM絶縁膜、204はMIM上部電極、20
5はメッキ配線、206はV/H、207は裏面メッキ
膜である。またMIMキャパシタはMIM下部電極20
2、 MIM絶縁膜203およびMIM上部電極204
で構成されている。
【0005】図13および図14の構造では、MIMキ
ャパシタとV/H206とが横に並べて構成した例であ
る。この構成では、MMICの素子面積が大になる。さ
らにインダクタンスや配線抵抗が増加するという問題が
あった。この点を考慮したのが次に示す従来例である。
図15は従来のMIMキャパシタの平面図である。図1
6は図15のXVI−XVI断面の断面図である。図1
5および図16の構造では、MIMキャパシタはV/H
206の直下のV/H206を設けて、MMICの素子
面積を小さくすることを考慮したものである。
【0006】しかしながらこの構成では、 MIM下部
電極202直下のV/H206によって、機械的ストレ
スがMIMキャパシタに発生し、MIMキャパシタの信
頼性を低下させるという問題があった。また、MIM下
部電極202を構成する金属膜は通常蒸着膜で形成され
るので、MIM下部電極202を1μm以上の厚さにす
るとその表面の凹凸が顕著になり、MIM絶縁膜203
の厚さとも関連して、MIMキャパシタの信頼性を低下
させるという別の問題点があって、MIM下部電極20
2の厚みを比較的薄く、例えば0.5μm程度にしてい
る。
【0007】このためMIM下部電極202の直下にV
/H206を形成した場合、V/H206を形成するこ
とにより生じた機械的ストレスによって、 MIM下部
電極202に変形が生じ易く、その結果、脆弱な材料で
形成されるMIM絶縁膜203に欠陥、例えばクラッ
ク、が発生し、MIMキャパシタを短絡させるという致
命的な不良(MIMショート)を引き起こす場合があっ
た。
【0008】この一つの解決策としての発明が、特開平
2−276269号公報に示されたもので、この例では
V/Hの直上に設けられたMIM下部電極はV/Hを覆
って配設され、接続導体と接続されるが、 MIM下部
電極の上に設けられたMIM絶縁膜およびMIM上部電
極は、 V/Hに対向する部分が除去された構成が示さ
れているが、 MIM下部電極の厚みを厚くしがたいこ
とを考慮すると、 V/Hを形成することによる機械的
ストレスに対して必ずしも十分の信頼性を有するもので
はない。
【0009】この発明は上記の問題点を解消するために
なされたもので、第1の目的は、小型で信頼性の高いキ
ャパシタを提供することであり、第2の目的はこのキャ
パシタを用いた小型で信頼性の高い半導体装置を提供す
ることである。なおその他の公知文献としては、特開平
10−224122号公報がある。これは、高周波回路
のスタブの長さを短縮するために、方形スタブの中間を
覆うようにMIMキャパシタを構成し、その上部電極を
スタブの両側でV/Hと接続した構成を示しているもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係るキャパシ
タは、第1、第2の主面を貫通する貫通孔を有する半絶
縁性の半導体基板と、この半導体基板の貫通孔の周囲の
第1の主面に配設され、貫通孔から離隔した内周を有す
る第1のキャパシタ電極と、この第1のキャパシタ電極
の表面上の、貫通孔の周囲に配設された誘電体膜と、こ
の誘電体膜を介して第1のキャパシタ電極と対向して配
設された第2のキャパシタ電極と、この第2のキャパシ
タ電極と接続され、貫通孔を介して第2のキャパシタ電
極を第2の主面側に接続する接続導体と、を備えたもの
で、V/Hの形成による機械的ストレスを第2のキャパ
シタ電極で受けて、誘電体膜の変形を少なくすることが
できる。
【0011】さらに、第1のキャパシタ電極を第1の主
面上に配設された金属膜としたもので、キャパシタを簡
単な構成とすることができる。
【0012】さらに、半導体基板と第1のキャパシタ電
極との間にエピタキシャル層をさらに備えたもので、エ
ピタキシャル層の表面の平坦度が高く、第1のキャパシ
タ電極を薄く形成でき、第1のキャパシタ電極の平坦度
も高く構成でき、誘電体膜も薄くすることができる。
【0013】さらに、第1のキャパシタ電極にその外周
から貫通孔に達する切欠をもうけたもので、第1のキャ
パシタ電極を形成する際のパターンのリフトオフの容易
な構成とすることができる。
【0014】さらに、第1のキャパシタ電極の切欠に対
応する切欠を第2のキャパシタ電極に配設するととも
に、これらの切欠に対応する第1の主面上に一端が第1
のキャパシタ電極と接続され他端が接続導体と接続され
た抵抗体をさらに配設したもので、所望のインピーダン
スを有するキャパシタとこのキャパシタに並列接続され
た抵抗とをコンパクトに配置することができる。
【0015】また、さらに、第1のキャパシタ電極を第
1の主面に配設された導電性を有する半導体層としたも
ので、キャパシタの高さを低くできるとともに、第1の
キャパシタ電極の表面の平坦度がよくなり、誘電体膜の
厚みを薄くすることができる。
【0016】また、第1、第2の主面を有する半絶縁性
の半導体基板と、この半導体基板の第1の主面に配設さ
れた導電性エピタキシャル成長層の第1のキャパシタ電
極と、この第1のキャパシタ電極の表面上に配設された
誘電体層と、この誘電体層を介して第1のキャパシタ電
極と対向して配設された第2のキャパシタ電極と、半導
体基板の第2の主面から第1のキャパシタ電極に達する
孔部と、第2のキャパシタ電極と接続され、孔部を介し
て第2のキャパシタ電極を第2主面側に接続する接続導
体と、を備えたもので、第1のキャパシタ電極の表面の
平坦度がよくなり、誘電体膜の厚みを薄くすることがで
きる。
【0017】またこの発明に係る半導体装置は、請求項
1ないし7のいずれか1項に記載のキャパシタと、この
キャパシタと電気的に接続された半導体素子と、を備え
たもので、小型で信頼性の高い半導体装置を構成するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この実施の形態
は、半導体基板のV/Hを取囲んで、半導体基板上にM
IMの下部電極を金属膜で形成し、 V/Hの接続導体
と下部電極とをキャパシタ誘電体膜で離隔し、 V/H
の接続導体を上部電極と接続したものである。図1は、
この発明に係るキャパシタを使用したMMICの回路図
である。図1において、10はMMIC、12は半導体
素子、14は伝送線路、16はキャパシタ、18は抵
抗、A部はキャパシタ16がV/Hを経由して接地され
ている個所を示す。またB部はキャパシタ16と抵抗1
8が並列に接地されている個所を示している。このよう
なMMIC10はパッケージに封止されて、半導体装置
として構成される。
【0019】図2は、この発明に係る半導体装置の断面
図である。図2において、20は半導体装置としてのパ
ッケージ、22はパッケージ基板で、24はパッケージ
筐体で、パッケージ基板22上にその外周を取囲むよう
に配設されこの内部にMMIC10が装着される。26
はパッケージ蓋体でMMIC10がパッケージ筐体24
内部に装着された後に、このパッケージ蓋体で封止され
る。28は引出電極、30はMMIC10の端子と引出
電極28とを接続するボンディングワイヤである。
【0020】パッケージ基板22、パッケージ筐体24
およびパッケージ蓋体26の材料は、Cu、CuW、な
どの金属やAlNやAl2O3などのセラミクスが使用
される。MMICはパッケージ基板22上にAuSnあ
るいはAgペーストなどで接着される。図3はこの発明
に係るキャパシタの平面図、図4は図3のIV−IV断
面の断面図である。図3のキャパシタは例えばMMIC
10を示す回路図である図1のA部に相当するものであ
る。
【0021】図3および図4において、40はこの発明
に係るキャパシタ、42は半絶縁性のGaAs基板、4
4はバイアホールで、貫通孔44aと接続導体としての
Au膜44bで構成されている。 Au膜44bはGa
As基板42の裏面上にもうけられたAuのメッキ配線
46と連続している。48は第1のキャパシタ電極とし
ての下部電極で、下層がTiで上層がAu(以下、Ti
/Auと記載する)の蒸着膜でGaAs基板42の表面
上に形成され、GaAs基板42の表面上に突出してい
るバイアホール44のAu膜44bの周囲に配設されて
いる。
【0022】下部電極48の内周はバイアホール44の
Au膜44bと離隔して位置し、下部電極48はバイア
ホール44を中心とした、外周が方形で内周が円形の環
状になっている。下部電極48は厚みをあまり厚くする
と表面の凹凸が発生するので、0.5μm程度の厚さで
ある。50はキャパシタの絶縁体膜で、0.2μm程度
のSiN膜である。絶縁体膜50は下部電極48の表面
を覆って、バイアホール44のAu膜44bの周囲に設
けられている。下部電極48の内周とバイアホール44
のAu膜44bの間においても介在しこれらを電気的に
絶縁している。
【0023】52は第2のキャパシタ電極としての上部
電極で、絶縁体膜50の表面上に配設され、バイアホー
ル44のAu膜44bと接続されてバイアホール44を
介して接地されている。上部電極52は絶縁体膜50に
接触してTi膜が配されたTi/Au膜で、その厚さ
は、2μmである。上部電極の表面平坦度が多少悪かっ
たとしても、特に支障を来さないので、厚く形成するこ
とができる。下部電極48と絶縁体膜50と上部電極5
2とでMIMキャパシタを構成している。54は配線層
で、下部電極48と接続されている。
【0024】次にキャパシタの製造方法の概略を説明す
る。GaAs基板42全面に窒化タングステン(WN)
のスパッタ膜を形成し抵抗形成を行なう。つぎにレジス
ト膜で下部電極48のパターン形成を行ない、下部電極
材料のTi/Au膜を蒸着し、リフトオフ法でレジスト
を除去し、下部電極48を形成する。次に、CVDによ
り窒化シリコン(SiN)で下部電極を覆いキャパシタ
の絶縁体膜50を形成し、その後この上にレジスト膜を
形成し、パターン形成を行ない、その上にTi/Au膜
を形成し、リフトオフ法で、上部電極52を形成する。
【0025】この後、電極形成を行なった側をワックス
でガラス基板に張り付け、GaAs基板42の裏面側を
研削し、GaAs基板42の厚みを600μmから20
0μm程度に薄くする。次いでドライエッチングにより
GaAs基板42にV/H44の貫通孔を開け、続けて
SiNのV/Hエッチングを行なって上部電極52に達
する貫通孔44aを開口し、GaAs基板42の裏面側
にAuの裏面メッキを行ないメッキ配線46を形成す
る。同時にV/H44の貫通孔44aにもAu膜44b
を形成する。これがキャパシタ40の製造方法の概略で
ある。
【0026】次にキャパシタ40の動作に就いて説明す
る。下部電極48には配線層54が接続され、上部電極
52はV/H44を介してメッキ配線46に接続され、
このメッキ配線が接地されている。下部電極48に電圧
が印加されると、上部電極52との間で電荷が蓄積され
キャパシタとして動作する。このキャパシタ40におい
ては、V/H44は上部電極52に接続されている。上
部電極52の表面はその平坦度が多少悪くなっても、キ
ャパシタとしての働きには特に影響を与えない。このた
めこの実施の形態では2μmの厚みにしているが、V/
Hの形成に伴う機械的ストレスを上部電極52の厚みを
厚くすることにより吸収し、この機械的ストレスによる
上部電極52の変形を小さく抑えることができる。
【0027】上部電極52の変形を小さく抑えることに
よって、上部電極52と下部電極48の間に介在し、薄
くてもろい材料で構成されている絶縁体膜50のクラッ
クの発生を抑制することができる。これによりキャパシ
タの致命的な不良である短絡(MIMショート)が防止
でき、キャパシタの信頼性が向上する。またV/H44
のAu膜44bも従来のように薄い下部電極に接続する
のではなく、十分な厚みのある上部電極52と接続され
るため接続部の強度が向上し、配線層の信頼性が向上す
る。
【0028】また、このようなキャパシタ40を組み込
んだMMIC10は小型で信頼性の高い構成とすること
ができ、歩留まりよく製造することができる。さらにこ
のようなMMIC10を装着したパッケージ20は、小
型で信頼性の高いパッケージとして製造することができ
る。このパッケージ20には、キャパシタ40を組み込
んだMMIC10を装着したが、半導体素子と個別に構
成したキャパシタ40とを個別にパッケージに組み込ん
だ構成としてもよい。
【0029】実施の形態2.この実施の形態は、実施の
形態1の下部電極の下地としてエピタキシャル層を設け
この上に金属膜の下部電極を設けたものである。図5は
この実施の形態に係るキャパシタの平面図、図6は図5
のVI−VI断面の断面図である。図5および図6にお
いて60はキャパシタ、62はエピタキシャル層であ
る。他の構成は実施の形態1と同じで、同じ符号は同じ
ものか相当のものを示している。以下に記載する実施の
形態においても同様である。
【0030】エピタキシャル層62は、GaAs基板4
2の表面にV/Hを取り巻いて形成されている。下部電
極48はこのエピタキシャル層62の表面上に蒸着によ
り形成される。エピタキシャル層62の表面粗さや、平
坦度はGaAs基板42のそれより優れているために、
下部電極48はGaAs基板42の表面に直接を形成す
るよりも薄い膜厚で形成することができる。
【0031】このため、キャパシタ60においては、下
部電極48の表面粗さが向上し、信頼性が向上するとと
もに、絶縁体膜50を薄くすることができ、キャパシタ
を小型化することができる。
【0032】実施の形態3.この実施の形態は、実施の
形態1の金属膜の下部電極に変えて、GaAs基板にn
+型半導体層を設け、これを下部電極としたものであ
る。図7はこの実施の形態に係るキャパシタの平面図、
図8は図7のVIII−VIII断面の断面図である。
図7および図8において、66はこの実施の形態に係る
キャパシタ、68は下部電極としてのn+型半導体層で
ある。
【0033】n+型半導体層68は、バイアホール44
の周囲の、GaAs基板42の表面に配設されている。
+型半導体層68の内周はバイアホール44と離隔し
て位置している。このキャパシタ66のn+型半導体層
68は、GaAs基板42表面にエピタキシャル層とし
て先に形成して、不要な領域をH+あるいはB+のイオン
注入により絶縁化したものである。あるいはGaAs基
板42表面の必要な領域にSiイオンを注入しn+型半
導体層としてもよい。n+型半導体層68は配線層54
と接続されて下部電極となっている。
【0034】このn+型半導体層68を下部電極とした
場合、表面の粗さや平坦度は、金属蒸着膜に比べて格段
に向上し、特にエピタキシャル層を使用した場合はさら
に表面の状態がよくなる。このため、キャパシタ容量の
バラツキが少なくなり、信頼性も向上する。さらに絶縁
体膜50を薄くすることが可能となるためキャパシタの
小型化が可能となる。
【0035】実施の形態4.この実施の形態は、実施の
形態1の金属膜の下部電極及び上部電極に、電極の外周
から内周に達する切欠を設けて、レジスト膜のリフトオ
フを行ないやすくするとともに、この切欠に対応するG
aAs基板表面に抵抗体を配設し、この抵抗体とキャパ
シタとを並列に接続し接地したものである。図9はこの
実施の形態に係るキャパシタの平面図、図10は図9の
X−X断面の断面図である。
【0036】図9および図10において、70はこの実
施の形態に係るキャパシタ、72は下部電極48の切
欠、74は上部電極52の切欠、76は抵抗体膜であ
る。実施の形態1では、下部電極48はV/H44を中
心とした、外周が方形で内周が円形の環状をしているの
で、切欠72を形成することにより、外周が方形の
“C”形となる。
【0037】下部配線48を形成する際の蒸着リフトオ
フプロセスを用いる場合、実施の形態1のように、環状
に閉じた形状ではリフトオフが困難になる場合があっ
て、キャパシタとして構成できなくなり、歩留まりが悪
くなることが有ったが、下部電極48にこのような切欠
72を設けることにより、環状に閉じた形状においても
リフトオフが容易となるので、製品の歩留まりを高める
ことができる。またこの下部電極48は、実施の形態1
と同様に、配線層54と接続されている。
【0038】抵抗体膜76は、下部電極48の切欠72
に対応して、GaAs基板42の表面上に配線抵抗とし
て設けられている。抵抗体膜76は下部電極48とは切
欠72のところでは接触しないように離隔されている。
そして抵抗体膜76の一端はV/H44のAu膜44b
と接続され、他の一端は配線層54と接続されている。
この実施の形態では配線抵抗としたが、このほかにエピ
タキシャル抵抗や注入抵抗で形成してもよい。
【0039】絶縁体膜50は下部電極48の切欠72に
おいても、特に切欠かれていないので、抵抗体膜76を
覆うとともに下部電極48と抵抗体膜76との間に介在
し、これらを電気的に絶縁している。
【0040】絶縁体膜76上に形成される上部電極52
は、製造工程上必ずしも下部電極48の切欠72に対応
して、切欠74を設ける必要はないが、切欠74を設け
なかった場合に、抵抗体膜76を形成すると、抵抗体膜
76と上部電極52との間で不要な容量を持つようにな
り、インピーダンスを増加させることとなるので、上部
電極52にも、外周からV/H44のAu膜44bに達
し、下部電極48の切欠72よりも幅の広い切欠74を
設けている。
【0041】この上部電極52は実施の形態1と同様に
V/H44を介して接地される。したがって上部電極5
2と絶縁体膜50と下部電極48とで構成されるMIM
キャパシタと抵抗体膜76とが並列接続され、一端がV
/H44を介して接地された構成となっている。この構
成は実施の形態1の図1のB部に相当するものである。
このように構成することによりキャパシタとこれと並列
接続された抵抗とを接地する回路構成を、コンパクトに
配置することができる。
【0042】実施の形態5.この実施の形態は、GaA
s基板の表面にn+型半導体層を設けこれをキャパシタ
の下部電極とし、この上に絶縁体膜および上部電極を設
けキャパシタを構成するとともに、V/Hをこの下部電
極直下に形成したものである。図11はこの実施の形態
に係るキャパシタの平面図、図12は図11のXII−
XII断面の断面図である。図11および図12におい
て、80はこの実施の形態に係るキャパシタ、82は下
部電極としてのn+型半導体層である。
【0043】この実施の形態5が実施の形態3と相異す
る点は、実施の形態3が上部電極52にV/H44を接
続するのに対して、この実施の形態5では下部電極とし
てのn+型半導体層82にV/H44を接続する点であ
る。n+型半導体層82はエピタキシャル形成したSi
ドープしたAlGaAs層を用いる。このAlGaAs
層の上にさらにn+GaAs層をエピタキシャル形成す
ることにより、エピ抵抗を更に下げることができる。V
/H44はn+型半導体層82の直下に配設されて、V
/H44のAu膜44bはn+型半導体層82と接続さ
れる。
【0044】V/H44はGaAs基板42の裏面側か
らエッチングにより形成し、n+型半導体層82がAl
GaAs層で形成されているので、n+型半導体層82
はエッチング停止層として働く。n+型半導体層82の
表面上に絶縁体膜50が形成され、この絶縁体膜50の
表面上に上部電極52が形成され、キャパシタ80が構
成される。このキャパシタ80においては、下層電極と
してエピタキシャル形成されたn+型半導体層82を用
いているので、金属蒸着膜に比べて表面粗さや表面平坦
度がより優れているため、キャパシタのバラツキが少な
くまた信頼性が向上する。
【0045】またMMICの場合、チップ内に作り込む
FET能動素子とエピタキシャル層をキャパシタと共用
することが必要となる。例えばHEMT構造のエピタキ
シャル層を用いた場合、下層からAlGaAs/InG
aAs/AlGaAs/n+GaAs構造となっている
ので、AlGaAsでエッチング停止層を兼ねることが
できる。このキャパシタを用いたMMICの信頼性を向
上させることができる。
【0046】
【発明の効果】この発明に係るキャパシタ及び半導体装
置は以上に説明したような構成を備えているので、以下
のような効果を有する。この発明に係るキャパシタにお
いては、第1、第2の主面を貫通する貫通孔を有する半
絶縁性の半導体基板と、この半導体基板の貫通孔の周囲
の第1の主面に配設され、貫通孔から離隔した内周を有
する第1のキャパシタ電極と、この第1のキャパシタ電
極の表面上の、貫通孔の周囲に配設された誘電体膜と、
この誘電体膜を介して第1のキャパシタ電極と対向して
配設された第2のキャパシタ電極と、この第2のキャパ
シタ電極と接続され、貫通孔を介して第2のキャパシタ
電極を第2の主面側に接続する接続導体と、を備えたも
ので、V/Hの形成による機械的ストレスを第2のキャ
パシタ電極で受けて、誘電体膜の変形を少なくすること
ができる。延いては信頼性の高いキャパシタを構成でき
る。
【0047】さらに、第1のキャパシタ電極を第1の主
面上に配設された金属膜としたもので、キャパシタを簡
単な構成とすることができる。延いては安価なキャパシ
タを構成できる。
【0048】さらに、半導体基板と第1のキャパシタ電
極との間にエピタキシャル層をさらに備えたもので、エ
ピタキシャル層の表面の平坦度が高く、第1のキャパシ
タ電極を薄く形成でき、第1のキャパシタ電極の平坦度
も高く構成でき、誘電体膜も薄くすることができる。延
いては小型で回路設計の自由度の高いキャパシタを構成
することができる。
【0049】さらに、第1のキャパシタ電極にその外周
から貫通孔に達する切欠をもうけたもので、第1のキャ
パシタ電極を形成する際のパターンのリフトオフの容易
な構成とすることができる。延いては歩留まりの高いキ
ャパシタを構成することができる。
【0050】さらに、第1のキャパシタ電極の切欠に対
応する切欠を第2のキャパシタ電極に配設するととも
に、これらの切欠に対応する第1の主面上に一端が第1
のキャパシタ電極と接続され他端が接続導体と接続され
た抵抗体をさらに配設したもので、所望のインピーダン
スを有するキャパシタとこのキャパシタに並列接続され
た抵抗とをコンパクトに配置することができる。延いて
は高周波回路装置の小型化を図ることができる。
【0051】また、さらに、第1のキャパシタ電極を第
1の主面に配設された導電性を有する半導体層としたも
ので、キャパシタの高さを低くできるとともに、第1の
キャパシタ電極の表面の平坦度がよくなり、誘電体膜の
厚みを薄くすることができる。延いては小型のキャパシ
タを構成できる。
【0052】また、第1、第2の主面を有する半絶縁性
の半導体基板と、この半導体基板の第1の主面に配設さ
れた導電性エピタキシャル成長層の第1のキャパシタ電
極と、この第1のキャパシタ電極の表面上に配設された
誘電体層と、この誘電体層を介して第1のキャパシタ電
極と対向して配設された第2のキャパシタ電極と、半導
体基板の第2の主面から第1のキャパシタ電極に達する
孔部と、第2のキャパシタ電極と接続され、孔部を介し
て第2のキャパシタ電極を第2の主面側に接続する接続
導体と、を備えたもので、第1のキャパシタ電極の表面
の平坦度がよくなり、誘電体膜の厚みを薄くすることが
できる。延いては信頼性が高く小型のキャパシタを構成
できる。
【0053】またこの発明に係る半導体装置は、請求項
1ないし7のいずれか1項に記載のキャパシタと、この
キャパシタと電気的に接続された半導体素子と、を備え
たもので、小型で信頼性の高い半導体装置を構成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るキャパシタを使用したMMI
Cの回路図である。
【図2】 この発明に係る半導体装置の断面図である。
【図3】 この発明に係るキャパシタの平面図である。
【図4】 図3のIV−IV断面の断面図である。
【図5】 この発明に係るキャパシタの平面図である。
【図6】 図5のVI−VI断面の断面図である。
【図7】 この発明に係るキャパシタの平面図である。
【図8】 図7のVIII−VIII断面の断面図であ
る。
【図9】 この発明に係るキャパシタの平面図である。
【図10】 図9のX−X断面の断面図である。
【図11】 この発明に係るキャパシタの平面図であ
る。
【図12】 図11のXII−XII断面の断面図であ
る。
【図13】 従来のMIMキャパシタの平面図である。
【図14】 図13のXIV−XIV断面の断面図であ
る。
【図15】 従来のMIMキャパシタの平面図である。
【図16】 図15のXVI−XVI断面の断面図であ
る。
【符号の説明】
12 半導体素子、42 半導体基板、44a 貫通
孔、44b Au膜、48,68,82 下部電極、5
0 絶縁体膜、52 上部電極、62 エピタキシャル
層、72,74 切欠、76 抵抗体膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 BB05 BC38 BC39 BC40 DD02 DD11 EE05 EE18 EE23 EE37 FG03 FG22 FG26 HH03 HH06 HH07 JJ12 JJ15 JJ21 KK01 LL02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1、第2の主面を貫通する貫通孔を有
    する半絶縁性の半導体基板と、 この半導体基板の貫通孔の周囲の上記第1の主面に配設
    され、貫通孔から離隔した内周を有する第1のキャパシ
    タ電極と、 この第1のキャパシタ電極の表面上の、上記貫通孔の周
    囲に配設された誘電体膜と、 この誘電体膜を介して上記第1のキャパシタ電極と対向
    して配設された第2のキャパシタ電極と、 この第2のキャパシタ電極と接続され、上記貫通孔を介
    して上記第2のキャパシタ電極を第2の主面側に接続す
    る接続導体と、を備えたキャパシタ。
  2. 【請求項2】 第1のキャパシタ電極が第1の主面上に
    配設された金属膜であることを特徴とする請求項1記載
    のキャパシタ。
  3. 【請求項3】 半導体基板と第1のキャパシタ電極との
    間にエピタキシャル層をさらに備えたことを特徴とする
    請求項2記載のキャパシタ。
  4. 【請求項4】 第1のキャパシタ電極がその外周から貫
    通孔に達する切欠を有することを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載のキャパシタ。
  5. 【請求項5】 第1のキャパシタ電極の切欠に対応する
    切欠が第2のキャパシタ電極に配設されるとともに、こ
    れらの切欠に対応する第1の主面上に一端が第1のキャ
    パシタ電極と接続され他端が接続導体と接続された抵抗
    体がさらに配設されたことを特徴とする請求項4記載の
    キャパシタ。
  6. 【請求項6】 第1のキャパシタ電極が第1の主面に配
    設された導電性を有する半導体層であることを特徴とす
    る請求項1記載のキャパシタ。
  7. 【請求項7】 第1、第2の主面を有する半絶縁性の半
    導体基板と、 この半導体基板の第1の主面に配設された導電性エピタ
    キシャル成長層の第1のキャパシタ電極と、 この第1のキャパシタ電極の表面上に配設された誘電体
    層と、 この誘電体層を介して上記第1のキャパシタ電極と対向
    して配設された第2のキャパシタ電極と、 半導体基板の上記第2の主面から上記第1のキャパシタ
    電極に達する孔部と、 上記第2のキャパシタ電極と接続され、上記孔部を介し
    て第2のキャパシタ電極を上記第2の主面側に接続する
    接続導体と、を備えたキャパシタ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    のキャパシタと、 このキャパシタと電気的に接続された半導体素子と、を
    備えた半導体装置。
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