JP2002053891A - 水溶性潤滑剤 - Google Patents

水溶性潤滑剤

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JP2002053891A
JP2002053891A JP2000240488A JP2000240488A JP2002053891A JP 2002053891 A JP2002053891 A JP 2002053891A JP 2000240488 A JP2000240488 A JP 2000240488A JP 2000240488 A JP2000240488 A JP 2000240488A JP 2002053891 A JP2002053891 A JP 2002053891A
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JP2000240488A
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Takakazu Imai
堯一 今井
Takeshi Okamoto
毅 岡本
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃水処理性が優れ、防錆性、潤滑性が良好
な、ポリエーテル系化合物を基剤とした水溶性潤滑剤を
提供する。 【解決手段】 特定の一般式で表され、末端に1,2−
アルキレンオキサイドが付加された構造を有し、末端1
級水酸基化率が60%以上であるポリエーテル化合物
の、リン酸エステル(塩)および/またはエーテルカル
ボン酸(塩)からなることを特徴とする水溶性潤滑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性潤滑剤に関
する。さらに詳しくは、切削、研削、プレス、圧延、鍛
造、引き抜き、アルミディスクおよびシリコンウエハの
研磨、切断などの加工に用いる金属加工油、並びに水−
グリコール系作動油などの潤滑油などの水溶性潤滑油に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】凝集沈殿処理性を改善したポリエーテル
系水溶性金属加工油として、特開平7−53985号公
報および特開平9−40982号公報に、ポリエーテル
にカルボキシル基およびリン酸エステル基を導入した金
属加工油が記載されている。これらの中では、反応率を
上げるためにアルコールにエチレンオキサイド(以下E
Oとする)を単独付加もしくはポリエーテルの末端にE
Oを付加後、カルボキシメチルエーテル化およびリン酸
エステル化している。このようにアニオン化の反応性を
上げるためには1級OHを有するEOを末端に付加する
必要があるが、EOを末端に付加すると水との親和性が
増し、泡立ち性や防錆性などが悪くなる欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題点に鑑み、
本発明は、凝集沈殿法による廃水処理性が優れ、防錆性
がよく、かつ潤滑性が良好な、ポリエーテル系化合物を
基剤とした水溶性潤滑剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、本発明に到達した。す
なわち本発明は、下記一般式(1)で表され末端1級水
酸基化率が60%以上であるポリエーテル化合物(a)
の、リン酸エステル(塩)(A)および/またはエーテ
ルカルボン酸(塩)(B)からなることを特徴とする水
溶性潤滑剤;並びにこの水溶性潤滑剤と、防錆剤、極圧
添加剤、消泡剤および乳化剤から選ばれる一種以上の添
加剤からなる水溶性潤滑剤組成物である。 R1−[−(ZO)p−(AO)q−H]r (1) [式(1)中、R1 はr個の活性水素を有する脂肪族化
合物から活性水素を除いた残基:Zは炭素数2〜4のア
ルキレン基:Aは炭素数3〜12の1,2−アルキレン
基:pは0または1以上の整数、pが1以上の場合、Z
Oの内オキシエチレン単位の割合は、ZOとAOの合計
の20モル%以下である。rは1〜8の整数、qは1以
上の整数であって、p+qが10〜1000である。] ここで水溶性とは、温度10〜50℃の範囲で、濃度
0.5質量%以上の水溶液の外観が透明であることをい
う。また、末端1級水酸基化率(以下1級化率とい
う。)とは、後述するように、一般式(1)の末端の−
AO−H基中で、1級水酸基となっているものの割合
(百分率)をいう。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、ポリエーテル化
合物(a)は1〜8個の活性水素を有する脂肪族化合
物:R1−[−H]rにアルキレンオキサイドを付加して得
ることができる。活性水素の数rが8を越えると、
(a)の粘度が高くなり好ましくない。上記脂肪族化合
物の好ましい例としては、1個もしくは2〜8個の活性
水素を有する水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、
カルボキシル基含有化合物、チオール基含有化合物が挙
げられ、2種以上を併用してもよい。
【0006】水酸基含有化合物としては、1価のアルコ
ール、2〜8価の多価アルコールが挙げられる。1価の
アルコールとしては、炭素数1〜24の1価アルコー
ル、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、オ
クタノール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ステアリルアルコールなどが
挙げられる。多価アルコールとしては、炭素数2〜12
の2価アルコール(脂肪族ジオール、例えば、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−および
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール
などのアルキレングリコール;および脂環式ジオール、
例えば、シクロヘキサンジオール、1、4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサンなどのシクロアルキレン
グリコール)、炭素数3〜20の3価アルコール(脂肪
族トリオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオールな
どのアルカントリオール);炭素数4〜12の4〜8価
のアルコール(脂肪族ポリオール、例えば、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトー
ル、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトー
ルなどのアルカンポリオールおよびその分子内もしくは
分子間脱水物;ならびにショ糖、グルコース、マンノー
ス、フルクトース、α−メチルグルコシドなどの糖類お
よびその誘導体)が挙げられる。これらのうち好ましい
ものは、炭素数1〜24の1価アルコール及び炭素数2
〜12の2価アルコールである。
【0007】アミノ基含有化合物としては、脂肪族アミ
ン類として、炭素数2〜12のアルカノールアミン類
(例えば、モノエタノールアミンおよびイソプロパノー
ルアミン)、炭素数1〜20のアルキルアミン類(例え
ば、n−ブチルアミン、オクチルアミンおよびオレイル
アミン)、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(例え
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミンおよびヘキ
サメチレンジアミン)、炭素数4〜20のポリアルキレ
ンポリアミン類(アルキレン基の炭素数が2〜6のジア
ルキレントリアミン〜ペンタアルキレンヘキサミン、例
えば、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラ
ミン)が挙げられる。また、炭素数4〜20の脂環式ア
ミン類(イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミ
ンおよびジシクロヘキシルメタンジアミン);炭素数4
〜20の複素環式アミン類(例えば、ピペラジンおよび
アミノエチルピペラジン)などが挙げられる。これらの
うち、好ましいものは炭素数1〜20のアルキルアミン
である。
【0008】カルボキシル基含有化合物としては、炭素
数4〜18の脂肪族ポリカルボン酸(コハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイ
ン酸、フマル酸など)などが挙げられる。
【0009】チオール基含有化合物としては、プロピル
チオール、ブチルチオール、オクチルチオール、ラウリ
ルチオールなど炭素数2〜18の1価チオール;エチレ
ンジチオール、プロピレンジチオール、1、3−ブチレ
ンジチオール、1、4−ブタンジチオール、1、6−ヘ
キサンジチオール、3−メチルペンタンジチオールなど
の炭素数2〜18の2〜8価のチオールが挙げられる。
これらの活性水素を有する脂肪族化合物のうち、好まし
いのは水酸基含有化合物である。
【0010】一般式(1)におけるZは炭素数2〜4の
アルキレン基を表し、ZOは炭素数2〜4のアルキレン
オキサイドの付加により形成される。このようなアルキ
レンオキサイドの例としては、EO、プロピレンオキサ
イド(以下POとする)、1,2−、1,3−、2,3
−および1,4−ブチレンオキサイド(以下BOとす
る)ならびにこれらの2種以上の併用が挙げられる。Z
Oの内のオキシエチレン単位の割合は、ZOと後述する
AOの合計に対して20モル%以下であり、好ましくは
5モル%以下である。EOの割合が20モル%を超える
と防錆性が悪くなる。
【0011】ZO単位の部分を形成するアルキレンオキ
サイドの付加方法としては、通常アルキレンオキサイド
の付加に用いられる触媒[塩基性触媒、例えば、水酸化
物(KOH、NaOHなど)、酸化物〔K2O 、Ca
O)など]の存在下、前記の化合物:R1−[−H]rに付
加させればよい。
【0012】一般式(1)におけるAは炭素数3〜12
の1,2−アルキレン基であり、AOは炭素数3〜12
の1,2−アルキレンオキサイドの付加により形成され
る。このようなアルキレンオキサイドの例としては、
1,2−プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキ
サイド、1、2−オクチレンオキサイドが挙げられる。
これらのうち、好ましいものは炭素数3〜4の1,2−
アルキレンオキサイドである。
【0013】一般式(1)中の末端の水酸基含有基−A
O−H基としては、下記の一般式(2)で表される1級
水酸基含有基と一般式(2’)で表される2級水酸基含
有基の2種類があるが、(a)としては、全水酸基中の
一般式(2)で表される1級水酸基含有基の割合である
1級化率が60%以上である必要がある。1級化率が6
0%未満であると、アニオン化率が悪くなり、凝集沈殿
による処理液のCOD値が高くなる。 上記一般式(2)および(2’)中、R2 は炭素数1〜
10の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖アルキル
基、イソプロピル基等の分岐アルキル基などが挙げられ
る。好ましくはメチル基およびエチル基である。
【0014】ポリエーテル末端に炭素数3〜12のオキ
シアルキレン単位を有し、1級化率が60%以上である
と、エーテルカルボン酸(塩)化、またはリン酸エステ
ル(塩)化の反応性が向上し、(a)のアニオン化率が
高くなるため、凝集沈殿法による廃水処理性に優れ、潤
滑性も良好になる。1級化率が80%以上であると、さ
らに凝集沈殿処理液のCOD値が低くなり、また潤滑性
や防錆性も向上し好ましい。
【0015】一般式(1)中、pは通常0または1以
上、好ましくは0または1〜10の整数である。qは1
以上の整数であって、p+qは、通常10〜1000、
好ましくは20〜300である。P+qが10未満であ
ると潤滑性が不良となり、1000を越えると水への溶
解性が不足する。
【0016】この1級化率が60%以上のポリエーテル
化合物(a)を得る方法としては、特定の触媒の存在化
で、活性水素含有化合物にアルキレンオキサイドを付加
させる方法が挙げられる。特定の触媒としては、特許第
3076032号に記載のものが挙げられ、具体的に
は、フッ素原子、(置換)フェニル基および/または3
級アルキル基が結合したホウ素もしくはアルミニウム化
合物であり、トリフェニルボラン、ジフェニル−t−ブ
チルボラン、トリ(t−ブチル)ボラン、トリフェニル
アルミニウム、ジフェニル−t−ブチルアルミニウム、
トリ(t−ブチル)アルミニウム、トリス(ペンタフル
オロフェニル)ボラン、ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)−t−ブチルボラン、トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)アルミニウム、ビス(ペンタフルオロフェニル)
−t−ブチルアルミニウムなどが挙げられる。これらの
中で好ましいものは、トリフェニルボラン、トリフェニ
ルアルミニウム、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム
であり、さらに好ましいのはトリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ア
ルミニウムである。
【0017】AOの付加条件についても上記特許に記載
の方法と同様でよく、例えば、生成する開環重合体に対
して、通常0.0001〜10質量%、好ましくは0.
001〜1質量%の上記触媒を用い、通常0〜250
℃、好ましくは20〜180℃で反応させる。
【0018】ポリエーテル化合物(a)の重量平均分子
量(ゲルパーミッションクロマトグラフによる、以下同
様)は、好ましくは1000〜60000であり、さら
に好ましくは1200〜10000である。重量平均分
子量が1000以上であると潤滑性がよくなり、600
00以下であると水への溶解性が向上する。
【0019】本発明における1級化率は、予め試料をエ
ステル化の前処理をした後に、 1H−NMR法により測
定し、算出したものである。 1H−NMR法の詳細を以
下に具体的に説明する。
【0020】<試料調製法>測定試料約30mgを直径
5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水
素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無
水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。ここ
で述べた重水素化溶媒とは重水素化クロロホルム、重水
素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素
化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させるこ
とのできる溶媒を適宜選択する。 <NMR測定>通常の条件で 1H−NMR測定を行う。
【0021】<1級化率の計算方法>上に述べた前処理
の方法により、ポリオキシアルキレンポリオールの末端
の水酸基は、添加した無水トリフルオロ酢酸と反応して
トリフルオロ酢酸エステルとなる。その結果、1級水酸
基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近
に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号
は5.2ppm付近に観測される。末端水酸基の1級化
率は次の計算式により算出する。 1級化率(%)=[p/(p+2×q)]×100 但し、pは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメ
チレン基由来の信号の積分値;qは5.2ppm付近の
2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値であ
る。
【0022】本発明の水溶性潤滑剤は、(a)をリン酸
エステル(塩)化、あるいはエーテルカルボン酸(塩)
化して得られるものであり、これらを併用することもで
きる。また、未反応の(a)が含まれていてもよい。リ
ン酸エステル(塩)(A)の製法としては、通常用いら
れる方法でよく特に限定されないが、ポリエーテル化合
物(a)と、リン酸、ポリリン酸、無水リン酸、オキシ
塩化リン等のリン酸化剤との反応によりリン酸化し、ア
ルカリ金属の水酸化物、アミン等で中和する方法などが
挙げられる。リン酸化はリン酸エステル化と同じであ
り、モノエステル、ジエステルなどが生成するが、リン
酸モノエステル、リン酸ジエステル、およびこれらの含
有量の高い混合物が好ましく、リン酸トリエステルの含
有量は5質量%以下が好ましい。より好ましくはリン酸
モノエステル、リン酸ジエステルの割合(質量比)が1
00/0〜20/80の混合物である。
【0023】r=1の場合を例にとると、例えば(a)
と無水リン酸の反応は、反応温度が通常30〜150
℃、好ましくは60〜130℃で、窒素雰囲気中で行
い、(A)のリン酸ジエステルを得る。次いで、反応に
用いた無水リン酸と等モルの水を加えて加水分解し、
(a)のリン酸モノエステルを得る。反応時間は反応温
度によって異なるが、通常1〜10時間、好ましくは2
〜5時間である。(a)と無水リン酸の反応モル比は、
リン酸モノエステルを主成分として得る場合は、好まし
くは2.0:1.15〜2.0:0.85、さらに好ま
しくは2.0:1.05〜2.0:0.95であり、リ
ン酸ジエステルを主成分として得る場合は、好ましくは
2.0:0.4〜2.0:0.6、さらに好ましくは
2.0:0.45〜2.0:0.55である。リン酸化
の終点は56100/(エステル化物の分子量)で表さ
れる酸価(AV)が、理論値の80〜110%となる点
であり、好ましくは、85〜105%となる点である。
r=2以上の場合は、r個のOHのうちの平均80%以
上がリン酸エステル化され、生成物のAVが1〜20
0、水酸基価が6以下、リン酸モノエステルおよび/ま
たはリン酸ジエステルの含量が95質量%以上となるよ
うな条件で反応させるのが好ましい。
【0024】その後、必要により、NaOH、KOHな
どのアルカリ金属の水酸化物;Ba(OH)2 などのア
ルカリ土類金属の水酸化物;メチルアミン、ブチルアミ
ン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロ
ヘキシルアミンEO2モル付加物、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
の、炭素数1〜10の、アルキルおよびアルカノールア
ミンとそれらのアルキレンオキサイド(アルキレン基の
炭素数2〜4)1〜4モル付加物、並びにアンモニアな
どのアミン類;などの水溶液を用いて中和し、目的の
(A)を得る。中和度は随時に選択出来るが、好ましく
は10%水溶液のpHが4〜9、とくに5〜8である。
【0025】エーテルカルボン酸塩(B)の製法として
は、通常用いられる方法でよく特に限定されないが、例
えば、ポリエーテル化合物(a)を、カルボン酸を構成
する炭素数が2〜5のモノハロゲン化低級カルボン酸ア
ルカリ金属塩(例えば、モノクロル酢酸ナトリウム、モ
ノブロム酢酸ナトリウム、モノクロルプロピオン酸ナト
リウム)と、必要により溶媒(例えば、トルエン、キシ
レンなどの芳香族系溶媒)の存在下、苛性アルカリ(例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を徐々に加
えながら、窒素雰囲気中で縮合反応することによって得
ることができる。反応温度は通常30〜100℃、好ま
しくは40〜70℃である。上記(a)とハロゲン化低
級カルボン酸塩の反応の際の、(a)の水酸基とハロゲ
ン化低級カルボン酸塩の当量比は、好ましくは1.0:
0.9〜1.0:1.6、さらに好ましくは1.0:
0.95〜1.0:1.5である。反応の終点は、全O
H基に対するエーテル化度が85%以上、好ましくは9
0%以上となるところである。
【0026】次いで、水および必要により溶剤を加え、
酸性条件下に、水洗、分離などの精製工程を経て、必要
により中和し、ポリエーテルのエーテルカルボン酸塩の
水溶液を得る。中和剤としては、前記のリン酸エステル
の中和に用いるものと同様のものが挙げられる。中和度
は随時に選択出来るが、好ましくは10%水溶液のpH
が4〜9、とくに5〜8である。
【0027】なお、エーテルカルボン酸塩のエーテル化
度は、下記の条件にて液体クロマトグラフィーを用いて
測定することができる。 液体クロマトグラフィー測定条件 カラム :ODS系、6mmФ×15cm カラム温度 :35℃ 溶離液 :メタノール/水=90/10 流量 :0.8ml/min 試料濃度 :10% 注入量 :30μl
【0028】本発明の水溶性潤滑剤は、潤滑性が良好で
あり単独でも使用可能であるが、必要により、防錆剤、
極圧添加剤、消泡剤、乳化剤などの添加剤を加え、水で
希釈して、エマルション型、ソリュブル型およびソリュ
ーション型の水溶性潤滑剤組成物として使用することが
できる。これらの添加剤は、2種以上を併用してもよ
い。また、性能に悪影響を与えない範囲(好ましくは本
発明の水溶性潤滑剤の50質量%以下)で、末端EO付
加ポリエーテルにカルボキシル基またはリン酸エステル
基を導入した潤滑剤など、従来の潤滑剤を併用してもよ
い。
【0029】防錆剤としては、例えば、炭素数2〜36
の有機アミン(脂肪族アミン、例えば、ブチルアミン、
オクチルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミン;脂
環式アミン、例えばシクロヘキシルアミン;複素環式ア
ミン、例えばモルホリン;アルカノールアミン、例え
ば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、イ
ソプロパノールアミン、N−ジメチルアミノエタノール
アミン、イソプロパノールアミン;など);有機アミン
のアルキレンオキサイド(アルキレン基の炭素数2〜
4)付加体(上記アミンのPOもしくはEO1〜10モ
ル付加物など);炭素数6〜36の脂肪族カルボン酸と
そのアミド(カプリル酸、ラウリル酸、ノナン酸、デカ
ン酸、オレイン酸、オレイルアミドなど);炭素数6〜
24の二塩基酸(アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
2酸、ダイマー酸など);炭素数6〜36のアルケニル
コハク酸とそのアミド(オクテニルコハク酸、ドデセニ
ルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクテニルコハ
ク酸アミドなど);芳香族カルボン酸(安息香酸、p−
tertブチル安息香酸、ニトロ安息香酸など);これ
らのカルボン酸のアミン塩またはアルカリ金属塩(カプ
リル酸カリウム、セバシン酸カリウムなど);シクロヘ
キシルアミンナイトライト、ベンゾトリアゾールなどが
挙げられる。なお、炭素数6〜36の脂肪族カルボン酸
とそのアミドおよび炭素数6〜36のアルケニルコハク
酸とそのアミドは、油性向上剤としての機能も有する。
【0030】極圧添加剤としては、硫化オレイン酸、塩
素化ステアリン酸、炭素巣8〜24のアルキルリン酸エ
ステル、炭素数8〜24のアルキルチオプロピオン酸、
炭素数8〜24のアルキルチオグリコール酸などのアミ
ン塩またはアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0031】消泡剤としては、ポリオルガノシロキサン
(例えばポリジメチルシロキサンなど)が挙げられる。
【0032】乳化剤としては、ポリオキシエチレン(重
合度4〜20)モノアルキルエーテル(アルキル基の炭
素数8〜22)などのノニオン界面活性剤;石油スルフ
ォネート、アルキル(炭素数5〜36)ベンゼンスルフ
ォン酸アルカリ金属塩などのようなアニオン活性剤が挙
げられる。
【0033】本発明の水溶性潤滑剤組成物中、(A)お
よび/または(B)からなる水溶性潤滑剤の含量は、好
ましくは5〜60質量%、さらに好ましくは10〜50
質量%である。水の含量は、好ましくは95質量%以
下、さらに好ましくは10〜90質量%、とくに好まし
くは20〜80質量%である。防錆剤の含量は、好まし
くは25質量%以下、さらに好ましくは5〜20質量%
である。極圧添加剤の含量は、好ましくは10質量%以
下、さらに好ましくは5質量%以下である。消泡剤の添
加量は、好ましくは1000ppm以下、さらに好まし
くは10〜500ppmである。乳化剤の添加量は、好
ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%
以下である。
【0034】本発明の水溶性潤滑剤または水溶性潤滑剤
組成物は、切削油、研削油、圧延油、引き抜き油、鍛造
油、プレス油、離型油などの金属加工油、ガラス、シリ
コンウエハやアルミディスクの研磨加工油、シリコンウ
エハのカッティング液、繊維用潤滑油、作動油やコンベ
ヤー油などの潤滑剤などに用いることができるが、特に
金属加工油や研磨加工油として用いるのが好適である。
また、水・グリコール系作動油などの水を含有する潤滑
剤に溶解あるいは分散させることによって使用すること
もできる。
【0035】本発明の水溶性潤滑剤または水溶性潤滑剤
組成物は、金属加工油および潤滑剤として使用する場
合、必要により水で希釈(例えば、質量基準で10〜1
00倍)して使用する。特に、(A)およびまたは
(B)の含量が0.5〜3質量%(とくに1〜2質量
%)、防錆剤の含量が0.2〜2質量%(とくに0.5
〜1質量%)となるように希釈して用いるのが好まし
い。
【0036】
【実施例】以下の実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下のエ
ーテルカルボン酸塩およびリン酸エステル塩を作成し、
水溶性潤滑剤としての評価を行った。
【0037】製造例1 2000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、n−ブタノール74部(1モル)と
触媒トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを7.2
部(生成する開環重合体に対して0.58質量%)仕込
み、PO1160部(20モル)を、反応温度70〜8
0℃で12時間かけて滴下した後、75℃で6時間熟成
した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、2
0gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)
と水を加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブ
より取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した
後脱水し、液状のポリエーテル1196部を得た。1級
化率(前記NMR法で測定したもの、以下の例も同様)
は92%であった。ガラス製反応容器に上記生成物24
7部(0.20モル)と、モノクロル酢酸ナトリウム2
6部(0.22モル)、トルエン300部を仕込み、温
度を50℃に保ちながら徐々に減圧度を高め75mmH
gとする。その後、減圧脱水しながら顆粒状の水酸化ナ
トリウム10部(0.25モル)を2時間かけて仕込ん
だ。さらに6時間熟成を行った。エーテル化度(前記液
体クロマトグラフィー法により測定したもの、以下の例
も同様)は92%であった。水300部を加え、水およ
びトルエンの2層とし、塩酸で酸性にして、静置、分
液、水洗による脱NaClを行った後、油層の脱トルエ
ンを行った。得られたエーテルカルボン酸を、シクロヘ
キシルアミンEO2モル付加物でpH6.5となるよう
に中和し、本発明のエーテルカルボン酸塩B−1を得
た。
【0038】製造例2 3000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、ラウリルアルコールEO2モル付加
物274部(1モル)と触媒トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボランを11.7部(生成する開環重合体に対
して0.58質量%)仕込み、PO1740部(30モ
ル)を、反応温度が70〜80℃で12時間かけて滴下
した後、75℃で6時間熟成した。次に、水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和した後、30gの合成珪酸塩(キョー
ワード600、協和化学製)と水を加えて60℃で3時
間処理した。オートクレーブより取り出した後、1ミク
ロンのフィルターで濾過した後脱水し、液状のポリエー
テル1962部を得た。1級化率は90%であった。ガ
ラス製反応容器に上記生成物403部(0.20モル)
と、モノクロル酢酸ナトリウム26部(0.22モ
ル)、トルエン500部を仕込み、温度を50℃に保ち
ながら徐々に減圧度を高め75mmHgとする。その
後、減圧脱水しながら顆粒状の水酸化ナトリウム10部
(0.25モル)を2時間かけて仕込んだ。さらに6時
間熟成を行った。エーテル化度は92%であった。水5
00部を加え、水およびトルエンの2層とし、塩酸で酸
性にして、静置、分液、水洗による脱NaClを行った
後、油層の脱トルエンを行った。得られたエーテルカル
ボン酸をトリエタノールアミンで、pH6.5となるよ
うに中和し、エーテルカルボン酸塩B−2を得た。
【0039】製造例3 3000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、ヘキシレングリコール118部(1
モル)と触媒トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン
を17.8部(生成する開環重合体に対して0.78質
量%)仕込み、BO720部(10モル)とPO145
0部(25モル)を同時に、反応温度が70〜80℃で
12時間かけて滴下した後、75℃で6時間熟成した。
次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、30gの
合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学製)と水を
加えて60℃で3時間処理した。オートクレーブより取
り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過した後脱水
し、液状のポリエーテル2220部を得た。1級化率は
97%であった。ガラス製反応容器に上記生成物458
部(0.20モル)と、モノクロル酢酸ナトリウム26
部(0.22モル)、トルエン550部を仕込み、温度
を50℃に保ちながら徐々に減圧度を高め75mmHg
とする。その後、減圧脱水しながら顆粒状の水酸化ナト
リウム10部(0.25モル)を2時間かけて仕込ん
だ。さらに6時間熟成を行った。エーテル化度は95%
であった。水550部を加え、水およびトルエンの2層
とし、塩酸で酸性にして、静置、分液、水洗による脱N
aClを行った後、油層の脱トルエンを行った。得られ
たエーテルカルボン酸をトリエタノールアミンで、pH
6.5となるように中和し、本発明のエーテルカルボン
酸塩B−3を得た。
【0040】製造例4 3000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、オクチルアルコール130部(1モ
ル)と触媒トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを
12.5部(生成する開環重合体に対して0.58質量
%)仕込み、PO2030部(35モル)を、反応温度
が70〜80℃で12時間かけて滴下した後、75℃で
6時間熟成した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和
した後、30gの合成珪酸塩(キョーワード600、協
和化学製)と水を加えて60℃で3時間処理した。オー
トクレーブより取り出した後、1ミクロンのフィルター
で濾過した後脱水し、液状のポリエーテル2085部を
得た。1級化率は95%であった。ガラス容器に上記反
応物216部(0.10モル)と無水リン酸7.1部
(0.05モル)を仕込み、65℃で8時間反応させ、
次いで水0.9部(0.05モル)を加え65℃で2時
間反応させ、エステル化物を得た。AVから求めたリン
酸を基準とするエステル化反応率(以下、エステル化反
応率という)は85%であった。さらに、水酸化カリウ
ム11.2部を水500部に溶解し、60℃で上記エス
テル化物を加え、pHを6.5に調整して、本発明のリ
ン酸エステル塩A−1の水溶液を得た。
【0041】製造例5 3000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、ポリプロピレングリコール(OH価
換算数平均分子量;400)400部(1モル)と触媒
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを19.0部
(生成する開環重合体に対して0.78質量%)仕込
み、PO2030部(35モル)を、反応温度が70〜
80℃で12時間かけて滴下した後、75℃で6時間熟
成した。次に、水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、
30gの合成珪酸塩(キョーワード600、協和化学
製)と水を加えて60℃で3時間処理した。オートクレ
ーブより取り出した後、1ミクロンのフィルターで濾過
した後脱水し、液状のポリエーテル2366部を得た。
1級化率は97%であった。ガラス容器に上記反応物2
43部(0.10モル)と無水リン酸14.2部(0.
10モル)を仕込み、65℃で8時間反応させ、次い
で、水1.8部(0.10モル)を加え65℃で2時間
反応させ、エステル化物を得た。エステル化反応率は8
0%であった。さらに、ラウリルアミンEO2モル付加
物で中和し、pHを6.5に調整して、本発明のリン酸
エステル塩A−2を得た。
【0042】製造例6 3000mlの攪拌装置、温度制御装置付きのSUS製
オートクレーブに、1,4−ブタンジオールをスタータ
ーとするテトラヒドロフラン(THF)とEOの共重合
体(OH価換算数平均分子量;500、EO比率30モ
ル%)500部(1モル)と触媒トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボランを22.0部(生成する開環重合体
に対して0.78質量%)仕込み、PO2320部(4
0モル)を、反応温度が70〜80℃で12時間かけて
滴下した後、75℃で6時間熟成した。次に、水酸化ナ
トリウム水溶液で中和した後、30gの合成珪酸塩(キ
ョーワード600、協和化学製)と水を加えて60℃で
3時間処理した。オートクレーブより取り出した後、1
ミクロンのフィルターで濾過した後脱水し、液状のポリ
エーテル2758部を得た。1級化率は95%であっ
た。ガラス容器に上記反応物282部(0.10モル)
と無水リン酸14.2部(0.10モル)を仕込み、6
5℃で8時間反応させ、次いで、水1.8部(0.10
モル)を加え65℃で2時間反応させ、エステル化物を
得た。エステル化反応率は92%であった。さらに、水
酸化カリウム22.4部を水700部に溶解し、60℃
で上記エステル化物を加え、pHを6.5に調整して、
本発明のリン酸エステル塩A−3の水溶液を得た。
【0043】比較製造例1 n−ブタノール74部(1モル)と触媒KOH5.3部
(生成する開環重合体に対して0.25質量%)を仕込
み、EO880部(20モル)とPO1160部(20
モル)を温度100〜120℃でランダムに付加させた
(1級化率38%)。上記生成物423部(0.20モ
ル)をモノクロル酢酸ナトリウム26部(0.22モ
ル)で製造例1と同様の方法でエーテルカルボン酸塩化
し、水とトルエンで分液脱NaCl処理した後(エーテ
ル化度30%)、トリエタノールアミンでpH6.5と
なるように中和して、比較のエーテルカルボン酸塩R−
1を得た。
【0044】比較製造例2 オクチルアルコール130部(1モル)と触媒KOH
2.9部(生成する開環重合体に対して0.25質量
%)を仕込み、PO580部(10モル)とEO440
部(10モル)を順次ブロック付加させた。(1級化率
100%)。上記生成物230部(0.20モル)をモ
ノクロル酢酸ナトリウム26部(0.22モル)で製造
例1と同様の方法でエーテルカルボン酸塩化し、水とト
ルエンで分液脱NaCl処理した後(エーテル化度82
%)、トリエタノールアミンでpH6.5となるように
中和して、比較のエーテルカルボン酸塩R−2を得た。
【0045】比較製造例3 オレイルアルコールEO4モル付加物(1級化率100
%)444部(0.10モル)、無水リン酸7.1部
(0.05モル)および水0.9部(0.05モル)か
ら、製造例4と同様にして、エステル化物を得た(エス
テル化反応率88%)。さらにNaOH水溶液でpHを
6.5に中和して、比較のリン酸エステル塩R−3の水
溶液を得た。
【0046】実施例1〜6、比較例1〜3 本発明の水溶性潤滑剤B−1〜B−3(実施例1〜
3)、水溶性潤滑剤A−1〜A−3(実施例4〜6)、
および比較の水溶性潤滑剤R−1〜R−3(比較例1〜
3)を用い、固形分が2質量%となるように水で希釈し
て、摩擦係数、油膜切れ、摩耗痕を測定した。結果を表
1に示す。
【0047】試験条件 <潤滑性試験>振動摩擦摩耗試験機(オプチモール社
製)により、荷重200N、振幅2mm、振動数50H
z,温度30℃、時間10分間で測定。 (1)摩擦係数:時間10分間の平均 (2)油膜切れ:摩擦係数(μ)が立ちあがる状態を見
た。 ◎:なし(μ安定)、○:なし(μやや変動)、X:あ
り(μ変動大) (3)摩耗痕:10mm鋼球(SUJ−2)の摩耗直径
(mm)
【0048】
【表1】
【0049】本発明の水溶性潤滑剤は、比較の水溶性潤
滑剤に較べ、潤滑性試験における油膜切れがなく、摩擦
係数が低く、摩耗痕が少ない為、潤滑特性が優れている
ことがわかる。
【0050】本発明の水溶性潤滑剤B−1〜B−3およ
びA−1〜A−3に、防錆剤(脂肪酸カリウム、トリエ
タノールアミン)と水を配合した実施例7〜12(本発
明の水溶性潤滑剤組成物)と、比較の水溶性潤滑剤R−
1〜R−3を用い、同様に配合した比較例4〜6(比較
の水溶性潤滑剤組成物)の組成を表2に示す(ただし、
水溶性潤滑剤の部数は固形分を表す)。
【0051】
【表2】
【0052】実施例7〜12および比較例4〜6の水溶
性潤滑剤組成物を、水で50倍(質量基準)に希釈し
て、凝集沈殿による廃液処理性(COD低下率)と防錆
性を測定し、水で20倍(質量基準)に希釈して切削性
(タッッピングトルク)を測定した。結果を表3に示
す。
【0053】試験条件 <廃液処理性(COD低下率)>50倍希釈液にポリ塩
化アルミニウム(無機系凝集剤)を3000ppm添加
する。次に水酸化カルシウムで希釈液のpHを6〜8に
調整した後、高分子凝集剤:サンフロックAH−200
P〔三洋化成工業(株)製〕を2ppm添加する。最後
に沈殿物をろ別する。凝集沈殿処理前の液と処理後のろ
液を、JIS K0102の過マンガン酸カリウムによ
るCOD測定法により測定し、以下の計算式によりCO
D低下率を求めた。 COD低下率=(凝集沈殿処理前のCOD−処理後のろ
液のCOD)×100/凝集沈殿処理前のCOD <切削性(タッッピングトルク)>20倍希釈液をポン
プで汲み上げ、10L/分ノズルから工具刃先にかけな
がら、厚さ15mmの鋼(S−45C)に下穴5.5m
mをあけ、M6タップにてタップ加工をおこない、その
時のトルクを測定した。加工時の回転数は400rpm
である。 <防錆性>鋳鉄切りくず(FC−25)5gを試験液に
浸漬後、ろ紙を敷いたシャーレに広げてフタをして、2
0℃で静置し、8時間後の錆の発生状態を目視観察し
た。 判定:◎;発錆なし、○;数点発錆、△;十数点発錆、
×;1/2面発錆
【0054】
【表3】
【0055】上記の結果から、本発明の水溶性潤滑剤組
成物は、比較の水溶性潤滑剤組成物に較べ、凝集沈殿処
理による処理効果(COD低下率)が大きく、また、タ
ッピングトルクが小さく切削性が良好で、かつ、鉄に対
する防錆性が優れていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の水溶性潤滑剤および水溶性潤滑
剤組成物は、凝集沈殿による廃水処理性が良好であり、
かつ、防錆性および油性効果、耐摩耗性などの潤滑性が
優れている。そのため切削、研削、鍛造、プレス、鍛
造、圧延、アルミディスク研磨、シリコンウェハ加工な
どの加工油として、また水・グリコール系作動油として
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C10N 30:00 C10N 30:00 A 30:06 30:06 30:12 30:12 40:08 40:08 40:20 40:20 Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表され末端1級水酸
    基化率が60%以上であるポリエーテル化合物(a)
    の、リン酸エステル(塩)(A)および/またはエーテ
    ルカルボン酸(塩)(B)からなることを特徴とする水
    溶性潤滑剤。 R1−[−(ZO)p−(AO)q−H]r (1) [式(1)中、R1 はr個の活性水素を有する脂肪族化
    合物から活性水素を除いた残基:Zは炭素数2〜4のア
    ルキレン基:Aは炭素数3〜12の1,2−アルキレン
    基:pは0または1以上の整数、pが1以上の場合、Z
    Oの内オキシエチレン単位の割合は、ZOとAOの合計
    の20モル%以下である。rは1〜8の整数、qは1以
    上の整数であって、p+qが10〜1000である。]
  2. 【請求項2】 R1 が1個もしくは2〜8個の活性水素
    を有する水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カル
    ボキシル基含有化合物またはチオール基含有化合物の残
    基である請求項1記載の水溶性潤滑剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水溶性潤滑剤
    と、防錆剤、極圧添加剤、消泡剤および乳化剤から選ば
    れる一種以上の添加剤からなる水溶性潤滑剤組成物。
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