JP2002060521A - 内面処理プラスチックチューブ製造装置および該装置を用いた内面処理プラスチックチューブの製造方法 - Google Patents

内面処理プラスチックチューブ製造装置および該装置を用いた内面処理プラスチックチューブの製造方法

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Yoshihiro Tange
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧グロー放電プラズマを利用してプラス
チックチューブ内面を処理するにあたり、ヘリウム等の
高価なプラズマ発生用ガスを大量に使用しなくてもよい
内面処理プラスチックチューブ製造装置を提供するこ
と。さらに、同装置を用いた内面処理プラスチックチュ
ーブの製造方法を提供すること。 【解決手段】環状ダイスを備えた押出機、引き取り手段
(B)、高圧側電極(C)、接地側電極(D)、高周波
電源(E)、大気圧グロー放電プラズマ発生用ガスある
いは該ガスと処理ガスとの混合ガスを供給するためのガ
ス供給ライン(F)、を備えた装置であって、運転時、
高圧側電極(C)、接地側電極(D)間に高周波電源
(E)から高圧交流電圧を印可することによりプラスチ
ックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマを発生させ
ることができ、更に、運転時プラスチックチューブ内に
位置し、グロー放電プラズマ発生領域を除いた領域のガ
スの流れを概ね遮断するための遮断手段(G)、を備え
ていることを特徴とする内面処理プラスチックチューブ
製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧グロー放電
プラズマによりプラスチックチューブ内表面を処理する
ための装置ならびに該装置を用いた内面処理プラスチッ
クチューブの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大気圧下でグロー放電プラズマを
発生させる技術が開発され、様々な用途で利用されてい
る。この技術は、一定の間隔を以て対向する高圧側電極
と接地側電極間に形成される放電部に、ヘリウムのよう
なプラズマ発生用ガスを大気圧もしくは大気圧近傍圧力
下で導入すると共に、前記電極間に高圧交流電圧を印可
することにより前記放電部にグロー放電プラズマを発生
させるものである。
【0003】このような大気圧グロー放電プラズマを用
いて表面改質や薄膜形成等の表面処理を行なう方法は、
従来行われてきた真空下でのプラズマ処理と比べ、低圧
雰囲気の形成や圧力制御用の装備を必要としない。この
ため、フィルムやシートのような大面積の処理を連続的
に行なう必要がある分野において好適に用いられてい
る。このような処理を行なう場合のプラズマ発生用ガス
領域を確保する方法として、電極に多数の通気孔を設
け、この通気孔よりプラズマ発生用ガスを供給したり、
被処理材料を導入・搬出するための最低限の開口部を有
するチャンバーで処理領域を囲い、その領域へプラズマ
発生用ガスを連続的に供給することが提案されている。
【0004】しかし、このような方法では、ヘリウム等
の高価なプラズマ発生用ガスを常時導入し続けなければ
ならず、コストが高くつくため、汎用のプラスチックフ
ィルム等の表面処理には利用されていないのが現状であ
る。このため、より簡便で、コストが低く、応用範囲の
広い大気圧グロー放電プラズマ表面処理法の開発が望ま
れてきた。
【0005】一方、大気圧グロー放電プラズマによるプ
ラスチックチューブ内面の連続処理技術として、特開平
5−202481号公報あるいは特開平8−57038
号公報には、チューブ内にその一端部から大気圧近傍の
圧力下において、大気圧グロー放電プラズマ発生用ガス
と、処理ガスとの混合ガスを連続的に導入しつつ、高圧
側電極と接地側電極間に高圧交流電圧を印加し大気圧グ
ロー放電プラズマ処理を行なう方法が開示されている。
しかしながら、これらの方法では、大口径のチューブの
内表面処理を実施する場合には、チューブ内部に安定な
大気圧グロー放電プラズマを発生させるために最適なガ
ス流速を確保するためには、チューブ内の全ての位置に
おいても同様のガス流速にする必要があり、多量のプラ
ズマ発生用ガスが必要とされ、コスト的に非常に不利で
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題を解決するためになされたもので、大気圧グロー放
電プラズマを利用してプラスチックチューブ内面を処理
するにあたり、ヘリウム等の高価な大気圧グロー放電プ
ラズマ発生用ガスを大量に使用しなくてもよい内面処理
プラスチックチューブ製造装置を提供することを目的と
する。さらに、同装置を用いた内面処理プラスチックチ
ューブの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
行った。この結果、まず大気圧グロー放電プラズマを用
いてチューブ内面を処理する場合、実際に大気圧グロー
放電プラズマが発生する領域はプラスチックチューブ内
面に沿った比較的狭い領域のみであり、この領域のみに
大気圧グロー放電プラズマ発生用ガスを最適なガス流速
で供給するれば安定に処理が行え、他の領域における大
気圧グロー放電プラズマ発生用ガスの流速は制御する必
要がないことを見いだした。次いで、グロー放電プラズ
マ発生領域を除いた領域のガスの流れを概ね遮断するた
めの遮断手段をプラスチックチューブ内に配することに
より前記課題を解決できることを見いだし本発明に至っ
た。すなわち本発明は、 [1]・環状ダイスを備えた押出機(A)、 ・環状ダイスから押し出され冷却固化されたプラスチッ
クチューブを所定の速度で引き取るための引き取り手段
(B)、 ・高圧側電極(C)、 ・接地側電極(D)、 ・高圧側電極(C)、接地側電極(D)間に高圧交流電
圧を印可するための高周波電源(E)、 ・運転時、環状ダイスから押し出され冷却固化されたプ
ラスチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマ発生
用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合ガスを供給す
るためのガス供給ライン(F)、を備えた装置であっ
て、運転時、高圧側電極(C)、接地側電極(D)間に
高周波電源(E)から高圧交流電圧を印可することによ
りプラスチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマ
を発生させることができ、更に、 ・運転時プラスチックチューブ内に位置し、グロー放電
プラズマ発生領域を除いた領域のガスの流れを概ね遮断
するための遮断手段(G)、を備えていることを特徴と
する内面処理プラスチックチューブ製造装置を提供する
ものである。
【0008】[2]・運転時、環状ダイスから押し出さ
れ冷却固化されたプラスチックチューブ内にガス供給ラ
イン(F)を通じて供給されるガスを排出するためのガ
ス排出ライン(H)、を更に備えることを特徴とする
[1]に記載の内面処理プラスチックチューブ製造装置
を提供するものである。
【0009】[3]ガス供給ライン(F)のガス噴き出
し口とガス排出ライン(H)のガス吸入口が、運転時チ
ューブ内に発生するグロー放電プラズマ発生領域によっ
て隔絶されるごとく配されていることを特徴とする
[2]に記載の内面処理プラスチックチューブ製造装置
を提供するものである。
【0010】[4]引き取り手段(B)が、ニップロー
ルであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに
記載のプラスチックチューブ製造装置を提供するもので
ある。
【0011】[5][1]〜[4]のいずれかに記載の
プラスチックチューブ製造装置を用いて、環状ダイスか
ら押し出されるプラスチックチューブ内に大気圧グロー
放電プラズマ発生用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの
混合ガスを供給し、高周波電源(E)により高圧側電極
(C)と接地側電極(D)間に交流電源を印可し、プラ
スチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマを発生
させ、プラスチックチューブの内面を処理することを特
徴とする内面処理プラスチックチューブの製造方法を提
供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における大気圧グロー放電
プラズマ処理(以下、大気圧グロー放電プラズマ処理を
単にプラズマ処理と、大気圧グロー放電プラズマを単に
プラズマと称することがある)とは、大気圧グロー放電
プラズマ発生用ガスのみにより発生させたプラズマによ
る表面の物理的及び化学的改質、プラズマ発生用ガスに
目的に応じた処理ガスを少量添加することにより発生さ
せたプラズマによる表面の物理的及び化学的改質等の各
プラズマ処理、及びプラズマCVD、プラズマグラフト
重合等の表面への薄膜形成を意味しており、一つに限定
されるものではない。また、本発明のプラズマ処理によ
りチューブ内表面上に発生させたラジカルやイオン等の
化学的活性種を基点とした反応性モノマー等よるグラフ
ト化等の表面化学修飾を、プラズマ処理の後工程として
実施することも可能である。なお、本発明でいう大気圧
という文言は、厳密な意味での大気圧を指すものではな
く、環状ダイスから押し出されて冷却固化されるプラス
チックチューブの内部が到達する常識の範囲内の圧力と
解されるべきである。さらに以下、大気圧グロー放電プ
ラズマ発生用ガスを単にプラズマ発生用ガスと、大気圧
グロー放電プラズマ発生用ガスと処理ガスとの混合ガス
を単に混合ガスと称することがある。
【0013】本発明の内面処理プラスチックチューブ製
造装置は、通常の環状ダイスを備えた押出機(A)、環
状ダイスから押し出され冷却固化されたプラスチックチ
ューブを所定の速度で引き取るための引き取り手段
(B)、高圧側電極(C)、接地側電極(D)、高周波
電源(E)、ガス供給ライン(F)、遮断手段(G)、
を備えており、また好ましくはガス排出ライン(H)を
備えている。
【0014】このうち押出機(A)は、通常のインフレ
ーション式フィルム成形、パイプ成形において用いられ
ているものが制限なく使用可能である。
【0015】また、引き取り手段(B)は成形されたチ
ューブを連続的に移動させることができる装置を意味す
るものであり、例えば、インフレーション式フィルム成
形において通常用いられる駆動手段の講じられたニップ
ロール、あるいは、ベルトコンベア、駆動ロール等が挙
げられる。
【0016】また、高圧側電極(C)と、接地側電極
(D)とは対をなすものであり両電極間に高周波電源
(D)から、高圧交流電圧を印可することにより、運転
時プラスチックチューブ内にプラズマを発生させること
ができる。通常、高圧側電極(C)と、接地側電極
(D)は運転時、その一方がプラスチックチューブ内に
配されるように、他方がプラスチックチューブ外に配さ
れるようになっている。そして、これらは通常、円筒状
の形状を有し同心状に互いに対向するように配される。
また、特開平8−57038号公報に示されたごとく、
プラスチック、セラミックス等の絶縁体よりなる円筒状
の縁体に接地側電極13高圧側電極23とを二重らせん
状に装着したものを運転時プラスチックチューブの外
周、あるいは内部に配するようにしてもプラスチックチ
ューブ内にプラズマを発生させることができ、該プラズ
マによるチューブ内面のプラズマ処理が可能である。
【0017】高圧側電極(C)及び接地側電極(D)の
材質は、導電材料であれば特に限定されず、金属の場
合、ステンレス系鋼、真鍮、炭素鋼、超鋼等の合金や、
銅、アルミニウム等が挙げられ、これらを単体もしくは
適宜組み合わせて使用することができる。または非導電
性のプラスチック、セラミック等の表面に銅、金等をコ
ーティングし導電化処理したもの等を使用することもで
きる。
【0018】なお、高圧側電極(C)及び接地側電極
(D)のお互い対向する面の少なくとも一方は固体誘電
体で被覆されていることが望ましい。固体誘電体の材質
としては、ガラス、セラミックス、耐熱プラスチック等
のものを例示することができる。また電極表面の被覆形
態として、電極の金属表面を酸化することによる金属酸
化物被膜の形成も好適である。
【0019】次いで高周波電源(E)は、高圧側電極
(C)、接地側電極(D)間に高圧交流電圧を印可して
運転時プラスチックチューブ内にプラズマを発生させる
ために用いるものである。発生させる高圧交流電圧の周
波数は特に限定はされないが、0.5kHz〜100M
Hzが好ましい。また、前記高圧交流電圧としてパルス
化された電圧を印可しても構わないし、前記高圧交流電
圧に直流を重畳して用いても構わない。例としては、工
業的によく用いられる13.56MHzのものを使用す
ることができる。プラズマの発生は、電圧を電極に印可
することによって発生させるが、適当な電界強度は、使
用する接地側電極、高圧側電極等の材質、形状、大きさ
等により変化するため、これらを考慮して適宜選定でき
る。電界強度が低すぎると、プラズマを発生させること
ができず、反対に、電界強度が高すぎるとプラズマがア
ーク放電に移行してしまう。
【0020】ガス供給ライン(F)はプラスチックチュ
ーブ内にプラズマを発生させるために必要なプラズマ発
生用ガスあるいは混合ガスを供給するためのガス流路を
意味する。ガス供給ライン(F)は内面処理プラスチッ
クチューブ製造装置の構造が、製造されるプラスチック
チューブの最も下流側が開放されているようなものであ
る場合には、この開放部に設けることもできる。しか
し、最も有利な構造は、ガス供給ライン(F)が環状ダ
イス内を通過し、環状ダイスのダイスリップで囲まれた
領域に出現しているというものである。この構造は、通
常インフレーション成形において用いられる環状ダイス
が備えているブローアップ用エアー供給ラインに類する
ものである。なお、ガス供給ライン(F)を通して混合
ガスを供給する場合において、混合ガス中の処理ガスが
熱に敏感なものである場合には、該ガス供給ライン
(F)に断熱あるいは冷却手段を講じるようにしてもよ
い。
【0021】次いで遮断手段(G)について説明する。
遮断手段(G)は運転時プラスチックチューブ内に位置
しプラズマ発生領域を除いた領域のガスの流れを概ね遮
断するために講じられる。遮断手段(G)によりプラズ
マ発生領域を除いた領域のガスの流れが遮断されること
により、プラスチックチューブ内に供給されたガスは、
そのほとんどがプラズマ発生領域を通過することとな
り、プラズマ発生領域における最適なガス流速を達成す
るために必要とされるガス流量を大幅に削減することが
できる。
【0022】また、本発明の内面処理プラスチック製造
装置は、ガス排出ライン(H)を備えていることが好ま
しい。ガス排出ライン(H)は、前記したガス供給ライ
ン(F)からプラスチックチューブに供給されるプラズ
マ発生用ガス、あるいは混合ガスをプラスチックチュー
ブ内から排出するというものである。ガス排出ライン
(H)が設けられていることにより、運転時、プラズマ
発生領域を通過するプラズマ発生用ガス、あるいは混合
ガスの流速の制御を行いやすくなる。また、内面処理プ
ラスチック製造装置が、運転時においてプラスチックチ
ューブがニップロールなどにより閉じられ、プラズマ処
理がこの閉鎖された空間内で行われるような構造のもの
である場合には、プラスチックチューブのサイズの微調
整に便利であるし、また、排出したプラズマ発生用ガ
ス、あるいは混合ガスの再循環も可能である。
【0023】ガス排出ライン(H)は、内面処理プラス
チックチューブ製造装置の構造が、製造されるプラスチ
ックチューブの最も下流側が開放されているようなもの
である場合には、この開放部に設けることもできる。し
かし、最も有利な構造はガス供給ライン(F)で述べた
と同じく、環状ダイス内を通過し、環状ダイスのダイス
リップで囲まれた領域に出現しているというものであ
る。
【0024】また、上記したガス供給ライン(F)のガ
ス噴き出し口とガス排出ライン(H)のガス吸入口が、
運転時チューブ内に発生するプラズマ発生領域によって
隔絶されるごとく配されていることが望ましい。このよ
うにガス供給ライン(F)のガス噴き出し口とガス排出
ライン(H)のガス吸入口が配されていることにより、
ガス供給ラインに供給したプラズマ発生用ガス、あるい
は混合ガスがスムーズにプラズマ発生領域を通過するよ
うになるため、またプラスチックチューブ内面の周方向
にわたるガス流速の分布を均一なものとできるため、プ
ラズマ発生領域における最適なガス流速を達成するため
に必要とされるプラズマ発生用ガス、あるいは混合ガス
の流量を更に低く抑えることができる。
【0025】また、プラスチックチューブ製造装置の引
き取り手段(B)を、ニップロールとすることが望まし
い。引き取り手段(B)を、ニップロールとすると、運
転時においてプラスチックチューブがニップロールによ
り閉じられ、プラズマ処理がこの閉鎖された空間内で行
われるようになり、プラズマ発生用ガス、あるいは混合
ガスの開放系への散失を防止できる。これは製造する内
面処理プラスチックチューブが薄物の時に特に有効であ
る。
【0026】以下、本発明の内面処理プラスチックチュ
ーブ製造装置を、図面を参照しつつより具体的に説明す
る。図1は、本発明の内面処理機能を備えたプラスチッ
クチューブ製造装置の一実施形態を示す模式図である。
また、図2は図1で用いている接地側電極の斜視図であ
る(なお、図1では理解を助けるために、プラスチック
チューブの径をより大きく強調して示した)。この実施
形態において内面処理プラスチックチューブ製造装置
は、環状ダイス5を装着した押出機4、チューブ冷却
器、引き取り手段としてのチューブ巻き取り機等から構
成される通常のパイプ製造装置が基本となっている。そ
してこの装置に、環状ダイス内部を通過し、環状ダイス
のダイリップで取り囲まれた領域へ出現したガス供給ラ
イン(プラズマ発生用ガス導入ライン72、処理ガス導
入ライン71)が設けられている。このような構造とな
っていることにより、運転時、プラスチックチューブ内
にプラズマ発生用ガス、あるいは混合ガスを供給でき
る。なお、処理ガスによる表面処理を行わず単にプラズ
マによる表面処理を行う場合には、ガス供給ラインのう
ち処理ガス導入ライン71を設ける必要はない。
【0027】また、本発明のプラスチックチューブ製造
装置にはグロー放電プラズマを発生させるための接地さ
れた接地側電極2、及び高周波電源10に接続された高
圧側電極3が装備されている。そして接地側電極2と高
圧側電極3間に高圧交流電圧を印可することができる構
造となっている。なお、本図では接地側電極2をプラス
チックチューブ内に配する例を示したが、高圧側電極3
をプラスチックチューブ内に配するようにしてもよい
(後述する形態においても同様)。
【0028】そして図2に示すように、運転時プラスチ
ックチューブ内に配されるようになる接地側電極2には
遮断手段が講じられている。この例では、円筒形状を有
する接地側電極の一方の開口部に円盤状の部材(遮断
板)が取り付けられており、運転時グロー放電プラズマ
発生領域を除きガスの流れを概ね遮断できる。
【0029】図3は、本発明の内面処理機能を備えたプ
ラスチックチューブ製造装置の他の実施形態を示す模式
図である。また、図4は図1のA−A’線での模式断面
図である。この実施形態において、内面処理プラスチッ
クチューブ製造装置は、環状ダイス5を装着した押出機
4、エアーリング9、安定板62、ニップロール61、
及び巻き取りロール63等から構成される通常のインフ
レーション式チューブ成形装置が基本となっている。そ
してこの装置に、環状ダイス内部を通過し、環状ダイス
のダイリップで取り囲まれた領域へ出現したガス供給ラ
イン(プラズマ発生用ガス導入ライン72、処理ガス導
入ライン71)と、ガス排出ライン73が装備されてい
る。このような構造となっていることにより、運転時、
プラスチックチューブ内にガスを供給できるとともに、
適宜これらのガスを排出することによりプラスチックチ
ューブ内のガス濃度および圧力を所定の値に保つことが
できる。また、プラスチックチューブのサイズの微調整
に便利である。さらに本例ではガス供給ラインのガス噴
き出し口とガス排出ラインのガス吸入口はチューブ内に
発生するプラズマ発生領域によって隔絶されるごとく配
されている。なお、処理ガスによる表面処理を行わず単
にプラスチックチューブ内に発生するプラズマによる表
面処理を行う場合には、ガス供給ラインのうち処理ガス
導入ライン71を設ける必要はなく、ガス排出ライン7
3の設置を省くこともできる。また、本発明のプラスチ
ックチューブ製造装置にはプラズマを発生させるための
接地された接地側電極2、及び高周波電源10に接続さ
れた高圧側電極3が装備されている。そして接地側電極
2と高圧側電極3間に高圧交流電圧を印可することがで
きる構造となっている。ここで接地側電極2、高圧側電
極10、及び環状ダイスのダイスリップ、さらに運転時
に形成されるプラスチックチューブは同心位置関係とな
るようにされている。そして図4から明らかなように、
接地側電極は概ね円柱状の形状を有しており、該電極自
体が遮断手段を備えたものとなっており、運転時グロー
放電プラズマ発生領域を除きガスの流れを概ね遮断でき
る。
【0030】一方、特開平8−57038号公報に示さ
れたごとく、プラスチック、セラミックス等の絶縁体よ
りなる円筒状の縁体に接地側電極と高圧側電極とを二重
らせん状あるいは櫛状に装着したものを運転時プラスチ
ックチューブの外周に配するような形態においても、本
発明が適用可能である。すなわち、この形態に対応した
遮断手段として、例えば概ね円柱状の部材や一方が閉塞
された円筒状の部材をプラスチックチューブの内部に位
置させる装置の構造が例示できる。
【0031】以上、本発明の内面処理プラスチックチュ
ーブ製造装置につき代表的な実施形態を例に取り説明し
てきたがこれらはあくまで例示であり、限定ではない。
よって当業者によるこれらの例の変形は本発明の特許請
求の範囲に示された思想範囲内にある限り、本発明の一
部に含まれるものと考えられる。
【0032】次いで以上述べた本発明の内面処理プラス
チックチューブ製造装置を用いての内面処理プラスチッ
クチューブ製造方法について説明する。本発明の内面処
理プラスチックチューブ製造方法は、環状ダイスから押
し出されるプラスチックチューブ内に大気圧グロー放電
プラズマ発生用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合
ガスを供給し、高周波電源(E)により高圧側電極
(C)と接地側電極(D)間に交流電源を印可し、プラ
スチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマを発生
させプラスチックチューブの内面を処理するというもの
である。以下その詳細を説明する。
【0033】本発明で使用されるグロー放電プラズマ発
生用ガスは、プラズマを発生させるためのガスであり、
希ガスあるいは窒素ガスが好ましい。そして希ガスの中
で最も好ましいのはヘリウムであり、アルゴンも好適に
用いることができる。
【0034】一方、処理効果を向上させるために前記プ
ラズマ発生用ガスに添加する処理ガスは、表面処理の目
的に応じて適宜選択される。例えば、シート状物に撥水
性を付与するためには、4弗化エチレン、6弗化プロピ
レン等のフッ化エチレン列炭化水素化合物、4弗化メタ
ン、6弗化エタン等のフッ素化メタン列炭化水素化合
物、またはフッ素原子を含む側鎖のついた鎖状炭化水
素、あるいはフッ素化芳香族炭化水素などの官能基を有
する有機化合物を用いることができる。
【0035】又、処理用ガスとして以下のような酸素元
素含有化合物、窒素元素含有化合物を用いて、基材表面
にカルボニル基、水酸基、アミノ基等の親水性官能基を
形成させて表面エネルギーを高くし、親水性表面を得る
ことが出来る。
【0036】前記酸素元素含有化合物としては、酸素、
オゾン、水(水蒸気)、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸
化窒素、二酸化窒素の他、メタノール、エタノール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類、メタナール、エタナール等のアルデヒド類等の酸
素元素を含有する有機化合物等が挙げられる。前記酸素
元素含有化合物と水素を混合して用いてもよい。さら
に、前記酸素元素含有化合物と、メタン、エタン等の炭
化水素化合物のガスを混合して用いてもよい。又、前記
酸素元素含有化合物に50体積%以下でフッ素元素含有
化合物を添加することにより親水化が促進される。フッ
素元素含有化合物としては前記例示と同様のものを用い
ればよい。
【0037】前記窒素元素含有化合物としては、窒素、
アンモニア等が挙げられる。また、前記硫黄元素含有化
合物としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄等が挙げられ
る。また、硫酸を気化させて用いることも出来る。
【0038】又、分子内に親水性基と重合性不飽和結合
を有するモノマーを処理ガスとして用いることにより、
親水性の重合膜を堆積させることも出来る。前記親水性
基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホン酸塩基、
1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド基、4級ア
ンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸塩基等の親
水性基等が挙げられる。又、ポリエチレングリコール鎖
を有するモノマーを用いても同様に親水性重合膜の堆積
が可能である。
【0039】前記モノマーとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メ
タクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリ
ル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリル
アルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアク
リル酸エステル等が挙げられる。
【0040】前記親水性モノマーのうち固体のものは、
そのままあるいは溶媒に溶解させたものを減圧等の手段
により気化させて用いる。
【0041】又、処理用ガスとして、金属含有ガスが好
適に使用できる。金属としては、例えば、Al、As、
Bi、B、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Ga、G
e、Au、In、Ir、Hf、Fe、Pb、Li、N
a、Mg、Mn、Hg、Mo、Ni、P、Pt、Po、
Rh、Sb、Se、Si、Sn、Ta、Te、Ti、
V、W、Y、Zn、Zr等の金属が挙げられ、該金属を
含有するガスとしては、金属有機化合物、金属−ハロゲ
ン化合物、金属−水素化合物、金属アルコキシド等の処
理用ガスが挙げられる。
【0042】具体的に金属がSiである場合を例にとっ
て説明すると、テトラメチルシラン〔Si(C
3)4〕、ジメチルシラン〔Si(CH3)22〕、テト
ラエチルシラン〔Si(C25)4〕等の有機金属化合
物;4フッ化珪素(SiF4)、4塩化珪素(SiC
4)、2塩化珪素(SiH2Cl2)等の金属ハロゲン化
合物;モノシラン(SiH4)、ジシラン(SiH3Si
3)、トリシラン(SiH3SiH2SiH3)等の金属水
素化合物;テトラメトキシシラン〔Si(OC
3)4〕、テトラエトキシシラン〔Si(OC25)4
等の金属アルコキシド等が挙げられる。
【0043】前記の金属含有ガスが気体であれば、放電
空間にそのまま導入することができるが、液体、固体状
であれば、気化装置を経て放電空間に導入すればよい。
このような処理ガスを用いることによりSiO2、Ti
2、SnO2、ZnO等の金属酸化物薄膜を形成させ、
基材表面に電気的、光学的機能を与えることが出来る。
【0044】なお、前記した処理ガスとして用いる化合
物は、単独で用いてもよく、その目的によっては2種以
上を併用してもよい。また、前記処理ガスとプラズマ発
生用ガス(希ガス)を混合して用いる場合の混合割合
は、使用するプラズマ発生用ガスと処理ガスの種類によ
って適宜決定されるが、処理ガスの濃度が10体積%を
超えると、高圧交流電圧を印可しても均一な放電プラズ
マの発生が難しくなることから、0.01〜10体積%
が好ましく、より好ましくは0.01〜5体積%であ
る。
【0045】また、本発明において処理が可能なチュー
ブの材質としては、押出成形が可能なものであれば特に
限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロ
ピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−
ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ
エステル、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリメチルメタクリレート、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
ニトリル、ポリスチレン、ポリスルフォン、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルスルフォン等が上げられるが、これに限定されるも
のではない。
【0046】次に、本発明の内表面処理プラスチックチ
ューブの製造方法を、図1、3を参照しつつより詳細に
説明する。なお、図1、3で示された装置の概要は前述
したとおりである。まず図1では通常のチューブ(パイ
プ)製造プロセスでのチューブの連続製造を開始したの
ちに、プラズマ発生用ガス導入ライン72を利用し、チ
ューブ内部にヘリウム等のプラズマ発生用ガスを導入す
る。その後、プラズマ発生用ガス導入ライン72からプ
ラズマ発生用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合ガ
スを連続的に導入し、高圧側電極3に高周波電源10か
ら高圧交流電圧を印加してグロー放電プラズマ領域を形
成し処理を行う。
【0047】接地側電極2の外径寸法は製造されるプラ
スチックチューブ8の内径より若干小さく設定される。
接地側電極とプラスチックチューブの間隔が大きすぎる
と安定したグロー放電が得られない。内部電極とプラス
チックチューブの間隔は10mm以下、さらには5mm
以下が好ましい。
【0048】次に、本発明の内表面処理プラスチックチ
ューブの製造方法を、図3を参照しつつ説明する。まず
通常のチューブ製造プロセスでのチューブの連続製造を
開始したのちに、プラズマ発生用ガス導入ライン72及
び排気ライン73を利用し、チューブ内圧を保持しなが
らチューブ内部をヘリウム等のプラズマ発生用ガスに置
換する。その後、前記チューブ内の圧力を保持するよう
に、排気ライン73からチューブ内のガスを排出しなが
らプラズマ発生用ガス導入ライン72からプラズマ発生
用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合ガスを連続的
に導入し、高圧側電極2に高周波電源10から高圧交流
電圧を印加してプラズマ領域を形成し処理を行う。
【0049】プラスチックチューブ内部に配される電極
(本例では接地側電極)の外径寸法は製造されるプラス
チックチューブ8の内径より若干小さく設定される。該
電極とチューブの間隔が大きすぎると安定したプラズマ
が発生しにくい。該電極とチューブの間隔は10mm以
下が好ましい。
【0050】高圧側電極3は円筒状の形状を有してお
り、高圧側電極支持具32によりプラスチックチューブ
製造装置のフレーム等に絶縁状態で取り付けられてお
り、高周波電源10に接続されている。ここで、円筒状
の高圧側電極3は環状ダイス5のダイリップあるいは接
地電極2と同心位置に配置されており、その内径寸法は
製造されるプラスチックチューブ8の外径より若干大き
く設定されている。高圧側電極3はチューブの製造開始
時の作業性を考慮し、分割したものを用いることもでき
る。
【0051】接地電極2及び高圧側電極3は、運転時に
おいてチューブ8が冷却固化し径が固定される線、所謂
フロストラインよりも下流側の領域に、同軸中心の状態
で間にチューブ8を介して対向するかたちで配置される
ことが望ましい。
【0052】接地電極2と高圧側電極3の間隔はチュー
ブの厚み以上であれば特に限定されないが、狭すぎると
チューブが各電極に接触し引取りの障害になったり、ア
ーク放電を招いたりし、広すぎると放電に至らない。こ
の意味合いから接地電極2と高圧側電極3の間隔は、
0.5mm〜20mmが好ましい。
【0053】本発明で提供される方法のごとく、プラズ
マ発生領域を除き前記ガスの流れを遮断する遮断手段を
講じることにより、プラズマ発生用ガス、または混合ガ
スはほとんどすべてがプラズマ領域に供給される。この
ため、従来の方法を用いた場合に比べ、安定した放電を
得るために必要とするガスの供給量を著しく抑えること
ができるのである。
【0054】
【実施例】以下本発明を、実施例を用いてより詳細に説
明する。
【0055】[実施例1]図3に概略を示した内面処理プ
ラスチックチューブの連続製造装置を製作した。製造装
置の基本となるインフレーションチューブ製造装置とし
ては、東洋精機株式会社製ラボプラストミル50MR一
軸押出機(20mm径、L/D25のフルフライトスク
リュー)を用いた。これにガス導入ライン及び排気ライ
ンを設けたダイリップ径25mmの環状ダイス、および
エアーリングを取り付け、安定板、ニップロール、及び
巻き取り機等の付属機器を装備した。なお、ダイス上面
からニップロールまでの距離は約700mmであった。
そして外径44mm高さ50mmでアルミニウム製の円
柱形状を有する接地電極を、その下端がダイス上面から
約300mmの位置になるように、また、ダイスリップ
と同心状となるように環状ダイスのダイリップに取り囲
まれた領域に取り付けられた支持具により取り付けた。
さらに図3に示すごとく二分割された内径48mm厚み
4mm高さ50mmのアルミニウム製の円筒形状を有す
る高圧側電極を、チューブ内の内部電極と同心円で対向
する位置に設置した。なお、二分割された高圧側電極は
いずれもスライド式に後退できる構造とし、製造スター
ト時の作業性の向上を図った。さらに、13.56MH
zの高周波交流電圧を印可できる高周波交流電源を高圧
側電極に接続した。また環状ダイスにはガス供給ライン
とガス排出ラインを設けこれらがダイスリップで囲まれ
た領域に出現する構造とした。そしてガス供給ラインの
ガス噴き出し口の位置が、接地側電極より下側で、ガス
排出ラインのガス吸入口が接地側電極より上側となるよ
うにした。このようにして本発明の内面処理プラスチッ
クチューブ製造装置を製作した。
【0056】上記した装置を用いて、住友化学工業株式
会社製低密度ポリエチレンF208−0を原料とし、ニ
ップロールの引取り速度1.5m/minでチューブ外
径46mm厚み約100μmのチューブの連続製造を開
始した。次にガス導入ラインおよび排気ラインを操作す
ることでチューブ内のガス圧、ならびにチューブの外径
寸法を保持したままでチューブ内をヘリウムに置換し
た。さらに、この状態で、ガス導入ラインおよび排気ラ
インを操作することで1L/分のヘリウムに加え酸素ガ
ス5mL/minを連続導入した。次いで、二分割され
スライド式に後退させていた高圧側電極を元の位置に戻
し、チューブ内の接地電極と同心円で対向する位置に設
置した。このとき、チューブと接地電極及び高圧側電極
との間隔はそれぞれ約1mmであった。次いで、高周波
交流電源より高圧側電極に13.56MHzの高圧交流
電圧を印加するとチューブと接地電極間にプラズマが発
生した。このようにして内表処理ポリエチレンチューブ
を得た。処理前のポリエチレンチューブ内面の水に対す
る接触角が98.5°であったのに対し、処理後のポリ
エチレンチューブ内表面のそれは70.6°であり明ら
かに処理効果が認められた。
【0057】[比較例1]第5図、第6図に示したしたよ
うな円筒状の内部電極を用いたことを除いては実施例と
同じ試験を行なった。このとき安定なプラズマを発生さ
せるためにはガスの供給量を5L/minとする必要が
あった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、大
気圧グロー放電プラズマを利用してプラスチックチュー
ブ内面を処理するにあたり、ヘリウム等の高価なプラズ
マ発生用ガスを大量に使用しなくてもよい内面処理プラ
スチックチューブ製造装置が提供される。さらに、同装
置を用いた内面処理プラスチックチューブの製造方法が
提供される。本発明の内面処理プラスチックチューブ製
造装置および、内面処理プラスチックチューブの製造方
法により製造できる内面処理プラスチックチューブは従
来のものに比べコスト的に有利なものであり、各用途に
おいて有用に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内面処理プラスチックチューブ製造装
置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1で用いている接地電極の斜視図である
【図3】本発明の内面処理プラスチックチューブ製造装
置の他の実施形態を示す模式図である。
【図4】図3のA−A’線での模式断面図である。
【図5】比較例で用いた内面処理プラスチックチューブ
製造装置の形態を示す模式図である。
【図6】図5のB−B’線での模式断面図である。
【符号の説明】
1.内面処理プラスチックチューブ製造装置 2. 接地側電極 22.接地側電極支持具 3. 高圧側電極 32.高圧側電極支持具 4.押出機 5.環状ダイス 61.ニップロール 62.安定板 63.巻取りロール 71.処理ガス導入ライン 72.プラズマ発生用ガス導入ライン 73.排気ライン 8.チューブ(被処理物) 9.エアーリング 10.高周波電源
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16L 11/04 F16L 11/04 // B29L 23:24 B29L 23:24 C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 梶谷 孝啓 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 田中 治 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 丹下 善弘 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 松田 ▲ひで▼明 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 3H111 AA04 BA15 EA04 EA12 EA18 4F073 AA01 BA07 BA08 BA11 BA12 BA13 BA14 BA17 BA18 BA19 BA23 BA24 BA26 BA27 BA28 BA29 BA32 BA33 BA34 BB03 CA01 CA02 DA01 DA07 DA09 DA11 FA01 FA03 4F207 AA03 AA10 AA24 AG08 AJ02 AM27 KA01 KA17 KA19 KK56 KL41 KM30 KW50 4K030 AA03 AA04 AA06 AA09 AA24 BA29 BA44 BA45 BA46 BA47 BA61 CA07 EA03 FA03 LA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】・環状ダイスを備えた押出機(A)、 ・環状ダイスから押し出され冷却固化されたプラスチッ
    クチューブを所定の速度で引き取るための引き取り手段
    (B)、 ・高圧側電極(C)、 ・接地側電極(D)、 ・高圧側電極(C)、接地側電極(D)間に高圧交流電
    圧を印可するための高周波電源(E)、 ・運転時、環状ダイスから押し出され冷却固化されたプ
    ラスチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマ発生
    用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合ガスを供給す
    るためのガス供給ライン(F)、を備えた装置であっ
    て、運転時、高圧側電極(C)、接地側電極(D)間に
    高周波電源(E)から高圧交流電圧を印可することによ
    りプラスチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマ
    を発生させることができ、更に、 ・運転時プラスチックチューブ内に位置し、グロー放電
    プラズマ発生領域を除いた領域のガスの流れを概ね遮断
    するための遮断手段(G)、を備えていることを特徴と
    する内面処理プラスチックチューブ製造装置。
  2. 【請求項2】 ・運転時、環状ダイスから押し出され冷
    却固化されたプラスチックチューブ内にガス供給ライン
    (F)を通じて供給されるガスを排出するためのガス排
    出ライン(H)、を更に備えることを特徴とする請求項
    1に記載の内面処理プラスチックチューブ製造装置。
  3. 【請求項3】 ガス供給ライン(F)のガス噴き出し口
    とガス排出ライン(H)のガス吸入口が、運転時チュー
    ブ内に発生するグロー放電プラズマ発生領域によって隔
    絶されるごとく配されていることを特徴とする請求項2
    に記載の内面処理プラスチックチューブ製造装置。
  4. 【請求項4】 引き取り手段(B)が、ニップロールで
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    のプラスチックチューブ製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラ
    スチックチューブ製造装置を用いて、環状ダイスから押
    し出されるプラスチックチューブ内に大気圧グロー放電
    プラズマ発生用ガスあるいは該ガスと処理ガスとの混合
    ガスを供給し、高周波電源(E)により高圧側電極
    (C)と接地側電極(D)間に高圧交流電圧を印可し、
    プラスチックチューブ内に大気圧グロー放電プラズマを
    発生させ、プラスチックチューブの内面を処理すること
    を特徴とする内面処理プラスチックチューブの製造方
    法。
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