JP2002053789A - 鉛筆芯の製造方法 - Google Patents

鉛筆芯の製造方法

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JP2002053789A
JP2002053789A JP2000238573A JP2000238573A JP2002053789A JP 2002053789 A JP2002053789 A JP 2002053789A JP 2000238573 A JP2000238573 A JP 2000238573A JP 2000238573 A JP2000238573 A JP 2000238573A JP 2002053789 A JP2002053789 A JP 2002053789A
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pencil lead
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Hitoshi Fujimagari
等 藤曲
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Pentel Co Ltd
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得られる鉛筆芯が互いに付着していたり、変
形していたりすることを抑制でき、外観的にも問題のな
い良品の鉛筆芯を極めて効率的に製造する方法を提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも有機結合材と体質材とを主材
として使用し、混練、細線状に押出成形後、焼成温度ま
で熱処理を施してなる鉛筆芯の製造方法において、前記
熱処理前の細線状物表面に有機粉体を付着させておくこ
とを特徴とする鉛筆芯の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】少なくとも有機結合材と体質
材とを主材として使用し、混練、細線状に押出成形後、
焼成温度まで熱処理を施してなる鉛筆芯の製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】一般に、焼成型の鉛筆芯は、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、ブチルゴムといった適宜の有
機結合材と、黒鉛、窒化ホウ素といった体質材とを主材
として使用し、必要に応じてフタル酸エステルなどの可
塑剤、メチルエチルケトンなどの溶剤、ステアリン酸塩
などの安定剤、ステアリン酸などの滑材、カーボンブラ
ックなどの充填材を併用し、これらの配合材料をニーダ
ー、3本ロールなどで混練し、細線状に押出成形した
後、焼成温度まで熱処理を施し、更に必要に応じて、シ
リコン油、流動パラフィン、スピンドル油、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレ
ンワックス、モンタンワックス、カルナバワックスとい
った適宜油状物を含浸させて製造している。
【0003】ところで、有機結合材として極めて一般的
に使用される熱可塑性樹脂は、加熱により容易に軟化溶
融する。また、可塑剤、溶剤、安定剤など、必要に応じ
て適宜使用される材料の中には加熱により細線状物の表
面に滲み出すものも多い。これらの材料を使用して鉛筆
芯を製造する場合、前述の軟化溶融した熱可塑性樹脂や
表面に滲み出た可塑剤、溶剤、安定剤などが、接着剤的
あるいは粘着剤的に働くためであろうが、熱処理後、得
られた鉛筆芯が互いに付着していたり変形していたりす
ることが往々にしてある。鉛筆芯が互いに付着していた
り変形していたりすることは、細線状物の相互間隔を広
くして熱処理することによりある程度は抑制できるが、
量産性を考慮すれば非効率的になってしまう。この問題
を解決するものとして、特開平5−117572号公報
に、熱処理前の細線状物に無機微粉末を付着させておく
方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−117572号公報に記載された方法では、確
かに得られる鉛筆芯が互いに付着していたり、変形して
いたりすることを抑制することはできるが、無機微粉末
は熱処理により炭化物とならないため鉛筆芯自体とのな
じみが悪く、細線状物表面に多量に付着した場合など、
得られる鉛筆芯の表面がしみやまだらの状態になってし
まい、外観的に好ましくなくなるという不具合が発生す
る。本発明は、前記従来技術の不具合点を改善するもの
であり、即ち、得られる鉛筆芯が互いに付着していた
り、変形していたりすることを抑制でき、外観的にも問
題のない良品の鉛筆芯を極めて効率的に製造する方法を
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】熱処理前の細線状物に有
機粉体を付着させておくと良い。即ち、本発明は、少な
くとも有機結合材と体質材とを主材として使用し、混
練、細線状に押出成形後、焼成温度まで熱処理を施して
なる鉛筆芯の製造方法において、前記熱処理前の細線状
物表面に有機粉体を付着させておくことを特徴とする鉛
筆芯の製造方法を要旨とする。
【0006】以下、詳述する。本発明で使用する有機結
合材としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
塩素化ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ブ
チルゴムなどの中より選択された1種もしくは2種以上
のものを、体質材としては、一般的な鱗状黒鉛や鱗片状
黒鉛あるいは窒化ホウ素などを例示できる。これら有機
結合材と体質材とを、フタル酸エステルなどの可塑剤、
メチルエチルケトンなどの溶剤、ステアリン酸塩などの
安定剤、ステアリン酸などの滑材、カーボンブラックな
どの充填材といった必要に応じて使用する材料と共に、
ヘンシェルミキサーなどによる混合、ニーダー、3本ロ
ールなどによる混練の後、細線状に押出成形し、100
0℃程度の焼成温度まで熱処理を施し、更に必要に応じ
て、シリコン油、流動パラフィン、スピンドル油、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリ
エチレンワックス、モンタンワックス、カルナバワック
スといった適宜油状物を含浸させて鉛筆芯とする。
【0007】本発明に係る鉛筆芯の製造方法の骨子は、
熱処理前の細線状物表面に予め有機粉体を付着させてお
くことである。有機粉体の一例としては、各種澱粉類、
アクリル酸パウダー、粉末セルロース、ポリエチレン微
粒子、ポリスチレン微粒子などが挙げられるが、前述し
たように、加熱により軟化溶融した熱可塑性樹脂や細線
状物の表面に滲み出た可塑剤、溶剤、安定剤などによる
接着剤的あるいは粘着剤的な働きが更なる加熱処理によ
り消滅するまで、細線状物表面に存在して粉体形状を維
持し、更に、ブロッキング防止効果の優れたものが好ま
しい。言い換えれば、ブロッキング防止効果が高くても
比較的低温で軟化溶融してしまうものよりも軟化溶融し
ないものの方がより好ましく、工業用加工澱粉は特に好
ましいものの一つである。また、有機粉体の粒径はあま
りに大きいと、粉体自体の自重により付着していた細線
状物表面から熱処理前に、あるいは、熱処理の初期段階
に落下してしまう可能性もあるため、数十μm以下の小
粒径の方が好ましいが、細線状物表面に確実に付着する
粒径であれば特に限定はしない。
【0008】有機粉体を細線状物表面に付着させる方法
としては、乾式法の一例として粉塵状態の有機粉体中に
細線状物を曝す方法や、細線状物への噴霧器による有機
粉体の噴霧などがあり、湿式法の一例として水やアルコ
ールなどを分散媒として有機粉体を分散させた液中に細
線状物を浸漬する方法などが例示できるが、細線状物表
面に有機粉体を均一に付着させられればどのような方法
でも構わない。ちなみに、上記湿式法による場合、有機
粉体の使用量は、使用する分散媒の種類や有機粉体の種
類や粒径などによっても異なるが、概ね、分散媒の5重
量%程度で十分である。
【0009】
【作用】細線状物表面に付着した有機粉体は、加熱によ
り表面に滲み出た可塑剤、溶剤、安定剤などを吸着した
り、細線状物同士が接着したりするのを防止するスペー
サー的な役目を果たし、その後、焼成温度までの熱処理
により収縮した炭化物となり鉛筆芯の表面に残存する。
また、炭化物であるため鉛筆芯自体と非常になじみが良
く、得られる鉛筆芯の表面に多量に残存したとしても特
に問題とはならず、しみやまだらの状態になることもな
い。更に、必要に応じてなされる油状物含浸処理などの
後処理により余剰分を容易に除去することもできる。
【0010】
【実施例】 <実施例1> ポリ塩化ビニル樹脂 55重量部 黒鉛 75重量部 フタル酸ジオクチル(可塑剤) 25重量部 ステアリン酸塩(安定剤) 2重量部 ステアリン酸(滑材) 1重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部 上記材料をヘンシェルミキサーによる混合、3本ロール
による混練をした後、細線状に押出成形した。この細線
状物にニッカリコ(ニッカ株式会社製ブロッキング防止
用加工澱粉、平均粒子径:約15μm、融点:なし)を
噴霧器により噴霧し、表面がうっすらと白くなる程度に
付着させた。これを、軽い振動で互いに接触するほどの
僅かな間隔に配置後、空気中で300℃まで加熱し、更
に、密閉容器中で1000℃を最高とする焼成処理を施
し、冷却後、流動パラフィンを含浸させて、呼び径0.
5のシャープペンシル用芯を得た。
【0011】<実施例2>実施例1において、細線状物
表面への有機粉体の付着を、噴霧処理ではなく、細線状
物をニッカリコのメタノール分散液(5重量%)中に1
分間浸漬し、自然乾燥させる処理によった以外、すべて
実施例1と同様にして、呼び径0.5のシャープペンシ
ル用芯を得た。
【0012】<実施例3>実施例1において、ニッカリ
コの代わりにポリエチレン微粉末(平均粒子径:約6μ
m、融点:110℃)を使用した以外、すべて実施例1
と同様にして、呼び径0.5のシャープペンシル用芯を
得た。
【0013】<比較例1>実施例1において、細線状物
表面にニッカリコを付着させなかった以外、すべて実施
例1と同様にして、呼び径0.5のシャープペンシル用
芯を得た。
【0014】<比較例2>実施例1において、ニッカリ
コの代わりにタルク微粉末(平均粒子径:約2.5μ
m、融点:なし)を使用した以外、すべて実施例1と同
様にして、呼び径0.5のシャープペンシル用芯を得
た。
【0015】上記各例で得たもの(試料:各々1000
本)について形状、外観検査をした。その結果を表1に
示す。尚、曲げ強さ、濃度、書き味についても試験した
が、これらについては有意差が認められなかったので省
略する。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】表1において、比較例1で得たものは合
計で17%の形状不良芯(付着、変形発生芯)が発生し
ており、比較例2で得たものは4.3%の外観不良芯
(しみ、まだら発生芯)が発生している。これに対し、
実施例1,2で得たものはいずれの不良項目においても
不良芯の発生がなく、実施例3で得たものは1.5%の
形状不良芯が発生しているが、発生率は比較例1に比べ
て1/10以下であり、外観不良芯の発生はない。この
ように、本発明によれば、得られる鉛筆芯が互いに付着
していたり、変形していたりすることを抑制でき、外観
的にも問題のない良品の鉛筆芯を極めて効率的に製造す
ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも有機結合材と体質材とを主材
    として使用し、混練、細線状に押出成形後、焼成温度ま
    で熱処理を施してなる鉛筆芯の製造方法において、前記
    熱処理前の細線状物表面に有機粉体を付着させておくこ
    とを特徴とする鉛筆芯の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機粉体が軟化溶融しないものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の鉛筆芯の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機粉体が工業用加工澱粉であることを
    特徴とする請求項1に記載の鉛筆芯の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018184037A1 (en) * 2017-03-31 2018-10-04 Ecograf (Pty) Ltd. Pencil lead formulation
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