JP2002058487A - 新規なスギ花粉アレルゲン遺伝子および該遺伝子がコードするタンパク質またはその抗原性断片 - Google Patents
新規なスギ花粉アレルゲン遺伝子および該遺伝子がコードするタンパク質またはその抗原性断片Info
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Abstract
スギ花粉アレルゲンCJP6の少なくとも一つのエピトー
プ、特にT 細胞エピトープを含むタンパク質またはペプ
チドを提供する。 【解決手段】 スギ花粉アレルゲンCJP6をコードするcD
NAをクローニングし、CJP6の全アミノ酸配列を明らかに
した。
Description
断、予防、もしくは治療に有用な、スギ花粉アレルゲン
CJP-6のタンパク質または該タンパク質をコードするDNA
に関する。
スギ花粉症は、国民の1割以上、都市部にお
いては2割以上が罹患しているといわれ、社会問題化し
ているのは周知の事実である。スギ花粉症は、スギ花粉
をアレルゲンとする、鼻炎、結膜炎が主たる症状とする
IgE依存型(I型)アレルギー性疾患である。スギ花粉
症は、スギの産地周辺よりも、交通量の多い街道沿いや
都市部に多発することから、ディーゼルエンジン排ガス
やストレスとの関係も推定され複雑な現代病と受け取ら
れている。
スタミン薬を用いる化学療法が一般的におこなわれてい
るが、対症療法であり花粉症を治癒させることはできな
い。スギ花粉抽出エキスを患者に繰り返し投与する減感
作療法の効果は、完治とまではいかないが治療期間の短
縮、薬物投与量の減少など、長い目でみれば有用性を期
待しうる治療法である。しかし、現行のスギ花粉治療エ
キスによる減感作の効果は、ハウスダスト減感作に比べ
れば劣ること、アナフィラキシーなどの副作用への対応
に十分な配慮が必要なこと、など課題がある。そこで、
スギ花粉症アレルゲン遺伝子を単離し、そのアレルゲン
の構造を明らかにし、エピトープ解析、アレルゲン性を
解明して、結果を治療現場にフイードバックし、スギ花
粉症の予防・治療に役立てることが望まれる。
とも二種類のメジャーなアレルゲンの存在が明らかにさ
れている。一つは、安枝らの文献(J. Allergy Clin. Im
munol., 71: 77-86, 1983)に報告されているCry j 1と
呼ばれるタンパク質であり、いま一つは、阪口らの文献
(Sakaguchi, M. et al.: Allergy, 45: 309-312, 1990)
に報告されているCry j 2と呼ばれるタンパク質であ
る。その後、Cry j 1、およびCry j 2のcDNAがクロー
ニングされ、それぞれのアミノ酸配列(一次構造)が明
らかにされている(Sone, T. et al.: Biochem. Biophy
s. Res. Commun., 199: 619-625, 1994; Komiyama, N.
et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 201: 1021-
1028, 1994)。そして、Cry j 1、あるいはCry j 2の一
次構造を全てカバーする12〜20残基からなるオーバ
ーラッピングペプチドを化学合成し、アレルギー患者の
末梢血リンパ球、樹立されたT細胞ライン、あるいはT
細胞クローンで刺激することによって、Cry j 1(PCT公
開公報:WO94/01560)、あるいはCry j 2分子(Sone,
T. et al.: J. Immunol., 161: 448-457, 1998)上のT
細胞エピトープが決定されている。
多数のアミノ酸置換アイソアレルゲンが見出されている
[例えばシラカバ花粉アレルゲンBet v 1には現在11種
類のアイソアレルゲンが分離されている(Swoboda, I.
et al.: J. Biol. Chem., 270: 2607-2613, 1995)]こ
と、およびスギ花粉についても、上記主要アレルゲンCr
y j 1およびCry j 2のみの減感作では十分な、効果が得
られていないことを考慮すると、スギ花粉についても、
上記主要アレルゲンCry j 1およびCry j 2以外に特徴あ
るアレルゲンの存在している可能性は十分にあると考え
た。
の新規なアレルゲン遺伝子をクローニングし、該遺伝子
によってコードされるアレルゲンタンパクの一次構造構
造を明らかにし、その免疫化学的特性を解明することを
課題とする。また、本発明は、該アレルゲンタンパクに
感受性の個人に対する、該アレルゲンに起因するアレル
ギー疾患の予防、および治療剤を提供することを課題と
する。
診断および治療に有効なアレルゲン遺伝子のクローニン
グを課題としていることから、花粉症患者血清を用い
て、スギ花粉細胞から作製したcDNAライブラリーから
候補遺伝子をスクリーニングした。その結果、主要アレ
ルゲンCry j 1およびCry j 2以外に、スギ花粉症患者中
のIgEが特異的に結合する新規なスギ花粉アレルゲンを
コードする遺伝子のクローニングに成功した。そして該
遺伝子の発現産物の免疫学的特性を解析し、該タンパク
質が新規なスギ花粉アレルゲンタンパク質であることを
見出した。
とも1つの抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を
有する核酸、又は該ヌクレオチド配列の機能的等価物、 (2) 該ヌクレオチド配列が、本質的に図1又は配列
番号5のコード部分またはその少なくとも1断片からな
る(1)の核酸、 (3) CJP-6タンパク質の全部または一部をコードす
るヌクレオチド配列を含む核酸でトランスフォームした
宿主細胞中で産生されたCJP-6タンパク質またはその断
片を含むタンパク調製物、 (4) 上記断片が抗原性断片である(3)のタンパク
調製物、 (5) 化学的に合成したCJP-6タンパク質またはその
少なくとも1断片を含むタンパク質調製物、 (6) 上記CJP-6タンパク質が図1又は配列番号4に
示すアミノ酸配列を含む(3)のタンパク質調製物。 (7) 少なくとも1つのT細胞エピトープを含む単離
したペプチド、 (8) 単離したCJP-6タンパク質またはその少なくと
も1断片および製薬上許容し得る担体若しくは希釈剤を
含む治療用組成物、 (9) 上記CJP-6タンパク質が図1又は配列番号4に
示すアミノ酸配列を含む(8)の治療用組成物、からな
る。
的遺伝子をクローニングするためには、遺伝子ライブラ
リーからのスクリーニングの段階で対応するタンパク質
に特異的な抗血清やモノクローナル抗体、又は遺伝子プ
ローブが必要となる。事実、主要抗原Cry j 1及びCry j
2は後者の方法によってそれぞれ単離された(Sone, T.
et al.: Biochem Biophys ResCommun., 199(2): 619-6
25, 1994; Komiyama, N. et al.: Biochem Biophys Res
Commun., 201(2): 1021-1028, 1994)。また酵素遺伝
子の単離にその基質または基質アナログの標識物を用い
るなど、遺伝子産物の生理活性を利用した方法も多用さ
れている(Nomura, T. et al.: Men eki(in japanese,
29: 169-175, 1992)。しかし、I型アレルギーは、人体
内に侵入したアレルゲン分子が2分子以上の特異IgE抗体
と結合し、抗体のFc部分が好塩基球や肥満細胞の表面に
発現される2分子のIgEレセプターに結合することによっ
て、これを架橋することが引き金となる(Ishizuka K,
et al.: J. Immunol., 97: 75, 1966; Sullivan, T.J.
et al.: Clin. Immunol., 99-115, 1980; Ishizuka, T.
et al.: J. Allergy Clin.Immunol., 61: 320, 197
8)。このことから、アレルゲン遺伝子の単離にスギア
レルギー患者血清を用いて、遺伝子発現産物の特異IgE
抗体との反応性を指標とする方法が有用であると考えら
れた。そこで、本発明者らは、スギ花粉症患者血清をス
クリーニングに用いて遺伝子のスクリーニングを行っ
た。その結果、少なくとも14種類のスギ花粉遺伝子を単
離した。このうち、最も重要性の高いと考えられる1つ
の遺伝子について、そのコードするタンパク質の一次構
造を決定した。ホモロジー検索の結果、多種の植物に由
来するisoflavone reductase familyと高い相同性を示
した。シラカバ花粉アレルゲンであるBet v 6と高い相
同性(62%)を示し、洋梨アレルゲンPyr c 5とは61%、
大豆由来とは50%の相同性を示した。これらの比較か
ら、CJP-6塩基配列中の94bpにあたるMetが開始コドンで
あると推定され、CJP-6が93bpの5'非翻訳領域を含み、3
06アミノ酸からなるタンパク質の全長をコードするもの
であると考えられた。
T融合タンパク質として高発現させた後、イムノブロッ
ティング法で解析すると、スギ花粉症患者血清中のIgE
抗体に対する陽性反応が検出された。この結果は、本遺
伝子がアレルゲン遺伝子であることを強く示唆してい
る。また、GST融合タンパク質をFactor Xaで消化してGS
Tを切り離して得られるタンパク質は、イムノブロッテ
ィング法および酵素免疫測定法で解析すると、それぞ
れ、60〜80%のスギ花粉症患者のIgEと特異的に結合する
ことが確認された。このことから、本遺伝子のコードす
るタンパク質はスギ花粉アレルゲンであると考えられ
る。
酸配列を提供する。図1、または配列番号:5に示すCJ
P-6をコードするヌクレオチド配列は、開始コドンATG
(94〜96ヌクレオチド)から始まり、終止コドンTGA(1
012〜1014)で終わるヌクレオチド配列の間に、306アミ
ノ酸残基からなるCJP-6タンパク質をコードするORF(配
列番号:5)を有している。そのアミノ酸配列上には、
アスパラギン型糖鎖が結合する可能性のあるコンセンサ
ス配列Asn−X−Ser/Thrが二カ所(154〜162ヌクレオチ
ド、および715〜723ヌクレオチド)存在する。コンセン
サス配列は、スギ花粉のメジャーなアレルゲンであるCr
y j 1には5個、Cry j 2には3個存在することが確認され
ている(Sone, T. et al.: Biochem Biophys Res Commu
n., 199(2): 619-625, 1994; Komiyama, N. et al.: Bi
ochem Biophys Res Commun., 201(2): 1021-1028, 199
4)。IgEとの結合には、N-グリコシド糖鎖を含む構造の
関与が示唆されている(Taniguchi, Y. et al.: Allerg
y, 50: 90-93, 1995; Ohtsuki, T.et al.: Allergy, 5
0: 483-488, 1995)。これらのことから、CJP-6におい
てもこのコンセンサス配列が、IgEとの結合に関与して
いることが示唆される。ホモロジー検索の結果、図2に
示すように、シラカバアレルゲンBet v 6と高い相同性
を有するアレルゲンであることが判明した。このCJP-6
遺伝子を大腸菌発現系で発現させて得られた組換えCJP-
6(rCJP-6)タンパク質は、SDS-PAGE上で約34kDaの分子
量を示し、N末端アミノ酸配列を分析した結果は、図1
(または配列番号:4)に示す推定アミノ酸配列と一致
する。また、このrCJP-6タンパク質は、ほとんどのスギ
花粉症患者の血清IgEと有意な反応性を示す。これらの
結果から、CJP-6タンパク質は既知のスギ花粉アレルゲ
ンCry j 1、あるいはCry j 2とは異なる新規なスギ花粉
アレルゲンであることが明らかとなった。
態様の一つは、図1(配列番号:5)で示されるDNA配
列である。他の態様は、CJP-6タンパク質をコードするD
NA配列(ヌクレオチド94〜1014:配列番号:3)と機能
的に等価なDNA配列である。ここで、“単離された”本
発明のCJP-6遺伝子とは、スギ花粉アレルゲンから単離
されたDNAまたはRNAを意味する。例えば、ベクター中に
含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離
されたと考えられる。さらに、単離されたDNA分子の例
は、異種の宿主細胞中に保持される組換えDNA分子を含
むか、または、溶液中の精製された(部分的にまたは実
質的に)DNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発明
のCJP-6遺伝子のin vivoまたはin vitro転写産物を含
む。また、本発明においては、単離されたCJP-6遺伝子
は、化学合成のDNA分子を含む。
1または配列番号:3)は、遺伝暗号(genetic code)
の縮重(degeneracy)のために、実質的に異なる配列を
含む。遺伝暗号は、当業者に公知である。このような縮
重変異体を生じることは、当業者にとって公知である。
すなわち、本発明で例示したDNA配列とこの点でのみ異
なる任意のDNA配列は本発明の範囲に含まれる。
ンパク質の免疫学的機能、すなわち、スギ花粉症患者の
血清IgEと有意(健常者の示すIgE量に標準偏差の3倍を
加えた値よりも有意に高値)に反応し、アレルゲン活性
を有するCry j 1およびCry j2タンパク質をを除くスギ
花粉由来のアレルゲンタンパク質をコードするDNA配列
を意味する。例えば、CJP-6タンパク質の免疫学的機能
に影響しない変異を、例示のDNA配列(配列番号:5)
に導入することができる。一般的に、ポリペプチドをコ
ードする核酸配列は、発現産物の機能に影響を与えずに
きわめて多様に変更(例えば、適当なヌクレオチドの挿
入、欠失、または置換)できる。実質的な相同性(全体
の50%を超える相同性を有するアミノ酸配列)を有する
アミノ酸配列は、既に同一の機能を発揮し得ると考えら
れている。
解析するためのソフトが公開されており、それらを利用
することにより、特定の配列が、機能的に等価であるの
に十分な相同性を有するか否かを予測することが可能と
なってきている。したがって、当業者であれば、CJP-6
遺伝子の特定の部分のどのような改変が、配列番号:5
によってコードされるCJP-6タンパク質と機能的に等価
な発現産物(タンパク質あるいはペプチド)が得られる
か確かめ得るであろう。このような変異体の核酸配列
は、本発明の範囲内に含まれる。このよな核酸配列は、
一般的に、配列番号:3と同一の長さを有し、それぞれ
の発現産物のアミノ酸配列レベルで50%、の相同性、好
ましくは60%を超える相同性、より好ましくは70%を超え
る相同性、最も好ましく80〜100%の相同性を示すDNA配
列である。
配列番号:3のDNA配列と、通常乃至ストリンジェント
なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーシ
ョンを示す核酸配列である。一般的に、核酸配列が、通
常乃至ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
下で配列番号:3のDNA配列とハイブリダイズでき、発
現産物がCJP-6タンパク質と機能的に等価であるなら
ば、その核酸配列は、機能的なDNA配列として使用でき
る。
ーするアミノ酸配列が明らかにされたので、CJP-6タン
パク質分子上のT細胞エピトープ部位の同定が可能とな
り、CJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドを用
いた、スギ花粉症に対するペプチド免疫療法が期待でき
ることとなった。T細胞は、スギ花粉粒子が体内に入
り、アレルギー症状が誘発されるまでの一連の免疫応答
過程で最も根本的な役割を担っている。T細胞が特異的
に認識する領域は、“T細胞エピトープ”と呼ばれる。
そこで、T細胞が認識するアレルゲンのペプチド部分を
用いたペプチド免疫療法が試みられている(Norman, P.
S. et al.: Int. Arch. Allergy Immunol.,113: 224-2
26, 1997; Nicodemus, C. F. et al.: Int. Arch. All
ergy Immunol., 113: 326-328, 1997; Muller, U. et a
l.: J. Allergy Clin. Immunol., 101: 747-754, 199
8)。T細胞エピトープの場合は、通常、抗アレルゲンIg
E抗体が結合するペプチド領域(B細胞エピトープ)を含
まないため、T細胞エピトープを用いたペプチド免疫療
法は、アナフィラクシーなどの副作用が回避でき、大量
投与も可能となる。
ープ部位の同定(T細胞エピトープマッピング)方法は
確立された技術となっており、これに関する文献も数多
い。アレルゲンタンパク質に関しては、スギ花粉アレル
ゲンCry j 1およびCry j 2の他に、例えば草木花粉のLo
l p 1、樹木花粉のBet v 1、ダニのDer p 1およびDerp
2、ネコ表皮のFel d 1、ミツバチのApi m 1、ユスリカ
のChi t 1についてアレルゲン分子あたり、3〜16カ所の
T細胞エピトープペプチドが同定されている。このよう
な技術背景から、当業者であれば、CJP-6タンパク質分
子上のT細胞エピトープ部位を同定することは容易であ
る。
1)を全てカバーする12〜20残基からなるオーバー
ラッピングペプチドを化学合成する。ペプチドの化学合
成は、ここ数年来急激な勢いで利用されており、それに
伴い初心者でも操作できる自動ペプチド合成機が普及し
てきていること、また、ペプチドの受注合成も国内外で
盛んに行われていること、などから容易である。スギ花
粉症患者の末梢血リンパ球、あるいは該患者から樹立し
たCJP-6タンパク特異的T細胞ラインに、上記オーバー
ラッピングペプチドを添加し、培養後、細胞の増殖能
を、例えば、3Hチミジンの取り込み(CPM)を測定する
ことによって評価する。そして、各ペプチドに対するCP
Mを対照のCPMで除した値が2倍以上のものを陽性とみな
す。抗原特異的T細胞ラインの樹立方法は確立されてお
り、スギ花粉症患者の末梢血リンパ球から、CJP-6タン
パク特異的T細胞ラインを樹立することは容易である。
タンパクのT細胞エピトープペプチドは、患者間で出現
頻度の高いT細胞エピトープペプチドを選び、スギ花粉
症の診断、あるいはペプチド免疫療法に用いることがで
きる。さらに好ましくは、T細胞エピトープペプチドの
T細胞活性化の強さを加味した選択基準、例えば、重要
度指数(PCT公開公報:WO94/01560)などの選択基準をC
JP-6タンパクのT細胞エピトープペプチドに適用する。
ペプチドは、アミノ酸置換、欠失あるいは付加などの修
飾を行い、これらの修飾ペプチドに対する患者毎のT 細
胞ラインの増殖応答を測定することによって、本発明の
CJP-6の少なくとも一つのT細胞エピトープを含むペプチ
ドと免疫学的に同機能を有する修飾ペプチドを容易に得
ることが可能である。これらの修飾ペプチドも本発明に
包含される。
ペプチドは、Cry j 1、及び/又はCry j 2のT細胞エピ
トープペプチドと混合、若しくはペプチド結合を介して
直鎖状結合させた1分子の多重T細胞エピトープペプチ
ドとして、スギ花粉症のペプチド免疫療法に用いること
ができる。また、これらのペプチドを経口投与して、経
口免疫寛容を行うことも可能と考えられる。経口免疫寛
容(経口減感作)は現在開発中の治療法であるが、効果
を示す結果が報告され始めている。例えば、Myelin Bas
ic ProteinのT 細胞エピトープ(ペプチド配列21-40 、
71-90 )をマウスに経口投与すると「Experimental Aut
oimmune Encephalomyelitis (略してEAE )発症」を抑
制したことが報告されている[上野川修一、久恒辰博、
八村敏志、経口免疫寛容の分子生物学、蛋白質核酸酵
素、39、2090-2101 (記載頁2098右、9-24行)1994
年]。スギ花粉飛散時期の前、具体的には12〜1 月期
に、これらのペプチドを経口投与し、免疫寛容状態を誘
導しておく。この状態だとスギ花粉が飛散して鼻粘膜に
花粉が付着しても、症状が出ないか、あるいは症状が軽
くなることが期待される。
を含むペプチドに、アミノ酸置換、欠失あるいは付加な
どの修飾を加えたアナログペプチドを合成し、HLA クラ
スII分子には結合するが、T 細胞には情報が伝わらない
アナログペプチドを同定する。これらのペプチドは、例
えば点鼻薬として患者に使用すれば、天然のT 細胞エピ
トープを競合的に阻害するので、発症予防が期待され
る。
胞エピトープも含まれる。B細胞エピトープの同定は、
オーバーラップペプチドと患者血清IgE 抗体との反応性
の測定、オーバーラップペプチドによる患者血清と抗原
との結合の阻害の検出等の公知の方法によって行うこと
ができる(特開平6−69336号参照)。既に、1価
のB 細胞エピトープは、アレルギー反応の抑制に有用で
あることが知られている。これは、1価のB 細胞エピト
ープは、肥満細胞または好塩基球上の対応するIgE 分子
と結合し、多価エピトープによるIgE 分子架橋の形成を
阻害することによるものと考えられている。
ので、等価な配列を合成してCJP-6遺伝子で示される天
然の配列を置換することは、当業者であれば極めて容易
にできることである。このためには、DNA配列及び/又
はアミノ酸配列の知識を利用して、同様の構造を有する
公知の配列をスクリーニングすることが可能であり、ま
たは、本発明の情報に基づいて設計したプローブ若しく
はプライマーを用いて、cDNAライブラリーあるいはゲ
ノムライブラリーから対応する配列をスクリーニングす
ることが可能である。得られたDNA配列、およびアミノ
酸配列は、例えば、配列解析プログラムを用いて解析で
きる。ホモロジー検索と構造予測は、例えば、後述する
ように、インターネット上に公開されている配列データ
ーを解析するソフトを利用して、ホモロジー検索や構造
予測ができる。
は公知である。現在、様々なタンパク質発現系が開発さ
れている。すなわち、無細胞発現系、大腸菌発現系、酵
母発現系、昆虫細胞発現系、動物細胞発現系である。こ
れらの発現系には、各々一長一短があり、免疫学的特性
の解析、花粉症の診断あるいは治療、等目的に沿って発
現系を選択することになり、当業者であれば、これらの
発現系に関して数多くの文献、あるいは市販品が存在す
るので、これらの文献を参考に、あるいは市販品による
発現を試み、その結果から適切な発現系の選択が可能で
ある。
ることを考えると、大腸菌発現系は最も手軽な発現系で
ある。大腸菌発現系には、大きく分けて、(1)目的の
タンパク質を他のタンパク質や短いアミノ酸配列と核酸
レベルで融合させて発現させる系と、(2)そのまま単
独で発現させる系とがある。融合タンパク質として発現
させる系には、現在、様々な大腸菌タンパク質発現系が
市販されている。融合タンパク質としては、例えば、pG
EX(Pharmmacia)、pMAL(New England Biolabs)、pET
(Novagen)、pRSET(Invitrogen)、pET TRX(Novage
n)、pTrx Fus(Invitrogen)、pProEX HT(Cibco BR
L)、のシステムが挙げられる。これらは、pTrx Fus
(トリプトファン発現誘導)を除いて、何れもIPTG
により発現が誘導される。単独で発現させる系として
は、例えば、転写能力が強いT7ファージRNAポリメラ
ーゼを利用するpETシステム(Novagen、STRATAGENE)、
pRSETシステム(Invitrogen)等が挙げられる。
のみならず、付加的な異種の機能領域を含むことができ
る。例えば、付加的なアミノ酸領域、特に、荷電したア
ミノ酸が、精製の間、あるいは引き続くハンドリングお
よび貯蔵のあいだ、宿主細胞中での安定性および持続性
を改善するために、該タンパク質のN末端に付加するこ
とができる。また、ペプチドの一部分を精製を容易にす
るために付加することができる。
整に先だって除くことができる。安定性を改善し、精製
を容易にすべく、分泌を生じさせるために、ポリペプチ
ドに対して、ペプチドの一部の付加は、当業者によく知
らた慣用技術である。
より発現させたポリペプチドを単離精製するには、通常
のタンパク質の単離、精製方法を用いればよい。
的抗体、および該抗体と特異的に反応するタンパク質
(あるいはポリペプチド)を提供する。該抗体は、ポリ
クローナル、またはモノクローナル抗体を包含する。CJ
P-6タンパク質、若しくはそれらの変種、またはそれら
を発現する細胞を抗原として、好ましくは、非ヒト動物
にアジュバントとともに投与することにより、該抗原に
対して該抗体を生じさせることができる。モノクローナ
ル抗体は、当業者によく知られた技術を用いて調製する
ことができる(Kohler, et al., Nature 256 : 495, 19
75; Curret Protocols in Molecular Biology, Ausube
l, et al., ed., 1989)。CJP-6に対するポリクローナ
ル抗体も、当業者に公知の方法を用いて調製できる(An
tibodies: ALaboratory Manual ed. by Harlow and Lan
e(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1988))。
的セルライン培養によって産生される抗体を提供する技
術は、いずれも用いることができる。このような技術
は、例えば、ハイブリドーマ技術(Kohler, et al., Na
ture 256 : 495, 1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞
ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al., 1983, Immunolo
gy Today 4 : 72)、およびEBVハイブリドーマ技術
(Cole, et al., 1985, inMonoclonal Antibodies and
Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)、等
が挙げられる。
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものでない。
の作製 日本スギ花粉(広島県豊町三角島で採取)8gを、10 ml
の抽出バッファー(100mM Tris-HCl(pH8.0) ; 100mM NaC
l ; 10mM EDTA ; 1 % SDS)、2.5mlのβ-メルカプトエタ
ノール、および10mlのPCl(TE-フェノール:クロロホル
ム:イソアミルアルコール=25 : 24 : 1)の混液中に懸
濁し、ヒスコトトロンで5分間ホモジナイズした。40分
間撹拌後、8,000rpmで20分間遠心分離し、(1)その上
層15mlに等量のTE-フェノールを加え再び40分間撹拌し
た。遠心分離後、(1)の操作をさらに2回繰り返した。
上層に等量のA液(クロロホルム:イソアミルアルコー
ル=24:1)を加え、40分間撹拌した。遠心分離後、そ
の上層に1/10量の3M 酢酸ナトリウムと等量のイソプロ
パノール混液を加え、しばらく放置した。遠心分離後、
沈澱を70%エタノールで洗浄した後、60℃に保温した0.
5%DEPCを1.2ml加えた。不純物を除去後、1/3容量の8M
LiClを加え0℃で4時間静置した。遠心分離後、ペレット
に3mlの70%エタノールを加え撹拌した。遠心分離し、
さらにペレットに2mlのDEPC溶液、等量のA液を加え撹拌
して遠心分離し、その上層に1/3の容量の8M LiClを加え
0℃で4時間静置した。遠心分離後、70%エタノールで洗
浄しペレットに1mlのDEPC液、等量のA液を加え遠心分離
し、その上層をエタノール沈殿した。再び70%エタノー
ルで洗浄後、ペレットに100μlのDEPC液を加えTotal RN
Aを得た。Total RNAより、poly(A)mRNAをオリゴテック
スdT30スーパー(Takara)を用いて精製した。このpoly
(A)mRNAから、cDNA synthesis kit(Amersham Pharmacia
Biotech)を用いてcDNAを合成した。このcDNAをファー
ジベクターλZipLox(GIBCO BRL)のNot I,Sal I部位に
連結した後、in vitroパッケージング(invitro packag
ing kit;Gigapack II Plus,Stratagene)し、スギ花粉c
DNAライブラリーを得た。cDNAライブラリーの力価は1.6
×107pfuであった。
のスクリーニング スギ花粉症患者血清(RASTスコアが3以上のスギ花粉症
患者26名の血清をプールしたもの)を用いて上記cDNAラ
イブラリーをスクリーニングした。上記ファージ液(約
5×10pfu)100μlとE.coli Y1090(GIBCO BRL)の終夜
培養液500μlを混合し、37℃で15分間インキュベートし
た。次にファージ液をLBプレート(LB/1.5% Bacto aga
r)上に広げ、数分間静置して固化・乾燥させた後、42
℃で5時間培養した。次に、予め20mM IPTGに浸して乾燥
させたメンブレン(Hybond-C extra,Amersham LIFE SCI
ENCE)を培地の上に乗せ、37℃で3時間インキューベー
トした。メンブレンはTBS-T(10mM Tris-HCl,pH7.4/150m
M NaCl/0.05% Tween20)で洗浄した後、ブロッキング液
(TBS-T/1% BSA)中で一晩振盪した。TBS-Tで洗浄後、同
ブロッキング液で1,000倍に希釈したヒト血清とともに
一晩振盪した。TBS-Tで充分洗浄した後、同ブロッキン
グ液で50,000倍に希釈した抗ヒトIgEEPSILON CHAIN BIO
TIN CONJUGATE(BIOSOURCE)とともに2時間振盪した。TBS
-Tで洗浄後、同ブロッキング液で50,000倍に希釈したHR
P-ストレプトアビジン(ZYMED)とともに2時間振盪した。
TBS-Tで洗浄後、基質液であるECL Plus substrate solu
tion(Amersham Pharmacia Biotech)中にメンブレンを浸
し発色させた。結果、14個の陽性クローンが得られた。
決定 上記陽性クローンの一つをSM液(50mM Tris-HCl,pH7.5;
100mM NaCl; 10mM MgSO4・H2O; 0.01%ゼラチン)に懸
濁した。遠心後、その上清25μlをE.coli DH10B(GIBCO
BRL)100μlと5分間混合した。そしてLBプレート(LB/
10mM MgCl2,100μg/ml ampicillin,1.5% Bacto agar)
上に広げ37℃にて一晩培養した。シングルコロニーをLB
培地(LB/100μg/ml アンピシリン)に接種し37℃で一晩
培養後、QIAprep Spin Miniprep kit 250(QIAGEN,Germa
ny)を用いてプラスミドDNAを精製した。DNA塩基配列
は、Thermo sequenase fluorescent labelled primer c
ycle sequence kit with 7-deaza-dGTP(Amersham Life
science Ltd, Buckinghamshire, UK)を用いたサイクル
シークエンス法により決定した。このDNAを“CJP-6 DN
A”と称する。DNA配列は図1および配列番号:5に示し
た。CJP-6 cDNAは、全長1233bpからなり、開始コドンAT
G(94〜96ヌクレオチド)から始まり、終止コドンTGA
(1012〜1014)で終わるヌクレオチドの間に、306個の
アミノ酸をコードするリーディングフレームを有してい
た。リーディングフレームは、アスパラギン型糖鎖が結
合する可能性のあるコンセンサス配列Asn−X−Ser/Thr
をコードする配列を二カ所(154〜162ヌクレオチドおよ
び715〜723ヌクレオチド)含んでいた(図1:□で囲ん
だ)。CJP-6 cDNAがコードする推定アミノ酸配列は、ホ
モロジー検索の結果、シラカバ花粉アレルゲンBet v 6
のアミノ酸配列と高い相同性を示した(図2)。
ランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質(GST-rCJ
P-6融合タンパク質)として発現させた。CJP-6 cDNAの
翻訳領域を含むように設計したセンスPCRプライマー
(配列番号:1)、およびアンチセンスPCRプライマー
(配列番号:2)を用い、CJP-6cDNAを鋳型としてPCR反
応を行った。PCRは、95℃ 2分の変性後、94℃-30秒、 5
3℃-30秒、 72℃-30秒を30 サイクル行った。PCR産物を
アガロースゲル電気泳動後、Gel Extraction kit(QIAG
EN, Germany)を用いてDNA断片を精製した。このDNA断
片をpGEM-TEasy Vector System I(Promega)を用いてp
GEM-TEasy Vector連結した後、Escherichia coli DH5α
株に形質転換した。この形質転換体からアルカリ−SDS
法でプラスミドを調製した。このプラスミドをEcoR I消
化後、その断片を発現ベクターpGEX-3XのEcoR I部位に
連結し、E. coli BL21株に形質転換した。LBプレート(L
B/100μg/ml アンピシリン)にて一晩培養後、そのシン
グルコロニーをLB液体培地(LB/100μg/ml ampicillin)
に接種し、O.D.600値が0.4に達するまで37℃にて振盪培
養した。次に終濃度0.1mMとなるようにIPTGを添加したL
B培地中でさらに一晩培養した。培養液は遠心分離して
上清を回収し、2mlのグルタチオンセファロース4B樹脂
[50%(v/v), Amersham Pharmacia Biotech.]を用いてG
ST-rCJP-6融合タンパク質をアフィニテイー精製した。
精製融合タンパク質をFactor Xaで切断し、グルタチオ
ン樹脂で遊離したGSTを除去して精製組換えCJP-6タンパ
ク質(rCJP-6タンパク質)を得た。図3にrCJP-6タンパ
ク質の精製過程を示す。rCJP-6タンパク質が単一バンド
として精製された(図3レーン5)。
抗体の検出 rCJP-6タンパクに特異的に結合するスギ花粉症患者の血
清中のIgE抗体量をELISAで調べた。rCJP-6タンパク溶液
(0.5μg/ml:100mM bicarbonate buffer,PH9.3)50μl
をマイクロタイタープレートのウエルに加え、25℃で2
時間インキュベートした。洗浄後、200μlのブロッキン
グバッファーを加え、25℃で2時間ブロッキングした。
洗浄後、同バッファーで50倍希釈したヒト血清(RASTス
コアが3以上のスギ花粉症患者25名の血清、および健
常者3名の血清)50μlを加え、4℃で一晩インキュベー
トした。洗浄後、同バッファーで1,000倍に希釈した抗
ヒトIgE EPSILON CHAIN BIOTIN CONJUGATE50μlを加
え、25℃で2時間インキュベートした。洗浄後、同バッ
ファーで1,000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ
標識ストレプトアビジン50μlを加え、25℃で2時間イン
キュベートした。十分洗浄した後、AttoPhosTM50μlを
加え30分インキュベート後、血清中IgEに対するをCytoF
luorT MIIで測定した。rCJP-6タンパクに特異的に結合す
るIgE量は、標準IgEの希釈系列から算出し、IgE1pgを1
Unitと定義した。結果を図4に示す。破線は、健常者
3名の血清IgE量の平均値+3SD(標準偏差)を示
し、この破線以上のIgE量を有意とみなした。図4か
ら、rCJP-6タンパクに対して、スギ花粉症患者25名のう
ち19名の血清中のIgE(76%)が結合することが明らか
である。すなわち、スギ花粉症患者のおよそ80%がrCJP
-6タンパクに対してアレルギー感受性であり、rCJP-6タ
ンパクは主要アレルゲンの一つであることが本発明によ
り明らかとなった。
ン遺伝子CJP-6および該遺伝子がコードするアレルゲン
タンパク質CJP-6が単離された。このアレルゲンタンパ
ク質CJP-6またはその抗原性断片は、単独で、またはス
ギ花粉アレルゲンCry j 1、及び/又はCry j 2と組み合
わせて、スギ花粉に感受性の個人に対する診断あるいは
減感作療法に用いることができる。
チド配列および推定アミノ酸配列を示す図である。アス
パラギン型糖鎖の結合可能部位を□で囲んだ。
段)とカバアレルゲンBet v6とのアミノ酸配列の相同性
を示す図である。*は一致したアミノ酸残基を示し、・
は類似のアミノ酸残基を示す。−で示すギャップは、最
適のアライメントを設定することにより生じたものであ
る。
Eで解析した図である。 レーン1:分子量マーカー、レーン2:細胞全抽出物(I
PTG-)、レーン3:細胞全抽出物(IPTG+)、レーン4:細
胞抽出物、およびレーン5:精製CJP-6、をそれぞれ示
す。
CJP-6タンパク質の特異的結合能をELISAで測定した結果
をIgE結合量(Units/ml)で示した。健常者3名の血清I
gE量の平均値+3SD(標準偏差)を破線で示し、この
破線以上のIgE結合量を有意とみなした。
Claims (9)
- 【請求項1】 スギ花粉アレルゲンCJP-6、またはその
少なくとも1つの抗原性断片をコードするヌクレオチド
配列を有する核酸、又は該ヌクレオチド配列の機能的等
価物。 - 【請求項2】 該ヌクレオチド配列が、本質的に図1又
は配列番号5のコード部分またはその少なくとも1断片
からなる請求項1記載の核酸。 - 【請求項3】 CJP-6タンパク質の全部または一部をコ
ードするヌクレオチド配列を含む核酸でトランスフォー
ムした宿主細胞中で産生されたCJP-6タンパク質または
その断片を含むタンパク調製物。 - 【請求項4】 上記断片が抗原性断片である請求項3に
記載のタンパク調製物。 - 【請求項5】 化学的に合成したCJP-6タンパク質また
はその少なくとも1断片を含むタンパク質調製物。 - 【請求項6】 上記CJP-6タンパク質が図1又は配列番
号4に示すアミノ酸配列を含む請求項3に記載のタンパ
ク質調製物。 - 【請求項7】 少なくとも1つのT細胞エピトープを含
む単離したペプチド。 - 【請求項8】 単離したCJP-6タンパク質またはその少
なくとも1断片および製薬上許容し得る担体若しくは希
釈剤を含む治療用組成物。 - 【請求項9】 上記CJP-6タンパク質が図1又は配列番
号4に示すアミノ酸配列を含む請求項8に記載の治療用
組成物。
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JP2015522584A (ja) * | 2012-06-29 | 2015-08-06 | サーカッシア リミテッド | アレルギーを予防又は治療するためのスギペプチド |
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