JP2002053707A - ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、それを用いたシート及び成形品 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、それを用いたシート及び成形品

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JP2002053707A
JP2002053707A JP2000237183A JP2000237183A JP2002053707A JP 2002053707 A JP2002053707 A JP 2002053707A JP 2000237183 A JP2000237183 A JP 2000237183A JP 2000237183 A JP2000237183 A JP 2000237183A JP 2002053707 A JP2002053707 A JP 2002053707A
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polyolefin resin
polyolefin
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molecule
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Katsuya Togawa
勝也 戸川
Akihiro Niki
章博 仁木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波により発熱する特性を有し、対象とな
る材料表面に層を形成するか、または、対象となる材料
中に混入することにより、ポリオレフィン系樹脂材料を
始めとする種々の材料を容易に高周波融着可能とするこ
との出来るポリオレフィン系樹脂組成物、及び、そのポ
リオレフィン系樹脂組成物を用いたシート及び成形品を
提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、基本分子骨格内にエーテル基を有する高分子化合
物0.5〜50重量部が添加されてなることを特徴とす
るポリオレフィン系樹脂組成物、及び、上記ポリオレフ
ィン系樹脂組成物を用いて製せられていることを特徴と
する単層もしくは多層シート及び上記ポリオレフィン系
樹脂組成物を用いて製せられていることを特徴とする単
層もしくは多層成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波によって発
熱し、ポリオレフィン系樹脂材料を始めとする種々の材
料に容易に融着する特性を有するポリオレフィン系樹脂
組成物、及び、そのポリオレフィン系樹脂組成物を用い
たシート及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の高まりのなかで、ポリ
塩化ビニル系樹脂の代替材料としてポリオレフィン系樹
脂が着目され、食品包装用、農業用、医療用、産業資材
用、文具用、雑貨用等の多くの分野で広く使用されてい
る。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系樹脂はポ
リ塩化ビニル系樹脂と異なり、その分子内に極性基を有
しないため、高周波やマイクロ波を利用した融着が困難
であった。そこで、例えば、特開平6−182876号
公報には、ポリオレフィン系樹脂材料にフェライトなど
の電波吸収体を配合または塗布することにより、ポリオ
レフィン系樹脂材料に高周波融着性を付与する方法が開
示されており、また、特開平9−263657号公報に
は、分子鎖中に水酸基を有する化合物を含有する熱可塑
性樹脂組成物を用いる方法が開示されている。
【0004】しかし、分子鎖中に水酸基を有する化合物
を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いる場合、この熱可
塑性樹脂組成物は、高周波により発熱はするものの、ポ
リオレフィン系樹脂との極性が異なるため、ポリオレフ
ィン系樹脂材料に対しては融着が不十分になるという問
題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、高周波により発熱する特性を有し、対象
となる材料表面に層を形成するか、または、対象となる
材料中に混入することにより、ポリオレフィン系樹脂材
料を始めとする種々の材料を容易に高周波融着可能とす
ることの出来るポリオレフィン系樹脂組成物、及び、そ
のポリオレフィン系樹脂組成物を用いたシート及び成形
品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よるポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、基本分子骨格内にエーテル
基を有する高分子化合物0.5〜50重量部が添加され
てなることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明によるポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、上記請求項1によるポリオレフィン
系樹脂組成物において、基本分子骨格内にエーテル基を
有する高分子化合物が、分子内に2個以上の活性水素を
有するポリエーテル化合物とポリイソシアネート化合物
との反応生成物からなることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明によるポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、上記請求項1または請求項2による
ポリオレフィン系樹脂組成物において、基本分子骨格内
にエーテル基を有する高分子化合物が、分子内に2個以
上の活性水素を有するポリエーテル化合物及び分子内に
3個以上の活性水素を有するポリエーテル化合物とポリ
イソシアネート化合物との反応生成物からなることを特
徴とする。
【0009】また、請求項4に記載の発明による単層も
しくは多層シートは、上記請求項1〜請求項3のいずれ
かによるポリオレフィン系樹脂組成物を用いて製せられ
ていることを特徴とする。尚、ここで言うシートにはフ
ィルムも包含される。
【0010】さらに、請求項5に記載の発明による単層
もしくは多層成形品は、上記請求項1〜請求項3のいず
れかによるポリオレフィン系樹脂組成物を用いて製せら
れていることを特徴とする。
【0011】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
としては、特に限定されるものではないが、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;
プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマ
ー、プロピレンブロックポリマー等のポリプロピレン;
ポリブタジエン、ポリイソプレン並びにこれらの水素添
加物等のジエン系エラストマー;エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン三元共重
合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体等の
オレフィン系エラストマー;エチレン−無水マレイン酸
共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイ
ン酸三元共重合体等の変性オレフィン系樹脂;スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−
イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれらの
水素添加物等のスチレン系エラストマー等が挙げられ、
好適に用いられるが、なかでもポリエチレンやポリプロ
ピレンがより好適に用いられる。これらのポリオレフィ
ン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0012】本発明によるポリオレフィン系樹脂組成物
においては、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に
対して、基本分子骨格内にエーテル基を有する高分子化
合物(以下、「エーテル基含有高分子化合物」と記す)
0.5〜50重量部が添加されていることが必要であ
り、好ましくは1〜30重量部である。
【0013】ポリオレフィン系樹脂に対してエーテル基
含有高分子化合物を添加することにより、得られるポリ
オレフィン系樹脂組成物及びそれを用いたシートや成形
品に高周波を印加した時の発熱量が十分に増大し、従っ
て高周波融着性が著しく向上する。
【0014】ポリオレフィン系樹脂100重量部に対す
るエーテル基含有高分子化合物の添加量が0.5重量部
未満であると、十分な高周波融着性を得られず、逆にポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対するエーテル基含
有高分子化合物の添加量が50重量部を超えると、得ら
れるポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを用いたシー
トや成形品の物性が損なわれる。
【0015】本発明で用いられるエーテル基含有高分子
化合物としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリエチレングリコール、1,2−ポリプロピレン
グリコール、1,3−ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等やこれらの共重合体等のよ
うな分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル
化合物;上記分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
エーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生
成物;上記分子内に2個以上の活性水素を有するポリエ
ーテル化合物及び分子内に3個以上の活性水素を有する
ポリエーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反
応生成物等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも
上記分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル
化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物や、
上記分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル
化合物及び分子内に3個以上の活性水素を有するポリエ
ーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成
物がより好適に用いられる。これらのエーテル基含有高
分子化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上
が併用されても良い。
【0016】上記分子内に3個以上の活性水素を有する
ポリエーテル化合物としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、3官能ポリエチレングリコール、3官
能ポリプロピレングリコール、3官能ポリエチレングリ
コール−ポリプロピレングリコール共重合体等が挙げら
れ、好適に用いられる。これらの分子内に3個以上の活
性水素を有するポリエーテル化合物は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0017】また、ポリイソシアネート化合物として
は、分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合
物であれば良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジ
イソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネー
ト等が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも、反応
性に優れ、安全面でも有利なことから、ジフェニルメタ
ンジイソシアネートがより好適に用いられる。これらの
ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0018】前記分子内に2個以上の活性水素を有する
ポリエーテル化合物と上記ポリイソシアネート化合物と
の反応生成物は、分子内に2個以上の活性水素を有する
ポリエーテル化合物そのものよりも高分子量となると共
に、ポリオレフィン系樹脂に対する相溶性や分散性も向
上するので、この反応生成物をエーテル基含有高分子化
合物として用いることにより、得られるポリオレフィン
系樹脂組成物及びそれを用いたシートや成形品は、より
優れた高周波融着性とより優れた物性とを兼備するもの
となると共に、透明性も優れたものとなる。
【0019】また、前記分子内に2個以上の活性水素を
有するポリエーテル化合物及び前記分子内に3個以上の
活性水素を有するポリエーテル化合物と上記ポリイソシ
アネート化合物との反応生成物は、架橋剤として機能す
るポリイソシアネート化合物を介して、分子内に2個以
上の活性水素を有するポリエーテル化合物と分子内に3
個以上の活性水素を有するポリエーテル化合物とが効率
的且つ容易に化学結合(架橋構造)を形成すると共に、
ポリオレフィン系樹脂に対する相溶性や分散性もより向
上するので、この反応生成物をエーテル基含有高分子化
合物として用いることにより、得られるポリオレフィン
系樹脂組成物及びそれを用いたシートや成形品は、著し
く優れた高周波融着性と著しく優れた物性とを兼備する
ものとなると共に、透明性もより優れたものとなる。
【0020】分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
エーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応、
及び、分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテ
ル化合物及び分子内に3個以上の活性水素を有するポリ
エーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応
は、部分的な反応であっても良いし、全面的な反応であ
っても良い。
【0021】また、分子内に2個以上の活性水素を有す
るポリエーテル化合物とポリイソシアネート化合物との
反応方法、及び、分子内に2個以上の活性水素を有する
ポリエーテル化合物及び分子内に3個以上の活性水素を
有するポリエーテル化合物とポリイソシアネート化合物
との反応方法は、主成分である前記ポリオレフィン系樹
脂に対してそれぞれの成分を添加してなるポリオレフィ
ン系樹脂組成物中で行う方法であっても良いし、また、
予めそれぞれの成分の反応を行った後に、得られた反応
生成物をポリオレフィン系樹脂に対して添加する方法で
あっても良い。
【0022】本発明によるポリオレフィン系樹脂組成物
には、必須成分であるポリオレフィン系樹脂及びエーテ
ル基含有高分子化合物以外に、本発明の課題達成を阻害
しない範囲で必要に応じて、例えば、粘着性付与剤、軟
化剤、可塑剤、相溶性向上剤、界面活性剤、充填剤、カ
ップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、
着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加さ
れていても良い。
【0023】次に、本発明による単層もしくは多層シー
ト及び本発明による単層もしくは多層成形品は、上述し
た本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて製せら
れる。
【0024】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
シート用や成形品用の材料として単独で用いられても勿
論良いし、また、種々の材料を高周波融着可能とするた
めに、高周波融着させたい材料の表面に上記ポリオレフ
ィン系樹脂組成物の層を形成させる方法や、高周波融着
させたい材料中に上記ポリオレフィン系樹脂組成物を混
入させる方法等で用いられても良い。
【0025】高周波融着させたい材料の表面にポリオレ
フィン系樹脂組成物の層を形成させる方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、材料とポリオレ
フィン系樹脂組成物との共押出しを行って材料表面にポ
リオレフィン系樹脂組成物の層を形成させる共押出法
や、熱板により材料表面にポリオレフィン系樹脂組成物
を押圧する熱ラミネート法、材料表面にポリオレフィン
系樹脂組成物を押出して積層する押出しラミネート法等
が挙げられ、いずれの方法も好適に採用される。上記材
料表面に形成させるポリオレフィン系樹脂組成物の層
は、単層であっても良いし、2層以上の多層であっても
良い。
【0026】多層シートの具体例としては、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等を内層とし、
この両面に本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を積層
した3層シート等が挙げられる。上記構成の3層シート
は優れた高周波融着性を発現する。
【0027】また、高周波融着させたい材料中にポリオ
レフィン系樹脂組成物を混入する方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、バンバリーミキサー
のようなミキサーや、プラストミル、ミキシングロー
ル、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー、単軸押出
機等の混練機を用いて、材料とポリオレフィン系樹脂組
成物とを混練する方法が挙げられる。
【0028】次いで、上記混練方法で得られた材料とポ
リオレフィン系樹脂組成物との混練物を例えば熱ロール
等でさらに溶融混練し、例えばプレスや圧延を行うこと
により、高周波融着性を有するシートを作製することが
出来る。
【0029】また、上記混練物を例えば射出成形法やブ
ロー成形法等で成形することにより、高周波融着性を有
する成形品を作製することが出来る。これらの成形品
は、単層成形品であっても良いし、2層以上の多層成形
品であっても良い。
【0030】さらに、上記混練物を例えば単軸押出機と
ペレタイザーとを用いてペレット化した後、このペレッ
トを用いて押出成形することにより、高周波融着性を有
するシート、ブロック、チューブ、ネット、成形品、異
形成形品等の各種成形体を作製することが出来る。
【0031】
【作用】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、主成
分であるポリオレフィン系樹脂の特定量に対して、エー
テル基含有高分子化合物の特定量が添加されているの
で、高周波を印加された時の発熱量が十分に増大し、従
って優れた高周波融着性を発現する。
【0032】また、上記エーテル基含有高分子化合物と
して、分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテ
ル化合物とポリイソシアネート化合物との反応生成物、
または、分子内に2個以上の活性水素を有するポリエー
テル化合物及び分子内に3個以上の活性水素を有するポ
リエーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応
生成物を用いることにより、得られるポリオレフィン系
樹脂組成物は、より優れた高周波融着性とより優れた物
性及び優れた透明性を兼備するものとなる。
【0033】即ち、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、対象となる材料表面に層を形成するか、または、
対象となる材料中に混入することにより、ポリオレフィ
ン系樹脂を始めとする種々の材料に対し優れた高周波融
着性と優れた物性とを付与し得るものである。
【0034】また、本発明の単層もしくは多層シート及
び本発明の単層もしくは多層成形品は、上記本発明のポ
リオレフィン系樹脂組成物を用いて作製されるので、優
れた高周波融着性と優れた物性とを兼備する。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0036】(実施例1)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂(商品名「F8577」、チッソ社
製)100部に対して、エーテル基含有高分子化合物と
してポリエチレングリコール(PEG、分子量30万、
明和化学社製)20部を添加し、プラストミルを用い
て、160℃で5分間溶融混練を行って、ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を作製した。
【0037】(実施例2)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂「F8577」100部に対して、
分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル化合
物として1,2−ポリプロピレングリコール(PPG、
分子量1000、和光純薬工業社製)30部及びポリイ
ソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシア
ネート(MDI、東京化成社製)7.5部を添加し、プ
ラストミルを用いて、160℃で5分間溶融混練を行っ
て、ポリオレフィン系樹脂組成物を作製した。
【0038】(実施例3)上記PPGの添加量を40部
とし、上記MDIの添加量を10部としたこと以外は実
施例2の場合と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成
物を作製した。
【0039】(実施例4)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂「F8577」100部に対して、
分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル化合
物として上記PPG23.20部、分子内に3個以上の
活性水素を有するポリエーテル化合物として商品名「ニ
ューポールSG−1600」(三洋化成工業社製)0.
66部及びポリイソシアネート化合物として上記MDI
6.15部を添加し、プラストミルを用いて、160℃
で5分間溶融混練を行って、ポリオレフィン系樹脂組成
物を作製した。
【0040】(実施例5)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂「F8577」100部に対して、
エーテル基含有高分子化合物としてポリエチレングリコ
ール(PEG、分子量1000、三洋化成工業社製)2
0部及び分子内に3個以上の活性水素を有するポリエー
テル化合物「ニューポールSG−1600」5部を添加
し、プラストミルを用いて、160℃で5分間溶融混練
を行って、ポリオレフィン系樹脂組成物を作製した。
【0041】(実施例6)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂「F8577」100部に対して、
エーテル基含有高分子化合物として上記PEG(分子量
1000)23.20部、分子内に3個以上の活性水素
を有するポリエーテル化合物「ニューポールSG−16
00」0.66部及び前記MDI6.15部を添加し、
プラストミルを用いて、160℃で5分間溶融混練を行
って、ポリオレフィン系樹脂組成物を作製した。
【0042】(比較例1)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン樹脂「F8577」100部に対して、
エーテル基含有高分子化合物、分子内に2個以上の活性
水素を有するポリエーテル化合物、分子内に3個以上の
活性水素を有するポリエーテル化合物及びポリイソシア
ネート化合物のいずれをも添加しなかったこと以外は実
施例1の場合と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成
物を作製した。
【0043】実施例1〜実施例6、及び、比較例1で得
られたポリオレフィン系樹脂組成物の性能(高周波融
着性、透明性)を以下の方法で評価した。その結果は
表1に示すとおりであった。
【0044】高周波融着性:ポリオレフィン系樹脂組
成物を加熱プレスでシート化して、厚み約0.2mmの
ポリオレフィン系樹脂シートを作製した。次いで、上記
ポリオレフィン系樹脂シート2枚を重ね、高周波ウェル
ダー機(精電舎電子社製)を用いて、40.68MHz
の高周波を5秒間及び10秒間印加して高周波融着を行
った。得られた高周波融着物を手で剥離し、剥離状態を
目視で観察して、下記判定基準により高周波融着性を評
価した。 〔判定基準〕 ○‥‥強固に融着しており、無理に剥離するとポリオレ
フィン系樹脂シートが破壊した。 ×‥‥全く融着していなかった。
【0045】透明性:で作製したポリオレフィン系
樹脂シートの外観(透明性)を目視で観察して、下記判
定基準により透明性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥比較例1で得られたポリオレフィン系樹脂シート
と比較して、透明性が同等であるか、または、向上して
いた。 △‥‥比較例1で得られたポリオレフィン系樹脂シート
と比較して、透明性が僅かに低下していた。 ×‥‥比較例1で得られたポリオレフィン系樹脂シート
と比較して、透明性が大幅に低下していた。
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜実施例6のポリオレフィン系樹脂組成物からな
るポリオレフィン系樹脂シートは、高周波の印加時間が
5秒間の場合でも優れた高周波融着性を発現した。ま
た、エーテル基含有高分子化合物として分子内に2個以
上の活性水素を有するポリエーテル化合物及び分子内に
3個以上の活性水素を有するポリエーテル化合物とポリ
イソシアネート化合物との反応生成物を用いた実施例4
及び実施例6のポリオレフィン系樹脂組成物からなるポ
リオレフィン系樹脂シートは、透明性も優れていた。
【0048】これに対し、エーテル基含有高分子化合
物、分子内に2個以上の活性水素を有するポリエーテル
化合物、分子内に3個以上の活性水素を有するポリエー
テル化合物及びポリイソシアネート化合物のいずれをも
添加しなかった比較例1のポリオレフィン系樹脂組成物
からなるポリオレフィン系樹脂シートは、高周波の印加
時間が10秒間の場合でも高周波融着性を全く発現しな
かった。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるポリオ
レフィン系樹脂組成物は、高周波の印加により十分に発
熱する特性を有するので、対象となる材料表面に層を形
成するか、または、対象となる材料中に混入することに
より、ポリオレフィン系樹脂材料を始めとする種々の材
料に対して優れた高周波融着性を付与し得る。また、透
明性や物性も優れているので、高周波融着性のシートや
成形品等の各種成形体用材料として好適に用いられる。
【0050】上記は他の材料と併用される場合について
であるが、本発明によるポリオレフィン系樹脂組成物が
単独で用いられる場合、言うまでもなく、より優れた高
周波融着性と優れた透明性や物性とを発現する。
【0051】また、本発明による単層もしくは多層シー
ト及び本発明による単層もしくは多層成形品は、上記本
発明によるポリオレフィン系樹脂組成物を用いて作製さ
れるので、優れた高周波融着性と優れた透明性や物性と
を兼備するものであり、例えば、自動車等の車両部品、
家電等の電気電子部品、食品用や医療用等の包装材料、
文具、雑貨、各種産業用資材等の幅広い分野に好適に用
いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71:00) C08L 71:00) Z (C08L 23/00 (C08L 23/00 75:08) 75:08) Fターム(参考) 4F071 AA14 AA51 AA53 AH01 AH04 AH19 BC01 BC07 4F100 AK03B AK07 AK51B AK54B AL05B AT00A BA02 GB01 GB23 JL12 4J002 BB031 BB071 BB121 BB151 BB211 BP011 CH022 CK042 GA01 GB01 GG02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    して、基本分子骨格内にエーテル基を有する高分子化合
    物0.5〜50重量部が添加されてなることを特徴とす
    るポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 基本分子骨格内にエーテル基を有する高
    分子化合物が、分子内に2個以上の活性水素を有するポ
    リエーテル化合物とポリイソシアネート化合物との反応
    生成物からなることを特徴とする請求項1に記載のポリ
    オレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 基本分子骨格内にエーテル基を有する高
    分子化合物が、分子内に2個以上の活性水素を有するポ
    リエーテル化合物及び分子内に3個以上の活性水素を有
    するポリエーテル化合物とポリイソシアネート化合物と
    の反応生成物からなることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて製せられているこ
    とを特徴とする単層もしくは多層シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて製せられているこ
    とを特徴とする単層もしくは多層成形品。
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