JP2002056862A - 燃料電池のシール構造およびゴムパッキンの成形方法 - Google Patents
燃料電池のシール構造およびゴムパッキンの成形方法Info
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Abstract
り、シール性に完全を期すことができる燃料電池のシー
ル構造を提供する。 【解決手段】 ゴムを含むコーティング剤をセパレータ
の周縁部表面に塗布し、形成された未架橋のゴム薄膜
を、放射線架橋などにより加硫又は架橋させ、架橋ゴム
層を有する燃料電池用セパレータを調製する。この燃料
電池用セパレータを燃料電池本体の両側部に配設するこ
とにより、シール性の高い燃料電池を構築する。放射線
架橋を利用した燃料電池用セパレータを用いると、ゴム
パッキンの成分により燃料電池の性能が阻害されない。
Description
体高分子型燃料電池のシール構造およびこれに用いるゴ
ムパッキンの成形方法に関するものである。
を有するイオン交換樹脂等の膜を高分子電解質膜として
用い、この高分子電解質膜を挟んでその両側にカソード
電極(正極)とアノード電極(負極)の両電極を配置
し、例えば負極側に水素ガス等の燃料ガスを、一方正極
側には酸素ガス又は空気等の酸化ガスを供給して電気化
学反応を起こさせることにより、燃料ガスのもつ化学エ
ネルギーを電気量に変換して電気を発生させるものであ
る。
解質として用いる固体高分子型燃料電池では、燃料ガス
や酸化ガスが高分子電解質膜の周縁部から漏出しないよ
うに気密にガスシールしなければならず、通常、圧縮成
形、射出成形あるいはシートの打ち抜き等により成形さ
れた薄肉のゴムパッキンを高分子電解質膜の周縁部に配
設したシール構造が採用されている。
は、燃料ガスおよび酸化ガスに対するガスシールであ
り、そのシールは長期間に亘り厳重に保持する必要があ
るため、ゴムパッキンの精度及び耐久性を高めたものが
要求されている。また、上記のゴムパッキンは極めて薄
いフィルム状の薄膜体であり、圧縮成形、射出成形等に
より成形した場合には、厚みにばらつきがあり高精度の
ものが得られないほか、薄肉で柔軟なゴムパッキンを燃
料電池の所定の位置に組み込む作業が困難であり、組み
付け時に変形や位置ずれが生じて確実なシール性を確保
できない問題点がある。
電解質型燃料電池のセルとセパレータとの間をシールす
るためのシール材であって、前記固体電解質型燃料電池
の運転温度より低い温度で軟化し、前記運転温度で結晶
化して固相状態の結晶化ガラスとなるガラス材料である
シール材が開示されている。しかし、このようなシール
材は、単電池とセパレータとの間の所定部位に位置決め
しながら配設する必要があり、燃料電池を簡便かつ効率
よく構築できない。
は、ゴムパッキンを所定位置に確実に配設でき、しかも
緊密なシール性を確保できる燃料電池のシール構造、お
よび前記シール構造に用いるゴムパッキンの成形方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、高精度で耐
久性が高いゴムパッキンを形成できるとともに、薄肉で
あっても高い作業効率で燃料電池にゴムパッキンを組み
込むことができる燃料電池のシール構造、および前記シ
ール構造に用いるゴムパッキンの成形方法を提供するこ
とにある。本発明のさらに他の目的は、ゴムパッキンの
配設作業が不要であり、しかも確実にシールでき、高い
生産性で燃料電池アセンブリを構築できる燃料電池のシ
ール構造を提供することにある。
のセパレータの周縁部に、ゴムパッキンとして、加硫又
は架橋したゴム層を形成すると、ゴムパッキンを電極と
セパレータとの間に配設することなく、薄層であっても
ゴムパッキンを所定位置に確実に配設でき、緊密なシー
ル性を確保できることを見いだし、本発明を完成した。
は、燃料電池の単電池と、この単電池を扶持するセパレ
ータとの間にパッキンが介在するシール構造であって、
前記パッキンが加硫又は架橋ゴム層で構成され、かつセ
パレータの周縁部に加硫接着して形成されるものであ
る。前記単電池は、電解質層(例えば、固体高分子電解
質膜)と、この電解質層の両側にそれぞれ配されたカソ
ード電極及びアノード電極とを備えている。
るゴムパッキンの成形方法は、ゴムを含むコーティング
剤を、スクリーン印刷法によりセパレータの周縁部にコ
ーティングしてゴム層を形成し、このゴム層を加硫又は
架橋させるものである。好ましくは、マスクでセパレー
タの表面を覆い、ゴムを含むコーティング剤を前記マス
ク上から複数回塗布し、前記セパレータの周縁部に所定
の厚さのゴムコーティング層を形成し、溶剤を除去して
加硫又は架橋処理を施し、前記セパレー夕に直接接着一
体化した薄肉ゴム層を形成するものである。
参照しながら説明する。図1は、固体高分子型燃料電池
を構成する単位セル1の概略縦断面図であり、通常、燃
料電池は、複数の前記単位セル1を積層した積層体(図
示せず)として構成されている。
料電池本体)と単電池を挟持するセパレータとで構成さ
れており、前記単電池は、高分子電解質膜2と、この高
分子電解質膜2の両側に配設されたカソード電極3およ
びアノード電極4とで構成されている。また、単電池
(又は燃料電池本体)の前記カソード電極3およびアノ
ード電極4にはそれぞれセパレータ5,6が当接して設
けられている。これらのセパレータ5,6は、ガス不透
過性であるとともに、導電性の高い導電性材料(例え
ば、炭素質導電材)で形成されている。すなわち、前記
セパレータ5,6はガス遮断性と導電性とを備えた集電
体として機能している。前記セパレータ5のカソード電
極3側には、図示しない酸化ガス供給管に連通した酸化
ガス供給用の溝7が設けられ、前記セパレータ6のアノ
ード電極4側には、図示しない燃料ガス供給管に連通し
た燃料ガス供給用の溝8が設けられている。
2、カソード電極3およびアノード電極4で構成された
単電池(燃料電池本体)の周囲に燃料ガスおよび酸化ガ
スが漏洩するのを防止するとともに、カソード電極側セ
パレータ5とアノード電極側セパレータ6との間の絶縁
を確保するため、単電池とセパレータ5,6との間に額
縁状(ループ状)のゴムパッキン9,10が介在してい
る。
9,10は、予めセパレータ5,6の周縁部表面に直接
成形され、かつ加硫工程で接着一体化している。すなわ
ち、シール構造において、前記パッキン9,10は、か
つセパレータ5(6)の周縁部に直接接着して密着(す
なわち、セパレータ表面にループの形態で密着)し、均
一な厚みの加硫又は架橋した薄肉ゴム層で構成されてい
る。
図3に示すように、セパレータ5(6)の表面を、額縁
状の透孔12を有するマスク11で覆い、溶剤によりゴ
ムコンパウンドを溶解させたゴム溶液をマスク上から塗
布するスクリーン印刷法を利用して、所定回数(例え
ば、複数回)塗布し、前記透孔12を通じてその形状に
合致した所定厚さの未加硫ゴムコーティング層13を形
成し、上記溶剤を揮発させてから前記未加硫ゴムコーテ
ィング層13の加硫処理を行い、セパレータ5の周縁部
に額縁状の薄肉ゴム層13(ゴムパッキン9)が加硫接
着して一体に形成されている。
タを用いると、ゴムパッキンの配設作業が不要であり、
ゴムシール層が薄くても、単電池の両側部にセパレータ
を配設するという簡単な操作により、確実かつ精度よく
位置決めして前記単位セルを構築できるとともに、高い
組立作業性および生産性で容易に固体高分子型燃料電池
のシール構造を形成できる。
は、特に制限されず、固体高分子型電解質膜に限らず、
リン酸型電解質膜などであってもよい。好ましい電解質
膜は、固体電解質膜、特に固体高分子型電解質膜、例え
ば、スルホン酸基が導入されたフッ素樹脂で構成された
ナフィオン膜などが使用できる。
に加硫又は架橋ゴム層が形成されており、燃料電池の単
電池の両側に配されて単電池の周縁部をシールするもの
である。前記セパレータは、ガス遮断性又はガス不透過
性を有していればよく、導電性を備えた集電体に限ら
ず、非導電性であってもよい。セパレータとしては、通
常、集電体を用いる場合が多く、導電性が高く及びガス
透過性が低い材料、例えば、炭素材(カーボングラファ
イト複合材など)などが利用できる。
であればよく、例えば、ジエン系ゴム[天然ゴム(N
R)又はイソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、スチレンーブタジエンゴム(SBR)、ニトリル
ゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R))、クロロプレンゴム(CR)など]、ブチルゴム
(IIR)、シリコーンゴム(Q)(ポリジメチルシロ
キサンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(V
MQ)、フェニルシリコーンゴム(PMQ)、フッ化シ
リコーンゴム(FVMQ)、フェニルビニルメチルシリ
コーンゴム(PVMQ)など)、オレフィン系ゴム(エ
チレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピ
レン−ジエンゴム(EPDM)など)、アクリルゴム
(アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル
酸C2-8アルキルエステルを含む共重合体ゴム(AC
M,ANMなど))、フッ素ゴム(FKM)、ウレタン
ゴム(U)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、ポリノルボルネンゴ
ム、熱可塑性エラストマー(ポリオレフイン系エラスト
マー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー、ポリアミド系エラストマー、スチレン系樹
脂エラストマーなど)などが例示できる。ゴムとして
は、液状又はペースト状ゴム、例えば、液状ポリブタジ
エン、液状ポリイソプレン、液状ポリクロロプレン、液
状又はペースト状シリコーン(RTVシリコーンゴム,
LTVシリコーンゴム)なども使用できる。これらのゴ
ムは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。な
お、ゴム溶液として液状シリコーンゴムのような液状ゴ
ムを使用する場合には、溶剤で溶解することなく塗布す
ることができる。ゴム層は、燃料ガス及び酸化剤に対し
て不活性なゴムで構成するのが好ましい。このようなゴ
ムとしては、優れたクッション性を有する前記オレフイ
ン系ゴム、シリコーンゴムなどが例示できる。
どにより加硫又は架橋している。加硫剤としては、硫黄
系加硫剤も使用できるが、例えば、ジクミルパーオキサ
イド、ジt−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルぺルオキシ)ヘキサンなどの
有機過酸化物が好ましい。加硫剤の使用量は、ゴム10
0重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜
10重量部程度の範囲から選択できる。
射により加硫又は架橋している。放射線架橋において、
必要であれば、光重合開始剤(ベンゾフェノン系化合
物、ベンゾイン系化合物、キサントン系化合物などのケ
トン類など)をゴム層に含有させてもよい。光重合開始
剤の使用量は、例えば、重合性単量体(前記多官能性単
量体、単官能性単量体)100重量部に対して1〜10
重量部程度の範囲から選択できる。特に、ゴム層は、加
硫剤(架橋剤)および加硫助剤(架橋助剤)を実質的に
含まず、放射線架橋により形成されているのが好まし
い。放射線架橋によりゴム層(ゴム薄膜層)を形成する
と、ゴム分子鎖間で直接C−C結合が形成され、ゴム層
に硫黄や過酸化物等の加硫剤や加硫助剤を配合する必要
がなく、燃料電池の性能が阻害されることがない。さら
に、ゴム材料から燃料電池の性能を阻害する陽イオン不
純物(例えば酸化亜鉛や酸化マグネシウム等の金属酸化
物)が溶出することもない。なお、電池性能が低下する
可能性を低減するため、ゴム層は光重合開始剤を含有し
ていなくてもよい。
クを含有していてもよい。カーボンブラックとしては、
ファーネスカーボンブラック、アセチレンカーボンブラ
ック、チャンネルカーボンブラック、ランプカーボンブ
ラック、ケッチェンカーボンブラック、サーマルカーボ
ンブラックなどが例示できる。これらのカーボンブラッ
クは単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
いカーボンブラック、特にサーマルカーボンブラックで
ある。このサーマルカーボンブラックは、サーマル(熱
分解)法、すなわち燃料を燃焼させて熱分解温度以上に
加熱した炉内に天然ガスを導入し、天然ガスの熱分解に
より生産されたカーボンブラックであり、他のオイルフ
アーネスカーボンブラックやアセチレンカーボンブラッ
ク等に比較して、大粒径で低ストラクチヤーの比表面積
が非常に小さなカーボンブラックであり、電気絶縁性能
に優れるとともに、完全燃焼法のため灰分や硫黄などの
不純物含有量が極端に少ない特長を有している。したが
って、このサーマルカーボンブラックが配合されたゴム
パッキンは、燃料電池の発電に悪影響を及ぼす不純物を
ほとんど含有せず、燃料電池用セパレータユニットとし
て好適に使用できる。
カーボンブラックの平均粒子径は、通常、100〜50
0nm、好ましくは120〜500nm、さらに好まし
くは150〜400nm、特に200〜350nm(例
えば240〜310nm)程度である。また、サーマル
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、例えば5〜2
0m2/g、好ましくは7〜15m2/g(例えば9〜
9.5m2/g)、ジブチルフタレート(DBP)吸油
量は、例えば10〜50cm3/100g、好ましくは
20〜45cm3/100g、さらに好ましくは25〜
45cm3/100g(例えば34〜40cm3/100
g)程度である。
例えば、ゴム100重量部に対してカーボンブラック
(特にサーマルカーボンブラック)10〜100重量
部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは3
0〜70重量部程度である。なお、前記ゴム層は、必要
に応じて、慣用の配合剤、例えば、加硫促進剤、活性
剤、加硫遅延剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、
熱安定剤、老化防止剤など)、可塑剤、充填剤(ホワイ
トカーボン、タルク、炭酸カルシウムなど)、軟化剤、
滑剤、粘着付与剤、着色剤、硬化剤、補強剤などを添加
してもよい。なお、これらの添加剤として、燃料電池の
特性に悪影響を及ぼさない成分を選択するのが好まし
い。
剤などの添加剤と組み合わせることにより、ゴムコンパ
ウンド組成物としてコーティング剤中に含有させてもよ
い。コーティング剤の溶媒としては、ゴムを溶解又は分
散可能な種々の溶媒、例えば、炭化水素類(ヘキサン、
オクタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素類、トルエンなどの芳香族炭化水素
類)、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類(エタノー
ル、イソプロパノールなどの脂肪族アルコールなど)、
ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
プチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなど)などが利用できる。これ
らの溶媒は、混合溶媒として使用してもよい。また、ゴ
ムがエマルジョンなどの形態である場合、溶媒は水又は
水溶性溶媒(アルコール類、セロソルブ類など)であっ
てもよい。
における粘度は、例えば、0.1〜40Pa・S、好ま
しくは0.5〜30Pa・S、さらに好ましくは1〜1
5Pa・S程度である。粘度が0.1Pa・S未満で
は、形成される未加硫ゴムコーティング層が薄肉で所定
の厚みになるまで、塗布回数を多くしなければならず、
40Pa・Sを越えると、流動性が悪く、マスクを通過
し難く、コーティング層のムラが大きくなる。
して形成してもよいが、生産性などの点から、特にスク
リーン印刷などの慣用の印刷法により形成するのが有利
である。スクリーン印刷は、慣用の方法、例えば、セパ
レータ表面をマスクで覆い、このマスクを通じて所定の
厚さのゴムコーティング層をセパレータの周縁部に(例
えば、ループ状に)形成させる。特に、ゴム層の形状に
対応する領域に透孔を有するマスク又はスクリーンを用
いることにより行うことができる。コーティング剤は、
所定の厚みのゴム層を形成するため、複数回に亘りコー
ティング又は印刷してもよい。コーティングにより、通
常、パッキンの平面形状に対応した閉ループの形態でゴ
ム層が形成される。セパレータは、ゴム層との密着性な
どを改善するため、前処理してもよい。コーティング剤
を、セパレータの表面に直接コーティングし、溶剤を除
去して乾燥し、加硫又は架橋処理を施すことにより、前
記セパレータと接着一体化した薄肉ゴム層を形成でき
る。薄肉ゴム層の厚みは、シール性を確保できる限り特
に制限されず、例えば、30μm〜1mm、好ましくは
50μm〜0.8mm、さらに好ましくは100μm〜
500μm程度の範囲から適当に選択できる。
プレスして加硫又は架橋させてもよい。加硫又は架橋は
慣用の方法、例えば、100〜200℃程度の温度で加
熱加圧(熱プレス)することにより行うことができる。
放射線架橋において、ゴム層は紫外線照射により架橋さ
せてもよいが、電子線、X線、γ線などの高エネルギー
活性線により架橋させるのが好ましい。放射線架橋を利
用すると、前記と同様に、より小型化が要求されるセパ
レータユニットを多数重ね合わせて燃料電池を構築する
過程で、ゴムパッキンを組み込む作業が不要になること
に加えて、加熱プレスすることなくゴムパッキンを架橋
して成形できる。そのため、前記加熱加硫又は架橋に比
べて、カーボングラファイトなどで形成されたセパレー
タに何ら損傷を加えることなく、セパレータの品質を劣
化させる虞がない。なお、ゴムパッキンの耐熱性や強度
物性を考慮して、放射線照射による架橋は、その照射方
法や照射条件を最適化できる。また、架橋方法を組み合
わせてゴム層を架橋させてもよい。例えば、放射線架橋
によるゴムの完全架橋に限らず、プレ架橋として放射線
架橋を使用し、加熱処理やマイクロ波によるポスト架橋
をすることができる。
セパレータとの間に介在させるシール材を、予めセパレ
ータの所定位置表面にゴムパッキンとして成形かつ接着
一体化させているので、シール材単体を組み込む作業が
不要になり、シール材の変形や位置ずれを生じることな
く、ゴムパッキンを所定位置に確実に配設できる。しか
も単電池(燃料電池本体)とセパレータ間におけるガス
シールを容易かつ確実に行うことができ、緊密なシール
性を確保できる。特に、薄肉であっても高い作業効率で
燃料電池にゴムパッキンを組み込むことができ、高い生
産性で燃料電池アセンブリを構築できる。
ムパッキンの成形方法では、高精度で耐久性が高いゴム
パッキンを形成できる。特に、微細な厚みのゴムシール
であっても高い精度で歩留まりよく製造できる。さら
に、ゴムパッキンを放射線架橋すると、セパレータを損
傷する虞がなくさらにはゴムパッキンからの不純物の溶
出を抑制でき、燃料電池の性能を低下させることがな
い。
ンターポリマーゴム(EPT)100重量部に対し、架
橋剤として過酸化物ジクミルパーオキサイド(DCP/
100)を3重量部、ステアリン酸1.0重量部、その
他所望の配合剤とともに配合し、ミキシングロールで混
練し、未加硫ゴムを調製した。この未加硫ゴムを約1c
m角程度に細片化し、得られた細片をトルエンと共に真
空脱泡装置付攪拌機に投入し、大気圧下で10時間攪拌
し溶解後、真空脱泡装置を駆動し真空化で更に15分間
攪拌脱泡した。なお、前記未加硫ゴムとトルエンとの割
合を,前者/後者(重量比)=30/70とし、得られ
るゴム溶液の粘度を23℃において、5Pa・Sとなる
ようにした。
液をカーボングラファイト製集電体の所定表面にスクリ
ーン印刷により塗布した後、熱風乾燥機(80℃)にて
5分間乾燥させて溶剤を揮発させた。この塗布および乾
燥の処理を繰り返し7回行い、集電体周縁部表面に厚み
300μmの未加硫ゴムコーティング層を形成した。そ
の後、集電体上のゴム層を電子線照射によって架橋する
ことにより接着一体化したゴムシールを形成した。
M100重量部に対し、補強剤としてサーマルブラック
(キャンカーブ社製、MTカーボンN990ウルトラピ
ュア)40重量部を添加配合し、ミキシングロールで混
練して未加硫ゴムを調製した。この未加硫ゴムを約1c
m角程度に細片化し、得られた細片をトルエンと共に真
空脱泡装置付攪拌機に投入し、大気圧下で10時間攪拌
し溶解後、真空脱泡装置を駆動し真空化で更に15分間
攪拌脱泡した。
溶液をカーボングラファイト製セパレータの所定表面に
スクリーン印刷により塗布した後、熱風乾燥機(80
℃)にて5分間乾燥させて溶剤を揮発させた。この塗布
および乾燥の処理を繰り返し7回行い、セパレータ周縁
部表面に厚み300μmの未架橋のゴム薄膜を形成し
た。その後、電子線照射装置に導入しセパレータ上のゴ
ム薄膜を窒素雰囲気中において照射線量15〜80Mr
adの電子線を照射して架橋することにより、ゴムパッ
キンが直接成形され接着一体化された燃料電池用セパレ
ータを得た。
略縦断面図である。
図である。
す概略断面図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 燃料電池の単電池と、この単電池を挟持
するセパレータとの間にパッキンが介在するシール構造
であって、前記パッキンが加硫又は架橋ゴム層で構成さ
れ、かつセパレータの周縁部に加硫接着して形成されて
いることを特徴とする燃料電池のシール構造。 - 【請求項2】 単電池が、固体高分子電解質膜と、この
電解質膜の両側にそれぞれ配されたカソード電極及びア
ノード電極とを備えている請求項1に記載の燃料電池の
シール構造。 - 【請求項3】 ゴム層が、スクリーン印刷により形成さ
れている請求項1に記載の燃料電池のシール構造。 - 【請求項4】 ゴム層が、放射線照射により加硫又は架
橋している請求項1に記載の燃料電池のシール構造。 - 【請求項5】 ゴム層が、天然ゴム、シリコーンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンージ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロ
プレンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムから選択された
少なくとも一種である請求項1に記載の燃料電池のシー
ル構造。 - 【請求項6】 ゴム層が、サーマルカーボンブラックを
含有する請求項1に記載の燃料電池のシール構造。 - 【請求項7】 ゴムを含むコーティング剤を、スクリー
ン印刷法によりセパレータの周縁部にコーティングして
ゴム層を形成し、このゴム層を加硫又は架橋させること
を特徴とする請求項1に記載の燃料電池のシール構造に
用いるゴムパッキンの成形方法。 - 【請求項8】 マスクでセパレータの表面を覆い、ゴム
コーティング剤を前記マスク上から複数回塗布し、前記
セパレータの周縁部に所定の厚さのゴムコーティング層
を形成し、溶剤を除去して加硫又は架橋処理を施し、前
記セパレー夕に直接接着一体化した薄肉ゴム層を形成す
る請求項7に記載のゴムパッキンの成形方法。 - 【請求項9】 コーティング剤が、ゴムコンパウンドを
含有する請求項7に記載のゴムパッキンの成形方法。 - 【請求項10】 コーティング剤の23℃における粘度
が、0.1〜40Pa・Sである請求項7に記載のゴム
パッキンの成形方法。
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