JP2002052599A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法と装置、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムの製造方法と装置、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板

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JP2002052599A
JP2002052599A JP2000239660A JP2000239660A JP2002052599A JP 2002052599 A JP2002052599 A JP 2002052599A JP 2000239660 A JP2000239660 A JP 2000239660A JP 2000239660 A JP2000239660 A JP 2000239660A JP 2002052599 A JP2002052599 A JP 2002052599A
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Susumu Arai
進 新井
Kazuo Tajiri
一雄 田尻
Kazuhiko Yagata
和彦 屋ヶ田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス転移温度が160℃以上の耐熱性熱可
塑性樹脂フィルム中の不純物や異物であるフィッシュ・
アイやブツを除去し、光学用途やディスプレイ分野の透
明フィルムに要求される性能レベルまで外観・透明性・
表面平滑性をもたせると共に、フィルターの目づまりが
無く長時間の運転が可能である透明フィルムを製造する
方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも樹脂原料を成形加工温度より
も低い温度で溶融・混練し、成形手段に供給する手段と
樹脂原料に含まれる異物を取り除く手段とフィルムを成
形する手段とからなり、異物を取り除く手段が樹脂原料
を成形加工温度よりも低い温度で溶融・混練し、成形手
段に供給する手段の後段で且つフィルムを成形する手段
の前段に挿入されていることを特徴とするガラス転移温
度が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明により得られる耐熱性
熱可塑性樹脂フィルムは、光学的特性及び表面平滑性を
必要とする光学用途やディスプレイ分野の透明フィルム
として使用することができる。例えば、両面または片面
にITO膜などの透明電極を蒸着することによりTN、
STN、TFTなどの液晶ディスプレイ、有機エレクト
ロルミネッセンス表示用基板等に利用できるほか光記録
に用いられるディスク用フィルム等もその用途として挙
げられる。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を押出成形によってフィル
ム化するにあたって、従来技術では、は10〜50μm
の孔径をもつフィルターを用いて異物の除去を行ってお
り、また、そのフィルターは、構造上簡単な金網フィル
ターが多く用いられている。しかし、近年、その耐熱性
と寸法安定性からエンジニアリングプラスチックが様々
な分野で用いられるようになり、特に光学用途やディス
プレイ分野の透明フィルムにおいても、ガラス転移温度
が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムが使用さ
れ始めている。これらの耐熱性熱可塑性樹脂は、一般の
熱可塑性樹脂に較べ、溶融押出成型時の熱履歴が高い
分、不純物の変性、樹脂自身の熱分解・架橋化による高
分子量化、あるいは未融解等によりフィッシュ・アイ、
ブツなどの異物を発生しやすい。そのため、フィルトレ
ーションを行ってフィッシュ・アイ、ブツを低減させる
方法(例えば特開昭61−64425号公報)が知られ
ているが、従来の30μmを越えるフィルターでは特に
光学用途やディスプレイ分野の透明フィルムに要求され
るフィルム外観・透明性・表面平滑性等の性能を満足す
るためにはその効果は十分ではなかった。そこで、さら
に濾過能力を上げるべくフィルターのメディアを細かく
する事が行われるが、あまり細かくしすぎると、メディ
アの目づまりにより樹脂圧が上昇するまでの時間が早く
なり、樹脂圧の上昇による濾過精度の低下、背圧による
樹脂漏れ等の問題が生じ、生産性が著しく低下するとい
う問題があった。また、外観・透明性・表面平滑性等の
性能を満足するフィルムを成形するためには成形速度を
ゆっくりする必要があり、結果的に樹脂の押出機内での
滞留時間を長くすることとなり、しばしば樹脂を着色さ
せ、透明性を損ねる結果となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス転移
温度が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルム中の
不純物や異物であるフィッシュ・アイやブツを除去し、
光学用途やディスプレイ分野の透明フィルムに要求され
る性能レベルまで外観・透明性・表面平滑性をもたせる
と共に、フィルターの目づまりが無く長時間の運転が可
能である透明フィルムを製造する方法を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、2
つの押出機をタンデムに接続し、第1の押出機で樹脂を
溶融・混練した上、異物を取り除いてから第2の押出機
でフィルムを成形することで、好ましい成形条件が得ら
れることを見出し、以下の解決手段を得るに至った。す
なわち本発明は、樹脂原料を溶融・混練し、次工程に供
給する第1工程と、樹脂原料に含まれる異物を取り除く
第2工程と、フィルムを成形加工する第3工程とを含ん
でなり、第1工程における樹脂原料を溶融・混練する溶
融混練温度が、第3工程における成形加工温度より低い
温度であり、第1工程、第2工程および第3工程がこの
順序で実施されることを特徴とするガラス転移温度が1
60℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及
び製造装置であり、樹脂の供給を安定化させるための制
御方法を含むものである。また、本発明は、前記熱可塑
性樹脂フィルムの製造方法で製造された熱可塑性樹脂フ
ィルムであり、更に前記熱可塑性樹脂フィルムを使用し
た液晶表示用基板である。
【0005】本発明の第1工程で用いる樹脂原料を溶融
・混練し、次工程に供給する手段(以下溶融・混練・供
給手段)に関しては、少なくとも樹脂を第2工程の異物
を取り除く手段として用いられるフィルターの目を通過
する状態まで充分に溶融し、均一に混練した後、後段の
フィルターから成形手段に供給できるものであれば特に
制約を加えないが、一般に押出機を用いることができ、
特に樹脂が粉末状であったり、滑剤、耐熱安定剤、耐候
安定剤、顔料、染料、無機質充填剤など添加する場合に
は、添加剤の分散性がよく、安定供給が可能な二軸押出
機が好ましい。また、本発明の第3工程で用いる成形加
工手段にも、押出機を用いることができ、一般にこの押
出機の先端に、ダイス、口金(リップ)等の成型用金型
を取り付けることにより、フィルムを押出成形すること
ができる。溶融・混練・供給手段に二軸押出機を使用す
る場合には、樹脂の供給に定量フィーダーを用いること
が多いため供給が安定するが、単軸の押出機を用いる場
合には、ホッパーから樹脂の自重による供給と単軸スク
リューの回転に任せることが多いため、原料ペレット充
填の不均質性や温度変動などの要因により、供給が不安
定となるサージングが起こりやすい。このサージング
は、フィルムの流れ方向厚みを変動させる主要因となっ
ている。これを防止するために、特開平2−26902
4号公報や特開平5−185488号公報に示されるギ
アポンプをダイスの直前に設け、供給の安定化を図るこ
とが行われているが、この方法はギアの隙間に付着した
樹脂の掃除に工数がかかることと、ギアポンプ内に滞留
した樹脂が変性してフィルムの外観不良を起こす等の問
題がある。
【0006】そこで本発明では、サージング防止策とし
て溶融・混練・供給手段又は異物を取り除く手段、ある
いはこれらの前後に位置する各手段の接続部分における
樹脂の供給圧力(樹脂圧)を例えば圧力計等により測定
し、この値が一定となるように溶融・混練・供給手段の
供給量をPI又はPID制御する方法を付加することが
望ましい。また、フィルムの厚み変動を例えばβ線やX
線の透過率によって検知し、この値を樹脂圧の代わりに
用いても良い。さらに、異物を取り除く手段の目詰まり
による樹脂圧の上昇を考慮することにより、成形手段へ
の供給を更に安定化させる手段として、一定時間内の溶
融・混練・供給手段の供給量例えば第1の押出機の総ス
クリュー回転数が一定となるような制御を加えることが
望ましい。この異物を取り除く手段の目詰まりによる樹
脂圧の上昇を考慮する手段として、他に例えば、成形手
段である第2の押出機と溶融・混練・供給手段である第
1の押出機との樹脂圧の差を制御変数として用いること
ができる。すなわち、第1の押出機の樹脂圧は異物を取
り除く手段の目詰まりを反映するが、第2の押出機の樹
脂圧はこれを反映しない。したがって、これらの差を制
御変数とすることで、異物を取り除く手段の目詰まりに
よる樹脂圧の上昇を打ち消すことが可能となる。
【0007】本発明によって製造される光学用途やディ
スプレイ分野に用いられるフィルムは、配向膜焼成工程
において、約150℃加熱が行われ、また、外部回路と
の接続のために異方性導電フィルムと熱圧着させるとき
も、150℃程度の加熱が必要であるため、その材料に
関しては、ガラス転移温度が160℃以上であることが
必要である。ガラス転移温度が160℃以上の耐熱性熱
可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネイ
ト、ノルボルネン、ポリエーテルイミド、ポリアリレー
ト、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチ
レン、環状ポリオレフィン及びそのコポリマー、イミド
変性ポリメチルメタクリレート等のイミド変性した高分
子等が挙げられるが、特に限定はしない。また、ガラス
転移温度が160℃を下回らなければ、熱可塑性ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリカーボネイトなどの樹脂や、
滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、染料、無機質充
填剤などを適宜ブレンドしても良い。
【0008】一方、異物は樹脂原料に本来含まれている
場合や合成工程、成形加工工程で発生、混入する場合が
考えられ、最終工程までに充分に溶融・分散しきらない
ものを示す。したがって、原料樹脂と同成分であっても
分子量が高く、溶融・分散しきらないものはこれに含ま
れる。さらにガラス転移温度が160℃以上の熱可塑性
樹脂材料はその成形加工温度が280℃〜400℃近辺
のものものもあり、これらの樹脂では成形加工中に架橋
反応を起こしたり、不純物と反応して溶融・分散の困難
な物質となることがある。これらは、押出機の中で滞留
を起こしている部分より発生するものと考えられてお
り、成形加工中の樹脂の熱履歴をどの様に低く押さえる
かが、上記の課題を解決するためのポイントである。
【0009】ここで、バブルポイント圧測定法について
説明する。バブルポイント圧測定法とは、種々の多孔体
の孔径測定に用いられている方法であり、次のようにバ
ブルポイント圧を測定して中間孔径を求める。 (1)あらかじめ10分以上イソプロピルアルコールに
浸したフィルターメディアを水平にし、タンク内に配管
された空気管に取り付ける。 (2)タンクにイソプロピルアルコールを満たし、その
液面の高さは、フィルター上端から15mmとする。 (3)フィルターメディア内の空気圧を0から徐々に増
加させ、メディアより連続して気泡が発生する時点よ
り、空気流量−空気圧曲線を実測して描く。 (4)一般にある空気圧までは空気圧に対して空気流量
が出にくい状態が続き、その後空気流量が急激に増加し
て空気圧に対する空気流量の変化率が一定となる。 (5)この両曲線の接線の交点に相当する空気圧を交点
のバブルポイント圧(P E)という。 (6)このPEからイソプロピルアルコールによるヘッ
ド圧(15mmイソプロピルアルコール)を差し引い
て、標準状態に補正をした値PESが細孔に発生する気泡
とイソプロピルアルコールの界面張力(すなわち表面張
力S)と釣り合うことから導き出される次の式から中間
孔径(DM)が算出できる。 DM = 4Scosθ/ PES (ただし、θは接触角) 後述の実施例に示すようにこのバブルポイント圧測定法
により求めたフィルターメディアの中間孔径が30μm
以下であるフィルターを異物を取り除く手段とし、溶融
・混練・供給手段と成形手段との中間に設けることによ
って、フィルム外観・透明性・表面平滑性等のフィルム
特性が光学用途やディスプレイ分野の透明フィルムに要
求される性能レベルまで向上し、液晶表示ディスプレイ
の歩留まりも飛躍的に向上することがわかった。
【0010】本発明のフィルターメディアは、ミクロン
オーダーの金属繊維を積層し、燒結圧縮成形した3次元
網状構造をもつ焼結繊維フィルターが望ましが、金属メ
ッシュフィルター、燒結金属フィルター等も用いること
ができ、特に限定はしない。また、押出機内の圧力損失
を低減し、濾過性能、異物保持容量を高めた形状とし
て、フィルターメディアをリーフディスク型のフィルタ
ーエレメントに構成し、これを複数枚積層する構造とす
ることが望ましいが、特に限定はしない。
【0011】従来のような1台の押出機による成形で
は、フィルムの平滑性を向上させるために高温且つ低吐
出という成形条件が必要であった。しかし、本発明では
樹脂溶融及び異物除去と成形の役割を分割したため、溶
融・混練・供給手段の温度条件としては、成形加工温度
条件よりも低い温度とすることが可能となった。その際
の温度条件としては、Tg+40℃≦Tp≦Tg+14
0℃の範囲が望ましく、この範囲より低い温度では、樹
脂圧が高過ぎてフィルター等にもれを生じたり、あるい
は、樹脂粘度が高すぎて押出機のスクリューに付加がか
かり回転異常を起こす。また、この範囲より高い温度で
は、熱履歴がかかりすぎ、成形したフィルムが着色し、
透明性を損ねる結果となる。
【0012】上記工程で異物除去を行うことによって、
フィルムの成形手段では、中間孔径が30μm以上の金
属メッシュストレーナー等の簡単なフィルターを用いる
程度でよく、従来の方式よりも成形時の樹脂圧が低下す
るため、より速い速度で成形することが可能となる。し
たがって、成形に必要な高温での滞留時間を少なくする
ことができるので、熱履歴の少ないフィルムを成形する
こと可能となる。このときの温度条件は、前述のように
溶融・混練・供給手段の温度条件よりも高めが望まし
く、Tg+50℃≦Ts≦Tg+150℃の範囲が良
い。また、成形加工速度も従来の方法よりも速い方が熱
履歴を低下させる目的で好ましい。一般に発泡などに用
いられるタンデム型の押出装置は、第1の押出機よりも
第2の押出機の方がその口径は大であることが多いが、
本発明では、上記理由で成形加工速度が速まることによ
り、第1の押出機のバレル径は、第2の押出機のバレル
径よりも大となる。
【0013】
【実施例】まず、15μmの焼結繊維フィルターを第1
の押出機(バレル径φ85)と第2の押出機(バレル径
φ50)との間に挿入し、芳香族ポリエーテルスルホン
(住友化学工業(株)製 スミカエクセルPES)を原
料に、コートハンガーダイを用いて、厚さ200μmの
フィルムを押出成形した。このときの押し出し温度条件
は、第1の押出機で300℃〜330℃、第2の押出機
で310℃〜360℃とした。また、第1の押出機にお
いては300時間経過してもフィルターの目づまりによ
る樹脂圧の上昇はなく、第2の押出機ではストレーナー
として40〜100メッシュの金網フィルターを用いる
ことで安定した生産を行うことができた。サージング防
止策として、第1の押出機と焼結繊維フィルターをつな
ぐジョイント部に圧力センサーを設置し、この圧力が一
定となるようにスクリュー回転数をPID制御すると同
時に、一定時間内の第1の押出機の総スクリュー回転数
を一定とするような積分制御も付加した。成形性に関し
ては300時間問題なく連続生産することができ、フィ
ルム外観も成形開始時と変化はなかった。
【0014】こうして作製したフィルムの紫外線透過率
(波長400nm)をJIS K6714に基づき測定
した。その結果、厚さ200μmにおける光線透過率
は、90%であり、従来の製造方法によって得られたフ
ィルムと比較して、約4%向上した。
【0015】また、このフィルムを基板として用い、液
晶表示ディスプレイを試作した。すなわち、40cm×
40cmの基板上に外寸35mm×35mm、表示部寸
法28mm×28mm、画素数120×120×3ヶの
カラーSTN−LCDを10×10面取りする配置でL
CDを作製した。まず、一対の基板の片方には基板上に
スパッタリングにより厚さ100nmのITOを成膜
し、ノボラック系ポジ型フォトレジストを用いパターニ
ングを行った。フォトレジストの現像にはアルカリ水溶
液を、洗浄にはイオン交換水を用いた。もう一方にはカ
ラーフィルター層を形成した上にITOをスパッタリン
グし、同様にパターニングを行った。カラーフィルター
の焼成温度は120℃であった。それぞれの基板の上に
可溶性ポリイミド型の液晶配向膜を形成し、ラビング処
理、洗浄を行った後、一方には熱硬化エポキシ型のシー
ル材を印刷し、もう一方にはスペーサーを散布した後は
り合わせてシール材を硬化し、セルを形成した。配向膜
の焼成温度は130℃、シール材の硬化温度は120℃
であった。基板を分断した後セルに液晶を注入し、注入
口を紫外線硬化樹脂で封止した後、位相差フィルムと偏
光板を張り合わせて液晶ディスプレイとした。その結
果、100個中の不良品数は、4個であり、従来の15
〜20%の不良率に比較して、不良率を 1/4〜1/
5とすることができた。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、不純物、異物で
あるフィッシュ・アイ、ブツが全くなくフィルム外観、
透明性、表面平滑性に極めて優れている上に従来発生し
ていた樹脂圧の上昇による濾過精度の低下、背圧による
樹脂漏れ等の問題を解決することができ、フィルターの
目づまりが無く長時間の運転が可能となった。しかも、
樹脂にかかる熱履歴を低減させることも可能となり、透
明性も向上させることができた。本発明は、工業的に極
めて有用な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であり、ま
た本発明によって製造されたフィルムは両面あるいは片
面にITO膜などの透明電極をつけることにより液晶デ
ィスプレイの透明電極として利用できるほか、有機エレ
クトロルミネッセンス表示用基板や光記録に使われるデ
ィスク用フィルムとしての用途も例示することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JA09 JB03 JC01 JC08 JC16 JC18 4F207 AA32 AG01 AP03 AP11 AR03 AR06 AR09 AR12 KA01 KA17 KF01 KF12 KJ09 KK13 KK23 KK30 KL63 KL76 KL84 KM14 KM15 KM20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂原料を溶融・混練し、次工程に供給
    する第1工程と、樹脂原料に含まれる異物を取り除く第
    2工程と、フィルムを成形加工する第3工程とを含んで
    なり、第1工程における樹脂原料を溶融・混練する溶融
    混練温度が、第3工程における成形加工温度より低い温
    度であり、第1工程、第2工程および第3工程がこの順
    序で実施されることを特徴とするガラス転移温度が16
    0℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 該溶融混練温度(Tp)と樹脂のガラス
    転移温度(Tg)との関係がTg+40℃≦Tp≦Tg
    +140℃を満足することを特徴とする請求項1記載の
    耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 成形加工温度(Ts)と樹脂のガラス転
    移温度(Tg)との関係がTg+50℃≦Ts≦Tg+
    150℃を満足することを特徴とする請求項1または2
    記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 樹脂の供給圧力を一定とする手段によ
    り、第3工程への樹脂の供給を安定化させることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性熱可
    塑性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルム厚み制御手段により、第3工程
    への樹脂の供給を安定化させることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 二軸押出機により、第1工程において樹
    脂原料を溶融・混練し、次工程に供給することを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑
    性樹脂フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 バブルポイント圧測定法で求めたフィル
    ターメディアの中間孔径が30μm以下のフィルターに
    より、第2工程において異物を取り除くことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑性
    樹脂フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも押出機により、第3工程にお
    いてフィルムを成形加工することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィル
    ムの製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂原料を成形加工温度よりも低い温度
    で溶融・混練する第1の押出機と、バブルポイント圧測
    定法で求めたフィルターメディアの中間孔径が30μm
    以下のフィルターと、フィルム成形用の第2の押出機と
    を含んでなり、フィルターが第1の押出機と第2の押出
    機の中間に直列に挿入されていることを特徴とするガラ
    ス転移温度が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィル
    ムの製造装置。
  10. 【請求項10】 第1の押出機が、二軸押出機であるこ
    とを特徴とする請求項9記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造装置。
  11. 【請求項11】 第1の押出機に、押出時の樹脂圧をフ
    ィードバックさせ、樹脂圧の変動を少なくする制御を行
    うことにより、第2の押出機に供給する樹脂量を安定化
    させ、フィルム厚みの変動を少なくすることを特徴とす
    る請求項9又は10記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィルム
    の製造装置。
  12. 【請求項12】 第2の押出機より押し出されるフィル
    ムの厚みを検出し、この値を第1の押出機にフィードバ
    ックさせ、フィルム厚みの変動を少なくする制御を行う
    ことにより、第2の押出機に供給する樹脂量を安定化さ
    せることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に
    記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造装置。
  13. 【請求項13】 一定時間内における第1の押出機の総
    スクリュー回転数が一定となるような制御を行うことを
    特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の耐熱
    性熱可塑性樹脂フィルムの製造装置。
  14. 【請求項14】 第2の押出機と第1の押出機の樹脂圧
    の差を制御変数として用いる制御を行うことを特徴とす
    る請求項9〜12のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑
    性樹脂フィルムの製造装置。
  15. 【請求項15】 第1の押出機のバレル径が第2の押出
    機のバレル径よりも大であることを特徴とする請求項9
    〜14のいずれか1項に記載の耐熱性熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法で製造された熱
    可塑性樹脂フィルム。
  17. 【請求項17】 請求項9〜15のいずれか1項に記載
    の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造装置で製造された
    熱可塑性樹脂フィルム。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17記載の熱可塑性樹
    脂フィルムを使用した液晶表示用基板。
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Cited By (6)

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