JP2002046201A - 平面状封入脱臭シート及び製造方法 - Google Patents
平面状封入脱臭シート及び製造方法Info
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Abstract
封入された平面状封入脱臭シートにおいて、内部の脱臭
剤が切断面や襞折り面から脱落することのない、粉落ち
性の改良された平面状封入脱臭シートを提供するもので
ある。 【解決手段】基材A、基材Bとその間に封入された脱臭
剤よりなる平面状封入脱臭シートにおいて、脱臭剤が粒
状あるいは粉状であり、かつ平面状封入脱臭シートの内
側の面に一定間隔ごとに脱臭剤が配置されるとともに脱
臭剤が配置されない領域を設けた事を特徴とする平面状
封入脱臭シート。
Description
ターの製造方法に関し、更に詳しくは、2枚の通気性基
材の間に脱臭剤を封入する多機能性の空気清浄化フィル
ターの製造方法に関する。
ルターは、通気性を有するウレタンの多孔質基材上に、
粒状或いは粉体状活性炭を接着させたものや、不織布に
活性炭を塗りつけたり、活性炭素を含浸させたものにエ
レクトレットを貼り合わせたものがあった。また、ハニ
カム状の六角柱の部分の中にぺレット状活性炭を詰めた
もの、あるいは、波状の不織布と平面状の不織布を組み
合わせてできる三角柱の部分に同じくぺレット状活性炭
を詰めたもの等があった。
の基材シート間に活性炭などの脱臭剤を挟み込む脱臭シ
ートの製造方法が開示されている。この2枚のシート間
に脱臭剤を挟み込む脱臭シートの製造方法は、脱臭剤が
基材から剥落することがなく、脱臭剤表面が樹脂で覆わ
れることなく脱臭効果の低下が少ない脱臭シートを提供
するものであり、更に、所望に応じて脱臭剤を多くする
ことができて脱臭寿命を長くできるなどの利点を有し、
脱臭機能に関しては実用性が特に優れたものであった。
臭剤の上にシート又は熱によりシートを形成し得る材料
を積層し全面を加熱するため、シートにかかる熱の影響
が多大となり、加熱によって性能が低下する基材シート
を用いることができず、多機能性の空気清浄化フィルタ
ーが得難いという問題があった。
基材シートに脱臭剤を挟み込む方法では、出来上がった
脱臭シートの全面に脱臭剤があり、例えば断裁した場合
にはその断裁面から脱臭剤が抜け落ちたり、あるいはプ
リーツ折り(襞折り)した場合はその折り部において内
部の脱臭剤が基材シートを突き破ってしまうなどの構造
上の問題があった。
の基材シートに脱臭剤が封入された平面状封入脱臭シー
トにおいて、内部の脱臭剤が切断面や襞折り面から脱落
することのない、粉落ち性の改良された平面状封入脱臭
シートを提供するものである。
を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。
た脱臭剤よりなる脱臭シートにおいて、脱臭シートの内
側の面に一定間隔ごとに脱臭剤が配置されるとともに脱
臭剤が配置されない領域を設けた事を特徴とする平面状
封入脱臭シート。
トにおいて、脱臭剤が配置されない領域において基材A
と基材Bが接着されていることを特徴とする請求項1記
載の平面状封入脱臭シート。
トにおいて、脱臭剤が配置されない領域にバインダーが
配置され、このバインダーにより基材Aと基材Bが接着
されていることを特徴とする請求項1あるいは2記載の
平面状封入脱臭シート。
あればバインダーを配置し、必要に応じて加熱処理を行
った後、別の基材を重ね合わせ、加熱あるいは加圧、ま
たはその両方により両側の基材を接着させることを特徴
とする平面状封入脱臭シートの製造方法。
あればバインダーを配置し、脱臭剤が配置されない領域
にはバインダーのみを配置し、必要に応じて加熱処理を
行った後、別の基材を重ね合わせ、加熱あるいは加圧、
またはその両方により両側の基材を接着させることを特
徴とする請求項4記載の平面状封入脱臭シートの製造方
法。
臭剤が封入された脱臭シートにおいて、内部の脱臭剤が
切断面や襞折り面から脱落することのない、粉落ち性の
改良された脱臭シートを提供する。
ては、織布、不織布、ネット、及びスポンジ等の他、ポ
リエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポ
リエステルフィルムの様な汎用の熱可塑性フィルムや薄
板等が挙げられる。これらの内、フィルムや薄板等の通
気性に乏しいシートは、微細な穴をあけて通気性を向上
させ、通気性フィルターとしても良い。その中でも、特
に不織布等を用いれば、比較的均一な通気性を確保する
ことができるばかりか、封入加工も容易であるため、優
位に使用される。基材Aと基材Bは同じであっても差し
支えなく、また異なる基材であっても差し支えない。
は、必要に応じて抗菌、防黴、抗ウイルス、防虫、害虫
忌避、脱臭、消臭、粗塵除去などの機能を有するものを
用いても良い。中でも、抗菌、防黴、抗ウイルス機能を
有する基材を用いることが好ましく、基材Aあるいは基
材Bはエレクトレットや光触媒担持のフィルターであっ
ても良い。
ル系繊維、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊
維、ポリウレタン系繊維、ポリビニルアルコール系繊
維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊
維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリオレフィン系繊
維、フェノール系繊維などの合成繊維、ガラス繊維、金
属繊維、アルミナ繊維、活性炭素繊維などの無機繊維、
木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの
天然繊維、再生繊維、あるいはこれらの繊維に親水性、
難燃性、脱臭性、吸着性、抗菌性などの機能を付与した
繊維などを使用し、各種方法によって製造したものであ
る。
く、目的・用途に応じて、乾式法、湿式抄造法、メルト
ブローン法、スパンボンド法などで得られたウェブを水
流交絡法、ニードルパンチ法、ステッチボンド法などの
物理的方法、サーマルボンド法などの熱による接着方
法、レジンボンドなどの接着剤による接着方法で強度を
発現させる方法を適宜組み合わせて製造することができ
る。
フィルター、HEPAフィルター、芳香剤を担持したフ
ィルター、吸着剤や触媒が熱可塑性樹脂に練り込み担持
されながらその一部が表面に露出しているフィルター、
酵素系などの脱臭剤を担持したフィルター、あるいは消
臭剤や抗菌剤などを担持したフィルターを用いることが
出来る。
とは、半永久的に電気分極を保持し、外部に対して電気
力を及ぼすフィルターであり、その静電気力によって粒
子を捕捉するものである。帯電方法としては、エレクト
ロエレクトレット、熱エレクトレット、ラジオエレクト
レット、メカノエレクトレット、フォトエレクトレッ
ト、マグネットエレクトレットなどが挙げられるが、工
業的に不織布フィルターで用いられているものは、主に
エレクトロエレクトレットおよび熱エレクトレットであ
り、フィルター材料としてはポリプロピレンまたはプロ
ピレン主体の共重合体が用いられることが多い。
め、コロナ放電などによる帯電処理では安定した帯電効
果を得ることが難しい。しかしながら、コロナ放電など
で帯電処理を施したフィルムを繊維状に断裁、それを不
織布化したスプリットファイバーエレクトレットフィル
ターや、メルトブロー紡糸時および溶融紡糸時に高電圧
を印加して熱エレクトレット的に繊維を帯電させたメル
トブロー不織布式エレクトレットフィルターおよびスパ
ンボンド不織布式エレクトレットフィルターなどは、安
定した分極電荷を得ることができる。なお、メルトブロ
ー不織布式エレクトレットフィルターは単体では力学的
強度が小さいため、乾式不織布やスパンボンドなどを貼
り合わせて使用される場合がある。
超高性能の集塵フィルターであり、0.3μmの粒子に
対して99.97%以上の集塵効率を有するものであ
る。従来は、軍事用、放射性廃棄物用、クリーンルーム
用などの特殊用途で用いられたものであるが、近年では
家庭用空気清浄機などの民生用にもHEPAフィルター
の使用が拡大する傾向がある。
する目的で用いられる薬剤の総称であり、具体的には、
活性炭、添着活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、活性
白土、イオン交換樹脂、鉄アスコルビン酸、鉄フタロシ
アニン誘導体などの吸着脱臭剤、マンガン系酸化物やペ
ロブスカイト型触媒などの低温酸化触媒、酸化チタンや
酸化亜鉛などの光触媒、植物抽出成分に含まれる化合物
であるカテキン、タンニン、フラボノイド等を用いた消
臭剤などを挙げることができる。これらの脱臭剤は必要
に応じて複数のものを併用しても良く、また、これらの
脱臭剤を複合化したハイブリット脱臭剤としても良い。
脂、熱硬化性樹脂、ホットメルト、ヒートシール、2液
硬化型接着剤、湿気硬化型型接着剤、紫外線あるいは電
子線硬化型接着剤などであり、その中でも優位に使用さ
れる熱可塑性樹脂として、エチレン酢酸ビニル共重合体
またはこの変性物、エチレンアクリレート共重合体、ア
イオノマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエステル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン系などの樹
脂を挙げることができる。
融点は特に制限されるものではなく、フィルターの後加
工条件や使用環境温度、基材または脱臭剤の耐熱性など
を考慮して適宜選択すれば良い。
粒状、ウイスカー状、短繊維状、長繊維状であることが
好ましい。本発明に係わる脱臭剤または熱可塑性接着剤
の粒径は、10〜100メッシュであることが好まし
い。粒径が10メッシュ未満では活性炭が加圧時に割れ
たり、基材同士の接着点が不均一になるなどの問題があ
り、一方、粒径が100メッシュを越えると基材の目か
ら離脱するなどの問題がある。同様な理由で本発明に係
わるバインダーの形状も粉体状、粒状、ウイスカー状、
短繊維状、長繊維状など各種の形態をとることができる
が、さらに液状、半固形状、シート状などの形態をとる
ことも可能である。
限されるものではないが、800g/m2以下であるこ
とが好ましい。封入量が800g/m2を越えると基材
間の接着強度が低くなり、また、厚さが大きくなってプ
リーツ加工が困難となるため、実用性が低下する。
性接着剤を散布する場合には、両者を個別に散布しても
良いが、脱臭性などに特に影響がなければ予め混合した
ものを散布することが好ましい。散布の方法としては、
ホッパー下部からの自由落下による散布、グラビアロー
ルなどの凹部を有するロールに連続供給して基材上に供
給する方法、空気中に分散した送風による散布、水系分
散してのスプレー塗工やダイ塗工などを挙げることがで
きる。
内側の面に脱臭剤を一定間隔で配置する部分と、脱臭剤
を配置しない部分を設けて平面状封入脱臭シートを貼合
せる必要がある。脱臭剤を一定間隔で配置するには基材
を走行させた状態で一定間隔でホッパーからの脱臭剤の
落下を継続及び中断する方法、グラビアロールなどの凹
部を有するロールに規則的に凹部を設けない場所を作っ
て脱臭剤を規則的に基材上に供給する方法、空気中に分
散した送風による散布において規則的に送風を中断する
ことにより脱臭剤の供給を制御する手段、水系分散して
のスプレー塗工やダイ塗工などで機械的に脱臭剤の供給
を制御する手段などを挙げることができる。
内側の面に脱臭剤を配置しない部分において、その部分
にバインダーのみを供給する必要がある。方法は大きく
わけて2方法あり、第一には脱臭剤の有無にかかわらず
基材全面にバインダーを散布する方法であり、バインダ
ーの散布は脱臭剤の散布の前、後のどちらでも差し支え
ない。第二には脱臭剤を配置しなかった部分にのみバイ
ンダーを配置する方法であり、これは基材を走行させた
状態で脱臭剤の供給の断続と全く逆になるようにホッパ
ーからバインダーの落下を継続及び中断する方法、同じ
く脱臭剤を供給したグラビアロールの非供給部分のみに
凹部を有する別のグラビアロールによりバインダーを規
則的(すなわち脱臭剤の配置されない部分にのみ)に基
材上に供給する方法など、脱臭剤を断続的に供給する技
術を応用して使用することができる。この際、脱臭剤の
有無をタイミングマークなどにより検知し、バインダー
供給のタイミングを図ることは何ら問題ない。
には、加熱あるいは加圧、もしくはその両方により達成
することができる。加熱方法は、特に限定されるもので
はないが、バインダーが熱可塑性樹脂である場合には散
布した側から加熱することが好ましい。熱可塑性樹脂を
散布した側から加熱する場合には、接触式の熱伝導によ
る加熱は困難であるため、熱風などの非接触式の加熱手
段を採ることが好ましく、中でも赤外線ヒーターやガス
バーナーヒーターのような放射熱による手段が特に好ま
しい。
圧は、例えば加圧したロール間を通す方法などを採用で
きる。加圧の程度は、接着強度、脱臭剤の潰れ、通気性
への影響などを考慮して、適宜設定すればよい。
だ平面状封入脱臭シートにおいて、その断裁面から脱臭
剤が抜け落ちたり、あるいはプリーツ折り(襞折り)し
た場合はその折り部において内部の脱臭剤が基材シート
を突き破るなどの問題を解消するものであるが、平面状
封入脱臭シートの内側の面に一定間隔ごとに脱臭剤が配
置されるとともに脱臭剤が配置されない領域を設ける事
により、脱臭剤が配置されない領域を断裁あるいはプリ
ーツの折り部にすることにより脱臭剤の抜け落ちや基材
シートの破れを回避するものである。
シートの内側の面に一定間隔ごとに脱臭剤が配置される
とともに脱臭剤が配置されない領域を設け、かつその脱
臭剤が配置されない領域にバインダーのみを設けること
により貼合せた状況での強度を増大させることが可能と
なり、このバインダーのみを設けた領域を断裁あるいは
プリーツの折り部にすることにより脱臭剤の抜け落ちや
基材シートの破れを回避するものである。
発明の趣旨を逸脱しない限り、実施例に限定されるもの
ではない。
リエチレン繊維(6d、51mm、30w%)とビスコ
ースレーヨン繊維(3d、51mm、20w%)とを混
合し、乾式法により空気中でウエッブを形成し、次に、
熱可塑性のバインダーであるアクリルのラテックス中に
含浸し、繊維を接着して形成し、不織布を得た。次い
で、ピリジンチオール亜鉛塩の微粒子からなる抗菌・防
黴剤を含む塗液にこの不織布を含浸させてピリジンチオ
ール亜鉛塩を1g/m2担持し、抗菌・防黴性の 基材B
を調製した。
吸着剤50重量部の混合物を用い、その混合物合計10
0部に対して、脱臭剤用のバインダーとして熱可塑性接
着剤であり軟化点100℃のエチレン酢酸ビニル樹脂粉
体50重量部を混合し、脱臭混合粉体を調製した。
あり軟化点90℃のエチレン酢酸ビニル樹脂粉体を用い
た。
と、ポリエステル繊維(繊維径18μm、繊維長は5m
m)を38重量%と、バインダー繊維として芯鞘型熱融
着性ポリエステル繊維(繊維径14μm、繊維長5m
m、鞘部融点110℃)を50重量%とを混合して水性
スラリーを調製し、これらのスラリーから円網抄紙機に
て坪量40g/m2のHEPAフィルターを作製し、こ
れを基材Aとした。
mm、50w%/6d、51mm、30w%)とビスコ
ースレーヨン繊維(3d、51mm、20w%)とを混
合し、乾式法により空気中でウエッブを形成し、次に、
熱可塑性のバインダーであるアクリルのラテックス中に
含浸し、繊維を接着して形成し、不織布を得た。次い
で、シリカゲル担体に柿カテキンを担持させた抗菌剤を
含む塗液にこの不織布を含浸させて抗菌剤塗液を20g
/m2担持し、抗菌剤を担持した基材(A’)を調製し
た。
製例2の脱臭混合粉体を50g/m2の割合で散布し
た。脱臭混合粉体が散布された四角形は四辺から2cm
ずつの割合で脱臭混合粉体(脱臭剤)が設けられていな
い部分を介して隣の脱臭混合粉体が散布された四角形と
並んでいる。製造においてはグラビア式の回転ロールを
用い、脱臭混合粉体の供給と非供給をグラビアロールの
凹部の配置により決定した。混合粉体を散布した側から
表面温度150℃の遠赤外線ヒーターを用いて加熱し
た。熱可塑性のバインダーが可塑化した後に加熱を止
め、速やかに基材Bの脱臭剤散布側に基材Aとして市販
のエレクトレットフィルター(東燃タピルス製、PO−
20ALOG)を重ね合わせて2本の回転ロール間に挟
んで加圧一体化し、平面状封入脱臭シートを製造した。
これを実施例1の平面状封入脱臭シートとした。
代えてHEPAフィルターとして調製例4の基材Aとす
る以外は、全て実施例1と同一の方法で平面状封入脱臭
シートを製造した。これを実施例2の平面状封入脱臭シ
ートとした。
代えて調製例5の抗菌剤を担持した基材A’とする以外
は、全て実施例1と同一の方法で平面状封入脱臭シート
を製造した。これを実施例3の平面状封入脱臭シートと
した。
製例2の脱臭混合粉体を50g/m2の割合で散布し
た。脱臭混合粉体が散布された四角形は四辺から2cm
ずつの割合で脱臭混合粉体(脱臭剤)が設けられていな
い部分をを介して隣の脱臭混合粉体が散布された四角形
と並んでいる。該2cmの幅の脱臭混合粉体(脱臭剤)
が設けられていない部分には、調整例3のバインダーの
みを50g/m2の割合で散布した。製造においてはグ
ラビア式の回転ロールを2機用い、脱臭混合粉体の供給
と非供給をグラビアロールの凹部の配置により決定し、
それと同調させてバインダーの非供給と供給をグラビア
ロールの凹部の配置により決定した。混合粉体を散布し
た側から表面温度150℃の遠赤外線ヒーターを用いて
加熱した。熱可塑性のバインダーが可塑化した後に加熱
を止め、速やかに基材Bの脱臭剤散布側に基材Aとして
市販のエレクトレットフィルター(東燃タピルス製、P
O−20ALOG)を重ね合わせて2本の回転ロール間
に挟んで加圧一体化し、平面状封入脱臭シートを製造し
た。これを実施例4の平面状封入脱臭シートとした。
50g/m2の割合で散布した。製造においてはグラビ
ア式の回転ロールを用い、脱臭混合粉体を連続して供給
した。混合粉体を散布した側から表面温度150℃の遠
赤外線ヒーターを用いて加熱した。熱可塑性のバインダ
ーが可塑化した後に加熱を止め、速やかに基材Bの脱臭
剤散布側に基材Aとして市販のエレクトレットフィルタ
ー(東燃タピルス製、PO−20ALOG)を重ね合わ
せて2本の回転ロール間に挟んで加圧一体化し、平面状
封入脱臭シートを製造した。これを比較例1の平面状封
入脱臭シートとした。
代えてHEPAフィルターとして調製例4の基材Aとす
る以外は、全て比較例1と同一の方法で平面状封入脱臭
シートを製造した。これを比較例2の平面状封入脱臭シ
ートとした。
代えて調製例5の抗菌剤を担持した基材A’とする以外
は、全て比較例1と同一の方法で平面状封入脱臭シート
を製造した。これを比較例3の平面状封入脱臭シートと
した。
状封入脱臭シートは以下の方法で粉落ち試験、プリーツ
加工試験を行い、その結果を表1に示した。
状封入脱臭シートを25cm角の大きさに断裁した。2
5cm角に断裁した平面状封入脱臭シートを10枚重
ね、箱の中で5分間激しく振った。箱の中に落ちた脱臭
剤を集めて重量を測定した。粉落ちは皆無ということは
有り得ないのでこの測定条件で10mg以下を優、10
mgより重く20mg以下を良、20mgより重く50
mg以下を並、50mgを超える場合を劣として評価し
た。
の平面状封入脱臭シートを25cmのピッチでプリーツ
折りした。100山折った状態で再度広げて平面状に戻
し、折り面の表裏の状況を確認した。この測定条件で折
り面に内部の脱臭剤がはみ出しているなどの破断箇所が
全くないものを優、1個以上で10個以下を並、10個
よりも多い場合を劣として評価した。当然ながらこのよ
うな破断箇所があるとそこから脱臭剤の脱落の危険性が
あるばかりでなく、空気が漏れるため除塵性能を低下さ
せるという問題を生じる。
ーツ折りしたフィルターエレメントを用いてその除塵性
能を、脱臭剤を含んでいない元の基材シートのみからな
るフィルターエレメントの除塵性能と比較した。除塵性
能はパーティクルカウンターを用いて測定した10cm
/秒の線風速で上流と下流の大気塵(0.3〜0.5μ
mφ)の数より除去率を算定して比較した。脱臭剤を含
まない元の基材のみからなるフィルターエレメントの除
去率よりも良好な場合を優、比較して98%以上の除去
率である場合を並、90%以上で98%未満を可、90
%未満を不可とした。
入脱臭シートを25cm角に切断し、そのエッジ面から
基材A、基材Bの剥離を行い接着性を判定した。テンシ
ロンで測定した基材A〜B間の剥離強度が100gf/
25mm以上の場合を剥離しがたいとして接着性が優。
50gf/25mmより大きく100gf/25mmよ
り小さい場合を接着性が並、50gf/25mmより小
さい場合を接着性が劣とした。
シートは、同じ基材を用いた比較例の平面状封入脱臭シ
ートに比べて粉落ち防止性能が非常に高く、また破断箇
所がないことから破断面からの脱臭剤の脱落もないばか
りか除塵性能も良好であることが判明した。
剤が封入された平面状封入脱臭シートにおいて、内部の
脱臭剤が切断面や襞折り面から脱落することのない、粉
落ち性の改良された平面状封入脱臭シートを提供でき
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 基材A、基材Bとその間に封入された脱
臭剤よりなる平面状封入脱臭シートにおいて、脱臭シー
トの内側の面に一定間隔ごとに脱臭剤が配置されるとと
もに脱臭剤が配置されない領域を設けた事を特徴とする
平面状封入脱臭シート。 - 【請求項2】 請求項1記載の平面状封入脱臭シートに
おいて、脱臭剤が配置されない領域において基材Aと基
材Bが接着されていることを特徴とする請求項1記載の
平面状封入脱臭シート。 - 【請求項3】 請求項1記載の平面状封入脱臭シートに
おいて、脱臭剤が配置されない領域にバインダーが配置
され、このバインダーにより基材Aと基材Bが接着され
ていることを特徴とする請求項1あるいは2記載の平面
状封入脱臭シート。 - 【請求項4】 基材上に一定間隔で脱臭剤と必要であれ
ばバインダーを配置し、必要に応じて加熱処理を行った
後、別の基材を重ね合わせ、加熱あるいは加圧、または
その両方により両側の基材を接着させることを特徴とす
る平面状封入脱臭シートの製造方法。 - 【請求項5】 基材上に一定間隔で脱臭剤と必要であれ
ばバインダーを配置し、脱臭剤が配置されない領域には
バインダーのみを配置し、必要に応じて加熱処理を行っ
た後、別の基材を重ね合わせ、加熱あるいは加圧、また
はその両方により両側の基材を接着させることを特徴と
する請求項4記載の平面状封入脱臭シートの製造方法。
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