JP2002063947A - 集合電池用真空断熱容器及び放熱量調節方法 - Google Patents

集合電池用真空断熱容器及び放熱量調節方法

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JP2002063947A
JP2002063947A JP2000249944A JP2000249944A JP2002063947A JP 2002063947 A JP2002063947 A JP 2002063947A JP 2000249944 A JP2000249944 A JP 2000249944A JP 2000249944 A JP2000249944 A JP 2000249944A JP 2002063947 A JP2002063947 A JP 2002063947A
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heat
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container
heat insulating
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Toshiyuki Kawaguchi
敏幸 川口
Isamu Takeuchi
勇 竹内
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱容器の上面側から所望の放熱量を得るこ
とが可能であって、簡便な操作によって、より広い調整
範囲の中で放熱量を所望のレベルに制御し得る放熱量調
節手段を備えた集合電池用真空断熱容器、及びその真空
断熱容器を用いた放熱量調節方法を提供すること。 【解決手段】 電池モジュール6を外部空間から隔離す
る壁に中空層4a、4b、4cを設け、その中空層に、
外気と連通する空隙若しくは細孔を有する多孔質の断熱
板を装填し、その断熱板と中空層を減圧若しくは真空状
態としたときに生じる真空層とを断熱手段とする、上面
が開放された箱体1に、下面が開放された蓋体5を被せ
てなる箱型の集合電池用真空断熱容器11であって、壁
のうち上面部の中空層4bに放熱量を調節可能な高熱伝
導率ガスを注入する手段を備え、上面部の中空層4bの
真空度が、高熱伝導率ガスの注入により可変であること
を特徴とする集合電池用真空断熱容器11の提供によ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電池モジュール
を収納する集合電池用断熱容器、及び集合電池用断熱容
器の放熱量調節方法に関する。更に詳細には、複数のナ
トリウム−硫黄単電池を相互に接続してなり、発熱量が
徐々に増加する電池モジュールを収納する箱型の集合電
池用真空断熱容器、及び集合電池用真空断熱容器の放熱
量調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 ナトリウム−硫黄電池(以下、NAS
電池という。)は、約300℃の高温で運転される高温
二次電池である。先ず、ナトリウム−硫黄集合電池(以
下、集合電池という。)全体の構成について、図2に示
す従来の集合電池の一例により概説する。
【0003】 図2に示す集合電池は、上面が開放され
た箱体19に、下面が開放された、外壁12、中空層1
4、内壁13からなる蓋体15を被せて構成された断熱
容器内に、複数の単電池7を立設集合し、相互に接続し
た電池モジュール6を収納してなるものである。
【0004】 断熱容器には、容器内の高温状態を保持
する必要があるため、容器外へのエネルギー損失が出来
る限り少ないことが要求される。従って、一般に断熱材
として用いられる、発泡スチロールや、ロックウール、
ガラスウール、セラミックウール等の単なる繊維状断熱
板により作られた一般断熱容器ではなく、より断熱性が
高く、容器による占有容積も少ない、真空断熱容器21
が好適に用いられる。
【0005】 又、単電池7内には、活物質である金属
ナトリウム及び硫黄が固体電解質管により隔離収納され
ていて、箱体19の内部底面に敷設された図2には示さ
れない電気ヒーターで、真空断熱容器21内部を300
〜350℃に加熱することにより、両活物質を溶融し、
両活物質の電気化学反応により、所定のエネルギーを得
る仕組みとなっている。更に、単電池7の破損、異常加
熱、或いは活物質の漏洩等への対応として、珪砂が真空
断熱容器21内の間隙部に充填されている。
【0006】 真空断熱容器21の箱体19と蓋体15
とは、壁をステンレス板や、鋼板で構成し、その壁内に
は中空層14が形成されていて、ガラス繊維、ロックウ
ール等の熱伝導率の小さい素材からなる繊維状物を接着
剤等で板状に固化せしめた断熱板が装填されている。
【0007】 壁内に形成された中空層14は、真空バ
ルブによって外部空間と連通していて、真空ポンプ、真
空プラグ等の排気手段を接続して壁内を排気した後に真
空バルブを閉鎖すれば、電池モジュール6を外部空間か
ら隔離する壁に断熱性の高い真空層が形成され、真空断
熱容器21内部の温度は確実に保持される。
【0008】 即ち、真空断熱容器21は、多孔質の断
熱板が装填されている真空の中空層14を備えた壁によ
って電池モジュール6を外部空間から隔離する構造をと
った容器であって、真空断熱容器21の壁がそれ自体、
気密性を有しており、上記のように、この壁内に真空層
を形成しているため、装填された多孔質の断熱板と、こ
の真空層とが断熱手段となり、一般の固体の断熱材のみ
を断熱手段とした場合に比して熱伝導が少なく、断熱性
が高い。
【0009】 さて、近年、NAS電池の実用化が進む
につれ、単電池及び集合電池を大型化したり、或いは断
熱容器内に単電池を高密度充填することによって、単位
体積当たりのエネルギー密度を向上させたり、或いは単
電池等に使用する部材点数を削減することが行われてき
ていて、充放電時に伴う発熱は、より大きくなってきて
いる。更に、高出力放電することにより発熱量はより大
きくなってきている。しかしながら、集合電池において
は、断熱容器内部の温度が発熱により上昇した際に何ら
かの制御手段を用いてヒーター加熱を停止することは可
能であるが、通常は冷却機能までは備えていない。
【0010】 従って、断熱性が高い真空断熱容器を用
いると、集合電池の発熱量が真空断熱容器の熱損失を上
回り、真空断熱容器内部への蓄熱を生じる場合がある。
発熱と熱損失とのバランスが崩れ、蓄熱が生じると、集
合電池の真空断熱容器の内部温度が上昇し過ぎたり、或
いは充放電が終了しても真空断熱容器内部が初期温度に
戻らない等の不具合の原因となる。
【0011】 更に、NAS電池は長期間使用すると単
電池の劣化により内部抵抗が増加し、集合電池内部のジ
ュール損が増加する。即ち、単電池の劣化が進行するに
つれて、真空断熱容器内部に蓄積される熱も経時的に増
大する。
【0012】 このような現象に対しては適切な放熱が
必要となる。放熱を行う方法として、真空断熱容器の全
ての面について一様に、外部空間に対する断熱性を低下
させることも考えられるが、真空断熱容器側面(即ち、
真空断熱容器外周側)の断熱性が低下すると側面近傍
の、電池モジュール外側に配置された単電池と、電池モ
ジュールの中心近傍に配置された単電池との間で温度差
が大きくなるため、単電池間の電流バラツキが大きくな
り、個々の単電池の能力が十分に発揮出来なくなる等の
問題があり好ましくない。
【0013】 一方、加熱用の電気ヒーターが設置され
ている真空断熱容器底面の断熱効果を低下させると、電
気ヒーターから真空断熱容器外部への熱損失が大きくな
る問題があり好ましくない。従って、真空断熱容器とし
ては、少なくとも真空断熱容器の側面及び底面の断熱性
を確保しつつ、所望の放熱性を有していることが好まし
い。
【0014】 このような要求に対し、従来は、真空断
熱容器の側面及び底面に比して上面側を出来る限り薄く
構成することにより、単電池間の温度分布や電気ヒータ
ーから容器外部への熱損失を防止しつつ、放熱量の増加
を図っていた。又、単電池の劣化に伴う真空断熱容器内
部の蓄熱量の経時的な増加に対しては、蓄熱量の増加を
予想して、定期的に真空断熱容器上面の真空度を低下さ
せて上面側の熱伝導率を上昇させることにより放熱量を
調整していた。
【0015】 真空度を低下させる方法は、図3に示す
ように、真空ポンプ37を接続し、プラグ開閉治具にて
真空封止プラグ33を開放して、真空計39で真空度を
確認しながら、接続配管35の途中に設けられたガスバ
ルブ32より真空断熱容器31の壁内の空洞部に、真空
度を目標値まで低下させるのに必要な所定量のガス、例
えば、空気、窒素ガスを注入するという方法をとってい
た。
【0016】 尚、従来殆ど用いられていないが、真空
断熱容器ではない、一般の発泡スチロールや、ロックウ
ール、ガラスウール、セラミックウール等の繊維状断熱
板を使用した一般断熱容器の場合には、放熱量の増加
は、真空断熱容器と同様に断熱容器の側面及び底面に比
して上面側を出来る限り薄く構成することにより行い、
断熱容器内部の蓄熱量の経時的な増加に対しては、断熱
材の厚さを変えることによっての対応が考えられる。
【0017】 又、真空断熱容器ではないが、特開昭5
9−157972号公報によれば、NAS電池を収容す
る容器を二重構造とし、二重構造容器の中間に断熱材を
充填し、内側容器の中に空気、又は不活性ガス、例えば
窒素、アルゴン、キセノンを充填するNAS電池集合体
が提案されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
の方法では、以下の問題があった。真空断熱容器の場合
に、放熱量を増加させるためには、真空度を変更する
が、真空度の変更のために注入するガスが空気や窒素で
は、熱伝導率が低いため、これらのガスを入れた真空度
変更による放熱量の調節では、放熱量の上限が制限さ
れ、所望の放熱量を得ることが出来ないことが生じる。
真空断熱容器ではない、一般断熱容器の場合には、断熱
容器内部の蓄熱量の経時的な増加に対して行う断熱材の
厚さを変えるという方法は、実際には適切な具体的手段
がなく、現実的に放熱量の調節は困難である。又、特開
昭59−157972号公報に開示されているNAS電
池集合体では、使用するガスの熱伝導率について触れて
いない上に、真空度及び放熱量の調節方法について明示
されていない。
【0019】 本発明は、上述のような従来の断熱容器
の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、従来技術の問題を解決することにあり、よ
り特定すれば、断熱容器の上面側から所望の放熱量を得
ることが可能であって、簡便な操作によって、より広い
調整範囲の中で放熱量を所望のレベルに制御し得る放熱
量調節手段を備えた集合電池用真空断熱容器、及びその
真空断熱容器を用いた放熱量調節方法を提供することに
ある。
【0020】 本発明者らは、上記の目的を達成するた
めに、集合電池用の断熱容器について種々検討した結
果、上面が開放された箱体に下面が開放された蓋体を被
せてなり、電池モジュールを外部から隔離する箱形の集
合電池用真空断熱容器において、電池モジュールの上面
側の壁の中空層に、放熱し易い大きな熱伝導率を有する
ガス、例えば水素やヘリウムを注入する手段を備え、こ
の高熱伝導率ガスの注入量を変更して上面側の壁の中空
層の真空度を変え、高熱伝導率ガスのもたらす放熱効果
を制御し得る集合電池用真空断熱容器、及びその真空断
熱容器を用いた放熱量調節方法の提供により、上記の目
的を達成出来ることを見出した。
【0021】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、電池モジュールを外部空間から隔離する壁に中空層
を設け、中空層に、外気と連通する空隙若しくは細孔を
有する多孔質の断熱板を装填し、断熱板と、中空層を減
圧若しくは真空状態としたときに生じる真空層とを断熱
手段とする、上面が開放された箱体に、下面が開放され
た蓋体を被せてなる箱型の集合電池用真空断熱容器であ
って、壁のうち上面部の中空層に放熱量を調節可能な高
熱伝導率ガスを注入する手段を備え、上面部の中空層の
真空度が、高熱伝導率ガスの注入により可変であること
を特徴とする集合電池用真空断熱容器が提供される。高
熱伝導率ガスは、ヘリウム、若しくは水素であることが
好ましい。
【0022】 又、本発明によれば、電池モジュールを
外部空間から隔離する壁に中空層を設け、中空層に、外
気と連通する空隙若しくは細孔を有する多孔質の断熱板
を装填し、断熱板と、中空層を減圧若しくは真空状態と
したときに生じる真空層とを断熱手段とする、上面が開
放された箱体に、下面が開放された蓋体を被せてなる箱
型の真空断熱容器の、放熱量を調節する方法であって、
壁のうち上面部の中空層に高熱伝導率ガスを注入し、高
熱伝導率ガスの注入量を変更して、上面部の中空層の真
空度を電池内の発熱量に応じて制御することを特徴とす
る集合電池用真空断熱容器の放熱量調節方法が提供され
る。高熱伝導率ガスは、ヘリウム、若しくは水素である
ことが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】 本発明は、電池モジュールを収
納した集合電池用真空断熱容器において、NAS電池の
能力が安定して十分に発揮され無駄な熱損出が少ないよ
うに、従来と同様に、電気ヒーターの備わる断熱容器内
の下面と反対側の面、即ち、断熱容器の上面からの放熱
を基本とするとともに、その放熱ルートである断熱容器
の上面側の壁に形成された中空層に、熱伝導率の高いガ
スを注入して、この中空層に入れる高熱伝導率ガスの注
入量を変更することで、この中空層の真空度を制御し、
換言すればこの中空層の持つ断熱性を制御し、放熱量を
調節することに特徴がある。
【0024】 このような構成により、単電池間の温度
分布を均一として単電池間の電流バラツキを抑え、電気
ヒーターから断熱容器外部への熱損失を防止しつつ、断
熱容器内の蓄熱を抑制可能となる。又、集合電池の発熱
量と断熱容器の熱損失(即ち、放熱量)を均衡させるこ
とにより、充放電中のヒーター加熱時間が減少するため
効率アップを図ることが出来る。
【0025】 本発明の断熱容器の形状は、電池モジュ
ールを収納し得る箱型である限りにおいて特に限定され
ず、例えば、箱形容器の開放した一の側面を蓋体により
封止する形状であってもよいが、図2と同様に、上面が
開放された箱体に、下面が開放された蓋体を被せた形状
のものを、特に好適に用いることが出来る。
【0026】 このような形状であれば、箱体、蓋体と
もに従来の真空断熱容器として構成し、真空断熱容器内
部の蓄熱量の経時的変化に対して行っていた、真空断熱
容器上面の壁の真空度を調節する作業を行う際に、使用
していた従来のガス、例えば空気や窒素の代わりに、高
熱伝導率を有するガス、例えば、ヘリウムや水素を用い
るという軽微な変更により、本発明の効果を得ることが
出来るからである。
【0027】 例えば、真空度変更に空気を使用する放
熱量の調節では、放熱量の下限は封入される空気のない
とき、即ち、最高の真空度のときであり、放熱量の上限
は大気圧側となる。集合電池の発熱量と断熱容器の熱損
出のバランスをとるために、放熱量を下げたい場合には
真空度で調節しこれを上げ、放熱量を上げたい場合には
空気を入れて真空度を下げる、といった調整手段を行
う。従って、放熱量をより多くして、放熱量の調節範囲
を広げるためには、真空度を調節するガスとして空気よ
り大きな熱伝導率を有するガスを用いればよい。
【0028】 表1に、主なガスの熱伝導率を掲げる。
従来、真空度の変更に使用されていた窒素や、空気を構
成する窒素以外の気体である酸素、二酸化炭素は熱伝導
率が40〜48[mW/m・°K]と小さい。これらに
比べて、ヘリウムは252[mW/m・°K]と5倍以
上の熱伝導率を有している。水素は更に熱伝導率が大き
いが、安全性の確保の面から、ヘリウムを用いることが
好ましい。更に、箱体1の真空度を10Pa〜10kP
aの範囲で変化させれば大幅に断熱容器の熱損失を大き
くすることが出来る。
【0029】
【表1】
【0030】 以下、本発明の集合電池用真空断熱容器
について、図面に示す一実施例を参照しながら、更に詳
細に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈され
るべきものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りに
おいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、
改良を加え得るものである。
【0031】 図1に示すように、本発明の真空断熱容
器11も、従来と同様に、箱型の容器の壁に真空断熱層
を形成して断熱効果を得る断熱容器であるため、外壁2
a、2bと内壁3a、3bとの間に真空層を形成するた
めの中空層4a、4b及び4cを備えた中空容器として
構成される。
【0032】 又、本発明の真空断熱容器11は、蓋体
5の中空層4b及び4cのうち、少なくとも中空層4b
の真空度を変更することも従来と同じである。しかしな
がら、放熱量の調節を行う際に、蓋体5の上面部の中空
層4bに高熱伝導率ガスを注入して、中空層4bの真空
度を調節する点において従来と異なる。蓋体5の側面部
の中空層4cの真空度は調節する必要がなく、又、蓋体
5を上面部の中空層4bと側面部の中空層4cに分けな
くてもよいが、図1のように蓋体5を上面部の中空層4
bと側面部の中空層4cに区分した方が、より放熱量の
調節が早く行え、より放熱ルートが上面に限定されるの
で好ましい。
【0033】 この構成で、真空断熱容器11上面側、
即ち中空層4bの真空度を、熱伝導率の高い高熱伝導率
ガスを所望の量充填し変更してやれば、真空断熱容器1
1上面部の断熱性を制御し、放熱量を調節させることが
可能となる。又、箱体1には空気や窒素を注入し、蓋体
5にはヘリウムや水素を注入する方法以外にも、箱体
1、蓋体5ともにヘリウム、水素を注入する方法もとる
ことが出来る。真空度を調整する方法としては、水素貯
蔵合金を内蔵したプラグを温度の低い蓋体5側面の外側
に取り付け、このプラグを暖めることにより水素を放出
することも出来る。同様に、ヘリウムを含有した合金を
内蔵したプラグを温度の低い蓋体5側面の外側に取り付
け、このプラグを暖めることによりヘリウムを放出する
ことも出来る。
【0034】 真空度を調節する方法も、手順としては
従来と変わらない。図3に示すように、真空ポンプ37
を接続し、プラグ開閉治具にて真空封止プラグ33を開
放して、真空計39で真空度を確認しながら、接続配管
35の途中に設けられたガスバルブ32より真空断熱容
器31の壁内の空洞部に、真空度を目標値まで低下させ
るのに必要なガスを注入する。但し、注入するガスを、
従来の窒素や空気から、ヘリウム、水素等の高熱伝導率
ガスに変更する。
【0035】 本発明の特徴は、上記のように放熱量の
調節範囲を拡大するために、真空断熱容器の上面部に形
成される中空層に高熱伝導率ガスを注入することによっ
て、中空層の真空度を制御可能とすることである。放熱
量を向上する点のみを考慮すれば、真空断熱容器とせ
ず、例えば、一般断熱容器の上面部に空気と高熱伝導率
ガスの混合比率を可変とした中空層を設ける容器として
もよいが、NAS電池への適用においては、高い断熱性
も必要であるため、より広い放熱量調節範囲を有する本
発明の集合電池用真空断熱容器が好ましい。
【0036】 真空断熱容器11で使用される材料は、
従来と同様で構わない。例えば、蓋体5の中空層4a、
4b、及び4cに装填する断熱材は、所望の断熱性及び
放熱性を得られるものを適宜選択すればよく、紛状、粒
状或いは繊維状のものや、取り扱いの簡便な板状体を装
填する。断熱材の材質としては、ガラス繊維、セラミッ
ク繊維、ロックウール等が挙げられる。又、箱体1、蓋
体5を構成する外壁2a、2b、内壁3a、3bの材質
として、ステンレス、炭素鋼、パンチングメタル等を使
用する。
【0037】
【実施例】 以下に、本発明を実施例に基づき説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0038】(実施例)50KWのNAS電池モジュー
ルを収納した、内寸で幅2000mm×長さ1600m
m×高さ640mmの、上面が開放された箱体に、下面
が開放された蓋体を被せた集合電池用の真空断熱容器を
用意した。この真空断熱容器の蓋体の上面部の中空層の
真空度を、注入するガスにヘリウムを用いて1Pa〜2
00kPaに変化させて、放熱量を測定した。その結果
を図4の真空度−熱損失相関直線41に示す。尚、真空
断熱容器の蓋体の上面部以外の中空層の真空度は、1k
Paとした。
【0039】(比較例)注入するガスにヘリウムの代わ
りに空気を用いた。その他は実施例と同様にして放熱量
を測定した。その結果を図4の真空度−熱損失相関直線
42に示す。
【0040】(考察)ガスを抜いて、より高い真空状態
にした場合には、当然ながら熱損失は同等である。しか
しながら、真空度を下げてガスを注入していくと、空気
とヘリウムの熱伝導率の差が明確に現れた。ヘリウムガ
スを用いることによって、ほぼ熱損失が飽和する真空度
20kPaにおいて、空気の約3700Wに対し、ヘリ
ウムでは約4250Wとなり、ガスの変更によって、約
550Wの放熱量向上となった。このことから、電池モ
ジュールが経年劣化する等で放熱量の増加が必要な場合
に、高熱伝導率のガスで真空度を調節することで、より
断熱効果を弱められ、放熱量の増加に対応可能なことが
確認出来た。
【0041】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明の集合電
池用真空断熱容器は、上面部(例えば蓋体)の断熱手段
を、高熱伝導率ガスを利用して真空度を変更出来る中空
層としたため、断熱容器の上面側の放熱量を、より広い
範囲で調節可能となり、集合電池用真空断熱容器の内部
温度を上昇させ過ぎることなく、集合電池の発熱量と真
空断熱容器の熱損失(即ち、放熱量)をより均衡させ易
くなり、充放電中のヒーター加熱時間が減少するため、
効率アップを図ることが出来る。このような集合電池用
真空断熱容器、及びその真空断熱容器を用いた放熱量調
節方法の提供により、NAS電池が低ランニングコスト
化し、電力貯蔵・供給装置としてより広く普及し易くな
るといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真空断熱容器の一実施形態を示す側
面断面図である。
【図2】 従来の真空断熱容器の一実施例を示す側面断
面図である。
【図3】 真空断熱容器の真空度変更方法における機器
配置を示す概略説明図である。
【図4】 本発明の真空断熱容器の効果の一例を示す図
で、蓋体中空層の真空度と熱損失の相関図である。
【符号の説明】
1,19…箱体、2a,2b,12…外壁、3a,3
b,13…内壁、4a,4b,4c,14…中空層、
5,15…蓋体、6…電池モジュール、7…単電池、1
1,21,31…真空断熱容器、32…ガスバルブ、3
3…真空封止プラグ、35…接続配管、37…真空ポン
プ、39…真空計、41…真空度−熱損失相関直線(ヘ
リウムガス混入時)、42…真空度−熱損失相関直線
(空気混入時)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ14 BJ06 BJ25 CJ13 CJ28 DJ01 DJ13 5H031 AA05 AA09 CC01 KK02 MM02 MM07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池モジュールを外部空間から隔離する
    壁に中空層を設け、前記中空層に、外気と連通する空隙
    若しくは細孔を有する多孔質の断熱板を装填し、前記断
    熱板と、前記中空層を減圧若しくは真空状態としたとき
    に生じる真空層とを断熱手段とする、上面が開放された
    箱体に、下面が開放された蓋体を被せてなる箱型の集合
    電池用真空断熱容器であって、 前記壁のうち上面部の中空層に放熱量を調節可能な高熱
    伝導率ガスを注入する手段を備え、 前記上面部の中空層の真空度が、前記高熱伝導率ガスの
    注入により可変であることを特徴とする集合電池用真空
    断熱容器。
  2. 【請求項2】 前記高熱伝導率ガスが、ヘリウム、若し
    くは水素である請求項1に記載の集合電池用真空断熱容
    器。
  3. 【請求項3】 電池モジュールを外部空間から隔離する
    壁に中空層を設け、前記中空層に、外気と連通する空隙
    若しくは細孔を有する多孔質の断熱板を装填し、 前記断熱板と、前記中空層を減圧若しくは真空状態とし
    たときに生じる真空層とを断熱手段とする、上面が開放
    された箱体に、下面が開放された蓋体を被せてなる箱型
    の集合電池用真空断熱容器の、放熱量を調節する方法で
    あって、 前記壁のうち上面部の中空層に高熱伝導率ガスを注入
    し、 前記高熱伝導率ガスの注入量を変更して、前記上面部の
    中空層の真空度を電池内の発熱量に応じて制御すること
    を特徴とする集合電池用真空断熱容器の放熱量調節方
    法。
  4. 【請求項4】 前記高熱伝導率ガスが、ヘリウム、若し
    くは水素である請求項3に記載の集合電池用真空断熱容
    器の放熱量調節方法。
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