JP2002047488A - 低6価クロム注入材 - Google Patents
低6価クロム注入材Info
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Abstract
浸透性に優れ、強度の発現性に優れる微粒子セメントが
含有する6価クロムの溶出を低減する低6価クロム注入
材を提供すること。 【解決手段】 微粒子セメント、微粒子スラグ、及びカ
ルシウムサルホアルミネート水和物を生成する成分を含
有してなる低6価クロム注入材であり、さらに、還元剤
を含有してなる該低6価クロム注入材を構成とする。
Description
含有する6価クロムの溶出を低減する低6価クロム注入
材に関する。なお、本発明の部や%は特に規定のない限
り質量基準である。
使用されている注入材は、水ガラス系注入材とセメント
系注入材に大別される。水ガラス系注入材の浸透性はセ
メント系注入材に比べて良好であるが、耐久性が悪いと
いう課題がある。また、シルト層や粘土層などは、水ガ
ラス系注入材を使用しても浸透性は好ましくなく、液圧
によりシルト層や粘土層に水ガラス系注入材が楔状に入
り込む、いわゆる割裂注入形態となる。しかしながら、
水ガラス系注入材は、それ自体の圧縮強度(ホモゲル強
度)が小さいため、地盤の補強や止水効果が得られない
場合があった。
し、セメント系注入材の浸透性を向上した注入材が開発
され、セメントの微粒子化により、シルト層や粘土層に
おいても、地盤の補強や止水効果が得られるようになっ
た。
物の処理が期待されており、セメントの製造に、下水汚
泥や古タイヤなどの産業廃棄物を使用することが行われ
ており、今後もその使用量は増大していくと予想されて
いる。それに伴って、セメントに含有されている有害成
分、特に、6価クロム含有量が増加することが懸念され
ている。
高炉スラグを添加したり、硫酸第一鉄を添加する方法が
検討されている(特開2000−086322号公報)。しかしな
がら、この方法で浸透性を向上させるために、セメント
を微粒子化すると比表面積が増大し、溶出する6価クロ
ム量が増えること、さらに硬化までの時間が数時間と長
いため、硬化前に地下水等から6価クロムが拡散してし
まうことなどは改善できず、充分な効果が得られないと
いう課題があった。
合において、特定の材料を使用することにより6価クロ
ムの溶出量が低減できるという知見を得て、本発明を完
成するに至った。
セメント、微粒子スラグ、及びカルシウムサルホアルミ
ネート水和物を生成する成分を含有してなる低6価クロ
ム注入材であり、さらに、還元剤を含有してなる該低6
価クロム注入材である。
は、普通、早強、及び超早強等の各種ポルトランドセメ
ントを微粒子化したもの、並びに、これら微粒子化した
ポルトランドセメントに、例えば、ブレーン値で5,000c
m2/g以上に微粒子化した、フライアッシュ、石灰石、又
は硅砂等を混合したセメント等が挙げられる。微粒子セ
メントの粒度は、ブレーン値で5,000cm2/g以上が好まし
く、8,000cm2/g以上がより好ましく、12,000cm2/g以上
が最も好ましい。5,000cm2/g未満では浸透性が悪くなる
場合がある。
スラグや転炉スラグなどを微粒子化したものであるが、
これらのうち、高炉スラグを急冷した非晶質を微粒子化
したものが、強度発現性の面から好ましい。微粒子スラ
グの粒度は、ブレーン値で5,000cm2/g以上が好ましく、
8,000cm2/g以上がより好ましく、12,000cm2/g以上が最
も好ましい。5,000cm2/g未満では浸透性が悪くなる場合
がある。微粒子スラグの使用量は、微粒子セメント100
部に対して、50〜1,000部が好ましく、200〜500部がよ
り好ましい。50部未満だと6価クロムの固定化率が小さ
くなる場合があり、1,000部を超えると初期強度が低下
する場合がある。
ネート水和物を生成する成分(以下、CSAH成分とい
う)とは、水和反応によってエトリンガイト(3CaO・Al2
O3・3CaSO4・32H2O)を代表とするAFt相や、モノサル
フェート(3CaO・Al2O3・CaSO4・12H2O)を代表とするAF
m相を生成する成分の総称であって、Al2O3の一部がFe 2
O3やSiO2に、また、CaSO4の一部がCa(OH)2やCaCO3に置
換したものであっても良い。具体的にCSAH成分とし
ては、無水硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム18水塩
のような含水硫酸アルミニウム、ミョウバン、及び焼ミ
ョウバン等が挙げられ、さらに、石灰類及び/又は石膏
類を併用したものも使用可能である。ここでいう、石灰
類とは、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び炭酸
カルシウム等であり、また、石膏類とは、二水石膏、半
水石膏、及び無水石膏等である。これらのCSAH成分
のうち、含水硫酸アルミニウムと水酸化カルシウムを併
用したものが、少量で6価クロムの固定化が可能である
ことから好ましい。CSAH成分の粒度は特に限定され
るものではないが、石灰類や石膏類はブレーン値で3,00
0cm2/g以上が好ましく、5,000cm2/g以上がより好まし
い。3,000cm2/g未満では浸透性が悪くなる場合がある。
CSAH成分の使用量は、微粒子セメント100部に対し
て、0.1〜200部が好ましく、1〜50部がより好ましく、
3〜10部が最も好ましい。0.1部未満では6価クロムの
固定化率が小さくなるおそれがあり、200部を超えても
6価クロムの固定化率は変わらない場合がある。
(II)等の2価の鉄塩や、硫酸チタン(III)等の3価のチ
タン塩などの硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、及び亜硫酸カルシウム等の亜硫酸塩、亜硫酸水素ナ
トリウムや亜硫酸水素カリウムなどの亜硫酸水素塩、硫
化ナトリウム、硫化カリウム、硫化カルシウム、及び硫
化アンモニウム等の硫化物、チオ硫酸ナトリウムやチオ
硫酸カリウムなどのチオ硫酸塩、二酸化硫黄や硫黄、並
びに、泥炭や亜炭などがあり、これらのうち、少量使用
で6価クロムの固定化率が大きい面から、硫酸鉄(II)、
チオ硫酸ナトリウム、又はチオ硫酸カリウムの使用が好
ましい。還元剤の使用量は、微粒子セメント100部に対
して、0.01〜50部が好ましく、0.1〜5部がより好まし
い。0.01部未満だと6価クロムの固定化率が小さくなる
場合があり、50部を超えて添加しても6価クロムの固定
化率は変わらない場合がある。
が得られるように、調整するために、凝結調整剤を併用
することは好ましい。凝結調整剤としては、具体的に
は、アルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムなどの
アルミン酸塩、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどの炭
酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カル
シウム、及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸ア
ルミニウム、硫酸鉄(III)、及びミョウバン等の硫酸
塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、及びケイ酸リ
チウム等のケイ酸塩、ケイフッ化ナトリウムやケイフッ
化マグネシウムなどのケイフッ化物、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カルシウム、及びリン酸マグネシウム等のリ
ン酸塩、ホウ酸リチウムやホウ酸ナトリウムなどのホウ
酸塩等の無機塩類、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、及
びリンゴ酸等の有機酸類又はそのナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩、及びカルシウム塩、並びに、糖類等
が挙げられる。凝結調整剤の使用量は、硬化時間に応じ
て調整するため特に限定されるものではないが、微粒子
セメント100部に対して、0.01〜50部が好ましい。
剤を併用することが好ましい。分散剤としては、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、リグニンスルホ
ン酸塩系、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩系、
ポリカルボン酸塩系、及びポリエーテル系の分散剤が好
ましい。分散剤の使用量は、微粒子セメント100部に対
して、0.01〜10部が好ましく、0.1〜3部がより好まし
い。0.01部未満では浸透性が劣る場合があり、また10部
を超えると初期強度が低下する場合がある。
入材という)は、微粒子セメント、微粒子スラグ、及び
CSAH成分、さらに必要に応じ、還元剤を含有するも
ので、本注入材と水を混合して懸濁液とし、地盤等に注
入することが可能である。本注入材の使用量は、対象と
なる土壌の種類、含水量、及び必要とする強度等によっ
て変化し一律に決定されるものではないが、一般的に
は、土壌1m3に対して、5〜300kgが好ましく、50〜15
0kgがより好ましい。5kg未満では固化強度が小さい場
合があり、300kgを超えると固化強度が大きくなりすぎ
る場合がある。
濁液がポンプで圧送可能な粘性であれば特に限定される
ものではない。例えば、微粒子セメント、微粒子スラ
グ、CSAH成分、及び還元剤の合計100部に対して、1
00〜1,000部が好ましく、200〜500部がより好ましい。1
00部未満では粘性が高くなりすぎる場合があり、1,000
部を超えると固化強度が低下する場合がある。
合、微粒子セメント、微粒子スラグ、CSAH成分、及
び水、必要に応じ、さらにそれらと還元剤を配合し、ミ
キサーで混合してポンプで注入する、いわゆる、1ショ
ットで地盤に注入しても良い。この場合、ミキサー、ポ
ンプ、及びホース等で本注入材が硬化する場合があるた
め、硬化時間を少なくとも30分以上確保する必要があ
る。そこで、例えば、微粒子セメント、微粒子スラグ、
及び水からなる懸濁液と、CSAH成分と還元剤からな
る懸濁液とを別々に調製し、二種類の懸濁液をY字管で
混合して注入する、いわゆる、1.5ショットの注入方
法が、また、上記二種類の懸濁液を別々に圧送し注入用
二重管の先端で混合して注入する、いわゆる、2ショッ
トで地盤に注入することがより好ましい。
ロフェン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びポリビ
ニルアルコール等の材料分離抵抗材、ゼラチン、カゼイ
ン、及び金属アルミニウム等の気泡剤、並びに、パラフ
ィンやシリコーンなどの消泡剤等を併用することも可能
である。
ーナ工法、二重管単相工法、二重管複相工法、及び二重
管ダブルパッカー工法等、現在使用されている注入工法
に使用することが可能である。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
グとCSAH成分を混合し、本注入材を調製した。調製
した本注入材100部と水300部を混合し懸濁液を作製し、
本注入材の硬化時間、圧縮強度、及び6価クロム溶出量
を測定した。結果を表1に併記する。
ブレーン値12,500cm2/g 微粒子スラグ:急冷高炉スラグ微粉砕品、ブレーン値1
3,000cm2/g CSAH成分イ:無水硫酸アルミニウム、市販品 CSAH成分ロ:硫酸アルミニウム18水塩、市販品 CSAH成分ハ:ミョウバン、市販品 CSAH成分ニ:CSAH成分ロと市販の水酸化カルシ
ウムの等量混合物
が流れなくなるまでの時間 圧縮強度 :JIS R 5201に準じて測定、測定材齢1日と
28日 6価クロム溶出量:環境庁告示第46号に準じて測定、測
定材齢1日と28日
2に示すCSAH成分ニを混合したこと以外は実験例1
と同様に行った。結果を表2に併記する。
SAH成分ニ5部、及び表3に示す還元剤を混合して本
注入材を作製したこと以外は実験例1と同様に行った。
結果を評に併記する。
を高さ20cmになるまで入れた。一方、微粒子セメント10
0部に、微粒子スラグ400部、CSAH成分ニ5部、表4
に示す凝結調整剤1部、及びポリエーテル系分散剤1部
を混合し、本注入材を作製した。本注入材100部と水300
部を混合して懸濁液を作製し、この懸濁液を砂を入れた
ポリエチレンチューブに静かに投入し、砂への浸透長
さ、圧縮強度、及び6価クロム溶出量を測定した。結果
を表4に併記する。
化体を取り出し、硬化体の長さを浸透長さとした
入材を使用することにより、 (1)6価クロムの溶出量を低減することができる。 (2)浸透性に優れる。 (3)強度の発現性に優れる。 等の効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】 微粒子セメント、微粒子スラグと、及び
カルシウムサルホアルミネート水和物を生成する成分と
を含有してなる低6価クロム注入材。 - 【請求項2】 さらに、還元剤を含有してなる請求項1
記載の低6価クロム注入材。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
WO2007138648A1 (ja) * | 2006-05-25 | 2007-12-06 | Nittetsu Cement Co., Ltd. | 注入材 |
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-
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- 2000-08-04 JP JP2000236489A patent/JP4619494B2/ja not_active Expired - Lifetime
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