JP2001206991A - ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、それを用いたシート及び成形品 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、それを用いたシート及び成形品

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JP2001206991A
JP2001206991A JP2000015838A JP2000015838A JP2001206991A JP 2001206991 A JP2001206991 A JP 2001206991A JP 2000015838 A JP2000015838 A JP 2000015838A JP 2000015838 A JP2000015838 A JP 2000015838A JP 2001206991 A JP2001206991 A JP 2001206991A
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polyolefin resin
polyolefin
olefin
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Katsuya Togawa
勝也 戸川
Akihiro Niki
章博 仁木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波により発熱する特性を有し、対象とな
る材料表面に層を形成するか、または、対象となる材料
中に混入することにより、ポリオレフィン系樹脂材料を
始めとする種々の材料を容易に高周波融着可能とするこ
との出来るポリオレフィン系樹脂組成物、及び、その組
成物を用いたシート及び成形品を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、オレフィン相溶性化合物1〜50重量部が添加され
て成り、且つ、周波数40MHzの高周波を印加した時
の誘電損失係数が0.01以上であることを特徴とする
ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、上記ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を用いて成る単層もしくは多層シート及
び上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成る単層も
しくは多層成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波によって発
熱し、ポリオレフィン系樹脂材料を始め種々の材料に容
易に融着する特性を有するポリオレフィン系樹脂組成
物、及び、その組成物を用いたシート及び成形品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の高まりの中で、ポリ塩
化ビニル系樹脂の代替材料としてポリオレフィン系樹脂
が着目され、食品包装用、農業用、医療用、産業資材
用、文具用、雑貨用等あらゆる分野で広く使用されてい
る。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系樹脂はポ
リ塩化ビニル系樹脂と異なり、その分子内に極性基を有
しないため、高周波やマイクロ波を利用した融着が困難
であった。そこで、例えば、特開平6−182876号
公報には、ポリオレフィン系樹脂材料にフェライトなど
の電波吸収体を配合または塗布することにより、ポリオ
レフィン系樹脂材料に高周波融着性を付与する方法が開
示されており、また、特開平9−263657号公報に
は、水酸基を有する化合物からなる熱可塑性樹脂組成物
を用いる方法が開示されている。
【0004】しかし、水酸基を有する化合物からなる熱
可塑性樹脂組成物を用いる場合、この組成物は、高周波
により発熱はするものの、ポリオレフィン系樹脂との極
性が異なるため、ポリオレフィン系樹脂材料に対しては
融着が不充分になるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点に鑑み、高周波により発熱する特性を有
し、対象となる材料表面に層を形成するか、または、対
象となる材料中に混入することにより、ポリオレフィン
系樹脂材料を始めとする種々の材料を容易に高周波融着
可能とすることの出来るポリオレフィン系樹脂組成物、
及び、その組成物を用いたシート及び成形品を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「本発明1」と記す)によるポリオレフィン系
樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
し、オレフィン相溶性化合物1〜50重量部が添加され
て成り、且つ、周波数40MHzの高周波を印加した時
の誘電損失係数が0.01以上であることを特徴とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明(以下、「本発明
2」と記す)によるポリオレフィン系樹脂組成物は、上
記本発明1によるポリオレフィン系樹脂組成物におい
て、オレフィン相溶性化合物が0℃以下のガラス転移点
を有するオレフィン相溶性化合物であることを特徴とす
る。
【0008】請求項3に記載の発明(以下、「本発明
3」と記す)によるポリオレフィン系樹脂組成物は、上
記本発明1または本発明2によるポリオレフィン系樹脂
組成物において、オレフィン相溶性化合物がポリイソシ
アネート化合物により架橋されていることを特徴とす
る。
【0009】また、請求項4に記載の発明(以下、「本
発明4」と記す)によるシートは、上記本発明1〜本発
明3のいずれかによるポリオレフィン系樹脂組成物を用
いて成ることを特徴とする。尚、ここで言うシートには
フィルムも包含される。
【0010】さらに、請求項5に記載の発明(以下、
「本発明5」と記す)による成形品は、前記本発明1〜
本発明3のいずれかによるポリオレフィン系樹脂組成物
を用いて成ることを特徴とする。
【0011】本発明1で用いられるポリオレフィン系樹
脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン;プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリ
マー、プロピレンブロックポリマー等のポリプロピレ
ン;ポリブタジエン、ポリイソプレン並びにこれらの水
素添加物等のジエン系エラストマー;エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン三元
共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
等のオレフィン系エラストマー;エチレン−無水マレイ
ン酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マ
レイン酸三元共重合体等の変性オレフィン系樹脂;スチ
レン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体並びにこれ
らの水素添加物等のスチレン系エラストマー等が挙げら
れ、好適に用いられるが、なかでもポリエチレンやポリ
プロピレンがより好適に用いられる。これらのポリオレ
フィン系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0012】本発明1で用いられるオレフィン相溶性化
合物としては、上記ポリオレフィン系樹脂と相溶し得る
化合物であれば良く、特に限定されるものではないが、
例えば、分子骨格として、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブタジエン並びにその水素添加物、ポリイソプ
レン並びにその水素添加物等のオレフィン系骨格を有す
る化合物が挙げられ、好適に用いられる。これらのオレ
フィン相溶性化合物は、単独で用いられても良いし、2
種類以上が併用されても良い。
【0013】上記オレフィン相溶性化合物は、後で説明
する極性成分の導入のために分子内に反応性の官能基を
有することが好ましい。官能基としては、水酸基、カル
ボキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基
等が挙げられる。
【0014】また、上記オレフィン相溶性化合物は、後
述する周波数40MHzの高周波を印加した時のポリオ
レフィン系樹脂組成物の誘電損失係数を0.01以上と
するために、分子内に極性成分が導入されている化合物
であることが好ましい。
【0015】上記極性成分としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、エーテル基、カルボキシル基、
シアノ基、アミノ基、アミド基、水酸基、チオール基、
チオエーテル基、エポキシ基、エステル基等を有するオ
リゴマーやポリマー等が挙げられる。これらの極性成分
は、オレフィン相溶性化合物内に単独で導入されていて
も良いし、2種類以上が併用されて導入されていても良
い。
【0016】本発明1によるポリオレフィン系樹脂組成
物は、前記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、
上記オレフィン相溶性化合物1〜50重量部が添加され
て成ることが必要である。
【0017】ポリオレフィン系樹脂100重量部に対す
るオレフィン相溶性化合物の添加量が1重量部未満であ
ると、周波数40MHzの高周波を印加した時のポリオ
レフィン系樹脂組成物の誘電損失係数が0.01以上と
ならず、逆にポリオレフィン系樹脂100重量部に対す
るオレフィン相溶性化合物の添加量が50重量部を超え
ると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物及びそれを
用いたシートや成形品の物性が損なわれる。
【0018】また、本発明1によるポリオレフィン系樹
脂組成物は、周波数40MHzの高周波を印加した時の
誘電損失係数が0.01以上であることが必要である。
上記誘電損失係数が0.01未満であると、ポリオレフ
ィン系樹脂組成物の高周波融着性が不十分となる。尚、
上記誘電損失係数とは、以下の方法で測定した誘電損失
係数である。
【0019】〔誘電損失係数の測定方法〕ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を例えば加熱プレスでシート化して、厚
み約1mmのポリオレフィン系樹脂シートを作製する。
次いで、例えばインピーダンスアナライザー(型式「H
P−4291B」、ヒューレットパッカード社製)を用
いて、上記ポリオレフィン系樹脂シートに周波数40M
Hzの高周波を印加した時の誘電率(ε)及び誘電正接
(tanδ)を測定し、誘電損失係数(ε×tanδ)
を算出する。
【0020】一般に、材料に高周波を印加した時の発熱
量(Q)は次式により表される。 Q(W/cm3 )=5/9×ε×tanδ×f×E2 ×
10-12 (式中、εは誘電率、tanδは誘電正接、fは周波
数、Eは電界強度を示す)
【0021】上式において、材料に起因する項目は誘電
率(ε)と誘電正接(tanδ)であるので、これらか
ら誘電損失係数(ε×tanδ)を求めることにより、
高周波融着性を評価することが出来る。一般的には、上
記誘電損失係数を0.01以上とすることにより実用的
な高周波融着性を得ることが出来るとされている。ちな
みに、塩化ビニル系樹脂用の高周波融着装置を用いて周
波数40MHzの高周波を印加した時に融着可能な誘電
損失係数(ε×tanδ)は0.01以上とされてい
る。
【0022】ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィン系樹脂自体の上記誘電損失係数は0.0001
程度であるので、ポリオレフィン系樹脂自体には全く高
周波融着性がないと言っても過言ではない。また、ポリ
オレフィン系樹脂に高周波融着性を付与するために高い
誘電損失係数を有する化合物を添加する試みも行われて
きたが、一般に高い誘電損失係数を有する化合物はポリ
オレフィン系樹脂に対する相溶性が悪いため、ポリオレ
フィン系樹脂の透明性や物性を阻害するのが普通であっ
た。
【0023】これに対し、本発明1によるポリオレフィ
ン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂100重量部
に対し、該ポリオレフィン系樹脂と相溶し得るオレフィ
ン相溶性化合物1〜50重量部を添加することにより、
上記誘電損失係数を0.01以上としているので、優れ
た高周波融着性を発現する。
【0024】次に、本発明2によるポリオレフィン系樹
脂組成物は、上述した本発明1によるポリオレフィン系
樹脂組成物において、オレフィン相溶性化合物が0℃以
下のガラス転移点を有するオレフィン相溶性化合物であ
ることを特徴とする。
【0025】オレフィン相溶性化合物のガラス転移点が
0℃を超えると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物
の誘電損失係数(周波数40MHzの高周波印加時)が
0.01以上となり難く、従って優れた高周波融着性を
得られなくなることがある。
【0026】一般に高分子化合物(材料)はガラス転移
点において誘電正接(tanδ)の極大値を示すが、一
方、印加される高周波の周波数が増加するに伴って上記
誘電正接(tanδ)の極大値は高温側に移行(シフ
ト)する。一般に塩化ビニル系樹脂用の高周波融着装置
においては40MHz近辺の周波数帯の高周波を使用す
ることが多いため、高分子化合物(材料)のガラス転移
点は低温であることが好ましく、0℃以下であることが
より好ましい。
【0027】次に、本発明3によるポリオレフィン系樹
脂組成物は、本発明1または本発明2によるポリオレフ
ィン系樹脂組成物において、オレフィン相溶性化合物が
ポリイソシアネート化合物により架橋されていることを
特徴とする。
【0028】本発明3で用いられるポリイソシアネート
化合物としては、分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する化合物であれば良く、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げら
れ、好適に用いられるが、なかでも反応性に優れ、安全
面でも有利なMDIがより好適に用いられる。これらの
ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0029】架橋剤として上記ポリイソシアネート化合
物を用いることにより、オレフィン相溶性化合物を効率
的且つ容易に架橋させることが出来る。また、ポリイソ
シアネート化合物によるオレフィン相溶性化合物の架橋
は、本発明の課題達成を阻害しない限り、部分架橋であ
っても良いし、全面架橋であっても良い。
【0030】オレフィン相溶性化合物を架橋させること
により、得られるポリオレフィン系樹脂組成物並びにそ
れを用いて作製されたシートや成形品等の物性が著しく
向上する。
【0031】本発明(本発明1〜本発明3)によるポリ
オレフィン系樹脂組成物には、必須成分としてのポリオ
レフィン系樹脂及びオレフィン相溶性化合物以外に、本
発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例え
ば、粘着性付与剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、充填
剤、カップリング剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安
定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難
燃剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が
添加されていても良い。
【0032】次に、本発明4による単層もしくは多層シ
ート及び本発明5による単層もしくは多層成形品は、上
述した本発明によるポリオレフィン系樹脂組成物を用い
て成る。
【0033】本発明によるポリオレフィン系樹脂組成物
は、シート用や成形品用の材料として単独で用いられて
も勿論良いし、また、種々の材料を高周波融着可能とす
るために、高周波融着させたい材料の表面に上記ポリオ
レフィン系樹脂組成物の層を形成させる方法や、高周波
融着させたい材料中に上記ポリオレフィン系樹脂組成物
を混入させる方法等で用いられても良い。
【0034】高周波融着させたい材料の表面にポリオレ
フィン系樹脂組成物の層を形成させる方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、材料とポリオレ
フィン系樹脂組成物との共押出しを行って材料表面にポ
リオレフィン系樹脂組成物の層を形成させる共押出法
や、熱板により材料表面にポリオレフィン系樹脂組成物
を押圧する熱ラミネート法、材料表面にポリオレフィン
系樹脂組成物を押出して積層する押出しラミネート法等
が挙げられ、いずれの方法も好適に採用される。上記材
料表面に形成させるポリオレフィン系樹脂組成物の層
は、単層であっても良いし、二層以上の多層であっても
良い。
【0035】多層シートの具体例としては、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体
等を内層とし、この両面に本発明のポリオレフィン系樹
脂組成物を積層した三層シート等が挙げられる。上記構
成の三層シートは優れた高周波融着性を発現する。
【0036】また、高周波融着させたい材料中にポリオ
レフィン系樹脂組成物を混入する方法としては、特に限
定されるものではないが、例えば、バンバリーミキサー
のようなミキサーや、プラストミル、ミキシングロー
ル、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー、単軸押出
機等を用いて、材料とポリオレフィン系樹脂組成物とを
混練する方法等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用
される。
【0037】次いで、上記混練方法で得られた材料とポ
リオレフィン系樹脂組成物との混練物を例えば熱ロール
等でさらに溶融混練し、例えばプレスや圧延を行うこと
により、高周波融着性を有するシートを作製することが
出来る。
【0038】また、上記混練物を例えば射出成形法やブ
ロー成形法等で成形することにより、高周波融着性を有
する成形品を作製することが出来る。これらの成形品
は、単層成形品であっても良いし、二層以上の多層成形
品であっても良い。
【0039】さらに、上記混練物を例えば単軸押出機と
ペレタイザーとを用いてペレット化した後、このペレッ
トを用いて押出成形することにより、高周波融着性を有
するシート、ブロック、チューブ、ネット、成形品、異
形成形品等の各種成形体を作製することが出来る。
【0040】
【作用】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、主成
分であるポリオレフィン系樹脂の特定量に対し、該ポリ
オレフィン系樹脂と相溶し得るオレフィン相溶性化合物
の特定量が添加されているので、周波数40MHzの高
周波を印加された時の誘電損失係数が0.01以上とな
り、従って優れた高周波融着性を発現する。
【0041】また、オレフィン相溶性化合物として、ガ
ラス転移点が0℃以下のオレフィン相溶性化合物を用い
ることにより、上記特性は著しく優れたものとなる。
【0042】さらに、ポリイソシアネート化合物(架橋
剤)を用いて、オレフィン相溶性化合物を架橋させるこ
とにより、上記優れた高周波融着性と優れた物性とを兼
備するポリオレフィン系樹脂組成物となる。
【0043】即ち、本発明のポリオレフィン系樹脂組成
物は、対象となる材料表面に層を形成するか、または、
対象となる材料中に混入することにより、ポリオレフィ
ン系樹脂を始めとする種々の材料に優れた高周波融着性
と優れた物性とを付与し得るものである。
【0044】また、本発明の単層もしくは多層シート及
び本発明の単層もしくは多層成形品は、上記本発明のポ
リオレフィン系樹脂組成物を用いて作製されるので、優
れた高周波融着性と優れた物性とを兼備する。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0046】(実施例1)ポリオレフィン系樹脂として
ポリプロピレン(商品名「F8577」、チッソ社製)
100部に対し、オレフィン相溶性化合物としてポリオ
レフィン系ポリオール(商品名「ポリテールH」、分子
量2000、三菱化学社製)10部及びポリイソシアネ
ート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI、東京化成社製)2.5部を添加し、プラスト
ミルを用いて、160℃で5分間溶融混練し、「ポリテ
ールH」とMDIとを反応させた。次いで、オレフィン
相溶性化合物としてポリプロピレングリコール(PP
G、和光純薬工業社製)10部を添加し、160℃で5
分間溶融混練し、PPGとMDIとを反応させて、ポリ
オレフィン系樹脂組成物を作製した。
【0047】(実施例2)表1に示すように、「ポリテ
ールH」の添加量を2部及びMDIの添加量を0.5部
とし、オレフィン相溶性化合物として、PPG10部の
代わりに、ポリテトラメチレングリコール(PTMG、
三菱化学社製)2部を添加したこと以外は実施例1の場
合と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成物を作製し
た。
【0048】(実施例3及び実施例4)及び(比較例1
〜比較例3)ポリオレフィン系樹脂組成物を表1に示す
組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、ポ
リオレフィン系樹脂組成物を作製した。
【0049】実施例1〜実施例4、及び、比較例1及び
比較例2で得られたポリオレフィン系樹脂組成物の性能
(誘電損失係数、高周波融着性)を以下の方法で評
価した。その結果は表1に示すとおりであった。尚、比
較例3で得られたポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリ
プロピレングリコール(PPG)のブリードアウトが激
しかったので、上記性能評価は行えなかった。また、参
考例として、塩化ビニル樹脂100部及び可塑剤(DO
P)50部から成る塩化ビニル系樹脂組成物についての
評価結果も表1に併記した。
【0050】誘電損失係数:ポリオレフィン系樹脂組
成物を加熱プレスでシート化して、厚み約1mmのポリ
オレフィン系樹脂シートを作製した。次いで、インピー
ダンスアナライザー(型式「HP−4291B」、ヒュ
ーレットパッカード社製)を用いて、上記ポリオレフィ
ン系樹脂シートに周波数40MHzの高周波を印加した
時の誘電率(ε)及び誘電正接(tanδ)を測定し、
誘電損失係数(ε×tanδ)を算出した。
【0051】高周波融着性:ポリオレフィン系樹脂組
成物を加熱プレスでシート化して、厚み約0.2mmの
ポリオレフィン系樹脂シートを作製した。次いで、上記
ポリオレフィン系樹脂シート2枚を重ね、高周波ウェル
ダー機(精電舎電子社製)を用いて、周波数40.68
MHzの高周波を5秒間印加して高周波融着を行った。
得られた高周波融着物を手で剥離し、剥離状態を観察し
て、下記判定基準により高周波融着性を評価した。 〔判定基準〕 ○‥‥強固に融着しており、無理に剥離するとポリオレ
フィン系樹脂シートが破壊した ×‥‥全く融着していなかった
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜実施例4のポリオレフィン系樹脂組成物は、い
ずれも周波数40MHzの高周波を印加した時の誘電損
失係数が0.01以上であり、且つ、優れた高周波融着
性を発現した。
【0054】これに対し、オレフィン相溶性化合物を添
加しなかった比較例1のポリオレフィン系樹脂組成物、
及び、オレフィン相溶性化合物として添加した「ポリテ
ールH」のポリイソシアネート化合物による架橋を行わ
なかった比較例2のポリオレフィン系樹脂組成物は、い
ずれも誘電損失係数が0.01未満であり、且つ、高周
波融着性が極めて悪かった。
【0055】また、オレフィン相溶性化合物として添加
したポリプロピレングリコール(PPG)のポリイソシ
アネート化合物による架橋を行わなかった比較例3のポ
リオレフィン系樹脂組成物は、PPGのブリードアウト
が激しく、誘電損失係数及び高周波融着性の評価を行う
ことが出来なかった。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるポリオ
レフィン系樹脂組成物は、高周波を印加された時の誘電
損失係数が十分に高いので、対象となる材料表面に層を
形成するか、または、対象となる材料中に混入すること
により、ポリオレフィン系樹脂材料を始めとする種々の
材料に優れた高周波融着性を付与し得る。また、物性も
優れているので、高周波融着性のシートや成形品等の各
種成形体用材料として好適に用いられる。
【0057】上記は他の材料と併用される場合について
であるが、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物が単独
で用いられる場合、より優れた高周波融着性や物性を発
現することは言うまでもない。
【0058】本発明のシート及び成形品は、上記本発明
のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて作製されるの
で、優れた高周波融着性と優れた物性とを兼備するもの
であり、例えば、自動車等の車両部品、家電等の電気電
子部品、食品用や医療用等の包装材料、文具、雑貨、各
種産業用資材等の幅広い分野に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00) C08L 101:00) (C08L 23/00 (C08L 23/00 75:04) 75:04) Fターム(参考) 4F071 AA04 AA12 AA14 AA20 AA86 AE22 AF40 AF40Y AG05 AH04 AH07 AH12 BA01 BB03 BC01 4F100 AH02 AK01A AK01B AK03A AK03B AK07 AK51A AK51B AK51H AK62A AK62B AK66A AK66B AL05A AL05B BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA14 CA02 EJ05A EJ05B GB15 GB23 GB32 GB48 GB71 JA05A JA05B JG05A JG05B JH10A JH10B JL12 YY00A YY00B 4J002 AA052 AA062 AA072 AC031 AC061 AC111 AC112 BB031 BB051 BB101 BB121 BB141 BB151 BB202 BP011 BP021 BP031 FD202 GC00 GF00 GG02 GN00 GQ00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
    し、オレフィン相溶性化合物1〜50重量部が添加され
    て成り、且つ、周波数40MHzの高周波を印加した時
    の誘電損失係数が0.01以上であることを特徴とする
    ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 オレフィン相溶性化合物が0℃以下のガ
    ラス転移点を有するオレフィン相溶性化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 オレフィン相溶性化合物がポリイソシア
    ネート化合物により架橋されていることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のポリオレフィン系樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成ることを特徴と
    する単層もしくは多層シート。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成ることを特徴と
    する単層もしくは多層成形品。
JP2000015838A 2000-01-25 2000-01-25 ポリオレフィン系樹脂組成物、及び、それを用いたシート及び成形品 Pending JP2001206991A (ja)

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