JP2002049110A - 画像読み取り装置 - Google Patents

画像読み取り装置

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JP2002049110A
JP2002049110A JP2000234782A JP2000234782A JP2002049110A JP 2002049110 A JP2002049110 A JP 2002049110A JP 2000234782 A JP2000234782 A JP 2000234782A JP 2000234782 A JP2000234782 A JP 2000234782A JP 2002049110 A JP2002049110 A JP 2002049110A
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JP2000234782A
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Moriyuki Igami
盛志 伊神
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使
用される蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラ
フィ画像検出システム、蛍光画像検出システム、化学発
光画像検出システムに共通して使用することができ、効
率的に、かつ、高感度で画像を読み取ることのできる画
像読み取り装置を提供する。 【解決手段】 二次元エリアセンサ1と、ケーシングを
備えたスキャナー3と、二次元エリアセンサとスキャナ
ーとの間を遮光するフード2と、画像担体41がセット
されるサンプルステージ40を、画像担体から発せられ
る光が、二次元エリアセンサによって検出可能な読み取
り位置に挿入可能なスロット5とを備え、二次元エリア
センサとスキャナーとが、スロットに対して、反対側に
位置し、スキャナーが、レーザ励起光源21、22、2
3と、レーザ励起光源から発せられたレーザ光24によ
り、読み取り位置に位置したサンプルステージ上を走査
する光学ヘッド35と、画像担体から発せられた光を光
電的に検出する光検出器50とを備えた画像読み取り装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像読み取り装置に関
するものであり、さらに詳細には、生化学、分子生物学
分野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シートを
用いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光画
像検出システム、化学発光画像検出システムに共通して
使用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像を
読み取ることのできる画像読み取り装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ画像検出システムが知られている
(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−
60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】これらの蓄積性蛍光体シートを画像の検出
材料として使用するシステムは、写真フイルムを用いる
場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要で
あるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施す
ことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、
コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を
有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィシステムにお
ける放射性標識物質に代えて、蛍光色素を標識物質とし
て使用した蛍光(fluorescence)画像検出システムが知
られている。この蛍光画像検出システムによれば、蛍光
画像を読み取ることにより、遺伝子配列、遺伝子の発現
レベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、
排泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分
子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえ
ば、電気泳動されるべき複数種の蛋白質分子を含む溶液
を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体
を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動され
た蛋白質を染色し、励起光によって、蛍光色素を励起し
て、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成
し、ゲル支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を
検出したりすることができる。あるいは、ウェスタン・
ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写
支持体上に、電気泳動された蛋白質分子の少なくとも一
部を転写し、目的とする蛋白質に特異的に反応する抗体
を蛍光色素で標識して調製したプローブと蛋白質分子と
を会合させ、特異的に反応する抗体にのみ結合する蛋白
質分子を選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を
励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生
成し、転写支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布
を検出したりすることができる。また、電気泳動させる
べき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加え
た後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動さ
せ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、
複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のD
NA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲ
ル支持体を、蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電
気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光
色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画
像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出した
り、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、
電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation)
し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロ
セルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少
なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なD
NAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプロ
ーブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プロー
ブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片
のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励
起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成
し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出した
りすることができる。さらに、標識物質によって標識し
た目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプロ
ーブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイ
ズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なD
NAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質
を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、
生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光
画像検出システムは、放射性物質を使用することなく、
簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという
利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光検出システムも知られてい
る。
【0006】これらのオートラジオグラフィ画像検出シ
ステム、蛍光画像検出システム、化学発光画像検出シス
テムは、生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用
されるものであるため、これらのシステムに共通して、
使用できる画像読み取り装置の開発が望まれている。
【0007】そこで、複数のレーザ励起光源を備え、蓄
積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層をレーザ光で走査し
て、輝尽性蛍光体を励起し、放出された輝尽光を光電的
に検出する一方で、試料を標識している蛍光色素を含ん
だゲル支持体や転写支持体をレーザ光で走査して、蛍光
色素を励起し、放出された蛍光を光電的に検出すること
によって、蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグ
ラフィ画像検出システムと蛍光画像検出システムに共通
して使用可能な画像読み取り装置が提案され、また、C
CDなどの二次元エリアセンサを用いて、化学発光を光
電的に検出し、LED光源から発せられた光を、試料を
標識している蛍光色素を含んだゲル支持体や転写支持体
に照射して、蛍光色素を励起し、放出された蛍光を、C
CDなどの二次元エリアセンサにより、光電的に検出す
ることによって、蛍光画像検出システムと化学発光画像
検出システム共通して使用可能な画像読み取り装置がす
でに提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学発
光はきわめて微弱な光であるため、通常のスキャナーに
よって、画像化しようとする場合には、走査速度を極端
に低下させないかぎり、所定の感度で、化学発光画像を
生成することができず、これに対して、蓄積性蛍光体シ
ートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオグラフ
ィ画像を検出するためには、開口数の大きい光学系を用
いることが望ましく、被写体と撮像装置との間に、所定
以上の光学的な距離が必要な二次元エリアセンサによっ
て、検出するには適さないという問題があった。さら
に、蛍光色素の画像を生成する場合、蛍光画像を全体的
に観察する上では、二次元エリアセンサによって、蛍光
を光電的に検出することが適しているが、蛍光画像のデ
ィテールを観察するためには、スキャナーによって、画
像化する方が好ましいという問題もあった。
【0009】したがって、本発明は、生化学、分子生物
学分野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シート
を用いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光
画像検出システム、化学発光画像検出システムに共通し
て使用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像
を読み取ることのできる画像読み取り装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
二次元エリアセンサと、ケーシングを備えたスキャナー
と、前記二次元エリアセンサと前記スキャナーとの間を
遮光するフードと、画像担体がセットされるサンプルス
テージを、前記画像担体から発せられる光が、前記二次
元エリアセンサによって検出可能な読み取り位置に挿入
可能なサンプルステージ挿入部とを備え、前記二次元エ
リアセンサと、前記スキャナーとが、前記サンプルステ
ージ挿入部に対して、反対側に位置し、前記スキャナー
が、少なくとも1つのレーザ励起光源と、前記少なくと
も1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によ
り、前記読み取り位置に位置した前記サンプルステージ
上を走査する走査機構と、前記画像担体から発せられた
光を光電的に検出する光検出器とを備えた画像読み取り
装置によって達成される。
【0011】本発明によれば、画像読み取り装置は、二
次元エリアセンサと、ケーシングを備えたスキャナー
と、二次元エリアセンサとスキャナーとの間を遮光する
フードと、画像担体がセットされるサンプルステージ
を、画像担体から発せられる光が、二次元エリアセンサ
によって検出可能な読み取り位置に挿入可能なサンプル
ステージ挿入部とを備え、二次元エリアセンサと、スキ
ャナーとが、サンプルステージ挿入部に対して、反対側
に位置し、スキャナーが、少なくとも1つのレーザ励起
光源と、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられ
たレーザ光により、読み取り位置に位置したサンプルス
テージ上を走査する走査機構と、画像担体から発せられ
た光を光電的に検出する光検出器とを備えているから、
スキャナーによって読み取る場合には、走査速度を極端
に低下させる必要があり、効率的に読み取ることのでき
ない化学発光画像は、二次元エリアセンサによって、読
み取られ、他方、二次元エリアセンサによって読み取る
ときは、所望の感度で読み取ることのできない蓄積性蛍
光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオ
グラフィ画像、および、二次元エリアセンサによって読
み取るときは、ディテールを観察することが困難な蛍光
画像は、スキャナーによって、読み取られ、したがっ
て、生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用され
る蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィ画
像検出システム、蛍光画像検出システム、化学発光画像
検出システムに共通して使用することができ、効率的
に、かつ、高感度で画像を読み取ることのできる画像読
み取り装置を提供するが可能になる。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルステージ挿入部が、前記スキャナーの前記ケ
ーシングに形成されたスロットによって構成されてい
る。
【0013】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記二次元エリアセンサが、CCDカメラによって
構成されている。
【0014】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記二次元エリアセンサが、室温よりも実質的に冷
却されたCCDによって構成されている。
【0015】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、二次元エリアセンサが、室温よりも実質的に冷却さ
れたCCDによって構成されているから、微弱な光であ
る化学発光を長時間にわたって、検出することができ、
したがって、高感度で、化学発光画像を読み取り、化学
発光画像でを生成することが可能になる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記読み取り位置に位置した前記
サンプルステージの面に平行に、二次元的に移動可能
で、前記画像担体から発せられた光を、前記少なくとも
1つのレーザ励起光源から発せられ、前記読み取り位置
に位置した前記サンプルステージにセットされた前記画
像担体に向かうレーザ光の光路から分岐させ、前記光検
出器に導く分岐手段を備えた光学ヘッドによって構成さ
れている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、走査機構が、読み取り位置に位置したサンプルステ
ージの面に平行に、二次元的に移動可能で、画像担体か
ら発せられた光を、少なくとも1つのレーザ励起光源か
ら発せられ、読み取り位置に位置したサンプルステージ
にセットされた画像担体に向かうレーザ光の光路から分
岐させ、光検出器に導く分岐手段を備えた光学ヘッドに
よって構成されているから、画像読み取り装置のコンパ
クト化を図ることが可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記分岐手段が、前記少なくとも1つのレーザ励起
光源から発せられたレーザ光を通過させる孔を備え、前
記読み取り位置に位置した前記サンプルステージにセッ
トされた前記画像担体から発せられた光を反射可能な反
射ミラーによって構成されている。
【0019】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記スキャナーが、さらに、前記読み取り位置
に位置した前記サンプルステージにセットされた前記画
像担体から発せられた光を集光し、前記光検出器に導く
集光光学系を備え、前記走査機構が、前記少なくとも1
つのレーザ励起光源、前記集光光学系および前記光検出
器を移動可能に構成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、蛍光をカットする蛍光カ
ットフィルタユニットが取り外し可能に設けられ、前記
蛍光カットフィルタユニットが、前記二次元エリアセン
サの光電面と、前記読み取り位置に位置した前記サンプ
ルステージにセットされた前記画像担体との間に位置可
能に構成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、フード内に、蛍光をカットする蛍光カットフィルタ
ユニットが取り外し可能に設けられ、蛍光カットフィル
タユニットが、二次元エリアセンサの光電面と、読み取
り位置に位置したサンプルステージにセットされた画像
担体との間に位置可能に構成されているから、蛍光カッ
トフィルタユニットによって、蛍光色素から放出された
蛍光をカットすることができ、したがって、二次元エリ
アセンサによって、クマシーブリリアントブルーなどの
可視性の色素の画像データを生成するとともに、スキャ
ナーによって、蛍光色素の画像データを生成することが
可能になるから、同一の試料を、異なる標識物質によっ
て標識し、異なる検出方式によって、ディジタル画像デ
ータに変換した後、蛍光色素の画像データおよび可視性
の色素の画像データに重ね合わせ処理を施して、蛍光色
素の画像および可視性の色素の画像を、同時に、CRT
の画面上に生成するなど、蛍光色素の画像データおよび
可視性色素の画像データに任意の画像処理を施して、蛍
光色素の画像および/または可視性の色素の画像をCR
Tの画面上に生成することができ、画像として観察し、
解析することが可能になる。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蛍光カットフィルタユニットが、互いに、カッ
トする光の波長および透過させる光の波長を異にする複
数の蛍光カットフィルタを備えている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、励起波長の異なる蛍光色素の画像データを、クマシ
ーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像データ
とともに生成することが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の蛍光カットフィルタが、それぞれ、透過
する波長の光の透過率を低下させるように構成されてい
る。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数の蛍光カットフィルタが、それぞれ、透過する
波長の光の透過率を低下させるように構成されているか
ら、スキャナーの少なくとも1つのレーザ励起光源から
発せられたレーザ光を、蛍光色素およびクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素によって標識された試
料に照射して、スキャナーによって、蛍光色素の画像デ
ータを生成するとともに、二次元エリアセンサによっ
て、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素の
画像データを生成する場合にも、二次元エリアセンサに
よって生成された画像データの濃度信号レベルが飽和し
てしまうことを効果的に防止して、二次元エリアセンサ
により、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色
素の画像データを生成することが可能になり、したがっ
て、同一の試料を、異なる標識物質によって標識し、異
なる検出方式によって、ディジタル画像データに変換し
た後、蛍光色素の画像データおよび可視性の色素の画像
データに重ね合わせ処理を施して、蛍光色素の画像およ
び可視性の色素の画像を、同時に、CRTの画面上に生
成するなど、蛍光色素の画像データおよび可視性色素の
画像データに任意の画像処理を施して、蛍光色素の画像
および/または可視性色素の画像をCRTの画面上に生
成し、画像として観察して、解析することが可能にな
る。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、画像読み取り装置は、前記フード内に、少
なくとも1つの白色光源を備えている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、試料に、白色光源から発せられた白色光を照射する
ことによって、クマシーブリリアントブルーなどの可視
性の色素によって標識された試料の画像データを生成す
ることが可能になる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、フレネルレンズが取り外
し可能に設けられ、前記フレネルレンズが、前記二次元
エリアセンサの光電面と、前記読み取り位置に位置した
前記サンプルステージにセットされた前記画像担体との
間に位置可能に構成されている。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、画像読み取り装置は、フードの内部に、フレネルレ
ンズを備えているので、複数の孔を有し、複数の孔の中
に、試料が含まれているマイクロプレートは、パララッ
クスを生じることなく、マイクロプレートから発せられ
る化学発光などを光電的に検出して、画像データを生成
することが可能になる。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、前記読み取り位置に位置
した前記サンプルステージにセットされた前記画像担体
に励起光を照射可能な少なくとも1つの励起光源と、前
記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光をカ
ットする励起光カットフィルタユニットが設けられ、前
記励起光カットフィルタユニットが、前記二次元エリア
センサの光電面と、前記読み取り位置に位置した前記サ
ンプルステージにセットされた前記画像担体との間に位
置可能に構成されている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、フード内に、読み取り位置に位置したサンプルステ
ージにセットされた画像担体に励起光を照射可能な少な
くとも1つの励起光源と、少なくとも1つの励起光源か
ら発せられた励起光をカットする励起光カットフィルタ
ユニットが設けられ、励起光カットフィルタユニット
が、二次元エリアセンサの光電面と、読み取り位置に位
置したサンプルステージにセットされた画像担体との間
に位置可能に構成されているから、蛍光画像を全体的に
観察することが要求されるときには、蛍光画像を全体的
に観察するのに適した二次元エリアセンサによって、化
学発光画像に加えて、蛍光画像を生成し、他方、蛍光画
像のディテールを観察することが要求されるときには、
スキャナーを用いて、蛍光画像を生成することによっ
て、目的に応じて、所望の蛍光画像を生成することが可
能になる。
【0032】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加
える。
【0033】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置を含む画像生成システムの外観を示
す略斜視図である。
【0034】図1に示されるように、画像生成システム
は、冷却CCDカメラ1と、フード2と、スキャナー3
と、パーソナルコンピュータ4を備えている。
【0035】スキャナー3のケーシングには、サンプル
ステージ(図示せず)を挿入するためのスロット5が形
成されている。
【0036】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
化学発光画像を読み取るときは、冷却CCDカメラ1に
よって、化学発光を光電的に検出して、化学発光画像デ
ータあるいは蛍光画像データを生成し、一方、蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録されたオ
ートラジオグラフィ画像あるいはゲル支持体や転写支持
体に記録された蛍光画像を読み取るときは、スキャナー
3によって、レーザ光で、輝尽性蛍光体層あるいはゲル
支持体や転写支持体上を走査して、輝尽性蛍光体あるい
は蛍光色素を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽
光あるいは蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出
して、オートラジオグラフィ画像データあるいは蛍光画
像データを生成可能に構成されている。
【0037】図2は、冷却CCDカメラ1の略断面図で
ある。
【0038】図2に示されるように、冷却CCDカメラ
1は、CCD6と、アルミニウムなどの金属により作ら
れた伝熱板7と、CCD6を冷却するためのペルチエ素
子8と、CCD6の前面に配置されたシャッタ9と、C
CD6が生成したアナログ画像データをディジタル画像
データに変換するA/D変換器10と、A/D変換器1
0によってディジタル化された画像データを一時的に記
憶する画像データバッファ11と、冷却CCDカメラ1
の動作を制御するカメラ制御回路12とを備えている。
フード2との間に形成された開口部は、ガラス板15に
よって閉じられており、冷却CCDカメラ1の周囲に
は、ペルチエ素子8が発する熱を放熱するための放熱フ
ィン16が長手方向のほぼ全面にわたって形成されてい
る。
【0039】ガラス板15の前面のフード2内には、レ
ンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ17が取
付けられている。
【0040】図3は、スキャナー3の内部の構造を示す
略斜視図であり、図4は、フォトマルチプライア近傍の
詳細を示す略斜視図、図5は、図4のA−A線に沿った
略断面図である。
【0041】図3に示されるように、スキャナー3は、
640nmの波長のレーザ光24を発する第1のレーザ
励起光源21と、532nmの波長のレーザ光24を発
する第2のレーザ励起光源22と、473nmの波長の
レーザ光24を発する第3のレーザ励起光源23とを備
えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光
源21は、半導体レーザ光源によって構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素
子によって構成されている。
【0042】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25により、平行
光とされた後、ミラー26によって反射される。第1の
レーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によって
反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレー
ザ光24を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、光学ヘッド35に入
射する。
【0043】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ29により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、光学ヘッド35
に入射する。
【0044】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
光学ヘッド35に入射する。
【0045】光学ヘッド35は、ミラー36と、その中
央部に穴37が形成された穴開きミラー38と、凸レン
ズ39とを備えており、光学ヘッド35に入射したレー
ザ光24は、ミラー36によって反射され、穴開きミラ
ー38に形成された穴37および凸レンズ39を通過し
て、透明ガラス板からなるサンプルステージ40にセッ
トされたオートラジオグラフィ画像を担持した蓄積性蛍
光体シートあるいは蛍光画像を担持したゲル支持体や転
写支持体からなる画像担体41に入射する。本実施態様
においては、サンプルステージ40は、スキャナー3の
ケーシングに形成されたスロット5に挿入可能に構成さ
れている。
【0046】蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に、レーザ光24が入射すると、レーザ光24に
よって、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体が励起
されて、輝尽光が放出され、他方、蛍光画像を担持した
ゲル支持体や転写支持体に、レーザ光24が入射する
と、レーザ光24によって、蛍光色素が励起されて、蛍
光が放出される。
【0047】輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45あ
るいは蛍光色素から放出された蛍光45は、凸レンズ3
9により、平行な光にされ、穴明きミラー38によって
反射されて、凹面ミラー46に入射する。凹面ミラー4
6に入射した輝尽光45あるいは蛍光45は、凹面ミラ
ー47に集光される。
【0048】凹面ミラー47に集光された輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図4に示されるように、凹面ミラー
47によって下方に反射され、フィルタユニット48に
入射し、所定の波長の光がカットされて、フォトマルチ
プライア50に入射し、光電的に検出される。
【0049】図4に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図4において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0050】図5に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、640nmの波長
の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0051】図6は、図4のB−B線に沿った断面図で
ある。
【0052】図6に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、532nmの波長
の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0053】図7は、図4のC−C線に沿った断面図で
ある。
【0054】図7に示されるように、フィルタ部材51
cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3の
レーザ励起光源23を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、473nmの波長
の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0055】図8は、図4のD−D線に沿った断面図で
ある。
【0056】図8に示されるように、フィルタ部材51
dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シートに形
成された輝尽性蛍光体層を励起して、輝尽性蛍光体層に
含まれた輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を読み取る
ときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体から発
光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nm
の波長の光をカットする性質を有している。
【0057】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0058】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ画像データは、A/
D変換器53によって、ディジタル画像データに変換さ
れ、画像データバッファ54に一時的に記憶される。
【0059】図3には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図3において、横方向およ
び紙面に垂直な方向に移動可能に構成され、画像担体4
1の全面が、レーザ光24によって走査されるように構
成されている。
【0060】図9は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置に使用される光学ヘッドの走査機構
の略平面図である。
【0061】図9に示されるように、光学ヘッド35を
走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図9におい
て、Yで示された副走査方向に、移動可能な基板63と
が設けられている。
【0062】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0063】移動可能な基板63上には、主走査パルス
モータ65が設けられ、主走査パルスモータ65はエン
ドレスベルト66を駆動可能に構成されている。光学ヘ
ッド35は、エンドレスベルト66に固定されており、
主走査パルスモータ65によって、エンドレスベルト6
6が駆動されると、図9において、Xで示された主走査
方向に移動されるように構成されている。図9におい
て、67は、光学ヘッド35の主走査方向における位置
を検出するリニアエンコーダであり、68は、リニアエ
ンコーダ67のスリットである。
【0064】したがって、主走査パルスモータ65によ
って、エンドレスベルト66が主走査方向に駆動され、
副走査パルスモータ61によって、基板63が副走査方
向に移動されることによって、光学ヘッド35は、図9
において、X−Y方向に移動され、レーザ光24によっ
て、画像担体41の全面が走査される。
【0065】図10は、本発明の好ましい実施態様にか
かる画像読み取り装置を備えた画像生成システムの制御
系、入力系、表示系および駆動系を示すブロックダイア
グラムである。
【0066】図10に示されるように、画像生成システ
ムの制御系は、冷却CCDカメラ1およびスキャナー3
の動作を制御するコントロールユニット70と、冷却C
CDカメラ1が生成した画像データを、画像データバッ
ファ11から読み出すとともに、スキャナー3が生成し
た画像データを、画像データバッファ54から読み出す
画像データ転送手段71と、画像データに画像処理を施
す画像データ処理手段72と、画像データを記憶する画
像データ記憶手段73と、画像データ記憶手段72に記
憶された画像データに基づき、パーソナルコンピュータ
4のCRT75の画面上に可視画像を表示する画像表示
手段76とを備えている。第1のレーザ励起光源21、
第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源
23は、コントロールユニット70によって選択的に起
動可能に構成されている。
【0067】図10に示されるように、画像生成システ
ムの入力系は、キーボード77を備え、画像生成システ
ムの表示系は、CRT75を備えている。
【0068】また、図10に示されるように、画像生成
システムの駆動系は、フィルタユニット48を移動さ
せ、所定のフィルタ52a、52b、52c、52d
を、選択的に、輝尽光または蛍光45の光路内に位置さ
せるフィルタユニットモータ78を備えている。
【0069】以上のように構成された本発明の好ましい
実施態様にかかる画像読み取り装置を含む画像生成シス
テムは、以下のようにして、化学発光画像、蛍光画像お
よびオートラジオグラフィ画像を生成する。
【0070】化学発光画像を生成するときは、化学発光
を発する画像担体41がサンプルステージ40上にセッ
トされ、スキャナー3のケーシングに形成されたスロッ
ト5内に挿入される。
【0071】カメラレンズ17を用いて、レンズフォー
カス合わせがなされた後、オペレータによって、化学発
光画像読み取り開始信号がキーボード77に入力される
と、化学発光画像読み取り開始信号がコントロールユニ
ット70に入力される。
【0072】コントロールユニット70は、化学発光画
像読み取り開始信号を受けると、フォトマルチプライア
50をオフ状態に保持し、冷却CCDカメラ1のカメラ
制御回路12に露光開始信号を出力する。
【0073】冷却CCDカメラ1のカメラ制御回路12
は露光開始信号を受けると、シャッタ9を開いて、画像
担体41から発せられる化学発光によるCCD6の露光
を開始させる。
【0074】化学発光は、カメラレンズ17を介して、
冷却CCDカメラ1のCCD6の光電面に入射し、光電
面に画像を形成する。CCD6は、こうして、光電面に
形成された画像の光を受け、これを電荷の形で蓄積す
る。
【0075】所定の露出時間が経過すると、コントロー
ルユニット70は、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回
路12に露出完了信号を出力する。
【0076】カメラ制御回路12は、コントロールユニ
ット70から露出完了信号を受けると、シャッタ9を閉
じ、CCD6が電荷の形で蓄積したアナログ画像データ
を、A/D変換器10に転送して、ディジタル化し、画
像データバッファ11に一時的に記憶させる。
【0077】カメラ制御回路12に露出完了信号を出力
するのと同時に、コントロールユニット70は、画像デ
ータ転送手段71にデータ転送信号を出力して、冷却C
CDカメラ1の画像データバッファ11から画像データ
を読み出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0078】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0079】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、化学
発光画像がCRT75の画面上に表示される。
【0080】蛍光画像を生成するときは、試料を選択的
に標識している蛍光色素を含んだゲル支持体あるいは転
写支持体が、サンプルステージ40上にセットされ、ス
キャナー3のケーシングに形成されたスロット5内に挿
入される。
【0081】次いで、オペレータによって、キーボード
77に、試料を標識している蛍光色素の種類を特定する
指示信号、あるいは、使用すべきレーザ光源を特定する
指示信号とともに、蛍光画像生成開始信号が入力され
る。
【0082】蛍光画像生成開始信号および指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、蛍光画像生成開始信号および指示信号を
受けると、指示信号に基づき、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源21、22、23およびフィルタ部材51a、
51b、51c、51dを決定する。
【0083】たとえば、試料を標識している蛍光色素と
して、Cy−3(登録商標)が使用されているときは、
コントロールユニット70は、第2のレーザ励起光源2
2を選択するとともに、フィルタ52bを選択し、フィ
ルタユニットモータ78に駆動信号を出力して、フィル
タユニット48を移動させ、532nmの波長の光をカ
ットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質
を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部材51b
を、蛍光45の光路内に位置させる。
【0084】次いで、コントロールユニット70は、第
2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2の
レーザ励起光源22を起動させ、532nmの波長のレ
ーザ光24を発せさせる。
【0085】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0086】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0087】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して反射される。ミラー32によって反射されたレー
ザ光24は、さらに、ミラー33によって反射され、光
学ヘッド35に入射する。
【0088】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、穴明きミラー38に
形成された穴37を通過して、凸レンズ39によって、
サンプルステージ40にセットされたゲル支持体あるい
は転写支持体からなる画像単体41上に集光される。
【0089】その結果、532nmの波長のレーザ光2
4によって、ゲル支持体あるいは転写支持体に含まれた
Cy−3が励起されて、蛍光が発せられる。
【0090】Cy−3から放出された蛍光45は、光学
ヘッド35の凸レンズ39により、平行な光とされた
後、穴明きミラー38に入射して、反射される。
【0091】穴明きミラー38により反射された蛍光4
5は、凹面ミラー46に入射して、凹面ミラー47に集
光される。
【0092】凹面ミラー47に集光された蛍光35は、
図3に示されるように、凹面ミラー47によって下方に
反射され、フィルタユニット48のフィルタ52bに入
射する。
【0093】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、Cy−3から放出された蛍光45の
波長域の光のみが、フィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0094】光学ヘッド35は、基板52に設けられた
主走査パルスモータ64によって、基板62上を、図9
において、X方向に移動されるとともに、副走査パルス
モータ61によって、基板62が、図9において、Y方
向に移動されるため、ゲル支持体あるいは転写支持体の
全面がレーザ光14によって走査され、Cy−3から放
出された蛍光35を、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出することによって、ゲル支持体あるいは
転写支持体に含まれているCy−3の蛍光画像を読み取
り、アナログ画像データを生成することができる。
【0095】フォトマルチプライア50によって生成さ
れたアナログ画像データは、A/D変換器53に入力さ
れて、ディジタル化され、画像データバッファ54内に
一時的に記憶される。
【0096】レーザ24によるゲル支持体あるいは転写
支持体全面の走査が完了すると、コントロールユニット
70は、画像データ転送手段71にデータ転送信号を出
力して、画像データバッファ54から画像データを読み
出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0097】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0098】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、蛍光
画像がCRT75の画面上に表示される。
【0099】蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に記録されたオートラジオグラフィ画像を生成す
るときは、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シ
ートが、サンプルステージ40上にセットされ、スキャ
ナー3のケーシングに形成されたスロット5内に挿入さ
れる。
【0100】次いで、オペレータによって、キーボード
77に、オートラジオグラフィ画像生成開始信号が入力
される。
【0101】オートラジオグラフィ画像生成開始信号
は、コントロールユニット70に入力され、コントロー
ルユニット70は、オートラジオグラフィ画像生成開始
信号を受けたときは、第1のレーザ励起光源21を選択
するとともに、フィルタ52dを選択し、フィルタユニ
ットモータ78に駆動信号を出力して、フィルタユニッ
ト48を移動させ、輝尽光の波長域の光のみを透過し、
640nmの波長の光をカットする性質を有するフィル
タ52dを備えたフィルタ部材51dを、輝尽光45の
光路内に位置させる。
【0102】コントロールユニット70によって、第1
のレーザ励起光源21が起動され、第1のレーザ励起光
源21から発せられた640nmの波長のレーザ光24
は、コリメータレンズ25によって、平行な光とされた
後、ミラー26に入射して、反射される。
【0103】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0104】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して反射される。ミラー32によって反射されたレー
ザ光24は、さらに、ミラー33によって反射され、光
学ヘッド35に入射する。
【0105】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、穴明きミラー38に
形成された穴37を通過して、凸レンズ39によって、
ステージ40にセットされた蓄積性蛍光体シートの輝尽
性蛍光体層に集光される。
【0106】その結果、蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層内の輝尽性蛍光体が、レーザ光24に
よって励起されて、輝尽性蛍光体から輝尽光45が放出
される。
【0107】輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45
は、光学ヘッド35の凸レンズ39によって、平行な光
とされた後、穴明きミラー38に入射して、反射され
る。
【0108】穴明きミラー38によって反射された輝尽
光45は、凹面ミラー46に入射して、凹面ミラー47
に集光される。
【0109】凹面ミラー47に集光された輝尽光45
は、図3に示されるように、凹面ミラー47によって下
方に反射され、フィルタユニット48のフィルタ52d
に入射する。
【0110】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から発光
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある640nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0111】前述のように、光学ヘッド35は、基板5
2に設けられた主走査パルスモータ64によって、基板
62上を、図9において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
9において、Y方向に移動されるため、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層の全面がレーザ光24
によって走査され、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍
光体から放出された輝尽光45を、フォトマルチプライ
ア50によって光電的に検出することによって、蓄積性
蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジ
オグラフィ画像を読み取り、アナログ画像データを生成
することができる。
【0112】フォトマルチプライア50によって生成さ
れたアナログ画像データは、A/D変換器53に入力さ
れて、ディジタル化され、画像データバッファ54内に
一時的に記憶される。
【0113】レーザ光24による蓄積性蛍光体シートに
形成された輝尽性蛍光体層の全面の走査が完了すると、
コントロールユニット70は、画像データ転送手段71
にデータ転送信号を出力して、画像データバッファ54
から画像データを読み出させ、画像データ処理手段72
に出力させる。
【0114】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0115】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、オー
トラジオグラフィ画像がCRT75の画面上に表示され
る。
【0116】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、冷却CCDカメラ1とスキャナー3を備え、冷却C
CDカメラ1を用いることによって、化学発光画像を生
成し、スキャナー3を用いることによって、ゲル支持体
や転写支持体に含まれ、試料を選択的に標識している蛍
光色素の蛍光画像および蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオグラフィ画
像を生成することができるから、画像読み取り装置を、
生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用される蓄
積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィ画像検
出システム、蛍光画像検出システム、化学発光画像検出
システムに共通して使用することが可能になる。
【0117】また、本実施態様によれば、きわめて微弱
な光である化学発光を、長時間の露光が可能な冷却CC
Dカメラ1によって検出して、化学発光画像を生成して
いるので、所定の感度で、化学発光画像を生成すること
ができ、その一方で、蛍光画像およびオートラジオグラ
フィ画像は、スキャナー3を用いて、生成しているの
で、高感度で、蛍光画像およびオートラジオグラフィ画
像を生成することが可能になる。
【0118】図11は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面図であ
る。
【0119】図11に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置のフード2内には、カメラレンズ
17の前面に、蛍光カットフィルタユニット80が取り
外し可能に設けられている。
【0120】図12は、蛍光カットフィルタユニット8
0の略正面図である。
【0121】図12に示されるように、蛍光カットフィ
ルタユニット80は、互いに、カットする光の波長およ
び透過させる光の波長を異にする3種類の蛍光カットフ
ィルタ81a、81b、81cが形成された円板82に
よって構成され、蛍光カットフィルタユニット80は、
モータ(図示せず)によって、回転可能に構成されてい
る。本実施態様においては、蛍光カットフィルタ81a
は、640nmの波長の光を透過し、その640nmの
波長の光で、CCD6によって生成された画像を飽和さ
せないレベルに透過率を下げ、640nmよりも波長の
長い光をカットする性質を有し、蛍光カットフィルタ8
1bは、532nmの波長の光を透過し、その532n
mの波長の光で、CCD6によって生成された画像を飽
和させないレベルに透過率を下げ、532nmよりも波
長の長い光をカットする性質を有しており、また、蛍光
カットフィルタ81cは、473nmの波長の光を透過
し、その473nmの波長の光で、CCD6によって生
成された画像を飽和させないレベルに透過率を下げ、4
73nmよりも波長の長い光をカットする性質を有して
いる。
【0122】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
試料を、蛍光色素およびクマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素によって、選択的に標識し、蛍光色素
と可視性の色素の画像を生成するのに適しており、画像
の読み取りに際しては、蛍光色素およびクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素によって、選択的に標
識された試料が、サンプルステージ40にセットされ、
スキャナー3のケーシングに形成されたスロット5内に
挿入される。
【0123】次いで、オペレータによって、蛍光色素の
種類を特定する指示信号とともに、画像生成開始信号
が、キーボード77に入力されると、画像生成開始信号
および指示信号は、コントロールユニット70に入力さ
れる。
【0124】コントロールユニット70は、画像生成開
始信号および指示信号を受けると、指示信号に基づき、
メモリ(図示せず)に記憶されているテーブルにしたが
って、蛍光カットフィルタ81a、81b、81cのう
ち、使用すべき蛍光カットフィルタを決定し、モータ
(図示せず)に駆動信号を出力して、蛍光カットフィル
タユニット80を回転させ、使用すべき蛍光カットフィ
ルタをカメラレンズ17の前面に位置させる。
【0125】次いで、コントロールユニット70は、冷
却CCDカメラ1のカメラ制御回路12に露光開始信号
を出力し、CCD6をオンさせるとともに、スキャナー
3の第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源
22および第3のレーザ励起光源23のうち、試料を標
識している蛍光色素を効率的に励起可能な波長のレーザ
光24を発するレーザ励起光源を起動させる。
【0126】起動されたレーザ励起光源からレーザ光2
4が発せられ、前記実施態様と同様にして、光学ヘッド
35に入射し、レーザ光24によって、蛍光色素および
クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素によっ
て、選択的に標識された試料の全面が走査される。
【0127】その結果、試料を標識している蛍光色素が
励起されて、蛍光が放出され、放出された蛍光は、前記
実施態様と同様にして、フォトマルチプライア50に導
かれて、光電的に検出される。
【0128】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出され、生成されたアナログ画像データは、A/D
変換器43によって、ディジタル化され、蛍光色素のデ
ィジタル画像データが生成される。
【0129】一方、試料を標識しているクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素に照射されたレーザ光
24は、その一部が色素に吸収された後、試料を透過し
て、冷却CCDカメラ1のCCD6によって受光され
る。
【0130】CCD6によって光電的に検出され、生成
されたアナログ画像データは、A/D変換器10によっ
て、ディジタル化され、クマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素のディジタル画像データが生成され
る。
【0131】カメラレンズ17の前面には、蛍光カット
フィルタユニット80が配置されており、蛍光カットフ
ィルタユニット80に形成されたいずれかの蛍光カット
フィルタ81a、81b、81cによって、蛍光色素か
ら放出された蛍光がカットされ、また、透過する波長の
光の透過率が下げられるから、画像データの濃度信号レ
ベルが飽和することの防止が図られつつ、試料を標識し
ているクマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素
のみのディジタル画像データが生成される。
【0132】このようにして生成された蛍光色素の画像
データおよびクマシーブリリアントブルーなどの可視性
の色素の画像データは、画像データバッファ54および
画像データバッファ5411に一時的に記憶された後、
画像データ転送手段71によって、読み出され、画像デ
ータ処理手段72によって、所望の画像処理が施され
て、画像データ記憶手段73に記憶される。
【0133】オペレータは、コントロールユニット70
を介して、画像表示手段76に画像表示信号を入力する
ことによって、画像データ記憶手段73に記憶された蛍
光色素の画像データおよび可視性色素の画像データに基
づき、蛍光色素の画像および可視性色素の画像を、別々
に、あるいは、同時に、CRT75の画面上に生成する
ことができる。
【0134】本実施態様によれば、第1のレーザ励起光
源21、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ
励起光源23のうち、試料を標識している蛍光色素を効
率的に励起可能な波長のレーザ光24を発するレーザ励
起光源を起動させて、レーザ光24を試料に照射し、冷
却CCDカメラ1によって、クマシーブリリアントブル
ーなどの可視性の色素の画像データを生成するととも
に、スキャナー3によって、蛍光色素の画像データを生
成しているから、同一の試料を、異なる標識物質によっ
て標識し、異なる検出方式によって、ディジタル画像デ
ータに変換した後、蛍光色素の画像データおよびクマシ
ーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像データ
に重ね合わせ処理を施して、蛍光色素の画像およびクマ
シーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像を、
同時に、CRT75の画面上に生成するなど、蛍光色素
の画像データおよびクマシーブリリアントブルーなどの
可視性の色素の画像データに任意の画像処理を施して、
蛍光色素の画像および/またはクマシーブリリアントブ
ルーなどの可視性の色素の画像をCRT75の画面上に
生成し、画像として観察して、解析することが可能にな
る。
【0135】図13は、本発明の他の実施態様にかかる
画像読み取り装置のフード2の略縦断面図である。
【0136】図13に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置のフード2内には、カメラレンズ
17の前面に、蛍光カットフィルタユニット83が取り
外し可能に設けられ、カメラレンズ17の両側には、一
対の白色光源84、85が設けられている。
【0137】図14は、蛍光カットフィルタユニット8
3の略正面図である。
【0138】図14に示されるように、蛍光カットフィ
ルタユニット83は、互いに、カットする光の波長およ
び透過させる光の波長を異にする3種類の蛍光カットフ
ィルタ86a、86b、86cが形成された円板87に
よって構成され、蛍光カットフィルタユニット83は、
モータ(図示せず)によって、回転可能に構成されてい
る。本実施態様においては、蛍光カットフィルタ86a
は、640nmの波長の光をカットし、640nmより
も波長の長い光を透過する性質を有し、蛍光カットフィ
ルタ86bは、532nmの波長の光をカットし、53
2nmよりも波長の長い光を透過する性質を有してお
り、また、蛍光カットフィルタ86cは、473nmの
波長の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を
透過する性質を有している。
【0139】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
試料を、蛍光色素およびクマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素によって、選択的に標識し、蛍光色素
と可視性の色素の画像を生成するのに適しており、蛍光
画像の読み取りに際しては、蛍光色素およびクマシーブ
リリアントブルーなどの可視性の色素によって、選択的
に標識された試料が、サンプルステージ40にセットさ
れ、スキャナー3のケーシングに形成されたスロット5
内に挿入される。
【0140】次いで、オペレータによって、蛍光色素の
種類を特定する指示信号とともに、画像生成開始信号
が、キーボード77に入力されると、画像生成開始信号
および指示信号は、コントロールユニット70に入力さ
れる。
【0141】コントロールユニット70は、画像生成開
始信号および指示信号を受けると、指示信号に基づき、
メモリ(図示せず)に記憶されているテーブルにしたが
って、蛍光カットフィルタ86a、86b、86cのう
ち、使用すべき蛍光カットフィルタを決定し、モータ
(図示せず)に駆動信号を出力して、蛍光カットフィル
タユニット83を回転させ、使用すべき蛍光カットフィ
ルタをカメラレンズ17の前面に位置させる。
【0142】さらに、コントロールユニット70は、ス
キャナー3の第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ
励起光源22および第3のレーザ励起光源23のうち、
試料を標識している蛍光色素を効率的に励起可能な波長
のレーザ光24を発するレーザ励起光源を起動させる。
【0143】起動されたレーザ励起光源からレーザ光2
4が発せられ、前記実施態様と同様にして、光学ヘッド
35に入射し、レーザ光24によって、蛍光色素および
クマシーブリリアントブルーなどの可視性色素によっ
て、選択的に標識された試料の全面が走査される。
【0144】その結果、試料に含まれている蛍光色素が
励起されて、蛍光が放出され、放出された蛍光は、前記
実施態様と同様にして、フォトマルチプライア50に導
かれて、光電的に検出される。
【0145】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出され、生成されたアナログ画像データは、A/D
変換器43によって、ディジタル化され、蛍光色素の画
像データが生成される。
【0146】このようにして生成された蛍光色素の画像
データは、画像データバッファ54に一時的に記憶され
た後、画像データ転送手段71によって、読み出され、
画像データ処理手段72によって、所望の画像処理が施
されて、画像データ記憶手段73に記憶される。
【0147】蛍光色素の画像の読み取りが完了し、さら
に、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素の
画像を生成するときは、オペレータによって、可視性の
色素の画像を読み取るべき旨の画像生成開始信号が、キ
ーボード77に入力される。
【0148】コントロールユニット70は、可視性の色
素の画像を読み取るべき旨の画像生成開始信号を受ける
と、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回路12に露光開
始信号を出力して、CCD6をオンさせ、シャッタ9を
開くとともに、一対の白色光源84、85をオンさせ
て、蛍光色素およびクマシーブリリアントブルーなどの
可視性の色素によって、選択的に標識された試料に向け
て、白色光を発せさせ、クマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素からの反射光によるCCD6の露光を
開始させる。
【0149】白色光の照射によって、試料を標識してい
る蛍光色素が励起されて、蛍光が放出されるが、カメラ
レンズ17の前面には、試料を標識している蛍光色素か
ら放出される蛍光をカットする蛍光カットフィルタ86
a、86b、86cが位置しているため、蛍光はカット
され、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素
からの反射光のみが、蛍光カットフィルタ86a、86
b、86cを通過して、冷却CCDカメラ1のCCD6
によって受光される。
【0150】CCD6によって光電的に検出され、生成
されたアナログ画像データは、A/D変換器10によっ
て、ディジタル化され、クマシーブリリアントブルーな
どの可視性色素の画像データが生成される。
【0151】このようにして生成されたクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素の画像データは、画像
データバッファ11に一時的に記憶された後、画像デー
タ転送手段71によって、読み出され、画像データ処理
手段72によって、所望の画像処理が施されて、画像デ
ータ記憶手段73に記憶される。
【0152】オペレータは、コントロールユニット70
を介して、画像表示手段76に画像表示信号を入力する
ことによって、画像データ記憶手段73に記憶された蛍
光色素の画像データおよび可視性色素の画像データに基
づき、蛍光色素の画像および可視性色素の画像を、別々
に、あるいは、同時に、CRT75の画面上に生成する
ことができる。
【0153】本実施態様によれば、冷却CCDカメラ1
によって、可視性色素の画像データを生成するととも
に、スキャナー3によって、蛍光色素の画像データを生
成しているから、同一の試料を、異なる標識物質によっ
て標識し、異なる検出方式によって、ディジタル画像デ
ータに変換した後、蛍光色素の画像データおよび可視性
色素の画像データに重ね合わせ処理を施して、蛍光色素
の画像および可視性色素の画像を、同時に、CRT75
の画面上に生成するなど、蛍光色素の画像データおよび
可視性色素の画像データに任意の画像処理を施して、蛍
光色素の画像および/または可視性色素の画像をCRT
75の画面上に生成し、画像として観察して、解析する
ことが可能になる。
【0154】図15は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面
図である。
【0155】図15に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置のフード2内には、サンプルステ
ージ40が挿入されるべき位置と、カメラレンズ17と
の間に、フレネルレンズ88が取り外し可能に設けられ
ている。
【0156】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、フレネルレンズ88を備えているので、複数の孔を
有し、複数の孔の中に、試料が含まれているマイクロプ
レートに担持された画像を読み取る場合にも、パララッ
クスを生じることなく、マイクロプレートから発せられ
る化学発光などを光電的に検出して、画像データを生成
することが可能になる。
【0157】図16は、本発明のさらに他の実施態様に
かかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面図であ
る。
【0158】図16に示されるように、フード2内に
は、カメラレンズ17を挟み、カメラレンズ17の中心
線に対して、線対象な位置に、発光波長中心が470n
mの励起光を発する第1の青色LED光源90および第
2の青色LED光源91が設けられている。第1の青色
LED光源90および第2の青色LED光源91の前面
には、それぞれ、励起光カットフィルタ92および励起
光カットフィルタ93が貼着されている。フィルタ9
2、93は、470nm近傍の波長以外の蛍光物質の励
起に有害な光をカットし、470nm近傍の波長の光の
みを透過する性質を有している。カメラレンズ17の前
面には、470nm近傍の励起光をカットする励起光カ
ットフィルタ94が、取り外し可能に設けられている。
【0159】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
冷却CCDカメラ1によっても、蛍光画像を読み取り、
蛍光画像データを生成可能に構成されている。
【0160】冷却CCDカメラ1によって、蛍光画像を
生成するときは、試料を選択的に標識している蛍光色素
を含んだゲル支持体あるいは転写支持体が、サンプルス
テージ40上にセットされ、スキャナー3のケーシング
に形成されたスロット5内に挿入される。
【0161】次いで、オペレータによって、カメラレン
ズ17を用いて、レンズフォーカス合わせがなされ、冷
却CCDカメラ1により、蛍光画像を生成する旨の蛍光
画像生成開始信号が、キーボード77に入力される。
【0162】蛍光画像生成開始信号は、コントロールユ
ニット70に入力され、コントロールユニット70は、
冷却CCDカメラ1により、蛍光画像を生成する旨の蛍
光画像生成開始信号を受けると、フォトマルチプライア
50をオフ状態に保持したまま、第1の青色LED光源
90および第2の青色LED光源91をオンする。その
結果、第1の青色LED光源90および第2の青色LE
D光源91から、サンプルステージ40上にセットされ
たゲル支持体あるいは転写支持体に向けて、発光波長中
心が450nmの励起光が発せられる。
【0163】同時に、コントロールユニット70は、露
光開始信号を、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回路1
2に出力し、シャッタ9を開いて、CCD6の露出を開
始させる。
【0164】第1の青色LED光源90および第2の青
色LED光源91から発せられた励起光は、励起光カッ
トフィルタ92および励起光カットフィルタ93によっ
て、470nm近傍の波長の光以外の波長成分がカット
され、その結果、470nm近傍の波長の光により、ゲ
ル支持体あるいは転写支持体に含まれた蛍光色素が励起
されて、蛍光が発せられる。
【0165】蛍光色素から発せられた蛍光は、励起光カ
ットフィルタ94およびカメラレンズ17を介して、冷
却CCDカメラ1のCCD6の光電面に入射し、光電面
に画像を形成する。CCD6は、こうして、光電面に形
成された画像の光を受け、これを電荷の形で蓄積する。
【0166】所定の露出時間が経過すると、コントロー
ルユニット70は、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回
路12に露出完了信号を出力する。
【0167】カメラ制御回路12は、コントロールユニ
ット70から露出完了信号を受けると、シャッタ9を閉
じ、CCD6が電荷の形で蓄積したアナログ画像データ
を、A/D変換器10に転送して、ディジタル化し、画
像データバッファ11に一時的に記憶させる。
【0168】カメラ制御回路12に露出完了信号を出力
するのと同時に、コントロールユニット70は、画像デ
ータ転送手段71にデータ転送信号を出力して、冷却C
CDカメラ1の画像データバッファ11から画像データ
を読み出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0169】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0170】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、蛍光
画像がCRT75の画面上に表示される。
【0171】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、フード2内に、第1の青色LED光源90および第
2の青色LED光源91を備え、冷却CCDカメラ1に
よっても、蛍光画像を読み取ることができるように構成
されているから、蛍光画像を全体的に観察することが要
求されるときには、蛍光画像を全体的に観察するのに適
した冷却CCDカメラ1によって、蛍光画像を生成し、
他方、蛍光画像のディテールを観察することが要求され
るときには、スキャナー3を用いて、蛍光画像を生成す
ることによって、目的に応じて、所望の蛍光画像を生成
することが可能になる。
【0172】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0173】たとえば、前記実施態様においては、スキ
ャナー3のケーシングに、サンプルステージ40を挿入
可能なスロット5を形成し、読み取るべき画像を担持し
た画像担体がセットされたサンプルステージ40をスロ
ット5内に挿入することによって、画像担体を読み取り
位置に位置させ、冷却CCDカメラ1および/またはス
キャナー5により、読み取り位置に位置している画像担
体に担持された画像を読み取るように構成されている
が、冷却CCDカメラ1およびはスキャナー5により、
画像担体に担持された画像が読み取り可能な読み取り位
置に、画像担体がセットされたサンプルステージ40を
保持できるように構成されていればよく、スキャナー3
のケーシングに、サンプルステージ40を挿入可能なス
ロット5を形成することは必ずしも必要でない。
【0174】また、前記実施態様においては、冷却CC
Dカメラ1が用いられているが、蛍光色素が発する蛍光
や化学発光の強度によっては、冷却手段を備えないCC
Dカメラを用いることもできる。
【0175】さらに、前記実施態様においては、CCD
6を用いているが、CCD6に代えて、CID(電荷注
入素子)、PDA(フォトダイオードアレイ)、MOS
型撮像素子などの他の固体撮像素子を用いることもでき
る。
【0176】また、前記実施態様においては、スキャナ
ー3には、穴開きミラー38と凸レンズ39を備えた光
学ヘッド35が設けられ、光学ヘッド35を二次元方向
に移動させることによって、レーザ光24によって、画
像担体41であるゲル支持体もしくは転写支持体または
蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面を走査する
ように構成されているが、光学ヘッド35を用いる代わ
りに、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22、第3のレーザ励起光源23、フォトマルチプラ
イア50および光学系を副走査方向に移動可能な基板上
に取り付け、ポリゴンミラーなどのレーザ光24を主走
査方向に走査する走査機構を設けるとともに、無蛍光ガ
ラスを加工して作られ、その受光端部が直線状をなし、
ゲル支持体もしくは転写支持体または蓄積性蛍光体シー
トの輝尽性蛍光体層上の走査線に対向するように近接し
て配置され、また、その射出端部が円環状をなし、フォ
トマルチプライア50の受光面に接続された集光ガイド
を用いて、受光端部から入射した光が、その内面で、全
反射を繰り返しながら、射出端部を経て、フォトマルチ
プライア50の受光面に伝達されるように構成すること
もできる。
【0177】さらに、前記実施態様においては、画像読
み取り装置のスキャナー3は、第1のレーザ励起光源2
1、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起
光源23を備えているが、3つのレーザ励起光源を備え
ていることは必ずしも必要がなく、試料を標識している
蛍光色素の種類に応じて、たとえば、第2のレーザ励起
光源22および/または第3のレーザ励起光源33を省
略することもできる。
【0178】また、前記実施態様においては、第1のレ
ーザ励起光源21として、640nmの波長のレーザ光
24を発する半導体レーザ光源を用いているが、640
nmの波長のレーザ光24を発する半導体レーザ光源に
代えて、633nmの波長を有するレーザ光24を発す
るHe−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光
24を発する半導体レーザ光源を用いてもよい。
【0179】さらに、前記実施態様においては、第2の
レーザ励起光源22として、532nmのレーザ光を発
するレーザ光源を用い、第3のレーザ励起光源23とし
て、473nmのレーザ光を発するレーザ光源を用いて
いるが、励起する蛍光物質の種類に応じて、第2のレー
ザ励起光源22として、530ないし540nmのレー
ザ光24を発するレーザ光源を、第3のレーザ励起光源
23として、470ないし490nmのレーザ光24を
発するレーザ光源、たとえば、488nmの波長のレー
ザ光24を発するアルゴンレーザ光源を、それぞれ、用
いることもできる。
【0180】また、前記実施態様においては、穴37が
形成された穴明きミラー38を用いているが、穴37に
代えて、レーザ光24を透過可能なコーティングを施す
こともできる。
【0181】さらに、前記実施態様においては、画像を
CRT75の画面上に表示しているが、画像を表示する
表示手段は、CRT75に限定されるものではなく、液
晶ディスプレイパネルなどの他の表示手段を用いること
もできる。
【0182】また、前記実施態様においては、光検出器
として、フォトマルチプライア50を用いて、蛍光ある
いは輝尽光を光電的に検出しているが、本発明において
用いられる光検出器としては、蛍光あるいは輝尽光を光
電的に検出可能であればよく、フォトマルチプライア5
0に限らず、フォトダイオードやCCDなどの他の光検
出器を用いることができる。
【0183】
【発明の効果】本発明によれば、生化学、分子生物学分
野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シートを用
いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光画像
検出システム、化学発光画像検出システムに共通して使
用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像を読
み取ることのできる画像読み取り装置を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置を含む画像生成システムの外観を示す略
斜視図である。
【図2】図2は、冷却CCDカメラの略断面図である。
【図3】図3は、スキャナーの内部の構造を示す略斜視
図である。
【図4】図4は、フォトマルチプライア近傍の詳細を示
す略斜視図である。
【図5】図5は、図4のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図6】図6は、図4のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図7】図7は、図4のC−C線に沿った断面図であ
る。
【図8】図8は、図4のD−D線に沿った断面図であ
る。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置に使用される光学ヘッドの走査機構の略
平面図である。
【図10】図10は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置を備えた画像生成システムの制御
系、入力系、表示系および駆動系を示すブロックダイア
グラムである。
【図11】図11は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置のフードの略縦断面図である。
【図12】図12は、蛍光カットフィルタユニットの略
正面図である。
【図13】図13は、本発明の他の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置のフードの略縦断面図である。
【図14】図14は、蛍光カットフィルタユニットの略
正面図である。
【図15】図15は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる画像読み取り装置のフードの略縦断面図で
ある。
【図16】図16は、本発明のさらに他の実施態様にか
かる画像読み取り装置のフードの略縦断面図である。
【符号の説明】
1 冷却CCDカメラ 2 フード 3 スキャナー 4 パーソナルコンピュータ 5 スキャナーのスロット 6 CCD 7 伝熱板 8 ペルチエ素子 9 シャッタ 10 A/D変換器 11 画像データバッファ 12 カメラ制御回路 15 ガラス板 16 放熱フィン 17 カメラレンズ 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 コリメータレンズ 30 コリメータレンズ 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 穴 38 穴開きミラー 39 凸レンズ 40 サンプルステージ 41 画像担体 45 輝尽光または蛍光 46 凹面ミラー 47 凹面ミラー 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 画像データバッファ 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 レール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査パルスモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 画像データ転送手段 72 画像データ処理手段 73 画像データ記憶手段 75 CRT 76 画像表示手段 77 キーボード 78 フィルタユニットモータ 80 蛍光カットフィルタユニット 81a、81b、81c 蛍光カットフィルタ 82 円板 83 蛍光カットフィルタユニット 84、85 白色光源 86a、86b、86c 蛍光カットフィルタ 87 円板 88 フレネルレンズ 90 第1の青色LED光源 91 第2の青色LED光源 92、93 励起光カットフィルタ 94 励起光カットフィルタ
【手続補正書】
【提出日】平成12年8月30日(2000.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像読み取り装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像読み取り装置に関
するものであり、さらに詳細には、生化学、分子生物学
分野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シートを
用いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光画
像検出システム、化学発光画像検出システムに共通して
使用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像を
読み取ることのできる画像読み取り装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】放射線が照射されると、放射線のエネル
ギーを吸収して、蓄積、記録し、その後に、特定の波長
域の電磁波を用いて励起すると、照射された放射線のエ
ネルギーの量に応じた光量の輝尽光を発する特性を有す
る輝尽性蛍光体を、放射線の検出材料として用い、放射
性標識を付与した物質を、生物体に投与した後、その生
物体あるいはその生物体の組織の一部を試料とし、この
試料を、輝尽性蛍光体層が設けられた蓄積性蛍光体シー
トと一定時間重ね合わせることにより、放射線エネルギ
ーを輝尽性蛍光体に、蓄積、記録し、しかる後に、電磁
波によって、輝尽性蛍光体層を走査して、輝尽性蛍光体
を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽光を光電的
に検出して、ディジタル画像信号を生成し、画像処理を
施して、CRTなどの表示手段上あるいは写真フイルム
などの記録材料上に、画像を再生するように構成された
オートラジオグラフィ画像検出システムが知られている
(たとえば、特公平1−60784号公報、特公平1−
60782号公報、特公平4−3952号公報など)。
【0003】これらの蓄積性蛍光体シートを画像の検出
材料として使用するシステムは、写真フイルムを用いる
場合とは異なり、現像処理という化学的処理が不必要で
あるだけでなく、得られた画像データに画像処理を施す
ことにより、所望のように、画像を再生し、あるいは、
コンピュータによる定量解析が可能になるという利点を
有している。
【0004】他方、オートラジオグラフィシステムにお
ける放射性標識物質に代えて、蛍光色素を標識物質とし
て使用した蛍光(fluorescence)画像検出システムが知
られている。この蛍光画像検出システムによれば、蛍光
画像を読み取ることにより、遺伝子配列、遺伝子の発現
レベル、実験用マウスにおける投与物質の代謝、吸収、
排泄の経路、状態、蛋白質の分離、同定、あるいは、分
子量、特性の評価などをおこなうことができ、たとえ
ば、電気泳動されるべき複数種の蛋白質分子を含む溶液
を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲル支持体
を蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電気泳動され
た蛋白質を染色し、励起光によって、蛍光色素を励起し
て、生じた蛍光を検出することによって、画像を生成
し、ゲル支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布を
検出したりすることができる。あるいは、ウェスタン・
ブロッティング法により、ニトロセルロースなどの転写
支持体上に、電気泳動された蛋白質分子の少なくとも一
部を転写し、目的とする蛋白質に特異的に反応する抗体
を蛍光色素で標識して調製したプローブと蛋白質分子と
を会合させ、特異的に反応する抗体にのみ結合する蛋白
質分子を選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を
励起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生
成し、転写支持体上の蛋白質分子の位置および量的分布
を検出したりすることができる。また、電気泳動させる
べき複数のDNA断片を含む溶液中に、蛍光色素を加え
た後に、複数のDNA断片をゲル支持体上で電気泳動さ
せ、あるいは、蛍光色素を含有させたゲル支持体上で、
複数のDNA断片を電気泳動させ、あるいは、複数のD
NA断片を、ゲル支持体上で、電気泳動させた後に、ゲ
ル支持体を、蛍光色素を含んだ溶液に浸すなどして、電
気泳動されたDNA断片を標識し、励起光により、蛍光
色素を励起して、生じた蛍光を検出することにより、画
像を生成し、ゲル支持体上のDNAを分布を検出した
り、あるいは、複数のDNA断片を、ゲル支持体上で、
電気泳動させた後に、DNAを変性(denaturation)
し、次いで、サザン・ブロッティング法により、ニトロ
セルロースなどの転写支持体上に、変性DNA断片の少
なくとも一部を転写し、目的とするDNAと相補的なD
NAもしくはRNAを蛍光色素で標識して調製したプロ
ーブと変性DNA断片とをハイブリダイズさせ、プロー
ブDNAもしくはプローブRNAと相補的なDNA断片
のみを選択的に標識し、励起光によって、蛍光色素を励
起して、生じた蛍光を検出することにより、画像を生成
し、転写支持体上の目的とするDNAの分布を検出した
りすることができる。さらに、標識物質によって標識し
た目的とする遺伝子を含むDNAと相補的なDNAプロ
ーブを調製して、転写支持体上のDNAとハイブリダイ
ズさせ、酵素を、標識物質により標識された相補的なD
NAと結合させた後、蛍光基質と接触させて、蛍光基質
を蛍光を発する蛍光物質に変化させ、励起光によって、
生成された蛍光物質を励起して、生じた蛍光を検出する
ことにより、画像を生成し、転写支持体上の目的とする
DNAの分布を検出したりすることもできる。この蛍光
画像検出システムは、放射性物質を使用することなく、
簡易に、遺伝子配列などを検出することができるという
利点がある。
【0005】また、同様に、蛋白質や核酸などの生体由
来の物質を支持体に固定し、化学発光基質と接触させる
ことによって化学発光を生じさせる標識物質により、選
択的に標識し、標識物質によって選択的に標識された生
体由来の物質と化学発光基質とを接触させて、化学発光
基質と標識物質との接触によって生ずる可視光波長域の
化学発光を、光電的に検出して、ディジタル画像信号を
生成し、画像処理を施して、CRTなどの表示手段ある
いは写真フィルムなどの記録材料上に、化学発光画像を
再生して、遺伝子情報などの生体由来の物質に関する情
報を得るようにした化学発光検出システムも知られてい
る。
【0006】これらのオートラジオグラフィ画像検出シ
ステム、蛍光画像検出システム、化学発光画像検出シス
テムは、生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用
されるものであるため、これらのシステムに共通して、
使用できる画像読み取り装置の開発が望まれている。
【0007】そこで、複数のレーザ励起光源を備え、蓄
積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層をレーザ光で走査し
て、輝尽性蛍光体を励起し、放出された輝尽光を光電的
に検出する一方で、試料を標識している蛍光色素を含ん
だゲル支持体や転写支持体をレーザ光で走査して、蛍光
色素を励起し、放出された蛍光を光電的に検出すること
によって、蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグ
ラフィ画像検出システムと蛍光画像検出システムに共通
して使用可能な画像読み取り装置が提案され、また、C
CDなどの二次元エリアセンサを用いて、化学発光を光
電的に検出し、LED光源から発せられた光を、試料を
標識している蛍光色素を含んだゲル支持体や転写支持体
に照射して、蛍光色素を励起し、放出された蛍光を、C
CDなどの二次元エリアセンサにより、光電的に検出す
ることによって、蛍光画像検出システムと化学発光画像
検出システム共通して使用可能な画像読み取り装置がす
でに提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化学発
光はきわめて微弱な光であるため、通常のスキャナーに
よって、画像化しようとする場合には、走査速度を極端
に低下させないかぎり、所定の感度で、化学発光画像を
生成することができず、これに対して、蓄積性蛍光体シ
ートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオグラフ
ィ画像を検出するためには、開口数の大きい光学系を用
いることが望ましく、被写体と撮像装置との間に、所定
以上の光学的な距離が必要な二次元エリアセンサによっ
て、検出するには適さないという問題があった。さら
に、蛍光色素の画像を生成する場合、蛍光画像を全体的
に観察する上では、二次元エリアセンサによって、蛍光
を光電的に検出することが適しているが、蛍光画像のデ
ィテールを観察するためには、スキャナーによって、画
像化する方が好ましいという問題もあった。
【0009】したがって、本発明は、生化学、分子生物
学分野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シート
を用いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光
画像検出システム、化学発光画像検出システムに共通し
て使用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像
を読み取ることのできる画像読み取り装置を提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
二次元エリアセンサと、ケーシングを備えたスキャナー
と、前記二次元エリアセンサと前記スキャナーとの間を
遮光するフードと、画像担体がセットされるサンプルス
テージを、前記画像担体から発せられる光が、前記二次
元エリアセンサによって検出可能な読み取り位置に挿入
可能なサンプルステージ挿入部とを備え、前記二次元エ
リアセンサと、前記スキャナーとが、前記サンプルステ
ージ挿入部に対して、反対側に位置し、前記スキャナー
が、少なくとも1つのレーザ励起光源と、前記少なくと
も1つのレーザ励起光源から発せられたレーザ光によ
り、前記読み取り位置に位置した前記サンプルステージ
上を走査する走査機構と、前記画像担体から発せられた
光を光電的に検出する光検出器とを備えた画像読み取り
装置によって達成される。
【0011】本発明によれば、画像読み取り装置は、二
次元エリアセンサと、ケーシングを備えたスキャナー
と、二次元エリアセンサとスキャナーとの間を遮光する
フードと、画像担体がセットされるサンプルステージ
を、画像担体から発せられる光が、二次元エリアセンサ
によって検出可能な読み取り位置に挿入可能なサンプル
ステージ挿入部とを備え、二次元エリアセンサと、スキ
ャナーとが、サンプルステージ挿入部に対して、反対側
に位置し、スキャナーが、少なくとも1つのレーザ励起
光源と、少なくとも1つのレーザ励起光源から発せられ
たレーザ光により、読み取り位置に位置したサンプルス
テージ上を走査する走査機構と、画像担体から発せられ
た光を光電的に検出する光検出器とを備えているから、
スキャナーによって読み取る場合には、走査速度を極端
に低下させる必要があり、効率的に読み取ることのでき
ない化学発光画像は、二次元エリアセンサによって、読
み取られ、他方、二次元エリアセンサによって読み取る
ときは、所望の感度で読み取ることのできない蓄積性蛍
光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオ
グラフィ画像、および、二次元エリアセンサによって読
み取るときは、ディテールを観察することが困難な蛍光
画像は、スキャナーによって、読み取られ、したがっ
て、生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用され
る蓄積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィ画
像検出システム、蛍光画像検出システム、化学発光画像
検出システムに共通して使用することができ、効率的
に、かつ、高感度で画像を読み取ることのできる画像読
み取り装置を提供するが可能になる。
【0012】本発明の好ましい実施態様においては、前
記サンプルステージ挿入部が、前記スキャナーの前記ケ
ーシングに形成されたスロットによって構成されてい
る。
【0013】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記二次元エリアセンサが、CCDカメラによって
構成されている。
【0014】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記二次元エリアセンサが、室温よりも実質的に冷
却されたCCDによって構成されている。
【0015】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、二次元エリアセンサが、室温よりも実質的に冷却さ
れたCCDによって構成されているから、微弱な光であ
る化学発光を長時間にわたって、検出することができ、
したがって、高感度で、化学発光画像を読み取り、化学
発光画像でを生成することが可能になる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記走査機構が、前記読み取り位置に位置した前記
サンプルステージの面に平行に、二次元的に移動可能
で、前記画像担体から発せられた光を、前記少なくとも
1つのレーザ励起光源から発せられ、前記読み取り位置
に位置した前記サンプルステージにセットされた前記画
像担体に向かうレーザ光の光路から分岐させ、前記光検
出器に導く分岐手段を備えた光学ヘッドによって構成さ
れている。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、走査機構が、読み取り位置に位置したサンプルステ
ージの面に平行に、二次元的に移動可能で、画像担体か
ら発せられた光を、少なくとも1つのレーザ励起光源か
ら発せられ、読み取り位置に位置したサンプルステージ
にセットされた画像担体に向かうレーザ光の光路から分
岐させ、光検出器に導く分岐手段を備えた光学ヘッドに
よって構成されているから、画像読み取り装置のコンパ
クト化を図ることが可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記分岐手段が、前記少なくとも1つのレーザ励起
光源から発せられたレーザ光を通過させる孔を備え、前
記読み取り位置に位置した前記サンプルステージにセッ
トされた前記画像担体から発せられた光を反射可能な反
射ミラーによって構成されている。
【0019】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記スキャナーが、さらに、前記読み取り位置
に位置した前記サンプルステージにセットされた前記画
像担体から発せられた光を集光し、前記光検出器に導く
集光光学系を備え、前記走査機構が、前記少なくとも1
つのレーザ励起光源、前記集光光学系および前記光検出
器を移動可能に構成されている。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、蛍光をカットする蛍光カ
ットフィルタユニットが取り外し可能に設けられ、前記
蛍光カットフィルタユニットが、前記二次元エリアセン
サの光電面と、前記読み取り位置に位置した前記サンプ
ルステージにセットされた前記画像担体との間に位置可
能に構成されている。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、フード内に、蛍光をカットする蛍光カットフィルタ
ユニットが取り外し可能に設けられ、蛍光カットフィル
タユニットが、二次元エリアセンサの光電面と、読み取
り位置に位置したサンプルステージにセットされた画像
担体との間に位置可能に構成されているから、蛍光カッ
トフィルタユニットによって、蛍光色素から放出された
蛍光をカットすることができ、したがって、二次元エリ
アセンサによって、クマシーブリリアントブルーなどの
可視性の色素の画像データを生成するとともに、スキャ
ナーによって、蛍光色素の画像データを生成することが
可能になるから、同一の試料を、異なる標識物質によっ
て標識し、異なる検出方式によって、ディジタル画像デ
ータに変換した後、蛍光色素の画像データおよび可視性
の色素の画像データに重ね合わせ処理を施して、蛍光色
素の画像および可視性の色素の画像を、同時に、CRT
の画面上に生成するなど、蛍光色素の画像データおよび
可視性色素の画像データに任意の画像処理を施して、蛍
光色素の画像および/または可視性の色素の画像をCR
Tの画面上に生成することができ、画像として観察し、
解析することが可能になる。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記蛍光カットフィルタユニットが、互いに、カッ
トする光の波長および透過させる光の波長を異にする複
数の蛍光カットフィルタを備えている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、励起波長の異なる蛍光色素の画像データを、クマシ
ーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像データ
とともに生成することが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記複数の蛍光カットフィルタが、それぞれ、透過
する波長の光の透過率を低下させるように構成されてい
る。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、複数の蛍光カットフィルタが、それぞれ、透過する
波長の光の透過率を低下させるように構成されているか
ら、スキャナーの少なくとも1つのレーザ励起光源から
発せられたレーザ光を、蛍光色素およびクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素によって標識された試
料に照射して、スキャナーによって、蛍光色素の画像デ
ータを生成するとともに、二次元エリアセンサによっ
て、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素の
画像データを生成する場合にも、二次元エリアセンサに
よって生成された画像データの濃度信号レベルが飽和し
てしまうことを効果的に防止して、二次元エリアセンサ
により、クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色
素の画像データを生成することが可能になり、したがっ
て、同一の試料を、異なる標識物質によって標識し、異
なる検出方式によって、ディジタル画像データに変換し
た後、蛍光色素の画像データおよび可視性の色素の画像
データに重ね合わせ処理を施して、蛍光色素の画像およ
び可視性の色素の画像を、同時に、CRTの画面上に生
成するなど、蛍光色素の画像データおよび可視性色素の
画像データに任意の画像処理を施して、蛍光色素の画像
および/または可視性色素の画像をCRTの画面上に生
成し、画像として観察して、解析することが可能にな
る。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、画像読み取り装置は、前記フード内に、少
なくとも1つの白色光源を備えている。
【0027】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、試料に、白色光源から発せられた白色光を照射する
ことによって、クマシーブリリアントブルーなどの可視
性の色素によって標識された試料の画像データを生成す
ることが可能になる。
【0028】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、フレネルレンズが取り外
し可能に設けられ、前記フレネルレンズが、前記二次元
エリアセンサの光電面と、前記読み取り位置に位置した
前記サンプルステージにセットされた前記画像担体との
間に位置可能に構成されている。
【0029】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、画像読み取り装置は、フードの内部に、フレネルレ
ンズを備えているので、複数の孔を有し、複数の孔の中
に、試料が含まれているマイクロプレートは、パララッ
クスを生じることなく、マイクロプレートから発せられ
る化学発光などを光電的に検出して、画像データを生成
することが可能になる。
【0030】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、さらに、前記フード内に、前記読み取り位置に位置
した前記サンプルステージにセットされた前記画像担体
に励起光を照射可能な少なくとも1つの励起光源と、前
記少なくとも1つの励起光源から発せられた励起光をカ
ットする励起光カットフィルタユニットが設けられ、前
記励起光カットフィルタユニットが、前記二次元エリア
センサの光電面と、前記読み取り位置に位置した前記サ
ンプルステージにセットされた前記画像担体との間に位
置可能に構成されている。
【0031】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、フード内に、読み取り位置に位置したサンプルステ
ージにセットされた画像担体に励起光を照射可能な少な
くとも1つの励起光源と、少なくとも1つの励起光源か
ら発せられた励起光をカットする励起光カットフィルタ
ユニットが設けられ、励起光カットフィルタユニット
が、二次元エリアセンサの光電面と、読み取り位置に位
置したサンプルステージにセットされた画像担体との間
に位置可能に構成されているから、蛍光画像を全体的に
観察することが要求されるときには、蛍光画像を全体的
に観察するのに適した二次元エリアセンサによって、化
学発光画像に加えて、蛍光画像を生成し、他方、蛍光画
像のディテールを観察することが要求されるときには、
スキャナーを用いて、蛍光画像を生成することによっ
て、目的に応じて、所望の蛍光画像を生成することが可
能になる。
【0032】
【発明の好ましい実施の形態】以下、添付図面に基づい
て、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加
える。
【0033】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置を含む画像生成システムの外観を示
す略斜視図である。
【0034】図1に示されるように、画像生成システム
は、冷却CCDカメラ1と、フード2と、スキャナー3
と、パーソナルコンピュータ4を備えている。
【0035】スキャナー3のケーシングには、サンプル
ステージ(図示せず)を挿入するためのスロット5が形
成されている。
【0036】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
化学発光画像を読み取るときは、冷却CCDカメラ1に
よって、化学発光を光電的に検出して、化学発光画像デ
ータあるいは蛍光画像データを生成し、一方、蓄積性蛍
光体シートに形成された輝尽性蛍光体層に記録されたオ
ートラジオグラフィ画像あるいはゲル支持体や転写支持
体に記録された蛍光画像を読み取るときは、スキャナー
3によって、レーザ光で、輝尽性蛍光体層あるいはゲル
支持体や転写支持体上を走査して、輝尽性蛍光体あるい
は蛍光色素を励起し、輝尽性蛍光体から放出された輝尽
光あるいは蛍光色素から放出された蛍光を光電的に検出
して、オートラジオグラフィ画像データあるいは蛍光画
像データを生成可能に構成されている。
【0037】図2は、冷却CCDカメラ1の略断面図で
ある。
【0038】図2に示されるように、冷却CCDカメラ
1は、CCD6と、アルミニウムなどの金属により作ら
れた伝熱板7と、CCD6を冷却するためのペルチエ素
子8と、CCD6の前面に配置されたシャッタ9と、C
CD6が生成したアナログ画像データをディジタル画像
データに変換するA/D変換器10と、A/D変換器1
0によってディジタル化された画像データを一時的に記
憶する画像データバッファ11と、冷却CCDカメラ1
の動作を制御するカメラ制御回路12とを備えている。
フード2との間に形成された開口部は、ガラス板15に
よって閉じられており、冷却CCDカメラ1の周囲に
は、ペルチエ素子8が発する熱を放熱するための放熱フ
ィン16が長手方向のほぼ全面にわたって形成されてい
る。
【0039】ガラス板15の前面のフード2内には、レ
ンズフォーカス調整機能を有するカメラレンズ17が取
付けられている。
【0040】図3は、スキャナー3の内部の構造を示す
略斜視図であり、図4は、フォトマルチプライア近傍の
詳細を示す略斜視図、図5は、図4のA−A線に沿った
略断面図である。
【0041】図3に示されるように、スキャナー3は、
640nmの波長のレーザ光24を発する第1のレーザ
励起光源21と、532nmの波長のレーザ光24を発
する第2のレーザ励起光源22と、473nmの波長の
レーザ光24を発する第3のレーザ励起光源23とを備
えている。本実施態様においては、第1のレーザ励起光
源21は、半導体レーザ光源によって構成され、第2の
レーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源23
は、第二高調波生成(Second Harmonic Generation) 素
子によって構成されている。
【0042】第1のレーザ励起光源21により発生され
たレーザ光24は、コリメータレンズ25により、平行
光とされた後、ミラー26によって反射される。第1の
レーザ励起光源21から発せられ、ミラー26によって
反射されたレーザ光24の光路には、640nmのレー
ザ光24を透過し、532nmの波長の光を反射する第
1のダイクロイックミラー27および532nm以上の
波長の光を透過し、473nmの波長の光を反射する第
2のダイクロイックミラー28が設けられており、第1
のレーザ励起光源21により発生されたレーザ光24
は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダイ
クロイックミラー28を透過して、光学ヘッド35に入
射する。
【0043】他方、第2のレーザ励起光源22より発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ29により、
平行光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に
よって反射されて、その向きが90度変えられて、第2
のダイクロイックミラー28を透過し、光学ヘッド35
に入射する。
【0044】また、第3のレーザ励起光源23から発生
されたレーザ光24は、コリメータレンズ30によっ
て、平行光とされた後、第2のダイクロイックミラー2
8により反射されて、その向きが90度変えられた後、
光学ヘッド35に入射する。
【0045】光学ヘッド35は、ミラー36と、その中
央部に穴37が形成された穴開きミラー38と、凸レン
ズ39とを備えており、光学ヘッド35に入射したレー
ザ光24は、ミラー36によって反射され、穴開きミラ
ー38に形成された穴37および凸レンズ39を通過し
て、透明ガラス板からなるサンプルステージ40にセッ
トされたオートラジオグラフィ画像を担持した蓄積性蛍
光体シートあるいは蛍光画像を担持したゲル支持体や転
写支持体からなる画像担体41に入射する。本実施態様
においては、サンプルステージ40は、スキャナー3の
ケーシングに形成されたスロット5に挿入可能に構成さ
れている。
【0046】蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に、レーザ光24が入射すると、レーザ光24に
よって、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍光体が励起
されて、輝尽光が放出され、他方、蛍光画像を担持した
ゲル支持体や転写支持体に、レーザ光24が入射する
と、レーザ光24によって、蛍光色素が励起されて、蛍
光が放出される。
【0047】輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45あ
るいは蛍光色素から放出された蛍光45は、凸レンズ3
9により、平行な光にされ、穴明きミラー38によって
反射されて、凹面ミラー46に入射する。凹面ミラー4
6に入射した輝尽光45あるいは蛍光45は、凹面ミラ
ー47に集光される。
【0048】凹面ミラー47に集光された輝尽光45あ
るいは蛍光45は、図4に示されるように、凹面ミラー
47によって下方に反射され、フィルタユニット48に
入射し、所定の波長の光がカットされて、フォトマルチ
プライア50に入射し、光電的に検出される。
【0049】図4に示されるように、フィルタユニット
48は、4つのフィルタ部材51a、51b、51c、
51dを備えており、フィルタユニット48は、モータ
(図示せず)によって、図4において、左右方向に移動
可能に構成されている。
【0050】図5に示されるように、フィルタ部材51
aはフィルタ52aを備え、フィルタ52aは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、640nmの波長
の光をカットし、640nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0051】図6は、図4のB−B線に沿った断面図で
ある。
【0052】図6に示されるように、フィルタ部材51
bはフィルタ52bを備え、フィルタ52bは、第2の
レーザ励起光源22を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、532nmの波長
の光をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0053】図7は、図4のC−C線に沿った断面図で
ある。
【0054】図7に示されるように、フィルタ部材51
cはフィルタ52cを備え、フィルタ52cは、第3の
レーザ励起光源23を用いて、ゲル支持体や転写支持体
に含まれている蛍光色素を励起して、蛍光を読み取ると
きに使用されるフィルタ部材であり、473nmの波長
の光をカットし、473nmよりも波長の長い光を透過
する性質を有している。
【0055】図8は、図4のD−D線に沿った断面図で
ある。
【0056】図8に示されるように、フィルタ部材51
dはフィルタ52dを備え、フィルタ52dは、第1の
レーザ励起光源21を用いて、蓄積性蛍光体シートに形
成された輝尽性蛍光体層を励起して、輝尽性蛍光体層に
含まれた輝尽性蛍光体から発せられた輝尽光を読み取る
ときに使用されるフィルタであり、輝尽性蛍光体から発
光される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nm
の波長の光をカットする性質を有している。
【0057】したがって、使用すべきレーザ励起光源に
応じて、フィルタ部材51a、51b、51c、51d
を選択的にフォトマルチプライア50の前面に位置させ
ることによって、フォトマルチプライア50は、検出す
べき光のみを光電的に検出することができる。
【0058】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出されて、生成されたアナログ画像データは、A/
D変換器53によって、ディジタル画像データに変換さ
れ、画像データバッファ54に一時的に記憶される。
【0059】図3には図示されていないが、光学ヘッド
35は、走査機構によって、図3において、横方向およ
び紙面に垂直な方向に移動可能に構成され、画像担体4
1の全面が、レーザ光24によって走査されるように構
成されている。
【0060】図9は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置に使用される光学ヘッドの走査機構
の略平面図である。
【0061】図9に示されるように、光学ヘッド35を
走査する走査機構は、基板60を備え、基板60上に
は、副走査パルスモータ61と一対のレール62、62
とが固定され、基板60上には、さらに、図9におい
て、Yで示された副走査方向に、移動可能な基板63と
が設けられている。
【0062】移動可能な基板63には、ねじが切られた
穴(図示せず)が形成されており、この穴内には、副走
査パルスモータ61によって回転されるねじが切られた
ロッド64が係合している。
【0063】移動可能な基板63上には、主走査パルス
モータ65が設けられ、主走査パルスモータ65はエン
ドレスベルト66を駆動可能に構成されている。光学ヘ
ッド35は、エンドレスベルト66に固定されており、
主走査パルスモータ65によって、エンドレスベルト6
6が駆動されると、図9において、Xで示された主走査
方向に移動されるように構成されている。図9におい
て、67は、光学ヘッド35の主走査方向における位置
を検出するリニアエンコーダであり、68は、リニアエ
ンコーダ67のスリットである。
【0064】したがって、主走査パルスモータ65によ
って、エンドレスベルト66が主走査方向に駆動され、
副走査パルスモータ61によって、基板63が副走査方
向に移動されることによって、光学ヘッド35は、図9
において、X−Y方向に移動され、レーザ光24によっ
て、画像担体41の全面が走査される。
【0065】図10は、本発明の好ましい実施態様にか
かる画像読み取り装置を備えた画像生成システムの制御
系、入力系、表示系および駆動系を示すブロックダイア
グラムである。
【0066】図10に示されるように、画像生成システ
ムの制御系は、冷却CCDカメラ1およびスキャナー3
の動作を制御するコントロールユニット70と、冷却C
CDカメラ1が生成した画像データを、画像データバッ
ファ11から読み出すとともに、スキャナー3が生成し
た画像データを、画像データバッファ54から読み出す
画像データ転送手段71と、画像データに画像処理を施
す画像データ処理手段72と、画像データを記憶する画
像データ記憶手段73と、画像データ記憶手段72に記
憶された画像データに基づき、パーソナルコンピュータ
4のCRT75の画面上に可視画像を表示する画像表示
手段76とを備えている。第1のレーザ励起光源21、
第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起光源
23は、コントロールユニット70によって選択的に起
動可能に構成されている。
【0067】図10に示されるように、画像生成システ
ムの入力系は、キーボード77を備え、画像生成システ
ムの表示系は、CRT75を備えている。
【0068】また、図10に示されるように、画像生成
システムの駆動系は、フィルタユニット48を移動さ
せ、所定のフィルタ52a、52b、52c、52d
を、選択的に、輝尽光または蛍光45の光路内に位置さ
せるフィルタユニットモータ78を備えている。
【0069】以上のように構成された本発明の好ましい
実施態様にかかる画像読み取り装置を含む画像生成シス
テムは、以下のようにして、化学発光画像、蛍光画像お
よびオートラジオグラフィ画像を生成する。
【0070】化学発光画像を生成するときは、化学発光
を発する画像担体41がサンプルステージ40上にセッ
トされ、スキャナー3のケーシングに形成されたスロッ
ト5内に挿入される。
【0071】カメラレンズ17を用いて、レンズフォー
カス合わせがなされた後、オペレータによって、化学発
光画像読み取り開始信号がキーボード77に入力される
と、化学発光画像読み取り開始信号がコントロールユニ
ット70に入力される。
【0072】コントロールユニット70は、化学発光画
像読み取り開始信号を受けると、フォトマルチプライア
50をオフ状態に保持し、冷却CCDカメラ1のカメラ
制御回路12に露光開始信号を出力する。
【0073】冷却CCDカメラ1のカメラ制御回路12
は露光開始信号を受けると、シャッタ9を開いて、画像
担体41から発せられる化学発光によるCCD6の露光
を開始させる。
【0074】化学発光は、カメラレンズ17を介して、
冷却CCDカメラ1のCCD6の光電面に入射し、光電
面に画像を形成する。CCD6は、こうして、光電面に
形成された画像の光を受け、これを電荷の形で蓄積す
る。
【0075】所定の露出時間が経過すると、コントロー
ルユニット70は、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回
路12に露出完了信号を出力する。
【0076】カメラ制御回路12は、コントロールユニ
ット70から露出完了信号を受けると、シャッタ9を閉
じ、CCD6が電荷の形で蓄積したアナログ画像データ
を、A/D変換器10に転送して、ディジタル化し、画
像データバッファ11に一時的に記憶させる。
【0077】カメラ制御回路12に露出完了信号を出力
するのと同時に、コントロールユニット70は、画像デ
ータ転送手段71にデータ転送信号を出力して、冷却C
CDカメラ1の画像データバッファ11から画像データ
を読み出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0078】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0079】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、化学
発光画像がCRT75の画面上に表示される。
【0080】蛍光画像を生成するときは、試料を選択的
に標識している蛍光色素を含んだゲル支持体あるいは転
写支持体が、サンプルステージ40上にセットされ、ス
キャナー3のケーシングに形成されたスロット5内に挿
入される。
【0081】次いで、オペレータによって、キーボード
77に、試料を標識している蛍光色素の種類を特定する
指示信号、あるいは、使用すべきレーザ光源を特定する
指示信号とともに、蛍光画像生成開始信号が入力され
る。
【0082】蛍光画像生成開始信号および指示信号は、
コントロールユニット70に入力され、コントロールユ
ニット70は、蛍光画像生成開始信号および指示信号を
受けると、指示信号に基づき、メモリ(図示せず)に記
憶されているテーブルにしたがって、使用すべきレーザ
励起光源21、22、23およびフィルタ部材51a、
51b、51c、51dを決定する。
【0083】たとえば、試料を標識している蛍光色素と
して、Cy−3(登録商標)が使用されているときは、
コントロールユニット70は、第2のレーザ励起光源2
2を選択するとともに、フィルタ52bを選択し、フィ
ルタユニットモータ78に駆動信号を出力して、フィル
タユニット48を移動させ、532nmの波長の光をカ
ットし、532nmよりも波長の長い光を透過する性質
を有するフィルタ52bを備えたフィルタ部材51b
を、蛍光45の光路内に位置させる。
【0084】次いで、コントロールユニット70は、第
2のレーザ励起光源22に駆動信号を出力して、第2の
レーザ励起光源22を起動させ、532nmの波長のレ
ーザ光24を発せさせる。
【0085】第2のレーザ励起光源22から発せられた
レーザ光24は、コリメータレンズ30によって、平行
な光とされた後、第1のダイクロイックミラー27に入
射して、反射される。
【0086】第1のダイクロイックミラー27によって
反射されたレーザ光24は、第2のダイクロイックミラ
ー28を透過し、ミラー29に入射する。
【0087】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して反射される。ミラー32によって反射されたレー
ザ光24は、さらに、ミラー33によって反射され、光
学ヘッド35に入射する。
【0088】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、穴明きミラー38に
形成された穴37を通過して、凸レンズ39によって、
サンプルステージ40にセットされたゲル支持体あるい
は転写支持体からなる画像単体41上に集光される。
【0089】その結果、532nmの波長のレーザ光2
4によって、ゲル支持体あるいは転写支持体に含まれた
Cy−3が励起されて、蛍光が発せられる。
【0090】Cy−3から放出された蛍光45は、光学
ヘッド35の凸レンズ39により、平行な光とされた
後、穴明きミラー38に入射して、反射される。
【0091】穴明きミラー38により反射された蛍光4
5は、凹面ミラー46に入射して、凹面ミラー47に集
光される。
【0092】凹面ミラー47に集光された蛍光35は、
図3に示されるように、凹面ミラー47によって下方に
反射され、フィルタユニット48のフィルタ52bに入
射する。
【0093】フィルタ52bは、532nmの波長の光
をカットし、532nmよりも波長の長い光を透過する
性質を有しているので、励起光である532nmの波長
の光がカットされ、Cy−3から放出された蛍光45の
波長域の光のみが、フィルタ52bを透過して、フォト
マルチプライア50によって、光電的に検出される。
【0094】光学ヘッド35は、基板52に設けられた
主走査パルスモータ64によって、基板62上を、図9
において、X方向に移動されるとともに、副走査パルス
モータ61によって、基板62が、図9において、Y方
向に移動されるため、ゲル支持体あるいは転写支持体の
全面がレーザ光14によって走査され、Cy−3から放
出された蛍光35を、フォトマルチプライア50によっ
て光電的に検出することによって、ゲル支持体あるいは
転写支持体に含まれているCy−3の蛍光画像を読み取
り、アナログ画像データを生成することができる。
【0095】フォトマルチプライア50によって生成さ
れたアナログ画像データは、A/D変換器53に入力さ
れて、ディジタル化され、画像データバッファ54内に
一時的に記憶される。
【0096】レーザ24によるゲル支持体あるいは転写
支持体全面の走査が完了すると、コントロールユニット
70は、画像データ転送手段71にデータ転送信号を出
力して、画像データバッファ54から画像データを読み
出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0097】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0098】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、蛍光
画像がCRT75の画面上に表示される。
【0099】蓄積性蛍光体シートに形成された輝尽性蛍
光体層に記録されたオートラジオグラフィ画像を生成す
るときは、輝尽性蛍光体層が形成された蓄積性蛍光体シ
ートが、サンプルステージ40上にセットされ、スキャ
ナー3のケーシングに形成されたスロット5内に挿入さ
れる。
【0100】次いで、オペレータによって、キーボード
77に、オートラジオグラフィ画像生成開始信号が入力
される。
【0101】オートラジオグラフィ画像生成開始信号
は、コントロールユニット70に入力され、コントロー
ルユニット70は、オートラジオグラフィ画像生成開始
信号を受けたときは、第1のレーザ励起光源21を選択
するとともに、フィルタ52dを選択し、フィルタユニ
ットモータ78に駆動信号を出力して、フィルタユニッ
ト48を移動させ、輝尽光の波長域の光のみを透過し、
640nmの波長の光をカットする性質を有するフィル
タ52dを備えたフィルタ部材51dを、輝尽光45の
光路内に位置させる。
【0102】コントロールユニット70によって、第1
のレーザ励起光源21が起動され、第1のレーザ励起光
源21から発せられた640nmの波長のレーザ光24
は、コリメータレンズ25によって、平行な光とされた
後、ミラー26に入射して、反射される。
【0103】ミラー26によって反射されたレーザ光2
4は、第1のダイクロイックミラー27および第2のダ
イクロイックミラー28を透過し、ミラー29に入射す
る。
【0104】ミラー29に入射したレーザ光24は、ミ
ラー29によって反射されて、さらに、ミラー32に入
射して反射される。ミラー32によって反射されたレー
ザ光24は、さらに、ミラー33によって反射され、光
学ヘッド35に入射する。
【0105】光学ヘッド35に入射したレーザ光24
は、ミラー36によって反射され、穴明きミラー38に
形成された穴37を通過して、凸レンズ39によって、
ステージ40にセットされた蓄積性蛍光体シートの輝尽
性蛍光体層に集光される。
【0106】その結果、蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層内の輝尽性蛍光体が、レーザ光24に
よって励起されて、輝尽性蛍光体から輝尽光45が放出
される。
【0107】輝尽性蛍光体から放出された輝尽光45
は、光学ヘッド35の凸レンズ39によって、平行な光
とされた後、穴明きミラー38に入射して、反射され
る。
【0108】穴明きミラー38によって反射された輝尽
光45は、凹面ミラー46に入射して、凹面ミラー47
に集光される。
【0109】凹面ミラー47に集光された輝尽光45
は、図3に示されるように、凹面ミラー47によって下
方に反射され、フィルタユニット48のフィルタ52d
に入射する。
【0110】フィルタ52dは、輝尽性蛍光体から発光
される輝尽光の波長域の光のみを透過し、640nmの
波長の光をカットする性質を有しているので、励起光で
ある640nmの波長の光がカットされ、輝尽光の波長
域の光のみがフィルタ52dを透過して、フォトマルチ
プライア50によって、光電的に検出される。
【0111】前述のように、光学ヘッド35は、基板5
2に設けられた主走査パルスモータ64によって、基板
62上を、図9において、X方向に移動されるととも
に、副走査パルスモータ61によって、基板62が、図
9において、Y方向に移動されるため、蓄積性蛍光体シ
ートに形成された輝尽性蛍光体層の全面がレーザ光24
によって走査され、輝尽性蛍光体層に含まれた輝尽性蛍
光体から放出された輝尽光45を、フォトマルチプライ
ア50によって光電的に検出することによって、蓄積性
蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジ
オグラフィ画像を読み取り、アナログ画像データを生成
することができる。
【0112】フォトマルチプライア50によって生成さ
れたアナログ画像データは、A/D変換器53に入力さ
れて、ディジタル化され、画像データバッファ54内に
一時的に記憶される。
【0113】レーザ光24による蓄積性蛍光体シートに
形成された輝尽性蛍光体層の全面の走査が完了すると、
コントロールユニット70は、画像データ転送手段71
にデータ転送信号を出力して、画像データバッファ54
から画像データを読み出させ、画像データ処理手段72
に出力させる。
【0114】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0115】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、オー
トラジオグラフィ画像がCRT75の画面上に表示され
る。
【0116】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、冷却CCDカメラ1とスキャナー3を備え、冷却C
CDカメラ1を用いることによって、化学発光画像を生
成し、スキャナー3を用いることによって、ゲル支持体
や転写支持体に含まれ、試料を選択的に標識している蛍
光色素の蛍光画像および蓄積性蛍光体シートに形成され
た輝尽性蛍光体層に記録されたオートラジオグラフィ画
像を生成することができるから、画像読み取り装置を、
生化学、分子生物学分野で、同様の目的に使用される蓄
積性蛍光体シートを用いたオートラジオグラフィ画像検
出システム、蛍光画像検出システム、化学発光画像検出
システムに共通して使用することが可能になる。
【0117】また、本実施態様によれば、きわめて微弱
な光である化学発光を、長時間の露光が可能な冷却CC
Dカメラ1によって検出して、化学発光画像を生成して
いるので、所定の感度で、化学発光画像を生成すること
ができ、その一方で、蛍光画像およびオートラジオグラ
フィ画像は、スキャナー3を用いて、生成しているの
で、高感度で、蛍光画像およびオートラジオグラフィ画
像を生成することが可能になる。
【0118】図11は、本発明の別の好ましい実施態様
にかかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面図であ
る。
【0119】図11に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置のフード2内には、カメラレンズ
17の前面に、蛍光カットフィルタユニット80が取り
外し可能に設けられている。
【0120】図12は、蛍光カットフィルタユニット8
0の略正面図である。
【0121】図12に示されるように、蛍光カットフィ
ルタユニット80は、互いに、カットする光の波長およ
び透過させる光の波長を異にする3種類の蛍光カットフ
ィルタ81a、81b、81cが形成された円板82に
よって構成され、蛍光カットフィルタユニット80は、
モータ(図示せず)によって、回転可能に構成されてい
る。本実施態様においては、蛍光カットフィルタ81a
は、640nmの波長の光を透過し、その640nmの
波長の光で、CCD6によって生成された画像を飽和さ
せないレベルに透過率を下げ、640nmよりも波長の
長い光をカットする性質を有し、蛍光カットフィルタ8
1bは、532nmの波長の光を透過し、その532n
mの波長の光で、CCD6によって生成された画像を飽
和させないレベルに透過率を下げ、532nmよりも波
長の長い光をカットする性質を有しており、また、蛍光
カットフィルタ81cは、473nmの波長の光を透過
し、その473nmの波長の光で、CCD6によって生
成された画像を飽和させないレベルに透過率を下げ、4
73nmよりも波長の長い光をカットする性質を有して
いる。
【0122】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
試料を、蛍光色素およびクマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素によって、選択的に標識し、蛍光色素
と可視性の色素の画像を生成するのに適しており、画像
の読み取りに際しては、蛍光色素およびクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素によって、選択的に標
識された試料が、サンプルステージ40にセットされ、
スキャナー3のケーシングに形成されたスロット5内に
挿入される。
【0123】次いで、オペレータによって、蛍光色素の
種類を特定する指示信号とともに、画像生成開始信号
が、キーボード77に入力されると、画像生成開始信号
および指示信号は、コントロールユニット70に入力さ
れる。
【0124】コントロールユニット70は、画像生成開
始信号および指示信号を受けると、指示信号に基づき、
メモリ(図示せず)に記憶されているテーブルにしたが
って、蛍光カットフィルタ81a、81b、81cのう
ち、使用すべき蛍光カットフィルタを決定し、モータ
(図示せず)に駆動信号を出力して、蛍光カットフィル
タユニット80を回転させ、使用すべき蛍光カットフィ
ルタをカメラレンズ17の前面に位置させる。
【0125】次いで、コントロールユニット70は、冷
却CCDカメラ1のカメラ制御回路12に露光開始信号
を出力し、CCD6をオンさせるとともに、スキャナー
3の第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光源
22および第3のレーザ励起光源23のうち、試料を標
識している蛍光色素を効率的に励起可能な波長のレーザ
光24を発するレーザ励起光源を起動させる。
【0126】起動されたレーザ励起光源からレーザ光2
4が発せられ、前記実施態様と同様にして、光学ヘッド
35に入射し、レーザ光24によって、蛍光色素および
クマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素によっ
て、選択的に標識された試料の全面が走査される。
【0127】その結果、試料を標識している蛍光色素が
励起されて、蛍光が放出され、放出された蛍光は、前記
実施態様と同様にして、フォトマルチプライア50に導
かれて、光電的に検出される。
【0128】フォトマルチプライア50によって光電的
に検出され、生成されたアナログ画像データは、A/D
変換器43によって、ディジタル化され、蛍光色素のデ
ィジタル画像データが生成される。
【0129】一方、試料を標識しているクマシーブリリ
アントブルーなどの可視性の色素に照射されたレーザ光
24は、その一部が色素に吸収された後、試料を透過し
て、冷却CCDカメラ1のCCD6によって受光され
る。
【0130】CCD6によって光電的に検出され、生成
されたアナログ画像データは、A/D変換器10によっ
て、ディジタル化され、クマシーブリリアントブルーな
どの可視性の色素のディジタル画像データが生成され
る。
【0131】カメラレンズ17の前面には、蛍光カット
フィルタユニット80が配置されており、蛍光カットフ
ィルタユニット80に形成されたいずれかの蛍光カット
フィルタ81a、81b、81cによって、蛍光色素か
ら放出された蛍光がカットされ、また、透過する波長の
光の透過率が下げられるから、画像データの濃度信号レ
ベルが飽和することの防止が図られつつ、試料を標識し
ているクマシーブリリアントブルーなどの可視性の色素
のみのディジタル画像データが生成される。
【0132】このようにして生成された蛍光色素の画像
データおよびクマシーブリリアントブルーなどの可視性
の色素の画像データは、画像データバッファ54および
画像データバッファ5411に一時的に記憶された後、
画像データ転送手段71によって、読み出され、画像デ
ータ処理手段72によって、所望の画像処理が施され
て、画像データ記憶手段73に記憶される。
【0133】オペレータは、コントロールユニット70
を介して、画像表示手段76に画像表示信号を入力する
ことによって、画像データ記憶手段73に記憶された蛍
光色素の画像データおよび可視性色素の画像データに基
づき、蛍光色素の画像および可視性色素の画像を、別々
に、あるいは、同時に、CRT75の画面上に生成する
ことができる。
【0134】本実施態様によれば、第1のレーザ励起光
源21、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ
励起光源23のうち、試料を標識している蛍光色素を効
率的に励起可能な波長のレーザ光24を発するレーザ励
起光源を起動させて、レーザ光24を試料に照射し、冷
却CCDカメラ1によって、クマシーブリリアントブル
ーなどの可視性の色素の画像データを生成するととも
に、スキャナー3によって、蛍光色素の画像データを生
成しているから、同一の試料を、異なる標識物質によっ
て標識し、異なる検出方式によって、ディジタル画像デ
ータに変換した後、蛍光色素の画像データおよびクマシ
ーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像データ
に重ね合わせ処理を施して、蛍光色素の画像およびクマ
シーブリリアントブルーなどの可視性の色素の画像を、
同時に、CRT75の画面上に生成するなど、蛍光色素
の画像データおよびクマシーブリリアントブルーなどの
可視性の色素の画像データに任意の画像処理を施して、
蛍光色素の画像および/またはクマシーブリリアントブ
ルーなどの可視性の色素の画像をCRT75の画面上に
生成し、画像として観察して、解析することが可能にな
る。
【0135】図13は、本発明のさらに他の好ましい実
施態様にかかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面
図である。
【0136】図13に示されるように、本実施態様にか
かる画像読み取り装置のフード2内には、サンプルステ
ージ40が挿入されるべき位置と、カメラレンズ17と
の間に、フレネルレンズ88が取り外し可能に設けられ
ている。
【0137】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、フレネルレンズ88を備えているので、複数の孔を
有し、複数の孔の中に、試料が含まれているマイクロプ
レートに担持された画像を読み取る場合にも、パララッ
クスを生じることなく、マイクロプレートから発せられ
る化学発光などを光電的に検出して、画像データを生成
することが可能になる。
【0138】図14は、本発明のさらに他の実施態様に
かかる画像読み取り装置のフード2の略縦断面図であ
る。
【0139】図14に示されるように、フード2内に
は、カメラレンズ17を挟み、カメラレンズ17の中心
線に対して、線対象な位置に、発光波長中心が470n
mの励起光を発する第1の青色LED光源90および第
2の青色LED光源91が設けられている。第1の青色
LED光源90および第2の青色LED光源91の前面
には、それぞれ、励起光カットフィルタ92および励起
光カットフィルタ93が貼着されている。フィルタ9
2、93は、470nm近傍の波長以外の蛍光物質の励
起に有害な光をカットし、470nm近傍の波長の光の
みを透過する性質を有している。カメラレンズ17の前
面には、470nm近傍の励起光をカットする励起光カ
ットフィルタ94が、取り外し可能に設けられている。
【0140】本実施態様にかかる画像読み取り装置は、
冷却CCDカメラ1によっても、蛍光画像を読み取り、
蛍光画像データを生成可能に構成されている。
【0141】冷却CCDカメラ1によって、蛍光画像を
生成するときは、試料を選択的に標識している蛍光色素
を含んだゲル支持体あるいは転写支持体が、サンプルス
テージ40上にセットされ、スキャナー3のケーシング
に形成されたスロット5内に挿入される。
【0142】次いで、オペレータによって、カメラレン
ズ17を用いて、レンズフォーカス合わせがなされ、冷
却CCDカメラ1により、蛍光画像を生成する旨の蛍光
画像生成開始信号が、キーボード77に入力される。
【0143】蛍光画像生成開始信号は、コントロールユ
ニット70に入力され、コントロールユニット70は、
冷却CCDカメラ1により、蛍光画像を生成する旨の蛍
光画像生成開始信号を受けると、フォトマルチプライア
50をオフ状態に保持したまま、第1の青色LED光源
90および第2の青色LED光源91をオンする。その
結果、第1の青色LED光源90および第2の青色LE
D光源91から、サンプルステージ40上にセットされ
たゲル支持体あるいは転写支持体に向けて、発光波長中
心が450nmの励起光が発せられる。
【0144】同時に、コントロールユニット70は、露
光開始信号を、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回路1
2に出力し、シャッタ9を開いて、CCD6の露出を開
始させる。
【0145】第1の青色LED光源90および第2の青
色LED光源91から発せられた励起光は、励起光カッ
トフィルタ92および励起光カットフィルタ93によっ
て、470nm近傍の波長の光以外の波長成分がカット
され、その結果、470nm近傍の波長の光により、ゲ
ル支持体あるいは転写支持体に含まれた蛍光色素が励起
されて、蛍光が発せられる。
【0146】蛍光色素から発せられた蛍光は、励起光カ
ットフィルタ94およびカメラレンズ17を介して、冷
却CCDカメラ1のCCD6の光電面に入射し、光電面
に画像を形成する。CCD6は、こうして、光電面に形
成された画像の光を受け、これを電荷の形で蓄積する。
【0147】所定の露出時間が経過すると、コントロー
ルユニット70は、冷却CCDカメラ1のカメラ制御回
路12に露出完了信号を出力する。
【0148】カメラ制御回路12は、コントロールユニ
ット70から露出完了信号を受けると、シャッタ9を閉
じ、CCD6が電荷の形で蓄積したアナログ画像データ
を、A/D変換器10に転送して、ディジタル化し、画
像データバッファ11に一時的に記憶させる。
【0149】カメラ制御回路12に露出完了信号を出力
するのと同時に、コントロールユニット70は、画像デ
ータ転送手段71にデータ転送信号を出力して、冷却C
CDカメラ1の画像データバッファ11から画像データ
を読み出させ、画像データ処理手段72に出力させる。
【0150】画像データ処理手段72によって、所定の
画像処理が施された後、画像データは、画像データ記憶
手段73に記憶される。
【0151】オペレータが、キーボード77に画像表示
信号を入力すると、コントロールユニット70から、画
像表示手段76に画像表示信号が出力され、画像データ
記憶手段73に記憶された画像データに基づいて、蛍光
画像がCRT75の画面上に表示される。
【0152】本実施態様によれば、画像読み取り装置
は、フード2内に、第1の青色LED光源90および第
2の青色LED光源91を備え、冷却CCDカメラ1に
よっても、蛍光画像を読み取ることができるように構成
されているから、蛍光画像を全体的に観察することが要
求されるときには、蛍光画像を全体的に観察するのに適
した冷却CCDカメラ1によって、蛍光画像を生成し、
他方、蛍光画像のディテールを観察することが要求され
るときには、スキャナー3を用いて、蛍光画像を生成す
ることによって、目的に応じて、所望の蛍光画像を生成
することが可能になる。
【0153】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0154】たとえば、前記実施態様においては、スキ
ャナー3のケーシングに、サンプルステージ40を挿入
可能なスロット5を形成し、読み取るべき画像を担持し
た画像担体がセットされたサンプルステージ40をスロ
ット5内に挿入することによって、画像担体を読み取り
位置に位置させ、冷却CCDカメラ1および/またはス
キャナー5により、読み取り位置に位置している画像担
体に担持された画像を読み取るように構成されている
が、冷却CCDカメラ1およびはスキャナー5により、
画像担体に担持された画像が読み取り可能な読み取り位
置に、画像担体がセットされたサンプルステージ40を
保持できるように構成されていればよく、スキャナー3
のケーシングに、サンプルステージ40を挿入可能なス
ロット5を形成することは必ずしも必要でない。
【0155】また、前記実施態様においては、冷却CC
Dカメラ1が用いられているが、蛍光色素が発する蛍光
や化学発光の強度によっては、冷却手段を備えないCC
Dカメラを用いることもできる。
【0156】さらに、前記実施態様においては、CCD
6を用いているが、CCD6に代えて、CID(電荷注
入素子)、PDA(フォトダイオードアレイ)、MOS
型撮像素子などの他の固体撮像素子を用いることもでき
る。
【0157】また、前記実施態様においては、スキャナ
ー3には、穴開きミラー38と凸レンズ39を備えた光
学ヘッド35が設けられ、光学ヘッド35を二次元方向
に移動させることによって、レーザ光24によって、画
像担体41であるゲル支持体もしくは転写支持体または
蓄積性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層の全面を走査する
ように構成されているが、光学ヘッド35を用いる代わ
りに、第1のレーザ励起光源21、第2のレーザ励起光
源22、第3のレーザ励起光源23、フォトマルチプラ
イア50および光学系を副走査方向に移動可能な基板上
に取り付け、ポリゴンミラーなどのレーザ光24を主走
査方向に走査する走査機構を設けるとともに、無蛍光ガ
ラスを加工して作られ、その受光端部が直線状をなし、
ゲル支持体もしくは転写支持体または蓄積性蛍光体シー
トの輝尽性蛍光体層上の走査線に対向するように近接し
て配置され、また、その射出端部が円環状をなし、フォ
トマルチプライア50の受光面に接続された集光ガイド
を用いて、受光端部から入射した光が、その内面で、全
反射を繰り返しながら、射出端部を経て、フォトマルチ
プライア50の受光面に伝達されるように構成すること
もできる。
【0158】さらに、前記実施態様においては、画像読
み取り装置のスキャナー3は、第1のレーザ励起光源2
1、第2のレーザ励起光源22および第3のレーザ励起
光源23を備えているが、3つのレーザ励起光源を備え
ていることは必ずしも必要がなく、試料を標識している
蛍光色素の種類に応じて、たとえば、第2のレーザ励起
光源22および/または第3のレーザ励起光源33を省
略することもできる。
【0159】また、前記実施態様においては、第1のレ
ーザ励起光源21として、640nmの波長のレーザ光
24を発する半導体レーザ光源を用いているが、640
nmの波長のレーザ光24を発する半導体レーザ光源に
代えて、633nmの波長を有するレーザ光24を発す
るHe−Neレーザ光源あるいは635nmのレーザ光
24を発する半導体レーザ光源を用いてもよい。
【0160】さらに、前記実施態様においては、第2の
レーザ励起光源22として、532nmのレーザ光を発
するレーザ光源を用い、第3のレーザ励起光源23とし
て、473nmのレーザ光を発するレーザ光源を用いて
いるが、励起する蛍光物質の種類に応じて、第2のレー
ザ励起光源22として、530ないし540nmのレー
ザ光24を発するレーザ光源を、第3のレーザ励起光源
23として、470ないし490nmのレーザ光24を
発するレーザ光源、たとえば、488nmの波長のレー
ザ光24を発するアルゴンレーザ光源を、それぞれ、用
いることもできる。
【0161】また、前記実施態様においては、穴37が
形成された穴明きミラー38を用いているが、穴37に
代えて、レーザ光24を透過可能なコーティングを施す
こともできる。
【0162】さらに、前記実施態様においては、画像を
CRT75の画面上に表示しているが、画像を表示する
表示手段は、CRT75に限定されるものではなく、液
晶ディスプレイパネルなどの他の表示手段を用いること
もできる。
【0163】また、前記実施態様においては、光検出器
として、フォトマルチプライア50を用いて、蛍光ある
いは輝尽光を光電的に検出しているが、本発明において
用いられる光検出器としては、蛍光あるいは輝尽光を光
電的に検出可能であればよく、フォトマルチプライア5
0に限らず、フォトダイオードやCCDなどの他の光検
出器を用いることができる。
【0164】
【発明の効果】本発明によれば、生化学、分子生物学分
野で、同様の目的に使用される蓄積性蛍光体シートを用
いたオートラジオグラフィ画像検出システム、蛍光画像
検出システム、化学発光画像検出システムに共通して使
用することができ、効率的に、かつ、高感度で画像を読
み取ることのできる画像読み取り装置を提供することが
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置を含む画像生成システムの外観を示す略
斜視図である。
【図2】図2は、冷却CCDカメラの略断面図である。
【図3】図3は、スキャナーの内部の構造を示す略斜視
図である。
【図4】図4は、フォトマルチプライア近傍の詳細を示
す略斜視図である。
【図5】図5は、図4のA−A線に沿った略断面図であ
る。
【図6】図6は、図4のB−B線に沿った断面図であ
る。
【図7】図7は、図4のC−C線に沿った断面図であ
る。
【図8】図8は、図4のD−D線に沿った断面図であ
る。
【図9】図9は、本発明の好ましい実施態様にかかる画
像読み取り装置に使用される光学ヘッドの走査機構の略
平面図である。
【図10】図10は、本発明の好ましい実施態様にかか
る画像読み取り装置を備えた画像生成システムの制御
系、入力系、表示系および駆動系を示すブロックダイア
グラムである。
【図11】図11は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかる画像読み取り装置のフードの略縦断面図である。
【図12】図12は、蛍光カットフィルタユニットの略
正面図である。
【図13】図13は、本発明のさらに他の好ましい実施
態様にかかる画像読み取り装置のフードの略縦断面図で
ある。
【図14】図14は、本発明のさらに他の実施態様にか
かる画像読み取り装置のフードの略縦断面図である。
【符号の説明】 1 冷却CCDカメラ 2 フード 3 スキャナー 4 パーソナルコンピュータ 5 スキャナーのスロット 6 CCD 7 伝熱板 8 ペルチエ素子 9 シャッタ 10 A/D変換器 11 画像データバッファ 12 カメラ制御回路 15 ガラス板 16 放熱フィン 17 カメラレンズ 21 第1のレーザ励起光源 22 第2のレーザ励起光源 23 第3のレーザ励起光源 24 レーザ光 25 コリメータレンズ 26 ミラー 27 第1のダイクロイックミラー 28 第2のダイクロイックミラー 29 コリメータレンズ 30 コリメータレンズ 35 光学ヘッド 36 ミラー 37 穴 38 穴開きミラー 39 凸レンズ 40 サンプルステージ 41 画像担体 45 輝尽光または蛍光 46 凹面ミラー 47 凹面ミラー 48 フィルタユニット 50 フォトマルチプライア 51a、51b、51c、51d フィルタ部材 52a、52b、52c、52d フィルタ 53 A/D変換器 54 画像データバッファ 60 基板 61 副走査パルスモータ 62 レール 63 移動可能な基板 64 ロッド 65 主走査パルスモータ 66 エンドレスベルト 67 リニアエンコーダ 68 リニアエンコーダのスリット 70 コントロールユニット 71 画像データ転送手段 72 画像データ処理手段 73 画像データ記憶手段 75 CRT 76 画像表示手段 77 キーボード 78 フィルタユニットモータ 80 蛍光カットフィルタユニット 81a、81b、81c 蛍光カットフィルタ 82 円板 88 フレネルレンズ 90 第1の青色LED光源 91 第2の青色LED光源 92、93 励起光カットフィルタ 94 励起光カットフィルタ
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】削除

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元エリアセンサと、ケーシングを備
    えたスキャナーと、前記二次元エリアセンサと前記スキ
    ャナーとの間を遮光するフードと、画像担体がセットさ
    れるサンプルステージを、前記画像担体から発せられる
    光が、前記二次元エリアセンサによって検出可能な読み
    取り位置に挿入可能なサンプルステージ挿入部とを備
    え、前記二次元エリアセンサと、前記スキャナーとが、
    前記サンプルステージ挿入部に対して、反対側に位置
    し、前記スキャナーが、少なくとも1つのレーザ励起光
    源と、前記少なくとも1つのレーザ励起光源から発せら
    れたレーザ光により、前記読み取り位置に位置した前記
    サンプルステージ上を走査する走査機構と、前記画像担
    体から発せられた光を光電的に検出する光検出器とを備
    えたことを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 【請求項2】 前記サンプルステージ挿入部が、前記ス
    キャナーの前記ケーシングに形成されたスロットによっ
    て構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像読
    み取り装置。
  3. 【請求項3】 前記二次元エリアセンサが、CCDカメ
    ラによって構成されたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の画像読み取り装置。
  4. 【請求項4】 前記二次元エリアセンサが、室温よりも
    実質的に冷却されたCCDによって構成されたことを特
    徴とする請求項3に記載の画像読み取り装置。
  5. 【請求項5】 前記走査機構が、前記読み取り位置に位
    置した前記サンプルステージの面に平行に、二次元的に
    移動可能で、前記画像担体から発せられた光を、前記少
    なくとも1つのレーザ励起光源から発せられ、前記読み
    取り位置に位置した前記サンプルステージにセットされ
    た前記画像担体に向かうレーザ光の光路から分岐させ、
    前記光検出器に導く分岐手段を備えた光学ヘッドによっ
    て構成されたことを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載の画像読み取り装置。
  6. 【請求項6】 前記分岐手段が、前記少なくとも1つの
    レーザ励起光源から発せられたレーザ光を通過させる孔
    を備え、前記読み取り位置に位置した前記サンプルステ
    ージにセットされた前記画像担体から発せられた光を反
    射可能な反射ミラーによって構成されたことを特徴とす
    る請求項5に記載の画像読み取り装置。
  7. 【請求項7】 前記スキャナーが、さらに、前記読み取
    り位置に位置した前記サンプルステージにセットされた
    前記画像担体から発せられた光を集光し、前記光検出器
    に導く集光光学系を備え、前記走査機構が、前記少なく
    とも1つのレーザ励起光源、前記集光光学系および前記
    光検出器を移動可能に構成されたことを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載の画像読み取り装
    置。
  8. 【請求項8】 さらに、前記フード内に、蛍光をカット
    する蛍光カットフィルタユニットが取り外し可能に設け
    られ、前記蛍光カットフィルタユニットが、前記二次元
    エリアセンサの光電面と、前記読み取り位置に位置した
    前記サンプルステージにセットされた前記画像担体との
    間に位置可能に構成されたことを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  9. 【請求項9】 前記蛍光カットフィルタユニットが、互
    いに、カットする光の波長および透過させる光の波長を
    異にする複数の蛍光カットフィルタを備えたことを特徴
    とする請求項8に記載の画像読み取り装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の蛍光カットフィルタが、そ
    れぞれ、透過する波長の光の透過率を低下させるように
    構成されたことを特徴とする請求項9に記載の画像読み
    取り装置。
  11. 【請求項11】 さらに、前記フード内に、少なくとも
    1つの白色光源を備えたことを特徴とする請求項8ない
    し10のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記フード内に、フレネルレ
    ンズが取り外し可能に設けられ、前記フレネルレンズ
    が、前記二次元エリアセンサの光電面と、前記読み取り
    位置に位置した前記サンプルステージにセットされた前
    記画像担体との間に位置可能に構成されたことを特徴と
    する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像読
    み取り装置。
  13. 【請求項13】 さらに、前記フード内に、前記読み取
    り位置に位置した前記サンプルステージにセットされた
    前記画像担体に励起光を照射可能な少なくとも1つの励
    起光源と、前記少なくとも1つの励起光源から発せられ
    た励起光をカットする励起光カットフィルタユニットが
    設けられ、前記励起光カットフィルタユニットが、前記
    二次元エリアセンサの光電面と、前記読み取り位置に位
    置した前記サンプルステージにセットされた前記画像担
    体との間に位置可能に構成されたことを特徴とする請求
    項1ないし12のいずれか1項に記載の画像読み取り装
    置。
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