JP2002054504A - スクラムジェットエンジン用燃料混合促進方法並びに装置 - Google Patents
スクラムジェットエンジン用燃料混合促進方法並びに装置Info
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Abstract
内の燃料混合促進方法並びに装置に関し、超音速気流と
燃料の混合を、より速やかに、より効率良く実現する。 【解決手段】空気取り入れ口から流入する超音速気流と
燃料噴射口から噴射される燃料が混合する領域におい
て、燃料噴射口側の壁を多孔壁にすると共に、その外側
にキャビティを設置し、この噴射口から噴出される燃料
により発生するへさき衝撃波の前後の圧力差を利用する
ことにより、超音速気流とキャビティ間で多孔壁を通し
て流れを発生させて、効率のいい亜音速状態で混合を行
い、次いで再び超音速気流に戻すことにより、速やかに
超音速気流と燃料の混合を促進する。
Description
ジンにおける超音速気流内の燃料混合促進方法並びに装
置に関する。
つにスクラムジェットエンジンがある。これはマッハ6
以上の流れを、空気取り入れ口内で、垂直衝撃波によっ
て亜音速に減速するのではなく、斜め衝撃波により減速
し、超音速の状態でその気流に燃料を噴射して混合気体
を作り、燃焼させることが主な特徴である。
気導入路P中に流れ込む超音速気流1に対し、空気導入
路Pの壁面に開けた穴2から燃料fを矢印で示すように
垂直に噴射する。この燃料fの噴射によって、へさき衝
撃波3やはく離衝撃波4が発生するが、これらの衝撃波
を通過後の気流は、依然として超音速であるため、混合
気5の混合効率は、亜音速で燃料が噴射される場合より
も悪い。
混合が得られないため、これまでいくつかの装置が考案
されてきた。その各例を図2、図3および図4に示す。
図2において、流入する空気の流れの中にくさび6を配
設し、その下流側から下流方向に燃料fを噴射すること
によって、くさび6の後流によって混合を促進するもの
がある。
急拡大する流路いわゆる後方ステップの流路をつくり、
急拡大部ではく離した流れが再付着する位置の近くに燃
料噴射口7を設ける場合や、流れと平行に8のように下
流方向に燃料fを噴射し、超音速流れにおける混合の低
下を改善する工夫がなされている。
側壁に多数の穴9をあけ、その全ての穴から燃料fを噴
射する事によって、一様に混合しようとする提案もなさ
れている。
も、超音速気流内に燃料を直接噴射するため、超音速内
における拡散の効果が最も重要な要因となるが、超音速
気流内における拡散効率は亜音速流れの場合ほどあまり
大きくない。
拡大流路を用いることは、それ自体が流れにとって抵抗
となるため、いかなる運転状態においても流れの損失は
避けられない。
べての穴から燃料を噴射すると、流路の実行断面積が小
さくなり、これによる閉塞あるいは燃料が伴う場合は、
熱閉塞が発生する可能性がある。
着目し、超音速気流内に対し直接燃料を噴射するのでは
なく、気流と燃料の混合を、混合効率の良い亜音速状態
で行い、混合が十分なされた予混合ガスを再び超音速気
流に戻すことにより、速やかに超音速気流と燃料との混
合を促進することを目的とする。
のような手段によって解決される。請求項1は、スクラ
ムジェットエンジン用燃料混合促進方法であり、空気取
り入れ口から流入する超音速気流と燃料噴射口から噴射
される燃料が混合する領域において、空気あるいは燃料
を噴射する噴射口側の壁を多孔壁にし、その外側にキャ
ビティを設置することにより、前記の噴射口から空気や
燃料が噴射される場合のみ超音速気流とキャビティ間で
多孔壁を通して流れを発生させる。
内では下流から上流に向かう流れとなるため、これを燃
料混合に利用する。
わせた装置を用いることにより、まず加速段階における
低速時の運転状態では、燃料を噴射しないため、気流に
対する抵抗を最小限に抑えることができる。さらに、燃
料噴射時には、へさき衝撃波下流の高圧力の領域で、超
音速気流が多孔壁を通してキャビティ側に流れ込むた
め、燃料噴射口下流のはく離を低減できる。
流は、燃料噴射直後の高濃度の一次混合気体であるが、
これがキャビティ内を下流から上流に流れる間に亜音速
状態での混合となるため、超音速気流中での混合に比
べ、より効率のいい混合が実現できる。
へさき衝撃波上流の多孔壁にあけられた多数の穴から超
音速気流中に噴出されるため、広範囲に分布した細かい
燃料噴射となることから、超音速気流中においても、よ
り速やかに混合が行われる。
波の位置を、燃料噴射口の位置を調整することによっ
て、流れ方向に変える方法である。このように、へさき
衝撃波の位置を変えることにより、運転状態に応じ、超
音速気流を一旦減速するための斜め衝撃波の強さを制御
する。その結果、キャビティ内を逆流する流量を変える
ことができる。
と、へさき衝撃波も上流に移動し、その結果、下流側の
圧力の高い領域が広くなり、超音速気流がキャビティに
流れ込む流量が増えるため、キャビティからへさき衝撃
波上流に吹き出る流量も多くなる。そのため、超音速気
流に対して多くの流量が、その流れを偏向させることに
なり、実質的に斜め衝撃波を発生させるためのランプ角
を大きくした場合と同様な効果を奏する。
を変えることによって、ランプ角を変えることに対応さ
せれば、機械的に直接ランプ角を変える必要がなく、そ
の構造も簡単になるため、軽量化が実現でき、機械的可
動部分が少なくなることによって信頼性も向上する。
燃料混合促進装置であり、矩形あるいは円筒状などの筒
状の空気導入路の側壁に燃料噴射口を配設すると共に、
燃料噴射口配置領域の壁を多孔壁とし、その外側にキャ
ビティを設置してある。そして、前記燃料噴射口が超音
速気流の流れ方向に前後動可能な構造にしてある。
は、その構造上の制限により、矩形流路では比較的容易
であったランプ角の調整も、円形流路ではその構造がよ
り複雑になるため、スクラムジェットエンジンはこれま
でほとんど矩形流路にのみ適用されてきた。
よび燃料噴射口は構造が簡単であると同時に、機械的可
動部分が無いので、矩形流路と同じ原理で円形流路にも
適用することができる。このように流路の形状に制限が
ないので、機体設計上も自由度が増し、スクラムジェッ
トエンジンの応用範囲を広げることができる。
トエンジン用燃料混合促進方法並びに装置が実際上どの
ように具体化されるか実施形態を説明する。図5に本発
明の第一実施形態を示す。
れ込む空気導入路Pの側壁に多数の孔10を開け、この
多孔壁11の外側にキャビティ12を配設してある。燃
料fの噴射ノズル13は、多孔壁11の中間に配設され
ている。しかも、流れ方向(図の左右方向)に移動する
ことができる。
料噴射がなければ、通常のダクト内の超音速流れとみな
せる。いま、この状態で、噴射ノズル13から燃料fが
噴射されると、燃料噴射口を中心としたじょう乱によ
り、へさき衝撃波14が発生するため、その下流(領域
15)は、燃料噴射口上流(領域16)に比べ、圧力が
高くなる。
11になっているため、その圧力上昇はキャビティ12
内(領域17)まで伝わる。このように、燃料の噴射口
下流の高い圧力と噴射口上流との間に圧力差が生じる
と、それによって、多孔壁11を通して、キャビティ1
2内(領域17)では、下流側から上流側に向かう流れ
18が生じる。
ビティ内に流れ込み、キャビティ内を通って燃料噴射口
上流(領域19)に吹き出る流れとなる。このとき、燃
料噴射口下流の流れ5は、燃料が混じった一次混合気体
5であり、この一次混合気体5が多孔壁11を通ってキ
ャビティ内で逆流する段階で亜音速における混合が実現
される。
は、多孔壁11の上流側領域11aから一様に主流に噴
出されるため、単一の燃料噴射口から噴射される場合よ
りも速やかに混合が促進された二次混合気体20とな
る。
穴10を通して吹き出るが、この穴10の最も上流に位
置する列が、流れに対し垂直で、スパン方向に一様であ
るので、その穴10の列から2次元的な衝撃波21も発
生する。
けなくても、平行なダクトの壁から吹き出る燃料噴射に
より、斜め衝撃波21を発生させることも可能となる。
料噴射口の位置を流れ方向に変えることにより、キャビ
ティ12内を流れる流量を制御できるため、実質的に衝
撃波21の強さを制御することができ、空気取り入れ口
にランプ角をつける必要がなくなる。
気導入路P)内に障害物が無くなるため、通常の超音速
平行ダクト流れになり、これまで提案されている燃料噴
射用ノズルのストラットや急拡大流路などと異なり、流
れに対する悪影響を最小限に抑えることができる。
た場合の作用を、図6(a)(b)で説明する。すなわ
ち、燃料噴射ノズル13の流れ方向の位置を変えること
により、斜め衝撃波21の強さを変え、運転状態に応じ
た減速を実現できる。図6(a)は噴射ノズル13が上
流側に有る場合、図6(b)は噴射ノズル13が下流側
に有る場合である。
が上流側に位置している場合は、へさき衝撃波14によ
る圧力上昇の範囲5aは、図6(b)に比べて広いた
め、キャビティ12内に流れ込む流量5aが多くなる。
したがって、キャビティ12内を上流に向かう流量5b
も図6(b)に比べて多くなり、多孔壁11の前半領域
11aから超音速気流中に吹き出る単位面積あたりの流
量5cも多くなる。
1に対する偏向角は、図6(a)の場合が図6(b)の
場合に比べて大きくなるため、図6(a)の場合により
強い斜め衝撃波21が形成される。
13そのものの位置がスライドする構造が好ましい。つ
まり、一端が閉じられたパイプの側面に燃料噴射用の穴
を1個開け、もう一つの端部から燃料を供給し、そのパ
イプを多孔壁11の中心に埋め込んだ状態が適してい
る。その状態で、噴射ノズル13の位置を変えるのは、
そのパイプ全体を流れ方向に移動させるだけで済む。そ
うすることによって、噴射ノズル13の位置を細かく無
段階に調整することも可能となる。
ズル13のサイズは、エンジンの規模にもよるが、例え
ば1〜10mm程度が適している。空気導入路Pのサイ
ズも、実験段階から実機段階で異なるが、直径が例えば
1〜数m程度になるものと考えられる。
噴射した場合の3次元数値シミュレーション結果の密度
等値面図を図7に示す。
流れに対し、3次元的な形状をしたへさき衝撃波14が
発生し、その上流側にスパン方向に形状が一様な2次元
的斜め衝撃波21が発生しているのがわかる。また、へ
さき衝撃波14の下流側の等値面は、下壁面に密着して
いることから、流れがキャビティ12側に流れ込んでい
るのがわかる。
波14の間の領域では、等値面が下壁面よりわずかに離
れていることから、流れがキャビティ12側から超音速
気流側(空気導入路P内)に吹き出しているのがわか
る。
である。本発明の前記実施形態は極めて簡単な構造であ
るため、これまで主に提案されてきた矩形ダクト内の超
音速流れのみでなく、円筒状の流れ場にも容易に応用で
きる。
対し、燃料噴射口13を円周上に複数個配置することに
より、前記第1実施形態と全く同じ効果を得ることがで
きる。
を組み合わせた装置を用いることにより、燃料噴射時に
は、へさき衝撃波下流の高圧力の領域で、超音速気流が
多孔壁を通してキャビティ側に流れ込み、次いでキャビ
ティ内を下流から上流に流れる間に亜音速状態での混合
となるため、超音速気流中での混合に比べ、より効率の
いい混合が実現できる。
き衝撃波上流の多孔壁にあけられた多数の穴から超音速
気流中に噴出されるため、広範囲に分布した細かい燃料
噴射となることから、超音速気流中においても、より速
やかに混合が行われることになる。
動して、へさき衝撃波の位置を変えることにより、運転
状態に応じ、キャビティ内を逆流する流量を変えること
ができる。このように燃料噴射口の位置を変えることに
よって、従来のランプ角を変えることと対応するが、機
械的に直接ランプ角を変える必要がなく、その構造も簡
単になるため、軽量化が実現でき、機械的可動部分が少
なくなることによって信頼性も向上する。
壁に燃料噴射口を配設すると共に、燃料噴射口の配置領
域を多孔壁とし、その外側にキャビティを設置し、しか
も前記燃料噴射口が前後移動可能にしたため、前記の多
孔壁、キャビティおよび燃料噴射口は構造が簡単である
と同時に、機械的可動部分が無いので、矩形流路と同じ
原理で円形流路にも適用することができる。このように
流路の形状に制限がないので、機体設計上も自由度が増
し、スクラムジェットエンジンの応用範囲を広げること
ができる。
す断面図である。
さびを置く例である。
拡大する流路を形成した例である。
多数の穴から燃料を噴射する例である。
ョン結果を示す密度等値面図である。
である。
Claims (3)
- 【請求項1】 空気取り入れ口から流入する超音速気流
と燃料噴射口から噴射される燃料が混合する領域におい
て、 燃料噴射口設置側の壁を多孔壁にすると共に、その外側
にキャビティを設置し、 前記燃料噴射口から噴出される燃料により発生するへさ
き衝撃波の前後の圧力差を利用することにより、何ら外
部動力を用いずに、キャビティ内で超音速気流の下流側
から上流側に向かう逆流が発生するように、超音速気流
とキャビティ間で多孔壁を通して流れを発生させ、これ
を燃料混合に利用することを特徴とするスクラムジェッ
トエンジン用燃料混合促進方法。 - 【請求項2】 前記の燃料噴射口の位置を超音速気流の
流れ方向に前後移動させることによって、前記のへさき
衝撃波の発生位置を変えることで、一次混合気が多孔壁
からキャビティに流れ込む量を制御し、キャビティ内を
逆流する流量を変えることを特徴とする請求項1に記載
のスクラムジェットエンジン用燃料混合促進方法。 - 【請求項3】 矩形あるいは円筒状などの筒状の空気導
入路の側壁に燃料噴射口を配設すると共に、 該燃料噴射口配置領域の壁を多孔壁とし、その外側にキ
ャビティを設置したこと、 前記燃料噴射口が超音速気流の流れ方向に移動可能とし
たこと、 を特徴とするスクラムジェットエンジン用燃料混合促進
装置。
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- 2000-08-11 JP JP2000245076A patent/JP4522558B2/ja not_active Expired - Fee Related
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