JP2002062425A - 光学フイルム、偏光選択素子、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学フイルム、偏光選択素子、偏光板および液晶表示装置

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JP2002062425A
JP2002062425A JP2000245794A JP2000245794A JP2002062425A JP 2002062425 A JP2002062425 A JP 2002062425A JP 2000245794 A JP2000245794 A JP 2000245794A JP 2000245794 A JP2000245794 A JP 2000245794A JP 2002062425 A JP2002062425 A JP 2002062425A
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light
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optically
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JP2000245794A
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Ken Kawada
憲 河田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大面積にわたって均一な散乱特性を示し、散
乱特性の制御が容易な光学フイルムを得る。 【解決手段】 光学的異方性相と光学的等方性相とから
なる層が透明支持体上に設けられている光学フイルムで
において、遅相軸および進相軸の一方の軸における光学
的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質
的に同じになるように屈折率を調節し、光学的異方性相
を比較的剛直な直線状分子構造を有する報告族化合物か
ら連続相として形成し、そして、光学的等方性相を層内
で不連続相を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的異方性相と
光学的等方性相とを有する層が透明支持体上に設けられ
ている光学フイルム、それを用いた偏光選択素子、偏光
板および液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光のような自然光やランプのような
通常の人為的光源からの光は無偏光(ランダム偏光)で
あるが、偏光素子を用いることで偏光(直線偏光、円偏
光、楕円偏光)成分を取り出すことができる。取り出し
た偏光は、様々な光学機器に利用できる。現在広く普及
している液晶表示装置は、偏光の性質を利用して画像を
表示する装置であるとも言える。広義の偏光板には、直
線偏光板、円偏光板および楕円偏光板が含まれる。ただ
し、通常の(狭義の)偏光板は、直線偏光板を意味す
る。本明細書においても、特に規定しない「偏光板」
は、直線偏光板を意味する。直線偏光板は、最も基本的
な偏光板である。円偏光板は、一般に、直線偏光板とλ
/4板との積層体である。楕円偏光板は、一般に、直線
偏光板とλ/4板以外の位相差板との積層体である。従
って、様々な(広義の)偏光板において、直線偏光板の
光学的な機能が重要である。
【0003】直線偏光板としては、一般にポリビニルア
ルコール系フイルムのような光吸収型偏光素子からなる
偏光板が用いられている。ポリビニルアルコール系偏光
板は、ポリビニルアルコール系フイルムを延伸しヨウ素
または二色性染料を吸着するのとにより製造する。偏光
板の透過軸(偏光軸)は、フイルムの延伸方向に垂直な
方向に相当する。光吸収型偏光素子は、透過軸に平行な
偏光成分のみを透過して、それと直交方向の偏光成分を
吸収する。従って、光の利用効率は、理論的に50%以
下(実際にはさらに低い値)である。
【0004】偏光板の光の利用効率を向上させるため、
光吸収型偏光素子に代えて、または光吸収型偏光素子に
加えて、光散乱型偏光素子を使用することが提案されて
いる。光散乱型偏光素子も、光吸収型偏光素子と同様
に、透過軸と平行な偏光成分のみを透過する。ただし、
光散乱型偏光素子では、透過軸と直交方向の偏光成分を
吸収せずに前方もしくは後方に散乱し、偏光素子の光の
利用効率を向上させる。光散乱型偏光素子による光の利
用効率改善の機構は、以下のように複数ある。
【0005】(A)前方散乱光の偏光解消による光の利
用効率改善 光散乱型偏光素子では、透過軸と直交方向の偏光成分は
前方もしくは後方に散乱される。このうち前方散乱され
た光は偏光解消され、前方散乱光の偏光方向が入射光の
偏光方向から回転することにより、光散乱型偏光素子の
透過軸方向の偏光成分が入射光よりも増加する。光散乱
型偏光素子において、厚み方向に多数の粒子が存在する
場合には、多重散乱により偏光解消の程度が強くなる。
このように、光散乱型偏光素子を使用する場合には、前
方散乱光の偏光解消により光吸収型偏光素子のみを使用
する場合よりも光の利用効率が向上する。
【0006】(B)後方散乱光の再利用(偏光解消)に
よる光の利用効率改善 光散乱型偏光素子の透過軸と直交方向の偏光成分のうち
後方散乱された光は、後方散乱される際に偏光解消され
る。偏光素子を基準として光源より離れた位置に金属反
射板を配置することにより、後方散乱された光は、光源
であるバックライトの背面に配置された金属反射板によ
り反射され、再度光散乱型偏光素子へ入射する。ここ
で、再入射する光は後方散乱する際に偏光解消を受け、
散乱型偏光素子の透過軸と平行方向の偏光成分が生じて
おり、この偏光成分は散乱型偏光素子を透過する。この
ように、光散乱型偏光素子による後方散乱と金属反射板
での反射を繰り返すことにより光の利用効率を向上させ
ることができる。
【0007】(C)後方散乱光の再利用(偏光方向の回
転)による光の利用効率改善 光源に近い側からλ/4板、金属反射板の順で配置した
光学系に、光源からλ/4板の遅相軸と45°をなすよ
うに直線偏光を入射させると、偏光方向が入射光と90
°回転した反射光が戻ってくる。光散乱型偏光素子を基
準として光源より離れた位置に金属反射板を配置し、偏
光素子と金属反射板との間の任意の位置に、偏光素子の
透過軸とλ/4板の遅相軸が45°をなすようにλ/4
板を配置する。光散乱型偏光素子において後方散乱され
た光の偏光方向の分布は、光散乱型偏光素子の透過軸と
直交方向が大きい。この後方散乱された光がλ/4板を
透過して金属反射板により反射され、再度光散乱型偏光
素子に入射する。この再度入射する光の偏光方向の分布
は、光散乱型偏光素子の透過軸に平行方向に大きくなっ
ており、透過軸に平行な偏光成分は光散乱型偏光素子を
透過する。このように、光散乱型偏光素子と金属反射板
との間にλ/4板を配置することにより、光の利用効率
は改善する。
【0008】光散乱型偏光素子については、特開平8−
76114号、特開平9−274108号、特開平9−
297204号、特表平11−502036号、特表平
11−509014号の各公報および米国特許5783
120号、米国特許5825543号、米国特許586
7316号明細書に記載がある。従来の光散乱型偏光素
子では、光学的等方性のポリマーマトリックスで連続相
を構成し、光学的異方性の微粒子を不連続相としてポリ
マーマトリックス中に分散していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の光散乱型偏光素
子のうち、特開平8−76114号、特開平9−274
108号、特開平9−297204号、特表平11−5
09014号の各公報および米国特許5783120
号、同5825543号、同5867316号の各明細
書に開示されている光散乱型偏光素子は、光吸収型偏光
素子と同様にポリマーフイルムの延伸により製造してい
る。ポリマーフイルムの延伸による製造方法では、フイ
ルム面内の延伸むらが生じやすく、大面積にわたって均
一な散乱特性を得ることは困難である。また、延伸では
ポリマーマトリックスと分散粒子の屈折率を個別に制御
することが困難である。特表平11−502036号公
報記載の光散乱型偏光素子は、ポリマーフイルム中に液
晶を分散し、電場または磁場を印加する方法で光学的異
方性物質(液晶)を配向させている。しかし、電場また
は磁場を大面積に均一に印加することは困難であり、大
面積にわたって均一な散乱特性を得ることは困難であ
る。
【0010】光散乱型偏光素子の面内の散乱特性の不均
一性は、光散乱型偏光素子を用いた液晶表示装置の面内
の輝度のむらにつながる。本発明の目的は、大面積にわ
たって均一な散乱特性を示し、散乱特性の制御が容易な
光学フイルムを提供することである。別の本発明の目的
は、直線偏光の選択性が優れた光散乱型偏光素子を提供
することである。さらに別の本発明の目的は、光の利用
効率が優れた偏光板を提供することである。さらにまた
別の本発明の目的は、液晶表示装置の面内輝度の均一性
を改善することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
光学フイルム、偏光選択素子、偏光板および液晶表示装
置により達成された。 (1)光学的異方性相と光学的等方性相とからなる層が
透明支持体上に設けられている光学フイルムであって、
面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光学的異
方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に
同じであり、光学的異方性相が下記式(I)または(I
I)で表される化合物から形成された連続相であり、そ
して、光学的等方性相が層内で不連続相を形成している
ことを特徴とする光学フイルム:
【0012】
【化5】
【0013】[式中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ
独立に、芳香族基または芳香族性複素環基であり;そし
て、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子また
は炭素原子数が1乃至6のアルキル基である]。 (2)光学的異方性連続相が、さらに環状シロキサンを
含む(1)に記載の光学フイルム。 (3)光学的異方性連続相において、式(I)または
(II)で表される化合物が実質的に水平に配向している
(1)に記載の光学フイルム。 (4)光学的異方性連続相が、さらに空気界面近傍にお
ける式(I)または(II)で表される化合物の水平配向
を促進する機能を有する水平配向促進剤を含む(3)に
記載の光学フイルム。 (5)光学的等方性不連続相が、0.1乃至10.0μ
mの平均粒径を有する(1)に記載の光学フイルム (6)光学的等方性不連続相が、実質的に球形である
(1)に記載の光学フイルム。
【0014】(7)光学的異方性相と光学的等方性相と
からなる偏光選択性層が透明支持体上に設けられている
偏光選択素子であって、面内の遅相軸および進相軸の一
方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性
相の屈折率差とが実質的に同じであり、他方の軸におけ
る光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率と
が実質的に異なり、光学的異方性相が前記式(I)また
は(II)で表される化合物から形成された連続相であ
り、そして、光学的等方性相が層内で不連続相を形成し
ていることを特徴とする偏光選択素子。 (8)偏光選択層の上に反射防止層を有する(7)に記
載の偏光選択素子。
【0015】(9)光学的異方性相と光学的等方性相と
からなる偏光選択性層が透明支持体上に設けられている
光散乱型偏光選択素子と、光吸収型偏光選択素子とが積
層されている偏光板であって、面内の遅相軸および進相
軸の一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的
等方性相の屈折率とが実質的に同じであり、他方の軸に
おける光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折
率とが実質的に異なり、光学的異方性相が前記式(I)
または(II)で表される化合物から形成された連続相で
あり、光学的等方性相が層内で不連続相を形成してお
り、そして、光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相
の屈折率とが実質的に同じである光学的異方性相の軸と
光吸収型偏光選択素子の透過軸とが実質的に平行である
ことを特徴とする偏光板。
【0016】(10)バックライト、偏光板、液晶セ
ル、そして偏光板がこの順に積層されている液晶表示装
置であって、バックライトと液晶セルとの間の偏光板
が、光学的異方性相と光学的等方性相とからなる偏光選
択性層が透明支持体上に設けられている光散乱型偏光選
択素子と、光吸収型偏光選択素子とが積層されている偏
光板であり、面内の遅相軸および進相軸の一方の軸にお
ける光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率
とが実質的に同じであり、他方の軸における光学的異方
性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に異
なり、光学的異方性相が前記式(I)または(II)で表
される化合物から形成された連続相であり、光学的等方
性相が層内で不連続相を形成しており、光学的異方性相
の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じで
ある光学的異方性相の軸と光吸収型偏光選択素子の透過
軸とが実質的に平行であり、そして、光散乱型偏光素子
が光吸収型偏光素子よりもバックライト側になるように
配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0017】本明細書において、「光学的異方性」とは
複屈折率が0.05乃至1.00(0.05以上、1.
00以下)であることを意味し、「光学的等方性」とは
複屈折率が0.05未満であることを意味する。また、
「屈折率が実質的に異なる」とは屈折率の差が0.05
以上であることを意味し、「屈折率が実質的に同じ」と
は、屈折率の差が0.05未満であることを意味する。
さらに、「面内の遅相軸」は面内で(すなわちフイルム
法線方向から観察したとき)屈折率が最大となる方向を
意味し、「面内の進相軸」は面内で屈折率が最小となる
方向を意味する。また、本明細書において「実質的に平
行」とは、厳密に平行となる方向から±15゜までの方
向を意味する。さらに、本明細書において「実質的に水
平に配向」とは、前記式(I)または(II)で表される
化合物の長軸方向(ディレクタ)と透明支持体面との角
度が5度未満であることを意味する。
【0018】
【発明の効果】本願発明者は研究の結果、従来の技術
(光学的等方性連続相と光学的異方性不連続相との組み
合わせ)とは、全く逆の構成(光学的異方性連続相と光
学的等方性不連続相との組み合わせ)で光学フイルムを
製造することに成功した。光学的異方性連続相は、前記
式(I)または(II)で表される化合物を配向させるこ
とによって容易に実現することができる。前記式(I)
または(II)で表される化合物は、配向膜や他の配向手
段(例えば、電場または磁場の印加)を実施しなくて
も、容易に大面積で均一に配向させることができる。従
って、前記式(I)または(II)で表される化合物を用
いることで、連続相において、均一な光学異方性を容易
に実現できる。
【0019】一方、光学的等方性相を不連続相とするこ
とで、不連続相の形状や大きさを(光学的異方性相を不
連続相とする場合よりも)容易に制御することができ
る。光学的異方性相からなる不連続相の形状や大きさを
制御しようとすると、光学的異方性が変化する可能性が
ある。光学的等方性相からなる不連続相の場合は、形状
や大きさを制御しても光学的等方性には影響しない。不
連続相の形状や大きさを制御することで、光学フイルム
の散乱特性を調整することができる。以上の光学フイル
ムは、フイルムの透過軸に平行な偏光成分に対して良好
な透過性を示すと共に、透過軸に垂直な偏光成分に対し
て良好な散乱特性を大面積にわたり均一に示す。従っ
て、この光学フイルムは、直線偏光の選択性が優れた光
散乱型偏光選択素子として有用である。この光散乱型偏
光選択素子と光吸収型偏光素子とを組み合わせて用いる
ことで、光の利用効率に優れた偏光板が得られる。さら
に、この偏光板を用いることで、液晶表示装置の面内輝
度の均一性を改善することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、光学フイルムの基本的な
構成を示す断面模式図である。光学フイルムは、透明支
持体(11)上に、光学的異方性連続相(13)と光学
的等方性不連続相(14)からなる層(12)が設けら
れている。光学的異方性連続相(13)は、複屈折率が
0.05乃至1.00である。複屈折率は、遅相軸方向
の屈折率(n1:面内の最大の屈折率)と進相軸方向の
屈折率(n2:面内の最小の屈折率)との差(n1−n
2)である。光学的等方性不連続相(14)は、複屈折
率が0.05未満である。光学フイルムを偏光選択素子
として機能させる(光学的異方性連続相と光学的等方性
不連続相とからなる層を偏光選択性層として機能させ
る)ためには、n1およびn2の一方と、光学的等方性
不連続相の屈折率(n3)とを、実質的に同じ値(差が
0.05未満)に調整する。n1およびn2の他方とn
3とは、実質的に異なる値(差が0.05以上)である
ことが好ましい。屈折率が実質的に同じ値となる方向
(遅相軸または進相軸)が、偏光選択素子の透過軸に相
当する。
【0021】[透明支持体]透明支持体は、光透過率が
80%以上を有する材料から形成することが好ましい。
透明支持体としては、ポリマーフイルムを用いることが
できる。ポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリ
エチレン)、ノルボルネン樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、
ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポ
リスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル(例、
セルロースアセテート)が含まれる。二種類以上のポリ
マーの混合したフイルムを用いてもよい。市販のポリマ
ー(例、ゼオネックス、日本ゼオン(株)製;ARTO
N、日本合成ゴム(株)製;フジタック(富士写真フイ
ルム(株)製)を使用することもできる。透明支持体
は、正面から見たときに光学的等方性であることが好ま
しい。そのため、固有複屈折率が小さいポリマーを用い
ることが好ましいが、固有複屈折が大きなポリマーであ
っても、フイルムの製造条件を適宜設定することによっ
て透明支持体として使用するができる。
【0022】透明支持体は、光吸収型偏光選択素子の保
護フイルムとしての機能を有することが好ましい。保護
フイルムとしての機能を考慮すると、セルローストリア
セテートフイルムが特に好ましい。透明支持体の厚み
は、10乃至500μmが好ましく、40乃至200μ
mがさらに好ましい。透明支持体には、その上の層との
密着性を付与するため、下塗り層を設けてもよい。下塗
り層は、ポリマーの塗布により形成できる。透明支持体
がセルローストリアセテートフイルムの場合、ポリマー
としては、ゼラチン、ポリ(メタ)アクリレート、それ
らの誘導体、およびスチレン−ブタジエンコポリマーが
好ましい。透明支持体に、表面処理(例、化学処理、機
械処理、コロナ処理、グロー放電処理)を行ってもよ
い。
【0023】[光学的異方性連続相]光学的異方性連続
相は、層全体の20乃至95重量%であることが好まし
く、50乃至90重量%であることがさらに好ましい。
光学的異方性連続相は、下記式(I)または(II)で表
される化合物から形成する。
【0024】
【化6】
【0025】式(I)および(II)において、Ar1
よびAr2 は、それぞれ独立に、芳香族基または芳香族
性複素環基である。芳香族基に含まれる芳香族環の例に
は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェ
ナントレン環およびピレン環が含まれる。ベンゼン環お
よびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がさらに好ま
しい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環であり、
好ましくは最多二重結合を含む複素環である。芳香族性
複素環の例には、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン
環、ピリダジン環、トリアジン環、フラン環、チオフェ
ン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イ
ミダゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチアゾール環、
ベンゾオキサゾール環、キノリン環、キノキサリン環、
ベンゾイミダゾール環、ジベンゾフラン環、フェナジン
環およびアクリジン環が含まれる。
【0026】芳香族基または芳香族性複素環基は、置換
基を有していてもよい。芳香族基および芳香族性複素環
基の置換基の例には、ハロゲン原子、アミノ、スルホ、
カルボキシル、リン酸基、脂肪族基、芳香族基、芳香族
性複素環基、−O−R、−CO−R、−O−CO−R、
−CO−O−R、−SO−、−SO2 −、−NH−Rお
よび−NR−NH−Rが含まれる。Rは、脂肪族基、芳
香族基または芳香族性複素環基である。脂肪族基は、ア
ルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケ
ニル基、アルキニル基および置換アルキニル基を含む。
脂肪族基は、環状構造または分岐構造を有していてもよ
い。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20であることが
好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1
乃至12であることが最も好ましい。置換アルキル基、
置換アルケニル基および置換アルキニル基の置換基の例
には、ハロゲン原子、アミノ、スルホ、カルボキシル、
リン酸基、芳香族基、芳香族性複素環基、−O−R、−
CO−R、−O−CO−R、−CO−O−R、−SO
−、−SO2 −、−NH−Rおよび−NR−NH−Rが
含まれる。Rは、脂肪族基、芳香族基または芳香族性複
素環基である。芳香族基および芳香族性複素環基の定義
および例は、Ar1 およびAr2 と同様である。
【0027】スルホ、カルボキシルおよびリン酸基は、
解離していても、塩の状態であってもよい。塩を形成す
る対イオンとしては、アルカリ金属イオンが好ましい。
スルホを置換基として有することが好ましく、アルカリ
金属塩の状態であるスルホを置換基として有することが
さらに好ましく、アルカリ金属塩の状態であるスルホを
複数置換基として有することが最も好ましい。また、重
合性基(例、アルケニル基、置換アルケニル基、エポキ
シアルキル基)を置換基として有することが好ましく、
アルケニル基または置換アルケニル基を重合性置換基と
して有することがさらに好ましい。分子構造の両端に、
少なくとも二つの重合性基を有することも好ましい。
【0028】式(II)において、R1 およびR2 は、そ
れぞれ独立に、水素原子または炭素原子数が1乃至6の
アルキル基である。水素原子または炭素原子数が1乃至
3のアルキル基であることが好ましく、水素原子または
メチルであることがさらに好ましく、水素原子であるこ
とが最も好ましい。以下に、式(I)または(II)で表
される化合物の例を示す。
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】
【化11】
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】芳香族基または芳香族性複素環基を有する
剛直な分子(例えば、トラン構造やスチレン構造)の共
役系は、高い複屈折性(Δn)の発現が期待されること
が液晶化学の分野で良く知られている(例えば、IDW
99予稿集、411頁、FMCp−5(1999)記
載)。また、光散乱型偏光素子の用途において、高効率
な散乱特性を期待するには、光学的異方性相と等方性相
との屈折率差が大きいことが必要であると考えられる。
しかし、従来技術に開示された化合物は液晶転移温度が
高く、光散乱型偏光素子の用途にそのまま応用すること
は容易ではない。一方、ポリアゾ色素系にスルホ基が付
いた直接染料系色素の一群がある程度の高濃度の水溶液
系でリオトロピック液晶相を呈し、塗布などの剪断応力
がかかると、その方向に分子が容易に配向する性質が期
待できることが報告されている(例えば、特開平10−
333154号公報、およびColloid and Surfaces A、
1997年、129−130巻、95−115頁記
載)。本発明では、前記式(I)または(II)で表され
る無色の化合物群を、新たに光学的異方性連続相として
利用する。これらの化合物溶液に、光学的等方性微粒子
を添加して、塗布するとの簡便な操作で層を形成するこ
とができる。そして、化合物の配向状態を固定すること
で、高効率な散乱異方性膜(偏光選択性層)を形成する
ことができる。
【0044】式(I)または(II)で表される化合物の
配向状態を固定するために、光学的異方性連続相に、重
合性化合物を添加することができる。重合性化合物は、
加熱または光照射により重合するモノマーであることが
好ましい。モノマーの重合性基の例には、エチレン性不
飽和重合性基、イソシアナート基、エポキシ基、アジリ
ニジル基、オキサゾリル基、アルデヒド基、カルボニル
基、ヒドラジル基、カルボキシル基、メチロール基およ
び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無
水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル
化メチロール、エステル、ウレタンおよび金属アルコキ
シド(例、テトラメトキシシラン)も、モノマーとして
用いることができる。エチレン性不飽和重合性化合物が
特に好ましく、2以上のエチレン性不飽和重合性基を有
する化合物が特に好ましい。
【0045】光学的異方性連続相に、シロキサン化合物
を添加してもよい。シロキサン化合物としては、シリコ
ン原子にアルキル基が結合したシロキサン結合の繰り返
し単位を複数(2乃至20)含む有機シロキサン化合物
(シリコーン)が好ましい。環状シロキサン(例、オク
タメチルシクロシロキサン)が特に好ましい。
【0046】式(I)または(II)で表される化合物
は、塗布するだけで実質的に水平に配向させることがで
きる。ただし、空気界面近傍(透明支持体とは反対側)
では、水平配向にならない場合もある。その場合、式
(I)または(II)で表される化合物の水平配向を促進
する機能を有する水平配向促進剤を使用すれば良い。水
平配向促進剤として、下記式(III)で表される化合物を
用いることができる。
【0047】(III)(Hb−L1 −)n Bl 式(III)において、Hbは、炭素原子数が6乃至40の
脂肪族基または炭素原子数が6乃至40の脂肪族置換オ
リゴシロキサノキシ基である。Hbは、炭素原子数が6
乃至40の脂肪族基であることが好ましく、炭素原子数
が6乃至40のフッ素置換脂肪族基または炭素原子数が
6乃至40の分岐を有する脂肪族基であることがさらに
好ましく、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アルキ
ル基または炭素原子数が6乃至40の分岐を有するアル
キル基であることが最も好ましい。
【0048】脂肪族基は、環状脂肪族基よりも鎖状脂肪
族基の方が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有していて
もよい。脂肪族基の炭素原子数は、7乃至35であるこ
とが好ましく、8乃至30であることがより好ましく、
9乃至25であることがさらに好ましく、10乃至20
であることが最も好ましい。脂肪族基には、アルキル
基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基および置換アルキニル基が含まれる。
アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基および置換
アルケニル基が好ましく、アルキル基および置換アルキ
ル基がさらに好ましい。脂肪族基の置換基の例には、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルコキ
シ基、置換アルコキシ基(例えば、オリゴアルコキシ
基)、アルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ)、アシ
ル基(例、アクリロイル、メタクリロイル)、アシルオ
キシ基(例、アクリロイルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、スルファモイル、脂肪族置換スルファモイル基お
よびエポキシ基(例、エポキシエチル)が含まれる。置
換基としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子が
さらに好ましい。フッ素置換脂肪族基において、フッ素
原子が脂肪族基の水素原子を置換している割合は、50
乃至100%であることが好ましく、60乃至100%
であることがより好ましく、70乃至100%であるこ
とがさらに好ましく、80乃至100%であることがさ
らにまた好ましく、85乃至100%であることが最も
好ましい。
【0049】脂肪族置換シロキサノキシ基の炭素原子数
は、7乃至35であることが好ましく、8乃至30であ
ることがより好ましく、9乃至25であることがさらに
好ましく、10乃至20であることが最も好ましい。脂
肪族置換シロキサノキシ基は、下記式で表される。 R1 −(SiR2 2−O)q − 式中、R1 は、水素原子、ヒドロキシルまたは脂肪族基
であり;R2 は、水素原子、脂肪族基またはアルコキシ
基であり;そして、qは、1乃至12の整数である。上
記脂肪族基は、環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基の方が
好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。脂
肪族基の炭素原子数は、1乃至12であることが好まし
く、1乃至8であることがより好ましく、1乃至6であ
ることがさらに好ましく、1乃至4であることがさらに
また好ましい。脂肪族基には、アルキル基、置換アルキ
ル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基
および置換アルキニル基が含まれる。アルキル基、置換
アルキル基、アルケニル基および置換アルケニル基が好
ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ま
しい。脂肪族基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒド
ロキシル、シアノ、ニトロ、アルコキシ基、置換アルコ
キシ基(例えば、オリゴアルコキシ基)、アルケニルオ
キシ基(例、ビニルオキシ)、アシル基(例、アクリロ
イル、メタクリロイル)、アシルオキシ基(例、アクリ
ロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、スルファモイル、
脂肪族置換スルファモイル基およびエポキシ基(例、エ
ポキシエチル)が含まれる。上記アルコキシ基は、環状
構造あるいは分岐を有していてもよい。アルコキシ基の
炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、1乃
至8であることがより好ましく、1乃至6であることが
さらに好ましく、1乃至4であることがさらにまた好ま
しい。
【0050】式(III)において、L1 は、単結合または
二価の連結基である。二価の連結基は、−アルキレン基
−、−フッ素置換アルキレン基−、−O−、−S−、−
CO−、−NR−、−SO2 −およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれることが好ましい。Rは、水素
原子または炭素原子数が1乃至20のアルキル基であ
る。L1 は、−アルキレン基−、−O−、−S−、−C
O−、−NR−、−SO 2 −およびそれらの組み合わせ
からなる群より選ばれる二価の連結基であることがさら
に好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至
20のアルキル基であることが好ましく、水素原子また
は炭素原子数が1乃至15のアルキル基であることがさ
らに好ましく、水素原子または炭素原子数が1乃至12
のアルキル基であることが最も好ましい。上記アルキレ
ン基またはフッ素置換アルキレン基の炭素原子数は、1
乃至40であることが好ましく、1乃至30であること
がより好ましく、1乃至20であることがさらに好まし
く、1乃至15であることがさらにまた好ましく、1乃
至12であることが最も好ましい。
【0051】式(III)において、nは、2乃至12の整
数である。nは、2乃至9の整数であることが好まし
く、2乃至6の整数であることがより好ましく、2、3
または4であることがさらに好ましく、3または4であ
ることが最も好ましい。
【0052】式(III)において、Blは、少なくとも三
つの環状構造を含む排除体積効果を有するn価の基であ
る。Blは、下記式(IV)で表されるn価の基であるこ
とが好ましい。 (IV)(−Cy1 −L2 −)n Cy2 式(IV)において、Cy1 は、二価の環状基である。C
1 は、二価の芳香族基または二価の複素環基であるこ
とが好ましく、二価の芳香族基であることがさらに好ま
しい。二価の芳香族基は、アリーレン基および置換アリ
ーレン基を意味する。アリーレン基の例には、フェニレ
ン、インデニレン、ナフチレン、フルオレニレン、フェ
ナントレニレン、アントラセニレンおよびピレニレンが
含まれる。フェニレンおよびナフチレンが好ましい。置
換アリーレン基の置換基の例には、脂肪族基、芳香族
基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例、メト
キシ、エトキシ、メトキシエトキシ)、アリールオキシ
基(例、、フェノキシ)、アリールアゾ基(例、フェニ
ルアゾ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチ
オ、プロピルチオ)、アルキルアミノ基(例、メチルア
ミノ、プロピルアミノ)、アシル基(例、アセチル、プ
ロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル)、アシルオキ
シ基(例、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイル
オキシ)、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、カルボ
キシル、スルホ、カルバモイル、スルファモイルおよび
ウレイドが含まれる。二価の芳香族基に、別の芳香族環
が単結合、ビニレン結合またはエチニレン結合を介して
置換基として結合していると、前述したように特定の液
晶配向促進機能が得られる。また、Hb−L1 −に相当
する基を、置換基として有してもよい。
【0053】二価の複素環基は、5員、6員または7員
の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環
がさらに好ましく、6員環が最も好ましい。複素環を構
成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫
黄原子が好ましい。複素環は、芳香族性複素環であるこ
とが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環
である。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好
ましい。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピ
ロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール
環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾー
ル環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジ
ン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、
トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン
環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン
環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミ
ジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環
が含まれる。
【0054】複素環に、他の複素環、脂肪族環または芳
香族環が縮合していてもよい。縮合複素環の例には、ベ
ンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン
環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、
ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾ
ール環、ベンゾイミダゾール環、クロメン環、クロマン
環、イソクロマン環、キノリン環、イソキノリン環、シ
ンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリ
ン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、キサンテン
環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロ
リン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレ
ン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン
環、ナフチリジン環、プリン環およびプテリジン環が含
まれる。二価の複素環基は、置換基を有していてもよ
い。置換基の例は、置換アリーレン基の置換基の例と同
様である。二価の複素環基は、複素原子(例えば、ピペ
リジン環の窒素原子)で、L2 または(L2 が単結合の
場合)分子中心の環状基(Cy2 )と結合してもよい。
また、結合する複素原子がオニウム塩(例、オキソニウ
ム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩)を形成してい
もよい。Cy1 および後述するCy2 の環状構造が、全
体として平面構造を形成してもよい。環状構造が全体と
して平面構造(すなわち円盤状構造)を形成している
と、前述したように特定の液晶配向促進機能が得られ
る。
【0055】式(IV)において、L2 は、単結合または
−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−アルキニレ
ン基−、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO
2 −およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる
二価の連結基である。Rは、水素原子または炭素原子数
が1乃至30のアルキル基である。L2 は、−O−、−
S−、−CO−、−NR−、−SO2 −およびそれらの
組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である
ことが好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1
乃至20のアルキル基であることが好ましく、水素原子
または炭素原子数が1乃至15のアルキル基であること
がさらに好ましく、水素原子または炭素原子数が1乃至
12のアルキル基であることが最も好ましい。上記アル
キレン基の炭素原子数は、1乃至40であることが好ま
しく、1乃至30であることがより好ましく、1乃至2
0であることがさらに好ましく、1乃至15であること
がさらにまた好ましく、1乃至12であることが最も好
ましい。上記アルケニレン基またはアルキニレン基の炭
素原子数は、2乃至40であることが好ましく、2乃至
30であることがより好ましく、2乃至20であること
がさらに好ましく、2乃至15であることがさらにまた
好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。
【0056】式(IV)において、nは、2乃至12の整
数である。nは、2乃至9の整数であることが好まし
く、2乃至6の整数であることがより好ましく、2、3
または4であることがさらに好ましく、3または4であ
ることが最も好ましい。式(IV)において、Cy2 は、
n価の環状基である。Cy2 は、n価の芳香族基または
n価の複素環基であることが好ましい。芳香族基の芳香
族環の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環
およびピレン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレ
ン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。芳香族基
は置換基を有していてもよい。置換基の例には、脂肪族
基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基
(例、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ)、アリ
ールオキシ基(例、、フェノキシ)、アリールアゾ基
(例、フェニルアゾ)、アルキルチオ基(例、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ)、アルキルアミノ基
(例、メチルアミノ、プロピルアミノ)、アリールアミ
ノ基(例、フェニルアミノ)、アシル基(例、アセチ
ル、プロパノイル、オクタノイル、ベンゾイル)、アシ
ルオキシ基(例、アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベン
ゾイルオキシ)、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ、
カルボキシル、スルホ、カルバモイル、スルファモイル
およびウレイドが含まれる。
【0057】複素環基は、5員、6員または7員の複素
環を有することが好ましい。5員環または6員環がさら
に好ましく、6員環が最も好ましい。複素環を構成する
複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子
が好ましい。複素環は、芳香族性複素環であることが好
ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環であ
る。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好まし
い。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロー
ル環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イ
ソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、
イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、
ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリア
ゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チ
イン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モ
ルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン
環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含
まれる。トリアジン環が好ましく、1,3,5−トリア
ジン環が特に好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環
または芳香族環が縮合していてもよい。ただし、単環式
複素環が好ましい。
【0058】水平配向促進剤は、以上述べた疎水性基
(Hb)、連結基(L1 )および排除体積効果を有する
基(Bl)を組み合わせた化合物である。これらの組み
合わせについて、特に制限はない。
【0059】[光学的等方性不連続相]光学的等方性不
連続相は、平均粒径が0.1乃至10.0μmであるこ
とが好ましく、0.5乃至10.0μmであることがさ
らに好ましく、1.0乃至5.0μmであることが最も
好ましい。光学的等方性不連続相は、実質的に球形であ
ることが好ましい。実質的に球形であるとは、平均アス
ペクト比が2未満であることを意味する。光学的等方性
不連続相は、光学的等方性化合物の粒子(好ましくは球
形粒子)から形成できる。光学的等方性有機物および光
学的等方性無機物のいずれも用いることができる。光学
的等方性有機物は、ポリマー樹脂であることが好まし
い。ポリマー樹脂の例には、ポリメチルメタクリレート
樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、架橋アクリル
樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂およびベン
ゾグアナミン樹脂が含まれる。光学的等方性無機物は、
金属酸化物であることが好ましい。金属酸化物の例に
は、SiO2 、 TiO2 、Al2 3 、In2 3
ZnO、SnO2 、Sb2 3 およびITOが含まれ
る。光学的等方性化合物は、水および有機溶剤に不溶で
あることが好ましい。
【0060】[層の形成]光学的異方性連続相と光学的
等方性不連続相とからなる層は、光学的異方性化合物と
光学的等方性化合物とを混合、分散、そして塗布するこ
とにより形成できる。塗布は、ディップコート法、エア
ーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート
法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法あるいは
エクストルージョンコート法(米国特許2681294
号明細書)により実施できる。二以上の層を同時に塗布
してもよい。二以上の層を同時に塗布する方法について
は、米国特許2761791号、同2941898号、
同3508947号、同3526528号の各明細書お
よび原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書
店(1973)に記載がある。層の厚さは、1乃至10
0μmが好ましく、10乃至70μmがさらに好まし
い。
【0061】[偏光板]光散乱型偏光選択素子は、光吸
収型偏光選択素子と組み合わせた偏光板として用いるこ
とが好ましい。光散乱型偏光選択素子の透過軸(光学的
異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的
に同じである光学的異方性相の軸)と光吸収型偏光選択
素子の透過軸とは、実質的に平行になるように配置す
る。また、光入射面側が光散乱型偏光選択素子、光出射
面側が光吸収型偏光選択素子となるように配置する。光
散乱型偏光選択素子は、透明支持体が光吸収型偏光選択
素子の保護フイルムとして機能できるように、透明支持
体を光吸収型偏光選択素子側に配置することが好まし
い。得られる偏光板を液晶表示装置に用いると、光の利
用効率を改善することができる。
【0062】[液晶表示装置]図2は、基本的な液晶表
示装置を示す断面模式図である。図2に示す液晶表示装
置は、バックライト装置(21〜23)、光吸収型偏光
選択素子(24、26)および液晶セル(25)からな
る。図2に示すバックライト装置は、液晶セルの裏面端
部に配置されたエッジライト方式の光源(21)、光源
からの光を液晶表示装置裏面の方向へと反射する反射板
(22)および導光板(23)からなる。なお、バック
ライト装置には、導光板を用いない直下型バックライト
装置もある。図2に示す液晶表示装置では、光源(2
1)から出射された光は、下側の光吸収型偏光選択素子
(24)によって、少なくとも50%吸収されてしま
う。従って、光の利用効率は50%以下である。
【0063】図3は、光散乱型偏光選択素子を備えた液
晶表示装置を示す断面模式図である。図3に示す液晶表
示装置は、バックライト装置(21〜23)、光吸収型
偏光選択素子(24、26)、液晶セル(25)および
光散乱型偏光選択素子(31)からなる。バックライト
装置(21〜23)、光吸収型偏光選択素子(24、2
6)および液晶セル(25)は、図2で説明した液晶表
示装置と同様である。光散乱型偏光選択素子(31)の
透過軸は、下側の光吸収型偏光選択素子(24)の透過
軸と平行となるように配置されている。光散乱型偏光選
択素子(31)は、透過軸と同じ方向の偏光を選択的に
透過する。そして、透過軸と直交する偏光の一部は、光
散乱型偏光選択素子(31)の前方散乱による偏光解消
によって偏光面が下側光吸収型偏光素子の透過軸方向に
揃えられ、光の利用効率を向上させる。また、透過軸と
直交する偏光の残りの一部は、光散乱型偏光選択素子
(31)の後方散乱によって光源側へ戻り、反射板で反
射し、再び光散乱型偏光選択素子(31)に戻って再利
用されることにより利用効率を向上させる。
【0064】図4は、光散乱型偏光選択素子を備えた別
の液晶表示装置を示す断面模式図である。図4に示す液
晶表示装置は、バックライト装置(21〜23)、光吸
収型偏光選択素子(24、26)、液晶セル(25)、
光散乱型偏光選択素子(31)、光散乱シート(33)
および集光性フイルム(34)からなる。バックライト
装置(21〜23)、光吸収型偏光選択素子(24、2
6)および液晶セル(25)は、図2で説明した液晶表
示装置と同様である。光散乱型偏光選択素子(31)の
透過軸は、下側の光吸収型偏光選択素子(24)の透過
軸と平行となるように配置されている。光散乱型偏光選
択素子(31)と下側の光吸収型偏光選択素子(24)
とは、貼り合わされて偏光板(32)を構成している。
バックライト光源(21)から出射された光は、光散乱
シート(33)により面内で輝度が均一化され、光を正
面付近に集光する機能を有する集光性フイルム(34)
に入射する。集光性フイルム(34)は、極端に斜め方
向の(ユーザが見ることの無い)光を正面付近に集光さ
せて光の利用効率を向上させる。これにより、図3に示
した液晶表示装置よりも、光の利用効率をさらに向上さ
せることができる。また、図3に示した液晶表示装置で
は、光散乱型偏光選択素子(31)の透明支持体側の面
および下側の光吸収型偏光選択素子(24)の光入射側
の表面で反射を生ずる。そのために、光の利用効率が約
10%減少する。図4に示す装置のように、光散乱型偏
光選択素子(31)と下側の光吸収型偏光選択素子(2
4)とを一体化した偏光板として利用すると、反射が無
くなるため光の利用効率を約10%回復することができ
る。
【0065】図5は、光散乱型偏光選択素子を備えた別
の液晶表示装置を示す断面模式図である。図5に示す液
晶表示装置は、バックライト装置(21〜23)、光吸
収型偏光選択素子(24、26)、液晶セル(25)、
光散乱型偏光選択素子(31)、光散乱シート(3
3)、集光性フイルム(34)、反射防止層(35)お
よびλ/4板(36)からなる。バックライト装置(2
1〜23)、光吸収型偏光選択素子(24、26)およ
び液晶セル(25)は、図2で説明した液晶表示装置と
同様である。光散乱型偏光選択素子(31)、光散乱シ
ート(33)および集光性フイルム(34)は、図3お
よび図4で説明した液晶表示装置と同様である。図5に
示す液晶表示装置では、光散乱型偏光選択素子(31)
の偏光選択層表面に反射防止層(35)を設けることに
より、偏光選択層表面での反射を減少させている。これ
により、偏光選択層内に入射する光の量を増加させるこ
とができる。従って、反射防止層(35)を設けること
で、ディスプレイの輝度が上昇する。反射防止層(3
5)は、低屈折率層一層のみ、あるいは低屈折率層と高
屈折率層との積層体として設けることができる。反射防
止層(35)は、公知文献(例えば、日本写真学会誌,
29,P.137(1966))を参照して容易に形成
できる。反射防止層(35)と光散乱型偏光選択素子
(31)との間に光散乱シート(33)や集光性フイル
ム(34)を介在させてもよい。
【0066】図5に示す液晶表示装置は、λ/4板(3
6)を用いることで、さらに光の利用効率が改善されて
いる。λ/4板(36)は、偏光板(32)とバックラ
イト光源(21)との間の任意の位置に配置することが
できる。λ/4板(36)は、偏光板の透過軸とλ/4
板の遅相軸との角度が実質的に45°(40゜乃至50
゜)になるように配置する。偏光板(32)に入射する
光は、偏光板(32)の光散乱型偏光選択素子(31)
に設けられた偏光選択層により、透過軸と直交する偏光
成分が後方散乱される。後方散乱された透過軸と直交す
る偏光成分は、λ/4板を通過して光源側に戻り、光源
周囲に設けられた反射板で反射される。反射された光は
再びλ/4板を通過して、偏光板に再度入射する。そし
て再度入射する光は、λ/4板を2度通過したことで偏
光板の透過軸に平行な偏光成分を有するように回転され
ているため、偏光板を透過することが可能となる。これ
により、光の利用効率が著しく向上させる。
【0067】以上のように、光散乱型偏光選択素子、あ
るいは光散乱型偏光選択素子を備えた偏光板を液晶表示
装置に用いることにより、光の利用効率が大きくなり、
ディスプレイの輝度が上昇する。光散乱型偏光選択素子
および光散乱型偏光選択素子を備えた偏光板は、視野角
補償フイルム(特開平2−160204号、特許258
7398号の各公報に記載)と併用することもできる。
【0068】
【実施例】[実施例1] (偏光選択層用塗布液の調製)化合物(I−16)3
0.1gおよび光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)0.1gを、蒸留水100mlとn−
ブタノール15mlとの混合溶液に溶解した。溶液を孔
径30μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過
して、光学的異方性連続相の溶液を調製した。光学的異
方性連続相の溶液に、光学的等方性不連続相として、平
均粒径が0.5μmの単分散球状アクリル粒子(MX−
500H、綜研化学(株)製)10.0gを添加し、超
音波分散して偏光選択層用塗布液を調製した。
【0069】(偏光選択層の形成)厚さ100μmのト
リアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム
(株)製)を透明支持体として用い、ゼラチン下塗り層
を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、偏光選択層用塗布
液をバーコーターを用いて塗布し、45℃で10分間乾
燥した。160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜50
0nm、最大波長365nm)を用いて、照度200m
W/cm2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射
して塗布層を硬化させた。これにより、厚さ15μmの
偏光選択層を形成し、光学フイルム(光散乱型偏光選択
素子)を作成した。
【0070】[実施例2] (偏光選択層用塗布液の調製)化合物(I−16)2
2.6gおよび光重合開始剤(イルガキュア907、チ
バガイギー社製)0.1gを、蒸留水100ml、n−
ブタノール15mlおよびシクロオクタシロキサン2.
5gの混合物に溶解した。溶液を孔径30μmのテフロ
ン製フィルターでろ過して、光学的異方性連続相の溶液
を調製した。光学的異方性連続相の溶液に、光学的等方
性不連続相として、平均粒径が1.5μmの単分散球状
シリカ粒子(シーホスターKE−P150、(株)日本
触媒製)7.5gを添加し、超音波分散して偏光選択層
用塗布液を調製した。
【0071】(偏光選択層の形成)80μmの厚さのト
リアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、
富士写真フイルム(株)製)を透明支持体として用い、
ゼラチン下塗り層を設けた。ゼラチン下塗り層の上に偏
光選択層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、40
℃で10分間乾燥した。160W/cmの空冷メタルハ
ライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲
200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、
照度200mW/cm2 、照射量400mJ/cm2
紫外線を照射して塗布層を硬化させた。これにより、厚
さ15μmの偏光選択層を形成し、光学フイルム(光散
乱型偏光選択素子)を作成した。
【0072】[実施例3] (偏光選択層用塗布液の調製)化合物(II−15)3
0.0g、下記の水平配向促進剤0.5gおよび光重合
開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.
1gを、蒸留水100ml、n−ブタノール15mlお
よびシクロオクタシロキサン2.5gの混合物に溶解し
た。溶液を孔径30μmのテフロン製フィルターでろ過
して、光学的異方性連続相の溶液を調製した。光学的異
方性連続相の溶液に、光学的等方性不連続相として、平
均粒径が1.5μmの単分散球状シリカ粒子(シーホス
ターKE−P150、(株)日本触媒製)7.5gを添
加し、超音波分散して偏光選択層用塗布液を調製した。
【0073】
【化21】
【0074】(偏光選択層の形成)厚さ100μmのト
リアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム
(株)製)を透明支持体として用い、ゼラチン下塗り層
を設けた。ゼラチン下塗り層の上に、偏光選択層用塗布
液をバーコーターを用いて塗布し、45℃で10分間乾
燥した。160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜50
0nm、最大波長365nm)を用いて、照度200m
W/cm2 、照射量400mJ/cm2 の紫外線を照射
して塗布層を硬化させた。これにより、厚さ15μmの
偏光選択層を形成し、光学フイルム(光散乱型偏光選択
素子)を作成した。
【0075】(屈折率の測定)光学的異方性相と光学的
等方性相とを構成する化合物の屈折率を、アッベ屈折率
計により測定した。化合物を高屈折率ガラスに塗布し、
光学的異方性化合物の場合には、ガラス表面をアクリル
系粘着剤で汚染して化合物を垂直配向させ、測定に供し
た。光学的等方性化合物は球状の粒子であるため、文献
値を用いた。屈折率の測定結果を第1表に示す。
【0076】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 光学的異方性化合物 光学的等方性化合物 屈折率 n1 n2 n3 ──────────────────────────────────── 実施例1 1.58 1.48 1.48 実施例2 1.66 1.53 1.53 実施例3 1.66 1.53 1.53 ────────────────────────────────────
【0077】(光透過率および光散乱性(ヘイズ)の測
定)得られたフイルムの光透過率および光散乱性(ヘイ
ズ)をヘイズメーター(MODEL1001DP、日本
電色工業(株)製)を用いて測定した。測定は光源とフ
イルムの間に偏光子を挿入して行い、偏光子の透過軸と
偏光選択性フイルムの透過軸を同じにしたものを平行、
直交させたものを直交とした。光線透過率は全光線透過
率を、光散乱性はヘイズを指標として評価した。偏光選
択性がある場合、平行の方が直交に比べて高透過率、低
ヘイズとなる。光透過率と光散乱性の測定結果を第2表
に示す。
【0078】(フイルム面状の評価)得られたフイルム
の面状は、透過軸を直交させた2枚の偏光板の間に試料
を挟み、偏光板の間で試料の方向を回転させながら観察
した。測定結果を第2表に示す。
【0079】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 偏光透過率 ヘイズ 面状 平行 直交 平行 直交 ──────────────────────────────────── 実施例1 80.3 58.2 8.3 30.3 均一(わずかに青み) 実施例2 50.2 30.7 34.2 57.9 均一(わずかに青み) 実施例3 79.1 21.0 10.8 70.4 均一(わずかに青み) ────────────────────────────────────
【0080】各実施例のフイルムは、高い偏光選択性を
示した。このフイルムを液晶表示装置に用いることによ
り、大きな光の利用効率向上が期待できる。
【0081】[実施例4]実施例1の光散乱型偏光選択
素子と通常の光吸収型偏光選択素子とをアルミニウム反
射板の上に、偏光選択層が反射板側となるようににして
置いて観察したところ、光散乱型偏光選択素子の反射板
の方がが明るく見えた。光散乱型偏光選択素子では、外
光が反射板で反射し、反射光が偏光選択層において透過
軸に平行な偏光成分のみを透過し、後方散乱した光が再
度反射板で反射して偏光選択層に到達することによっ
て、光の利用効率が向上している。
【0082】[実施例5]実施例1の光散乱型偏光選択
素子を用いて、図4に示す液晶表示装置を作成した。作
製した液晶表示装置は、正面だけでなく斜めから見たと
きも明らかに輝度の上昇が見られ、着色も全く無かっ
た。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フイルムの基本的な構成を示す断面模式図
である。
【図2】基本的な液晶表示装置を示す断面模式図であ
る。
【図3】光散乱型偏光選択素子を備えた液晶表示装置を
示す断面模式図である。
【図4】光散乱型偏光選択素子を備えた別の液晶表示装
置を示す断面模式図である。
【図5】光散乱型偏光選択素子を備えたさらに別の液晶
表示装置を示す断面模式図である。
【符号の説明】
11 透明支持体 12 偏光選択層 13 光学的異方性連続相 14 光学的等方性不連続相 21 光源 22 反射板 23 導光板 24 下側の光吸収型偏光選択素子 25 上側の光吸収型偏光選択素子 26 液晶セル 31 光散乱型偏光選択素子 32 偏光板 33 光散乱シート 34 集光性フイルム 35 反射防止層 36 λ/4板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA44 BB03 BB43 BB47 BB48 BB49 BB63 BB65 BC09 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11Z FA14Z FA31Z FA37X FA37Z FB02 FB12 FD08 FD10 KA01 LA18 LA19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学的異方性相と光学的等方性相とから
    なる層が透明支持体上に設けられている光学フイルムで
    あって、面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における
    光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが
    実質的に同じであり、光学的異方性相が下記式(I)ま
    たは(II)で表される化合物から形成された連続相であ
    り、そして、光学的等方性相が層内で不連続相を形成し
    ていることを特徴とする光学フイルム: 【化1】 [式中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香
    族基または芳香族性複素環基であり;そして、R1 およ
    びR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数
    が1乃至6のアルキル基である]。
  2. 【請求項2】 光学的異方性連続相が、さらに環状シロ
    キサンを含む請求項1に記載の光学フイルム。
  3. 【請求項3】 光学的異方性連続相において、式(I)
    または(II)で表される化合物が実質的に水平に配向し
    ている請求項1に記載の光学フイルム。
  4. 【請求項4】 光学的異方性連続相が、さらに空気界面
    近傍における式(I)または(II)で表される化合物の
    水平配向を促進する機能を有する水平配向促進剤を含む
    請求項3に記載の光学フイルム。
  5. 【請求項5】 光学的等方性不連続相が、0.1乃至1
    0.0μmの平均粒径を有する請求項1に記載の光学フ
    イルム
  6. 【請求項6】 光学的等方性不連続相が、実質的に球形
    である請求項1に記載の光学フイルム。
  7. 【請求項7】 光学的異方性相と光学的等方性相とから
    なる偏光選択性層が透明支持体上に設けられている偏光
    選択素子であって、面内の遅相軸および進相軸の一方の
    軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の
    屈折率差とが実質的に同じであり、他方の軸における光
    学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実
    質的に異なり、光学的異方性相が下記式(I)または
    (II)で表される化合物から形成された連続相であり、
    そして、光学的等方性相が層内で不連続相を形成してい
    ることを特徴とする偏光選択素子: 【化2】 [式中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香
    族基または芳香族性複素環基であり;そして、R1 およ
    びR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数
    が1乃至6のアルキル基である]。
  8. 【請求項8】 偏光選択層の上に反射防止層を有する請
    求項7に記載の偏光選択素子。
  9. 【請求項9】 光学的異方性相と光学的等方性相とから
    なる偏光選択性層が透明支持体上に設けられている光散
    乱型偏光選択素子と、光吸収型偏光選択素子とが積層さ
    れている偏光板であって、面内の遅相軸および進相軸の
    一方の軸における光学的異方性相の屈折率と光学的等方
    性相の屈折率とが実質的に同じであり、他方の軸におけ
    る光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率と
    が実質的に異なり、光学的異方性相が下記式(I)また
    は(II)で表される化合物から形成された連続相であ
    り、光学的等方性相が層内で不連続相を形成しており、
    そして、光学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈
    折率とが実質的に同じである光学的異方性相の軸と光吸
    収型偏光選択素子の透過軸とが実質的に平行であること
    を特徴とする偏光板: 【化3】 [式中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香
    族基または芳香族性複素環基であり;そして、R1 およ
    びR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数
    が1乃至6のアルキル基である]。
  10. 【請求項10】 バックライト、偏光板、液晶セル、そ
    して偏光板がこの順に積層されている液晶表示装置であ
    って、バックライトと液晶セルとの間の偏光板が、光学
    的異方性相と光学的等方性相とからなる偏光選択性層が
    透明支持体上に設けられている光散乱型偏光選択素子
    と、光吸収型偏光選択素子とが積層されている偏光板で
    あり、面内の遅相軸および進相軸の一方の軸における光
    学的異方性相の屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実
    質的に同じであり、他方の軸における光学的異方性相の
    屈折率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に異なり、
    光学的異方性相が下記式(I)または(II)で表される
    化合物から形成された連続相であり、光学的等方性相が
    層内で不連続相を形成しており、光学的異方性相の屈折
    率と光学的等方性相の屈折率とが実質的に同じである光
    学的異方性相の軸と光吸収型偏光選択素子の透過軸とが
    実質的に平行であり、そして、光散乱型偏光素子が光吸
    収型偏光素子よりもバックライト側になるように配置さ
    れていることを特徴とする液晶表示装置: 【化4】 [式中、Ar1 およびAr2 は、それぞれ独立に、芳香
    族基または芳香族性複素環基であり;そして、R1 およ
    びR2 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数
    が1乃至6のアルキル基である]。
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WO2017154907A1 (ja) * 2016-03-08 2017-09-14 富士フイルム株式会社 着色組成物、光吸収異方性膜、積層体および画像表示装置

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