JP2002047923A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2002047923A
JP2002047923A JP2000230231A JP2000230231A JP2002047923A JP 2002047923 A JP2002047923 A JP 2002047923A JP 2000230231 A JP2000230231 A JP 2000230231A JP 2000230231 A JP2000230231 A JP 2000230231A JP 2002047923 A JP2002047923 A JP 2002047923A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上流側NOXトラップ触媒7のNOXトラップ
量及びDPF(パティキュレートフィルタ)9のPM
(パティキュレート)堆積量を効率的に低減する。 【解決手段】 内燃機関1の排気通路5に、流入する排
気中のPMを捕集するDPF9を配設する。このDPF
9の上流にNOX浄化触媒7を配設する。このNOX浄化
触媒7は、排気中のNOをNO2に酸化する酸化触媒と
しての機能と、流入する排気成分に応じて、排気中のN
Xをトラップするとともに、トラップしたNOXを脱離
する上流側NOXトラップ触媒としての機能とを兼ね備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関から排
出された排気を浄化するための排気浄化装置に関し、特
に、酸素を過剰に含むリーンバーン排気中の窒素酸化物
(NOX)およびパティキュレート(排気微粒子,特に
煤;PM)を浄化する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮着火を行うディーゼル内燃機関等で
は、CO2の排出量が少ないという利点がある反面、N
X及びこのNOXとトレードオフの関係にあるPMの低
減が大きな課題となっている。
【0003】このような課題に対し、特開平9−534
42号公報には、PMを浄化するディーゼルパティキュ
レートフィルタ(以下、単にDPFと呼ぶ)の上流に酸
化触媒、下流にNOX吸収触媒を配置し、上流の酸化触
媒で排気中のNOをNO2に酸化してDPFに供給し、
このNO2を利用してDPFに堆積したPMを燃焼,除
去するとともに、DPFの下流へ排出されるNOXをN
X吸収触媒で吸収,浄化する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平9−53442号公報のものでは、酸化触媒におけ
るNO→NO2の酸化が活発な温度領域ではPMが連続
的に燃焼,浄化されるものの、NO→NO2反応が起こ
り難い状況、つまり酸化触媒が十分活性化していない温
度領域等では、DPFへのNO2流入量が少なくなり、
DPFにおけるPMの連続燃焼による自己再生が良好に
行われない。このために、DPFのPM堆積量が過度に
増加し、PMを良好に浄化できない、という事態が起こ
り得る。
【0005】本発明の一つの目的は、NOXの浄化とP
Mの浄化とを高いレベルで両立し得る新規な内燃機関の
排気浄化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1に係る
発明は、内燃機関の排気通路に配設される排気浄化装置
であって、流入する排気中のパティキュレートを捕集す
るパティキュレートフィルタと、このパティキュレート
フィルタよりも上流側に配設され、排気中のNOをNO
2に酸化する機能を有する酸化触媒と、上記パティキュ
レートフィルタよりも上流側に配設され、流入する排気
成分に応じて、排気中のNOXをトラップするととも
に、トラップしたNOXを脱離する上流側NOXトラップ
(例えば上流側NOXトラップ触媒)と、を有すること
を特徴としている。
【0007】このように、パティキュレートフィルタ
(ディーゼルパティキュレートフィルタ;DPF)の上
流に、酸化触媒と上流側NOXトラップとを配置したた
め、上流側NOXトラップから脱離するNOXの量を適宜
に調整することにより、上流側NOXトラップにトラッ
プされているNOXトラップ量を所望の範囲に調整でき
ることに加え、DPFへ供給されるNO2の量を調整す
ることが可能である。このため、例えば酸化触媒が所定
の活性温度以下であり、この酸化触媒からのNO2の供
給量が十分でないような条件下においても、DPFへの
NO2の供給量を十分に確保することができ、このよう
な高酸化力のあるNO2により、DPFに堆積するパテ
ィキュレート(PM)の燃焼反応を促進し、そのパティ
キュレート堆積量を効果的に低減することが可能であ
る。このようにして、NOXトラップ量やPM堆積量を
所望の範囲に調整することにより、上流側NOXトラッ
プやDPFを所望の性能が得られる状態に保持すること
ができ、結果として、PMとNO Xとを高いレベルで安
定して浄化することが可能となる。
【0008】特に、上述したような深層濾過方式のDP
Fでは、PM堆積量によって、PM浄化性能が大きく変
化する。具体的には、PM堆積量が多すぎても少なすぎ
ても、DPFにおけるPM浄化性能が低下してしまう。
従って、好ましくは請求項2に係る発明のように、上記
パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレ
ート推積量に基づいて、上記上流側NOXトラップから
のNOX脱離量を制御する。これにより、パティキュレ
ート堆積量を所望の範囲に正確に調整することが可能と
なる。
【0009】より好ましくは請求項3に係る発明のよう
に、上記上流側NOXトラップにトラップされているN
Xトラップ量と、上記パティキュレートフィルタに堆
積しているパティキュレート堆積量と、に基づいて、上
記上流側NOXトラップからのNOX脱離量と、上記パテ
ィキュレートフィルタへ供給されるNO2供給量と、を
制御する。これにより、NOXトラップ量及びパティキ
ュレート堆積量を所望の範囲に正確に調整することがで
きる。
【0010】このようにNOX脱離量やNO2供給量を制
御するために、例えば上流側NOXトラップへ流入する
排気の空燃比(空気過剰率)が調整され、あるいは排気
中の還元成分濃度が調整される。より具体的には、主燃
料の噴射後に副燃料が噴射制御され(post噴射)、
EGR率が調整され、上流側NOXトラップの上流側に
バーナが配置され、あるいはバーナの使用と共に追加燃
料が噴射制御される。
【0011】上記のPM堆積量を直接的に検出すること
は難しいので、好ましくは請求項4に係る発明のよう
に、上記パティキュレートフィルタの入口の排圧を検出
する排圧検出手段を有し、この排圧検出手段により検出
される排圧に基づいて、上記パティキュレート堆積量を
推定する。
【0012】より具体的には請求項5に係る発明のよう
に、所定のNOX低減条件のときに、主として上記上流
側NOXトラップにトラップされているNOXトラップ量
を低減させるNOX低減運転を行うとともに、所定のパ
ティキュレート低減条件のときに、主としてパティキュ
レートフィルタに堆積しているパティキュレート堆積量
を低減させるパティキュレート低減運転を行う。
【0013】上記のNOX低減運転を行う場合には、上
述した排気のリッチ化等により上流側NOXトラップか
らのNOX脱離量を増やせば良い。一方、PM低減運転
を行う場合、上流側NOXトラップからのNOX脱離量を
単に増加させても、この脱離したNO2が高効率でN2
浄化されてしまうと、DPFへのNO2供給量をあまり
増加させることができない。
【0014】そこで請求項6に係る発明では、上記NO
X低減運転を行う場合、上記上流側NOXトラップへ流入
する排気の空気過剰率を1よりも小さくし、上記パティ
キュレート低減運転を行う場合、上記空気過剰率を略1
とする。
【0015】これにより、空気過剰率λが1よりも十分
に小さい場合(λ<<1)、つまりスパイク深さが十分
に深い場合、還元雰囲気下にある上流側NOXトラップ
からのNOXの脱離が十分に促進されるとともに、排気
中に含まれる還元成分(HC,CO)の量が多いため、
NOXの浄化が促進される。
【0016】一方、上記空気過剰率が略1の場合(λ≒
1)、つまりスパイク深さが相対的に浅い場合、還元雰
囲気下にある上流側NOXトラップからのNOXの脱離が
促進される一方、排気中に含まれる還元成分の量が比較
的抑制される。従って、NO XからN2への浄化反応が抑
制され、その分、DPFへ供給されるNO2の量が増え
る。この結果、十分な量のNO2をDPFへ供給するこ
とができ、PM堆積量を効果的に低減させることが可能
となる。
【0017】あるいは請求項7に係る発明のように、上
記上流側NOXトラップは、流入する排気の還元成分濃
度が低いときにNOXをトラップし、上記還元成分濃度
が高いときにNOXを脱離する還元成分濃度変動型のN
Xトラップであり、上記NO X低減運転を行う場合、上
記パティキュレート低減運転を行う場合に比して、上記
還元成分濃度を大きくする。
【0018】この場合、還元成分としてのHCやCO等
の濃度を変動させることにより、上流側NOXトラップ
からのNOX脱離量及びDPFへのNO2供給量を調整す
ることができ、請求項6のように排気中の空気過剰率を
必ずしも変化させる必要がないことから、燃費悪化を抑
制することが可能となる。
【0019】この還元成分濃度変動型の上流側NOX
ラップは、好ましくは請求項8に係る発明のように、カ
リウム、ナトリウム、リチウム、セシウムからなるアル
カリ金属、バリウム、カルシウム、ストロンチウムから
なるアルカリ土類金属、ランタン、イットリウム、プラ
セオジウム、ネオジウム、サマリウムからなる希土類、
マンガン、鉄、ニッケル、コバルトから選ばれた少なく
とも一つと、白金、パラジウム、ロジウムから選ばれた
少なくとも一つとを含んでいる。
【0020】好ましくは請求項9に係る発明のように、
上記NOX低減条件が、上記NOXトラップ量が所定の飽
和量以上であることを含んでおり、上記パティキュレー
ト低減条件が、上記パティキュレート堆積量が所定の下
限値を越えていることを含んでいる。つまり、NOX
ラップ量が飽和状態にあるときにNOX低減運転を実行
し、パティキュレート堆積量が少なすぎる場合にはPM
低減運転を行わない。
【0021】また請求項10に係る発明では、上記パテ
ィキュレート低減条件が、上記酸化触媒へ流入する排気
温度が所定の活性温度以下であることを含んでいる。つ
まり、酸化触媒が所定の活性温度以下であり、この酸化
触媒でNO→NO2の反応が起き難いような運転状態の
場合にも、供給されるNO2を利用してPM堆積量を低
減させるPM低減運転を行うことができる。
【0022】請求項11に係る発明は、上記NOX低減
運転を行う場合、その直前に、上記上流側NOXトラッ
プへ流入する排気の温度を所定の触媒活性温度以上に上
昇させることを特徴としている。
【0023】この場合、NOX低減運転を行う直前に排
気温度を上昇させて、上流側NOXトラップを活性温度
に上昇させることで、NOX低減運転中のNOX浄化率の
向上を図ることができる。
【0024】請求項12に係る発明は、上記パティキュ
レートフィルタの下流側に配設され、流入する排気成分
に応じて、排気中のNOXをトラップするとともに、ト
ラップされているNOXを脱離する下流側NOXトラップ
(例えば下流側NOXトラップ触媒)を有することを特
徴としている。
【0025】この場合、DPFの下流側に排出されるN
Xを下流側NOXトラップでトラップ,浄化することが
できるため、外部へ排出されるNOXをより確実に低減
することができる。
【0026】請求項13に係る発明は、上記パティキュ
レートフィルタの芯部材上に、上記酸化触媒の成分と上
記上流側NOXトラップの成分とを含む触媒層が設けら
れていることを特徴としている。
【0027】この場合、パティキュレートフィルタの筐
体内に酸化触媒と上流側NOX触媒とが収容されること
となるため、装置の簡素化,小型化を図ることができ
る。また、パティキュレートフィルタを加熱することに
より酸化触媒と上流側NOXトラップも同時に加熱され
る形となるため、活性化に必要な熱容量の低減化を図る
こともできる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、パティキ
ュレートフィルタの上流に酸化触媒及び上流側NOX
ラップを配置しているため、上流側NOXトラップから
のNOX脱離量を調整することにより、この上流側NOX
トラップのNOXトラップ量を調整できることに加え、
パティキュレートフィルタへ供給されるNO2の量を調
整することが可能で、このNO2を利用したパティキュ
レートフィルタの燃焼反応を促進することができる。こ
のため、上流側NOXトラップのNOXトラップ量やパテ
ィキュレートフィルタのパティキュレート堆積量を適正
な範囲に保持することが可能で、この結果、NOXの浄
化とパティキュレートの浄化とを高いレベルで両立する
ことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る排気浄化装置
を、直列4気筒のディーゼル内燃機関の排気通路に適用
した実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0030】図1は、本発明の第1実施例に係る排気浄
化装置を示す構成図である。この内燃機関(エンジン)
1は、いわゆるコモンレール型の燃料噴射装置2を備え
ており、一方の側面に、吸気マニホールド3と排気マニ
ホールド4とが上下に重ねて配置されている。排気マニ
ホールド4に連なる排気管(排気通路)5には、上流側
より順に、後述するNOX浄化触媒7とディーゼルパー
ティキュレートフィルタ(DPF)9とが配設されてい
る。NOX浄化触媒7の入口には、流入する排気温度を
検出する排気温度センサ6が設けられ、DPF9の入口
には、排圧(背圧)を検出する排圧センサ8が設けられ
ている。
【0031】また、排気管5から吸気マニホールド3へ
排気の一部を還流させる排気還流通路10が設けられて
おり、この排気還流通路10に、排気還流率を調整する
例えば電子制御型の排気還流制御弁(EGRバルブ)1
1が介装されている。更に、排気を利用して吸気管12
内の吸気を予圧する可変ノズル式のターボ過給機13が
設けられている。このターボ過給機13は、過給効率を
変化させて過給圧を調整可能であって、このターボ過給
機13の下流側に、水冷式もしくは空冷式のインターク
ーラ14が設けられている。
【0032】制御ユニット(エンジンコントロールユニ
ット)15は、各種演算処理を記憶,実行するメモリ,
CPU等を備えた周知のコンピュータシステムであっ
て、上記のセンサ6,8の他、機関回転数Neを検出す
るエンジン回転数センサ16や、アクセル開度Lを検出
するアクセル開度センサ17等の機関運転状態を検出す
る各種センサが接続されており、これら各種センサから
の検出信号等に基づいて、様々なエンジン制御を行う。
つまり制御ユニット15は、アクセル開度Lや機関回転
数Ne等に基づいて、燃料の噴射時期及び噴射量を演算
し、その演算結果に基づいて燃料噴射装置2を駆動制御
し、同様に、機関運転状態に応じて排気還流制御弁11
やターボ過給機13を駆動制御して、排気還流率(EG
R率)や過給圧を制御する。
【0033】上記のNOX浄化触媒7は、機関排気中の
HC,COを高い効率で酸化して浄化するとともに、機
関排気中のNOを酸化してNO2を生成する酸化触媒と
しての機能と、流入する排気成分に応じて、排気中のN
Xをトラップするとともに、トラップしたNOXを脱離
する上流側NOXトラップ触媒としての機能を併せ持っ
ている。つまり、NOX浄化触媒7は、酸化触媒の機能
を有する上流側NOXトラップ触媒と言い換えることも
できる。
【0034】このNOX浄化触媒7は、例えばコージェ
ライト製のモノリス担体上に、酸化触媒の成分とNOX
トラップ触媒の成分とを混ぜてコーティングさせたもの
である。なお、それぞれを層別にコーティングしてもよ
い。酸化触媒としては、例えばPt、Pd等の貴金属成
分を担持した活性アルミナが用いられる。NOXトラッ
プ触媒としては、後述する第3実施例と同様の還元成分
濃度変動型のNOXトラップ触媒を用いることもでき
る。
【0035】DPF9は、排気中のPMを捕集し、捕集
したPMを排気中のNO2と反応させるPMの捕集・処
理用のフィルタであり、一端が閉塞した中空円筒形状で
深層濾過方式のものが用いられている。具体的には、周
面部分に多数の孔を設けた有底円筒状をなす芯部材と、
この芯部材にセラミックファイバーを幾層にも巻き回し
て形成される外層部とで構成されており、底部として閉
塞されている端部が下流側となるように配置され、芯部
材の他方の開口端から排気が導入されるように取り付け
られている。従って、排気は内層部から外層部へと半径
方向外周側へ流れ、排気中のPMがセラミックファイバ
ーによって捕集される。なおDPF9としては、このタ
イプのものに限らず、従来より公知のニット状のファイ
バー、もしくはセラミックフォームタイプのもの、ある
いはこれらを組み合わせて用いてもよい。
【0036】このDPF9に用いるセラミックファイバ
ーの性質について述べると、一般的にセラミックファイ
バーは、単位容積当りに用いる繊維表面積が非常に大き
い(約10000cm2/cc)のが一つの特徴であ
る。これは、例えば一般的な触媒の担体に用いるコージ
ェライト製のモノリス担体の単位容積当りの表面積(約
20〜30cm2/cc)と比べて圧倒的に大きく、つ
まり、少ない容積で大きな表面積が得られるため、触媒
化には好適な材料である。
【0037】図2は、この第1実施例に係る制御の流れ
を示すフローチャートで、このルーチンは、上記の制御
ユニット15により所定時間毎に繰り返し実行される。
【0038】S(ステップ)1では、エンジン運転状態
を読み込む。具体的には、エンジン回転数センサ16か
ら機関回転数Neを、アクセル開度センサ17からアク
セル開度Lを、排圧センサ8から排圧Pfを読み込む。
S2では、機関回転数Ne及びアクセル開度L等に基づ
いて、燃料噴射量Qを演算する。S3では、上流側NO
Xトラップ触媒7にトラップされているNOXトラップ量
を算出する。このNO Xトラップ量は、例えば特許公報
2600492号公報の第6頁に記載されているよう
に、エンジン回転数Neの積算値から推測することがで
きる。
【0039】S4では、DPF9に堆積するPM堆積量
を検知する。DPF9のPM堆積量を直接検知すること
は困難であるので、この実施例では、排圧センサ8によ
り検出されるDPF9の入口の排圧に基づいて、PM堆
積量を推定している。なお、吸入空気量に基づいて上記
の排圧を推定するようにしても良い。DPF9の入口の
排圧は、PM堆積量以外の因子によっても変化し、例え
ば触媒7へ流入する排気量が増えれば排圧も上昇する。
このため、実際には、図3,4に示すようなPM堆積量
推定用のマップを参照して、PM堆積量の上限値ACC
2や下限値ACC1に対応する排圧を、機関回転数Ne
及び燃料噴射量Qに基づいて推定する。
【0040】S5ではDPF9の強制再生運転状態フラ
グreg.が0であるかを判定する。このフラグre
g.が1の場合はS25へ進み、後述する強制再生運転
を続行する。S6では、DPF9ヘのPM堆積量が所定
の上限値ACC2未満であるかを判定する。実際には、
現在の機関回転数Ne及び燃料噴射量Qに基づいて図3
のマップを参照することにより、PM堆積量の上限値A
CC2に対応する排圧上限値を算出し、現在の排圧値P
fが排圧上限値未満であるかを判定する。
【0041】S7では、主にDPF9に堆積しているP
M堆積量を低減するためのスライトリッチ運転(PM低
減運転)の状態フラグrich1が0であるかを判定す
る。このフラグrich1が1の場合はS14へ進み、
スライトリッチ運転を続行する。S8では、上流側NO
Xトラップ触媒7にトラップされているNOXトラップ量
を低減するためのリッチ運転(NOX低減運転)の状態
フラグrich2が0であるかを判定する。このフラグ
rich2が1の場合にはS20へ進み、リッチ運転を
続行する。S8aでは、排気温度センサ6で検出される
排気温度Tが所定の活性温度Ts(図8)以下であるか
を判定する。なお、このS8aは省略することも可能で
ある。
【0042】S9では、上流側NOXトラップ触媒7に
流入する排気の空気過剰率λが1以下のリッチ運転状態
が可能であるかを判定する。ディーゼルエンジン等で
は、理論空燃比よりも希薄な空燃比で通常の運転が行わ
れているため、図5に示すように、アイドル等の低回転
低負荷条件のように燃焼が不安定となる運転領域で、リ
ッチ運転が成立しない場合がある。このため、S9にお
いてリッチ運転が可能でないと判定されれば、本ルーチ
ンを終了する。
【0043】S10では、DPF9のPM堆積量が所定
の下限値ACC1より多いかを判定する。実際には、現
在の機関回転数Ne及び燃料噴射量Qに基づいて図4の
マップを参照することにより、下限値ACC1に対応す
る排圧下限値を決定し、現在の排圧値Pfが上記の排圧
下限値を越えているかを判定する。
【0044】S11では、S3で算出されるNOXトラ
ップ量に基づいて、NOX浄化触媒(上流側NOXトラッ
プ触媒)7に所定量N2’以上のNOXがトラップされ
ているかを判定する。NOXトラップ量が所定量N2’
未満であれば、PM堆積量やNOXトラップ量を低減す
る必要がないと判断して、本ルーチンを終了する。
【0045】上記S5〜S11の条件(PM低減条件)
を全て満たしていれば、S12へ進み、主にDPF9に
堆積しているPM堆積量を低減させるスライトリッチ運
転を開始する。より具体的には、浅いリッチスパイクを
入れることにより、空気過剰率が略1のスライトリッチ
運転を所定時間行い、上流側NOXトラップ触媒7から
NO2の形で脱離するNO2をDPF9へ積極的に供給
し、この高酸化力のあるNO2を酸化剤として、DPF
9に堆積しているPMの連続燃焼反応を促進し、PM堆
積量の低減化を図る。
【0046】この点について、図6の特性図を参照して
詳述する。図6(a)は、上流側NOXトラップ触媒7
から脱離するNOX濃度を示し、図6(b)は、上流側
NOXトラップ触媒7へ流入する排気の空気過剰率λを
示している。排気中の空気過剰率λ(空燃比,あるいは
リッチスパイクの深さ)の変化に応じて、上流側NOX
トラップ触媒7から脱離するNOXの量が変化するとと
もに、DPF9へ供給されるNO2の供給量も大きく変
化する。図6(1)に示すように、空気過剰率λが1よ
りも十分に小さい(スパイク深さが深い)場合、還元雰
囲気下にある上流側NOXトラップ触媒7からのNOX
脱離が促進されるとともに、排気中の空燃比が大きくリ
ッチ化し、還元剤(還元成分)として働くCO,HCの
排出量が多くなるため、この還元剤を用いて脱離したN
Xが高効率で浄化される。従って、最終的にDPF9
へ供給されるNO2の量は比較的少なくなる。
【0047】一方、図6(2)に示すように、空気過剰
率λが略1の場合、つまりスパイク深さが浅い場合、還
元雰囲気下にある上流側NOXトラップ触媒7からのN
Xの脱離が促進される一方で、排気の空燃比が略スト
イキとなり、還元剤の量が相対的に少なくなるために、
脱離したNOXがN2に浄化される割合が少なくなり、言
い換えると、DPF9へ供給されるNO2の量が相対的
に多くなる。このため、NO2を利用したDPF9のP
M連続燃焼が促進され、PM堆積量が効率的に低減され
る。
【0048】ここで、上記のS8a及び図7,8に示す
ように、酸化触媒に流入する排気温度Tが活性温度Ts
(例えば300℃)を越えている場合、酸化触媒の作用
によりPM連続燃焼(自己再生)に必要な量のNO2
DPFへ供給される。しかしながら、活性温度Ts以下
の場合には、酸化触媒からDPFへ十分な量のNO2
供給されず、そのままではPMの連続燃焼反応が行われ
ない。そこで本実施例では、このようにDPFへのNO
2の供給量が不足するような運転状態のときに、スライ
トリッチ運転を行う。これにより、このような状況にお
いても、DPFへ十分な量のNO2が供給され、PM堆
積量の低減化を図ることができる。
【0049】これに対し、特開平9−53442号公報
の装置のように、DPFの上流側にNOXトラップ触媒
が設けられていない構成の場合、酸化触媒が活性化しな
いような状況下において、DPFのPM堆積量を低減す
るためには、post噴射等によって排気温度をDPF
の自己燃焼温度である600℃程度まで上昇させる強制
再生を実施しなければならないので、燃費悪化等を招聘
してしまう。
【0050】なお、上記のように排気の空燃比を一時的
にリッチ化する手法としては、例えば特開平9−534
42号公報の第4頁に記載されているように、主燃料の
噴射後に副燃料を後噴射するpost噴射を行うこと
や、吸気絞り弁やスロットルチャンバを利用して必要な
空気量だけをエンジンに送り込む制御を行うこと等が挙
げられる。
【0051】続く、S13では、スライトリッチ運転が
続行中であることを示すために、上記フラグrich1
を1にする。このλ≒1のスライトリッチ運転が所定時
間t1経過すると、S14からS15へ進み、スライト
リッチ運転を終了する。具体的には、排気の空燃比を通
常のリーン状態へ復帰させる。このスライトリッチ運転
時間t1は、後述するリッチ運転時間t2に比して長く
なる傾向にある。
【0052】上記のS10において、DPF9のPM堆
積量が所定の下限値ACC1を越えていないと判定さ
れ、かつ、S17において、S3で算出された上流側N
Xトラップ触媒7のNOXトラップ量が所定の飽和量N
2に達していると判定された場合、つまりNOXトラッ
プ量を低減すべき条件にある場合、主に上流側NOX
ラップ触媒7にトラップされているNOXを低減するた
めのリッチ運転を開始する。なお、S17における飽和
量N2は、上述したS11における所定量N2’と同じ
か、あるいは大きく設定されている。
【0053】より具体的には、図6の(1)に示すよう
に、深いリッチスパイクを入れることにより、上流側N
Xトラップ触媒7へ流入する排気の空燃比を一時的に
リッチ側へ大きく変化させて(空気過剰率λ<<1)、
上流側NOXトラップ触媒7にトラップされたNOXを積
極的に脱離させる。
【0054】このように排気の空燃比を一時的にリッチ
化する手法としては、上述したように、post噴射を
行うことや、吸気絞り弁やスロットルチャンバを利用し
て必要な吸入空気量だけを機関に送り込む制御を行うこ
とや、燃料噴射量を一時的に増量制御すること等が挙げ
られる。
【0055】続くS19では、λ<<1のリッチ運転が
続行中であることを示すために、上記フラグrich2
を1にする。このリッチ運転が所定時間t2を経過する
と、S20からS21へ進み、リッチ運転を終了する。
つまり、排気の空燃比を通常のリーン状態へ復帰させ
る。そして、S22において、上記のフラグrich2
を0に戻し、本ルーチンを終了する。
【0056】上記のS6において、DPF9のPM堆積
量が上限値ACC2以上であり、NO2を用いたPM連
続燃焼だけでは排圧上昇を回避できず、PM堆積量をよ
り確実に減らす必要があると判定された場合には、S2
3へ進み、強制的にDPF9を再生する強制再生運転を
開始する。具体的には、吸入空気量やEGR率を制御し
たり、post噴射を行う等によって、DPF9へ流入
する排気温度をPMの自己燃焼温度である600℃程度
まで上昇させる。
【0057】続くS24では、強制再生運転が続行中で
あることを示すために、上記フラグreg.を1とす
る。この強制再生運転が所定時間t3経過したと判定さ
れると、S25からS26へ進み、強制再生運転を終了
する。そして、S27において、上記のフラグreg.
を0に戻し、本ルーチンを終了する。
【0058】このように本実施例では、PM堆積量が下
限値ACC1から上限値ACC2までのPM連続燃焼可
能範囲内にあり、酸化触媒が活性化しておらず、かつ、
上流側NOXトラップ触媒7にNOXがある程度(N
2’)トラップされているような場合には、空気過剰率
λ≒1のスライトリッチ運転が所定時間t1行われる。
これにより、上流側NOXトラップ触媒7からNOXが脱
離してNOXトラップ量が低減されるとともに、脱離し
たNOXがNO2の形で下流側のDPF9へ十分に供給さ
れ、この酸化力の強いNO2でDPF9に堆積している
PMが効率よく燃焼され、PM堆積量を効果的に低減す
ることができる。
【0059】また、PM堆積量が下限値ACC1に達し
ておらず、かつ、NOXトラップ量が飽和量N2に達し
ているような場合には、空気過剰率<<1のリッチ運転
が所定時間t2行われる。これにより、還元雰囲気内で
上流側NOXトラップ触媒7から良好にNOXが脱離し、
NOXトラップ量が低減されるとともに、この脱離した
NOXが還元剤を用いて高効率で浄化される。
【0060】このようにリッチ運転を行う場合、脱離し
たNOXが高効率で浄化されるため、上記のスライトリ
ッチ運転を行う場合に比して、下流側のDPF9へ供給
されるNO2の量は少なくなる。しかしながら、微粒子
を捕捉するDPFが本実施例のように深層濾過方式の場
合、DPF9のPM堆積量が少なすぎる、つまり下限値
ACC1以下であると、かえってPM浄化率が低下して
しまうので、PM堆積量を増加させる必要があり、この
点からも、上記のようにDPF9へ供給されるNO2
量が少なくなる方が良い。
【0061】このように本実施例では、DPF9のPM
堆積量や上流側NOXトラップ触媒7のNOXトラップ量
に応じて、上流側NOXトラップ触媒7へ流入する排気
中の空気過剰率を制御することにより、必要に応じて上
流側NOXトラップ触媒7のNOXトラップ量を有効に低
減できるとともに、DPF9のPM堆積量を適宜に調整
することができる。この結果、NOX及びPMの双方を
高いレベルで浄化することができる。
【0062】更に、PM堆積量が上限値ACC2以上の
場合には、上流側NOXトラップ触媒7のNOXトラップ
量にかかわらず、DPF9へ流入する排気温度をPM自
己燃焼温度(約600℃)程度まで上昇させる等によ
り、DPF9に堆積しているPM堆積量を強制的に低減
させる強制再生運転が所定時間t3行われるため、確実
にPM堆積量を低減することができる。
【0063】図9は本発明の第2実施例に係る制御の流
れを示すフローチャートの一部であり、図2に示すフロ
ーチャートに対し、S17aとS17bとが追加されて
いる。つまり、S18においてリッチ運転(NOX低減
運転)を行う直前に、S17aにおいて、上流側NOX
トラップ触媒7へ流入する排気温度Tが、このNOX
ラップ触媒が活性化する活性温度T1(≒Ts)を越え
ているかを判定する。越えていなければ、S17bにお
いて、触媒昇温手段を作動させて、上流側NOXトラッ
プ触媒7の温度を活性温度T1を越えるまで上昇させ
る。これにより、リッチ運転を行う際のNOX浄化率が
更に向上する。この触媒昇温手段としては、吸気絞り弁
等により吸入空気量を制御することや、post噴射を
行うこと等が挙げられる。
【0064】図10は、本発明の第3実施例に係る内燃
機関の排気浄化装置を示す概略構成図である。この第3
実施例では、排気通路5におけるDPF9の下流側に、
下流側NOXトラップ触媒21が配設されている点で、
上記第1実施例と異なっている。つまり、DPF9の上
流に上流側NOXトラップ触媒20が配設されるととも
に、DPF9の下流に下流側NOXトラップ触媒21が
配置されている。
【0065】下流側NOXトラップ触媒21は、第1実
施例の上流側NOXトラップ触媒7と同様、流入する排
気成分に応じて、排気中のNOXをトラップするととも
に、トラップしたNOXを脱離するようになっている。
【0066】また、上流側NOXトラップ触媒20は、
流入する排気ガスの還元成分濃度が低いときにNOX
トラップし、流入する排気ガスの還元成分濃度が高いと
きにNOXを脱離,浄化する還元成分濃度変動型のNOX
トラップ触媒となっている。つまり、この上流側NOX
トラップ触媒20は、本出願人が先に出願した特願平1
0−319689号に記載されているものと同様、La
等を主成分としており、HCの濃度変動に応じてNOX
をトラップ又は脱離する特性を有している。より具体的
には、上流側NOXトラップ触媒20は、カリウム、ナ
トリウム、リチウム、セシウムからなるアルカリ金属、
バリウム、カルシウム、ストロンチウムからなるアルカ
リ土類金属、ランタン、イットリウム、プラセオジウ
ム、ネオジウム、サマリウムからなる希土類、マンガ
ン、鉄、ニッケル、コバルトから選ばれた少なくとも一
つと、白金、パラジウム、ロジウムから選ばれた少なく
とも一つとを含んでいる。
【0067】このような還元成分濃度変動型の上流側N
Xトラップ触媒20では、NOX脱離時の還元成分濃度
(HC濃度)が高くなると、脱離したNOXの浄化率が
高くなって、DPFへ供給されるNO2の量が相対的に
減少し、逆に還元成分濃度が低くなると、脱離したNO
Xの浄化率が低くなり、DPFへ供給されるNO2供給量
が相対的に増加する。このような特性を利用し、排気中
の還元成分濃度を調整することによって、第1実施例と
同様、NOXトラップ量及びPM堆積量の双方を効果的
に調整することができる。
【0068】また、DPF9の下流に下流側NOXトラ
ップ触媒21を配置することで、DPF9の下流に排出
されるNOXをトラップ・浄化することができるため、
NOX浄化性能が一段と向上する。
【0069】図11は、この第3実施例の制御の流れを
示すフローチャートで、このルーチンは、制御ユニット
15により所定時間毎に繰り返し実行される。なお、図
2の第1実施例と実質的に同じステップについては適宜
説明を省略する。
【0070】S31〜S36は、図2のS1〜S6とほ
ぼ同様である。なお、S33では、上流側NOXトラッ
プ触媒20及び下流側NOXトラップ触媒21の双方の
NOXトラップ量が算出される。また、S36におい
て、PM堆積量が上限値ACC2以上であると判定され
た場合には、S53以降へ進み、PM堆積量を強制的に
低減する強制再生制御が行われる。このS53〜57
は、図2のS23〜27とほぼ同様である。
【0071】S37では、主にDPF9のPM堆積量を
低減するためのPM低減運転である還元成分濃度変動運
転(HC変動運転)の状態を表すフラグHC1が0であ
るかを判定する。フラグHC1が0でない(1である)
と判定された場合には、S45へ進み、HC変動運転を
続行する。
【0072】S38,S38a,S39は、図2のS
8,S8a,S9とほぼ同様である。すなわち、PM堆
積量が上限値ACC2未満であり、酸化触媒が活性温度
Ts以下にあり、強制再生制御,HC変動運転,又はリ
ッチ運転が続行中ではなく、かつ、空気過剰率が1以下
のリッチ運転が可能であると判定された場合には、S4
0へ進み、下流側NOXトラップ触媒21のNOXトラッ
プ量が所定の飽和量N1以下であるかを判定する。
【0073】続くS41において、DPF9のPM堆積
量が所定の下限値ACC1を越えていると判定され、か
つ、S42において、HC濃度変動型の上流側NOX
ラップ触媒20のNOXトラップ量が所定量N2以上と
判定された場合、S43へ進み、HC変動運転を開始す
る。それ以外の場合には、本ルーチンを終了する。
【0074】HC濃度の変動は、post噴射、早期p
ilot噴射、EGR濃度の変動等により行うことがで
きる。一例として、post噴射でHC濃度を変動させ
る場合について説明すると、上死点から100〜180
°後に筒内に1mm3/stcyl(1気筒1ストロー
ク)程度の燃料を噴射することで、排気中のHC濃度は
数百ppm増加する。このようにしてHC濃度を適切に
増加させることにより、上流側NOXトラップ触媒20
にトラップされているNOXがNO2となって触媒から脱
離し、DPF9へ効率的に供給される。この高酸化力の
あるNO2でDPF9に堆積しているPMを効率よく燃
焼させて除去させることができる。
【0075】続くS44では、HC変動運転が続行中で
あることを示すために、上記のフラグHC1を1とす
る。このHC変動運転が所定時間t1経過したと判定さ
れると、S45からS46へ進み、HC変動運転を終了
する。つまり、HC濃度を通常の制御状態に復帰させ
る。そして、S47で上記のフラグHC1を0に戻し、
本ルーチンを終了する。
【0076】S40において、下流側NOXトラップ触
媒21のNOXトラップ量が飽和量N1を越えていると
判定された場合には、S48へ進み、主として下流側N
Xトラップ触媒21にトラップされているNOXトラッ
プ量を低減するためのリッチ運転(NOX低減運転)を
開始する。つまり、空気過剰率λ<<1として、上述し
たHC変動運転の場合よりも還元成分濃度を更に大きく
する。これにより、下流側NOXトラップ触媒21にも
十分に還元剤(HC,CO)が供給され、この下流側N
Xトラップ触媒21を高効率で浄化することができ
る。なお、S48〜S52は、図2のS18〜S22と
ほぼ同様である。
【0077】図12は、DPFの他の例を示している。
このDPF30は、上記実施例のDPF9と同様、一端
が閉塞した中空円筒形状をなす深層濾過方式の構成とな
っており、有底円筒状をなす芯部材31と、この芯部材
にセラミックファイバーを幾層にも巻き回して形成され
る外層部32と、を有している。そして、DPF30の
芯部材31の外周上に、NOをNO2に酸化する機能を
有する酸化触媒の成分と、流入する排気成分に応じてN
Xをトラップ又は脱離する上流側NOXトラップ触媒の
成分と、が混入された触媒層33が層状に配設されてい
る。つまり、DPF30の芯部材31と外層部32との
間に触媒層33が介装されている。
【0078】また、このDPF30は、底部として閉塞
されている端部が下流側となるように配置され、芯部材
31の他方の開口端から排気が導入されるように取り付
けられている。従って、排気は内側の触媒層33から外
層部32へと半径方向外周側へ流れ、触媒層33によっ
て排気中のNOがNO2に酸化されるとともに、NOX
適宜にトラップ又は脱離され、かつ、下流側の外層部
(セラミックファイバー)32によって排気中のPMが
捕集される。
【0079】この場合、DPF30の筐体内に酸化触媒
と上流側NOX触媒とが収容されることとなるため、装
置の簡素化,小型化を図ることができる。また、DPF
30を加熱することにより酸化触媒と上流側NOXトラ
ップ触媒も加熱される形となり、活性化に必要な熱容量
の低減化を図ることもできる。
【0080】以上のように本発明を具体的な実施例に基
づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、例えば排気温度を上昇させるために、
触媒の上流側にバーナを配置したり、このバーナの使用
と共に追加燃料を噴射しても良い。また、上流側NOX
トラップ触媒と酸化触媒とを別々の筐体に配置しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る内燃機関の排気浄化
装置を示す概略構成図。
【図2】第1実施例の制御の流れを示すフローチャー
ト。
【図3】PM堆積量の上限値ACC2に対応する排圧推
定用のマップ。
【図4】PM堆積量の下限値ACC1に対応する排圧推
定用のマップ。
【図5】リッチ運転可能領域判定用のマップ。
【図6】上流側NOXトラップ触媒に流入する排気の空
気過剰率と、この排気中のNOX濃度との関係を示す説
明図。
【図7】機関回転数及び燃料噴射量に対するDPFの自
己再生領域を示す特性図。
【図8】上流側NOXトラップ触媒へ流入する排気温度
と触媒から排出されるNO2濃度との関係を示す特性
図。
【図9】本発明の第2実施例に係る制御の流れを示すフ
ローチャート。
【図10】本発明の第3実施例に係る内燃機関の排気浄
化装置を示す概略構成図。
【図11】上記第3実施例の制御の流れを示すフローチ
ャート。
【図12】DPFの他の例を示す斜視図。
【符号の説明】
5…排気管(排気通路) 6…排気温度センサ 7…NOX浄化触媒(上流側NOXトラップ触媒) 8…排圧センサ(排圧検出手段) 9…DPF(パティキュレートフィルタ) 15…制御ユニット
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 F01N 3/28 301C F02D 41/02 380 F02D 41/02 380E 41/04 355 41/04 355 Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 BA01 CA01 CB00 DA03 DA12 DA18 DA20 EA02 EA05 EA06 3G091 AA10 AA11 AA18 AB13 BA13 BA14 CA26 CB02 CB03 DB10 EA01 EA07 EA17 EA32 GB01W GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB07W GB10X GB17X HA15 HA16 HA37 3G301 HA02 HA04 HA06 HA11 HA13 JA24 JA25 MA01 MA11 MA18 MA19 NA06 NA08 NC01 NC04 ND02 NE12 NE13 NE14 NE15 NE23 PB03Z PB05Z PD11Z PD14Z PE01Z PF03Z PG00Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配設される排気浄
    化装置であって、 流入する排気中のパティキュレートを捕集するパティキ
    ュレートフィルタと、 このパティキュレートフィルタよりも上流側に配設さ
    れ、排気中のNOをNO 2に酸化する機能を有する酸化
    触媒と、 上記パティキュレートフィルタよりも上流側に配設さ
    れ、流入する排気成分に応じて、排気中のNOXをトラ
    ップするとともに、トラップしたNOXを脱離する上流
    側NOXトラップと、を有することを特徴とする内燃機
    関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記パティキュレートフィルタに堆積し
    ているパティキュレート推積量に基づいて、上記上流側
    NOXトラップからのNOX脱離量を制御することを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記上流側NOXトラップにトラップさ
    れているNOXトラップ量と、上記パティキュレートフ
    ィルタに堆積しているパティキュレート堆積量と、に基
    づいて、上記上流側NOXトラップからのNOX脱離量
    と、上記パティキュレートフィルタへ供給されるNO2
    供給量と、を制御することを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記パティキュレートフィルタの入口の
    排圧を検出する排圧検出手段を有し、この排圧検出手段
    により検出される排圧に基づいて、上記パティキュレー
    ト堆積量を推定することを特徴とする請求項2又は3に
    記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 所定のNOX低減条件のときに、主とし
    て上記上流側NOXトラップにトラップされているNOX
    トラップ量を低減させるNOX低減運転を行うととも
    に、所定のパティキュレート低減条件のときに、主とし
    てパティキュレートフィルタに堆積しているパティキュ
    レート堆積量を低減させるパティキュレート低減運転を
    行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記NOX低減運転を行う場合、上記上
    流側NOXトラップへ流入する排気の空気過剰率を1よ
    りも小さくし、上記パティキュレート低減運転を行う場
    合、上記空気過剰率を略1とすることを特徴とする請求
    項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 上記上流側NOXトラップは、流入する
    排気の還元成分濃度が低いときにNOXをトラップし、
    上記還元成分濃度が高いときにNOXを脱離する還元成
    分濃度変動型のNOXトラップであり、 上記NOX低減運転を行う場合、上記パティキュレート
    低減運転を行う場合に比して、上記還元成分濃度を大き
    くすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排
    気浄化装置。
  8. 【請求項8】 上記上流側NOXトラップは、カリウ
    ム、ナトリウム、リチウム、セシウムからなるアルカリ
    金属、バリウム、カルシウム、ストロンチウムからなる
    アルカリ土類金属、ランタン、イットリウム、プラセオ
    ジウム、ネオジウム、サマリウムからなる希土類、マン
    ガン、鉄、ニッケル、コバルトから選ばれた少なくとも
    一つと、白金、パラジウム、ロジウムから選ばれた少な
    くとも一つとを含むことを特徴とする請求項7に記載の
    内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 上記NOX低減条件が、上記NOXトラッ
    プ量が所定の飽和量以上であることを含んでおり、 上記パティキュレート低減条件が、上記パティキュレー
    ト堆積量が所定の下限値を越えていることを含んでいる
    ことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 上記パティキュレート低減条件が、上
    記酸化触媒へ流入する排気温度が所定の活性温度以下で
    あることを含んでいることを特徴とする請求項5〜9の
    いずれかに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】 上記NOX低減運転を行う場合、その
    直前に、上記上流側NOXトラップへ流入する排気の温
    度を所定の触媒活性温度以上に上昇させることを特徴と
    する請求項5〜10のいずれかに記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  12. 【請求項12】 上記パティキュレートフィルタの下流
    側に配設され、流入する排気成分に応じて、排気中のN
    Xをトラップするとともに、トラップされているNOX
    を脱離する下流側NOXトラップを有することを特徴と
    する請求項1〜11のいずれかに記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  13. 【請求項13】 上記パティキュレートフィルタの芯部
    材上に、上記酸化触媒の成分と上記上流側NOXトラッ
    プの成分とを含む触媒層が設けられていることを特徴と
    する請求項1〜12のいずれかに記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
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