JP2001301046A - 積層体の製造方法及び積層体 - Google Patents

積層体の製造方法及び積層体

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JP2001301046A
JP2001301046A JP2000125918A JP2000125918A JP2001301046A JP 2001301046 A JP2001301046 A JP 2001301046A JP 2000125918 A JP2000125918 A JP 2000125918A JP 2000125918 A JP2000125918 A JP 2000125918A JP 2001301046 A JP2001301046 A JP 2001301046A
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olefin
weight
thermoplastic polyurethane
laminate
polyurethane resin
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JP2000125918A
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English (en)
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Takeo Yamamoto
建夫 山本
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車内装材等のスラッシュ成形物の製造に
おいて、環境負荷の少ないオレフィン系樹脂組成物とウ
レタンフォ−ムとの接着性を改善した積層体の製造方法
の提供。 【解決手段】 スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成
物100重量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉
末を1〜80重量部、好ましくは5〜40重量部をブレ
ンドした粉末を用いてスラッシュ用金型内面に被膜を形
成した後、該被膜面にウレタンフォームを成形すること
を特徴とする積層体の製造方法である。熱可塑性ポリウ
レタン樹脂微粉末は真球状であり、スラッシュ成形用オ
レフィン系樹脂組成物が、30重量%以下の熱可塑性ポ
リウレタン樹脂を含有したものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体の製造方法及
び積層体に関し、詳しくはインストルメントパネル、ド
アトリム、コンソールボックス等の自動車内装材に好適
な積層体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネル、ドアト
リム、コンソールボックス等の自動車内装材として、塩
化ビニル樹脂粉末のスラッシュ成形による成形体が使用
されていた。塩化ビニル樹脂は、極性を持った樹脂であ
り、ウレタンフォームとの界面での接着性が優れてい
る。しかしながら、近年になって環境に対する問題意識
の高まりから、自動車内装の成形物として、より環境負
荷の少ないオレフィン系エラストマー(TPO)、ウレ
タン系エラストマー(TPU)あるいはオレフィン系樹
脂等の塩化ビニルに代わる材料が求められるようになっ
てきた。
【0003】これらの代替材料とされる材料の中でウレ
タン系エラストマー(TPU)以外の材料は、極性が低
い、あるいは無極性であるため、ウレタンフォームとの
接着は殆どないに等しい。したがって、オレフィン系エ
ラストマー(TPO)、またはオレフィン系樹脂による
成形体とウレタンフォームとの界面接着を発揮させるた
めには、両者の繋ぎとなる接着成分をあらかじめ成形体
表面にプライマー処理として施す必要がある。このた
め、塩化ビニルの代替材料としてのウレタン系エラスト
マー(TPU)に比較すると、オレフィン系エラストマ
ー(TPO)、またはオレフィン系樹脂を塩化ビニルの
代替材料として使用する場合、ウレタンフォームとの接
着性に関して,プライマー処理等の後加工が必要とな
り、コスト高となるため、経済性に劣っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スラ
ッシュ成形物の塩化ビニル樹脂の代替材料として挙げら
れる、TPUを除くTPOまたはオレフィン系樹脂等の
オレフィン系組成物の成形物とクッション材としてのウ
レタンフォームとの接着性を、プライマー処理すること
なく、改善することができる積層体の製造方法と積層体
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ための積層体の製造方法は、 <1> スラッシュ成形用オレフィン系組成物100重
量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉末を1〜8
0重量部をブレンドした粉末を用いてスラッシュ成形さ
れた成形体にウレタンフォームを積層することを特徴と
する積層体の製造方法である。 <2> 前記スラッシュ成形用オレフィン系組成物10
0重量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉末を5
〜40重量部をブレンドすることを特徴とする前記<1
>に記載の積層体の製造方法である。 <3> 前記熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉末が真球状
であり、平均粒径が20〜60μmであることを特徴と
する前記<1>に記載の積層体の製造方法である。 <4> 前記スラッシュ成形用オレフィン系組成物が、
30重量%以下の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有する
ことを特徴とする前記<1>に記載の積層体の製造方法
である。 <5> 前記スラッシュ成形用オレフィン系組成物が、
エチレン−アクリル酸アルキル共重合体を主成分とし、
30重量%以下の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有する
ことを特徴とする前記<1>に記載の積層体の製造方法
である。上記した目的を達成するためのスラッシュ成形
体は、 <6> 請前記<1>乃至前記<5>のいずれかに記載
の方法で製造された積層体である。
【0006】本発明の積層体の製造方法及び積層体にお
いては、スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物10
0重量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉末を1
〜80重量部をブレンドした粉末を用いてスラッシュ用
金型内面に被膜(成形物)を形成すると、金型から伝播
される熱によって粉末が溶融するとき、微粉末の熱可塑
性ポリウレタン樹脂は粉末状のオレフィン系樹脂組成物
に融合することなく、一粒一粒の粒子のまま、分散状態
で成形物(被膜)表面に熱接着及び化学接着で固定され
ている。この固定された熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉
末は注入ウレタンと同種の成分であるため、成形物とウ
レタンフォームとの接着性が向上する。したがって、プ
ライマー処理等の処理工程を要しない。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の積層体の製造方法
の好ましい実施の形態を説明する。 <オレフィン系樹脂組成物>本発明において、オレフィ
ン系樹脂組成物は、(l)ハード成分としての(A)熱
可塑性オレフィン系樹脂と、ソフト成分としての(B)
水添スチレン系共重合体とのブレンドタイプのオレフィ
ン系樹脂組成物、及び/又は(2)熱可塑性オレフィン
系エラストマーを主成分とするオレフィン系樹脂組成物
であってもよい。
【0008】オレフィン系の樹脂及び/又はゴムにおけ
る(l)ハード成分としての(A)熱可塑性オレフィン
系樹脂とは、エチレン、プロピレン、又は炭素数4〜
10のα−オレフィン、例えば、ブテン1、4−メチル
−1−ペンテン等の単独重合体又は共重合体、エチレ
ン又はプロピレンを主成分とし、これらと共重合しうる
他のモノマー(例えば酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル等)との共重合体等が例示さ
れる。
【0009】プロピレン系樹脂の場合には、得られるフ
ィルム・シートの透明性、メルトフローレート、曲げ弾
性率、融点、及び結晶性などの点から目的に応じて任意
に選定すればよいが、特にプロピレンを主成分とするエ
チレン−プロピレンランダム共重合体が好適である。プ
ロピレンを主成分とするエチレン−プロピレンランダム
共重合体は、ポリマーの立体規則性が乱れて結晶性が比
較的低く、そのため透明度が高く柔軟性を付与すること
ができる。
【0010】エチレン系樹脂の場合には、特に耐衝撃強
度、透明性に優れた低密度ポリエチレン又は機械的特
性、耐熱安定性に優れた高密度ポリエチレンが好適であ
り、これらは単独又は併用して使用することができる。
【0011】ブテン系樹脂としては、ブテン−1を主モ
ノマーとし、チーグラー系触媒を用いて重合された高立
体規則性の結晶性ポリマーが好適であり、これらのポリ
ブテンでは、溶融温度が70〜140℃程度が好まし
く、またメルトフローレート(JIS K 6760)
が0.3〜30g/10min.好ましくは0.3〜l
0g/l0min.のものが望ましい。
【0012】また、ハード成分としての(A)熱可塑性
オレフィン系樹脂は、上記した熱可塑性オレフィン系樹
脂の2種又は3種以上の混合物の方が望ましい。この混
合物としては、プロピレン系樹脂を必須成分とし、これ
に他の熱可塑性オレフィン系樹脂としてエチレン系樹脂
及び/又はブテン系樹脂を混合することが望ましい。
【0013】また、ソフト成分としての(B)水添スチ
レン系共重合体としては、例えば、水添スチレン系ブロ
ック共重合体、水添スチレン系ランダム共重合体等が挙
げられるが、これらの水添スチレン系共重合体は必ずし
もすべての二重結合が飽和されていなくてもよい。水添
スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン−ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、スチレン−SBRブロック共重合
体、スチレン−SBR−スチレンブロック共重合体等の
水添したものが例示される。
【0014】また、水添スチレン系ランダム共重合体と
しては、スチレンとブタジエンの水素添加したランダム
共重合体等が挙げられる。
【0015】次に(2)熱可塑性オレフィン系エラスト
マーを主成分とするオレフィン系樹脂組成物中の熱可塑
性オレフィン系エラストマーとしては、特公昭53−
21021で公知のエチレン−α−オレフィン共重合ゴ
ムの部分架橋物とオレフィン系樹脂との逐次混練混合
物、特公昭53−34120で公知のエチレン−α−
オレフィンとオレフィン系樹脂との同時混練部分架橋
物、特公昭62−59139で公知のエチレン−α−
オレフィン共重合ゴムとエチレン系樹脂との部分共架橋
物、ゴム状物及びオレフィン系樹脂等との混合物等が例
示される。
【0016】ここで、熱可塑性オレフィン系樹脂とは、
前記ハード成分としての(A)熱可塑性オレフィン系樹
脂と同一のものである。また、熱可塑性オレフィン系ゴ
ムとは、エチレン−プロピレン−共重合ゴム、エチレン
−プロピレン−非共役ジエンゴム、ポリイソブチレン、
ブチルゴム、プロピレン−1−ブテン共重合ゴム、水添
スチレン−ブタジエン共重合ゴム等が例示される。さら
に熱可塑性オレフィン系グラフト共重合体とは、エチレ
ン−プロピレン共重合ゴムとアクリロニトリル−スチレ
ンのグラフト共重合体、プロピレンを主成分とするエチ
レン−プロピレン共重合体とアクリロニトリル−スチレ
ンのグラフト共重合体等が例示される。
【0017】これらのオレフィン系樹脂組成物の中で、
1)スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロック
共重合体〈SEPS)+ポリプロピレン〈PP)からな
るもの、2)スチレン・エチレンブチレン・スチレンブ
ロック共重合体〈SEPS)+ポリプロピレン〈PP)
からなるもの、3)エチレン−α−オレフィン共重合体
ゴム(EPDM)+ポリプロピレン〈PP)からなるも
の、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体
からなるもの、4)エチレン−アクリル酸アルキル共重
合体〈EEA)+直鎖状エチレン−α−オレフィン共重
合体+ポリプロピレン〈PP)+スチレン・エチレンプ
ロピレン・スチレンブロック共重合体〈SEPS)から
なるもの、5)直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合
体+低密度ポリエチレン(LDPE)+ポリプロピレン
〈PP)+スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブ
ロック共重合体〈SEPS)等が挙げられる。
【0018】本発明におけるスラッシュ成形用のオレフ
ィン系樹脂組成物は、前記の1)〜5)のオレフィン系
樹脂組成物において、さらに熱可塑性ポリウレタン樹脂
を含有することが望ましく、特に4)エチレン−アクリ
ル酸アルキル共重合体〈EEA)+直鎖状エチレン−α
−オレフィン共重合体+ポリプロピレン〈PP)+スチ
レン・エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体
〈SEPS)に熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有したも
のが好ましく、より好ましくは30重量%以下の熱可塑
性ポリウレタン樹脂を含有させたものが好ましい。
【0019】スラッシュ成形用のオレフィン系樹脂組成
物が熱可塑性ポリウレタン樹脂を含有していると、この
組成物にブレンドされた熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉
末が成形物表面に分散してウレタンフォームとの接着性
が向上し、しかもオレフィン系樹脂組成物に含有される
熱可塑性ポリウレタン樹脂と成形物表面の熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂との結合によって結果的に成形物とウレタ
ンフォームとの接着性が向上する。
【0020】このようなオレフィン系樹脂組成物とし
て、エチレン−アクリル酸アクリル共重合体(EEA)
35〜55重量%、直鎖状エチレン−α−オレフィン系
共重合体25〜45重量%、エチレン−プロピレン非共
役ジエン三元共重合体を含む熱可塑性オレフィン系エラ
ストマー13〜35重量%、熱可塑性ポリウレタン樹脂
1〜20重量%を原料とし、これにシリコーングラフト
マー1〜3重量%、有機過酸化物1000〜1500p
pmを酸化防止剤、顔料等を添加し、2軸押出機を用い
て、190〜200℃の温度下で溶融混練し、ポリマー
アロイ化した組成物が好ましい。これをペレット形状と
したものをさらにターボミル等の粉砕機を用いて常温粉
砕して粉末状にしたものが好ましい。
【0021】スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物
には、必要に応じて特性を改良するために任意の成分を
添加することができる。任意の成分として、例えば、紫
外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐光安定剤、着
色剤等を挙げることができる。スラッシュ成形用オレフ
ィン系樹脂組成物の平均粒径は、スラッシュ成形用に使
用される通常の平均粒径、例えば、150〜320μm
程度でよい。
【0022】<熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉末>前
記のスラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物にブレン
ドされる熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉末は、真球状
で平均粒径が15〜100μmが好ましく、より好まし
くは20〜60μmである。熱可塑性ポリウレタン系樹
脂微粉末が真球状であると、該微粉末の流動性が向上
し、スラッシュ成形において、熱可塑性ポリウレタン系
樹脂微粉末がスラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物
に均一に分散し、したがって、熱可塑性ポリウレタン系
樹脂微粉末が成形物の表面に均一に分散した状態で露出
する。また、熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉末の流動
開始温度は、スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物
の流動開始温度よりも10〜20℃程度高いことが好ま
しい。このような流動開始温度の相対的な関係にある
と、成形物表面に熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉末が
一粒、一粒の粒子の状態で露出することができる。
【0023】熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉末は、ス
ラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物100重量部に
対して1〜80重量部、好ましくは5〜40重量部、よ
り好ましくは8〜12重量部ブレンドされてスラッシュ
形成用粉末として用いられる。熱可塑性ポリウレタン系
樹脂微粉末のブレンド量が1重量部よりも少ないと、オ
レフィン系樹脂組成物成形物(被膜)とウレタンフォー
ムとの接着強度が低く、80重量部を超えると、オレフ
ィン系樹脂組成物成形物(被膜)とウレタンフォームと
の接着強度は高くなるが、組成物が持つ引張強さ、伸び
等の物理的特性が変化し、目標物性が得られなくなると
いう問題がある。
【0024】次に図1を基に本発明の積層体の製造方法
を説明する。この実施の形態では、表皮層と表皮基材層
をスラッシュ成形方法で成形する方法を説明する。工程
(1)において、ハウジング10内のスラッシュ金型1
2が加熱される。次に工程(2)において、金型12に
表皮層となる樹脂の粉末が充填されたパウダーボックス
14がセットされる。この状態で工程(3)において、
金型12とパウダーボックス14が一体となって回転す
ると、表皮層となる樹脂の粉末の一部は加熱された金型
12の内面に薄層を形成し、他の部分は粉末状態であ
る。
【0025】次に工程(4)において、金型12からパ
ウダーボックス14を取り外すと、金型12の内面に表
皮層16が成形される。次に工程(5)において、熱可
塑性ポリウレタン系樹脂微粉末がブレンドされたスラッ
シュ成形用オレフィン系樹脂組成物粉末が充填されたパ
ウダーボックス18がセットされる。この状態で工程
(6)において、金型12とパウダーボックス16が一
体となって回転すると、表皮層16の上の熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂微粉末がブレンドされたスラッシュ成形
用オレフィン系樹脂組成物粉末が加熱されて薄層を形成
し、表皮基材層20となる。
【0026】次に工程(7)において、金型12を外面
を冷却(水シャワー)すると、工程(8)に示すよう
に、金型12から表皮層16と表皮基材層20との2層
積層体22が得られる。この2層積層体22の内面に
は、公知の方法でポリオール液とイソシアネート液から
なるウレタン液が注入されてウレタンフォームが形成さ
れる。
【0027】上記の実施の形態では、表皮基材層面上に
表皮層を形成した例を示したが、ウレタンフォームと接
する表皮基材層を本発明のスラッシュ成形方法を形成す
る限り、表皮基材層面上には、必要に応じて任意の層を
形成することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1 −スラッシュ成形用粉末の製造− <オレフィン系樹脂>オレフィン系樹脂として、MMX
−600(共和レザー社製)とMMX−010(共和レ
ザー社製)を準備した。MMX−600とMMX−01
0は、それぞれ表1に示す組成物を2軸押出機を用い
て、190〜200℃の温度下で溶融混練し、ポリマー
アロイ化した組成物である。これをペレット形状とした
ものをさらにターボミル等の粉砕機を用いて、平均粒径
250μmに常温粉砕し、スラッシュ成形用粉末とした
ものである。
【0029】
【表1】
【0030】<熱可塑性ポリウレタン樹脂粉末> A )パールセンU−100A( 真球状、粒径40μ
m、流動開始95℃) B )パールセンU−202B( 真球状、粒径40μ
m、流動開始117℃) C )パールセンSAU−3P( 真球状、粒径40〜60
μm、流動開始122℃) 前記A〜Cは、いずれも日本ポリウレタン社製である。
【0031】前記オレフィン系樹脂としてのMMX−6
00とMMX−010に対し、A)パールセンU−10
0A、B )パールセンU−202B、C )パールセン
SAU−3Pをそれぞれ表2及び表3に示すような重量比
でブレンドして、スラッシュ成形用粉末を得た。
【0032】−スラッシュ成形− 図2(A)に示す絞(しぼ)面を下に、裏面が上になる
ようにセットしたテスト型30を用いてスラッシュ成形
用粉末を充填し、金型温度230℃として成形を行な
い、成形物を得た。このときの成形物の厚みは、1.0
mm±0.1mmであった。
【0033】−ウレタンフォームとの接着テスト− 前記成形物から180mm×180mmの正方形のテス
トピースを切り出し、これを図2(B)に示すテスト機
32にセットし、その上にウレタン34を注入した。注
入ウレタンは、下記の通りである。 注入ウレタン(2液混合タイプ) A液 ポリオール(HIPOP5340:三井化学社
製) B液 イソシアネート(TM−20:三菱化学社製) ウレタン液を注入した後、図2(C)に示すようにテス
ト機32のふたを閉じ、注入されたウレタン液がフォー
ムを形成し、安定するのを待って15分後にテスト機3
2からテストピースとウレタンが一体となったフォーム
シートを取り出した。
【0034】−剥離試験− フォームシートを23℃、湿度45%の恒温恒湿の雰囲
気中で24時間コンディショニングを行ない、所定の形
状にカットした後、島津製作所製引張試験機を用いて剥
離強度を測定した。測定結果を表2及び表3に示す。な
お、表2及び表3中のA,B,C中の単位は、N/cm
であり、表2中の◎は、接着強度が高く、フォ−ム層が
剥離破壊された領域であることを示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】比較例1 スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成物粉末及び熱可
塑性ポリウレタン樹脂微粉末の代わりにスラッシュ成形
用塩化ビニル樹脂(スミフレックス シリーズ、平均粒
径0.15mmの粉体、住友化学社製)を用いた他は、実
施例1と同様にして、スラッシュ成形を行ない、ウレタ
ンフォームとの剥離試験を行なったところ、剥離強度
は、1.42N/cmであった。
【0038】したがって、表2及び表3の結果から、本
発明の積層体の製造方法では、環境負荷の少ない材料を
用い、ウレタンフォームとの接着性が改善された成形体
を得ることができる。また、スラッシュ成形用オレフィ
ン系樹脂組成物粉末が熱可塑性ポリウレタン樹脂を所定
量含有すると、スラッシュ成形用塩化ビニル樹脂を用い
た場合と同等な接着強度を保持することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、オレフィ
ン系樹脂組成物粉末と熱可塑性ポリウレタン系樹脂微粉
末とのブレンドによる簡単な工程でスラッシュ成形物と
ウレタンフォームと接着性を向上させることができ、か
つプライマー処理等を手間を要する工程を行なう必要が
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の製造方法におけるスラッシュ
成形工程の一実施の形態を示す工程図である。
【図2】実施例における工程を概略的に示す説明図であ
る。
【符号の説明】
10 ハウジング 12 金型 14 パウダーボックス 16 表皮層 18 パウダーボックス 20 表皮基材層 22 2層積層体(スラッシュ成形体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/00 C08L 23/08 23/08 75/04 75/04 B29K 23:00 // B29K 23:00 75:00 75:00 105:04 105:04 B29L 31:30 B29L 31:30 B60J 5/00 501C Fターム(参考) 3D023 BA01 BB08 BD03 BE06 BE31 3D044 BA07 BA11 BB01 BC04 4F100 AH06H AK03A AK07 AK51A AK51B AK51G AK71A AL05A BA02 DE01A DJ01B GB33 JB16A JL11 YY00A 4F213 AA03 AA04E AA21E AA42 AB26 AD17 AH26 WA03 WA15 WA52 WA56 WB01 WB13 WB22 WC01 WE02 WE07 WF27 WW01 WW33 4J002 BB03W BB05X BB06W BB07W BB12W BB14W BB17W BP01X CK02Y GF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラッシュ成形用オレフィン系樹脂組成
    物100重量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉
    末を1〜80重量部をブレンドした粉末を用いてスラッ
    シュ成形された成形体にウレタンフォームを積層するこ
    とを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記スラッシュ成形用オレフィン系樹脂
    組成物100重量部に対し、熱可塑性ポリウレタン樹脂
    微粉末を5〜40重量部をブレンドすることを特徴とす
    る請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性ポリウレタン樹脂微粉末が
    真球状であり、平均粒径が20〜60μmであることを
    特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記スラッシュ成形用オレフィン系組成
    物が、30重量%以下の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記スラッシュ成形用オレフィン系組成
    物が、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体を主成分
    とし、30重量%以下の熱可塑性ポリウレタン樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    の方法で製造された積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005154670A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Nippon Zeon Co Ltd 粉体成形用熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法

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