JP2002052600A - 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板 - Google Patents
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板Info
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- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/78—Thermal treatment of the extrusion moulding material or of preformed parts or layers, e.g. by heating or cooling
- B29C48/80—Thermal treatment of the extrusion moulding material or of preformed parts or layers, e.g. by heating or cooling at the plasticising zone, e.g. by heating cylinders
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract
塑性樹脂フィルム中の不純物や異物であるフィッシュ・
アイやブツを除去し、光学用途やディスプレイ分野の透
明フィルムに要求される性能レベルまで外観・透明性・
表面平滑性をもたせると共に、フィルターの目づまりが
無く長時間の運転が可能である透明フィルムを製造する
方法を提供する。 【解決手段】 樹脂原料を成形加工温度よりも低い温度
で溶融・混練し、あらかじめ樹脂溶融物に含まれる異物
をバブルポイント圧測定法で求めたフィルターメディア
の中間孔径が30μm以下のフィルターで除去した後、
造粒化し、次に造粒化したペレットを用いて成形加工温
度でフィルム成形することを特徴とするガラス転移温度
が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方
法。
Description
熱可塑性樹脂フィルムは、光学的特性及び表面平滑性を
必要とする光学用途やディスプレイ分野の透明フィルム
として使用することができる。例えば、両面または片面
にITO膜などの透明電極を蒸着することによりTN、
STN、TFTなどの液晶ディスプレイ、有機エレクト
ロルミネッセンス表示用基板等に利用できるほか光記録
に用いられるディスク用フィルム等もその用途として挙
げられる。
ム化するにあたって、従来技術では、10〜50μmの
孔径をもつフィルターを用いて異物の除去を行ってお
り、また、そのフィルターは、構造上簡単な金網フィル
ターが多く用いられている。しかし、近年、その耐熱性
と寸法安定性からエンジニアリングプラスチックが様々
な分野で用いられるようになり、特に光学用途やディス
プレイ分野の透明フィルムにおいても、ガラス転移温度
が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムが使用さ
れ始めている。これらの耐熱性熱可塑性樹脂は、一般の
熱可塑性樹脂に較べ、溶融押出成型時の熱履歴が高い
分、不純物の変性、樹脂自身の熱分解・架橋化による高
分子量化、あるいは未融解等によりフィッシュ・アイ、
ブツなどの異物を発生しやすい。そのため、フィルトレ
ーションを行ってフィッシュ・アイ、ブツを低減させる
方法(例えば特開昭61−64425号公報)が知られ
ているが、従来の30μmを越えるフィルターでは特に
光学用途やディスプレイ分野の透明フィルムに要求され
るフィルム外観・透明性・表面平滑性等の性能を満足す
るためにはその効果は十分ではなかった。そこで、さら
に濾過能力を上げるべくフィルターのメディアを細かく
する事が行われるが、あまり細かくしすぎると、メディ
アの目づまりにより樹脂圧が上昇するまでの時間が早く
なり、樹脂圧の上昇による濾過精度の低下、背圧による
樹脂漏れ等の問題が生じ、生産性が著しく低下するとい
う問題があった。また、外観・透明性・表面平滑性等の
性能を満足するフィルムを成形するためには成形速度を
ゆっくりする必要があり、結果的に樹脂の押出機内での
滞留時間を長くすることとなり、しばしば樹脂を着色さ
せ、透明性を損ねる結果となっていた。
温度が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルム中の
不純物や異物であるフィッシュ・アイやブツを除去し、
光学用途やディスプレイ分野の透明フィルムに要求され
る性能レベルまで外観・透明性・表面平滑性をもたせる
と共に、フィルターの目づまりが無く長時間の運転が可
能である透明フィルムを製造する方法を提供するもので
ある。
脂ペレットを造粒する条件が、フィルムを成形する条件
よりも低温・低樹脂圧で可能であることを見出し、以下
の解決手段を得るに至った。すなわち本発明は、樹脂原
料を成形加工温度よりも低い温度で溶融・混練し、あら
かじめ樹脂溶融物に含まれる異物をバブルポイント圧測
定法で求めたフィルターメディアの中間孔径が30μm
以下のフィルターで除去した後、造粒化し、次に造粒化
したペレットを用いて成形加工温度でフィルム成形する
ことを特徴とするガラス転移温度が160℃以上の耐熱
性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法に関するものであ
る。また、本発明は、前記熱可塑性樹脂フィルムの製造
方法で製造された熱可塑性樹脂フィルムであり、更に前
記熱可塑性樹脂フィルムを使用した液晶表示用基板であ
る。
スプレイ分野に用いられるフィルムは、配向膜焼成工程
において、約150℃加熱が行われ、また、外部回路と
の接続のために異方性導電フィルムと熱圧着させるとき
も、150℃程度の加熱が必要であるため、その材料に
関しては、ガラス転移温度が160℃以上であることが
必要である。ガラス転移温度が160℃以上の耐熱性熱
可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネイ
ト、ノルボルネン、ポリエーテルイミド、ポリアリレー
ト、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポ
リフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチ
レン、環状ポリオレフィン及びそのコポリマー、イミド
変性ポリメチルメタクリレート等のイミド変性した高分
子等が挙げられるが、特に限定はしない。また、ガラス
転移温度が160℃を下回らなければ、熱可塑性ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリカーボネイトなどの樹脂や、
滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、染料、無機質充
填剤などを適宜ブレンドしても良い。
場合や合成工程、成形加工工程で発生、混入する場合が
考えられ、最終工程までに充分に溶融・分散しきらない
ものを示す。したがって、原料樹脂と同成分であっても
分子量が高く、溶融・分散しきらないものはこれに含ま
れる。さらにガラス転移温度が160℃以上の熱可塑性
樹脂材料はその成形加工温度が280℃〜400℃近辺
のものものもあり、これらの樹脂では成形加工中に架橋
反応を起こしたり、不純物と反応して溶融・分散の困難
な物質となることがある。これらは、押出機の中で滞留
を起こしている部分より発生するものと考えられてお
り、成形加工中の樹脂の熱履歴をどの様に低く押さえる
かが、上記の課題を解決するためのポイントである。
説明する。バブルポイント圧測定法とは、種々の多孔体
の孔径測定に用いられている方法であり、次のようにバ
ブルポイント圧を測定して中間孔径を求める。 (1)あらかじめ10分以上イソプロピルアルコールに
浸したフィルターメディアを水平 にし、タンク内
に配管された空気管に取り付ける。 (2)タンクにイソプロピルアルコールを満たし、その
液面の高さは、フィルター上端か ら15mmとす
る。 (3)フィルターメディア内の空気圧を0から徐々に増
加させ、メディアより連続して気 泡が発生する時
点より、空気流量−空気圧曲線を実測して描く。 (4)一般にある空気圧までは空気圧に対して空気流量
が出にくい状態が続き、その後空 気流量が急激に
増加して空気圧に対する空気流量の変化率が一定とな
る。 (5)この両曲線の接線の交点に相当する空気圧を交点
のバブルポイント圧(P E)とい う。 (6)このPEからイソプロピルアルコールによるヘッ
ド圧(15mmイソプロピルアル コール)を差し
引いて、標準状態に補正をした値PESが細孔に発生する
気泡とイソ プロピルアルコールの界面張力(すな
わち表面張力S)と釣り合うことから導き出 され
る次の式から中間孔径(DM)が算出できる。 DM = 4Scosθ/ PES (ただし、θは接触角) 後述の実施例に示すようにこのバブルポイント圧測定法
により求めたフィルターメディアの中間孔径が30μm
以下であるフィルターを用いて樹脂ペレットを造粒し、
これを使用することで、フィルム外観・透明性・表面平
滑性等のフィルム特性が光学用途やディスプレイ分野の
透明フィルムに要求される性能レベルまで向上し、液晶
表示ディスプレイの歩留まりも飛躍的に向上することが
わかった。
を積層し、燒結圧縮成形した3次元網状構造をもつ焼結
繊維フィルターが望ましが、金属メッシュフィルター、
燒結金属フィルター等も用いることができ、特に限定は
しない。また、押出機内の圧力損失を低減し、濾過性
能、異物保持容量を高めた形状として、フィルターメデ
ィアをリーフディスク型のフィルターエレメントに構成
し、これを複数枚積層する構造とすることが望ましい
が、特に限定はしない。
般に樹脂ペレットを造粒する全ての方法を用いることが
でき、特に限定はしないが、樹脂を加熱溶融状態でダイ
スから押し出してカッターにより切断造粒する方法が好
ましい。前記の中間孔径が30μm以下のフィルター
は、ダイスの直前に挿入する。その際の温度条件として
は、Tg+40℃≦Tp≦Tg+140℃の範囲が望ま
しく、この範囲より低い温度では、樹脂圧が高過ぎてフ
ィルター等にもれを生じたり、あるいは、樹脂粘度が高
すぎて押出機のスクリューに付加がかかり回転異常を起
こす。また、この範囲より高い温度では、熱履歴がかか
りすぎ、造粒したペレットが着色し、透明性を損ねる結
果となる。
後、今度は、中間孔径が30μm以上の金属メッシュス
トレーナー程度の簡単なフィルターを用いて、フィルム
を押出成形する。こうすることによって、従来の方式よ
りも成形時の樹脂圧を下げ、より速い速度で成形するこ
とができるため、押出機内での滞留が少なく、しかも熱
履歴の少ないフィルムを成形することができる。このと
きの温度条件は、前記ペレット造粒時の温度条件よりも
高めがフィルム外観上望ましく、Tg+50℃≦Ts≦
Tg+150℃の範囲が良い。また、成形加工速度も従
来の方法よりも速い方が熱履歴を低下させる目的で好ま
しい。
機とストランドダイスとの間に挿入し、芳香族ポリエー
テルスルホン(住友化学工業(株)製 スミカエクセル
PES)を原料にストランドを押し出し、ホットカット
法により樹脂ペレットを得た。このときの押し出し温度
条件は、300℃〜330℃とした。樹脂ペレットの生
産性においては300時間経過してもフィルターの目づ
まりによる樹脂圧の上昇はなく、安定した生産を行うこ
とができた。次に、こうして得られた樹脂ペレットを原
料に、再度押出機で、コートハンガーダイを用いて、厚
さ200μmのフィルムを押出成形した。このときは、
ストレーナーとして40〜100メッシュの金網フィル
ターを用い、成形温度条件は、310℃〜360℃で行
った。この成形に関しても300時間問題なく連続生産
することができ、フィルム外観も成形開始時と変化はな
かった。
(波長400nm)をJIS K6714に基づき測定
した。その結果、厚さ200μmにおける光線透過率
は、90%であり、従来の製造方法によって得られたフ
ィルムと比較して、約4%向上した。
晶表示ディスプレイを試作した。すなわち、40cm×
40cmの基板上に外寸35mm×35mm、表示部寸
法28mm×28mm、画素数120×120×3ヶの
カラーSTN−LCDを10×10面取りする配置でL
CDを作製した。まず、一対の基板の片方には基板上に
スパッタリングにより厚さ100nmのITOを成膜
し、ノボラック系ポジ型フォトレジストを用いパターニ
ングを行った。フォトレジストの現像にはアルカリ水溶
液を、洗浄にはイオン交換水を用いた。もう一方にはカ
ラーフィルター層を形成した上にITOをスパッタリン
グし、同様にパターニングを行った。カラーフィルター
の焼成温度は120℃であった。それぞれの基板の上に
可溶性ポリイミド型の液晶配向膜を形成し、ラビング処
理、洗浄を行った後、一方には熱硬化エポキシ型のシー
ル材を印刷し、もう一方にはスペーサーを散布した後は
り合わせてシール材を硬化し、セルを形成した。配向膜
の焼成温度は130℃、シール材の硬化温度は120℃
であった。基板を分断した後セルに液晶を注入し、注入
口を紫外線硬化樹脂で封止した後、位相差フィルムと偏
光板を張り合わせて液晶ディスプレイとした。その結
果、100個中の不良品数は、6個であり、従来の15
〜20%の不良率に比較して、不良率を1/3〜1/4
とすることができた。
あるフィッシュ・アイ、ブツが全くなくフィルム外観、
透明性、表面平滑性に極めて優れている上に従来発生し
ていた樹脂圧の上昇による濾過精度の低下、背圧による
樹脂漏れ等の問題を解決することができ、フィルターの
目づまりが無く長時間の運転が可能となった。しかも、
樹脂にかかる熱履歴を低減させることも可能となり、透
明性も向上させることができた。本発明は、工業的に極
めて有用な熱可塑性樹脂フィルムの製造方法であり、ま
た本発明によって製造されたフィルムは両面あるいは片
面にITO膜などの透明電極をつけることにより液晶デ
ィスプレイの透明電極として利用できるほか、有機エレ
クトロルミネッセンス表示用基板や光記録に使われるデ
ィスク用フィルムとしての用途も例示することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 樹脂原料を成形加工温度よりも低い温度
で溶融・混練し、あらかじめ樹脂溶融物に含まれる異物
をバブルポイント圧測定法で求めたフィルターメディア
の中間孔径が30μm以下のフィルターで除去した後、
造粒化し、次に造粒化したペレットを用いて成形加工温
度でフィルム成形することを特徴とするガラス転移温度
が160℃以上の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方
法。 - 【請求項2】 造粒化時の温度(Tp)と樹脂のガラス
転移温度(Tg)の関係がTg+40℃≦Tp≦Tg+
140℃を満足することを特徴とする請求項1記載の耐
熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 成形加工温度(Ts)と樹脂のガラス転
移温度(Tg)の関係がTg+50℃≦Ts≦Tg+1
50℃を満足することを特徴とする請求項1および2記
載の耐熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐
熱性熱可塑性樹脂フィルムの製造方法で製造された熱可
塑性樹脂フィルム。 - 【請求項5】 請求項4記載の熱可塑性樹脂フィルムを
使用した液晶表示用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000240802A JP2002052600A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000240802A JP2002052600A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002052600A true JP2002052600A (ja) | 2002-02-19 |
Family
ID=18732104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000240802A Pending JP2002052600A (ja) | 2000-08-09 | 2000-08-09 | 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法、熱可塑性樹脂フィルム及び液晶表示用基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002052600A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004252422A (ja) * | 2003-01-27 | 2004-09-09 | Konica Minolta Holdings Inc | 透明フィルム、透明導電性フィルムおよびその製造方法、液晶ディスプレイ、有機elディスプレイおよびタッチパネル |
WO2006046638A1 (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-04 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 導光板及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-08-09 JP JP2000240802A patent/JP2002052600A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004252422A (ja) * | 2003-01-27 | 2004-09-09 | Konica Minolta Holdings Inc | 透明フィルム、透明導電性フィルムおよびその製造方法、液晶ディスプレイ、有機elディスプレイおよびタッチパネル |
JP4635435B2 (ja) * | 2003-01-27 | 2011-02-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 透明フィルム、透明導電性フィルムおよびその製造方法、液晶ディスプレイ、有機elディスプレイおよびタッチパネル |
WO2006046638A1 (ja) * | 2004-10-28 | 2006-05-04 | Asahi Kasei Chemicals Corporation | 導光板及びその製造方法 |
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A02 | Decision of refusal |
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