JP2002047329A - 芳香族ポリエステルポリオールおよび当該ポリオールを用いたポリウレタン樹脂 - Google Patents

芳香族ポリエステルポリオールおよび当該ポリオールを用いたポリウレタン樹脂

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JP2002047329A
JP2002047329A JP2000232786A JP2000232786A JP2002047329A JP 2002047329 A JP2002047329 A JP 2002047329A JP 2000232786 A JP2000232786 A JP 2000232786A JP 2000232786 A JP2000232786 A JP 2000232786A JP 2002047329 A JP2002047329 A JP 2002047329A
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polyester polyol
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polyol
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Yasuhiro Matsuzaka
康弘 松坂
Hiroshi Inoue
浩 井上
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリアルキレンフタレート樹脂をグリコ
ールと反応させることにより得られる水酸基価が2
0ないし100mgKOH/g、酸価が0.4mgKO
H/g以下、金属含有量が100μg/g以下、COO
−C64−COO単位の芳香族ポリエステルポリオール
中の含有率が2質量%以上65質量%以下の芳香族エス
テルポリオール。 【効果】 高物性と、低反発を両立するウレタン樹脂を
製造することができる新規な方芳香族ポリエステルポリ
オールを、ポリアルキレンフタレート樹脂を原料として
製造することができ、ポリエチレンフタレート樹脂のケ
ミカルリサイクルも可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン樹脂
の原料として有用な芳香族ポリエステルポリオールおよ
び該芳香族ポリエステルポリオールを製造する方法に関
する。また、本発明の芳香族ポリエステルポリオールの
製造方法において、原料ポリアルキレンフタレートとし
て、回収、再生処理されたポリアルキレンフタレートあ
るいはポリアルキレンフタレートの製造工程や加工工程
などで発生した廃物を用いることが可能な芳香族ポリエ
ステルポリオールの製造方法に関する。さらに、該芳香
族ポリエステルポリオールを用いたウレタン樹脂に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、その優れた物性、
生産性により自動車、建材、家電製品、寝具、家具、衣
料、履物、断熱材、塗料等に広く用いられている。この
うち、直接人間に触れる分野である自動車、家具等のク
ッションや、履物等においては、省エネルギー、低コス
トの観点から軽量化が望まれている。軽量化を行うため
には密度を下げる必要があるが、一般に密度を下げると
引張り強度等の機械物性が低下し、製品として必要な物
性が発現しないばかりか、生産性が落ちることによりコ
スト高になると言う欠点がある。
【0003】軽量化を行い、しかも物性を低下させない
ためにはポリウレタンの機械物性を上げる必要があり、
この問題を解決するために、低モノオールのポリプロピ
レングリコールを用いることにより物性の向上を図る試
み(特開平3−45618号、特開平3−68618号
等公報参照)が開示されている。これによって引張り強
度等の機械物性が向上させることができたが、自動車、
家具等のクッション、履物等のマイクロセルラーやエラ
ストマーにおいて更に要求される、衝撃や振動を吸収す
る性能の高い低反発性についてはより一層の向上が望ま
れている。
【0004】一方、近年、樹脂のリサイクルが要望さ
れ、ポリエチレンテレフタレートなどのケミカルリサイ
クル技術が必要とされていた。リサイクル方法の1つと
して多価アルコールを用いてエステル交換反応によりテ
レフタレート系ポリオールを製造する方法(特開昭59
−105024号、特開昭60−130620号公報)
が開示されているが、ポリオールの分子量が低く、硬質
ポリウレタン用として濁りや沈殿のないポリオールを製
造することにとどまり、芳香族ポリエステルポリオール
として更なる性能の向上が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
機械物性であり、しかも低い反発弾性を有するポリウレ
タン樹脂の製造が可能な芳香族ポリエステルポリオール
を提供することにある。また、回収・再生処理されたポ
リアルキレンフタレート、あるいはポリアルキレンフタ
レートの製造工程や加工工程などで発生した廃物をも原
料とすることが可能である芳香族ポリエステルポリオー
ルの製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定の原料から製
造した、特定の水酸基価と酸価を有する芳香族ポリエス
テルポリオールを使用することにより高機械強度であ
り、かつ、反発弾性の低いポリウレタン樹脂の製造が可
能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は、以下の(1)〜(6)を
提供するものである。 (1) ポリアルキレンフタレート樹脂をグリコールと
反応させることにより得られうる芳香族エステルポリ
オールであって、 1)水酸基価が20ないし100mgKOH/g、 2)酸価が0.4mgKOH/g以下、 3)金属含有量が100μg/g以下、 4) COO−C64−COO単位の芳香族ポリエステ
ルポリオール中の含有率が2質量%以上65質量%以
下、であるポリウレタン樹脂用芳香族エステルポリオー
ル。 (2) 5) 60℃において測定した粘度が200m
Pa・s以上50000mPa・s以下の範囲にある
(1)記載の芳香族ポリエステルポリオール。 (3) 水分含有量が0.3質量%以下のグリコールを
用いて得られた(1)乃至(2)いずれかに記載の芳香
族ポリエステルポリオール。 (4) 重量平均分子量が20000ないし80000
の範囲にあり、数平均分子量が8000ないし3000
0の範囲にあり、水分含有量が0.5質量%以下のポリ
アルキレンフタレートを用いて得られた(1)乃至
(2)いずれかに記載の芳香族ポリエステルポリオー
ル。 (5) ポリアルキレンフタレートとグリコールとによ
り芳香族ポリエステルポリオールを製造するに際し、グ
リコール共存下に水と共沸する溶媒を用いて共沸脱水す
る(1)乃至(4)いずれかに記載の芳香族ポリエステ
ルポリオールの製造方法。 (6) (1)ないし(2)記載の芳香族ポリエステル
ポリオールとポリイソシアナートを反応させることによ
り得られるポリウレタン樹脂。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の芳香族ポリエステ
ルポリオールおよび該芳香族ポリエステルポリオールの
製造方法(以下、「本発明の方法」という)並びに該芳
香族エステルポリオールを用いて製造されたポリウレタ
ン樹脂についてさらに詳細に説明する。
【0009】[芳香族ポリエステルポリオール]本発明
の芳香族ポリエステルポリオールとはポリアルキレンフ
タレート樹脂をグリコールと反応させることにより得
られうる 1)水酸基価が20ないし100mgKOH/g、 2)酸価が0.4mgKOH/g以下、 3)金属含有量が100μg/g以下、 4) COO−C64−COO単位の芳香族ポリエステ
ルポリオール中の含有率が2質量%以上65質量%以
下、 である芳香族エステルポリオールである。本芳香族ポリ
オールはフタル酸骨格を有するジカルボン酸とグリコー
ル化合物が脱水縮合して得られたエステル骨格を主成分
とするものであり、必要に応じてその他の成分をその分
子中に含有していてもよい。水酸基価は通常20mgK
OH/g以上100mgKOH/g以下であり、好まし
くは30mgKOH/g以上100mgKOHである。
また、酸価は0.4mgKOH/g以下であり、好まし
くは0.2mgKOH/g以下である。また、芳香族ポ
リエステルポリオール中に含有される金属分の濃度は、
100μg/g以下であり、好ましくは50μg/g以
下である。特に金属分の中でアンチモン、ゲルマニウム
少なくとも一方を含有する場合、その含有量は60μg
/g以下が好ましく、30μg/g以下が特に好まし
い。COO−C64−COO単位の芳香族ポリエステル
ポリオール中の含有率が2質量%以上65質量%以下、
好ましくは10質量%以上、60質量%以下である。本
発明のCOO−C64−COO単位は実質的に全てエス
テル結合になっているので、以下芳香族エステル含量と
称する。芳香族エステル含量が2質量%以上とすること
で機械物性を向上させることができ、65質量%以下と
することで、芳香族ポリエステルポリオールの粘度を低
く保つことができ、芳香族ポリエステルポリオールを製
造する上で好適であるのみならず、芳香族ポリエステル
ポリオールを用いたレジンプレミックス等の粘度を低減
することができ好ましい。本発明の芳香族ポリエステル
ポリオールの粘度に特に制約はないが、60℃において
測定した粘度が200mPa・s以上50000mPa
・s以下の範囲にあることが望ましい。
【0010】[芳香族ポリエステルポリオールの製造方
法]本発明の芳香族ポリエステルポリオールはエステル
交換反応用触媒の存在下、ポリアルキレンフタレート樹
脂をグリコールと反応させることにより製造することが
できる。前記反応において副生した水やグリコール(即
ち原料であるポリアルキレンテレフタレート樹脂を形成
していたグリコール)は必要に応じて除去することがで
きる。また、必要に応じてアンチモン、ゲルマニウム等
の不純物の除去や精製を実施しても良いことは言うまで
もない。
【0011】(ポリアルキレンフタレート樹脂)本発明
の方法で原料として用いるポリアルキレンフタレート樹
脂としてはフタル酸を用いて製造されたものであればい
ずれでもよく、本芳香族ポリエステルポリオール製造用
に生産されたものであっても、他の目的で製造されたも
のの転用や使用された後の回収ポリアルキレンフタレー
ト樹脂を用いてもよい。ポリアルキレンフタレートの原
料としてはテレフタル酸以外にも、オルソフタル酸、テ
レフタル酸等のフタル酸の異性体等を単独でまたは2種
以上を併用して製造されたものであってもよい。以下、
入手が最も容易であるポリアルキレンテレフタレートを
代表として説明する。バージン樹脂(テレフタル酸とア
ルキレングリコールから製品として製造され、リサイク
ルの工程を経ていない樹脂)の他に、ポリアルキレンテ
レフタレートの製造工程あるいは加工工程で発生した廃
物、またはボトルやフィルムなど別の用途ですでに使用
された後、回収・再生処理されたものなどを用いること
ができる。ポリアルキレンテレフタレート廃物または再
生処理されたものは、どのような形態であっても良い
が、フレーク状またはペレット状のものを用いるのが好
適である。特に、ポリエチレンテレフタレートは飲料用
ボトルの回収・再生処理システムが確立しており、再生
処理品をフレークまたはペレットのかたちで市販品とし
て入手することができる。本発明の方法において用いら
れるこれらのポリアルキレンテレフタレート樹脂に含ま
れる水分は通常0.5質量%以下であることが望まし
く、0.4質量%以下がより好ましい。このようにして
原料ポリアルキレンテレフタレート樹脂の水分量を制御
することにより、得られる芳香族ポリエステルポリオー
ルの酸価の上昇を制御することができる。
【0012】(グリコール)本発明の方法で原料として
用いるグリコールとしては下記一般式(1)[化1]
【化1】 [式中、Rは水素または1〜5の炭素原子から構成され
るアルキル基を表し、lは0以上の整数、mは1以上の
整数を表す]で示されるアルキレングリコールが用いら
れる。式中のl,mに特に限定はないが好ましくはlは
1以上7以下、mは1以上90以下である。具体例とし
て、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラメチレングリコール、ペンタエチレングリコー
ル、ヘキサエチレングリコール、1,2-プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレン
グリコール、ヘキサプロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、ジ1.3−プロピレングリコー
ル、トリ1,3−プロピレングリコール、テトラ1,3
−プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ペンタメチレングリコール、3-メチル1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、1,8
−オクタメチレングリコール、およびこれらのグリコー
ルの縮合物である分子量150ないし4000のオリゴ
マー等が挙げられる。これらは1種単独または2種以上
を含む混合物として用いることができる。原料グリコー
ルの使用量は、芳香族ポリエステルポリオールの粘度、
水酸基価およびポリウレタン樹脂に求められる性能に応
じて適宜決定することができる。本発明の方法において
用いられるこれらの原料グリコールに含まれる水分は通
常0.3質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がよ
り好ましい。このようにして原料グリコール中の水分量
を制御することにより、得られる芳香族ポリエステルポ
リオールの酸価を抑制することができる。
【0013】(エステル交換反応触媒)本発明の方法に
おいては、ポリアルキレンテレフタレートと原料グリコ
ールのエステル交換反応で用いられる触媒は特に限定さ
れず、エステル交換反応において通常用いられる触媒を
用いることができる。例えばルイス酸やアルカリ金属お
よびアルカリ土類金属のカルボン酸塩、プロトン酸、活
性白土、酸性白土、イオン交換樹脂などを挙げることが
できる。より具体的には、テトラブトキシチタネート、
ジブチル錫オキシド、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢
酸亜鉛、安息香酸亜鉛、酢酸リチウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酸価アンチモ
ン、酸価ゲルマニウム、燐酸、ホウ酸、硫酸、p−トル
エンスルホン酸、メタスルホン酸、アンバーリストE1
5などが挙げられる。これらの触媒の使用量は、原料ポ
リアルキレンテレフタレートに対して10ないし500
0μg、好ましくは50ないし1000μgである。
【0014】(エステル交換反応条件)本発明の方法に
おいて、ポリアルキレンテレフタレートと前記原料グリ
コールとのエステル交換反応を行う際の反応温度は、通
常150ないし300℃の範囲で、好ましくは200な
いし250℃の範囲である。圧力はいずれでも良いが、
通常常圧ないし1MPaである。また、エステル交換反
応の反応時間は特に限定されないが,通常、0.5ない
し5時間の範囲で行われる。エステル交換反応は、バッ
チ、セミバッチ、連続いずれの方法で実施しても良い。
エステル交換反応で副生したグリコール成分(即ち原料
であるポリアルキレンテレフタレート樹脂を形成してい
たグリコール)は、必要に応じて留去する。このことに
より芳香族ポリエステルポリオールの水酸基価、粘度を
所定の範囲に制御することができる。このグリコール成
分の留去に際して特に限定の条件はないが、通常、加熱
減圧下に実施する、また、エステル交換反応反応触媒の
存在下に反応させながらグリコール成分を留去しても、
反応終了後留去しても良いが反応時のフタル酸成分とグ
リコール成分の割合を制御することができるので反応時
に留去することが好ましい。グリコール留去の温度は通
常150ないし300℃の範囲であり、好ましくは20
0ないし250℃の範囲である。圧力は通常0.5ない
し0.0001MPa、好ましくは0.1ないし0.0
01MPaの範囲で実施される。
【0015】(芳香族ポリエステルポリオールの後処
理)得られた芳香族ポリエステルポリオールはそのまま
ポリウレタン樹脂に用いても良いが、金属分等の不純物
を除去しても良い。特にアンチモン、ゲルマニウム等の
金属分は上記範囲を超えている場合は吸着剤等を用いて
処理することが必要である。また、得られた芳香族ポリ
エステルポリオール中のアンチモン、ゲルマニウム等の
金属分が上記範囲内にある場合でも吸着除去を実施して
も良いことは言うまでもない。さらに、エステル交換に
用いた触媒がポリオール中に残留していると加水分解性
や熱安定性が悪化するので、吸着剤で除去を行っても良
く、また、テトラブトキシチタネートのような水で加水
分解してポリオールに不溶な化合物になるものは、水を
添加して触媒を加水分解して沈殿させ、濾別して除去し
ても良い。
【0016】[ポリウレタン樹脂]ポリウレタン樹脂
は、軟質ポリウレタンフォーム、硬質ウレタンフォー
ム、半硬質ポリウレタンフォーム、マイクロセルラー、
エラストマー、ウレタン繊維等、さまざまな形態が存在
するが、工業的には、ポリオールとポリイソシアナート
を反応させることにより製造することができ、必要に応
じて鎖延長剤、触媒、発泡剤、整泡剤、安定剤、可塑
剤、充填剤、着色剤等その他の助剤を添加することがで
きる。本願発明のポリウレタン樹脂は、本願発明の芳香
族ポリエステルポリオールを必須成分として含有して製
造されたものである。
【0017】(ポリイソシアナート)本願発明に用いら
れるポリイソシアナートとしては、芳香族ポリイソシア
ナート、脂肪族ポリイソシアナート、脂環式ポリイソシ
アナート、並びに前記ポリイソシアナートをヌレート変
成した変成体、前記ポリイソシアナートの混合体等、通
常のウレタン樹脂に用いられるものであればいずれでも
良い。芳香族ポリエステルポリオールとしては、例えば
ジフェニルメタンジイソシアナート(MDI)、トリレ
ンジイソシアナート(TDI)、キシリレンジイソシア
ナート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシア
ナート(TMXDI)などが挙げられ、粗TDIやポリ
メリックMDIを用いても良い。脂肪族ポリイソシアナ
ートとしては、イソホロンジイソシアナート(IPD
I)、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、水
素化キシリレンジイソシアナート(水添XDI)、水素
化ジフェニルメタンジイソシアナート(水添MDI)等
が挙げられる。脂環式イソシアナートとしては、2,5
−ジイソシアナートメチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプ
タン、2,6−ジイソシアナートメチルビシクロ〔2.
2.1〕ヘプタン、3(4),8(9)−ジ(イソシア
ナートメチル)トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカ
ン(TCDI)等が挙げられる。また、ポリイソシアナ
ートは、ポリオール、その他助剤と反応させる前に、ポ
リオール等の活性水素化合物とあらかじめ部分的に反応
させ変成体(プレポリマー)として使用することもでき
る。本願発明の芳香族ポリエステルポリオールはプレポ
リマーを製造する際の変成剤として使用しても良い。本
願発明の芳香族ポリエステルポリオールによる変成量
は、イソシアナート基の当量100に対して1ないし8
0水酸基当量であり、好ましくは10ないし60水酸基
当量である。
【0018】(ポリオール)ウレタン樹脂に本願発明の
芳香族ポリエステルポリオールが含有していれば本願発
明の芳香族ポリエステルポリオールの効果が発現される
ため、ポリオール中に本願発明の芳香族ポリエステルポ
リオールが含有していても良く、また、ポリオール中、
変成剤中両方に含有していても良く、さらに、ポリオー
ル中には含有せず、プレポリマーを製造する際の変成剤
としてのみ含有しても良い。本願発明の芳香族ポリエス
テルポリオールのポリウレタン樹脂中における含有量は
通常1ないし80質量%好ましくは5ないし60質量%
である。このため、下記のその他のポリオールを含有し
ていても良い。
【0019】(その他のポリオール)その他のポリオー
ルとして通常ウレタン原料として使用される公知のポリ
オールが使用できる。例えば、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール等が挙げられる。
【0020】(鎖延長剤)鎖延長剤としては通常ウレタ
ン原料として使用される公知の鎖延長剤が使用できる。
例えば、低分子グリコール、脂肪族アミン、芳香族アミ
ン等が挙げられる。
【0021】(発泡剤)本発明に用いる発泡剤として
は、公知のハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイド
ロカーボン類、水、炭酸ガスが使用できる。また、これ
らの混合物を使用しても良い。
【0022】(触媒)触媒としては、通常ウレタン樹脂
製造に用いられるアミン類、アジリジン類、第4級アン
モニウム化合物、アルカリ金属塩、鉛化合物、錫化合
物、アルコラート化合物、フェノラート化合物、金属ハ
ロゲン化合物、金属錯体化合物等が使用でき、これらの
混合物を使用しても良い。アミン類としてはトリメチル
アミノエチルピペラジン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモル
フォリン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサ
メチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジ
アゾビシクロウンデセン、1,3,5−トリス(ジメチ
ルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−エチルアジリジ
ン等を挙げることができる。第4級アンモニウム化合物
としては、第3級アミンのカルボン酸塩等を挙げること
ができる。アルカリ金属塩類としては、オクチル酸カリ
ウム、酢酸ナトリウム等が挙げることができる。鉛化合
物としては、ナフテン酸鉛、オクチル酸鉛等を挙げるこ
とができる。錫化合物としてはジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート等を挙げることができる。
アルコラート化合物としてはナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド等を挙げることができる。フェノラ
ート化合物としては、カリウムフェノキシド、リチウム
フェノキシド、ナトリウムフェノキシド等を挙げること
ができる。金属ハロゲン化物としては、塩化鉄、塩化亜
鉛、臭化亜鉛、塩化錫等を挙げることができる。金属錯
体化合物としては、アセチルアセトン金属塩等の金属錯
体化合物等を挙げることができる。これらの触媒は、単
独または2種以上併用して用いることができ、その使用
量はポリオール100重量部に対して、0.001ない
し15.0重量部が適当である。
【0023】(整泡剤)整泡剤としては、従来公知の含
珪素有機系の界面活性剤が用いられる。例えば、信越化
学工業(株)製のF−327、F−345、F−30
5、日本ユニカー(株)製のSZ−1127、SZ−1
142、SZ−1605、SZ−1642、SZ−16
49、SZ−1655、L−580、L−5302、L
−5740、L−5402、L−5421等、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製のSF−2935
F、SF−2938F、SF−2940F、SF−29
45F、SF−2908、SRX−294A、SH−1
90、SH−192、SH−193等が挙げられる。 (助触媒)助触媒として例えば、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネー等のカーボネート化合物やリ
ン酸エステル、亜リン酸エステル等のリン酸化合物を挙
げることができる。
【0024】(製造方法)本発明のポリウレタン樹脂の
製造方法は、以下のようにして製造する。
【0025】イソシアナートを含有する液をA液とし、
ポリオールを含有する液をB液とし、後述する装置を用
いて2液を混合させ、発泡、硬化させることによって得
られる。
【0026】鎖延長剤、発泡剤、触媒、整泡剤等の助剤
については必要に応じてあらかじめA液、および/また
はB液に適宜混合する。
【0027】イソシアナート基と活性水素基の割合(N
CO/OH当量比)は、0.7ないし5.0の範囲、好
ましくは0.9ないし3.0の範囲が好適である。NC
O/OH当量比が0.7以上がウレタン樹脂物性に優
れ、5.0以下が脆性を低く保つことができるため好ま
しい。
【0028】(製造装置)上記の原料からポリウレタン
樹脂を製造するにあたっては、均一に混合可能であれば
いかなる装置でも使用できる。例えば、小型ミキサーや
一般のウレタンフォーム製造用の低圧または高圧発泡機
を使用することができる。また、混合に先立ち必要に応
じて加熱することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、以下例中において用いる部および%は特記の
ない限り重量基準を示す。
【0030】[測定方法] (ポリオール酸価の測定方法)JIS−K1557に従
って測定を行った。 (ポリオール水酸基価の測定方法)JIS−K1557
に従って測定を行った。 (ポリオール粘度の測定方法)JIS−K1557に従
って60℃にて測定を行った。 (グリコール水分の測定方法)JIS−K1557に従
って測定を行った。 (ポリアルキレンテレフタレート水分の測定方法)ポリ
アルキレンテレフタレートのペレット、または、フレー
クを、100℃に加熱しながら乾燥窒素を流通させ、カ
ールフィッシャー法にて水分を測定した。 (ポリアルキレンテレフタレート分子量の測定方法)ポ
リアルキレンテレフタレート0.05グラムを脱気した
テトラヒドロフラン20mlに溶解し、0.2μmのメン
ブランフィルターを用いてろ過した濾液をサンプルとし
て、媒体がTHFのゲル浸透クロマトグラフィーにてポ
リスチレン標準物質として分子量を測定した。 (芳香族ポリエステルポリオールの水分測定方法)JI
S−K1557に従って測定を行った。 (芳香族ポリエステルポリオールの金属分の測定方法)
ポリオール1グラムをコニカルビーカーに採取し、濃硫
酸5mlを加えてホットプレート(あるいは電熱ヒータ
ー)上で加熱分解を行い、硫酸白煙の状態で過酸化水素
を加えて有機物を分解した。得られた分解性生物を10
0mlに定容した後、ICP発光分光分析により金属分
濃度を定量した。
【0031】(ポリウレタン樹脂の評価処方)実施例お
よび比較例において、下記の原料を下記の比率で用い
た。 <イソシアナートサイドに用いる成分>イソシアナー
ト:ジフェニルメタンジイソシアナート(三井化学(株)
製 コスモネートPH)53重量部、変成剤として下記
実施例、比較例のポリオール7重量部を混合したものを
用いた。
【0032】<レジンサイドに用いる成分>ポリオール
として、三井化学(株)製 三井ポリオールEP−828
60重量部、三井化学(株)製 三井ポリオールED−
28 40重量部を、架橋剤として東京化成工業(株)製
1,4−ブタンジオール 8重量部、発泡剤として水
0.6重量部、触媒として活剤ケミカル(株)製MINI
CO 0.5重量部、整泡剤として東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製 SF−2962 1.0重量部
を混合したものを用いた。
【0033】<ポリウレタン樹脂の製造方法>イソシア
ナートサイド、レジンサイドをあらかじめ40℃に温調
し、ホモミキサーを用いて攪拌、混合し、あらかじめ4
0℃に温調しておいたモールドに注入した。注入後、モ
ールドを40℃に温調したオーブンに入れ、500秒後
に脱型し、物性測定を行った。
【0034】(実施例1)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
1979g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.25質量%)(以下、P
ETと称する)、トリエチレングリコール(三井化学
(株)製 2020g、水分含有量0.20質量%)
(以下、TEGと称する)を装入し、−100kPaの
減圧下、50℃にて脱水を行った。窒素を流通させなが
ら常圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタネ
ート(和光純薬工業(株)製 0.4g)を添加し、2
30℃で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエステル交換反
応を行った。この時点でポリエチレンテレフタレートの
フレークは完全に消失し、均一な淡黄色液体になった。
【0035】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(748g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一な芳香族ポ
リエステルポリオール(3252g)を得た。計算上の
芳香族エステル含量は43.6%であった。得られた芳
香族ポリエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価
を行った。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張
強度、反発弾性とも良好な結果を示した。
【0036】(実施例2)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
1712g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.25質量%)、トリプロ
ピレングリコール(東京化成工業(株)製 2289
g、水分含有量0.27質量%)(以下、TPGと称す
る)を装入し、−100kPaの減圧下、50℃にて脱
水を行った。窒素を流通させながら常圧に戻し、触媒と
してテトラ−n−ブトキシチタネート(和光純薬工業
(株)製 0.4g)を添加し、230℃で1時間、常
圧の窒素雰囲気下でエステル交換反応を行った。この時
点でポリエチレンテレフタレートのフレークは完全に消
失し、均一な淡黄色液体になった。
【0037】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(821g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一な芳香族ポ
リエステルポリオール(3179g)を得た。計算上の
芳香族エステル含量は37.0%であった。得られた芳
香族ポリエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価
を行った。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張
強度、反発弾性とも良好な結果を示した。
【0038】(実施例3)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
1979g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.25質量%)、トリエチ
レングリコール(三井化学(株)製 772g、水分含
有量0.20質量%)、水酸基価280のポリプロピレ
ングリコール(Diol−400 三井化学(株)製
1819g、水分含有量0.2質量%以下)(以下、D
−400と称する)を装入し、−100kPaの減圧
下、50℃にて脱水を行った。窒素を流通させながら常
圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタネート
(和光純薬工業(株)製0.4g)を添加し、230℃
で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエステル交換反応を行
った。この時点でポリエチレンテレフタレートのフレー
クは完全に消失し、均一な淡黄色液体になった。
【0039】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(549g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一な芳香族ポ
リエステルポリオール(3651g)を得た。計算上の
芳香族エステル含量は28.1%であった。得られた芳
香族ポリエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価
を行った。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張
強度、反発弾性とも良好な結果を示した。
【0040】(実施例4)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
1326 g、重量平均分子量55700、数平均分
子量18600、水分含有量0.25質量%)、トリプ
ロピレングリコール(東京化成工業(株)製 940
g、水分含有量0.27質量%以下)、水酸基価280
のポリエチレングリコール(PEG−400 東京化成
工業(株)製 1733g、水分含有量0.25質量
%)(以下、Peg400と称する)を装入し、−10
0kPaの減圧下、50℃にて脱水を行った。窒素を流
通させながら常圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブト
キシチタネート(和光純薬工業(株)製 0.4g)を
添加し、230℃で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエス
テル交換反応を行った。この時点でポリエチレンテレフ
タレートのフレークは完全に消失し、均一な淡黄色液体
になった。
【0041】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(542g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一なポリエス
テルポリオール(3658g)を得た。計算上の芳香族
エステル含量は26.4%であった。得られた芳香族ポ
リエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価を行っ
た。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張強度、
反発弾性とも良好な結果を示した。
【0042】(実施例5)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
1057g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.25質量%)、水酸基価
280のポリプロピレングリコール(Diol−400
三井化学(株)製 2943g、水分含有量0.16
質量%)を装入し、−100kPaの減圧下、50℃に
て脱水を行った。窒素を流通させながら常圧に戻し、触
媒としてテトラ−n−ブトキシチタネート(和光純薬工
業(株)製 0.4g)を添加し、230℃で1時間、
常圧の窒素雰囲気下でエステル交換反応を行った。この
時点でポリエチレンテレフタレートのフレークは完全に
消失し、均一な淡黄色液体になった。引き続き、温度を
230℃に保ちながら反応容器内を−50ないし−10
0kPaに減圧し、ポリエチレンテレフタレートから副
生するエチレングリコールを含む留出分(346g)を
留去した。反応混合物を80℃まで冷却し、蒸留水を5
0g添加し、100℃にて1時間反応を行った。その
後、120℃にて−100kPaまで昇温、減圧し、脱
水を行った。その後、4μmの穴径を持つフィルターを
用いて3MPaの窒素を用いて加圧ろ過することによ
り、淡黄色で均一な芳香族ポリエステルポリオール(3
651g)を得た。計算上の芳香族エステル含量は1
9.9%であった。得られた芳香族ポリエステルポリオ
ールをウレタン樹脂にして評価を行った。結果を表1に
記載した。反応性、密度、引張強度、反発弾性とも良好
な結果を示した。
【0043】(実施例6)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
753g、重量平均分子量55700、数平均分子量
18600、水分含有量0.25質量%)、ジエチレン
グリコール(三井化学(株)製 348g、水分含有量
0.17質量%)(以下、DEGと称する)、水酸基価
112のポリプロピレングリコール(Diol−100
0三井化学(株)製 2899g、水分含有量0.15
質量%)(以下、D1000と称する)を装入し、−1
00kPaの減圧下、50℃にて脱水を行った。窒素を
流通させながら常圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブ
トキシチタネート(和光純薬工業(株)製 0.4g)
を添加し、230℃で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエ
ステル交換反応を行った。この時点でポリエチレンテレ
フタレートのフレークは完全に消失し、均一な淡黄色液
体になった。
【0044】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(289g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一な芳香族ポ
リエステルポリオール(3651g)を得た。計算上の
芳香族エステル含量は14.0%であった。得られた芳
香族ポリエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価
を行った。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張
強度、反発弾性とも良好な結果を示した。
【0045】(実施例7)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
2346g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.25質量%)、ジエチレ
ングリコール(三井化学(株)製 1654g、水分含
有量0.2質量%以下)を装入し、−100kPaの減
圧下、50℃にて脱水を行った。窒素を流通させながら
常圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタネー
ト(和光純薬工業(株)製0.4g)を添加し、230
℃で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエステル交換反応を
行った。この時点でポリエチレンテレフタレートのフレ
ークは完全に消失し、均一な淡黄色液体になった。
【0046】引き続き、温度を230℃に保ちながら反
応容器内を−50ないし−100kPaに減圧し、ポリ
エチレンテレフタレートから副生するエチレングリコー
ルを含む留出分(952g)を留去した。反応混合物を
80℃まで冷却し、蒸留水を50g添加し、100℃に
て1時間反応を行った。その後、120℃にて−100
kPaまで昇温、減圧し、脱水を行った。その後、4μ
mの穴径を持つフィルターを用いて3MPaの窒素を用
いて加圧ろ過することにより、淡黄色で均一な芳香族ポ
リエステルポリオール(3048g)を得た。計算上の
芳香族エステル含量は52.9%であった得られた芳香
族ポリエステルポリオールをウレタン樹脂にして評価を
行った。結果を表1に記載した。反応性、密度、引張強
度、反発弾性とも良好な結果を示した。
【0047】
【表1】
【0048】(比較例1)水酸基価56のポリプロピレ
ングリコール(Diol−2000 三井化学(株)製
2899g、水分含有量0.15質量%)(以下、D
−2000と称する)を用いてウレタン樹脂を製造して
評価を行った。結果を表2に記載した。
【0049】(比較例2)水酸基価56のポリプロピレ
ングリコールを製造するために、亜鉛コバルトシアン化
物と塩化亜鉛、水、ジメトキシエタノールからなるいわ
ゆる複合金属シアノ化錯体触媒(DMC触媒)を使用
し、モノオール含有量の低いポリプロピレングリコール
(以下、低モノオールPPGと称する)を合成し、ウレ
タン樹脂を製造して評価をおこなった。結果を表2に記
載した。
【0050】(比較例3)攪拌機および蒸留塔、温度計
を取り付けた5リットル4つ口丸底フラスコに窒素を流
通させ、十分に乾燥した後、再生ポリエチレンテレフタ
レート(よのペットボトルリサイクル(株)製フレーク
2490g、重量平均分子量55700、数平均分子
量18600、水分含有量0.3質量%)、1,4−ブ
タンジオール(和光純薬(株)製 1509g、水分含
有量0.2質量%以下)を装入し、−100kPaの減
圧下、50℃にて脱水を行った。窒素を流通させながら
常圧に戻し、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタネー
ト(和光純薬工業(株)製0.4g)を添加し、230
℃で1時間、常圧の窒素雰囲気下でエステル交換反応を
行った。この時点でポリエチレンテレフタレートのフレ
ークは完全に消失し、均一な淡黄色液体になった。引き
続き、温度を230℃に保ちながら反応容器内を−50
ないし−100kPaに減圧し、ポリエチレンテレフタ
レートから副生するエチレングリコールを含む留出分
(804g)を留去した。反応混合物を80℃まで冷却
したところ、反応物が白くなり固まってしまい、その後
の評価が不可能となった。
【0051】(比較例4)実施例1に使用した芳香族ポ
リエステルポリオールに、モノメチルテレフタレートを
添加し、酸価を0.55mgKOH/gに調製した。結
果を表2に示す。
【0052】(比較例5)実施例1に使用した芳香族ポ
リエステルポリオールに、酢酸アンチモンを添加し、金
属分を150μg/gに調製した以外、実施例1と同様
にして実験を行った。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】新規な芳香族ポリエステルポリオールを
提供するものである。この新規な芳香族ポリオールはポ
リアルキレンフタレート樹脂とグリコールをエステル交
換することによりえられうるものであり、回収・再生さ
れたポリアルキレンテレフタレートや製造工程、加工工
程で発生した廃物のポリアルキレンテレフタレートを使
用することが出来るため、資源の節約や、廃棄物の減量
等にも効果がある。またこの新規な芳香族ポリエステル
ポリオールを用いてポリウレタンを製造することによ
り、高強度でありかつ低反発弾性であるポリウレタン樹
脂を製造することが可能となり、クッション性を必要と
する用途に好適な樹脂、エラストマー、発泡体、微発泡
体を供給することができる。また、本願発明の芳香族ポ
リエステルポリオールは、製造時にその酸価を低くする
ことができるのでするために、改めて塩基等で中和する
必要がない。高価な塩基成分を必要とせず、また、中和
工程も必要でないので装置、操作ともに簡便である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA01 AA03 AB01 AB04 AD01 AD02 AD03 AD10 AE17 BA08 BF08 BF09 BF10 BF17 BF18 CB04A CB05A CB06A JE162 JE182 KA02 KB03 KC04 KC05 KH01 KH06 KJ02 4J034 BA03 DF01 DF14 DF21 DF22 HA01 HA06 HA07 HC01 HC02 HC03 HC11 HC12 HC22 HC46 HC47 HC52 HC55 HC61 HC63 HC66 HC67 HC71 HC73 LB06 QA02 QA05 RA03 RA11 RA15 RA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンフタレート樹脂をグリコ
    ールとを反応させることにより得られうる芳香族エステ
    ルポリオールであって、 1)水酸基価が20ないし100mgKOH/g、 2)酸価が0.4mgKOH/g以下、 3)金属含有量が100μg/g以下、 4) COO−C64−COO単位の芳香族ポリエステ
    ルポリオール中の含有率が2質量%以上65質量%以
    下、であることを特徴とするポリウレタン樹脂用芳香族
    エステルポリオール。
  2. 【請求項2】 5) 60℃において測定した粘度が2
    00mPa・s以上50000mPa・s以下の範囲に
    あることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエステ
    ルポリオール。
  3. 【請求項3】 水分含有量が0.3質量%以下のグリコ
    ールを用いて得られたことを特徴とする請求項1乃至2
    いずれかに記載の芳香族ポリエステルポリオール。
  4. 【請求項4】 重量平均分子量が20000ないし80
    000の範囲にあり、数平均分子量が8000ないし3
    0000の範囲にあり、水分含有量が0.5質量%以下
    のポリアルキレンフタレートを用いて得られたことを特
    徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の芳香族ポリエ
    ステルポリオール。
  5. 【請求項5】 ポリアルキレンフタレートとグリコール
    とにより芳香族ポリエステルポリオールを製造するに際
    し、グリコール共存下に水と共沸する溶媒を用いて共沸
    脱水することを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記
    載の芳香族ポリエステルポリオールの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし2記載の芳香族ポリエス
    テルポリオールとポリイソシアナートを反応させること
    により得られるポリウレタン樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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