JP3704577B2 - 新規なスギ花粉アレルゲンタンパク質をコードする核酸分子 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、スギ花粉症の予防、もしくは治療に有用な、スギ花粉アレルゲンCJP-6タンパク質または該タンパク質をコードする核酸分子に関する。
【0002】
【従来の技術】
スギ花粉症は、国民の1割以上、都市部においては2割以上が罹患しているといわれ、社会問題化しているのは周知の事実である。スギ花粉症は、スギ(Cryptomeria japonica)の花粉をアレルゲンとする、鼻炎、結膜炎が主たる症状とするIgE依存型(I型)アレルギー性疾患である。スギ花粉症は、スギの産地周辺よりも、交通量の多い街道沿いや都市部に多発することから、ディーゼルエンジン排ガスやストレスとの関係も推定され複雑な現代病と受け取られている。
【0003】
スギ花粉症に対する治療法としては、抗ヒスタミン薬を用いる化学療法が一般的におこなわれているが、対症療法であり花粉症を治癒させることはできない。スギ花粉抽出エキスを患者に繰り返し投与する減感作療法の効果は、完治とまではいかないが治療期間の短縮、薬物投与量の減少など、長い目でみれば有用性を期待しうる治療法である。しかし、現行のスギ花粉治療エキスによる減感作の効果は、ハウスダスト減感作に比べれば劣ること、アナフィラキシーなどの副作用への対応に十分な配慮が必要なこと、など課題がある。そこで、スギ花粉症アレルゲン遺伝子を単離し、そのアレルゲンの構造を明らかにし、エピトープ解析、アレルゲン性を解明して、結果を治療現場にフイードバックし、スギ花粉症の予防・治療に役立てることが望まれる。
【0004】
スギ花粉は、現在、抗原性の異なる少なくとも二種類のメジャーなアレルゲンの存在が明らかにされている。一つは、安枝らの文献(J. Allergy Clin. Immunol., 45: 77-86, 1983)に報告されているSBP(Sugi basic protein)と呼ばれるタンパク質である。SBPはCryptomeria japonica の最初に報告されたアレルゲンであることからCry j Iという名称で登録され、1992 年の表記法の改定(King, T. E. et al.: Bull. WHO 72: 797-806, 1994 )によってCry j 1 となり現在にいたっている。いま一つは、坂口らの文献(Sakaguchi, M. et al.: Allergy, 45: 309-312, 1990)に報告されている、SBP に相当する分画中にCry j とは異なった抗原性を有する1Cry j 2と呼ばれるタンパク質である。
【0005】
その後、Cry j 1、およびCry j 2のcDNAがクローニングされ、それぞれのアミノ酸配列(一次構造)が明らかにされている(Sone, T. et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 199: 619-625, 1994; Komiyama, N. et al.: Biochem. Biophys. Res. Commun., 201: 1021-1028, 1994)。そして、Cry j 1、あるいはCry j 2の一次構造を全てカバーする12〜20残基からなるオーバーラッピングペプチドを化学合成し、アレルギー患者の末梢血リンパ球、樹立されたT細胞ライン、あるいはT細胞クローンでを刺激することによって、Cry j 1(PCT公開公報:WO94/01560)、あるいはCry j 2分子(Sone, T. et al.: J. Immunol., 161: 448-457, 1998)上のT細胞エピトープが同定されている。
【0006】
一方、本発明者らは、他のアレルゲンには多数のアミノ酸置換アイソアレルゲンが見出されている[例えばシラカバ花粉アレルゲンBet v 1には現在11種類のアイソアレルゲンが分離されている(Swoboda, I. et al.: J. Biol. Chem., 270: 2607-2613, 1995)]こと、およびスギ花粉についても、上記主要アレルゲンCry j 1およびCry j 2のみの減感作では十分な、効果が得られていないことを考慮すると、スギ花粉についても、上記主要アレルゲンCry j 1およびCry j 2以外に特徴あるアレルゲンの存在している可能性は十分にあると考えた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スギ花粉中の新規なアレルゲン遺伝子をクローニングし、該遺伝子によってコードされるアレルゲンタンパク質の一次構造構造を明らかにし、その免疫化学的特性を解明することを課題とする。また、本発明は、該アレルゲンタンパク質に感受性の個人に対する、該アレルゲンに起因するアレルギー疾患の予防または治療剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スギ花粉症の予防および治療に有効なアレルゲン遺伝子のクローニングを課題としていることから、スギ花粉症患者血清を用いて、スギ花粉細胞から作製したcDNAライブラリーからアレルゲン候補遺伝子をスクリーニングした。その結果、主要アレルゲンCry j 1およびCry j 2以外に、スギ花粉症患者中のIgEが結合する新規なスギ花粉アレルゲンをコードする遺伝子のクローニングに成功した。そして該遺伝子の発現産物の免疫学的特性を解析し、該発現産物が新規なスギ花粉アレルゲンタンパク質であることを見出した。
【0009】
すなわち本発明は、
(1) スギ花粉症患者血清中のIgEと反応する配列番号:4で表されるアミノ酸配列を有する花粉アレルゲンCJP-6タンパク質、
(2) スギ花粉に感作されたヒト集団のT細胞をin vitroで増殖させうる(1)記載のCJP-6 タンパク質由来のT細胞エピトープペプチド、
からなる。
【0010】
以下に本発明を詳細に説明する。
通常、目的遺伝子をクローニングするためには、遺伝子ライブラリーからのスクリーニングの段階で対応するタンパク質に特異的な抗血清やモノクローナル抗体、又は遺伝子プローブが必要となる。事実、主要抗原Cry j 1及びCry j 2は後者の方法によってそれぞれ単離された(Sone, T. et al.: Biochem Biophys Res Commun., 199(2): 619-625, 1994; Komiyama, N. et al.: Biochem Biophys Res Commun., 201(2): 1021-1028, 1994)。また酵素遺伝子の単離にその基質または基質アナログの標識物を用いるなど、遺伝子産物の生理活性を利用した方法も多用されている(Nomura, T. et al.: Men eki(in japanese, 29: 169-175, 1992)。
【0011】
スギ花粉などのI型アレルギーは、人体内に侵入したアレルゲン分子がマスト細胞上に受容体(FcεRI)を介して結合した感作業状態のIgE抗体とマスト細胞上で抗原抗体反応して複合体を形成し、受容体からの細胞内シグナル伝達によって貯留されているヒスタミンの遊離や、新しく合成されるロイコトリエン(LT)、トロンボキサンA2(TXA2)、PAFなどが分泌・遊離されることが引き金となる(Ishizuka K, et al.: J. Immunol., 97: 75, 1966; Sullivan, T.J. et al.: Clin. Immunol., 99-115, 1980; Ishizuka, T. et al.: J. Allergy Clin. Immunol., 61: 320, 1978)。
【0012】
このことから、アレルゲン遺伝子の単離にスギアレルギー患者血清を用いて、遺伝子発現産物の特異IgE抗体との反応性を指標とする方法が有用であると考えられた。そこで、本発明者らは、スギ花粉症患者血清をスクリーニングに用いて遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、少なくとも14種類のスギ花粉遺伝子を単離した。このうち、最も重要性の高いと考えられる1つの遺伝子について、そのコードするCJP-6タンパク質のアミノ酸配列(一次構造)を決定した。ホモロジー検索の結果、該アミン酸配列は多種の植物に由来するisoflavone reductase familyと高い相同性を示した。アミノ酸レベルでシラカバ花粉アレルゲンであるBet v 6と高い相同性(62%)を示し、洋梨アレルゲンPyr c 5とは61%、大豆由来とは50%の相同性を示した。これらの比較から、CJP-6遺伝子の5'-末端から94bpにあたるMetが開始コドンであると推定された(配列番号:5および図1)。CJP-6遺伝子は開始コドンATG(ヌクレオチド94〜96位)から終止コドンTGA(ヌクレオチド1012〜1014位)に至るヌクレオチド配列は306アミノ酸残基からなるCJP-6タンパク質をコードしていると考えられた。
【0013】
本遺伝子を発現ベクター上に組み込み、GST融合タンパク質として高発現させた後、イムノブロッティング法で解析すると、スギ花粉症患者血清中のIgE抗体に対する陽性反応が検出された。この結果は、本遺伝子がアレルゲン遺伝子であることを強く示唆している。また、GST融合タンパク質をFactor Xaで消化してGSTを切り離して得られるCJP-6タンパク質は、イムノブロッティング法および酵素免疫測定法で解析すると、それぞれ、60〜80%のスギ花粉症患者のIgEと特異的に結合することが確認された。このことから、本遺伝子のコードするCJP-6タンパク質はスギ花粉アレルゲンであると考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、CJP-6タンパク質をコードする核酸分子を提供する(配列番号:3)。CJP-6タンパク質のアミノ酸配列上には、アスパラギン型糖鎖が結合(N-グリコシド結合)する可能性のあるコンセンサス配列Asn−X−Ser/Thrが二カ所(154〜162ヌクレオチド、および715〜723ヌクレオチド)存在する。コンセンサス配列は、スギ花粉のメジャーなアレルゲンであるCry j 1には五カ所、Cry j 2には三カ所存在することが確認されている(Sone, T. et al.: Biochem Biophys Res Commun., 199(2): 619-625, 1994; Komiyama, N. et al.: Biochem Biophys Res Commun., 201(2): 1021-1028, 1994)。IgEとの結合には、N-グリコシド部位の関与が示唆されている(Taniguchi, Y. et al.: Allergy, 50: 90-93, 1995; Ohtsuki, T. et al.: Allergy, 50: 483-488, 1995)。これらのことから、CJP-6においてもこのコンセンサス配列が、IgEとの結合に関与していることが示唆される。ホモロジー検索の結果、図2に示すように、シラカバアレルゲンBet v 6と高い相同性を有するアレルゲンであることを見出した。このCJP-6遺伝子を大腸菌発現系で発現させて得られた組換えCJP-6(rCJP-6)タンパク質は、SDS-PAGE上で約34kDaの見かけの分子量を示し、N末端アミノ酸配列を分析した結果は、図1(または配列番号:4)に示す推定のN末端アミノ酸配列と一致する。また、このrCJP-6タンパク質は、ほとんどのスギ花粉症患者の血清IgEと有意な反応性を示す。これらの結果は、CJP-6タンパク質が既知のスギ花粉アレルゲンCry j 1、あるいはCry j 2とは異なる抗原性を有する新規なスギ花粉アレルゲンであることを示すものである。
【0015】
本発明の単離されたCJP-6核酸分子の適切な態様の一つは、図1(配列番号:5)で示されるDNA配列である。他の態様は、CJP-6タンパク質をコードするDNA配列(ヌクレオチド94〜1014:配列番号:3)と機能的に等価なDNA配列である。
ここで、“単離された”本発明のCJP-6核酸分子とは、スギ花粉アレルゲンから単離されたDNAまたはRNAを意味する。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離された核酸分子と考えられる。さらに、単離された核酸分子の例は、異種の宿主細胞中に保持される組換えDNA分子を含むか、または、溶液中の精製された(部分的にまたは実質的に)DNA分子を含む。さらに、単離された核酸分子は、in vivoまたはin vitro転写産物を含む。また、本発明においては、単離されたCJP-6核酸分子は、化学合成のDNA分子を含む。
【0016】
CJP-6タンパク質をコードするDNA(配列図1または配列番号:3)は、遺伝暗号(genetic code)の縮重(degeneracy)のために、実質的に異なる配列を含む。このような縮重変異体を生じることは、当業者にとって公知である。すなわち、本発明で例示したDNA配列とこの点でのみ異なる任意のDNA配列は本発明の範囲に含まれる。
【0017】
“機能的に等価な核酸分子”とは、CJP-6タンパク質の免疫学的機能、すなわち、スギ花粉症患者の血清IgEと有意(健常者の示すIgE量に標準偏差の3倍を加えた値よりも有意に高値)に反応し、アレルゲン活性を有するCry j 1およびCry j 2タンパク質を除くスギ花粉由来のアレルゲンタンパク質をコードする核酸分子を意味する。例えば、CJP-6タンパク質の免疫学的機能に影響しない変異を、例示のDNA配列(配列番号:5)に導入することができる。一般的に、タンパク質あるいはポリペプチドをコードする核酸分子は、発現産物の機能に影響を与えずにきわめて多様に変更(例えば、適当なヌクレオチドの挿入、欠失、または置換)できる。実質的な相同性(全体の50%を超える相同性を有するアミノ酸配列)を有するアミノ酸配列は、既に同一の機能を発揮し得ると考えられている。
【0018】
このような変異体の核酸配列は、本発明の範囲内に含まれる。このよな核酸配列は、一般的に、配列番号:3と同一の長さを有し、それぞれの発現産物のアミノ酸配列レベルで50%、の相同性、好ましくは60%を超える相同性、より好ましくは70%を超える相同性、最も好ましく80〜100%の相同性を示すDNA配列である。
【0019】
機能的に等価なDNA配列はまた、一般的に配列番号:3のDNA配列と、通常乃至ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションを示す核酸配列である。一般的に、核酸配列が、通常乃至ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号:3のDNA配列とハイブリダイズでき、発現産物がCJP-6タンパク質と機能的に等価であるならば、その核酸配列は、機能的なDNA配列として使用できる。
【0020】
近年、インターネット上で、種々の配列を解析するためのソフトが公開されており、それらを利用することにより、特定のアミノ酸配列が、機能的に等価であるのに十分な相同性を有するか否かを予測することが可能となってきている。したがって、当業者であれば、CJP-6タンパク質と機能的に等価なタンパク質あるいはポリペプチドをインターネット上で検索しその機能を調べることができる。
【0021】
本発明でCJP-6タンパク質のアミノ酸配列が明らかにされたので、CJP-6タンパク質分子上のT細胞エピトープ部位の同定(T細胞エピトープマッピング)が可能となり、CJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドを用いた、スギ花粉症に対するペプチド免疫療法が期待できる。T細胞は、スギ花粉粒子が体内に入り、アレルギー症状が誘発されるまでの一連の免疫応答過程で最も根本的な役割を担っている。T細胞が特異的に認識する領域は、“T細胞エピトープ”と呼ばれる。そこで、T細胞が認識するアレルゲンのペプチド部分を用いたペプチド免疫療法が試みられている(Norman, P. S. et al.: Int. Arch. Allergy Immunol., 113: 224-226, 1997; Nicodemus, C. F. et al.: Int. Arch. Allergy Immunol., 113: 326-328, 1997; Muller, U. et al.: J. Allergy Clin. Immunol., 101: 747-754, 1998)。T細胞エピトープペプチドは、通常、抗アレルゲンIgE抗体が結合するB細胞エピトープを含まないため、T細胞エピトープペプチドを用いたペプチド免疫療法は、アナフィラクシーなどの副作用が回避でき、大量投与も可能となる。
【0022】
アレルゲンタンパク質分子上のT細胞エピトープ部位の同定方法は確立された技術となっており、これに関する文献も数多い。アレルゲンタンパク質に関しては、スギ花粉アレルゲンCry j 1およびCry j 2の他に、例えば草木花粉のLol p 1、樹木花粉のBet v 1、ダニのDer p 1およびDer p 2、ネコ表皮のFel d 1、ミツバチのApi m 1、ユスリカのChi t 1についてアレルゲン分子あたり、3〜16カ所のT細胞エピトープペプチドが同定されている。このような技術背景から、当業者であれば、CJP-6タンパク質分子上のT細胞エピトープ部位を同定することは容易である。
【0023】
すなわち、CJP-6タンパク質の一次構造(図1)を全てカバーする12〜20残基からなるオーバーラッピングペプチドを化学合成する。ペプチドの化学合成は、ここ数年来急激な勢いで利用されており、それに伴い初心者でも操作できる自動ペプチド合成機が普及してきていること、また、ペプチドの受注合成も国内外で盛んに行われていること、などから容易である。スギ花粉症患者の末梢血リンパ球、あるいは該患者から樹立したCJP-6タンパク質特異的T細胞ラインに、上記オーバーラッピングペプチドを添加し、培養後、細胞の増殖能を、例えば、3Hチミジンの取り込み(CPM)を測定することによって評価する。そして、各ペプチドに対するCPMを対照のCPMで除した値が2倍以上のものを陽性とみなす。抗原特異的T細胞ラインの樹立方法は確立されており、スギ花粉症患者の末梢血リンパ球から、CJP-6タンパク質特異的T細胞ラインを樹立することは容易である。
【0024】
このようにして、患者毎に得られたCJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドについて、患者間で出現頻度の高いT細胞エピトープペプチドを選び、スギ花粉症のペプチド免疫療法に用いることができる。さらに好ましくは、T細胞エピトープペプチドのT細胞活性化の強さを加味した選択基準、例えば、重要度指数(PCT公開公報:WO94/01560)などの選択基準をCJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドに適用する。
【0025】
CJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドは、アミノ酸置換、欠失あるいは付加などの修飾を行い、これらの修飾ペプチドに対する患者毎のT 細胞ラインの増殖応答を測定することによって、本発明のCJP-6の少なくとも一つのT 細胞エピトープを含むペプチドと免疫学的に同機能を有する修飾ペプチドを容易に得ることが可能である。これらの修飾ペプチドも本発明に包含される。
【0026】
CJP-6タンパク質のT細胞エピトープペプチドは、Cry j 1、及び/又はCry j 2のT細胞エピトープペプチドと混合、若しくはペプチド結合を介して直鎖状結合させた1分子の多重T細胞エピトープペプチドとして、スギ花粉症のペプチド免疫療法に用いることができる。また、これらのペプチドを経口投与して、経口免疫寛容を誘導することも可能と考えられる。経口免疫寛容(経口減感作)は現在開発中の治療法であるが、効果を示す結果が報告され始めている。例えば、Myelin Basic ProteinのT 細胞エピトープ(ペプチド配列21-40 、71-90 )をマウスに経口投与すると「Experimental Autoimmune Encephalomyelitis (略してEAE )発症」を抑制したことが報告されている[上野川修一、久恒辰博、八村敏志、経口免疫寛容の分子生物学、蛋白質核酸酵素、39、2090-2101 (記載頁2098右、9-24行)1994年]。スギ花粉飛散時期の前、具体的には12〜1 月期に、これらのペプチドを経口投与し、免疫寛容状態を誘導しておく。この状態だとスギ花粉が飛散して鼻粘膜に花粉が付着しても、症状が出ないか、あるいは症状が軽くなることが期待される。
【0027】
さらにまた、CJP-6タンパク質のT 細胞のエピトープを含むペプチドに、アミノ酸置換、欠失あるいは付加などの修飾を加えたアナログペプチドを合成し、HLA クラスII分子には結合するが、T 細胞には情報が伝わらないアナログペプチドを同定する。これらのペプチドは、例えば点鼻薬として花粉症患者に使用すれば、天然のT 細胞エピトープを競合的に阻害するので、発症予防が期待される。
【0028】
なお、本発明でいうエピトープには、B細胞エピトープも含まれる。B細胞エピトープの同定は、オーバーラップペプチドと患者血清IgE 抗体との反応性の測定、オーバーラップペプチドによる患者血清と抗原との結合の阻害の検出等の公知の方法によって行うことができる(特開平6−69336号参照)。既に、1価のB 細胞エピトープは、アレルギー反応の抑制に有用であることが知られている。これは、1価のB 細胞エピトープは、肥満細胞または好塩基球上の対応するIgE 分子と結合し、多価エピトープによるIgE 分子架橋の形成を阻害することによるものと考えられている。
【0029】
本発明でCJP-6タンパク質をコードする核酸分子が単離されたので、プローブ若しくはプライマーを用いて、cDNAライブラリーあるいはゲノムライブラリーから対応する配列をスクリーニングすることが可能である。得られたDNA配列、およびアミノ酸配列は、例えば、配列解析プログラムを用いて解析できる。ホモロジー検索と構造予測は、例えば、インターネット上に公開されている配列データーを解析するソフトを利用して、ホモロジー検索や構造予測ができる。
【0030】
CJP-6核酸分子をタンパク質に変換する方法は公知である。現在、様々なタンパク質発現系が開発されている。すなわち、無細胞発現系、大腸菌発現系、酵母発現系、昆虫細胞発現系、動物細胞発現系である。これらの発現系には、各々一長一短があり、免疫学的特性の解析、花粉症の予防あるいは治療剤等目的に沿って発現系を選択することになり、当業者であれば、これらの発現系に関して数多くの文献、あるいは市販品が存在するので、これらの文献を参考に、あるいは市販品による発現を試み、その結果から適切な発現系の選択が可能である。
【0031】
通常の遺伝子組換え実験は、大腸菌を用いることを考えると、大腸菌発現系は最も手軽な発現系である。大腸菌発現系には、大きく分けて、(1)目的のタンパク質を他のタンパク質や短いアミノ酸配列と核酸レベルで融合させて発現させる系と、(2)そのまま単独で発現させる系とがある。融合タンパク質として発現させる系には、現在、様々な大腸菌タンパク質発現系が市販されている。融合タンパク質としては、例えば、pGEX(Pharmmacia)、pMAL(New England Biolabs)、pET(Novagen)、pRSET(Invitrogen)、pET TRX(Novagen)、pTrx Fus(Invitrogen)、pProEX HT(Cibco BRL)、のシステムが挙げられる。これらは、pTrx Fus(トリプトファン発現誘導)を除いて、何れもIPTGにより発現が誘導される。単独で発現させる系としては、例えば、転写能力が強いT7ファージRNAポリメラーゼを利用するpETシステム(Novagen、STRATAGENE)、pRSETシステム(Invitrogen)等が挙げられる。
【0032】
CJP-6タンパク質は、また、分泌シグナルのみならず、付加的な異種の機能領域を含むことができる。例えば、付加的なアミノ酸領域、特に、荷電したアミノ酸が、精製の間、あるいは引き続くハンドリングおよび貯蔵のあいだ、宿主細胞中での安定性および持続性を改善するために、該タンパク質のN末端に付加することができる。また、ペプチドの一部分を精製を容易にするために付加することができる。
【0033】
このような領域は、該タンパク質の最終調製に先だって除くことができる。安定性を改善し、精製を容易にすべく、分泌を生じさせるために、ポリペプチドに対して、ペプチドの一部の付加は、当業者によく知らた慣用技術である。
【0034】
上記形質転換体の培養液から、上記方法により発現させたタンパク質あるいはポリペプチドを単離精製するには、通常のタンパク質の単離、精製方法を用いればよい。
【0035】
本発明は、CJP-6タンパク質に対する特異的抗体、および該抗体と特異的に反応するタンパク質(あるいはポリペプチド)を提供する。該抗体は、ポリクローナル、またはモノクローナル抗体を包含する。CJP-6タンパク質、若しくはそれらの変種、またはそれらを発現する細胞を抗原として、好ましくは、非ヒト動物にアジュバントとともに投与することにより、該抗原に対して該抗体を生じさせることができる。モノクローナル抗体は、当業者によく知られた技術を用いて調製することができる(Kohler, et al., Nature 256 : 495, 1975; Curret Protocols in Molecular Biology, Ausubel, et al., ed., 1989)。CJP-6に対するポリクローナル抗体も、当業者に公知の方法を用いて調製できる(Antibodies: A Laboratory Manual ed. by Harlow and Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1988))。
【0036】
モノクローナル抗体の調製のために、連続的セルライン培養によって産生される抗体を提供する技術は、いずれも用いることができる。このような技術は、例えば、ハイブリドーマ技術(Kohler, et al., Nature 256 : 495, 1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor, et al., 1983, Immunology Today 4 : 72)、およびEBVハイブリドーマ技術(Cole, et al., 1985, in Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)、等が挙げられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものでない。
【0038】
[実施例1] スギ花粉cDNAライブラリーの作製
日本スギ花粉(広島県豊町三角島で採取)8gを、10 mlの抽出バッファー(100 mM Tris-HCl(pH8.0) ; 100mM NaCl ; 10mM EDTA ; 1 % SDS)、2.5mlのβ-メルカプトエタノール、および10mlのPCl(TE-フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール=25 : 24 : 1)の混液中に懸濁し、ヒスコトトロンで5分間ホモジナイズした。40分間撹拌後、8,000rpmで20分間遠心分離し、(1)その上層15mlに等量のTE-フェノールを加え再び40分間撹拌した。遠心分離後、(1)の操作をさらに2回繰り返した。上層に等量のA液(クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1)を加え、40分間撹拌した。遠心分離後、その上層に1/10量の3M 酢酸ナトリウムと等量のイソプロパノール混液を加え、しばらく放置した。遠心分離後、沈澱を70%エタノールで洗浄した後、60℃に保温した0.5%DEPCを1.2ml加えた。不純物を除去後、1/3容量の8M LiClを加え0℃で4時間静置した。遠心分離後、ペレットに3mlの70%エタノールを加え撹拌した。遠心分離し、さらにペレットに2mlのDEPC溶液、等量のA液を加え撹拌して遠心分離し、その上層に1/3の容量の8M LiClを加え0℃で4時間静置した。遠心分離後、70%エタノールで洗浄しペレットに1mlのDEPC液、等量のA液を加え遠心分離し、その上層をエタノール沈殿した。再び70%エタノールで洗浄後、ペレットに100μlのDEPC液を加えTotal RNAを得た。Total RNAより、poly(A)mRNAをオリゴテックスdT30スーパー(Takara)を用いて精製した。このpoly(A)mRNAから、cDNA synthesis kit(Amersham Pharmacia Biotech)を用いてcDNAを合成した。このcDNAをファージベクターλZipLox(GIBCO BRL)のNot I,Sal I部位に連結した後、in vitroパッケージング(in vitro packaging kit;Gigapack II Plus,Stratagene)し、スギ花粉cDNAライブラリーを得た。cDNAライブラリーの力価は1.6×107pfuであった。
【0039】
[実施例2] スギ花粉cDNAライブラリーのスクリーニング
スギ花粉症患者血清(RASTスコアが3以上のスギ花粉症患者26名の血清をプールしたもの)を用いて上記cDNAライブラリーをスクリーニングした。
上記ファージ液(約5×10pfu)100μlとE.coli Y1090(GIBCO BRL)の終夜培養液500μlを混合し、37℃で15分間インキュベートした。次にファージ液をLBプレート(LB/1.5% Bacto agar)上に広げ、数分間静置して固化・乾燥させた後、42℃で5時間培養した。次に、予め20mM IPTGに浸して乾燥させたメンブレン(Hybond-C extra,Amersham LIFE SCIENCE)を培地の上に乗せ、37℃で3時間インキューベートした。メンブレンはTBS-T(10mM Tris-HCl,pH7.4/150mM NaCl/0.05% Tween20)で洗浄した後、ブロッキング液(TBS-T/1% BSA)中で一晩振盪した。TBS-Tで洗浄後、同ブロッキング液で1,000倍に希釈したヒト血清とともに一晩振盪した。TBS-Tで充分洗浄した後、同ブロッキング液で50,000倍に希釈した抗ヒトIgE EPSILON CHAIN BIOTIN CONJUGATE(BIOSOURCE)とともに2時間振盪した。TBS-Tで洗浄後、同ブロッキング液で50,000倍に希釈したHRP-ストレプトアビジン(ZYMED)とともに2時間振盪した。TBS-Tで洗浄後、基質液であるECL Plus substrate solution(Amersham Pharmacia Biotech)中にメンブレンを浸し発色させた。結果、14個の陽性クローンが得られた。
【0040】
[実施例3] インサートDNAの塩基配列決定
上記陽性クローンの一つをSM液(50mM Tris-HCl,pH7.5; 100mM NaCl; 10mM MgSO4・H2O; 0.01%ゼラチン)に懸濁した。遠心後、その上清25μlをE.coli DH10B(GIBCO BRL)100μlと5分間混合した。そしてLBプレート(LB/10mM MgCl2,100μg/ml ampicillin,1.5% Bacto agar)上に広げ37℃にて一晩培養した。シングルコロニーをLB培地(LB/100μg/ml アンピシリン)に接種し37℃で一晩培養後、QIAprep Spin Miniprep kit 250(QIAGEN,Germany)を用いてプラスミドDNAを精製した。
DNA塩基配列は、Thermo sequenase fluorescent labelled primer cycle sequence kit with 7-deaza-dGTP(Amersham Life science Ltd, Buckinghamshire, UK)を用いたサイクルシークエンス法により決定した。このDNAを“CJP-6 DNA”と称する。DNA配列は図1および配列番号:5に示した。CJP-6 cDNAは、全長1233bpからなり、開始コドンATG(94〜96ヌクレオチド)から始まり、終止コドンTGA(1012〜1014)で終わるヌクレオチドの間に、306個のアミノ酸をコードするリーディングフレームを有していた。リーディングフレームは、アスパラギン型糖鎖が結合する可能性のあるコンセンサス配列Asn−X−Ser/Thrをコードする配列を二カ所(154〜162ヌクレオチドおよび715〜723ヌクレオチド)含んでいた(図1:□で囲んだ)。CJP-6 cDNAがコードする推定アミノ酸配列は、ホモロジー検索の結果、シラカバ花粉アレルゲンBet v 6のアミノ酸配列と高い相同性を示した(図2)。
【0041】
[実施例4] CJP-6 cDNAの発現
CJP-6 cDNAを、大腸菌発現系を用いてグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質(GST-rCJP-6融合タンパク質)として発現させた。
CJP-6 cDNAの翻訳領域を含むように設計したセンスPCRプライマー(配列番号:1)、およびアンチセンスPCRプライマー(配列番号:2)を用い、CJP-6cDNAを鋳型としてPCR反応を行った。PCRは、95℃ 2分の変性後、94℃-30秒、 53℃-30秒、 72℃-30秒を30 サイクル行った。PCR産物をアガロースゲル電気泳動後、Gel Extraction kit(QIAGEN, Germany)を用いてDNA断片を精製した。このDNA断片をpGEM-TEasy Vector System I(Promega)を用いてpGEM-TEasy Vector連結した後、Escherichia coli DH5α株に形質転換した。この形質転換体からアルカリ−SDS法でプラスミドを調製した。このプラスミドをEcoR I消化後、その断片を発現ベクターpGEX-3XのEcoR I部位に連結し、E. coli BL21株に形質転換した。LBプレート(LB/100μg/ml アンピシリン)にて一晩培養後、そのシングルコロニーをLB液体培地(LB/100μg/ml ampicillin)に接種し、O.D.600値が0.4に達するまで37℃にて振盪培養した。次に終濃度0.1mMとなるようにIPTGを添加したLB培地中でさらに一晩培養した。培養液は遠心分離して上清を回収し、2mlのグルタチオンセファロース4B樹脂[50%(v/v), Amersham Pharmacia Biotech.]を用いてGST-rCJP-6融合タンパク質をアフィニテイー精製した。精製融合タンパク質をFactor Xaで切断し、グルタチオン樹脂で遊離したGSTを除去して精製組換えCJP-6タンパク質(rCJP-6タンパク質)を得た。図3にrCJP-6タンパク質の精製過程を示す。rCJP-6タンパク質が単一バンドとして精製された(図3レーン5)。
【0042】
[実施例5] rCJP-6タンパク質特異的IgE抗体の検出
rCJP-6タンパク質に特異的に結合するスギ花粉症患者の血清中のIgE抗体量をELISAで調べた。
rCJP-6タンパク質溶液(0.5μg/ml:100mM bicarbonate buffer,PH9.3)50μlをマイクロタイタープレートのウエルに加え、25℃で2時間インキュベートした。洗浄後、200μlのブロッキングバッファーを加え、25℃で2時間ブロッキングした。洗浄後、同バッファーで50倍希釈したヒト血清(RASTスコアが3以上のスギ花粉症患者25名の血清、および健常者3名の血清)50μlを加え、4℃で一晩インキュベートした。洗浄後、同バッファーで1,000倍に希釈した抗ヒトIgE EPSILON CHAIN BIOTIN CONJUGATE50μlを加え、25℃で2時間インキュベートした。洗浄後、同バッファーで1,000倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識ストレプトアビジン50μlを加え、25℃で2時間インキュベートした。十分洗浄した後、AttoPhosTM50μlを加え30分インキュベート後、血清中IgEに対するをCytoFluorTMIIで測定した。rCJP-6タンパク質に特異的に結合するIgE量は、標準IgEの希釈系列から算出し、IgE1pgを1 Unitと定義した。結果を図4に示す。破線は、健常者3名の血清IgE量の平均値+3SD(標準偏差)を示し、この破線以上のIgE量を有意とみなした。
図4から、rCJP-6タンパク質に対して、スギ花粉症患者25名のうち19名の血清中のIgE(76%)が結合することが明らかである。すなわち、スギ花粉症患者のおよそ80%がrCJP-6タンパク質に対してアレルギー感受性であり、rCJP-6タンパク質は主要アレルゲンの一つであることが本発明により明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、新規なスギ花粉アレルゲンCJP-6質タンパク質をコードする核酸分子が単離された。この核酸分子を大腸菌などで発現させて組換えCJP-6タンパク質を製造することが可能となった。組換えCJP-6タンパク質は単独で、またはスギ花粉アレルゲンCry j 1、及び/又はCry j 2と組み合わせて、スギ花粉に感受性の個人に対する減感作療法に用いることができる。またCJP-6タンパク質由来のT細胞エピトープペプチドはスギ花粉症に予防または治療剤として用いることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スギ花粉アレルゲンCJP-6のcDNAのヌクレオチド配列(上段)および該ヌクレオチド配列に対応する推定アミノ酸配列(下段)を示す図である。アスパラギン型糖鎖の結合可能部位を□で囲んだ。
【図2】 スギ花粉アレルゲンCJP-6タンパク質(上段)とカバアレルゲンBet v 6とのアミノ酸配列の相同性を示す図である。*は一致したアミノ酸残基を示し、・は類似のアミノ酸残基を示す。−で示すギャップは、最適のアライメントを設定することにより生じたものである。
【図3】 rCJP-6タンパク質の精製過程を、12.5%SDS-PAGEで解析した図である。レーン1:分子量マーカー、レーン2:細胞全抽出物(IPTG-)、レーン3:細胞全抽出物(IPTG+)、レーン4:細胞抽出物、およびレーン5:精製CJP-6、をそれぞれ示す。
【図4】 スギ花粉症患者25名の血清IgE抗体に対するrCJP-6タンパク質の特異的結合能をELISAで測定した結果をIgE結合量(Units/ml)で示した。健常者3名の血清IgE量の平均値+3SD(標準偏差)を破線で示し、この破線以上のIgE結合量を有意とみなした。
【配列表】
Claims (1)
- スギ花粉に感作されたヒト集団のT細胞をin vitroで増殖させうるスギ花粉症患者血清中のIgEと反応する配列番号:4で表されるアミノ酸配列からなる花粉アレルゲンCJP-6 タンパク質由来のT細胞エピトープペプチド。
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