JP2002054021A - フィラメントの製造方法および製造装置 - Google Patents

フィラメントの製造方法および製造装置

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JP2002054021A
JP2002054021A JP2000238398A JP2000238398A JP2002054021A JP 2002054021 A JP2002054021 A JP 2002054021A JP 2000238398 A JP2000238398 A JP 2000238398A JP 2000238398 A JP2000238398 A JP 2000238398A JP 2002054021 A JP2002054021 A JP 2002054021A
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polymer liquid
ring
spinning head
nozzle
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JP2000238398A
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English (en)
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Masaru Ishida
大 石田
Toshio Ota
利男 太田
Tadayoshi Kato
忠義 加藤
Hiroshi Yazawa
宏 矢沢
Shuichi Murakami
修一 村上
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Polymer Processing Research Institute Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Polymer Processing Research Institute Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリマー液を糸状に吐出する紡糸ヘッドを
回転させてフィラメントを紡糸する際にフィラメントの
繊維径を小さくしてフィラメントを紡糸することを可能
にする。 【解決手段】 捕集リング3の内側に配置された回転ダ
イス1を矢印A方向に回転させ、遠心力により回転ダイ
ス1のそれぞれのノズル5からポリマー液6を糸状に吐
出させるとともに、捕集リング3を矢印A方向と反対の
矢印B方向に回転させる。捕集リング3が回転しない場
合と比較してフィラメント7の単位時間の延べ紡糸長さ
が増加し、フィラメント7の繊維径が小さくなる。ま
た、フィラメント7が捕集リング3により捕集されるま
でにフィラメント7が高い倍率で延伸され、フィラメン
ト単体での引張強度が高くなる。さらに、フィラメント
の繊維径を小さくするために紡糸ヘッドの回転速度を上
げる必要がなく、紡糸ヘッドの冷却や、紡糸ヘッドの高
速回転による振動などの弊害を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転する紡糸ヘッ
ドよりポリマー液を糸状に吐出してフィラメントを紡糸
するフィラメントの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、紡糸ヘッドである回転ダイス
を用いてフィラメントを紡糸する方法が用いられてい
る。回転ダイスには、フィラメントの材料であるポリマ
ー液を吐出するノズルが複数形成されている。その回転
ダイスによってフィラメントを紡糸する製造装置では、
例えば、回転ダイスのノズルから糸状に吐出されたポリ
マー液を捕集する円筒状の捕集リングの内側に回転ダイ
スが配置されている。その回転ダイスを回転させつつ、
回転ダイスのノズルより円筒状の捕集リングの内側の面
に向けて回転ダイス内のポリマー液が糸状に吐出され
る。これにより、回転ダイスよりポリマー液が糸状に吐
出されてなるフィラメントが紡糸され、紡糸されたフィ
ラメントが捕集リングの内側の面で凝固する。
【0003】回転する紡糸ヘッドを用いてフィラメント
を紡糸する製造方法および製造装置として、例えば特公
昭59−39539号公報に記載されたものがある。こ
の公報に記載された製造装置では、高速に回転する紡糸
ヘッドの紡口から遠心力により溶融ポリマーを糸状に噴
射する。そして、その糸状の溶融ポリマーからなるフィ
ラメントを、紡糸ヘッドの周囲に設けられた円筒状の冷
却面により冷却して凝固させる。その公報では、紡糸ヘ
ッドの周囲の円筒状冷却面により冷却されて凝固したフ
ィラメントに、そのフィラメントの配列方向に対してほ
ぼ直角な方向に延びる一対の経耳材を接着させ、その経
耳材に接着したフィラメントからなる緯並列体が作製さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように回転ダ
イスを用いてフィラメントを紡糸する従来の製造方法に
おいて、繊維径の小さい、細いフィラメントを紡糸する
ためには、例えば回転ダイスの回転速度を上げるという
ことが考えられる。しかしながら、回転ダイスを高速に
回転させる場合、回転ダイス自体が冷却されたり、回転
ダイスの高速回転による振動が発生したりするなどとい
う問題点がある。
【0005】回転ダイスを用いたフィラメントの製造方
法では、回転ダイスにポリマー液として供給された樹脂
が定常的に全てフィラメントとなって紡糸されている場
合、樹脂供給量、単位時間に紡糸されるフィラメントの
延べ糸長さ、およびフィラメントの単位長さ(1m)当
たりの質量は次の式で導かれる関係となっている。次の
式では、回転ダイスへの樹脂の供給量をA[g/min]、
単位時間(1分間)に紡糸されるフィラメントの延べ糸
長さをL[m/min]、フィラメントの1m当たりの質量
をD[g/m]とする。
【0006】A[g/min]=L[m/min]×D[g/m] また、単位時間に紡糸されるフィラメントの延べ糸長さ
は、回転ダイスのみが回転する場合、次の式で得られ
る。次の式では、回転ダイスの単位時間(1分間)当た
りの回転数をR[rpm]、回転ダイスのノズルの数を
n、フィラメントを捕集する捕集リングの内側面の円周
長をB[m]とする。
【0007】L[m/min]=R[rpm]×n×B[m] したがって、より細いフィラメントを紡糸するために
は、樹脂の供給量を下げるか、回転ダイスの回転速度を
上げるか、回転ダイスのノズルの数を増やすか、捕集リ
ングの内側の円周長を長くするかのいずれの方法をとる
ことが、従来の選択肢であった。
【0008】この選択肢のうち、例えば樹脂供給量を下
げると、製造装置の生産能力を下げることになり、樹脂
供給量を少なくすることは工業的には採用できない。捕
集リングの内側の円周長を大きくする場合には、紡糸ヘ
ッドから紡糸されたフィラメントが遠心力により捕集リ
ングに到達できる距離に限界があるため、捕集リングの
内側の円周長を大きくするのにも限界がある。したがっ
て、現実的な選択肢は、回転ダイスの回転速度を上げる
が、回転ダイスのノズルの数を増やすことだけである。
【0009】しかしながら、回転ダイスの回転速度を上
げた場合、上述したように、その回転速度が外気との相
対速度が大きくなることにより回転ダイスが冷却されて
しまう。例えば、溶融樹脂を回転ダイスから吐出させて
フィラメントを紡糸する際には、そのような回転ダイス
の冷却はフィラメントの紡糸を阻害する要因となり、技
術的な矛盾が発生する。また、回転ダイスの高速回転に
よる回転ダイスなどの振動もフィラメントの紡糸状態を
不安定化させてしまうという問題点がある。
【0010】このため、繊維径の小さいフィラメントを
紡糸する容易な方法としては、回転ダイスのノズル数を
増加させるしかないのが実状であった。
【0011】本発明の目的は、ポリマー液を糸状に吐出
する紡糸ヘッドを回転させてフィラメントを紡糸する際
に、フィラメントの繊維径を小さくしてフィラメントを
紡糸することができ、より細いフィラメントを形成する
ことが可能なフィラメントの製造方法および製造装置を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のフィラメントの製造方法は、ポリマー液を
糸状に吐出するノズルを備えた紡糸ヘッドを円筒状の捕
集リングの内側で該捕集リングの中心軸を中心に一方向
に回転させるとともに、前記捕集リングの中心軸を中心
に前記捕集リングを前記一方向と反対方向に回転させつ
つ、前記ノズルから前記捕集リングの内側の面に向けて
前記ポリマー液を糸状に吐出させる工程と、前記ノズル
から前記ポリマー液が糸状に吐出されることで紡糸され
たフィラメントを前記捕集リングの内側の面で捕集して
凝固させる工程とを有する。
【0013】また、本発明のフィラメントの製造装置
は、ポリマー液を糸状に吐出するノズルを備えて一方向
に回転する紡糸ヘッドと、前記紡糸ヘットから前記ポリ
マー液が糸状に吐出されてなるフィラメントを捕集する
ように前記ノズルとの間に間隔をおいて前記紡糸ヘッド
の周囲を覆い、前記紡糸ヘッドの回転中心軸を中心に前
記一方向と反対方向に回転する捕集リングとを有する。
【0014】上記の通りの発明では、ポリマー液を糸状
に吐出するノズルを備えた紡糸ヘッドを円筒状の捕集リ
ングの内側で一方向に回転させるとともに、捕集リング
を紡糸ヘッドの回転方向とは反対方向に回転させつつ、
ノズルから捕集リングの内側の面に向けてポリマー液を
糸状に吐出させるので、ポリマー液が糸状に吐出される
ことでフィラメントが紡糸される際に、捕集リングが回
転しない場合と比較してフィラメントの単位時間当たり
の延べ紡糸長さが増加し、繊維径がより小さい、細いフ
ィラメントを紡糸することが可能となる。また、捕集リ
ングが紡糸ヘッドの回転方向と反対方向に回転している
ことにより、紡糸ヘッドのノズルからポリマー液が吐出
されてからフィラメントが捕集リングの内側の面で捕集
されて凝固するまでの間に、フィラメントが高い倍率で
延伸されるため、フィラメント単体での引張強度が高く
なる。よって、このようなフィラメントの製造方法およ
び製造装置により形成されたフィラメントでは、フィラ
メントの繊維径を小さくするために紡糸ヘッドのノズル
数を増やすことで得られる同じ径のフィラメントと比較
して、高い延伸倍率によって引張強度が高くなってい
る。さらに、フィラメントの繊維径を小さくするために
は上述したように紡糸ヘッドの回転速度を上げる方法も
あるが、本発明の製造方法および製造装置のように捕集
リングを回転させることにより紡糸ヘッドの回転速度を
低く保つことができるので、紡糸ヘッドの冷却や、紡糸
ヘッドの高速回転による振動などの弊害を回避できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態に係るフィラ
メントの製造装置の一部を示す斜視図である。
【0017】図1に示すように本実施形態のフィラメン
トの製造装置では、円筒状の捕集リング3の内側に、紡
糸ヘッドである円盤状の回転ダイス1が配置されてい
る。回転ダイス1は回転軸2によって、重力方向と平行
な回転軸を中心に矢印Aの一方向に回転可能に支持され
ている。回転軸2および回転ダイス1は不図示の駆動手
段によって矢印A方向に回転させられる。
【0018】回転ダイス1の側面には、その円周方向に
沿って並ぶ複数のノズル5が形成されている。それぞれ
のノズル5からは、回転ダイス1内に供給された流動可
能なフィラメントの材料であるポリマー液6が回転ダイ
ス1の回転中心軸に対してほぼ垂直な方向に向けて糸状
に吐出される。回転ダイス1の上部は開放されており、
その開放された上部より、例えば押出機から押し出され
たポリマー液6が供給管4を通して回転ダイス1内に供
給される。本実施形態では、回転ダイス1にノズル5が
複数形成されているが、ノズル5は回転ダイス1に少な
くとも1つ形成されていればよい。それぞれのノズル5
は、回転ダイス1の回転動作に伴って回転ダイス1の回
転軸を中心に旋回する。
【0019】捕集リング3の姿勢は、回転ダイス1の回
転中心軸と円筒状の捕集リング3の中心軸とが同一直線
上に配置されるように保持されている。この捕集リング
3が、回転ダイス1からポリマー液6が糸状に吐出され
ることで紡糸されたフィラメント7を捕集するように、
その捕集リング3が、回転ダイス1のそれぞれのノズル
5との間に間隔をおいて回転ダイス1の周囲を覆ってい
る。捕集リング3は、その中心軸、すなわち回転ダイス
1の回転中心軸を中心に、矢印A方向とは反対の矢印B
方向に回転可能に支持されていて、不図示の駆動手段に
よってその矢印B方向に回転させられる。
【0020】本実施形態では、回転紡糸ダイスとして、
上部が開放されている円盤状の回転ダイス1を用いた
が、必ずしもこのような形状のものに限られない。この
ように押出機から回転ダイス1への樹脂の供給経路がそ
の途中で開放されている場合には、遠心力のみで回転ダ
イス1のノズル5よりポリマー液6を吐出させることに
なる。このような構成とは異なり、押出機から延びる供
給管を、回転ダイス1に対して摺動リングなどでシール
して回転ダイス1に連結してもよい。このように押出機
から回転ダイス1への樹脂の供給経路を密閉し、押出機
などの負荷によるその供給経路内での内圧と、回転ダイ
ス1の遠心力とによってノズル5から樹脂を吐出させる
ことにより、小径のノズル5でもポリマー液6を十分な
吐出速度で良好に吐出させることができる。
【0021】回転ダイス1内に供給するポリマー液6、
すなわちフィラメント7の材料として、溶融状態の樹脂
や、樹脂を溶液に溶かして濃厚液にしたものや、粉末を
溶媒に分散させた溶液を使用することができる。
【0022】図2は、本実施形態のフィラメントの製造
装置における捕集リング3の支持構造の一例を示す斜視
図である。図3は、図2に示される捕集リング3の支持
構造の断面図である。
【0023】図2および図3に示すように捕集リング3
の支持構造の一例として、捕集リング3をベアリング機
構によって回転可能に支持してもよい。この支持構造の
場合、捕集リング3の上側の部分における外側の側面に
は、その側面から突出するリング状のリブ3aが形成さ
れている。一方、そのリブ3aを支持するためのリング
状の固定部11が製造装置のフレームなどに固定されて
いる。リブ3aの下面、および固定部11の上面のそれ
ぞれには複数のボール12がはめ込まれる溝が形成され
ている。リブ3aおよび固定部11のそれぞれの溝に複
数のボール12をはめ込むようにして、リブ3aと固定
部11との間にそれぞれのボール12を挟み込ませる。
リブ3aと固定部11との間の複数のボール12は、捕
集リング3の回転動作に伴ってリブ3aと固定部11の
それぞれの溝の内壁面を摺動する。これらリブ3a、ボ
ール12、および固定部11からベアリング機構が構成
されており、そのベアリング機構によって捕集リング3
が摺動可能に支持されている。
【0024】捕集リング3に形成されたリブ3aの外側
の面には、捕集リング3に回転力を伝えるためのベルト
13が巻き付けられている。ベルト13の、捕集リング
3側と反対側の部分は、駆動側プーリーに巻き付けられ
ており、その駆動側プーリーとリブ3aとによってベル
ト13が張られている。駆動側プーリーは不図示のモー
ターなどにより回転され、そのモーターの駆動力が駆動
側プーリーおよびベルト13を介して捕集リング3に伝
達される。
【0025】図4は、捕集リング3の支持構造の他の例
を示す斜視図である。図5は、図4に示される支持機構
の上面図、図6は、図4に示される支持機構での捕集リ
ング3の側断面図である。
【0026】図4〜図6に示すように、捕集リング3を
複数の支持ローラ14によって回転可能に支持してもよ
い。この支持構造では、捕集リング3の外側の側面に、
捕集リング3の円周方向に延びる一続きの溝3bが形成
されている。その溝3bの底面にそれぞれの支持ローラ
14の側面が接するように、溝3b内にそれぞれの支持
ローラ14の一部がはめ込まれている。それらの支持ロ
ーラ14の位置は固定されており、それぞれの支持ロー
ラ14は、その中心軸を中心に回転可能に支持されてい
る。図4に示される例では、4つの支持ローラ14によ
り捕集リング3が支持され、4つの支持ローラ14は、
互いの間隔が等距離となるように均等に配置されてい
る。また、それぞれの支持ローラ14は、対応するモー
ター15の回転軸に取り付けられていて、そのモーター
15によって回転可能に支持されている。モーター15
の駆動に伴って支持ローラ14が回転し、その支持ロー
ラ14の回転力が捕集リング3に直接伝達される。
【0027】上述したような構成の製造装置では、回転
ダイス1を矢印A方向に回転させて遠心力によってそれ
ぞれのノズル5から回転ダイス1内のポリマー液6を糸
状に吐出させるとともに、捕集リング3を矢印A方向と
は反対の矢印B方向に回転させる。それぞれのノズル5
より糸状にポリマー液6が吐出されることにより、その
糸状のポリマー液6よりなるフィラメント7が紡糸され
る。紡糸されたフィラメント7は捕集リング3の内側の
面に向かって飛翔し、フィラメント7が捕集リング3に
到達した後にフィラメント7が捕集リング3により冷却
されて凝固する。この時、捕集リング3が回転ダイス1
の回転方向とは反対の方向に回転していることにより、
捕集リング3に向かって飛翔しているフィラメント7が
その長さ方向に延伸されつつ、フィラメント7が捕集リ
ング3によって捕集される。したがって、このようなフ
ィラメントの製造方法および製造装置によれば、捕集リ
ング3が固定されている場合と比較して、単位時間当た
りのフィラメントの延べ紡糸長さを増加させることがで
き、また、繊維径が小さく、より細いフィラメントを紡
糸することができる。よって、このように回転ダイス1
の回転方向と反対方向に捕集リング3を回転させること
により、実質的には、捕集リング3を固定した状態で回
転ダイス1の回転速度を上げたのと同じ効果が得られ
る。しかしながら、本実施形態のフィラメントの製造方
法および製造装置では、回転ダイス1の回転速度を低く
保つことができるので、回転ダイス1を高速で回転させ
た場合の回転ダイス1の冷却効果や振動などが発生しな
い。
【0028】本実施形態のように捕集リング3を回転さ
せた際の、単位時間に紡糸されるフィラメントの延べ糸
長さは、次の式により求められる。次の式では、単位時
間(1分間)に紡糸されるフィラメントの延べ糸長さを
L[m/min]、回転ダイス1の単位時間(1分間)当た
りの回転数をR1[rpm]、捕集リング3の単位時間(1
分間)当たりの回転数をR2[rpm]、回転ダイス1のノ
ズル5の数をn、捕集リング3の内側面の円周長をB
[m]とする。
【0029】L[m/min]=(R1[rpm]+R2[rp
m])×n×B[m] よって、本実施形態のフィラメントの製造装置では、捕
集リング3が回転しない場合と比較して、捕集リング3
の回転により、単位時間当たりの延べ紡糸長さが増加す
ることになる。
【0030】また、捕集リング3を回転させたことによ
り、フィラメントの繊維径を細くするためにノズル5の
数を増加させた場合と比較しても、より大きなメリット
が得られる。そのメリットは、捕集リング3を回転させ
た場合と、ノズル5の数を増加させた場合とで、紡糸さ
れてできあがるフィラメントの延べ長さが同一であって
も、ノズル5からポリマー液6が糸状に吐出される際の
フィラメントの単位長さ当たりの質量が異なるため、本
実施形態のように捕集リング3を回転させた場合では、
ノズル数を増加させてフィラメントを細くした場合より
も、フィラメント7がノズル5と捕集リング3との間で
高い倍率で延伸されるということである。このため、捕
集リング3に捕集されて得られたフィラメントは、より
高倍率の延伸を受けており、そのフィラメントを構成す
る分子の配向度は高くなっている。結果として、フィラ
メント単体での引張強度の高いフィラメントが形成され
る。
【0031】例えば、回転ダイスのみを回転させる従来
の製造方法において、ポリマー液の供給量すなわち樹脂
供給量をA[g/min]、捕集リングの内側面の円周長を
1[m]とし、その供給量で1つのノズルからフィラメ
ントを紡糸するとともに、捕集リングによりフィラメン
トを捕集したとする。この時に得られるフィラメントの
1m当たりの質量は、A/B1となる。
【0032】次に、回転ダイスのノズルの数を2つに
し、その他の条件を上記の場合と同じにしてフィラメン
トを細くさせると、単位時間当たりの延べ紡糸長さが2
倍になることから、得られるフィラメントの1m当たり
の質量はA/2B1まで細くされる。
【0033】これと同様に、本実施形態のフィラメント
の製造方法において、捕集リング3を回転ダイス1の回
転方向と反対方向に1rpmで回転させ、1つのノズル5
からフィラメントを紡糸する場合、フィラメントの1m
当たりの質量はA/2Bまで細くされる。
【0034】しかしながら、上記のそれぞれの場合にお
いて、ポリマー液が回転ダイス1のノズル5から離れる
瞬間のフィラメントの単位長さ当たりの質量に注目する
と、上記のように従来の紡糸方法でノズルの数を2つに
してフィラメントを細くした場合は、回転ダイスの外周
面の円周長をC1[m]として、ポリマー液がノズルから
離れる瞬間のフィラメントの1m当たりの質量はA/2
1である。これに対して、上記のように本実施形態の
製造方法において捕集リング3を回転ダイス1の回転方
向と反対方向に1rpmで回転させた場合には、回転ダイ
ス1の外周面の円周長をC[m]とすると、ノズル5は
1つのままであることから、ポリマー液がノズルから離
れる瞬間のフィラメントの1m当たりの質量はA/Cで
ある。したがって、回転ダイスの外周面の円周長C1
Cが同じ場合、ノズルから出た時点でのフィラメントの
単位長さ当たりの質量は本実施形態の方が大きくなる。
それにも関わらず、最後にフィラメントが捕集される段
階では、本発明の製造方法によってフィラメントを紡糸
した場合において、従来の紡糸方法でノズルの数を増や
した場合と同様の単位長さ当たりの質量までフィラメン
トが細くされることになる。この違いは、ポリマー液が
ノズルを出てからフィラメントが捕集リングで捕集され
るまでにフィラメントが受ける延伸倍率が異なることを
意味している。
【0035】本実施形態の製造装置によりフィラメント
を作製した工程の後に、作製されたフィラメントの強度
を出すなどの目的で、紡糸されたフィラメントをその長
さ方向に延伸してもよい。作製されたフィラメントをそ
の長さ方向に延伸する延伸装置としては、特公平3−3
6948号公報に記載されているプーリー式横延伸装置
や一対の溝ロール、あるいは米国特許第4,223,0
59号明細書に記載されているテンター式横延伸装置を
用いることができる。テンター式横延伸装置としては、
フィルムを横方向に延伸する際に通常使用されているも
のも用いることができる。あるいは、本実施形態の製造
装置によりフィラメントを作製した工程の後に、作製さ
れて集積されたフィラメント群からトウ状にフィラメン
トを束で取り出し、取り出されたフィラメントの束をそ
の長さ方向に延伸手段によって延伸してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ポリマー
液を糸状に吐出する紡糸ヘッドを回転させてフィラメン
トを紡糸する際に、フィラメントを捕集する捕集リング
を紡糸ヘッドの回転方向とは反対方向に回転させること
により、捕集リングが回転しない場合と比較してフィラ
メントの単位時間当たりの延べ紡糸長さが増加し、繊維
径がより小さい、細いフィラメントを紡糸することが可
能となる。また、捕集リングが紡糸ヘッドの回転方向と
反対方向に回転していることにより、紡糸ヘッドのノズ
ルからポリマー液が吐出されてからフィラメントが捕集
リングの内側の面で捕集されて凝固するまでの間に、フ
ィラメントが高い倍率で延伸されるため、フィラメント
単体での引張強度が高くなるという効果がある。よっ
て、このような製造方法および製造装置により形成され
たフィラメントでは、フィラメントの繊維径を小さくす
るために紡糸ヘッドのノズル数を増やすことで得られる
同じ径のフィラメントと比較して、高い延伸倍率によっ
て引張強度が高くなる。さらに、フィラメントの繊維径
を小さくするためには紡糸ヘッドの回転速度を上げる方
法もあるが、本発明の製造方法および製造装置のように
捕集リングを回転させることにより紡糸ヘッドの回転速
度を低く保つことができるので、紡糸ヘッドの冷却や、
紡糸ヘッドの高速回転による振動などの弊害を回避でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフィラメントの製造
装置の一部を示す斜視図である。
【図2】フィラメントの製造装置における捕集リングの
支持構造の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示される捕集リングの支持構造の断面図
である。
【図4】捕集リングの支持構造の他の例を示す斜視図で
ある。
【図5】図4に示される支持機構の上面図である。
【図6】図4に示される支持機構での捕集リングの側断
面図である。
【符号の説明】 1 回転ダイス 2 回転軸 3 捕集リング 3a リブ 3b 溝 4 供給管 5 ノズル 6 ポリマー液 7 フィラメント 11 固定部 12 ボール 13 ベルト 14 支持ローラ 15 モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 忠義 千葉県印旛郡宮里町日吉台1−3−1 (72)発明者 矢沢 宏 東京都国立市東2−25−15 (72)発明者 村上 修一 東京都板橋区板橋4−33−5 Fターム(参考) 4L045 AA10 BA03 DA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー液を糸状に吐出するノズルを備
    えた紡糸ヘッドを円筒状の捕集リングの内側で該捕集リ
    ングの中心軸を中心に一方向に回転させるとともに、前
    記捕集リングの中心軸を中心に前記捕集リングを前記一
    方向と反対方向に回転させつつ、前記ノズルから前記捕
    集リングの内側の面に向けて前記ポリマー液を糸状に吐
    出させる工程と、 前記ノズルから前記ポリマー液が糸状に吐出されること
    で紡糸されたフィラメントを前記捕集リングの内側の面
    で捕集して凝固させる工程とを有するフィラメントの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー液を糸状に吐出するノズルを備
    えて一方向に回転する紡糸ヘッドと、 前記紡糸ヘットから前記ポリマー液が糸状に吐出されて
    なるフィラメントを捕集するように前記ノズルとの間に
    間隔をおいて前記紡糸ヘッドの周囲を覆い、前記紡糸ヘ
    ッドの回転中心軸を中心に前記一方向と反対方向に回転
    する捕集リングとを有するフィラメントの製造装置。
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