JP2002045699A - 排ガス浄化用層状電気化学触媒 - Google Patents

排ガス浄化用層状電気化学触媒

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JP2002045699A
JP2002045699A JP2000239882A JP2000239882A JP2002045699A JP 2002045699 A JP2002045699 A JP 2002045699A JP 2000239882 A JP2000239882 A JP 2000239882A JP 2000239882 A JP2000239882 A JP 2000239882A JP 2002045699 A JP2002045699 A JP 2002045699A
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exhaust gas
reducing agent
catalyst
conductive material
noble metal
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JP2000239882A
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English (en)
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Kenro Mitsuta
憲朗 光田
Koji Hamano
浩司 浜野
Hideki Koseki
秀規 小関
Tetsuya Honda
哲也 本田
Hideaki Katashiba
秀昭 片柴
Satoshi Wachi
敏 和知
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトでしかも簡単な構成で、電気化学
的に酸化反応と還元反応を進めることができる排ガス浄
化用電気化学触媒を提供する。 【解決手段】 基材6上に設けられて通気性を有し、還
元剤吸収物質10と貴金属系触媒5を含む下層2、下層
の上に設けられ、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を
含む電気化学短絡層3、および電気化学短絡層の上に設
けられて通気性を有し、NOx吸収物質9と貴金属系触
媒4を含む上層1を備えた。また、基材上に設けられて
通気性を有し、還元剤吸収物質と貴金属系触媒と電子伝
導性物質とイオン伝導性物質を含む下層、および下層の
上に設けられて通気性を有し、NO x吸収物質と貴金属
系触媒と電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む上層
を備えた。また、基材上に設けられて通気性を有し、還
元剤吸収物質を含む下層、および下層の上に設けられて
通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒と電子伝
導性物質とイオン伝導性物質を含む上層を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車やディーゼ
ル車などの内燃機関から排出される排ガスを浄化する排
ガス浄化触媒に関し、さらに詳しくはNOxおよび還元
剤をそれぞれ貯蔵し、NOxと還元剤とをそれぞれ電気
化学的に反応させることのできる排ガス浄化用の電気化
学触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の排ガス浄化用触媒では、3元触媒
に代表されるように、排ガスに含まれるNOやNO2
どの窒素酸化物(NOx)を窒素へ還元する還元反応
と、排ガス中の炭化水素(HC)やCOやH2などの還
元剤を酸化する酸化反応とを、同じ触媒上で行わせるこ
とによって、浄化する方法が用いられ、NOxやCOや
HCなどの排出量の削減に大きな役割を果たしてきた。
しかし、内燃機関のより高い効率を目指して、燃料が希
薄な条件で燃焼させる方式、例えばリーンバーンエンジ
ンやGDIエンジンが用いられるようになってくると、
NOxを還元するだけの量のHCやCOなどを常時供給
できなくなった。
【0003】そこで、炭酸バリウム(BaCO3)や炭
酸カリウム(K2CO3)などのNOxの吸収性を有する
NOx吸収物質を用いて、一時的にNOxを貯蔵してお
き、1〜2分ごとに、時々リッチな運転モードにしてH
CやCOなどを供給して、貯蔵されていたNOxを還元
処理するという方法が用いられるようになった。ところ
が、NOx吸収物質がイオウによる被毒で劣化するなど
してNOx吸収能力が変化するので、リッチな運転モー
ドにするタイミングやイオウ被毒から再生させるタイミ
ングを予測することが難しく、空気比センサーや酸素セ
ンサーなどで常にモニターしながら運転する必要があっ
た。また、リッチスパイクを入れる際に、運転モードに
よっては、トルクショックを引き起こすなどの不具合も
あった。
【0004】NOx吸収物質と共に、HCの吸収性を有
するHC吸収物質を用いれば、NOxに加えて、HCも
一時的に貯蔵することができる。NOx吸収物質の近傍
にHC吸収物質を配置する方法としては、例えば特開平
10−225636号公報に開示されているものがあっ
た。図6は、同公報に開示されているようなNOx吸収
物質とHC吸収物質との混合系の排ガス浄化用触媒の模
式図である。図において、6は基材、9はバケツの形で
模式的に表したNOx吸収物質、41はNOx吸収物質と
HC吸収物質の混合層、42はHC吸収物質と排ガス中
のHCの置換を示す矢印、43はNOx吸収物質と排ガ
ス中のNOxの置換を示す矢印、44は触媒粒子、45
はバケツの形で模式的に表したHC吸収物質である。
【0005】このように構成されたものにおいて、リッ
チ雰囲気ではHCがHC吸収物質45に吸収されると共
にNOxを還元する。また、リーン雰囲気では、NOx
NO x吸収物質9に吸収される。そして、一時的にスト
イキ(理論空然比)乃至リッチ雰囲気に変化させること
によって、NOx吸収物質9に吸収されていたNOxが放
出されて、触媒粒子44上で排ガス中のHCやCOと反
応してN2に還元される。しかしながら、このように構
成されたものにおいては、せっかくHC吸収物質45と
NOx吸収物質9が近傍にあっても吸収されているNOx
とHCとを直接反応させることはできない。これは、還
元物質と酸化物質を、同じ触媒粒子上でないと反応させ
ることができないからであった。すなわち、気相中に、
酸化物質と還元物質がそろっていないと、酸化物質を還
元(NOxを窒素に変換)することも還元物質を酸化
(HCを二酸化炭素と水に変換)することもできなかっ
た。このことは、これまでの排ガス触媒の長い歴史の中
で共通して言えることであり、触媒上の化学反応で酸化
と還元の両方の反応を行わせるためには必然であった。
従って、HC吸収物質45をNOx吸収物質9の近傍に
置いても、やはりリッチスパイクを行わないとNOx
還元することができなかった。さらに、NOx吸収物質
9からのNOxの放出とHC吸収物質45からのHC放
出は、排ガス中の酸素濃度に大きく依存しており、同時
に両方の吸収物質に貯蔵されることはなく、必ず一方の
放出が優先して起こるので、リッチ運転モードにした直
後にNOxが大量に放出され、HCと反応することなく
そのまま外気に放出されてしまう、いわゆるNOxのス
リップ現象が見られた。
【0006】この他に、NOxを電気化学的に還元する
方法として、特開平4−305227号公報には、カソ
ード側にNOxを含有するガスを供給し、アノード側に
水素やCOを含有するガスを供給し、溶融炭酸塩を電解
質に用いて、650℃で発電する装置が開示されてお
り、開放電圧で800mV以上の起電力が得られてい
る。しかしながら、このシステムは火力発電所の燃焼排
ガス処理法として提案されたものであり、例えば自動車
用として用いようとしても、容積、重量、制御、コスト
などの面から使用することはできなかった。
【0007】さらに、NOxを電気化学的に還元する他
の方法として、特開平7−275714号公報には、カ
ソード側にNOx含有ガスを供給し、イットリア添加の
安定化ジルコニア固体電解質を電解質に用いて、500
℃〜700℃でカソードとアノード間に電圧を印加して
電解し、NOxを還元してカソードから酸素を放出する
装置が開示されている。また、特開平8−332342
号公報には、ペロブスカイト型セラミックスをイオン導
電性および電子導電性材料として用い、400℃〜10
00℃で電解してNOxを還元してカソードから酸素を
放出する装置が開示されている。しかしながら、これら
のシステムは、やはり火力発電所の燃焼排ガス処理法と
して提案されたものであり、例えば自動車用として用い
ようとしても、容積、重量、制御、コストなどの面から
使用することはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
排ガス浄化用触媒は、同じ触媒粒子の上で、酸化反応と
還元反応を同時に行わせるので、気相にHC、CO、水
素などの還元剤が充分な濃度で存在しなければ、NOx
を還元することはできず、従ってリーン雰囲気で運転す
る場合には、一時的にリッチ雰囲気にしてNOx吸収物
質に吸収されていたNOxを還元する必要があった。ま
た、電気化学的にNOxを還元する方法は、電気化学的
なセルを構成し、そのセルの中に排ガスを通過させる必
要があるので、構成が複雑でコンパクト化も困難であ
り、例えば自動車用途に用いるには、容積、重量、制
御、コストなどの面で問題点が多かった。
【0009】本発明は、上記のような従来のものの問題
点を解決するためになされたものであり、コンパクトで
しかも簡単な構成で、電気化学的に酸化反応と還元反応
を進めることができる排ガス浄化用電気化学触媒を提供
することを目的とするものである。
【0010】なお、2種類以上の触媒で、酸化反応と還
元反応を電気化学的に行う『電気化学触媒』について
は、本願と同一出願人によって先に出願された特開平1
0−270055号公報に開示されている。また、この
『電気化学触媒』を用いて燃料電池のCO被毒の耐久性
を高める方法が、やはり本願と同一出願人によって先に
出願された特開平10−270056号公報に開示され
ている。本発明は、基本的には、上記『電気化学触媒』
を排ガス浄化用触媒に応用したものであり、NO x吸収
物質と還元剤吸収物質とを備えることで排ガスという特
殊環境下における『電気化学触媒』の作用効果を高めて
いるものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成に係
る排ガス浄化用層状電気化学触媒は、基材上に設けられ
て通気性を有し、還元剤吸収物質と貴金属系触媒を含む
下層、前記下層の上に設けられ、電子伝導性物質とイオ
ン伝導性物質を含む電気化学短絡層、および前記電気化
学短絡層の上に設けられて通気性を有し、NOx吸収物
質と貴金属系触媒を含む上層を備えたものである。
【0012】本発明の第2の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1の構成において、上層また
は下層に電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含むもの
である。
【0013】本発明の第3の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1または第2の構成におい
て、電気化学短絡層は多孔質であって通気性を有するも
のである。
【0014】本発明の第4の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、基材上に設けられて通気性を有し、
還元剤吸収物質と貴金属系触媒と電子伝導性物質とイオ
ン伝導性物質を含む下層、および前記下層の上に設けら
れて通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒と電
子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む上層を備えたも
のである。
【0015】本発明の第5の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、基材上に設けられて通気性を有し、
還元剤吸収物質を含む下層、および前記下層の上に設け
られて通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒と
電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む上層を備えた
ものである。
【0016】本発明の第6の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1ないし第5の何れかの構成
において、電子伝導性物質としてリチウムをドープした
酸化ニッケルを用いたものである。
【0017】本発明の第7の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1ないし第5の何れかの構成
において、イオン伝導性物質として酸化銀を含むアルミ
ナを用いたものである。
【0018】本発明の第8の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1ないし第5の何れかの構成
において、電子伝導性物質とイオン伝導性物質は、電子
伝導性とイオン伝導性を併せ持った固体電解質であるも
のである。
【0019】本発明の第9の構成に係る排ガス浄化用層
状電気化学触媒は、上記第1ないし第5の何れかの構成
において、還元剤は炭化水素であり、還元剤吸収物質は
ゼオライトであるものである。
【0020】本発明の第10の構成に係る排ガス浄化用
層状電気化学触媒は、上記第1ないし第5の何れかの構
成において、還元剤は水素であり、還元剤吸収物質は水
素吸蔵合金であるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図5に示す実施の形
態に基づいて本発明構成とその作用を説明する。 実施の形態1.図1〜図3は、本発明の実施の形態1に
よる排ガス浄化用層状電気化学触媒の一部を模式的に示
す断面図であり、図1は理想空燃比(ストイキ)運転
時、図2はリッチ運転時、図3はリーン運転時における
様子をそれぞれ表わしている。図において、1は通気性
を有し、NOxの吸収性を有するNOx吸収物質と貴金属
系触媒Aを含む上層、2は通気性を有し、還元剤の吸収
性を有する還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む下
層、3は電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む電気
化学短絡層、4は貴金属系触媒A粒子(本実施の形態で
はNOx還元触媒)、5は貴金属系触媒B粒子(本実施
の形態では還元剤酸化触媒)、6は基材、7はイオン伝
導性物質を通るイオンの流れを示す矢印、8は電子伝導
性物質を通る電子の流れを示す矢印、9はバケツの形で
模式的に表したNOx吸収物質、10はバケツの形で模
式的に表した還元剤吸収物質、11はNOx吸収物質9
へのNOxの出入りを示す矢印、12は還元剤吸収物質
10への還元剤の出入りを示す矢印、13は排ガス雰囲
気中の還元剤(図ではH2で代表)、14は還元剤13
の下層2への拡散を示す矢印、15は排ガス雰囲気中の
NOx(図ではNOで代表)、16は排ガス雰囲気中の
酸素、17はNO15の上層1への拡散を示す矢印、1
8は排ガスの流れを示す矢印である。なお、図では、簡
単のために還元剤を水素に代表させ、イオン伝導をプロ
トン伝導に代表させて表している。
【0022】このように構成されたものにおいて、NO
x吸収物質9と貴金属系触媒A4を含む上層1は、NOx
吸収物質9によってリーン運転時にNOxを吸収すると
共に、下層2の還元剤吸収物質10に吸収されている還
元剤が、リーン排ガス中に多く含まれる酸素16によっ
て無駄に消費されるのを防ぐ働きをする。また、貴金属
系触媒A(NOx還元触媒)4が、電子とイオンとの反
応でNOxをN2に変換する働きをする。リーン排ガスに
多く含まれるNO15は貴金属系触媒A4によってNO
2に変換され、NOx吸収物質9の中に硝酸塩として取り
込まれる。NOx吸収物質9としては、一般的には、バ
リウムの炭酸塩や酸化物、カリウムの炭酸塩や酸化物、
もしくはこれらの混合物が適しており、高温の排ガスに
さらされる場合には、分解温度の高い炭酸カリウムが適
している。また、ゼオライトを用いることもでき、低温
での排ガス処理に適している。また、低温での排ガス浄
化にはLaの炭酸塩などの希土類金属も望ましい。ま
た、貴金属系触媒A4としては、白金、ロジウム、パラ
ジウム、オスミウム、イリジウム、ルテニウム、および
これらの混合物、またはこれらの合金の微粒子などが、
材料の安定性の観点で好ましい。なお、通気性はNOx
吸収物質9や貴金属系触媒A4を粉体とすることにより
達成できる。
【0023】還元剤吸収物質10と貴金属系触媒B5を
含む下層2は、還元剤吸収物質10によってリッチ運転
時に排ガス中に多く含まれるHC、CO、水素、アンモ
ニアなどの還元剤13を吸収し貯蔵する働きをする。ま
た、貴金属系触媒B5は、還元剤を酸化して電子とイオ
ンに分解する働きをする。なお、還元剤吸収物質10と
しては、ゼオライトや、Cuなどのイオンを置換したゼ
オライトや、水素吸蔵合金などが適している。特に、還
元剤が主に炭化水素である場合には、還元剤吸収物質1
0としてゼオライトを用いると、低温で炭化水素を吸着
させ温度を上げて脱着させることができ、温度による吸
脱着の制御が容易になる。また、炭化水素の種類に応じ
て気孔径の異なるゼオライトを用いることによって吸収
効率を高めることができ、安価に入手できる。また、還
元剤が主に水素である場合には、還元剤吸収物質10と
して水素吸蔵合金を用いると、気相の水素濃度に応じて
水素を吸収し、高濃度に貯蔵することができる。また、
使用する温度域に応じて種々の水素吸蔵合金を選択する
ことができる。また、貴金属系触媒B5としては、白
金、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、
ルテニウム、およびこれらの混合物、またはこれらの合
金の微粒子などが、材料の安定性の観点で好ましく、貴
金属系触媒A4と同一の材料を用いることも可能であ
る。なお、通気性は、上層1の場合と同様に、還元剤吸
収物質10や貴金属系触媒B54を粉体とすることによ
り達成できる。
【0024】電子伝導性物質とイオン伝導性物質とを含
む電気化学短絡層3は、NOx吸収物質9と貴金属系触
媒A4を含む上層1と、還元剤吸収物質10と貴金属系
触媒B5を含む下層2との間にあって、イオンと電子を
伝達する働きをする。なお、電子伝導性物質としては、
リチウムをドープした酸化ニッケル、酸化鉄、ステンレ
スなどが適しており、イオン伝導性物質としては、セリ
ウム-サマリウム酸化物、ジルコニアやペロブスカイト
系化合物などの固体電解質、酸化銀を含むアルミナ、溶
融炭酸塩などが適している。特に、酸化銀を含むアルミ
ナで、AgAl1117の化学式で表される酸化物に近い
組成のものは、室温から700℃までにおいて、100
Ωcm〜102Ωcmという特に高いイオン伝導性が得
られるので適している。また、固体電解質には、電子伝
導性とイオン伝導性を兼ね備えるものも多く存在してお
り、電気化学短絡層3として適している。また、電気化
学短絡層3は、還元剤13を下層2にガス拡散させるた
めに、多孔質であり通気性があることが望ましい。この
性質は電子伝導性物質やイオン伝導性物質を粉体とする
だけで達成できる。しかし、電気化学短絡層3が下層2
を全面にわたって覆っているのではなく、部分的に覆っ
ているのであれば、電気化学短絡層3の隙間から還元剤
13が下層2に達することができるので、その場合には
電気化学短絡層3は通気性の無い、緻密な層であっても
よい。
【0025】各層1,2,3の厚さについては、任意に
設定することが可能であるが、電気化学短絡層3は短絡
する場合の電子伝導抵抗とイオン伝導抵抗をできるだけ
小さくするために、できるだけ薄いことが望ましく、5
0μm以下が望ましい。
【0026】基材6としては、コージェライト製のハニ
カム基材が適しているが、メタル製のハニカム基材を用
いることもでき、さらに、円柱状や球状などのアルミナ
などの担体を用いることもできる。
【0027】本実施の形態によれば、NOx吸収物質9
と貴金属系触媒A4を含む上層1と、還元剤吸収物質1
0と貴金属系触媒B5を含む下層2とが、電子伝導性物
質とイオン伝導性物質を含む中間の電気化学短絡層3を
介して層状に対峙することで、電子伝導性物質とイオン
伝導性物質の電気化学短絡層3がイオンと電子の双方を
伝達するので、貴金属系触媒A4では、電気化学的な還
元反応が、そして貴金属系触媒B5では、電気化学的な
酸化反応が、それぞれ別々に進行し、NOx吸収物質9
に吸収したNOxの還元を還元剤吸収物質10に吸収し
た還元剤を用いて行うことができる。
【0028】また、図2のようなリッチな運転条件で
は、HCや水素やCOなどの還元剤13が多く含まれる
が酸素濃度は低い。従って、NOx吸収物質9に取り込
まれていたNOxが排出され、HCや水素やCOなどの
還元剤13とNOx還元触媒4上で反応する。これとは
別に、還元剤吸収物質10に取り込まれていた還元剤が
酸化触媒5で酸化され、電子とイオンの交換を含む電気
化学的な短絡反応によって、NOx吸収物質9に吸収さ
れていたNOxと還元剤吸着物質10に吸収されていた
還元剤が反応する。この反応は短絡のネットワークで組
まれた反応であって、複数の触媒同士で反応することが
可能であり、その分、反応物の供給律速となる通常の化
学反応よりも、反応速度が加速され、リッチに切り換え
た直後に通常起こるNOxのスリップ現象(NOxが還元
剤と反応せずに放出される現象)が起こるのを防止でき
る。一方、下層2まで拡散したリッチ排ガス中の還元剤
13は還元剤吸収物質10に取り込まれる。さらに還元
剤吸収物質10の近傍の気孔では、濃度平衡によって還
元剤の濃度が高くなるので、下層2のみならず、上層1
や電気化学短絡層3にも還元剤が充満する。従って、図
6で示した従来の場合よりも、余分に還元剤を貯蔵する
ことが可能になる。さらに、リッチ排ガス運転モード
(リッチ運転時)では排気温度が高くなることが多い
が、高温部分は上層1や電気化学短絡層3で断熱され、
下層2には熱が伝わり難い。従って、下層3には、比較
的熱に弱いゼオライトを還元剤吸収物質10として用い
ることが可能である。
【0029】また、図3のようなリーンな運転条件で
は、リーン排ガス中にNOx15と酸素16が多く含ま
れており、還元剤が少ないので、NOxがNOx吸収物質
9に取り込まれる。NOx吸収物質9が炭酸バリウムや
炭酸カリウムの場合は、白金などの貴金属系触媒A4に
よってNOがNO2に変換された後、硝酸塩の形で炭酸
イオンと置換して取り込まれる。従って、NOx吸収物
質9の近傍では高濃度のNO2ガスがあり、リーン排ガ
ス中の酸素16の下層2への拡散を阻止する。また、電
気化学短絡層3もまた、リーン排ガス中の酸素16の下
層2への拡散を阻止するバリヤーとなる。従って、下層
2の還元剤吸収物質10に吸収されている還元剤がリー
ン排ガス中に多く含まれる酸素16によって消費される
のを防止することができ、上層1でのNOx還元のため
に電気化学的に消費される。リーン運転状態が続くと下
層2の還元剤吸収物質10に吸収されている還元剤が空
になり、NOx15はもっぱら上層1のNOx吸着物質9
に取り込まれる。しかし、従来に比べて、下層2の還元
剤吸収物質10に吸収されている還元剤によって還元さ
れた分だけ、NOx15を多く還元することが可能であ
る。さらに上層1のみならず下層2や電気化学短絡層3
の気孔内もNOx吸着物質9との濃度平衡によってNO
やNO2が高濃度になって存在するので、取り込まれる
NOx15は、従来よりもさらに増える。従って、リッ
チスパイクを頻繁に入れる必要はなく、時々アクセルを
余分に踏み込んだ場合に生じる自然なリッチ状態のみに
よってNOx15の処理が可能となる場合もある。
【0030】すなわち、本実施の形態1の構成によれ
ば、頻繁なリッチスパイクなしにNO xを処理すること
ができ、雰囲気に関係なくNOxが速やかに処理され、
また、酸素によって無駄に消費される還元剤も少なくな
る。さらに、リッチモードに切り替わった直後に発生す
るNOxスリップが起こらなくなるなどの効果がある。
【0031】以下、電気化学的短絡反応について説明を
補足する。NOxや還元剤の電気化学電位は可逆水素電
位を基準に与えられている。NOおよびNO2の還元電
位はそれぞれ下記式(1)および式(2)で表され、
C、H2およびCOの酸化電位はそれぞれ下記式
(3)、式(4)および式(5)で表される。なお、炭
化水素(HC)はメタン、プロパンなど種々の炭化水素
の総称なので、ここではカーボン(C)を代表させた
が、何れの場合も0V近くの電位になる。
【0032】 [還元電位] NO +4H++4e-→N2+2H2O (1) E=1.495V NO2+8H++8e-→N2+4H2O (2) E=1.363V
【0033】 [酸化電位] C+2H2O→CO2+4H++4e- (3) E=0.207V H2→2H++2e- (4) E=0.000V CO+H2O→CO2+2H++2e- (5) E=−0.103V
【0034】還元反応は、電子(e-)およびイオン
(プロトン;H+)を発生する反応であり、これらが消
費されない限り、反応は右には進まない。すなわち、N
OおよびNO2の還元は行われない。一方、酸化反応
は、電子(e-)およびイオン(プロトン;H+)を消費
する反応であり、これらが供給されない限り、反応は右
には進まない。すなわち、C、H2およびCOの酸化は
行われない。しかし、上記式(1)および式(2)の還
元電位が1Vを超えているのに対して、上記式(3)〜
式(5)の酸化電位は、0V近くにある。従って、これ
ら酸化還元反応間には起電力があり、貴金属形触媒Aお
よび貴金属形触媒Bそれぞれの電極上で反応させること
ができ、起電力が発生する。そこで、電子伝導性物質と
イオン伝導性物質とを含む電気化学短絡層3が電子とイ
オンの通路になり、上記式(1)から式(5)の反応が
進む。これは、還元電位と酸化電位を短絡させた状態
で、いわば電池を短絡させた状態に相当する。このとき
に流れる電流は電子抵抗とイオン伝導抵抗によって支配
される。
【0035】なお、図1では、模式的に貴金属系触媒A
4の粒子1個と貴金属系触媒B5の粒子1個を電子伝導
性物質とイオン伝導性物質を含む電気化学短絡層3で連
絡した図を示したが、実際には、複数の貴金属系触媒粒
子が、ネットワークのように連絡し、さまざまなルート
を通って反応が進む。なお、貴金属系触媒Aと貴金属系
触媒Bは同一の貴金属系であってもよい。
【0036】また、イオン伝導の形態としてプロトン伝
導ではなく、酸素イオン伝導の場合上記式(1)〜式
(5)の反応が、記式(6)〜式(10)の反応に置き
換えられるが、生成物等、基本的には同じになる。
【0037】[還元電位] 2NO +4e-→N2+2O2- (6) 2NO2+8e-→N2+4O2- (7)
【0038】[酸化電位] C +2O2-→CO2+4e- (8) H2+O2-→H2O+2e- (9) CO+O2-→CO2 +2e- (10)
【0039】なお、電子伝導性物質とイオン伝導性物質
として、電子伝導性とイオン伝導性を併せ持った固体電
解質を用いてもよく、この場合には固体電解質が電子伝
導性とイオン伝導性の2つの性質を兼ね備えているの
で、電気化学的な短絡が得られやすい。また、混合など
の製造工程を省略することが可能となると共に、構造を
単純化することができる。このような電子伝導性とイオ
ン伝導性を併せ持った固体電解質としては、例えば特開
平8−332342号公報に開示されているようなペロ
ブスカイト型セラミックスがあり、排ガス浄化用触媒の
動作温度と雰囲気で使用することができる。また、電子
伝導性とイオン伝導性を併せ持った固体電解質として、
イオン伝導体と電子伝導体の複合材を用いてもよく、例
えば特開平10−255832号公報に開示されている
ようなイオン伝導体La1-XSrXGa1-YMgY
3(0.05<X<0.3,0.1<Y<0.3)と電
子伝導体La1-XSrXMnO3(0.05<X<0.
3)の複合材を用いることができる。これらの固体電解
質のイオン伝導は主として酸素イオンが受け持っている
が、より低温で動作する固体電解質型燃料電池を目指し
て、プロトン伝導と酸素イオン伝導の両方を兼ね備えた
固体電解質が検討されており、このような電解質を用い
ることもできる。
【0040】また、イオン伝導の形態としてプロトン伝
導ではなく、炭酸イオン伝導の場合には、上記式(1)
〜式(5)の反応は、それぞれ、下記式(11)〜式
(15)の反応に置き換えられるが、生成物等、基本的
には同じになる。
【0041】 [還元電位] 2NO +2CO2+4e-→N2+2CO3 2- (11) 2NO2+4CO2+8e-→N2+4CO3 2- (12)
【0042】[酸化電位] C+2CO3 2-→3CO2+4e- (13) H2+CO3 2-→H2O+CO2+2e- (14) CO+CO3 2-→2CO2+2e- (15)
【0043】なお、上記実施の形態では、電子伝導性物
質やイオン伝導性物質は電気化学短絡層3のみに含まれ
ている場合について説明したが、電子伝導性物質やイオ
ン伝導性物質が上層1や下層2にも含まれていてもよ
く、その場合には上層1や下層2にも電気化学的な短絡
のネットワークの網を張り巡らすことができてより望ま
しい。
【0044】実施の形態2.図4は、本発明の実施の形
態2による排ガス浄化用層状電気化学触媒の一部を模式
的に示す断面図であり、リーン運転時における様子を表
わしている。図において、21はNOx吸収物質9と貴
金属系触媒A4と電子伝導性物質とイオン伝導性物質を
含む上層、22は還元剤吸収物質10と貴金属系触媒B
5と電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む下層であ
る。
【0045】NOx吸収物質9のある上層21と還元剤
吸収物質10のある下層22にそれぞれ電子伝導性物質
とイオン伝導性物質が含まれていれば、図1から図3で
示したような電気化学短絡層3が無くても電気化学的な
短絡反応が起こり、実施の形態1の場合と同様の作用が
得られる。NOx吸収物質9と貴金属系触媒A4と電子
伝導性物質とイオン伝導性物質を含む上層21は、NO
x吸収物質9と貴金属系触媒A5に電子伝導性物質とイ
オン伝導性物質を単に混合することで形成でき、また、
還元剤吸収物質10と貴金属系触媒B5と電子伝導性物
質とイオン伝導性物質を含む下層22も、還元剤吸収物
質10と貴金属系触媒B5と電子伝導性物質とイオン伝
導性物質を単に混合することで形成でき、図4に示した
ような構成の本実施の形態2による排ガス浄化用層状電
気化学触媒は基材6の上に上層21と下層22の2層を
積層するだけであるので、簡単に製造することができ
る。ただし、本実施の形態2による上層21や下層22
は、実施の形態1で示したNOx吸収物質と貴金属系触
媒を含む上層1や還元剤吸収物質と貴金属系触媒を含む
下層2に比べて、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を
混合している分、層の厚さが厚くなる。また、NOx
還元剤の貯蔵密度も低くなる。従って、NOxや還元剤
の必要処理量に応じて実施の形態1や実施の形態2を選
択することが望ましい。
【0046】実施の形態3.図5は、本発明の実施の形
態3による排ガス浄化用層状電気化学触媒の一部を模式
的に示す断面図である。図において、31はNOx吸収
物質9と貴金属系触媒A4と貴金属系触媒B5と電子伝
導性物質とイオン伝導性物質とを含む上層、32は還元
剤吸収物質10を含む下層、36は還元剤吸収物質10
と上層31とのガス置換を示す矢印である。
【0047】本実施の形態3は、実施の形態1や実施の
形態2と比べて、下層32に貴金属系触媒を含まないと
ころが大きく異なっている。一方上層31には貴金属系
触媒4,5と電子伝導性物質とイオン伝導性物質が含ま
れるので、還元剤の電気化学的な酸化とNOxの電気化
学的な還元が電子伝導性物質およびイオン伝導性物質の
電気化学的な短絡作用によって起こる。
【0048】このように構成されたものにおいては、下
層32はNO2を吸収したり放出したりするだけで触媒
反応が起こらないので、反応熱が生じない。従って、下
層32を発熱による高温化から保護することができ、ゼ
オライトなど比較的高温に弱い物質を還元剤吸収物質1
0として用いる場合に適している。一方、上層31で
は、実施の形態1や実施の形態2の場合に比べてNOx
の貯蔵密度が低くなるが、下層32の還元剤を用いてN
Oxが消費されるので、NO x貯蔵量としては図6で示
した従来の構成よりも大幅に多くなる効果がある。
【0049】
【実施例】以下、さらに実施例と比較例および評価結果
を用いて、本発明の効果を示すと共に、本発明による排
ガス浄化用触媒の製造方法を説明するが、勿論これらに
より本発明が限定されるものではない。なお、触媒や各
種物質を含む粉末については、以下の方法によって予め
調整し、実施例1〜4および比較例に用いた。
【0050】NOx吸収物質と貴金属系触媒Aを含む
粉末の調整 γ−アルミナ粉末500gに酢酸バリウム水溶液を含浸
させ、120℃で3時間乾燥した後、450℃で3時間
焼成し、γ−アルミナ1kgあたりBaの担持量が2モ
ルのBa担持アルミナ粉末を得た。次に、20g/リッ
トルの炭酸水素アンモニウム水溶液に15分間浸漬し、
濾過後120℃で3時間乾燥し、炭酸バリウム(NOx
吸収物質)が担持されたγ−アルミナ粉末を作製した。
この炭酸バリウムが担持されたγ−アルミナ粉末にジニ
トロジアミン白金硝酸水溶液を含浸させ、120℃で3
時間乾燥後、250℃で3時間乾燥して白金(貴金属系
触媒A)と炭酸バリウムが担持されたγ−アルミナ粉末
を作製した。白金の担持量は、炭酸バリウムが担持され
たγ−アルミナ粉末1kgあたり20gであった。
【0051】還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む
粉末の調整 モルデナイト型ゼオライト粉末300gをオキシ硝酸ジ
ルコニウム水溶液に懸濁させ、これにアンモニウム水を
添加してpHを8以上に調整した後、濾過し、120℃
で3時間乾燥後、450℃で2時間焼成した。これを粉
砕して粉末とした後、硝酸ロジウム水溶液に分散させ、
濾過後、120℃で3時間乾燥し、400℃で2時間焼
成した後、粉砕し、ロジウム(貴金属系触媒B)が担持
されたゼオライト(還元剤吸収物質)粉末を作製した。
ロジウムの担持量は、ゼオライト粉末600gあたり2
gであった。
【0052】電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含
む粉末Aの調整 高純度酸化ランタン(三徳金属工業社(株)製)の粉末
10gと炭酸ストロンチウムの粉末100gと高純度ス
カンジウムの粉末(三徳金属工業社(株)製)45gを
乳鉢に入れて混合粉砕した後、電気炉に入れて空気雰囲
気中1600℃で10時間焼成してプロトン伝導性のペ
ロブスカイト型複合酸化物(イオン伝導性物質:X線回
折により、La0.9Sr0.1ScO3- α(α<0.25)
と同定)の粉末を合成した。次に酸化ニッケル300g
に水酸化リチウム6gを添加して650℃に加熱してリ
チウムをドープした酸化ニッケルを作成した。酸化ニッ
ケルの比抵抗は高いが、微量のリチウムを添加すること
で、比抵抗が劇的に低下することが知られており、溶融
炭酸塩型燃料電池のカソード電極材料として用いられて
いる。このリチウムをドープした酸化ニッケル(電子伝
導性物質)の微粉末100gをペロブスカイト型複合酸
化物の粉末全量に混ぜて、メノウ乳鉢でよくすりつぶ
し、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む粉末Aを
作成した。
【0053】電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含
む粉末Bの調整 セリウムとサマリウムをモル比8:2で混合した粉末を
1450℃で10時間焼成した後、遊星ボールミルで粉
砕し、ペロブスカイト型セリウム−サマリウム複合酸化
物(イオン伝導性物質:X線回折により、Ce0.8Sm
0.21.9と同定)の微粉末100gを作成した。これに
リチウムをドープした酸化ニッケル(電子伝導性物質)
の微粉末100gを混ぜて、メノウ乳鉢でよくすりつぶ
し、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む粉末Bを
作成した。
【0054】電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含
む粉末Cの調整 アルミナに酸化銀を加えて混合し、800℃で焼成して
酸化銀を含むアルミナ(イオン伝導性物質:X線回折に
より、AgAl1117と同定)を作製し、遊星ボールミ
ルで粉砕した粉末100gに、リチウムをドープした酸
化ニッケル(電子伝導性物質)の微粉末100gを混ぜ
て、メノウ乳鉢でよくすりつぶし、電子伝導性物質とイ
オン伝導性物質を含む粉末Cを作成した。
【0055】実施例1.直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライトハニカム基材3個に、上記で
得られた還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む粉末を
精製水に分散させ、バインダーとしてキャスタパルD
(ビスタケミカル社製:商品名)を用いてスラリー化
し、ウオッシュコート法によってコーティングして下層
を形成した後、上記で得られた電子伝導性物質とイオ
ン伝導性物質を含む粉末Aを同様にしてウオッシュコー
ト法によってコーティングして電気化学短絡層を形成
し、最後に、上記で得られたNOx吸収物質と貴金属
系触媒Aを含む粉末を同様にしてウオッシュコート法に
よってコーティングして上層を形成した。風乾後、25
0℃で乾燥し、その後600℃で20分間焼成して実施
の形態1に対応する実施例1のサンプルとした。
【0056】実施例2.実施例1と同様であるが、上記
で得られた電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む
粉末Bを用いて電気化学短絡層を形成し、実施の形態1
に対応する実施例2のサンプルとした。
【0057】実施例3.実施例1と同様であるが、上記
で得られた電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む
粉末Cを用いて電気化学短絡層を形成し、実施の形態1
に対応する実施例3のサンプルとした。
【0058】実施例4.直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライトハニカム基材3個に、上記で
得られた還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む粉末を
精製水に分散させ、バインダーとしてキャスタパルD
(ビスタケミカル社製:商品名)を用いてスラリー化
し、ウオッシュコート法によってコーティングして下層
を形成した後、上記で得られた電子伝導性物質とイオ
ン伝導性物質を含む粉末Aを同様にしてウオッシュコー
ト法によってコーティングして電気化学短絡層を形成
し、最後に、上記で得られたNOx吸収物質と貴金属
系触媒Aを含む粉末にさらに上記で得られた電子伝導
性物質とイオン伝導性物質を含む粉末Aを混合し、ウオ
ッシュコート法によってコーティングして上層を形成し
た。風乾後、250℃で乾燥し、その後600℃で20
分間焼成して実施の形態1に対応する実施例4のサンプ
ルとした。
【0059】実施例5.直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライトハニカム基材3個に、上記で
得られた還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む粉末に
さらに上記で得られた電子伝導性物質とイオン伝導性
物質を含む粉末Aを混合して精製水に分散させ、バイン
ダーとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製:商品
名)を用いてスラリー化し、ウオッシュコート法によっ
てコーティングして下層を形成した後、上記で得られ
た電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む粉末Aを同
様にしてウオッシュコート法によってコーティングして
電気化学短絡層を形成し、最後に、上記で得られたN
x吸収物質と貴金属系触媒Aを含む粉末を同様にウオ
ッシュコート法によってコーティングして上層を形成し
た。風乾後、250℃で乾燥し、その後600℃で20
分間焼成して実施の形態1に対応する実施例5のサンプ
ルとした。
【0060】実施例6.直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライトハニカム基材3個に、上記で
得られた還元剤吸収物質と貴金属系触媒Bを含む粉末に
さらに上記で得られた電子伝導性物質とイオン伝導性
物質を含む粉末Bを混合して精製水に分散させ、バイン
ダーとしてキャスタパルD(ビスタケミカル社製:商品
名)を用いてスラリー化し、ウオッシュコート法によっ
てコーティングして下層を形成した後、上記で得られ
たNOx吸収物質と貴金属系触媒Aを含む粉末に上記
で得られた電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む粉
末Bを同様にウオッシュコート法によってコーティング
して上層を形成した。風乾後、250℃で乾燥し、その
後600℃で20分間焼成して実施の形態2に対応する
実施例6のサンプルとした。
【0061】実施例7.直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライトハニカム基材3個に、上記の
ロジウムを担持させる前の還元剤吸収物質を含む粉末を
精製水に分散させ、バインダーとしてキャスタパルD
(ビスタケミカル社製:商品名)を用いてスラリー化
し、ウオッシュコート法によってコーティングして下層
を形成した後、上記で得られたNOx吸収物質と貴金
属系触媒Aを含む粉末に上記で得られた電子伝導性物
質とイオン伝導性物質を含む粉末Cを同様にウオッシュ
コート法によってコーティングして上層を形成した。風
乾後、250℃で乾燥し、その後600℃で20分間焼
成して実施の形態3に対応する実施例7のサンプルとし
た。
【0062】比較例.上記で得られた還元剤吸収物質
と貴金属系触媒Bを含む粉末50gと上記で得られた
NOx吸収物質と貴金属系触媒Aを含む粉末50gとを
精製水に加え、バインダーとしてキャスタパルD(ビス
タケミカル社製:商品名)を用いてスラリー化し、ウオ
ッシュコート法によって直径30mm、長さ30mmの
円筒状のコージェライト製セラミクスハニカム基材3個
にコーティングした後、250℃で乾燥後、600℃で
20分間焼成してコート層を形成し、比較例の触媒とし
た。
【0063】実施例1〜7および比較例のコージェライ
ト製セラミクスハニカム基材にコーティングされた各触
媒について、排ガス模擬ガスを用いてNOx除去効果の
評価試験を行った。排ガス模擬ガスとしては、プロパン
2000ppm、一酸化炭素4000ppm、一酸化窒
素580ppm、二酸化炭素7.1%、窒素バランスの
混合ガスに純酸素を追加する形でリーン排ガス模擬ガス
とリッチ排ガス模擬ガスを作製して用いた。リーン排ガ
ス模擬ガスでは、酸素を追加した後の酸素濃度を10%
とし、リッチ排ガス模擬ガスでは、酸素を追加した後の
酸素濃度を0.5%とした。
【0064】評価試験は、コージェライト製セラミクス
ハニカム基材3個を直列に配置して電気ヒーター加熱に
よって一定温度に保ち、リッチ排ガス模擬ガスとリーン
排ガス模擬ガスを切り換えて供給し、NOxの変化を測
定するという方法を用いた。NOxの濃度と同時に、一
酸化炭素、HC、酸素濃度、二酸化炭素濃度についても
リアルタイムでモニターするようにした。
【0065】評価試験1.電気ヒーターの設定温度を6
50℃に、排ガスの流量を毎分25リットルにそれぞれ
設定し、リッチ排ガス模擬ガスとリーン排ガス模擬ガス
をおよそ5分おきに切り換えて供給し、実施例1、4、
5および比較例についての比較試験を実施した。その結
果、実施例1、4、5では何れの場合もリーン排ガスモ
ードに切り換えた後のNOxの濃度上昇が比較例よりも
ゆるやかであり、しかも、リッチ排ガスモードに切り換
えた後のNOxのスリップ現象が比較例では顕著に起こ
るのに、実施例1、4、5では起こらなくなるという効
果が得られた。
【0066】評価試験2.電気ヒーターの設定温度を5
00℃に、排ガスの流量を毎分25リットルにそれぞれ
設定し、リッチ排ガス模擬ガスとリーン排ガス模擬ガス
をおよそ5分おきに切り換えて供給し、実施例2、6お
よび比較例についての比較試験を実施した。その結果、
実施例2、6では何れの場合もリーン排ガスモードに切
り換えた後のNOxの濃度上昇が比較例よりもゆるやか
であり、しかも、リッチ排ガスモードに切り換えた後の
NOxのスリップ現象が比較例では顕著に起こるのに、
実施例2、6では起こらなくなるという効果が得られ
た。
【0067】評価試験3.電気ヒーターの設定温度を3
50℃に、排ガスの流量を毎分25リットルにそれぞれ
設定し、リッチ排ガス模擬ガスとリーン排ガス模擬ガス
をおよそ5分おきに切り換えて供給し、実施例3、7お
よび比較例についての比較試験を実施した。その結果、
実施例3、7では何れの場合もリーン排ガスモードに切
り換えた後のNOxの濃度上昇が比較例よりもゆるやか
であり、しかも、リッチ排ガスモードに切り換えた後の
NOxのスリップ現象が比較例では顕著に起こるのに、
実施例3、7では起こらなくなるという効果が得られ
た。
【0068】また、上記実施例ではイオン伝導としてプ
ロトン伝導および酸素イオン伝導の場合について示した
が、低温での排ガス浄化ではプロトンが適し、また、高
温での排ガス浄化では炭酸イオン伝導や酸素イオンが適
している。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の第1の構成によ
れば、基材上に設けられて通気性を有し、還元剤吸収物
質と貴金属系触媒を含む下層、前記下層の上に設けら
れ、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む電気化学
短絡層、および前記電気化学短絡層の上に設けられて通
気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒を含む上層
を備えたので、電気化学短絡層において、電子伝導性物
質を介して電子を移動させると共に、イオン伝導性物質
を介してイオンを移動させて、NOxの還元と還元剤の
酸化を、共に電気化学的に反応させることができる。こ
のように、基材上に下層と電気化学短絡層と上層を形成
するだけのコンパクトでしかも簡単な構成で、電気化学
的に酸化反応と還元反応を進めることができる。また、
NOx吸収物質に吸収されているNOxが、リーン雰囲気
であっても、炭化水素の吸収物質に吸収されている還元
剤によって徐々に還元処理され、従って、頻繁にリッチ
な運転にする必要がない。また、雰囲気に関係なくNO
xが速やかに処理される効果がある。また、酸素によっ
て還元剤が無駄に消費されるのを防止できる。さらに、
リッチモードに切り替わった直後に発生するNOxスリ
ップが起こるのを防止できる。
【0070】また、本発明の第2の構成によれば、上記
第1の構成において、上層または下層に電子伝導性物質
とイオン伝導性物質を含むので、上層や下層にも電気化
学的な短絡のネットワークの網を張り巡らすことがで
き、NOxの還元と還元剤の酸化を、共に電気化学的に
よりスムースに行わせることができる。
【0071】また、本発明の第3の構成によれば、上記
第1または第2の構成において、電気化学短絡層は多孔
質であって通気性を有するので、容易に還元剤を下層に
ガス拡散させることができる。
【0072】また、本発明の第4の構成によれば、基材
上に設けられて通気性を有し、還元剤吸収物質と貴金属
系触媒と電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む下
層、および前記下層の上に設けられて通気性を有し、N
x吸収物質と貴金属系触媒と電子伝導性物質とイオン
伝導性物質を含む上層を備えたので、上記第1の構成に
おける電気化学短絡層の代わりに上層および下層に含ま
れる電子伝導性物質とイオン伝導性物質を介してそれぞ
れ電子とイオンを移動させて、NOxの還元と還元剤の
酸化を、共に電気化学的に反応させることができ、上記
第1の構成と同様の効果が得られる。またさらに、基材
上に上層と下層の2層を積層すればよく、簡単に製造で
きるという効果がある。
【0073】また、本発明の第5の構成によれば、基材
上に設けられて通気性を有し、還元剤吸収物質を含む下
層、および前記下層の上に設けられて通気性を有し、N
x吸収物質と貴金属系触媒と電子伝導性物質とイオン
伝導性物質を含む上層を備えたので、上記第1の構成に
おける電気化学短絡層の代わりに上層に含まれる電子伝
導性物質とイオン伝導性物質を介してそれぞれ電子とイ
オンを移動させて、NOxの還元と還元剤の酸化を、共
に電気化学的に反応させることができ、上記第1の構成
と同様の効果が得られる。またさらに、基材上に上層と
下層の2層を積層すればよく、しかも下層には還元剤吸
収物質を含んでいればよいので簡単に製造できるという
効果がある。
【0074】また、本発明の第6の構成によれば、上記
第1ないし第5の何れかの構成において、電子伝導性物
質としてリチウムをドープした酸化ニッケルを用いたの
で、優れた電子伝導性が得られる。
【0075】また、本発明の第7の構成によれば、上記
第1ないし第5の何れかの構成において、イオン伝導性
物質として酸化銀を含むアルミナを用いたので、幅広い
温度域において高いイオン伝導性が得られるという効果
がある。
【0076】また、本発明の第8の構成によれば、上記
第1ないし第5の何れかの構成において、電子伝導性物
質とイオン伝導性物質は、電子伝導性とイオン伝導性を
併せ持った固体電解質であるので、固体電解質が電子伝
導性とイオン伝導性の2つの性質を兼ね備えており、電
気化学的な短絡が得られやすい。
【0077】また、本発明の第9の構成によれば、上記
第1ないし第5の何れかの構成において、還元剤は炭化
水素であり、還元剤吸収物質はゼオライトであるので、
温度制御による吸脱着のコントロールが可能であり、ま
た、炭化水素の種類に応じてゼオライトの気孔径を選択
し、吸収効率を高めることができる。
【0078】また、本発明の第10の構成によれば、上
記第1ないし第5の何れかの構成において、還元剤は水
素であり、還元剤吸収物質は水素吸蔵合金であるので、
水素を高濃度に貯蔵することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による排ガス浄化用層
状電気化学触媒の一部を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1による排ガス浄化用層
状電気化学触媒の一部を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1による排ガス浄化用層
状電気化学触媒の一部を模式的に示す断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による排ガス浄化用層
状電気化学触媒の一部を模式的に示す断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による排ガス浄化用層
状電気化学触媒の一部を模式的に示す断面図である。
【図6】 従来のNOx吸収物質とHC吸収物質との混
合系の排ガス浄化用触媒の一部を模式的に示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 NOx吸収物質と貴金属系触媒を含む上層、2 還
元剤吸収物質と貴金属系触媒を含む下層、3 電子伝導
性物質とイオン伝導性物質とを含む電気化学短絡層、4
貴金属系触媒A粒子、5 貴金属系触媒B粒子、6
基材、7 イオン伝導性物質を通るイオンの流れを示す
矢印、8 電子伝導性物質を通る電子の流れを示す矢
印、9 バケツの形で模式的に表したNOx吸収物質、
10 バケツの形で模式的に表した還元剤吸収物質、1
1 NOx吸収物質へのNOxの出入りを示す矢印、12
還元剤吸収物質への還元剤の出入りを示す矢印、13
排ガス雰囲気中の水素(還元剤)、14 還元剤の下
層への拡散を示す矢印、15排ガス雰囲気のNO、16
排ガス雰囲気中の酸素、17 NOの上層への拡散を
示す矢印、18 排ガスの流れを示す矢印、19 排ガ
ス中の水素、20排ガス中のNO、21 NOx吸収物
質と貴金属系触媒と電子伝導性物質およびイオン伝導性
物質とを含む上層、22 還元剤吸収物質と貴金属系触
媒と電子伝導性物質およびイオン伝導性物質とを含む下
層、31 NOx吸収物質と貴金属系触媒と電子伝導性
物質およびイオン伝導性物質とを含む上層、32 還元
剤吸収物質を含む下層、36 還元剤吸収物質と上層と
のガス置換を示す矢印、41NOx吸収物質とHC吸収
物質とを含む層、42 HC吸収物質と排ガス中のHC
の置換を示す矢印、43 NOx吸収物質と排ガス中の
NOxの置換を示す矢印、44 触媒粒子、45 バケ
ツの形で模式的に表したHC吸収物質。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 秀規 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 本田 哲也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 片柴 秀昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 和知 敏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4D048 AA06 AB02 AC01 AC02 BA03X BA10X BA11X BA14X BA15X BA18X BA30X BA31Y BA32Y BA33X BA34X BA38X BA41X BA42X BA45X BB02 BB16 4G066 AA13B AA16B AA43B AA61B CA28 CA51 DA02 GA01 GA06 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA07A BA13A BA13B BB04A BB06A BB06B BB16A BB16B BC03A BC04A BC04B BC13A BC13B BC16A BC16B BC32A BC32B BC39A BC39B BC42A BC42B BC68A BC68B BC70A BC71A BC71B BC72A BC73A BC74A BC75A BC75B CA03 CA08 CA13 EA19 EB14Y EC27 EC28 EE06 FA03 FB15 FB23 ZA01A ZA06A ZA06B ZF05A ZF05B

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に設けられて通気性を有し、還元
    剤吸収物質と貴金属系触媒を含む下層、前記下層の上に
    設けられ、電子伝導性物質とイオン伝導性物質を含む電
    気化学短絡層、および前記電気化学短絡層の上に設けら
    れて通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒を含
    む上層を備えたことを特徴とする排ガス浄化用層状電気
    化学触媒。
  2. 【請求項2】 上層または下層に電子伝導性物質とイオ
    ン伝導性物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の
    排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  3. 【請求項3】 電気化学短絡層は多孔質であって通気性
    を有することを特徴と請求項1または2に記載の排ガス
    浄化用層状電気化学触媒。
  4. 【請求項4】 基材上に設けられて通気性を有し、還元
    剤吸収物質と貴金属系触媒と電子伝導性物質とイオン伝
    導性物質を含む下層、および前記下層の上に設けられて
    通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒と電子伝
    導性物質とイオン伝導性物質を含む上層を備えたことを
    特徴とする排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  5. 【請求項5】 基材上に設けられて通気性を有し、還元
    剤吸収物質を含む下層、および前記下層の上に設けられ
    て通気性を有し、NOx吸収物質と貴金属系触媒と電子
    伝導性物質とイオン伝導性物質を含む上層を備えたこと
    を特徴とする排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  6. 【請求項6】 電子伝導性物質としてリチウムをドープ
    した酸化ニッケルを用いたことを特徴とする請求項1な
    いし5の何れかに記載の排ガス浄化用層状電気化学触
    媒。
  7. 【請求項7】 イオン伝導性物質として酸化銀を含むア
    ルミナを用いたことを特徴とする請求項1ないし5の何
    れかに記載の排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  8. 【請求項8】 電子伝導性物質とイオン伝導性物質は、
    電子伝導性とイオン伝導性を併せ持った固体電解質であ
    ることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の
    排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  9. 【請求項9】 還元剤は炭化水素であり、還元剤吸収物
    質はゼオライトであることを特徴とする請求項1ないし
    5の何れかに記載の排ガス浄化用層状電気化学触媒。
  10. 【請求項10】 還元剤は水素であり、還元剤吸収物質
    は水素吸蔵合金であることを特徴とする請求項1ないし
    5の何れかに記載の排ガス浄化用層状電気化学触媒。
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