JP2002047207A - 発毛・育毛促進剤 - Google Patents

発毛・育毛促進剤

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JP2002047207A
JP2002047207A JP2000236827A JP2000236827A JP2002047207A JP 2002047207 A JP2002047207 A JP 2002047207A JP 2000236827 A JP2000236827 A JP 2000236827A JP 2000236827 A JP2000236827 A JP 2000236827A JP 2002047207 A JP2002047207 A JP 2002047207A
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hair
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Masahiro Hara
正啓 原
Hachiro Tagami
八朗 田上
Setsuya Aiba
節也 相場
Makiko Iguchi
牧子 井口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛乳頭細胞の増殖促進作用や毛の生長促進活
性をもつHGF(肝細胞増殖因子)の分泌亢進作用を有
し、優れた発毛・育毛促進効果を有する発毛・育毛促進
剤を提供すること。 【解決手段】 毛乳頭細胞に存在するエンドセリン−1
(ET−1)に対して特異的親和性を有する受容体、例
えばET−1,2高親和性のET−A受容体と非選択性
のET−B受容体に作用し、毛乳頭細胞の増殖促進作用
及び/又はHGF等の発毛促進作用を有する生理活性物
質の分泌亢進作用を有する物質、例えばET−1、ET
−1類縁体、上記受容体のアゴニストを有効成分として
含有する発毛・育毛促進剤や、かかる発毛・育毛促進剤
が配合されている化粧料を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛乳頭細胞表面に
存在するエンドセリン−1の特異的受容体に作用して、
毛乳頭細胞の増殖促進作用及び/又はHGF(肝細胞増
殖因子)等の発毛促進作用を有する生理活性物質の分泌
亢進作用を有する物質を有効成分とする発毛・育毛促進
剤や、かかる発毛・育毛促進剤が配合された化粧料等に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から種々の発毛・育毛剤が、禿頭、
薄毛、フケ、脂潤などの生理学的諸症状に対応し、その
予防や治療のために使用されてきている。一般に、発毛
・育毛料の有効成分としては、頭皮の血液循環を良好に
して、皮膚機能を高めることで毛包、毛球部の新陳代謝
機能を活発にする成分、あるいは、フケ、かゆみの防
止、栄養補給、保湿などを行って頭皮生理機能を正常に
維持する成分等が挙げられるが、従来より、上記作用を
有する成分の研究開発は広く行われており、これまでに
数多くの生薬、植物抽出エキスや合成化合物が発毛、育
毛成分として報告されている。例えば、従来のこの種の
発毛・育毛剤としては、ペンタデカン酸グリセリド、セ
ファランチン、ビタミンE、アロキサジン、ピリジンN
−オキシド、アデノシン−3′,5′−サイクリックモ
ノホスフェート、ヨクイニン、イチョウ、カシュウ等の
抽出エキス、センブリ抽出液、溶性シスチン、ニンジン
抽出液、1−メントール、イソプロピルメチルフェノー
ル、グリチルレチン酸、酢酸トコフェロール、ヒノキチ
オール、トウガラシチンキ、甘草エキス、ニコチン酸ア
ミド、サルチル酸、ステロイド配糖体、トリテルペノイ
ド配糖体、タカナール、ミノキシジル等を有効成分とし
て配合したものが知られている。
【0003】他方、エンドセリン−1(以下「ET−
1」という)は、柳沢らにより豚大動脈内皮細胞の培養
上清より単離された21アミノ酸残基からなる血管収縮
因子として知られている(Nature 332, 411, 1988)。
ET−1には、21アミノ酸残基からなる異なる遺伝子
にコードされるアイソフォームとしてのエンドセリン−
2(以下「ET−2」という)及びエンドセリン−3
(以下「ET−3」という)が存在する。これらエンド
セリンは哺乳類のみで同定されているが、ヘビ毒サラホ
トキシン、ビブロトキシンと相同性を有することも知ら
れている。上記3種のアイソフォームに対して特異的親
和性を有する受容体としては、ET−1,2高親和性の
ET−A受容体と非選択性のET−B受容体の2種が構
造決定されており、いずれも膜貫通ドメインを7つもつ
Gタンパク質共役受容体であることが知られている。E
T−1は表皮細胞から紫外線の刺激を受けて分泌され、
色素細胞を活性化しメラニン色素を分泌する結果、皮膚
に色素沈着(日焼け)を生じさせる作用を有することは
知られていたが、発毛や育毛にいかなる作用を有するか
については現在に至るまで何ら報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】病的な円形脱毛症ある
いは壮年性脱毛(いわゆる若禿げ)に悩む人は多い。し
かし現在のところ、医学的裏づけのある発毛・育毛剤は
数少なく、その効果もあまり期待できない状況にある。
また、ある程度の効果を有するものでも刺激が強く皮膚
炎を起こす、あるいは、副作用のため長期使用が困難で
ある等の問題があった。本発明の課題は、毛乳頭細胞の
増殖促進作用や毛の生長促進活性をもつHGF(肝細胞
増殖因子)の分泌亢進作用を有し、優れた発毛・育毛促
進効果を有する発毛・育毛促進剤を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】色素斑を呈する病変部に
時々多毛が生じることがあり、なかでも内服PUVA療
法による色素沈着部、あるいは晩発生皮膚ポルフィリン
症の日光露出部においては色素沈着と多毛が同じ部位に
同時期に生じることから、紫外線が共通の刺激と考えら
れるが、紫外線刺激と多毛の因果関係についてはよくわ
かっていない。ET−1は皮膚においては紫外線刺激に
より表皮細胞より分泌され、色素細胞を活性化すること
が最近明らかになった(Imokawa G, Y. Yada, M. Miyag
ishi: Endothelin secreted from human keratinocytes
are intrinsic mitogens for human melanocytes. J.
Biol Chem 267: 24675-24680, 1992、Imokawa G, M. Mi
yagishi, Y. Yada. Endothelin-1 as a new melanogen:
coordinated expressionof its gene and the tyrosin
ase gene in UVB-exposed human epidermis. J. Inves
t. Dermatol. 105: 32-37, 1995、Hara M, Y. Mina, B.
A. Gilchrest. Endothelin-1 of keratinocyte origin
is a mediator of melanocyte dendricity.J. Invest.
Dermatol. 105: 744-748, 1995)。本発明者らは、皮
膚におけるET−1の種々の作用を研究する過程で、毛
乳頭細胞に対するET−1の作用効果について、たまた
ま検討したところ、ET−1が毛乳頭細胞の増殖促進、
毛の生長促進活性を有するHGFの分泌亢進の効果を示
した。さらに、単離した毛組織を培養し、ET−1で刺
激すると毛の生長速度が有意に増加することや、生まれ
た直後の無毛状態のマウスにET−1を皮下注射で投与
した場合に発毛が促進されることを確認した。本発明
は、これら知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0006】すなわち本発明は、毛乳頭細胞表面に存在
するエンドセリン−1受容体に作用し、毛乳頭細胞の増
殖促進作用及び/又は発毛促進作用を有する生理活性物
質の分泌亢進作用を有する物質を有効成分として含有す
ることを特徴とする発毛・育毛促進剤(請求項1)や、
発毛促進作用を有する生理活性物質がHGFであること
を特徴とする請求項1記載の発毛・育毛促進剤(請求項
2)や、エンドセリン−1を有効成分として含有するこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の発毛・育毛促進剤
(請求項3)や、エンドセリン−1類縁体を有効成分と
して含有することを特徴とする請求項1又は2記載の発
毛・育毛促進剤(請求項4)や、エンドセリン−1の特
異的受容体のアゴニストを有効成分として含有すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の発毛・育毛
促進剤(請求項5)や、請求項1〜5のいずれか記載の
発毛・育毛促進剤を配合することを特徴とする化粧料
(請求項6)や、請求項1〜5のいずれか記載の発毛・
育毛促進剤を用いることを特徴とする発毛・育毛の促進
方法(請求項7)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の発毛・育毛促進剤として
は、毛乳頭細胞に存在するET−1の特異的受容体に作
用し、毛乳頭細胞の増殖促進作用及び/又はHGF等の
発毛促進作用を有する生理活性物質の分泌亢進作用を有
する物質を有効成分として含有するものであれば特に制
限されるものではないが、かかる毛乳頭細胞の増殖促進
作用及び/又はHGF等の発毛促進作用を有する生理活
性物質の分泌亢進作用を有する物質としては、ET−
1、ET−1類縁体、及びET−1の特異的受容体のア
ゴニストを具体的に例示することができ、これらは単独
あるいは2種以上混合して用いることができる。本発明
の発毛・育毛促進剤は、毛髪を支えている皮膚と毛髪自
身との両者に働きかけて、両者の働きの成果である発毛
を促進し、また、既に存在する毛髪に対しても、その保
全に好ましい作用を働きかけて育毛を促進することがで
きる。
【0008】上記ET−1類縁体としては、ET−1に
対して特異的親和性を有する受容体、例えばET−1,
ET−2高親和性のET−A受容体や非選択性のET−
B受容体に作用し、毛乳頭細胞の増殖促進作用及び/又
は発毛促進作用を有する生理活性物質の分泌亢進作用を
有するものであれば特に制限されるものではなく、ET
−2、ET−3等のET−1のアイソフォームや、配列
表の配列番号1で表される21アミノ酸残基からなるE
T−1のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が
欠失、置換、もしくは付加されたアミノ酸配列からな
り、毛乳頭細胞の増殖促進作用及び/又は毛の生長促進
活性をもつHGF等の発毛促進作用を有する生理活性物
質の分泌亢進作用を有するペプチド等を例示することが
できる。
【0009】また上記ET−1に対して特異的親和性を
有する受容体のアゴニストとしては、ET−1,ET−
2高親和性のET−A受容体や非選択性のET−B受容
体に結合して特異的な反応を生じさせる物質であれば特
に制限されるものではなく、例えば21アミノ酸残基な
いし数個のアミノ酸残基からなるET−1におけるET
−A受容体やET−B受容体との結合部位を構成するペ
プチド等を例示することができる。
【0010】本発明の化粧料としては、上記の本発明の
発毛・育毛促進剤が配合されているものであれば特に制
限されるものではなく、本発明の発毛・育毛促進剤の発
毛・育毛促進作用を利用した頭髪用の化粧料、頭皮用の
化粧料、育毛用の化粧料として用いることができる。ま
た、本発明の化粧料の剤型としては、毛髪への作用を期
待し得るものであれば、特に限定されるものではなく、
例えば、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ポマー
ド、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアトリートメン
ト等の通常化粧料として用いられているものを例示する
ことができ、これら種々の剤型の化粧料は従来公知の通
常の方法に従って製造することができる。
【0011】また、本発明の化粧料には、通常、頭髪用
化粧料、頭皮用化粧料、育毛用化粧料等に適用される炭
化水素類、ロウ類、油脂類、エステル類、高級脂肪酸
類、高級アルコール類、界面活性剤類、各種香料、各種
色素、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、アルコール
類、pH調整剤、各種薬効成分等を適宜選択して配合す
ることができる。また、本発明の化粧料には、本発明の
発毛・育毛促進剤以外の発毛・育毛成分を配合すること
もできる。
【0012】本発明の発毛・育毛の促進方法としては上
記の本発明の発毛・育毛促進剤を用いて、頭髪の発毛や
育毛を促進する方法であれば特に制限されるものではな
く、本発明の発毛・育毛促進剤の用い方としては、特に
制限されるものではないが、上記頭髪用の化粧料、頭皮
用の化粧料、育毛用の化粧料など、本発明の発毛・育毛
促進剤を配合した化粧料などとして用いる方法を挙げる
ことができる。本発明の発毛・育毛促進剤を頭髪や頭皮
に適用する場合の濃度としては、例えば有効成分がET
−1の場合、10-9〜10-6M濃度、好ましくは10-8
〜10-7M濃度を例示することができる。
【0013】以下本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明の技術的範囲はかかる実施例により何ら制限
されるものではない。 実施例1[毛乳頭細胞におけるエンドセリン−1受容体
の発現] 正常ヒト頭皮より単離培養したヒト培養毛乳頭細胞(東
北大学医学部皮膚科教室にて確立している)を培養し、
mRNAを抽出後、エンドセリン−1受容体であるET
−AレセプターをRT−PCR法にて検出した。すなわ
ち、DMEM培地(GibcoBRL社製)を用いてヒト培養毛
乳頭細胞を100mmφ培養シャーレ(Falcon社製)に
培養した。培養液を除去し、細胞をPBSで洗浄した
後、セルスクレーパー(IWAKI社製)にて細胞をかき集
め、RNA抽出試薬(Isogen;ニッポンジーン社製)に
て全RNAを抽出した。逆転写酵素(タカラ社製)を用
いて、抽出した全RNA1μgからcDNAを合成し
た。得られたcDNA(50ng/μl)2.0μlに
対して、PCR反応を行った。PCR反応におけるプラ
イマーの組合せとしては、ET−A[ET−A(forwar
d):5′CCTTTTGATCACAATGACTT
T−3′(配列番号2)、ET−A(reverve):3′
−TTTGATGTGGCATTGAGCATACAG
−5′(配列番号3)]を用いた。cDNA(50ng
/μl)2μlに、DDWを33.8μl、10×Ex
bufferを5.0μl、2.5mMのdNTPs
mixを4.0μl、5U/μlのrExTaq(宝
酒造社製)を0.2μl、20μMの上記各プライマー
を2.5μl加え、全量50μlでPCR反応を行っ
た。サーマルサイクルのプログラムは、最初のみ94℃
で3分間変性させ、その後94℃で1分間熱変性させ、
45℃で1分間伸張させ、72℃で1分間アニーリング
するというサイクルを35回繰り返し、最後に72℃で
10分間アニーリングを行った。その後、PCR増幅産
物をアガロースゲル(2%)電気泳動法により分離した
後、エチジウムブロミド染色を行い、写真撮影を行っ
た。結果を図1に示す。この結果、検討した2系列の培
養毛乳頭細胞においてET−Aレセプターの発現を確認
した。
【0014】実施例2[ET−1の毛乳頭細胞に対する
増殖活性] 上記ヒト培養毛乳頭細胞に対するET−1の増殖活性を
Brdu法(及びMTTアッセイ法)により検討した。
各種濃度(10-9〜10-6M)のET−1及びブロモデ
オキシウリジンを含む培地に、ヒト培養毛乳頭細胞を1
4/mlとなるように接種し、96ウェル培養シャー
レ(Falcon社製)中37℃で24時間培養した。培養液
を除去し、細胞をPBSで洗浄した後、セルスクレーパ
ー(IWAKI社製)にて細胞をかき集め、"Brdu-detection
kit. Boehringer Mannheim MTTassay"に記載された検
出法により細胞内に取り込まれたBrdu量を、波長4
20nmの吸光度を分光光度計(日立社製)を用いて測
定した。結果を図2(各濃度におけるn数は5)に示
す。図2中、**印はET−1を含まない培地を用いた場
合(コントロール)とET−1を含む培地を用いた場合
との間で有意差(p<0.05)が認められたことを表
している。図2からもわかるように、ET−1濃度が1
-8〜10-7MのときBrduの取り込み率が最高約5
0%増加していた。このことは、ET−1濃度が10-8
〜10-7Mのときヒト培養毛乳頭細胞の増殖が倍近く速
くなっていることを示している。
【0015】実施例3[ET−1刺激後のBrdu取込
み量の経時変化] 次に、10-7MのET−1による刺激後のBrdu取込
み量の経時変化を実施例2と同様にして測定した。結果
を図3(各時間におけるn数は5)に示す。図3中、*
印は12時間後のBrdu取込み量とそれ以外のBrd
u取込み量との間で有意差(p<0.05)が認められ
たことを表している。図3からもわかるように、12時
間後にBrdu取込みのピークが観察された。このこと
から、ET−1による刺激12時間後に、ヒト培養毛乳
頭細胞の増殖速度が最大になることがわかる。
【0016】実施例4[ET−1刺激によるFPCの細
胞数の増加] ET−1刺激によるヒト培養毛乳頭細胞の細胞数の増加
について調べた。96ウェルのマイクロタイタープレー
ト(450nm吸光度;マイクロプレートリーダー EA
R400.SLT-LABINSTRUMNTS、オーストリア)を用い、各種
濃度(10-9〜10-6M)のET−1を含むDMEM培
地100μl/ウェルに、ヒト培養毛乳頭細胞を104
/ウェルとなるように接種し、CO2雰囲気下37℃で
7日間培養した。培養後、MTT assayを行っ
た。結果を図4(各濃度におけるn数は5)に示す。E
T−1濃度が10-8〜10-7MのときFPCの細胞数が
約30%増加していた。このことは、ET−1濃度が1
-8〜10-7Mのときヒト培養毛乳頭細胞の増殖が速
く、細胞数が増加することを意味している。
【0017】実施例5[ET−1刺激によるFPCのH
GF分泌の亢進] ET−1刺激に対するヒト培養毛乳頭細胞(FPC)の
HGF(肝細胞増殖因子)、KGF(角質細胞増色因
子)及びPDGF(血小板由来増殖因子)の分泌に及ぼ
す影響を検討した。DMEM培地(Gibco社製)を用い
てヒト培養毛乳頭細胞及び比較のための線維芽細胞を1
00mmφ培養シャーレ(Falcon社製)にそれぞれ培養
した。培養24時間後、それぞれに最終濃度10-7Mの
ET−1又はPBS(コントロール)を加え、さらに4
8時間培養した。48時間後培養上清を回収し、抗HG
Fモノクローナル抗体、抗KGFモノクローナル抗体、
抗PDGFモノクローナル抗体を用いたELISAを常
法により行い、各細胞におけるHGF、KGF、PDG
Fの分泌量を測定した。FPCはET−1刺激によりH
GF分泌の亢進が有意に認められたが、KGF、PDG
Fの分泌亢進は認められなかった。また、ET−1処理
によるFBのHGF、KGF、PDGFの分泌の亢進は
認められなかった。ET−1刺激によるFPC(FP)
とFBのHGF分泌についての測定結果(各n数は5)
を図5に示す。図5中、*印はET−1刺激によるFP
CのHGF分泌量とET−1で刺激しなかった場合のF
PCのHGF分泌量との間で有意差(p<0.05)が
認められたことを表している。
【0018】実施例6[ET−1刺激による毛包の成長
促進] 毛組織全体に及ぼす影響を検討する目的で、ET−1
(最終濃度;10-7M)添加のWilliam“s培地にて、単
離した毛包を文献(Philpott M. P., Green M. R, and
Kealey T. Rat hair follicle growth in vitro. Briti
sh J. Dermatol.1992, 127. 600-607)記載の方法に準
じて器官培養した。結果を図6に示す(参考写真1参
照)。図6中、*印は毛包をET−1で刺激した場合の
毛の長さとET−1で刺激しなかった場合の毛の長さと
の間で有意差(p<0.05)が認められたことを表し
ている。ET−1を添加した群(n=4)は培養3−5
日目にコントロール群(n=4)に較べ、毛の長さが約
17%増加した。
【0019】実施例7[ET−1投与による発毛促進] ET−1の発毛促進効果について調べてみた。生まれた
直後の無毛状態のマウスの背に10-7MのET−1を含
むPBSを皮下注射により投与した。また、同量のPB
Sを同様に投与したマウスをコントロールとした。投与
後の発毛状体の結果を図7に示す。図7から、ET−1
投与群(n=3)の方がコントロール群(n=3)に比
して、発毛が促進されることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明の発毛・育毛促進剤は、毛乳頭細
胞の増殖促進作用や、毛の生長促進活性をもつHGFの
分泌亢進作用を有することから、脱毛症や若禿の予防や
治療に用いることができる。
【0021】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY CORPORATION <120> Trichogen and Hair-growth accelerator <130> 11-270 <140> <141> <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 21 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Cys Ser Cys Ser Ser Leu Met Asp Lys Glu Cys Val Tyr Phe Cys His 1 5 10 15 Leu Asp Ile Ile Trp 20 <210> 2 <211> 9 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:ET-A-F <400> 2 ccttttgatcacaatgacttt 21 <210> 3 <211> 10 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:ET-A-R <400> 3 gacatacgagttacggtgtagttt 24
【図面の簡単な説明】
【図1】2系列の単離培養した毛乳頭細胞(FPC)に
おけるエンドセリン−1(ET−1)受容体(ET−
A)のmRNAの発現結果を示す図である。
【図2】ET−1刺激後のFPCにおけるBrdu取込
み量を示す図である。
【図3】ET−1刺激後のFPCにおけるBrdUu取
込み量の経時変化を示す図である。
【図4】ET−1刺激によるFPCの細胞数の増加効果
を示す図である。
【図5】ET−1刺激によるFPCのHGF分泌の亢進
結果を示す図である(FP:毛乳頭細胞、FB:線維芽
細胞)。
【図6】ET−1刺激による毛包の成長促進の結果を示
す図である。
【図7】ET−1投与による発毛促進の結果を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AD411 AD412 CC37 EE22 4C084 AA16 BA18 BA23 CA21 CA25 DB62 ZA921 ZA922

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛乳頭細胞表面に存在するエンドセリン
    −1受容体に作用し、毛乳頭細胞の増殖促進作用及び/
    又は発毛促進作用を有する生理活性物質の分泌亢進作用
    を有する物質を有効成分として含有することを特徴とす
    る発毛・育毛促進剤。
  2. 【請求項2】 発毛促進作用を有する生理活性物質がH
    GFであることを特徴とする請求項1記載の発毛・育毛
    促進剤。
  3. 【請求項3】 エンドセリン−1を有効成分として含有
    することを特徴とする請求項1又は2記載の発毛・育毛
    促進剤。
  4. 【請求項4】 エンドセリン−1類縁体を有効成分とし
    て含有することを特徴とする請求項1又は2記載の発毛
    ・育毛促進剤。
  5. 【請求項5】 エンドセリン−1の特異的受容体のアゴ
    ニストを有効成分として含有することを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載の発毛・育毛促進剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載の発毛・育
    毛促進剤を配合することを特徴とする化粧料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか記載の発毛・育
    毛促進剤を用いることを特徴とする発毛・育毛の促進方
    法。
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