JP7266270B2 - 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置 - Google Patents

機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7266270B2
JP7266270B2 JP2018086371A JP2018086371A JP7266270B2 JP 7266270 B2 JP7266270 B2 JP 7266270B2 JP 2018086371 A JP2018086371 A JP 2018086371A JP 2018086371 A JP2018086371 A JP 2018086371A JP 7266270 B2 JP7266270 B2 JP 7266270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
functional fiber
container
spinning solution
functional
collecting member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018086371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019189985A (ja
Inventor
和志 山田
智恵子 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyoto Institute of Technology NUC
Original Assignee
Kyoto Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyoto Institute of Technology NUC filed Critical Kyoto Institute of Technology NUC
Priority to JP2018086371A priority Critical patent/JP7266270B2/ja
Publication of JP2019189985A publication Critical patent/JP2019189985A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7266270B2 publication Critical patent/JP7266270B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

本発明は、機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置に関する。
繊維を積層してシート状に広げたいわゆる繊維シート(ウェブ)が提供されている。この繊維シートは、液体バリア材料、フィルタ等として有用である。繊維シートに含まれる繊維の直径が小さくなると、その分、繊維シートの単位体積当たりの表面積が大きくなり、不純物の吸着性能および接着力が増大する。繊維シートの中でも特に繊維の直径の小さい極細繊維を含むものは、バイオフィルタ、エアフィルタ、電池用セパレータ等に使用される。この種の繊維シートは、メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法(エレクトロスピニング法)、静電ブロー法等の製造方法を利用して製造されることが一般的である。
スパンボンド法のような直接紡糸法では、溶融した原料樹脂を小径のノズルから押し出すことにより繊維が作製される。この直接紡糸法では、原料樹脂の分子量を小さくしたり或いはノズルからの吐出量を少なくしたりすることにより繊維の直径を小さくすることができる。但し、この直接紡糸法では、繊維の直径が3μm以下の繊維を量産することは難しい。これに対して、メルトブロー法では、原料樹脂の分子量を小さくすることにより、直径1μm以下の繊維を含む繊維シートを作製することができる。但し、メルトブロー法により作製された繊維シートは、繊維シートに含まれる繊維の直径が不均一になり易い。
これに対して、電界紡糸法(エレクトロスピニング法)によれば、繊維の直径1μm以下であるいわゆるナノファイバを比較的容易に作製できる。また、エレクトロスピニング法により作製されたナノファイバは、その直径が比較的均一であるという特徴がある。この電界紡糸法として、例えば原料樹脂にレーザ光を照射して加熱することにより得られる溶融状態の原料樹脂に、高電圧を印加して引き伸ばすことにより繊維を紡糸するレーザエレクトロスピニング法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載されたレーザエレクトロスピニング法によれば、直接紡糸法またはメルトブロー法に比べて、繊維の直径が小さく且つ均一ないわゆる極細繊維を作製することができる。しかしながら、特許文献1に記載されたレーザエレクトロスピニング法により作製される繊維は、その強度が不十分である。また、レーザエレクトロスピニング法を行うための装置は、大型であり且つその構成が複雑である。
また、ナノファイバの製造方法として、ポリマが溶解した紡糸液を4000rpm乃至100000rpmで高速回転するスピンディスクの中央部へ供給したときに紡糸液に加わる遠心力を利用してスピンディスク端縁から紡糸液を吐出させることによりナノファイバを作製する製造方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2007-262644号公報 特許第5501249号公報
しかしながら、特許文献2に記載されたナノファイバの製造方法を実施するための装置は、大型であり且つその構成が複雑であるとともに、繊維径の制御が難しい。一方、繊維シート(ウェブ)は、それに含まれる繊維の直径が小さくなるほど繊維シートの単位体積当たりの表面積が大きくなり、その吸着性能、接着力等で表される化学活性度が増大する。そこで、容易に化学活性度が大きい繊維を作製できる製造方法が要請されている。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、化学活性度が大きく且つ容易に製造できる機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置を提供することを目的とする。
本発明に係る機能性ファイバ製造方法は、
少なくとも1種類の溶媒に少なくとも1種類のポリマを溶解させた紡糸液を、有底円筒状であり側壁に複数の吐出孔が設けられた容器に供給する紡糸液供給工程と、
前記紡糸液が供給された前記容器を、前記容器の筒軸方向に沿った回転軸周りに回転させることにより前記紡糸液を前記複数の吐出孔それぞれから前記容器外へ吐出させる吐出工程と、
円筒状であり前記回転軸に直交する方向において内壁が前記容器の側壁に対向する形で配置され且つ蓋体で上方全体が閉塞された捕集部材により、前記紡糸液から生成される機能性ファイバを捕集する捕集工程と、を含む。
他の観点から見た本発明に係る機能性ファイバ製造装置は、
有底円筒状であり側壁に複数の吐出孔が設けられた容器と、
少なくとも1種類の溶媒に少なくとも1種類のポリマを溶解させた紡糸液が前記容器に貯留された状態で、前記容器の筒軸方向に沿った回転軸周りに回転させることにより前記紡糸液を前記複数の吐出孔それぞれから前記容器外へ吐出させる駆動部と、
円筒状であり前記回転軸に直交する方向において内壁が前記容器の側壁に対向する形で配置され、前記紡糸液から生成される機能性ファイバを捕集する捕集部材と、
前記捕集部材の上方全体を閉塞する蓋体と、を備える。
本発明に係る機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置よれば、直径が1μm以上10μm以下であり、表面に複数の凹部が形成されるとともに、前記凹部の底部に孔が形成されている機能性ファイバを容易に作製することができる
本発明の実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置の概略図である。 (A)は実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置の動作を説明するための概略図であり、(B)は(A)の破線で囲んだ部分A1に形成される機能性ファイバの一例を示す図であり、(C)は(B)の破線で囲んだ部分A2の部分拡大図である。 実施の形態に係る容器の回転数のタイムチャートの一例を示す図である。 実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置について、(A)は捕集部材を密閉する蓋が装着された状態での動作を説明するための概略図であり、(B)は捕集部材の一部を覆う蓋が装着された状態での動作を説明するための概略図である。 (A)は実施例1に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例1に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例2に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例2に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例3に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例3に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。 (A)は実施例4に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例4に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例5に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例5に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例6に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例6に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。 (A)は実施例7に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例7に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例8に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例8に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例9に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例9に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。 (A)は実施例1乃至9に係る捕集部材に付着した機能性ファイバの平均直径を表す図であり、(B)は実施例1乃至9に係る容器の側面に付着した機能性ファイバの平均直径を表す図である。 (A)は実施例1に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバの表面にプルシアンブルーナノ粒子を吸着させた状態を示すSEM写真であり、(B)は実施例4に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバの表面にプルシアンブルーナノ粒子を吸着させた状態を示すSEM写真であり、(C)は実施例7に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバの表面にプルシアンブルーナノ粒子を吸着させた状態を示すSEM写真である。 実施例1、4、7に係る機能性ファイバそれぞれの表面に存在するFe元素、Na元素の量をEDS分析により分析した結果を示す図である。 (A)は実施例1に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバのうち直径が3μm程度のものの表面のSEM写真であり、(B)は実施例1に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバのうち直径が5μm程度のものの表面のSEM写真であり、(C)は実施例1に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバのうち直径が20μm程度のものの表面のSEM写真であり、(D)は実施例1に係る捕集部材で捕集された機能性ファイバのうち直径が25μm程度のものの表面のSEM写真である。
以下、本発明の実施の形態に係る機能性ファイバ製造方法、機能性ファイバ製造装置および機能性ファイバについて図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置1は、容器11と、容器11が固定されたターンテーブル12と、一端部がターンテーブル12の中央部に固定されたシャフト16と、シャフト16の他端部に連結された駆動部14と、を備える。また、本実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置1は、紡糸液から生成される機能性ファイバを捕集するための捕集部材13を備える。容器11は、有底円筒状であり、側壁111に複数の吐出孔111aが設けられている。容器11の材料は、例えば金属である。吐出孔111aは、例えば平面視円形の孔であり、その直径が0.1以上1mm以下であればよい。なお、吐出孔111aの直径は、0.25mm以上1mm以下であることが好ましい。容器11の上側には、カバー15が装着されている。そして、カバー15を開いた状態で、容器11の上方に配置された紡糸液供給部2から紡糸液が供給できるようになっている(図1中の破線矢印参照)。
駆動部14は、例えばモータと減速機とを組み合わせたものであり、シャフト16を長手方向に沿った回転軸J1周りに回転させることにより(図1中の矢印AR1参照)、シャフト16に固定されたターンテーブル12を回転させる。これにより、ターンテーブル12に固定された容器11も回転軸J1周りに回転する。
捕集部材13は、有底円筒状であり、円筒状の側壁131と、円板状であり中央部にシャフト16を挿通するための挿通孔132aが設けられた底壁132と、を有する。捕集部材13は、容器11の回転軸J1に直交する方向において、側壁131の内壁が容器11の側壁111に対向する形で配置されている。
次に、本実施の形態に係る機能性ファイバ製造装置1を用いた機能性ファイバ製造方法について説明する。まず、少なくとも1種類の溶媒に少なくとも1種類のポリマを溶解させることにより紡糸液を作製する紡糸液作製工程を行う。ここで、ポリマの種類は、紡糸液が作製可能なポリマであれば特に制限されない。ポリマとしては、例えば、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリオレフィン、フッ素系樹脂等が挙げられる。また、溶媒としては、ジクロロメタン、トリクロロメタン(CHCl)、ジクロロエタン、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トルエン、ピリジン、アセトニトリル、ホルムアミド、ベンゼン、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサン、1,4-ジオキサン、アセトン、メタノール、エタノール等が挙げられる。紡糸液に含まれるポリマの濃度は、5wt%以上15wt%以下であればよく、6wt%以上8wt%以下であることが好ましい。
次に、紡糸液を、前述の容器11内に供給する紡糸液供給工程を行う。これにより、紡糸液が容器11内に貯留される。
続いて、図2(A)に示すように、紡糸液が貯留された容器11を、容器11の筒軸方向に沿った回転軸J1周りに回転させることにより(図2(A)中の矢印AR1参照)、紡糸液Li1を複数の吐出孔111aそれぞれから容器11外へ吐出させる吐出工程と、紡糸液Li1から生成される機能性ファイバF1を捕集する捕集工程と、を行う。吐出工程における容器11の回転数は、1000rpm以上10000rpm以下の範囲内の回転数であればよい。このとき、捕集部材13の側壁131の内壁において、図2(B)に示すような機能性ファイバF1が捕集される。この機能性ファイバF1は、その直径が1μm以上10μm以下である。ここで、機能性ファイバF1は、捕集部材13の側壁131のみならず、容器11の側壁111の外壁にも付着する。
また、機能性ファイバF1は、図2(C)に示すように、表面に複数の凹部(以下、「ディンプル」と称する。)が形成されるとともに、凹部の底部に孔が形成されている。即ち、機能性ファイバF1として、その表面に複数のディンプルと孔との複合体が形成されたものが得られる。
以上説明したように、本実施の形態に係る機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置1よれば、直径が1μm以上10μm以下であり、表面に複数のディンプルが形成されるとともに、ディンプルの底部に孔が形成されている機能性ファイバF1を容易に作製することができる。この機能性ファイバF1は、その吸着性能、接着力等で表される化学活性度が他の化学活性度に比べて極めて大きいという利点がある。
ところで、従来は繊維シートに含まれるファイバの直径を1μm以下のいわゆるナノメートルオーダにまで細くする技術を向上させることにより化学活性度の高い繊維シートを安定して製造する試みがなされてきた。しかしながら、繊維シートに含まれるファイバの直径が細くなると、その分、必然的に繊維シートの強度が低下してしまう。即ち、繊維シートの化学活性度とその強度とはトレードオフの関係にありそれらの両立は困難なものであった。これに対して、本実施の形態に係る機能性ファイバは、直径が1μm以上10μm以下であり、表面に複数のディンプルが形成されるとともに、ディンプルの底部に孔が形成されているものである。これにより、機能性ファイバの強度を高めつつ、その表面の化学活性度を高めることができるので、高い強度と高い化学活性度とが両立された繊維シートを実現することができるという利点がある。
本発明に係る機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバについて、実施例に基づいて説明する。実施例1乃至9に係る紡糸液は、いずれも溶媒であるCHClにPLAを溶解させることにより作製した。また、前述の容器11の吐出孔111aの直径は、0.3mmとした。更に、前述の吐出工程において、容器11を回転させる際、図3に示すように、容器11の回転数を5秒間500rpmで維持した後、容器11の回転数を5秒間で500rpmから4000rpmに漸増させた後、容器11の回転数を4000rpmで維持した。実施例1乃至9に係る紡糸液中のPLAの濃度は下記表1の通りである。
Figure 0007266270000001
表1において、「蓋体無」とは、捕集部材13の上方を蓋体で覆わない状態で前述の吐出工程および捕集工程を行ったことを示す。また、「第1蓋体有」とは、図4(A)に示すように、捕集部材13の上方全体を覆う第1蓋体31を捕集部材13に装着した状態で前述の吐出工程および捕集工程を行ったことを示す。更に、「第2蓋体有」とは、図4(B)に示すように、中央部に開口部321が設けられた第2蓋体32を捕集部材13に装着した状態で前述の吐出工程および捕集工程を行ったことを示す。ここで、第2蓋体32の開口部321の面積は、捕集部材13の上方の開放部分の面積の半分になっている。従って、第2蓋体32が捕集部材13に装着された状態では、捕集部材13の上方の開放部分の1/2だけが第2蓋体32により覆われた状態となっている。
図5乃至図7に、実施例1乃至9に係る機能性ファイバのSEM写真を示す。ここで、図5(A)は実施例1に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例1に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例2に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例2に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例3に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例3に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。図6(A)は実施例4に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例4に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例5に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例5に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例6に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例6に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。図7(A)は実施例7に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(B)は実施例7に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(C)は実施例8に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(D)は実施例8に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(E)は実施例9に係る捕集部材に付着した機能性ファイバのSEM写真であり、(F)は実施例9に係る容器の側面に付着した機能性ファイバのSEM写真である。図5乃至図7に示すSEM写真に示すように、第1蓋体31または第2蓋体32を装着したか否かによって機能性ファイバの直径が変化する傾向が観察された。これは、第1蓋体31または第2蓋体32を装着したか否かによって紡糸液に含まれる溶媒の蒸発量が制御されていることに起因するものと考えられる。即ち、実施例2、3、5、6、8、9のように第1蓋体31または第2蓋体32が捕集部材13に装着された状態で作製された機能性ファイバは、紡糸液中に含まれる溶媒の蒸発が抑制されることによりその直径が小さくなる傾向にあると考えられる。一方、実施例1、4、7のように第1蓋体31および第2蓋体32を捕集部材13に装着しない状態で作製された機能性ファイバは、紡糸液中に含まれる溶媒の蒸発が促進されることによりその直径が太くなる傾向にあると考えられる。また、実施例2、3、5、6、8、9のように紡糸液中の溶媒の蒸発が抑制された状態で作製された機能性ファイバは、その表面に形成されるディンプルの数およびディンプルの底部に形成される孔の数が比較的少なくなる。一方、実施例1、4、7のように紡糸液中に含まれる溶媒の蒸発が促進される状態で作製された機能性ファイバは、その表面にディンプルおよびディンプルの底部に存在する孔が比較的多く且つ均一に形成される。
また、実施例1乃至9に係る機能性ファイバそれぞれの直径を測定して得られた結果を図8(A)および(B)に示す。機能性ファイバの直径は、図5乃至図7のSEM写真を用いて測定した。図8(A)および(B)に示すように、PLAの濃度が高いほど機能性ファイバの直径が太くなることが判った。また、第1蓋体31および第2蓋体32を捕集部材13に装着しない状態で作製された機能性ファイバの直径は、第1蓋体31または第2蓋体32を装着した状態で作製された機能性ファイバの直径に比べて太くなることが判った。これは、第1蓋体31および第2蓋体32を捕集部材13に装着しない場合、紡糸液中に含まれる溶媒の蒸発が促進されることにより、作製される機能性ファイバの直径が太くなることを反映しているものと考えられる。
これらの結果より、直径が太く、表面にディンプルおよびディンプルの底部に形成される孔が比較的多く且つ均一な機能性ファイバを得る観点からすれば、機能性ファイバ製造方法において捕集部材13に第1蓋体31または第2蓋体32を装着しない状態にすることが好ましい。また、機能性ファイバ製造方法において使用する紡糸液中に含まれるPLAの濃度は、6wt%乃至8wt%の範囲において8wt%がより好ましい。
次に、作製された機能性ファイバの化学活性度を評価した結果について説明する。ここでは、作製された機能性ファイバの表面にプルシアンブルーナノ粒子の粉末を振りかけたときの、プルシアンブルーナノ粒子の機能性ファイバへの吸着量を評価した。プルシアンブルーナノ粒子の吸着量の評価は、蛍光X線分析(EDS分析)により得られるスペクトル強度に基づいて行った。実施例1、4、7に係る機能性ファイバ表面にプルシアンブルーナノ粒子を振りかけるとそれぞれ図9(A)乃至(C)に示すように、機能性ファイバの表面の凹部の一部にプルシアンブルーナノ粒子が吸着した状態となる。
図10にプルシアンブルーナノ粒子に含まれる元素であるFe、Naの吸着量を比較した結果を示す。図10に示すように、プルシアンブルーナノ粒子の吸着量は、含有するPLAの濃度が高い紡糸液から生成された機能性ファイバほど多くなっている。言い換えると、直径の太い機能性ファイバほどプルシアンブルーナノ粒子の吸着量が多くなっている。このことは、直径の太い機能性ファイバほどその表面の化学活性度が高くなっていることを示している。これは、直径の太い機能性ファイバほど、その表面にディンプルおよび孔が多く存在するため、その分、その表面の化学活性度が高まるためと考えられる。実際、図11(A)乃至(D)に示すように、機能性ファイバの直径が太くなるほど、その表面に凹部および孔の数が多くなる傾向が観察された。
この結果より、機能性ファイバの表面の化学活性度を高める観点からすれば、機能性ファイバ製造方法で使用する紡糸液中に含まれるPLAの濃度は、6wt%乃至8wt%の範囲において8wt%がより好ましい。
本発明は、バイオフィルタ、エアフィルタ、電池のセパレータ、センサ等に好適である。
1:機能性ファイバ製造装置、2:紡糸液供給部、11:容器、12:ターンテーブル、13:捕集部材、14:駆動部、15:カバー、16:シャフト、31:第1蓋体、32:第2蓋体、111,131:側壁、111a:吐出孔、132:底壁、132a:挿通孔、321:開口部、F1:機能性ファイバ、J1:回転軸、Li1:紡糸液

Claims (4)

  1. 少なくとも1種類の溶媒に少なくとも1種類のポリマを溶解させた紡糸液を、有底円筒状であり側壁に複数の吐出孔が設けられた容器に供給する紡糸液供給工程と、
    前記紡糸液が供給された前記容器を、前記容器の筒軸方向に沿った回転軸周りに回転させることにより前記紡糸液を前記複数の吐出孔それぞれから前記容器外へ吐出させる吐出工程と、
    円筒状であり前記回転軸に直交する方向において内壁が前記容器の側壁に対向する形で配置され且つ蓋体で上方全体が閉塞された捕集部材により、前記紡糸液から生成される機能性ファイバを捕集する捕集工程と、を含む、
    機能性ファイバ製造方法。
  2. 前記紡糸液は、トリクロロメタンにポリ乳酸を溶解させたものであり、
    ポリ乳酸の濃度は、6wt%以上8wt%以下である、
    請求項1に記載の機能性ファイバ製造方法。
  3. 有底円筒状であり側壁に複数の吐出孔が設けられた容器と、
    少なくとも1種類の溶媒に少なくとも1種類のポリマを溶解させた紡糸液が前記容器に貯留された状態で、前記容器の筒軸方向に沿った回転軸周りに回転させることにより前記紡糸液を前記複数の吐出孔それぞれから前記容器外へ吐出させる駆動部と、
    円筒状であり前記回転軸に直交する方向において内壁が前記容器の側壁に対向する形で配置され、前記紡糸液から生成される機能性ファイバを捕集する捕集部材と、
    前記捕集部材の上方全体を閉塞する蓋体と、を備える、
    機能性ファイバ製造装置。
  4. 前記吐出孔は、直径が0.25mm以上1mm以下の平面視円形の孔である、
    請求項3に記載の機能性ファイバ製造装置。
JP2018086371A 2018-04-27 2018-04-27 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置 Active JP7266270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086371A JP7266270B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018086371A JP7266270B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019189985A JP2019189985A (ja) 2019-10-31
JP7266270B2 true JP7266270B2 (ja) 2023-04-28

Family

ID=68389330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018086371A Active JP7266270B2 (ja) 2018-04-27 2018-04-27 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7266270B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102502423B1 (ko) * 2021-04-15 2023-02-23 한국과학기술원 원심방사용 방사 디스크
CN114232116B (zh) * 2021-12-31 2022-09-13 武汉纺织大学 一种纳米纤维卷绕收集装置
CN117947533A (zh) * 2022-10-19 2024-04-30 诺一迈尔(苏州)医学科技有限公司 静电纺丝设备

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1472373A (zh) 2003-03-28 2004-02-04 中国科学院长春应用化学研究所 旋碟纺丝法及纺丝装置
JP2006522240A (ja) 2003-04-03 2006-09-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 均質な材料を形成させるためのローター式方法
JP2014511443A (ja) 2011-03-09 2014-05-15 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム 繊維の製造のための装置及び方法
CN104294383A (zh) 2014-10-31 2015-01-21 苏州大学 一种应用于制备纳米纤维的气流转盘纺丝装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1472373A (zh) 2003-03-28 2004-02-04 中国科学院长春应用化学研究所 旋碟纺丝法及纺丝装置
JP2006522240A (ja) 2003-04-03 2006-09-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 均質な材料を形成させるためのローター式方法
JP2014511443A (ja) 2011-03-09 2014-05-15 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム 繊維の製造のための装置及び方法
CN104294383A (zh) 2014-10-31 2015-01-21 苏州大学 一种应用于制备纳米纤维的气流转盘纺丝装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BADROSSAMAY M R et al.,Nanofiber Assembly by Rotary Jet-Spinning,Nano Lett.,米国,2010年,10,2257-2261

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019189985A (ja) 2019-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7266270B2 (ja) 機能性ファイバ製造方法および機能性ファイバ製造装置
JP4975613B2 (ja) 回転可能なスプレーヘッドを用いたファイバーのエレクトロスピニング
Niu et al. Fiber generators in needleless electrospinning
Yousefzadeh et al. Producing continuous twisted yarn from well‐aligned nanofibers by water vortex
JP5627024B2 (ja) 静電紡糸アセンブリ
KR101519169B1 (ko) 용융 방사에 의한 나노섬유의 제조
US8668854B2 (en) Process and apparatus for producing nanofibers using a two phase flow nozzle
Valipouri et al. A novel method for manufacturing nanofibers
US20080217807A1 (en) Composite fiber filter comprising nan0-materials, and manufacturing method and apparatus thereof
Dabirian et al. Investigation of parameters affecting PAN nanofiber production using electrical and centrifugal forces as a novel method
US10208404B2 (en) Micro and nanofibers of polysaccharide based materials
Shuakat et al. Highly-twisted, continuous nanofibre yarns prepared by a hybrid needle-needleless electrospinning technique
Dabirian et al. The effects of operating parameters on the fabrication of polyacrylonitrile nanofibers in electro-centrifuge spinning
JP4602752B2 (ja) 撚糸、撚糸の製造方法および撚糸の製造装置
DE102010010553A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Fasern aus Polymerdispersionen
SE530751C2 (sv) Anordning för framställning av nanofiber
US20210207291A1 (en) Apparatus and process for uniform deposition of polymeric nanofibers on substrate
US20220176283A1 (en) Composite structure, method of manufacturing the same, and filter medium containing the composite structure
Hosseinian et al. Determining the effect of centrifugal and electrical forces on the jet behaviors, the nanofiber structure, and morphology
Gholipour-Kanani et al. A review on centrifugal and electro-centrifugal spinning as new methods of nanofibers fabrication
Ravandi et al. Wicking phenomenon in nanofiber-coated filament yarns
Das et al. Electrospinning: the state of art technique for the production of nanofibers and nanofibrous membranes for advanced engineering applications
JP2013124426A (ja) ナノ・ファイバ製造用スピナレット
JP5656297B2 (ja) 遠心紡糸装置及び遠心紡糸方法
WO2016081937A1 (en) In-situ charging fiber spinning method for producing a nonwoven electret

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220405

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7266270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150