JP2002063843A - 放電ランプ用の陰極の製造方法 - Google Patents
放電ランプ用の陰極の製造方法Info
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Abstract
便化することができる放電ランプ用の陰極の製造方法を
提供すること。 【解決手段】 電子放射性物質を含んだ市販のタングス
テンロッドを切断して電子放射性が良い電子放射体1を
作成する。電子放射体1を有底筒状の金型3の底部に設
けた穴に取り付けた後に、タングステンの粉末5を金型
3に充填し、パンチ4にて圧縮し、適宜の温度にて焼結
して柱状の陰極素体を形成する。形成した陰極素体の、
電子放射体1を含む先端部を先細り状に加工し、陰極を
完成させる。
Description
発光を利用する放電ランプ用の陰極を製造する方法に関
する。
る放電ランプの構造を示す正面図である。図中10は、
石英ガラス製の封体であり、石英ガラス製の円筒の長手
方向の中央部を略球状に膨出させた形状になしてある。
封体10の両端は図示しないモリブデン箔によって封止
してあり、該両端に口金11,11を外側から嵌着して
ある。封体10内にはキセノン又は水銀などの所要のガ
スが適宜の圧力にて封入してある。
中の温度に耐えられるだけの2600℃以上の融点を持
つタングステン又はモリブデンなどの高融点金属を尖頭
棒状および砲弾形状に形成した陰極9および陽極12
が、封体10の中心軸上に所定距離を隔てて対向配置し
てある。陰極9及び陽極12は、導体製の支持ロッド1
3,13によって支持され、支持ロッド13,13はモ
リブデン箔を介して口金11,11に夫々連結してあ
る。そして、口金11,11の間に所要の電圧を印加
し、陰極9及び陽極12の間でアーク放電を起こすこと
によって高輝度の光を放射させる。
放電を安定させるために、電子放射性が良いトリウム又
はランタン等の電子放射性物質を含んだ高融点金属にて
製造した陰極が、従来用いられている。また、これを改
良したものとして、耐熱性を向上させるために、陰極の
本体は高融点金属により形成されており、前記電子放射
性物質を含んで陰極の本体よりも電子放射性が良い電子
放射体を先端部に備えた陰極が、よく知られている。
端部に備えた陰極を製造する従来の方法を示した断面図
である。図6(a)に示す如く、高融点金属にて円柱形
状に形成された陰極基体8の先端部に空洞14を設け、
陰極基体8よりも電子放射性が良い電子放射体1を空洞
14に挿入する。電子放射体1には、電子放射性物質を
数%含んだ高融点金属の粉末を焼結させたものが主に用
いられる。次に、図6(b)に示す如く、ハンマHにて
陰極基体8および電子放射体1の先端を叩きつぶし、図
6(c)に示す如く、電子放射体1を空洞14に充填す
ると共に固定する。最後に、図6(d)に示す如く、陰
極基体8の先端部を裁頭円錐状に切削加工して陰極9を
完成させる。
用いて製造された陰極は、電子放射体と陰極基体との間
の密着性が良くないために、電子放射体と陰極基体との
間の熱伝導性が悪い。このため、放電ランプの点灯中に
最も温度が高くなる先端に位置する電子放射体が、陰極
基体へ熱が伝わらないために局所的に過熱され、電子放
射体が蒸発して陰極が損耗し、さらに蒸発した電子放射
体が付着して放電ランプの内面が曇るため、陰極および
放電ランプの寿命が短いという問題があった。
度の電子放射体を個別に形成し、陰極基体の先端に電子
放射体の外径とほぼ同じ径の空洞を設け、電子放射体を
挿入してハンマにて一体化させるため、作業対象の寸法
が小さく、作業が困難であるという問題があった。
のであって、その目的とするところは、電子放射性が良
い電子放射体を埋め込んだ高融点金属の粉末を焼結して
陰極を製造することにより、陰極基体と電子放射体との
密着性を向上させ、また、電子放射体と陰極基体とを一
体化させる作業を簡便化することができる放電ランプ用
の陰極の製造方法を提供することにある。
用の陰極の製造方法は、先端部に電子放射性が良い電子
放射体を備えた放電ランプ用の陰極の製造方法におい
て、筒状の金型に充填されており、該金型の中心軸に沿
って棒状の電子放射体が埋め込まれた高融点金属の粉末
を圧縮および焼結し、先端部に前記電子放射体が位置し
た柱状の陰極素体を形成し、該陰極素体の先端部が先細
り状になり、また該陰極素体の先端に前記電子放射体の
先端が露出するように、前記陰極素体の先端部を鍛造ま
たは切削することを特徴とする。
放射体を高融点金属の粉末の中に埋め込み、該粉末を圧
縮および焼結して前記電子放射体が一体化した陰極素体
を製造するため、陰極基体と電子放射体との密着性を向
上させることができる。また、電子放射体と陰極基体と
を一体化させる作業を簡便化することができる。
に基づいて具体的に説明する。図1は、電子放射性が良
い電子放射体の製造工程を説明する説明図である。図中
1は電子放射体であり、2はタングステンロッドであ
る。電子放射性が良いトリウム又はランタン等の電子放
射性物質を数%包有したタングステンからなるタングス
テンロッドが、市販されている。このタングステンロッ
ド2を適宜の長さに切断し、棒状の電子放射体1を作成
する。電子放射体1の主成分はタングステンに限るもの
ではなく、モリブデンなど他の高融点金属であってもよ
い。また、タングステンなどの高融点金属の粉末と前記
電子放射性物質の粉末とを混合し、混合した粉末を棒状
に焼結させて電子放射体1を形成する手順としてもよ
い。
である。図中3は金型であり、有底円筒状に形成されて
いる。金型3の底の中央には縦穴が設けられ、設けられ
た縦穴の形状は電子放射体1の外形に合わせられ、該縦
穴の長さは電子放射体の長さよりも短く形成されてい
る。図2(a)に示す如く、前記縦穴に電子放射体1を
挿入して立て、タングステンの粉末5を金型3の中に充
填する。このとき、タングステンの粉末5は金型3の形
状に合わせて円柱状に成型され、金型3の底に当たる方
の端には電子放射体1が位置している。次に、図2
(b)に示す如く、油圧式又は機械式のプレス機を用
い、金型3の開放側からパンチ4により粉末5を所要の
圧力にて圧縮し、圧縮粉末5aに電子放射体1が一体化
した圧縮成型体6を形成する。
取り出し、焼結炉による加熱、又は圧縮成型体6に通電
することによる加熱などの方法により、圧縮成型体6を
1000℃〜1500℃程度の適宜の温度まで加熱して
焼結させ、陰極素体を形成する。以上の圧縮および焼結
の工程は、不純物の混入を避けるために、真空中または
所要の雰囲気中にて行う。図3は、圧縮および焼結の工
程にて円柱状に形成した陰極素体7を示す断面図であ
り、図中8は圧縮粉末5aが焼結した陰極基体である。
陰極素体7の先端部には電子放射体1が位置しており、
陰極基体8に電子放射体1が密着して一体化している。
まで加熱して先細り状に鍛造するか、又は切削加工する
ことにより、先細り状に加工し、円錐の先端に電子放射
体1の先端が露出した円錐形状に加工して陰極を完成す
る。図4は、完成した陰極9を示す断面図である。
料である粉末5はタングステンの粉末としたが、モリブ
デンなど他の高融点金属の粉末であってもよい。また、
プレス機を用いた圧縮の工程の後に高温加熱による焼結
を行う手順を示したが、圧縮成型体6を金型3の内部で
そのまま高温加熱して焼結させ、陰極素体7を形成する
手順としてもよい。また、圧縮の工程においては、静水
圧プレスを用いて圧縮成型体6を形成する手順としても
よい。
体よりも電子放射性が良い電子放射体と陰極基体との密
着性が良く、電子放射体の熱が陰極基体に伝わり易いた
めに、電子放射体が局所的に過熱されて蒸発することを
抑制し、放電ランプの寿命を長くすることができる。ま
た、電子放射体を埋め込んだタングステン粉末を焼結さ
せることで陰極基体の形成と電子放射体の陰極基体への
一体化とを同時に行うため、陰極基体を電子放射体へ一
体化させる作業を簡便化することができる等、本発明は
優れた効果を奏する。
る。
構造を示す正面図である。
来の方法を示した断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 先端部に電子放射性が良い電子放射体を
備えた放電ランプ用の陰極の製造方法において、 筒状の金型に充填されており、該金型の中心軸に沿って
棒状の電子放射体が埋め込まれた高融点金属の粉末を圧
縮および焼結し、先端部に前記電子放射体が位置した柱
状の陰極素体を形成し、該陰極素体の先端部が先細り状
になり、また該陰極素体の先端に前記電子放射体の先端
が露出するように、前記陰極素体の先端部を鍛造または
切削することを特徴とする放電ランプ用の陰極の製造方
法。
Priority Applications (1)
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2000
- 2000-08-22 JP JP2000251544A patent/JP4475774B2/ja not_active Expired - Fee Related
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