JP2002053778A - インクジェット用水系インク - Google Patents

インクジェット用水系インク

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JP2002053778A
JP2002053778A JP2000240099A JP2000240099A JP2002053778A JP 2002053778 A JP2002053778 A JP 2002053778A JP 2000240099 A JP2000240099 A JP 2000240099A JP 2000240099 A JP2000240099 A JP 2000240099A JP 2002053778 A JP2002053778 A JP 2002053778A
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water
ink
weight
copolymer
aqueous
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JP2000240099A
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English (en)
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Kiyoto Motoyama
清人 本山
Takanori Kamoto
貴則 加本
Ichiro Fujii
一郎 藤井
Masa Nakamura
雅 中村
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷物の品位、耐水性、耐光性、耐摩擦性に
優れ、長期間の保存中に着色剤粒子の凝集、沈降または
固形分の析出がなく、物性の安定な、インクジェット記
録に適するインクジェット用水系インクを提供すること
をことを課題とする。 【解決手段】 水不溶性着色剤と、水と、水溶性共重合
体を含有してなり、水溶性共重合体が、モル比70:3
0〜50:50のビニルピロリドンと酢酸ビニルよりな
る重量平均分子量10000〜100000の共重合体
であり、かつインク中に0.1〜20重量%含有されて
なることを特徴とするインクジェット用水系インクによ
り上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料等の水不溶性
着色剤を用いたインクジェット用水系インクに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録方式に用いら
れるインクジェット用水系インクは、着色剤に染料また
は顔料を用い、水にグリコール等の保湿剤、アルコール
等の浸透促進剤等を加えて構成されている。着色剤に水
溶性染料を用いる水性インクは、耐目詰まり性、保存安
定性等に優れた特性を有するが、印刷記録物の耐水性、
耐光性等、印刷物の堅牢性が低い等の問題がある。
【0003】この問題点を解決する方法として、着色剤
に水溶性染料と水不溶性の顔料を組み合わせる試みが、
特開昭56−155260号公報、特開昭62−274
76号公報に提案されている。しかし、これらは水溶性
染料のみを使用した場合より、やや耐水性が向上するも
のの完全とはいえない。
【0004】また、着色剤として顔料のみを使用したイ
ンクジェット用水系インクに関する試みが、特開昭56
−157468号公報、特開平2−255875号公
報、特開平4−18463号公報、特開平4−1846
2号公報、特開平5−263029号公報に提案されて
いる。これらは耐水性、耐光性を向上させるために、着
色剤として顔料と少量の水溶性樹脂を用いている。とこ
ろが、水溶性樹脂の添加により耐擦過性は向上するもの
の、耐水性は充分には得られず、またインク吐出口から
水分が蒸発すると、樹脂濃度が上昇して、高粘度化し、
さらには被膜化するために、乾燥目詰まりが生じ易いと
いう課題がある。
【0005】また、特開平4−18462号公報に提案
されている顔料分散水性インクでは、水溶性樹脂のかわ
りに疎水性樹脂を用いてエマルションの形をとってい
る。この試みでは、目詰まりはやや改善されるもののま
だ完全ではない。さらに、着色剤を分散するために長時
間の機械分散が必要であるという課題がある。
【0006】また、特開平8−269374号公報に提
案されている顔料分散水性インクでは水性有機溶剤と、
これに可溶な疎水性樹脂分散体を用いている。しかし、
長期間保存中に顔料粒子の凝集または沈降が発生した
り、固形分の析出等が発生したり、インク吐出口からの
水分蒸発によって樹脂濃度が上昇して、高粘度化し、安
定なインク吐出が困難になるという課題がある。
【0007】このように、従来報告されているインクジ
ェット用水系インクの場合、インクジェット記録に必要
な特性を全て満足するには至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した課
題を解決するためになされたものであり、印刷物の品
位、耐水性、耐光性、耐摩擦性に優れ、長期間の保存中
に着色剤粒子の凝集、沈降または固形分の析出がなく、
物性の安定な、インクジェット記録に適するインクジェ
ット用水系インクを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、水不溶性着色剤と、水と、1種又は2種以上の組み
合わせからなる水性有機溶剤と、水溶性共重合体を含有
してなり、水溶性共重合体が、モル比70:30〜5
0:50のビニルピロリドンと酢酸ビニルよりなる重量
平均分子量10000〜100000の共重合体であ
り、かつインク中に0.1〜20重量%含有されてなる
ことを特徴とするインクジェット用水系インクが提供さ
れる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット用水性顔
料インクは、一般には、顔料等の水不溶性着色剤1〜1
0重量%、水50〜95重量%、水性有機溶剤0〜30
重量%、前述の共重合体0.1〜20重量%を含むこと
が好ましい。
【0011】前記共重合体は、水不溶性着色剤の安定な
分散に寄与するとともにバインダーとしてインクの定着
性の向上を目的として添加されるものである。
【0012】一般にバインダーとしてインクジェット用
水系インクに添加される共重合体は水及び有機溶剤に可
溶なことが望ましい。水に可溶な共重合体は、それらを
着色剤に対し適当量添加することにより、着色剤を取り
囲む(吸着する)形で保護層を形成して分散性を高め、
保存安定性を向上させる。更に、着色剤に吸着していな
い0.1〜10重量%の共重合体が着色剤の被転写物へ
の定着剤として作用し、印刷物の耐摩擦性を向上させ
る。また共重合体が水性有機溶剤に可溶な場合には、イ
ンクジェット記録装置のノズル先端で水分が蒸発しても
共重合体は有機溶剤溶液となるため、造膜せず、吐出安
定性が得られ、印刷時に着色剤を共重合体で印刷用紙に
接着することにより耐摩擦性に優れた記録物が得られ
る。なお、本発明において、水及び水性有機溶剤に可溶
とは、上記性質を呈しうる程度に可溶であることを意味
し、具体的には5〜15g/水及び水性有機溶剤100
g程度に可溶であることを意味する。
【0013】上記の特性を持つ共重合体のうちポリビニ
ルピロリドンは、水及び一般的な有機溶剤に極めて易溶
で分散安定性に優れ、インクへの少量の添加で印刷物の
定着性を向上させる優れたバインダーであるが、水溶性
が高すぎるために少量の添加では印字物の耐水性が充分
に得られないという欠点がある。
【0014】本発明で提案するビニルピロリドンと疎水
性である酢酸ビニルよりなる共重合体は上記の欠点を補
うものである。すなわち親水性のビニルピロリドンと疎
水性の酢酸ビニルの適当な構成比(モル比)よりなる共
重合体は水への溶解度が5〜15重量%と適度な値を示
し、該共重合体がインク中に0.1〜20重量%の範囲
で含まれることで、安定な分散と安定なインク吐出およ
び印刷物の優れた耐水性が両立できる。
【0015】本発明のインクジェット用水系インクに用
いるビニルピロリドン(VP)−酢酸ビニル(VA)共
重合体としては、重量平均分子量約10000〜100
000の範囲で、構成比(モル比)がVP:VA=7
0:30〜50:50のものが使用される。平均分子量
が10000未満の場合、バインダー効果が小さく、印
字物で充分な耐水性、耐摩擦性が得られず、10000
0を超えるとインクの増粘が著しく安定なインク吐出が
困難になるため好ましくない。また、VPのモル比が7
0%を超えると共重合体の水溶性が高すぎるために印字
物の充分な耐水性が得られず、VPのモル比が50%未
満だとほとんど水溶性がないために分散安定性および吐
出安定性が得られないため好ましくない。VP:VAの
モル比が上記範囲の場合、水への溶解度が5〜15重量
%と適度な値を示すために、安定な分散と安定なインク
吐出および印刷物の優れた耐水性が両立できる。
【0016】前記共重合体の添加量は、インク全量に対
して0.1〜20重量%である。0.1重量%未満であ
ればバインダー効果が不充分であり、印字物で充分な耐
水性、耐摩擦性が得られず、また、20重量%を超える
とインクが著しく増粘し、安定なインク吐出が困難にな
るとともに分散安定性も低下し、顔料粒子の凝集が発生
しやすくなるので好ましくない。
【0017】前記共重合体の構造は特に制約されない
が、直鎖構造のランダム共重合体またはビニルピロリド
ンと酢酸ビニルが交互に結合した共重合体が分散安定性
の点から望ましい。
【0018】具体的には、共重合体としては、BASF
社製Luviskol VA−55、64、73シリー
ズ、ISP社製Plasdone S−630/AGR
IMER6、7シリーズ等が使用できる。
【0019】本発明のインクジェット用水系インクに
は、上記共重合体をインク液中に安定に溶解させておく
ために、アルカリ金属であるナトリウム、カリウムの水
酸化物、脂肪族アミン、エタノールアミン、プロパノー
ルアミン、メチルエタノールアミン等のアルコールアミ
ン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミ
ノエタノール、ジメチルアミノメタノール等のpH調整
剤を用いることができる。pH調整剤は、上記共重合体
と等モルないし数モル%過剰量用いることにより、溶解
性の維持、耐水性の維持、再溶解性の維持を良好に調整
することができる。
【0020】本発明に用いられる水不溶性着色剤は、実
質的に水に不溶であれば特に限定されず、公知の水不溶
性染料、公知の無機顔料及び有機顔料の中から選択して
用いることができ、特に限定されるものでない。
【0021】その無機顔料には、黄色顔料(カドミウム
イエロー、クロムイエロー、ストロンチウムイエロー、
黄酸化鉄等)、赤色顔料(光明丹、朱、ベンガラ、酸化
第一銅等)、紫色顔料(コバルトバイオレット等)、青
色顔料(プルシアンブルー等)、緑色顔料(エメラルド
グリーン、コバルトグリーン、酸化クロム等)、白色顔
料(酸化チタン、亜鉛華、鉛白、リトボン等)、黒色顔
料(カーボンブラック、黒鉛、あるいは表面を酸化処理
した改質カーボンブラック、顔料表面を樹脂等で処理し
たグラフトカーボン等の自己分散型カーボンブラック
等)等が使用できる。
【0022】また、有機顔料には、アゾ系、アクリジン
系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノ
ン系、インダンスレン系、ジオキサジン系、インジゴ
系、チオインジゴ系、ペリレン系、ペリノン系、イソイ
ンドレニン系等の顔料が使用できる。
【0023】上記着色剤の添加量は、1〜30重量%が
好ましいが、さらには3〜12重量%が好ましい。着色
剤には、印刷濃度及びインクの保存安定性、吐出安定性
等を考慮して、粒径が25μm以下である粒子からなる
顔料を用いることが好ましく、さらには0.5μm以下
の粒子からなる顔料を用いることが好ましい。
【0024】さらに、通常、インクの表面張力、粘度、
保湿性、記録紙への浸透速度の調製等を目的として水性
有機溶剤が添加される。
【0025】水性有機溶剤としては、乾燥性や定着性の
向上を目的として、エタノール、プロパノール、イソプ
ロピルアルコール、ブタノール等の高揮発性の一価アル
コール、さらにはヘキサノール、ヘプタノール、オクタ
ノール等の比較的低揮発性のアルコール類等の水溶性に
優れる有機溶媒も添加できる。
【0026】また本発明のインクは、ノズルの耐目詰ま
り性(乾燥防止性)向上を目的としてグリセリン、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール等の高沸点低揮
発性かつ高表面張力の多価アルコール類、さらにはトリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコール等の多価アルコール類、あるいはそれら
のモノエーテル化物、ジエーテル化物、エステル化物、
例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等、その他N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−イミダゾリジノン
等の含窒素有機溶剤等の水性有機溶剤を、印刷滲みが生
じない範囲で添加可能である。
【0027】その他必要に応じて、pH調整剤としてリ
ン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム等の無機
塩類、防カビ、防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロ
ロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒド
ロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(E
DTA)等を添加できる。さらにノズル乾燥防止の目的
で、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等添加可能である。
【0028】さらに顔料の分散及び画像の品質向上を目
的として、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イ
オン性の界面活性剤や分散剤を用いることができる。
【0029】アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸
塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホン酸塩、ジアルキルスルホンコハク酸塩、アルキ
ルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフ
タレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪
酸エステル等が添加できる。
【0030】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シ
リコン系等の非イオン性活性剤が添加できる。
【0031】カチオン性界面活性剤としては、アルキル
アミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウ
ム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が添加でき、両イオ
ン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミ
ンオキサイド、ホスファジルコリン等が添加できる。
【0032】インクの製造については、水不溶性着色
剤、水、必要に応じて水性有機溶剤、界面活性剤、分散
剤を混合し、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミ
ル、ペイントシェーカー、超音波分散機等で分散した
後、共重合体の溶解液を加えて混合することが好まし
い。あるいは、水不溶性着色剤、共重合体、水、必要に
応じて水性有機溶剤、界面活性剤を混合し、サンドミ
ル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェーカ
ー、超音波分散機等で分散してもよい。共重合体は、あ
らかじめpH調整剤にて充分溶解した状態で用いてもよ
く、溶解のための加熱も有効である。また、分散後、加
熱処理を加えてインクの安定性を向上させることも有効
である。混合撹拌は、通常の攪拌機による撹拌や、高速
分散機、乳化機等により行うことができる。
【0033】混合されたインクは、希釈の前あるいは後
に、遠心分離機による遠心濾過及び孔径5μm以下のメ
ンブランフィルター等により充分濾過することが好まし
い。
【0034】本発明のインクを用いて記録を行うのに好
適な記録装置としては、インクを噴射して被記録体に印
刷を行うオンデマンド方式またはコンティニュアスタイ
プのインクジェット装置が挙げられる。インク噴射の方
式としては、記録ヘッド室内のインクに、記録信号に対
応した熱エネルギーを与え、該エネルギーにより液滴を
発生・噴射するサーマルジェット方式、または記録ヘッ
ド室内のインクを、記録信号に対応した圧電素子により
加圧し、噴射する圧電素子方式のいずれでも良い。
【0035】上記方式に好適なインク物性となるよう
に、本発明のインクを粘度1〜20mPa・S(25
℃)、表面張力25〜60mN/mに調整することが好
ましい。pHは、特に制約されないが、7〜12の範囲
であることが好ましく、7〜10の弱アルカリ性がより
好ましい。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例について具
体的に説明する。
【0037】インクの製造は以下の手順で行ったがこれ
に限定されるものではない。
【0038】はじめに蒸留水と水性有機溶剤、界面活性
剤を混合し、続いて混合した溶液に、VP−VA(ビニ
ルピロリドン−酢酸ビニル)共重合体を混合する。その
後、カーボンブラック等の顔料を混合し、ボールミルを
用いて顔料の微細分散を行った。最後に必要に応じて5
μmのメンブランフィルターにて減圧濾過してゴミおよ
び粗大粒子を除去してインクを作製した。
【0039】 実施例1 カーボンブラック(MA−100:三菱化成工業社製) 5重量% VP−VA共重合体(Luviskol VA−64W:BASF社製) 3重量% ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (エマルゲン920:花王社製) 2重量% エチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 蒸留水 残量
【0040】 実施例2 カーボンブラック(MA−11:三菱化成工業社製) 5重量% VP−VA共重合体(AGRIMER VA−7E:ISP社製) 3重量% ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (エマルゲン920:花王社製) 2重量% エチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% イソプロピルアルコール 3重量% 蒸留水 残量
【0041】 実施例3 カーボンブラック(Vulcan SC:キャボット社製) 5重量% VP−VA共重合体(Plasdone S−630:ISP社製) 3重量% ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート (ソルボンT−20:東邦化学工業社製) 2重量% ジエチレングリコール 10重量% グリセリン 5重量% エタノール 3重量% 蒸留水 残量
【0042】 実施例4 C.I.Pigment Yellow 12(パーマネントイエローDH G:ヘキスト社製) 5重量% VP−VA共重合体(AGRIMER VA−6:ISP社製) 2重量% ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム (レベノールWX:花王社製) 2重量% エチレングリコール 13重量% グリセリン 5重量% エタノール 3重量% 蒸留水 残量
【0043】 比較例1 カーボンブラック(MA−100:三菱化成工業社製) 5重量% ポリビニルピロリドン(K−30:ISP社製) 3重量% ポリエチレングリコールモノステアレート (エマノール3199:花王社製) 2重量% エチレングリコール 10重量% グリセリン 5重量% 蒸留水 残量 比較例1は水溶性樹脂がビニルピロリドンのホモポリマ
ーである組成例である。
【0044】 比較例2 カーボンブラック(Vulcan sc:キャボット社製) 5重量% VP−VA共重合体(Luviskol VA−37E:BASF社製) 3重量% ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (エマルゲン920:花王社製) 2重量% エチレングリコール 10重量% グリセリン 5重量% 蒸留水 残量 比較例2はVP−VA共重合体が水に不溶である場合の
組成例である。
【0045】 比較例3 カーボンブラック(MA−100:三菱化成工業社製) 5重量% VP−VA共重合体(Luviskol VA−64W:BASF社製) 22重量% ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (エマルゲン920:花王社製) 2重量% エチレングリコール 15重量% グリセリン 5重量% 蒸留水 残量 比較例3はVP−VA共重合体の添加量が、インク全量
に対して20重量%以上の組成例である。
【0046】上述の実施例及び比較例のインクの評価方
法について説明する。
【0047】インクジェットプリンター(Hewlet
t−Packard社製DeskJet895Cxi)
のカートリッジにインクを充填し記録を行い、ノズルの
目詰まり特性と、記録物の耐水性、耐摩擦性、耐光性お
よび印刷品位を下記の方法で評価した。目詰まり特性:
カートリッジヘッドをクリーニングし所定の印刷を行っ
た後、ノズルの状態を顕微鏡にて観察した(○:目詰ま
りなし、×:目詰まりあり)。
【0048】耐水性:市販のPPC用紙(シャープ社
製)に印刷、6時間放置後、水道水中に5分間浸漬し、
試験前後の光学濃度値を測定し、残存率を示した(○:
残存率≧95%、×:残存率<95%)。
【0049】耐摩擦性:アート紙にベタ印刷した記録物
を湿った綿棒にて3回擦ったときの印刷部の変化を目視
にて評価した(○:擦れなし、×:擦れあり)。
【0050】耐光性:塗工合成紙に印刷ラミネート後、
フェードメーターで500時間暴露し、暴露前後の色差
ΔEを示した(○:ΔE≦4、×:ΔE>4) 印刷品位:市販のPPC用紙(シャープ社製)に文字お
よび画像サンプルを印刷し、目視にて評価した(○:良
好、×:不良)。
【0051】実施例1〜4のインクは目詰まり特性、印
刷品位および耐水性、耐摩擦性、耐光性が良好であるの
に対して、比較例1のインクは耐水性、耐摩擦性が劣っ
た。また比較例2〜3のインクは目詰まり特性が悪く、
インクの飛翔曲がりが生じ、印刷品位が劣った。
【0052】保存安定性の評価は、インクをガラス製サ
ンプル瓶に入れ、密閉状態で50℃の恒温槽にて1月間
保存し、保存後の顔料粒子凝集塊の有無、沈殿物の析出
の有無を目視にて確認した(○:凝集塊、沈殿物なし、
×凝集塊、沈殿物あり) 実施例1〜4のインクは凝集塊および沈殿物の析出が認
められず印刷特性も良好であり初期状態を維持していた
のに対し、比較例2〜3では凝集塊が確認された。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明のインク
ジェット用水系インクは、ビニルピロリドンと酢酸ビニ
ルを含み、該共重合体がビニルピロリドン:酢酸ビニル
=70:30〜50:50のモル比から構成されること
で水への溶解度が5〜15重量%と適度な値を示すため
に、分散安定性、インク吐出安定性が得られるととも
に、水を媒体としながらも印刷物の充分な耐水性が得ら
れる。
【0055】また該共重合体の添加量が、0.1〜20
重量%の範囲にあれば、バインダーとして有効に機能
し、印刷物の耐水性、耐摩擦性に優れるとともに、ノズ
ル目詰まりが発生せず、長期間保存中に着色剤粒子の凝
集、沈降または固形分の析出がなく、分散安定性及び保
存安定性を損なわない。
【0056】本発明により、印刷物の品位、耐水性、耐
光性、耐摩擦性に優れ、長期間の保存中に着色剤粒子の
凝集、沈降または固形分の析出がなく、物性の安定な、
インクジェット記録用インクに要求される各特性すべて
を満足するインクジェット用水系インクが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 一郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中村 雅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA13 FC01 FC02 2H086 BA52 BA53 BA55 BA59 BA62 4J039 AD08 AD23 AE07 BA03 BA04 BA31 BA34 BA35 BA36 BA37 BA38 BC07 BC09 BC12 BC20 BC39 BC54 BC60 BE01 BE12 BE22 CA06 EA11 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA35 EA36 EA38 EA41 EA42 EA44 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶性着色剤と、水と、水溶性共重合
    体を含有してなり、水溶性共重合体が、モル比70:3
    0〜50:50のビニルピロリドンと酢酸ビニルよりな
    る重量平均分子量10000〜100000の共重合体
    であり、かつインク中に0.1〜20重量%含有されて
    なることを特徴とするインクジェット用水系インク。
  2. 【請求項2】 水溶性共重合体が、水100gに対して
    5〜15g溶解する請求項1に記載のインクジェット用
    水系インク。
  3. 【請求項3】 インクジェット用水系インクが、1種又
    は2種以上の組み合わせからなる水性有機溶剤を更に含
    み、水性有機溶剤が、エタノール、イソプロピルアルコ
    ール、エチレングリコール、ジエチレングリコール又は
    グリセリンである請求項1又は2に記載のインクジェッ
    ト用水系インク。
  4. 【請求項4】 インクジェット用水系インクが、界面活
    性剤を更に含み、界面活性剤が、ポリオキシエチレンア
    ルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルア
    リールエーテル又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪
    酸エステルである請求項1〜3のいずれか1つに記載の
    インクジェット用水系インク。
  5. 【請求項5】 インクジェット用水系インクが、インク
    を噴射して被記録媒体に印刷を行うインク複写装置に用
    いられる請求項1〜4のいずれか1つに記載のインクジ
    ェット用水系インク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005121262A1 (en) * 2004-06-04 2005-12-22 Eastman Kodak Company An aqueous inkjet ink composition

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