JP2002063772A - 磁気ヘッドのキャリッジラッチ機構および磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッドのキャリッジラッチ機構および磁気ディスク装置

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JP2002063772A JP2000388983A JP2000388983A JP2002063772A JP 2002063772 A JP2002063772 A JP 2002063772A JP 2000388983 A JP2000388983 A JP 2000388983A JP 2000388983 A JP2000388983 A JP 2000388983A JP 2002063772 A JP2002063772 A JP 2002063772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの衝撃に対して簡単な構成で確実に
キャリッジをラッチする。 【解決手段】 先端部に磁気ヘッド9を支持するキャリ
ッジ機構5は、ピボットベアリング6を中心として揺動
自在に設けられる。ラッチ部材20は、キャリッジ機構
5に隣接して、シャフト15を中心に揺動自在に設けら
れる。ラッチ部材の先端部にはラッチ爪21が突出して
おり、このラッチ爪21が侵入するスリット25が、キ
ャリッジ機構5に形成されている。スリット25は、ラ
ッチ部材20が初期位置にあるときにはラッチ爪21と
干渉しない逃がし部と、この逃がし部から屈曲して延
び、外力によりキャリッジ機構5及びラッチ部材20が
回転することでラッチ爪21が侵入する保持部とを含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
に衝撃が加わった際に、キャリッジ手段に支持された磁
気ヘッドを退避位置から脱落しないようにキャリッジ手
段を保持するためのキャリッジラッチ機構、及びこのラ
ッチ機構を有する磁気ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パーソナルコンピュータ等の情報
処理装置において、情報の記録再生装置として、磁気デ
ィスク装置が用いられている。磁気ディスク装置は、回
転可能に設けられたディスク状の記録媒体と、キャリッ
ジと呼ばれるアクチュエータによって支持された磁気ヘ
ッドとを有し、キャリッジにより、回転している記録媒
体上に磁気ヘッドを位置決めし、記録媒体への記録のリ
ードライトを行っている。このリードライトの際は、記
録媒体の回転によって、磁気ヘッドは記録媒体から浮上
している。
【0003】近年、ノートパソコンや、モバイル端末に
磁気ディスク装置が使用されることが多くなってきたた
め、磁気ディスク装置の要求される性能として耐衝撃性
が重要なファクターになってきている。衝撃が加わった
際に避けなければならないことの一つとして、磁気ヘッ
ドと記録媒体が接触することによる磁気ヘッドもしくは
記録媒体の損傷がある。
【0004】特に近年は記録の高密度化が進み、それに
伴って磁気ヘッド浮上量を低下させる必要があるため、
記録媒体の平滑度も高くなってきている。そのため、記
録媒体の回転が停止しているときに磁気ヘッドが記録媒
体上に位置すると、磁気ヘッドが記録媒体に吸着してし
まい、動作不能になってしまう。従って、非動作時には
磁気ヘッドを記録媒体のデータエリア上から退避させる
必要がある。
【0005】磁気ヘッドの退避方法には、大きく分けて
CSS(Contact Start Stop)方式とランプロード方式
の2つの方式がある。CSS方式は、記録媒体の一部
(通常、記録媒体の最内周であることが多い)に退避位
置を設定しておき、この退避位置に磁気ヘッドを退避さ
せる方式である。特に、CSS方式では、上記退避位置
に微小な突起や溝を設け退避位置での平滑度を故意に低
下させたゾーンテクスチャ媒体を使用し、これによって
磁気ヘッドの吸着を回避している。一方、ランプロード
方式は、記録媒体の外側にランプを設けるとともに、磁
気ヘッドを支持しているサスペンションの先端にロード
バーを設け、このロードバーをランプに乗り上げさせる
ことによって、磁気ヘッドを記録媒体の外側に完全に退
避させる方式である。
【0006】いずれの方式でも、磁気ヘッドが退避位置
から移動してしまえば記録媒体上に磁気ヘッドが吸着さ
れることになる。従って、衝撃が加わっても磁気ヘッド
を退避位置から脱落させないためのラッチ機構が非常に
重要になる。
【0007】従来、そのようなラッチ機構としては、キ
ャリッジ側に磁性体を設けておき、永久磁石によってキ
ャリッジを退避位置に固定(ラッチ)するものがある。
【0008】しかし、上記のラッチ機構では、リードラ
イト動作を行う際には、キャリッジを駆動するキャリッ
ジアクチュエータの駆動力でラッチを解除しなければな
らず、キャリッジを固定するラッチ力は、キャリッジア
クチュエータの力以下でなければならない。そのため大
きな衝撃にも耐えうるキャリッジ固定力は得ることは困
難である。一方、磁気ヘッドと記録媒体との接触という
観点からは、磁気ヘッドを記録媒体にロードする際の速
度制御が非常に重要である。しかしながら、磁力による
キャリッジのラッチ力が、衝撃によりキャリッジのラッ
チが解除されないように十分に大きい場合、逆に、キャ
リッジアクチュエータでキャリッジのラッチを解除し、
かつ磁気ヘッドのロード速度を制御することは非常に困
難である。
【0009】そこで、他のラッチ機構として、動作時に
はスピンドルの回転による風力を利用してラッチを解除
し、非動作時には、ばね部材や磁力によってラッチ位置
にラッチ機構を復元して常にラッチが働く状態にする構
造のものがある。この機構は構造が比較的簡単でそれほ
どコストもかからずに実現でき、その効果も確認されて
いるが、スピンドルの回転数が低い装置や記録媒体の径
の小さい装置では十分な風力が得られない場合があるた
め、3.5インチ径以上の磁気ディスク装置で使用され
ることが多い。
【0010】さらに他のラッチ機構として、通常はラッ
チが解除されており自由にキャリッジが動くことができ
るが、キャリッジが退避位置から脱落するような回転加
速度が加わると、その加速度でラッチ機構が動作し、キ
ャリッジの爪に引っ掛かることでキャリッジが回転して
退避位置から脱落するのを阻止するイナシャラッチ方式
といわれる機構もある。
【0011】イナシャラッチ方式による従来のラッチ機
構の幾つかの例について説明する。
【0012】図12に示す例では、キャリッジ105の
磁気ヘッド109を支持している側の端部と反対側の端
部にキャリッジ爪105aが形成され、このキャリッジ
爪105aに、シャフト115を中心に回転自在なラッ
チ部材120の先端に設けられたラッチ爪121が係合
することでキャリッジ105がランプ104から脱落す
るのを防止する構成となっている。
【0013】すなわち、図12(a)に示すように、磁
気ヘッド109がランプ104上に位置している状態で
は、キャリッジ爪105aとラッチ爪121とは係合し
ていない。この状態で、磁気ディスク装置に衝撃等が加
わり、図12(b)に示すように、キャリッジ105
を、キャリッジ105を回転自在に支持するシャフト1
06を中心とした反時計回りへの回転加速度が生じる
と、ラッチ部材120も、シャフト115を中心にキャ
リッジ105と同じ方向に回転する。これにより、ラッ
チ爪121がキャリッジ爪105aに係合し、キャリッ
ジ105の回転が阻止され、磁気ヘッド109がランプ
104から脱落するのを防止することができる。
【0014】ところが、図12(b)に示したのと逆
に、時計回りの回転加速度がキャリッジ105に作用し
た場合、図12(c)に示すように、キャリッジ105
はストッパ117に衝突し、その際のリバウンドによ
り、今度は反時計回りに回転する。一方、ラッチ部材1
20は時計回りに回転しており、ラッチ爪121がキャ
リッジ105から離れている。
【0015】従って、キャリッジ105はラッチ部材1
20により回転が阻止されることなく回転し、磁気ヘッ
ド109がランプ104から脱落してしまう。つまり、
図12に示す例では、キャリッジ105が一方向に回転
した場合にしかラッチ機構が機能せず、ラッチ機能とし
ての信頼性が低い。
【0016】図13に示す例では、ラッチ部材150
に、シャフト145を中心とした円弧状のスリット15
1を設け、キャリッジ135に設けられた係合ピン15
5をこのスリット151で受ける構成となっている。ま
た、リードライト動作時に磁気ヘッド139を記録媒体
132上に移動させるために、スリット151には、係
合ピン155をスリット151から逃がすための切り欠
き151aが形成されている。衝撃等が加わっていない
状態(初期状態)では、ラッチ部材150は図13
(a)に示す初期位置にあり、磁気ヘッド139は退避
位置から記録媒体132上に移動することができる。こ
のような構成によれば、図13(b)に示すように、時
計回りの回転加速度がキャリッジ135およびラッチ部
材150に作用した場合でも、ラッチ部材150の回転
により係合ピン155はスリット151から抜け出るこ
とができないので、キャリッジ135がストッパ147
に衝突することによる、キャリッジ135の反時計回り
の回転を阻止することができる。つまり、キャリッジ1
35がどちらの方向に回転しても、ラッチ部材150が
回転さえすればラッチ機構は機能する。
【0017】しかし、この機構では、円弧状のスリット
151をラッチ部材150に設ける必要があるため、ラ
ッチ部材150のサイズが大きくなってしまう。また、
衝撃等によるキャリッジ135の回転を確実に阻止する
ためには、ラッチ部材150を高速に、かつ大きく回転
させるのが望ましい。そのためには、シャフト145か
らスリット151までの距離を大きくし、スリット15
1の長さを長くすればよいが、これも結果的にはラッチ
部材150の大型化につながる。従って、図13に示す
構成は、小型化が要求される磁気ディスク装置において
は実用的ではない。
【0018】図14に示す例は、上記の2つの例の欠点
を解決するものであり、ラッチ部材180を、それぞれ
シャフト145a,145bを中心に回転自在に設けら
れている第1のラッチアーム180aと第2のラッチア
ーム180bとで構成している。キャリッジ165に設
けられたキャリッジ爪165aと係合するラッチ爪18
1は、第2のラッチアーム180bに設けられている。
また、第1のラッチアーム180aには、第1のラッチ
アーム180aが反時計回りに回転することによって第
2のラッチアーム180bを引き寄せて反時計回りに回
転させる第1の補助爪182aと、第1のラッチアーム
180aが時計回りに回転することによって第2のラッ
チアーム180bを押して反時計回りに回転させる第2
の補助爪182bとが一体に設けられている。
【0019】初期状態では、図14(a)に示すよう
に、第1のラッチアーム180aおよび第2のラッチア
ーム180bは、それぞればねや磁力を利用した位置規
制部材(不図示)により初期位置に保たれており、キャ
リッジ爪165aとラッチ爪181とは係合していな
い。この状態で、キャリッジ165に反時計回りへの回
転加速度が作用すると、図14(b)に示すように、第
1のラッチアーム180aも反時計回りに回転して第1
の補助爪182aが第2のラッチアーム180bに係合
して第2のラッチアーム180bを反時計回りに回転さ
せる。これにより、ラッチ爪181がキャリッジ爪16
5aに係合し、反時計回りへのキャリッジ165の回転
が阻止される。逆に、キャリッジ165に時計回りへの
回転加速度が作用すると、図14(c)に示すように、
キャリッジ165はストッパ177に衝突し、その際の
リバウンドで反時計回りに回転する。一方、第1のラッ
チアーム180aは、時計回りに回転し、第2の補助爪
182bによって第2のラッチアーム180bを押して
反時計回りに回転させる。これにより、ラッチ爪181
がキャリッジ爪165aと係合し、キャリッジ165の
回転が阻止される。
【0020】このように、図14に示す機構によれば、
双方向の回転加速度に対してラッチ爪181が働く構造
となっているため、キャリッジ165の脱落をより確実
に防止することが可能である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図14
に示したようなラッチ機構では、ラッチ部材を2つのラ
ッチアームで構成しており、それに伴い、ラッチアーム
を回転自在に支持するシャフトや、ラッチが非動作のと
きにラッチアームを中立位置に保つ位置規制部材が、ラ
ッチアーム毎に必要となる。従って、部品点数が増えて
しまい、また、それに伴って製造時の組立工数や管理工
数も増加するので、結果的にコストアップにつながる。
【0022】また、イナシャラッチ方式は、一般に、キ
ャリッジとラッチ部材は同じ回転加速度によって回転す
るため、磁気ヘッドがランプから脱落する前にキャリッ
ジ爪とラッチ爪とを係合させるためには、キャリッジ爪
とラッチ爪との位置関係が非常に重要となる。つまり、
キャリッジの回転によってキャリッジ爪が通過する前
に、ラッチ爪がキャリッジ爪の軌跡上に位置するよう
に、待機状態における両者の位置関係を設定しなければ
ならない。
【0023】そのためには、ラッチ部材を位置精度よく
組み立てる必要がある。特に、図14のようにラッチ部
材を2つのラッチアームで構成した場合には、ラッチ爪
が設けられている第2のラッチアームはもちろんのこ
と、第2のラッチアームを回転させる第1のラッチアー
ムについても位置精度よく組み立てなければならない。
従来は、キャリッジを駆動するための磁気回路上にラッ
チ機構を設けていたが、この方法では、磁気回路とキャ
リッジとの取り付け公差が上乗せされてしまい、キャリ
ッジとラッチ機構との相対的な位置精度が出しにくかっ
た。
【0024】本発明の目的は、外部からの衝撃に対して
簡単な構成で確実にキャリッジをラッチすることのでき
るキャリッジラッチ機構及び磁気ディスク装置を提供す
ることである。本発明の他の目的は、少ない部品点数
で、しかも組立時の部品の取り付け位置精度を緩和し容
易に組み立てられるキャリッジラッチ機構及び磁気ディ
スク装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のキャリッジラッチ機構は、磁気ヘッドを支持し
退避位置を含む範囲内で揺動自在に軸支されたキャリッ
ジ手段を、外力が加わった際に前記退避位置から脱落し
ないように保持するキャリッジラッチ機構において、前
記キャリッジ手段と同一の平面内で揺動自在に軸支さ
れ、前記平面に対して突出するラッチ爪が設けられた単
一のラッチ部材を有し、前記キャリッジ手段には、前記
キャリッジ手段が前記退避位置にあるとき前記ラッチ爪
が侵入しているスリットが形成され、前記スリットは、
前記ラッチ部材が初期位置にあるとき前記ラッチ爪と干
渉せず前記範囲内での前記キャリッジ手段の自由な揺動
を可能とする逃がし部と、前記逃がし部から屈曲して延
び前記外力により前記キャリッジ手段及び前記ラッチ部
材が回転することで前記ラッチ爪が侵入する保持部とを
含むことを特徴とする。
【0026】また、本発明の磁気ディスク装置は、回転
駆動可能に設けられた円盤状の記録媒体と、磁気ヘッド
を支持し、前記記録媒体の回転面と同一面内で、前記磁
気ヘッドが前記記録媒体から退避している退避位置と前
記磁気ヘッドが前記記録媒体上にある位置とを含む範囲
内で揺動自在に軸支されたキャリッジ手段と、前記キャ
リッジ手段を駆動して前記記録媒体上の所定の位置に位
置決めする駆動手段と、上記本発明のキャリッジラッチ
機構とを有する。
【0027】上記の発明のキャリッジラッチ機構では、
キャリッジ手段の非動作時には、ラッチ部材に設けられ
たラッチ爪が、キャリッジ手段に形成された、逃がし部
と保持部とを有するスリットに侵入している。通常は、
ラッチ爪は逃がし部に位置しており、キャリッジ手段は
通常の動作が可能である。この状態でキャリッジ手段を
回転させる外力が加わると、ラッチ部材もキャリッジ手
段と同様に回転を始め、ラッチ爪は保持部に侵入する。
保持部は逃がし部に対して屈曲して延びているので、上
記の外力が加わっている限りは、ラッチ爪は保持部に侵
入したままであり、キャリッジ手段のそれ以上の回転が
阻止され、キャリッジ手段はラッチされる。しかも、ラ
ッチ爪とスリットとの係合であるので、キャリッジ手段
のラッチは回転の方向によらない。このように、ラッチ
部材にラッチ爪を設け、このラッチ爪が係合するスリッ
トをキャリッジ手段に設けるという極めて簡単な構成で
よいので、小型のキャリッジラッチ機構が達成される。
【0028】また、キャリッジ手段及びラッチ部材の重
心位置をそれぞれの回転中心と一致させることで、キャ
リッジ手段及びラッチ部材に並進方向の外力が加わった
場合、キャリッジ手段及びラッチ部材は回転しない。こ
れにより、キャリッジ手段及びラッチ部材の不安定な動
作によるラッチ動作の不安定要因がなくなる。
【0029】さらに、スリットの保持部を、キャリッジ
手段及びラッチ部材の回転により侵入したラッチ爪が接
触する第1の接触面を有する構成とし、この接触面を、
キャリッジ手段の回転により、ラッチ爪が逃がし部から
遠ざかって移動する向きにラッチ部材を回転させる角度
で形成することで、ラッチ爪が保持部に侵入したときの
力を受けている限り、ラッチ爪が保持部に位置した状態
が保たれ、より確実にキャリッジ手段のラッチが行われ
る。
【0030】この場合、ラッチ爪を保持部に良好に保持
するために、保持部の逃がし部から最も遠い端部に、第
1の接触面と連続し、かつラッチ爪が侵入可能な凹部を
形成するのが好ましい。また、第1の接触面と対向する
第2の接触面を、ラッチ爪が第1の接触面と接触したと
きの方向と反対方向にキャリッジ手段が回転することに
よってラッチ爪と接触し、かつ、ラッチ部材を初期位置
に復帰させる向きに回転させるようにラッチ爪を押す角
度で形成することで、ラッチ部材の初期位置への復帰及
びキャリッジ機構の退避位置への復帰動作の際の、ラッ
チ部材の初期位置への移動が加速される。上記の外力が
大きい場合やラッチ動作中に再度外力が加わった場合な
ど、キャリッジ手段が再度退避位置から外れる方向に回
転を始めることがあるが、その際にはラッチ部材は既に
初期位置へ復帰しているので、上述したのと同様の動作
によりキャリッジ機構がラッチされる。
【0031】さらに本発明は、上記のキャリッジラッチ
機構に更に、キャリッジ手段が、その揺動範囲の一端を
退避位置として保持するためにキャリッジ第1ストッパ
に突き当てられるキャリッジ側突き当て部を有するとと
もに、ラッチ部材が、その揺動範囲のうちキャリッジ手
段がキャリッジ第1ストッパに突き当てられるときのキ
ャリッジ手段の回転方向と同じ回転方向側の一端を初期
位置として保持するためにラッチ部材ストッパに突き当
てられるラッチ側突き当て部を有する構成としたもので
あってもよい。
【0032】上記の構成によれば、キャリッジ手段及び
ラッチ部材は、外力が加わらない状態では、それぞれ突
き当て部をストッパに突き当てて保持されている。ここ
で、キャリッジ側突き当て部がキャリッジ第1ストッパ
から離れる向きにキャリッジ手段を回転させる外力が加
わると、ラッチ部材も同じ方向に回転し、上述のように
してキャリッジ手段がラッチされる。一方、キャリッジ
側突き当て部がキャリッジ第1ストッパに押し付けられ
る向きにキャリッジ手段を回転させる外力が加わると、
ラッチ部材もラッチ部材ストッパに押し付けられ、キャ
リッジ手段及びラッチ部材はリバウンドする。結果的
に、キャリッジ側突き当て部がキャリッジ第1ストッパ
から離れる向きにキャリッジ手段を回転させる外力が加
わった場合と同じ向きにキャリッジ手段及びラッチ部材
が回転し、キャリッジ手段がラッチされる。
【0033】この場合、ラッチ側突き当て部を線接触ま
たは点接触でラッチ部材ストッパに突き当てる構成とす
ることで、ラッチ側突き当て部がラッチ部材ストッパに
押し付けられた際のラッチ部材のリバウンドの速度が大
きくなる。また、ラッチ部材ストッパを、ラッチ側突き
当て部が時当てられることで弾性変改可能に構成するこ
とで、ラッチ部材ストッパに押し付けられたラッチ側突
き当て部はラッチ部材ストッパの反力で反発し、ラッチ
部材のリバウンドの速度がより大きくなる。さらに、ラ
ッチ部材の揺動中心からラッチ側突き当て部までの距離
を、ラッチ部材の揺動中心からラッチ爪までの距離より
も短くすることで、ラッチ部材が回転した際のラッチ爪
の回転速度がラッチ側突き当て部の回転速度よりも大き
くなる。いずれの場合でも、ラッチ爪を高速に移動させ
て、ラッチ爪がスリットの逃がし部を通過する前にラッ
チ爪を保持部に侵入させ、結果的に、ラッチ動作の信頼
性が向上する。
【0034】更に、キャリッジ手段の揺動範囲の他端で
キャリッジ側突き当て部と当接するキャリッジ第2スト
ッパを有する構成とした場合には、このストッパを、ラ
ッチ部材を揺動自在に軸支するシャフト部材と兼用する
ことで、キャリッジラッチ機構のために新たに追加され
る部品はラッチ部材だけでよく、部品点数の増加が最小
限に抑えられる。ラッチ部材の正確な動作のためには、
ラッチ部材の取り付け位置、すなわち上記シャフト部材
(キャリッジ第2ストッパ)の位置が重要となるが、キ
ャリッジ第2ストッパは、キャリッジ手段の揺動範囲を
規定するため、位置精度よく取り付けられている。従っ
て、キャリッジ第2ストッパをシャフト部材と兼用する
ことで、ラッチ部材の取り付けのために位置精度よく取
り付ける必要のあるシャフト部材を省略することがで
き、組み立てが容易となる。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0036】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態による磁気ディスク装置の内部構造を示す平
面図である。図2は、図1に示した磁気ディスク装置の
キャリッジ機構およびラッチ機構を拡大して示す図であ
り、同図(a)はその平面図、同図(b)はその側面図
である。
【0037】図1に示すように、この磁気ディスク装置
は、大きく分けて、互いに間隔をあけて積層された2枚
の記録媒体2と、記録媒体2に対してデータのリードラ
イトを行う複数の磁気ヘッド9(図2参照)を備えたキ
ャリッジ機構5と、非動作時に磁気ヘッド9をランプ4
上にラッチするためのラッチ機構とを有し、これらの機
構は、アルミダイキャストで製造されたベース1とカバ
ー(図1では、外された状態が示されているため不図
示)とで構成される筐体の内部に収容されている。
【0038】ディスク状の記録媒体2は、ベース1に固
定されているスピンドルモータ3に、クランプリング1
7およびスペーサリング(不図示)を介して互いに間隔
をあけて固定されており、スピンドルモータ3の駆動に
より一定の回転数で回転される。本実施形態では、スピ
ンドルモータ3はベース1に固定される片持ち構造のも
のを例に挙げたが、ベース1だけでなくカバーにも固定
される両持ち構造のものでもよい。
【0039】キャリッジ機構5は、ベース1およびカバ
ーの双方に固定されたピボットベアリング6を中心とし
て揺動(回転)自在に設けられているキャリッジアーム
7を有する。キャリッジアーム7の先端部には、図2に
示すように、キャリッジアーム7の厚み方向に間隔をあ
けて4つのサスペンション8が取り付けられており、各
サスペンション8のそれぞれに、2つずつが互いに対向
するように磁気ヘッド9が取り付けられている。これに
より、2枚の記録媒体2の両面に対してリードライト動
作が可能となっている。
【0040】サスペンション8の先端にはロードバー8
aが設けられており、磁気ディスク装置がリードライト
動作を行わないときには、このロードバー8aがランプ
4に乗り上げ、磁気ヘッド9を記録媒体2から完全に退
避させる。ランプ4は、一定の角度の傾斜面を有し、ベ
ース1に固定されている。そのため、磁気ヘッド9を記
録媒体2に対して一定の速度でロードおよびアンロード
することができる。
【0041】記録媒体2に対する磁気ヘッド9の位置決
めは、VCM(Voice Coil Motor:ボイスコイルモー
タ)10によるキャリッジアーム7の位置決めによって
行われる。VCM10は、ベース1に設けられた磁気回
路と、キャリッジ機構5に設けられたコイル11とで構
成される。磁気回路は、ベース1に固定されたマグネッ
ト13およびボトムヨーク14と、不図示のトップヨー
クとから構成されている。また、本実施形態では、コイ
ル11は、樹脂からなりキャリッジアームと一体成形さ
れたコイルホルダ12によって保持されている。なお、
VCM10は、この種の磁気ディスク装置に一般的に用
いられているものであり、詳細な構成および位置決め方
法については周知であるので、ここではその説明は省略
する。
【0042】キャリッジ機構5は、上記のキャリッジア
ーム7、サスペンション8、磁気ヘッド9の他に、これ
らコイル11およびコイルホルダ12等を含んだ、ピボ
ットベアリング6で支持されたユニット全体を指すが、
このキャリッジ機構5の重心位置は、ピボットベアリン
グ6の中心すなわちキャリッジ機構5の回転中心と一致
している。
【0043】キャリッジアーム7と一体成形されたコイ
ルホルダ12は、その一部位に、後述する内周ストッパ
(シャフト15)の受けとなる内周ストッパ受け面12
a、および外周ストッパ16の受けとなる外周ストッパ
受け面12bを構成する突出部を有する。
【0044】ベース1には、キャリッジ機構5の内周ス
トッパとして機能するシャフト15が立てられている。
このシャフト15は、磁気ヘッド9が記録媒体2の最内
周に到達したときに、上述した内周ストッパ受け面12
aが当接する位置に設けられている。これにより、キャ
リッジアーム7がそれ以上内周に移動するのが阻止さ
れ、クランプリング17やスペーサリングとの衝突によ
るサスペンション8の破損が防止される。このシャフト
15の取り付け位置は、キャリッジ機構5の揺動範囲を
規定する上で重要である。また、シャフト15は、VC
M10のボトムヨーク14を貫通しており、VCM10
の磁気回路をベース1に位置精度よく取り付けるための
位置決め手段としての機能も有する。従って、シャフト
15自身は、ベース1に位置精度よく取り付けられてい
る。
【0045】外周ストッパ16もベース1に取り付けら
れているが、この外周ストッパ16は、磁気ヘッド9が
記録媒体2に対してランプ4から更に外側に移動しよう
としたとき、上述した外周ストッパ受け面12bが当接
する位置に設けられている。これにより、磁気ヘッド9
がランプ4から脱落したり、それによるサスペンション
8の破損が防止される。また、外周ストッパ16にはラ
ッチマグネット(不図示)が内蔵され、外周ストッパ受
け面12bには、SUS430などの磁性材料が取り付
けられている。これにより、非動作時には、ラッチマグ
ネットの磁力によってキャリッジ機構5を外周ストッパ
16に吸着させ、外部からこの力を超える衝撃力が加わ
らない限り、キャリッジ機構5の位置を退避位置に保持
する。
【0046】次に、主として図2を参照して、本実施形
態のラッチ機構について詳細に説明する。
【0047】ラッチ機構を構成するラッチ部材20は、
ボトムヨーク14とキャリッジ機構5との間に、キャリ
ッジ機構5に隣接して配置され、上述したシャフト15
に、ブシュを介して、キャリッジ機構5と同一の平面内
で、シャフト15を中心として揺動(回転)自在に支持
されている。ブシュとしては、ラッチ部材20の摩擦抵
抗を小さくするため、例えばステンレス製のものが用い
られる。ラッチ部材20の重心位置は、その回転中心す
なわちシャフト15の中心位置と一致している。
【0048】ラッチ部材20は、その回転面内でシャフ
ト15から互いにほぼ反対側へ延びたアーム20aとカ
ウンターウエイト部20bとを有する。アーム20aの
長さは、カウンターウエイト部20bの長さよりも長
い。アーム20aの先端部には、ラッチ部材20の回転
面に対して突出して後述するスリット25に係合するラ
ッチ爪21が一体的に設けられている。ラッチ爪21
は、好ましくは、シャフト15の軸線方向とほぼ平行な
方向、言い換えればラッチ部材20の回転面とほぼ垂直
な方向に突き出ている。
【0049】シャフト15の近傍において、ラッチ部材
20には、VCM10のマグネット13(図1参照)に
よる引力を受けるSUS430などの磁性体(不図示)
が先端部に取り付けられている凸部20cが突設されて
いる。これにより、ラッチ部材20には、ラッチ部材2
0を初期位置に保持する力が常時作用し、外部からこの
力を超える衝撃が加わらない限り、ラッチ部材20は初
期位置に位置づけられている。ラッチ部材20は樹脂に
よって成形されており、この磁性体および上述のブシュ
は、インサート成形によりラッチ部材20の成形時に一
体成形される。
【0050】カウンターウエイト部20bの、シャフト
15から最も遠い時計回り側の角部は、突き当て部22
となっている。ラッチ部材20の初期位置では、凸部2
0cが受ける磁力によって、図1に示すように、突き当
て部22はベース1に設けられたラッチストッパ23に
線接触または点接触の状態で押し付けられている。シャ
フト15から突き当て部22までの距離は、シャフト1
5からラッチ爪21までの距離よりも短い。
【0051】ラッチストッパ23は、図3にも示すよう
に、ベース1の低壁から厚みの薄い板として突出してベ
ース1と一体に成形された部分であり、突き当て部22
が押し付けられることにより容易に弾性変形可能に構成
される。ラッチストッパ23は、このように弾性変形可
能であれば特に形状や材料は限定されず、ベース1の一
部分としてアルミで一体成形したものでもよいし、例え
ば樹脂等の剛性の低い材料をベース1に固定して構成し
てもよい。
【0052】一方、キャリッジ機構5を構成するコイル
ホルダ12の部分には、ラッチ部材20のラッチ爪21
が侵入しているスリット25が形成されている。このス
リット25について図4を参照して説明する。
【0053】スリット25は、コイルホルダ12の端面
に達しラッチ部材20が初期位置にあるときにはラッチ
爪21と干渉せず記録媒体2(図1参照)上へのキャリ
ッジ機構5の動作を妨げないようにする逃がし部25a
と、キャリッジ機構5の動作時のラッチ爪21に対する
逃がし部25aの移動方向に対して逃がし部25aから
屈曲して、キャリッジ機構5の回転中心から遠ざかる方
向に延びたラッチ爪保持部25eとを有する。逃がし部
25aは、好ましくは、キャリッジ機構5の回転中心で
あるピボットベアリング6(図2参照)を中心とした円
弧状に形成される。ラッチ爪保持部25eは、外部から
衝撃が加わりラッチ部材20が時計回りに回転した際に
ラッチ爪21と接触しキャリッジ機構5の回転を阻止す
る接触面25bと、この接触面25bと対向した面であ
る対向面25dとを有する。
【0054】接触面25bは、ラッチ爪21と接触した
際に、ラッチ爪21が逃がし部25aから遠ざかる向き
にラッチ部材20を回転させる角度で形成されている。
ラッチ爪保持部25eの逃がし部25aから最も遠い端
部には、ラッチ爪21が入る程度の大きさの窪み25c
が形成されている。対向面25dは、窪み25cから脱
したラッチ爪21が接触し、更に初期位置へ復帰させる
ような角度で形成されている。
【0055】次に、ラッチ機構の動作について説明す
る。
【0056】まず、外部から衝撃が加わらない初期位置
では、図5に示すように、凸部20cの先端部に設けら
れた磁性体がVCM10(図1参照)の磁力により引き
付けられ、突き当て部22がラッチストッパ22に押し
付けられている。この状態ではラッチ爪21はキャリッ
ジ機構5のスリット25と干渉はせず、キャリッジ機構
5が反時計回りに回転してもラッチ爪21は逃がし部2
5aを通過するので、磁気ディスク装置としての通常の
動作である、記録媒体2(図1参照)への磁気ヘッド9
(図2参照)のロードおよびアンロードを行うことがで
きる。なお、キャリッジ機構5が動作していないとき
は、キャリッジ機構5は、図1に示したように、外周ス
トッパ受け面12bが磁力により外周ストッパ16に引
き付けられ、ロードバー8aがランプ4上に乗り上げた
退避位置にある。
【0057】磁気ディスク装置に並進方向の衝撃が加わ
ると、キャリッジ機構5及びラッチ部材20は共に、重
心位置がそれらの回転中心と一致しているので、キャリ
ッジ機構5及びラッチ部材20は回転しない。従って、
ラッチ部材20は初期位置に保持されキャリッジ機構5
は退避位置に保持されたままであり、キャリッジ機構5
及びラッチ部材20は、キャリッジ機構5を回転させよ
うとする衝撃が加わった場合にのみ動作する。これによ
り、キャリッジ機構5及びラッチ部材20の不安定な動
作を生じさせる要因を排除し、磁気ディスク装置に衝撃
が加わった際の、後述するような、キャリッジ機構5及
びラッチ部材20の安定した動作が可能となる。
【0058】一方、磁気ディスク装置に、キャリッジ機
構5を反時計回りに回転させようとする、キャリッジ機
構5及びラッチ部材20の磁気吸引力よりも大きな衝撃
加速度が加わった場合、図6に示すように、キャリッジ
機構5及びラッチ部材20が共に反時計回りに回転す
る。これにより、ラッチ爪21は逃がし部25aからラ
ッチ爪保持部25eへ移動し、スリット25の接触面2
5bと接触する。ラッチ爪保持部25eは逃がし部25
aに対して屈曲して延びているので、キャリッジ機構5
及びラッチ部材20が反時計回りへの回転力を受けてい
る限り、ラッチ爪21はラッチ爪保持部25eから脱す
ることはなく、キャリッジ機構5の回転が抑制される。
【0059】このとき、ラッチ部材20の回転中心から
ラッチ爪21までの距離と、キャリッジ機構5の回転中
心からスリット25までの距離と、ラッチ部材20が初
期位置にあるときのラッチ爪21とスリット25との隙
間が適切に設定されていれば、キャリッジ機構5のスリ
ット25が形成された部分の移動速度に対してラッチ爪
21の移動速度を大きくすることができ、キャリッジ機
構5をより確実に係止することが可能となる。また、ラ
ッチ爪21とスリット25との位置関係を適切に設定す
るためには、ラッチ部材20の取り付け位置、すなわち
シャフト15の位置も重要となる。ただし、前述のよう
に、シャフト15はVCM10の位置決めピンを兼ねて
いるので、ラッチ部材20だけのためにシャフト15を
位置精度よく設置する必要もなく、そのためにシャフト
15の取り付け工数が増加することもない。
【0060】ここで、スリット25の接触面25bは、
ラッチ部材20の回転中心とラッチ爪21とを通る直線
に対して反時計回りの方向に傾いてラッチ爪21と接触
するように形成されており、そのため、キャリッジ機構
5の慣性力によって、ラッチ部材20は反時計回りに力
を受ける。このラッチ部材20の回転動作により、図7
に示すように、ラッチ爪21が窪み25c内に入る。こ
の状態では、キャリッジ機構5が反時計回りの外力を受
けている限り、ラッチ爪21が窪み25cから抜け出る
ことはなく、キャリッジ機構5はラッチ部材20によっ
てラッチされる。その結果、キャリッジ機構5およびラ
ッチ部材20の反時計回りへの回転、すなわち磁気ヘッ
ド9(図2参照)の記録媒体2(図1参照)への移動が
防止される。
【0061】その後、キャリッジ機構5を反時計回りに
回転させようとする衝撃加速度が無くなるかあるいは小
さくなると、ラッチ爪21が窪み25cに入ったときの
反力や、外周ストッパ16(図1参照)に内蔵されたラ
ッチマグネットによるキャリッジ機構5を退避位置へ戻
そうとする力によって、キャリッジ機構5には時計回り
に回転を始める。これによって、図8に示すように、ラ
ッチ爪21が窪み25cから外れ、キャリッジ機構5の
時計回りへの回転に伴ってラッチ爪21は対向面25d
に接触する。
【0062】ラッチ爪21が窪み25cから外れると、
ラッチ部材20の凸部20c(図2参照)に設けられた
磁性体とマグネット13(図1参照)との間に働く磁力
により、ラッチ部材20は初期位置へ戻ろうと時計回り
に回転を始める。一方、対向面25dは、ラッチ部材2
0の回転中心とラッチ爪21とを通る直線に対して反時
計回りの方向に傾いてラッチ爪21と接触するように形
成されている。そのため、ラッチ爪21が接触した状態
でキャリッジ機構5が時計回りに回転すると、ラッチ爪
21が対向面25dに押されて、ラッチ部材20の時計
回りへの回転、すなわち初期位置への移動が加速され
る。従って、キャリッジ機構5が退避位置に戻るときに
は既にラッチ部材20は初期位置への復帰が完了してい
る。
【0063】磁気ディスク装置に加わる衝撃力が大きい
場合や、ラッチ動作中に再度衝撃が加わった場合は、キ
ャリッジ機構5がリバウンドし、再度退避位置から外れ
る方向に回転を始めるが、その際にはラッチ部材20は
既に初期位置にあるため、上述した一連の動作をほぼ同
じタイミングで繰り返す。その結果、キャリッジ機構5
のリバウンドに対しても、キャリッジ機構5を確実に係
止することができる。
【0064】そして、最終的には、キャリッジ機構5及
びラッチ部材20はそれぞれ、磁性体とマグネットとの
間に働く吸引力により、退避位置及び初期位置に復帰
し、図1に示した状態となる。
【0065】以上、磁気ディスク装置に、キャリッジ機
構5を反時計回りに回転させようとする衝撃加速度が加
わった場合のキャリッジ機構5及びラッチ部材20の動
作について説明したが、これとは逆に、キャリッジ機構
5を時計回りに回転させようとする衝撃加速度が加わっ
た場合の動作について以下に説明する。
【0066】図1に示す状態では、キャリッジ機構5は
退避位置にあり、外周ストッパ受け12bが外周ストッ
パ16に当接している。従って、キャリッジ機構5を時
計回りに回転させようとする衝撃加速度が加わると、外
周ストッパ受け12bは外周ストッパ16に強く押し付
けられ、その反動で、キャリッジ機構5が反時計回りに
回転を始める。
【0067】一方、ラッチ部材20は初期位置にあり、
突き当て部22がラッチストッパ23に当接している。
従って、キャリッジ機構5を時計回りに回転させようと
する衝撃加速度によりラッチ部材20も時計回りに回転
しようとし、これにより突き当て部22がラッチストッ
パ23に強く押し付けられ、ラッチストッパ23が弾性
変形し、その復元力でラッチ部材20も反時計回りに回
転を始める。この際、突き当て部22とラッチストッパ
23との接触は線接触または点接触であり、両者の接触
面積は小さい。そのため、突き当て部22がラッチスト
ッパ23に押し付けられたときの突き当て部22の反発
係数がより大きくなり、ラッチ部材20の反時計回りへ
の回転速度が大きくなる。
【0068】また、ラッチ部材20の回転中心からラッ
チ爪21までの距離は、ラッチ部材20の回転中心から
突き当て部22までの距離よりも大きいので、ラッチ爪
21は、突き当て部22よりも大きな回転速度で移動す
る。
【0069】従って、スリット25の逃がし部25aが
ラッチ爪21を通過する前に、ラッチ部材20を反時計
回りに回転させ、図6に示した状態とすることができ
る。以降は、キャリッジ機構5を反時計回りに回転させ
ようとする衝撃加速度が加わった場合と同様に、キャリ
ッジ機構5及びラッチ部材20が動作し、その結果、キ
ャリッジ機構5を確実にラッチすることができる。
【0070】ここで、キャリッジ機構5の慣性モーメン
トと外周ストッパ16の剛性との関係から、キャリッジ
機構5が反発しやすい周波数帯域が存在する。その周波
数帯域に近い成分を持った衝撃を受けると、弱い加速度
であっても、キャリッジ機構5が反動で回転し始める場
合がある。このようなキャリッジ機構5の回転を防止す
るためには、ラッチ部材20の慣性モーメントとラッチ
ストッパ23の剛性との比が、キャリッジ機構5の慣性
モーメントと外周ストッパ16の剛性との比とほぼ同じ
になるように、ラッチストッパ23の剛性を規定するこ
とが望ましい。その他の構造部分の変更によっても、ラ
ッチ部材20の慣性モーメントとラッチストッパ23の
剛性との比を、キャリッジ機構5の慣性モーメントと外
周ストッパ16の剛性との比とほぼ同じにすることは可
能であるが、ラッチストッパ23は最も単純な形状であ
るので、ラッチストッパ23の剛性を規定するのが最も
簡単である。このようにラッチストッパ23の剛性を規
定することで、どのような周波数帯の衝撃に対しても、
キャリッジ機構5がリバウンドする回転速度よりもラッ
チ部材20の回転速度を大きくすることができる。
【0071】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ラッチ部材20にラッチ爪21を設けるとともに、
キャリッジ機構5を構成する部材であるコイルホルダ1
2にスリット25を形成するという簡単な構成で、磁気
ディスク装置に衝撃が加わった際に、キャリッジ機構5
をラッチし磁気ヘッド9のランプ4からの脱落を防止す
ることができる。ラッチ部材20はラッチ爪21を設け
ただけであるので、ラッチ部材20自体の構造も簡単で
あり、しかも一つのラッチ部材20で双方向の回転力に
対してキャリッジ機構5をラッチすることができるの
で、ラッチ部材20を付加することによる装置全体の大
型化は殆どない。一方、スリット25は、キャリッジ機
構5の一部を構成する樹脂製のコイルホルダ12に形成
されているので、コイルホルダ12の成形と同時に容易
に形成することができる。
【0072】また特に、キャリッジ機構5を時計回りに
回転させようとする衝撃加速度が加わった場合、突き当
て部22に作用する反発力によってラッチ部材20を反
時計回りに回転させ、キャリッジ機構5をラッチしてい
るが、ラッチ部材20を反時計回へ回転させる際、上述
のように、突き当て部22の押圧により弾性変形するラ
ッチストッパ23を設けることで、ラッチストッパ23
の復元力を利用することができる。その結果、ラッチ部
材20の反時計回りへの回転速度を大きくすることがで
き、より確実にキャリッジ機構5をラッチすることがで
きる。
【0073】このようなラッチ部材20の突き当て構造
について、本実施形態では、ベース1の一部分として形
成された薄板状のラッチストッパ23を例に挙げて説明
したが、その他の例を図9および図10を参照して説明
する。
【0074】図9に示す例では、ベース61の内壁のラ
ッチ部材20が接触する部位に、ゴム等の弾力性を有す
る素材で形成されたラッチ受け部材62を貼り付けてい
る。ラッチ部材20は、図1等に示したものと同様であ
り、その突き当て部22をラッチ受け部材62に食い込
ませてラッチ受け部材62に線接触の状態で押圧され
る。また、図10に示す例では、ラッチ部材72のベー
ス71と接触する部位にゴム等の弾力性を有する素材で
形成された突き当て部材73を貼り付ける一方、ベース
71の内壁にはこの突き当て部材73が当接する突起7
1aを一体に設けている。このように、ラッチ部材側あ
るいはベース側のいずれか一方を弾性部材で構成し、ラ
ッチ部材に加わる反発力を大きくすることもできる。
【0075】(第2の実施形態)図11は、本発明の第
2の実施形態による、磁気ディスク装置のキャリッジ機
構及びラッチ機構の平面図である。図11には、ラッチ
部材50が初期位置にあり、かつ、キャリッジ機構35
が退避位置にある状態が示されている。
【0076】本実施形態では、ラッチ部材50に、第1
の実施形態のような突き当て部はなく、ラッチ部材50
はベース(不図示)とは接触していない。従って、ラッ
チ部材50は、初期位置では時計回り及び反時計回りの
両方向に回転することができる。ただし、ラッチ部材5
0は、凸部50cに設けられた磁性体(不図示)とVM
Cとの間に働く磁力によって、初期位置に復帰するよう
な力を受けており、通常は初期位置に保持される。
【0077】キャリッジ機構35のコイルホルダ42に
は、キャリッジ機構35のラッチのためにラッチ部材5
0のラッチ爪51が侵入しているスリット55が形成さ
れている。スリット55は、第1の実施形態と同様の逃
がし部55aと、この逃がし部55aの両側から分岐し
た2つのラッチ爪保持部55e,55e’とを有する。
ラッチ爪保持部55e,55e’は、逃がし部55aに
対して対称に配置され、ラッチ爪51に対して第1の実
施形態と同様に作用する。各ラッチ爪保持部55e,5
5e’の先端には窪み55c,55c’が形成されてい
る。
【0078】なお、その他の構成、例えば、ラッチ部材
50の重心位置がラッチ部材50の回転中心と一致して
いること、キャリッジ機構35の重心位置がキャリッジ
機構35の回転中心と一致していること、及びキャリッ
ジ機構35は退避位置では外周ストッパ受け面42bが
外周ストッパ(不図示)と接触した状態であることなど
は、第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明
は省略する。
【0079】上記の構成によれば、外部から衝撃が加わ
らない初期位置では、ラッチ爪51はスリット55の逃
がし部55aに位置している。そのため、キャリッジ機
構35は自由に反時計回りに回転することができ、磁気
ディスク装置としての通常の動作を行うことができる状
態となっている。
【0080】この磁気ディスク装置に、キャリッジ機構
35を反時計回りに回転させようとする衝撃加速度が加
わると、キャリッジ機構35が反時計回りに回転を始め
ると同時に、ラッチ部材50も反時計回りに回転を始め
る。これにより、ラッチ爪51は、2つのラッチ爪保持
部55e,55e’のうちキャリッジ機構35の回転中
心から遠い方のラッチ爪保持部55eに入る。それ以降
は、第1の実施形態で説明したのと同様の一連の動作で
キャリッジ機構35はラッチ部材50によりラッチさ
れ、最終的には、ラッチ部材50は初期位置へ、キャリ
ッジ機構35は退避位置へ、それぞれ復帰する。
【0081】一方、キャリッジ機構35を時計回りに回
転させようとする衝撃加速度が加わった場合は、外周ス
トッパ受け面42bが外周ストッパに押し付けられ、そ
の反動でキャリッジ機構35は反時計回りに回転を始め
る。それと同時に、ラッチ部材50は時計回りに回転を
始め、これにより、ラッチ爪51は、2つのラッチ爪保
持部55e,55e’のうちキャリッジ機構35の回転
中心に近い方のラッチ爪保持部55e’に入る。このラ
ッチ爪保持部55e’は、もう一方のラッチ爪保持部5
5eと対称な形状を有しているため、ラッチ爪51がラ
ッチ爪保持部55eに入ったときと同様の一連の動作で
キャリッジ機構35はラッチ部材50によりラッチさ
れ、最終的には、ラッチ部材50は初期位置へ、キャリ
ッジ機構35は退避位置へ、それぞれ復帰する。
【0082】以上説明したように、キャリッジ機構35
を回転させるどのような衝撃加速度が加わってもキャリ
ッジ機構35をラッチすることができ、衝撃加速度がな
くなればキャリッジ機構35もラッチ部材50も初期状
態へ復帰するため、キャリッジ機構35が自由に回転で
きる状態とすることができる。
【0083】なお、磁気ディスク装置に並進方向の衝撃
が加わった場合は、キャリッジ機構35及びラッチ部材
50は共に、重心位置がそれらの回転中心と一致してい
るので、第1の実施形態と同様に、ラッチ部材50は初
期位置に保持され、キャリッジ機構35は退避位置に保
持されたままである。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ラ
ッチ部材にラッチ爪を設けるとともに、このラッチ爪が
係合するスリットをキャリッジ手段に設けるという簡単
かつ小型の構成で、キャリッジ手段がどちらの方向に回
転しようとした場合でも、キャリッジ手段のラッチを行
うことができる。
【0085】また、キャリッジ手段及びラッチ部材の重
心位置をそれぞれの回転中心と一致させることで、並進
方向の衝撃が加わった場合のキャリッジ手段及びラッチ
部材の不安定動作要因を除去し、より安定したラッチ動
作を実現することができる。
【0086】さらに、スリットの保持部を、キャリッジ
手段及びラッチ部材の回転により侵入したラッチ爪が接
触する第1の接触面を有する構成とし、この接触面を、
キャリッジ手段の回転により、ラッチ爪が逃がし部から
遠ざかって移動する向きにラッチ部材を回転させる角度
で形成することで、より確実にキャリッジ手段のラッチ
を行うことができる。
【0087】また、キャリッジ手段及びラッチ部材が、
それぞれの揺動範囲の一端で突き当て保持される構成と
した場合には、ラッチ部材の突き当て部が線接触または
点接触でストッパに突き当てられる構成としたり、ラッ
チ部材ストッパをラッチ部材の突き当てにより弾性変形
可能に構成したり、ラッチ部材の揺動中心から突き当て
部までの距離をラッチ部材の揺動中心からラッチ爪まで
の距離よりも短くすることで、ラッチ爪を迅速に移動さ
せることができる。更に、キャリッジ手段の揺動範囲の
他端でキャリッジ側突き当て部と当接するキャリッジ第
2ストッパを有する場合、このストッパを、ラッチ部材
を軸支するシャフト部材と兼用することで、部品点数の
増加を最小限に抑えることができるとともに、部品の取
り付け位置精度を緩和し組み立ても容易に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による磁気ディスク装
置の内部構造を示す平面図である。
【図2】図1に示した磁気ディスク装置のキャリッジ機
構およびラッチ機構を拡大して示す図であり、同図
(a)はその平面図、同図(b)はその側面図である。
【図3】図1に示した磁気ディスク装置の、ラッチスト
ッパが設けられた部分でのベースの断面を示す図であ
る。
【図4】図2に示すキャリッジ機構及びラッチ機構のス
リットの部分を更に拡大して示す平面図である。
【図5】図2に示すラッチ機構の動作を説明する図であ
り、ラッチ部材が初期位置にあり、かつキャリッジ機構
が退避位置にある状態を示している。
【図6】図2に示すラッチ機構の動作を説明する図であ
り、ラッチ部材及びキャリッジ機構が、図5に示す状態
から反時計回りに回転した状態を示している。
【図7】図2に示すラッチ機構の動作を説明する図であ
り、ラッチ部材及びキャリッジ機構が、図6に示す状態
から更に回転し、ラッチ爪が窪みに入った状態を示して
いる。
【図8】図2に示すラッチ機構の動作を説明する図であ
り、ラッチ部材及びキャリッジ機構が、図7に示す状態
の後、時計回りに回転した状態を示している。
【図9】ラッチ部材の突き当て構造の他の例を示す要部
断面図である。
【図10】ラッチ部材の突き当て構造の更に他の例を示
す要部平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による、磁気ディス
ク装置のキャリッジ機構及びラッチ機構の平面図であ
る。
【図12】従来の磁気ディスク装置の、イナシャラッチ
方式によるキャリッジのラッチ機構の一例を説明するた
めの図である。
【図13】従来の磁気ディスク装置の、イナシャラッチ
方式によるキャリッジのラッチ機構の他の例を説明する
ための図である。
【図14】従来の磁気ディスク装置の、イナシャラッチ
方式によるキャリッジのラッチ機構の更に他の例を説明
するための図である。
【符号の説明】
1,61,71 ベース 2 記録媒体 3 スピンドルモータ 4 ランプ 5,35 キャリッジ機構 6 ピボットベアリング 7 キャリッジアーム 8 サスペンション 9 磁気ヘッド 10 VCM 11 コイル 12,42 コイルホルダ 13 マグネット 14 ボトムヨーク 15 シャフト 16 外周ストッパ 20,50,72 ラッチ部材 20a アーム 20b カウンターウエイト部 20c,50c 凸部 21,51 ラッチ爪 22 突き当て部 23 ラッチストッパ 25,55 スリット 25a,55a 逃がし部 25e,55e,55e’ ラッチ爪保持部 25c,55c,55c’ 窪み 62 ラッチ受け部材 71a 突起 73 突き当て部材
フロントページの続き Fターム(参考) 5D059 LA06 5D068 AA01 BB01 CC12 EE03 EE18 GG03 5D076 AA01 BB01 EE01 EE15 FF03 GG04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドを支持し退避位置を含む範囲
    内で揺動自在に軸支されたキャリッジ手段を、外力が加
    わった際に前記退避位置から脱落しないように保持する
    キャリッジラッチ機構において、 前記キャリッジ手段と同一の平面内で揺動自在に軸支さ
    れ、前記平面に対して突出するラッチ爪が設けられた単
    一のラッチ部材を有し、 前記キャリッジ手段には、前記キャリッジ手段が前記退
    避位置にあるとき前記ラッチ爪が侵入しているスリット
    が形成され、 前記スリットは、前記ラッチ部材が初期位置にあるとき
    前記ラッチ爪と干渉せず前記範囲内での前記キャリッジ
    手段の自由な揺動を可能とする逃がし部と、前記逃がし
    部から屈曲して延び前記外力により前記キャリッジ手段
    及び前記ラッチ部材が回転することで前記ラッチ爪が侵
    入する保持部とを含むことを特徴とするキャリッジラッ
    チ機構。
  2. 【請求項2】 前記キャリッジ手段及び前記ラッチ部材
    はそれぞれ重心位置と揺動中心とが一致している、請求
    項1に記載のキャリッジラッチ機構。
  3. 【請求項3】 前記保持部は、前記キャリッジ手段及び
    前記ラッチ部材の回転により侵入した前記ラッチ爪が接
    触する第1の接触面を有し、該第1の接触面は、前記キ
    ャリッジ手段の回転により、前記ラッチ爪が前記逃がし
    部から遠ざかって移動する向きに前記ラッチ部材を回転
    させる角度で形成されている、請求項1または2に記載
    のキャリッジラッチ機構。
  4. 【請求項4】 前記保持部の前記逃がし部から最も遠い
    端部には、前記第1の接触面と連続し、かつ前記ラッチ
    爪が侵入可能な凹部が形成されている、請求項3に記載
    のキャリッジラッチ機構。
  5. 【請求項5】 前記保持部の前記第1の接触面と対向す
    る面である第2の接触面が、前記ラッチ爪が前記第1の
    接触面と接触したときの方向と反対方向に前記キャリッ
    ジ手段が回転することによって前記ラッチ爪と接触し、
    かつ、前記ラッチ部材を前記初期位置に復帰させる向き
    に回転させるように前記ラッチ爪を押す角度で形成され
    ている、請求項3または4に記載のキャリッジラッチ機
    構。
  6. 【請求項6】 前記キャリッジ手段は、その揺動範囲の
    一端を前記退避位置として保持するためにキャリッジ第
    1ストッパに突き当てられるキャリッジ側突き当て部を
    有し、 前記ラッチ部材は、その揺動範囲のうち前記キャリッジ
    手段が前記キャリッジ第1ストッパに突き当てられると
    きの前記キャリッジ手段の回転方向と同じ回転方向側の
    一端を前記初期位置として保持するためにラッチ部材ス
    トッパに突き当てられるラッチ側突き当て部を有する、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載のキャリッジラ
    ッチ機構。
  7. 【請求項7】 前記ラッチ側突き当て部は、線接触また
    は点接触で前記ラッチ部材ストッパに突き当てられる、
    請求項6に記載のキャリッジラッチ機構。
  8. 【請求項8】 前記ラッチ部材ストッパは、前記ラッチ
    側突き当て部が突き当てられることで弾性変形可能に構
    成されている、請求項6または7に記載のキャリッジラ
    ッチ機構。
  9. 【請求項9】 前記ラッチ部材ストッパは弾性部材から
    なる、請求項8に記載のキャリッジラッチ機構。
  10. 【請求項10】 前記ラッチ部材の揺動中心から前記ラ
    ッチ側突き当て部までの距離は、前記ラッチ部材の揺動
    中心から前記ラッチ爪までの距離よりも短い、請求項6
    ないし9のいずれか1項に記載のキャリッジラッチ機
    構。
  11. 【請求項11】 前記キャリッジ手段は、その揺動範囲
    の一端を前記退避位置として保持するためにキャリッジ
    第1ストッパに付き当てられるキャリッジ側突き当て部
    を有し、 前記ラッチ部材は、前記初期位置では両方向に回転自在
    となっており、かつ、前記保持部が、前記逃がし部の両
    側に前記逃がし部に対称に設けられている、請求項1な
    いし5のいずれか1項に記載のキャリッジラッチ機構。
  12. 【請求項12】 前記キャリッジ手段の揺動範囲の他端
    で前記キャリッジ側突き当て部と当接するキャリッジ第
    2ストッパを有し、前記ラッチ部材を揺動自在に軸支す
    るシャフト部材が前記キャリッジ第2ストッパを兼ね
    る、請求項6ないし11のいずれか1項に記載のキャリ
    ッジラッチ機構。
  13. 【請求項13】 前記シャフト部材は、前記キャリッジ
    手段及び前記ラッチ部材が搭載される装置のベース部を
    基準として位置決めされている、請求項12に記載のキ
    ャリッジラッチ機構。
  14. 【請求項14】 回転駆動可能に設けられた円盤状の記
    録媒体と、 磁気ヘッドを支持し、前記記録媒体の回転面と同一面内
    で、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から退避している退
    避位置と前記磁気ヘッドが前記記録媒体上にある位置と
    を含む範囲内で揺動自在に軸支されたキャリッジ手段
    と、 前記キャリッジ手段を駆動して前記記録媒体上の所定の
    位置に位置決めする駆動手段と、 請求項1ないし13のいずれか1項に記載のキャリッジ
    ラッチ機構とを有する磁気ディスク装置。
  15. 【請求項15】 前記駆動手段はボイスコイルモータで
    あり、該ボイスコイルモータを構成するコイルが前記キ
    ャリッジ手段に樹脂により一体成形され、前記樹脂の部
    分に前記スリットが形成されている、請求項14に記載
    の磁気ディスク装置。
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JP2007179709A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fujitsu Ltd 記録媒体駆動装置および記録媒体駆動装置向けラッチ部材
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US8035925B2 (en) 2007-01-30 2011-10-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Actuator latch system of hard disk drive including latch lever that absorbs shock

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