JP2002044914A - ディスク駆動モータ,モータロータおよびモータロータの製造方法 - Google Patents

ディスク駆動モータ,モータロータおよびモータロータの製造方法

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JP2002044914A
JP2002044914A JP2000220354A JP2000220354A JP2002044914A JP 2002044914 A JP2002044914 A JP 2002044914A JP 2000220354 A JP2000220354 A JP 2000220354A JP 2000220354 A JP2000220354 A JP 2000220354A JP 2002044914 A JP2002044914 A JP 2002044914A
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annular yoke
hub
forging
annular
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Tsunehisa Sekiguchi
常久 関口
Kazuo Kanbara
和夫 神原
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MIYAMOTO KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スピンドルハブに環状ヨークがきわめて強固に
結合一体化され、熱処理等によっても環状ヨークにゆる
みが生じないモータロータを安価に製造できる方法を提
供する。 【解決手段】スラグを鍛造加工してハブ本体10を予備
成形した後、該ハブ本体10の仕上げ成形時にハブ本体
10よりも硬質の環状ヨーク6を同時型鍛造して、該鍛
造中のハブ本体10の塑性流動材料により環状ヨーク1
0の底部、外周側面および上部開口円周部をハブ本体1
0で包み込み、ハブ本体10と環状ヨーク6を結合一体
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気ディスク駆動装
置などに使用されるディスク駆動モータ,モータロータ
およびモータロータの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの記録装置に使用されるハ
ードディスク駆動装置は、周知のように、装置本体に対
して回転自在に支持されたディスク取付け用ハブ(以下
スピンドルハブと称す)をディスク駆動モータよって回
転駆動することにより、当該ハブに載置されたディスク
を回転駆動するように構成されている。
【0003】詳述すると、図10に示すように、ディス
ク駆動モータは、装置本体側に固定されるステータアセ
ンブリAと、装置本体側に対して回転自在に支持された
ロータアセンブリBから構成されており、ロータアセン
ブリBは、ステータに設置された軸受けホルダ500の
内周面に対して一対のボールベアリング501,502
を介して回転自在に支持された回転軸503を備え、こ
の回転軸503の先端にスピンドルハブ504を固着し
ている。
【0004】前記スピンドルハブ504は非磁性体から
なっており、環状ヨーク取付け用の円筒部分505を有
し、この円筒部分505の内周面に磁性材からなる環状
ヨーク506が固定され、この環状ヨーク506の内周
面に、環状の駆動マグネット507が固定されている。
また、スピンドルハブ504の上端面中心部には、ディ
スクが設置されるべき環状段面が形成されており、この
部分に記憶容量の増加に対応して図示しないスペーサを
介して複数枚のディスクが積み重ねられるようになって
いる。
【0005】モータロータは上記したスピンドルハブ5
04、環状ヨーク506および駆動マグネット507か
ら構成されるが、かかるモータロータは、従来一般に、
次のような工程で製造されていた。すなわち、アルミニ
ウム等の非磁性金属材を型鍛造してハブ製造用のブラン
クを加工し、次に、穴抜き、焼鈍、潤滑剤塗布などの工
程を経て、再度、型鍛造して、最終製品としてのスピン
ドルハブ鍛造品を得る。その後、熱処理(T6処理)を
実施し、ついでスピンドルハブ鍛造品に仕上げ機械加工
を行い、スピンドルハブ504を得る。一方、これとは
別に、磁性金属板をプレス加工して環状ヨーク506を
製造しておく。
【0006】次に、環状ヨーク506をスピンドルハブ
504の円筒部分505に組み付ける工程に移る。この
工程に関して、従来、次の方法が知られている。 1)スピンドルハブ504の円筒部分505に開口側か
ら環状ヨーク506を挿入し、環状ヨーク506を接着
剤によりハブに接着する方式(接着方式)。 2)最終製品としてのスピンドルハブ504の円筒部分
505に開口側から環状ヨーク506を挿入し、かしめ
加工によって機械的に一体化する方式(かしめ方式)。
【0007】このような従来方法では、次のような問題
がある。すなわち、接着方式では、ハブの円筒部の内周
面とヨークの外周面の間の接着剤充填用のクリアランス
の存在により、ハブ円筒部と環状ヨークとの間に芯ズレ
が発生し、モータロータの回転バランスの悪化と回転に
伴う振れの増大を招く恐れがある。さらに、未硬化状態
の接着剤がガスとなって飛散し、ディスク等の記録面に
付着するおそれがある。また、円筒部分の開口部に、環
状端面とヨークの環状端面が露出した状態となるため、
仕上げ工程において、切削油や洗浄液などがこれら端面
の間を通って円筒部内周面とヨーク外周面の間に侵入、
残留し、それにより、使用時に残留液が染み出して、デ
ィスクの記録面等に付着するおそれがある。
【0008】かしめ方式は接着方式の不具合は解消され
るものの、切削加工された最終製品としてのスピンドル
ハブに対して施すので、かしめ応力によって歪みが発生
し、それによりハブの回転バランスが劣化するので、バ
ランサーを用いてバランスを調整する煩雑さが生ずる。
【0009】この対策として、特開平10−23719
号公報および特開平11−32463号公報において、
最終製品としてのスピンドルハブでなくこれを得る鍛造
工程時に環状ヨークの上下端をかしめる、鍛造時かしめ
方式が提案されている。すなわち、この鍛造時かしめ方
式は、スピンドルハブブランクを得る第1鍛造工程で円
筒部分を成形すると同時に、円筒部分の内周面に環状ヨ
ークの両端縁を全周にわたってかしめ固定するための第
1のかしめ部(開口側)と第2のかしめ部(底側)を成
形しておき、第2鍛造工程において、開口側から環状ヨ
ーク506を嵌入し、第1のかしめ部と第2のかしめ部
を押し潰して環状ヨーク506の軸方向両端の縁を全周
にわたって密閉された状態となるようにかしめ固定する
というものである。
【0010】しかし、この鍛造時かしめ方式では、加工
が面倒な割に固定性能がかんばしくないという問題があ
る。その問題点を詳述すると次のとおりである。第1
に、2ヶ所でかしめ(押し潰し)を環状に実施しなけれ
ばならないので、かしめ中の歪み、残留応力の発生によ
り均一に密閉されない恐れがあり、このようにかしめが
均一に実施されないことにより、完成装置の使用中に一
部に緩みが発生する。
【0011】第2に、スピンドルハブは、強度特性、切
削特性、寸法安定性を向上するためT6熱処理が施され
る場合があるが、この方式のように鍛造時にかしめる方
法を採用した場合には、かしめ後に前記熱処理を実施す
ることになる。しかし、スピンドルハブは材質がアルミ
ニウム合金、環状ヨークは材質が鉄系磁性材料であるこ
とが多いので、2材料の熱膨張率の差によって熱処理中
にかしめ部分が緩むおそれがある。とくに、溶体化熱処
理は500℃もの高温で実施されるため、2材料の熱膨
張率の差は現状のハブ形状φ30mmでは0.08mm
も及び、これによってかしめが緩む危険が高いものとな
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するためになされたもので、その目的とす
るところは、スピンドルハブに環状ヨークがきわめて強
固に結合一体化され、環状ヨークにゆるみが生じないモ
ータロータを安価に製造できる方法を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、スピンドルハブに環状
ヨークがきわめて確実に一体化された高性能なモータロ
ータとこれを用いたディスク駆動モータを提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、非磁性金属を用いてモータロータに使用され
るハブを製造するに際し、スラグを鍛造加工してハブ本
体を予備成形した後、該ハブ本体の仕上げ成形時にハブ
本体よりも硬質の環状ヨークを同時鍛造し、該鍛造中の
ハブ本体の塑性流動により環状ヨークの底部、外周側面
および上部開口円周部をハブ本体で包み込み、ハブ本体
と環状ヨークを一体化結合することを特徴としている。
【0014】より具体的には、アルミニウム合金からな
る円柱スラグを予備鍛造成形し、これを仕上げ鍛造によ
ってハブの外周部及び全体形状を成形しながら、予め用
意された硬質の磁性材料からなる環状ヨークをハブの円
筒部分に装入し、この鍛造時のアルミニウム合金の塑性
流動でハブ本体と環状ヨークを複合一体化するものであ
る。
【0015】好ましくは、環状ヨークは、その外周部に
溝、凹みなどから選択される凹部を設けたものを使用
し、鍛造成形時の塑性流動時に前記凹部にハブ本体の一
部を流し込む。これにより、強固な結合状態と密着性、
シール性の良い結合構造が得られる。
【0016】さらに本発明は、環状ヨークが外周部に低
融点金属を被覆しているものを含んでいる。そして、塑
性流動によりハブ本体と環状ヨークを一体化した後、所
定の加熱処理を施すことにより低融点金属を環状ロータ
とハブ本体に拡散させ、冶金的にも環状ロータとハブ本
体結合させることを特徴としている。加熱処理はハブ本
体のT6処理、特に時効処理を考慮してその効果が最適
になる様に実施される。
【0017】
【発明の実施形態】以下本発明の実施例を添付図面を参
照して説明する。図1ないし図6は本発明によるモータ
ロータの製造方法の第1態様を示している。図1(a)
と(b)は第1態様の工程例を示している。まず、ハブ
製造用の非磁性金属例えばアルミニウム合金(2000
系合金,6000系合金)を所定の長さに切断して円柱
状のスラグとし、該スラグを焼鈍し、潤滑し、重量選別
を行なった後、鍛造型に装填し、冷間鍛造する。これが
一次鍛造工程であり、この工程を終えた一次鍛造品はカ
ップ状をなし、厚肉のカップ状部を囲繞するように筒部
分が形成される。
【0018】ついで、プレス機械などにおいて一次鍛造
品のカップ状部の底部分に穴抜き加工を施し、ハブ本体
(2次鍛造用ブランク)10を得る。ハブ本体10は、
図2のように、中心に貫通孔200を有する厚肉のカッ
プ状部2の天頂半径方向端に円筒部分3が形成されてい
る。円筒部分3の付け根内側領域は平坦でもよいし、環
状凹部4が形成されその内側に適度の高さの突台部5が
形成されていてもよい。 ハブ本体10はついで焼鈍さ
れ、潤滑される。その後、図1(a)のように溶体化処
理(T4)されるか、またはT6処理される。
【0019】一方、ハブ本体10とは別に、磁性材料た
とえば鉄などをプレス加工して環状ヨーク6を作ってお
く。前記環状ヨーク6は、ハブ本体10の円筒部分3の
内径D1よりも適度に小さな外径D2を有し、高さHは
円筒部分3の開口端から前記環状凹部4の底までの寸法
と同等以下となっている。そして、この例では、下端に
前記環状凹部4に当接し得る短い内つば6bが形成され
ている。
【0020】前記環状ヨーク材6の外周部分には、鍛造
時にハブ本体10の構成材料の塑性流動部分を受入れて
楔着を図るための凹部6aが設けられている。図3
(a)(b)は前記凹部6aの第1の例を示しており、
比較的小さな袋穴から構成されている。この場合、袋穴
は円周上で1個または複数個等間隔に設けられる。袋穴
の形状は図示するものでは正面から見て円形であるが、
これに限らず星状、十文字状など任意であり、断面形状
も三角状、弧状、コ字状など任意である。
【0021】図3(c)は凹部6aの第2の例を示して
おり、所要の幅と長さを有する溝から構成されている。
この溝は全周に設けられてもよいし、部分的に分断され
た間欠的なものでもよい。溝の数は1条でもよいし、多
条であってもよい。また螺旋状をなしていてもよい。図
3(d)は凹部6aの第3の例を示しており、ショット
ブラストやショットピーニングなどによって意図的に形
成された微小な凹凸(梨子地状)からなっている。この
微小な凹凸により後述する鍛造時に塑性流動材料との接
触面積を大幅に増すことができる。
【0022】ついで、ハブ本体10は外周部と全体形状
の成形のため型鍛造方式により2次鍛造されるが、本発
明はこの2次鍛造時に環状ヨーク6をハブ本体10と同
時鍛造して複合一体化する。図4(a)(b)はこの2
次鍛造工程の開始時の状態を示している。7は雌型(ダ
イス)であり、製品としてのスピンドルハブの外面形状
に対応する型面70を有し、これに前記ハブ本体10が
内嵌される。
【0023】環状ヨーク6はハブ本体10の円筒部3の
開口から装填される。この実施例では、内つば6bがハ
ブ本体10の環状凹部4に受支されることにより位置決
めされる。この状態でパンチ8を進出させる。パンチ8
は製品の内面形状に対応するように精密に仕上げられた
型部80を有しており、型部80は前記環状ヨーク6の
内径寸法よりも0.02〜3%程度より好適には0.0
3〜1%程度大きく作られている。型部80の基端部分
には環状ヨーク6の上端に接してこれを拘束する段部8
1を有しており、これに続いて、ハブ本体10の円筒部
分3の頂端面に当接する上端用型部82を有している。
【0024】パンチ8が下されると、図4(b)のよう
にパンチ8の型部80が環状ヨーク6の内面60に進入
する。環状ヨーク6はハブ本体10の円筒部3に嵌めら
れており、その円筒部3の外周面32は雌型7の型面7
0によって拘束されている。したがって、型部80が押
し入れられることにより、環状ヨーク6は半径方向に強
圧され、ハブ本体10の円筒部3を含む全体が雌型7の
型面70に対して圧縮されるため、この応力により環状
ヨーク6に比較して軟質のハブ本体材料は型面70との
間に存するすき間にむかって押し出され、塑性流動す
る。そして、パンチ8の押し入れ終期には、図5のよう
に、円筒部3の頂面に上端用型部81が接し、雌型7に
よって密閉空間を形成する。
【0025】したがって、ハブ本体10は型面70によ
って外部形状が成形され、パンチ8の型部80によって
内部形状が成形されるが、これにとどまらず、ハブ本体
10の鍛造による内部応力により塑性流動したハブ本体
構成材料が環状ヨーク材6の外周面62に圧接され、そ
れと同時に、図6のように一部材料100が環状ヨーク
外周部の凹部6aに流入し、あたかもくさびが打ち込ま
れたような状態で環状ヨーク6の外周部がハブ本体10
と強固に結合される。環状ヨーク6の凹部6aが粗面
(微小な凹凸)からなっている場合、その微小な凹部群
に鍛造時の塑性流動材料が流入するため、環状ヨーク6
の外周部がハブ本体10と強固に結合される。
【0026】また、パンチ8の型部80の中間段面83
がハブ本体10におけるカップ状部頂面の突台部5と環
状ヨーク6の内つば6bとをそれぞれ強圧するため、内
つば6bの下面が環状凹部4に塑性流動によって一体化
されるとともに、突台部5を構成している一部材料10
1が環状凹部4を埋めるように半径方向に塑性流動し、
内つば6bの内径面に圧接する。これにより、環状ヨー
ク6の下側部分がハブ本体10と強固に結合される。
【0027】さらに、パンチ8の段部81で環状ヨーク
6上端部が拘束された状態で、上端用型部82がハブ本
体10の円筒部頂面に圧接されるため、円筒部3の頂部
材料102が内径方向に向かう方向に塑性流動して環状
ヨーク6の上端外縁部分を包むように流れ込む。これに
より、環状ヨーク6の上端部分がハブ本体10と強固に
結合される。頂部材料102は、先行技術のように一次
鍛造でかしめ用の内つばを筒部開口縁に形成しておいて
それを潰したものとは異なり、あくまでも、密閉型鍛造
による材料の塑性流動で形成されたものであるから、環
状ヨーク6の上端部と確実に密着する。
【0028】以上のような挙動により、ハブ本体10が
仕上げ形状に鍛造成形されると同時に、ハブ本体構成材
料の塑性流動によって、環状ヨーク6がハブ本体10と
一体化され、ヨーク複合ハブ1が得られる。すなわち、
環状ヨーク6の底部、外周部および上端開口縁部がハブ
本体に密閉状に包み込まれ、それと同時に塑性流動した
材料が凹部6aに流入することにより強固な結合状態が
得られる。
【0029】なお、鍛造成形時に発生する内部応力によ
って環状ヨーク6はパンチ型部80に挟圧され、鍛造終
了時にパンチ8が引き抜かれる際にしごかれるため、環
状ヨーク6の内周真円度も高められる。すなわち、一般
に、プレス加工によって得られる環状ヨークの真円度は
±0.08mm程度の精度ばらつきを生じるが、上記成
形を実施することにより、真円度が±0.01mm程度
になり、精度及びばらつきの双方が改善される。
【0030】以上の2次鍛造(仕上げ鍛造)の後は、ハ
ブ本体10が図1(a)のように1次鍛造後に溶体化処
理(T4)のみを施されたものである場合には、複合一
体化後に時効処理(T5)を施す。ハブ本体10が図1
(b)のように複合一体化前にT6処理を施したもので
ある場合には、熱処理は実施しない。塑性流動による一
体化結合を効果的に達成するには、図1(a)のように
溶体化処理のみを行なった状態で環状ヨーク6を同時鍛
造する工程の方が、ハブ本体10の伸びを利用できる点
から好適である。しかし、ハブ本体の材質や形状によっ
ては、図1(b)のような溶体化処理+時効処理(T
6)を施した後に複合一体化を行なうのが合理的であ
る。いずれにしても、ヨーク複合ハブ1は洗浄が施され
てスピンドルハブ製品となる。あとは、環状ヨーク6に
対し、駆動マグネットを接着など任意の方法により取り
付けることによりロータアセンブリとなる。
【0031】図7ないし図9は本発明の第2実施態様を
示している。この実施例においては、環状ヨーク6とし
て、表面ことに外周表面に軟質の低融点金属を被覆した
複合材を使用する。図7において6cは被覆層である。
この被覆層6cは、厳密には、低融点金属と母地との合
金層と低融点金属層とから構成される。
【0032】低融点金属は環状ヨーク6およびハブ本体
10となじみのよいもの、たとえば、融点160〜40
0℃を示すSn−Zn−Al系合金のはんだなどが挙げ
られる。被覆層6cの厚さはハブの寸法精度を損なわ
ず、かつ冶金的接合が十分となるように適宜選定すれば
よく、通常10〜200μmの範囲から選ばれる厚さと
なるように塗布、浸漬、めっき、蒸着など所望の手法に
よって形成すればよい。たとえば、低融点合金を超音波
振動によりコーテングしたり、フラックスを予め塗布し
フラックスを介してコーテングする方法がある。後者の
方法は、槽内に低融点合金を収容して槽全体を超音波加
振する方法、超音波加振装置の付属したへらを用いる方
法などがある。なお、環状ヨーク6は第1態様と同じよ
うに外周部に凹部(粗面を含む)6aを有していてもよ
く、この場合、被覆層6cはその凹部の表面にも施され
る。
【0033】前記のように被覆層6cを設けた環状ヨー
ク6は、第1実施例と同じように雌型7に装填されてい
るハブ本体10の円筒部分3の開口から装填され、パン
チ8を進入させることにより2次鍛造される。このとき
使用されるハブ本体10は、原則的には熱処理が施され
ている。すなわち、図1(a)のように溶体化処理(T
4)が施されているか、または、図1(b)のようにT
6処理が施されている。
【0034】この2次鍛造時に、ハブ本体構成材料の塑
性流動により環状ヨーク6がハブ本体10と一体に結合
されるとともに密閉されることになる。すなわち、環状
ヨーク6の底部、外周部(被覆層6c)および上端開口
縁部がハブ本体10で包み込まれる。図8はこのときの
状態を示している。包み込みの挙動ないしメカニズムは
第1実施態様を援用するが、第2実施態様は、鍛造によ
る材料の塑性流動時に、比較的柔らかい被覆層6cがク
ッション材として機能するため、第1実施態様の場合よ
りも密着性の良い結合が得られる。なお、環状ヨーク6
が外周部62に凹部6aを有しているときには、塑性流
動した材料が凹部6aに流入することにより一層強固な
結合状態が得られる。
【0035】こうして得られたヨーク複合ハブ1’の前
記結合をさらに強固にするため、加熱処理を実施するこ
とが有効である。加熱処理は400℃以下、好ましくは
160〜250℃で実施する。その理由は加熱処理が1
60℃以下では低融点合金が溶融しないため金属接合が
なされない。一方、250℃を越えるとあらかじめ熱処
理を施したハブ本体10の強度が低下したり、寸法安定
性、切削性に害を及ぼすことになるからである。
【0036】このように加熱処理を施した場合、被覆層
6cはハブ本体側および環状ヨーク側に熱拡散され、図
9(b)のように拡散層6dが形成される。したがっ
て、この第2実施態様によれば、鍛造時の塑性流動によ
り機械的に結合した上に、冶金的にも接合され、それら
の相乗効果により接合強度と密着性はより確実なものと
なり、環状ヨーク6をきわめて強固にハブ本体と一体結
合することができる。なお、低融点金属が溶融点が25
0℃以上のものである場合には、一般的に加熱処理は施
さない。本発明はこの態様も含むもので、この場合に
は、低融点金属はハブ本体10と環状ユーク材6の密着
性を向上する機能を発揮する。
【0037】以上の説明はあくまでもいくつかの実施例
であり、本発明はこれに限定されるものではない。 1)スピンドルハブの形状は種々の態様をとることがで
き、たとえば中央の貫通孔の周囲に底部からボスが形成
されるが、そのボスは長く伸びていてもよい。 2)環状ヨーク6は必ずしも内つば6bを有していなく
てもよい。
【0038】本発明は環状ヨーク6をかしめによってハ
ブ本体10に固定する方式ではないから、一次鍛造品に
は特にかしめ用部を形成しないですむ。したがって、一
次鍛造品の成形が容易になることに加えて、環状ヨーク
10のハブ本体10に対する装填・セットも容易かつ正
確に行なえる。すなわち、先行技術では筒状部開口側に
内つば形状のかしめ用部を形成するため、環状ヨークの
装填が困難になりやすく、傾斜されたままセットされて
しまう危険がある。また、せっかく形成しておいてかし
め用部が環状ヨークによって削り取られてしまい、用を
なさなくなるトラブルも発生しやすい。本発明は筒状部
開口はストレートでよいから、前記のような問題が生じ
ない。
【0039】かしめ用部を設けていなくても、本発明
は、2次鍛造時の鍛造成形に伴う材料の塑性流動によっ
て環状ヨーク6の上端外縁部が流動材料102によって
包み込まれるので、その後の機械加工での切削油の侵
入、あるいは洗浄工程での洗浄液の侵入も防止できるよ
うになる。
【0040】さらに本発明では、仕上げ成形時の環状ヨ
ークの一体化結合と同時に結合した環状ヨークの内径真
円度の精度向上が達成できるので、結果的に芯ずれの発
生していない状態にすることができる。このため、最終
的に得られるモータロータの回転バランスがよくなる利
点が得られる。
【0041】本発明は、環状ヨーク6をハブ本体10に
圧入する方式ではない。圧入方式ではこの工程に先立っ
てハブ本体を機械加工しなければならなくなるので、工
程が複雑になるとともにコストアップになる。そのう
え、圧入方式では機械的に重なっているだけであるた
め、熱や応力の履歴があると緩みが生じ、確実かつ安定
した結合状態が得られないという問題がある。本発明は
ハブ本体10の仕上げ成形時にハブ本体10よりも硬質
の環状ヨーク6を同時型鍛造し、該鍛造中のハブ本体1
0の塑性流動により環状ヨーク10の底部、外周側面お
よび上部開口円周部をハブ本体10で包み込むので、圧
入方式の難点を解消することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、スピンドルハブ製造の2次型鍛造において、スピン
ドルハブを構成する材料の塑性流動で環状ヨーク6とハ
ブ本体10を一体結合させ、環状ヨーク6の外周部、底
部、上端部の全体を包み込むので、簡単、迅速、安価に
ヨーク付きスピンドルハブを得ることができる。しか
も、かしめ方式の場合のようにハブ本体の筒状部開口域
にかしめ用の環状つばを一次鍛造で成形しておく必要も
ないため、一次鍛造が容易になるばかりか、環状ヨーク
のハブ本体へのセットも簡単になり、能率を向上するこ
とができる。
【0043】また、かしめ加工は、予め形成した専用の
つばを潰すことで環状ヨークの上下両縁を固定するため
固定力に不安が付きまとうが、本発明ではハブを構成す
る材料が塑性流動で環状ヨーク6の外周面および底面の
すみずみに密接するので広い面で摩擦的保持力が構成さ
れ、強固な結合が得られる。しかも、塑性流動した材料
は環状ヨーク6の上端周縁にも到り、環状ヨークが密閉
されるので、仕上げの切削加工などでの切削油、洗浄液
の侵入が解消される。また、環状ヨークは真円度も向上
されるので、動バランス特性の良好で、切削加工時に加
工代の少ない高精度の製品となる。
【0044】請求項2によれば、複合一体化用の環状ヨ
ーク6として外周部に凹部6aを有したものを使用し、
鍛造成形時の塑性流動時に前記凹部6aにハブ本体10
の材料の一部100を流し込むので、楔着作用により相
対回転が皆無の極めて強固な一体化結合が可能となると
いうすぐれた効果が得られる。
【0045】請求項3によれば、環状ヨーク6が外周部
に低融点金属を被覆しているので、複合鍛造時にハブ本
体10の材料が塑性流動するときに低融点金属がクッシ
ョン材となり、塑性流動がよりスムーズに行われる。こ
のため、環状ヨーク6との密着性が向上し、強度、シー
ル性で良好な結果が得られる。
【0046】請求項4によれば、請求項4の効果に加え
て、熱処理時に低融点金属が溶融して微小なすき間を埋
めるほか、ハブ内面と環状ヨーク外周面に拡散して拡散
層を形成するので、環状ヨーク6は冶金的に隙間なく強
固に接合され、強度面、密閉性、シール性をさらに著し
く向上することができるというすぐれた効果が得られ
る。
【0047】請求項5によれば、2次鍛造時の素ハブ本
体の塑性流動により環状ヨークがハブと強固に一体化し
ており、真円度もよいため動バランス特性が良好でディ
スクに対して正確な記録再生を行うことができ、また、
環状ヨーク6が完全に密閉されてハブ本体と一体化して
いるので、記録再生動作の不具合もないというすぐれた
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるモータロータの製造方法
の工程例を示す説明図、(b)は同じく他の工程例を示
す説明図である。
【図2】一次鍛造品を示す断面図である。
【図3】(a)は本発明で使用する環状ヨークの一例を
示す平面図、(b)は同じくその部分切欠側面図、
(c)は本発明で使用する環状ヨークの他例を示す部分
切欠側面図、(d)はもう一つの例を示す部分切欠側面
図である。
【図4】(a)は第1態様の2次鍛造開始時の状態を示
す断面図、(b)はその一部拡大図である。
【図5】2次鍛造終期の状態を示す断面図である。
【図6】図3(a)(b)の環状ヨークを使用した場合
の2次鍛造終了状態を示す部分的拡大断面図である。
【図7】(a)は本発明の第2態様に使用する一例を示
す部分切欠側面図、(b)はその一部拡大図である。
【図8】(a)は第2態様の2次鍛造終了状態を示す断
面図、(b)はその一部拡大図である。
【図9】(a)は第2態様の熱処理後の状態を示す断面
図、(b)はその一部拡大図である。
【図10】(a)、(b)はそれぞれディスク駆動モー
タの構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
3 円筒部 6 環状ヨーク 6a 凹部 10 ハブ本体 100,101,102 塑性流動材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 BA03 BA20 BA28 BA31 5H002 AA08 AA09 5H615 AA01 BB01 BB14 PP02 SS03 SS13 SS15 SS24 TT12 5H621 HH01 JK19 5H622 CA05 PP17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性金属を用いてモータロータに使用さ
    れるハブを製造するに際し、スラグを鍛造加工してハブ
    本体10を予備成形した後、該ハブ本体10の仕上げ成
    形時にハブ本体10よりも硬質の環状ヨーク6を同時型
    鍛造し、該鍛造中のハブ本体10の塑性流動により環状
    ヨーク10の底部、外周側面および上部開口円周部をハ
    ブ本体10で包み込み、ハブ本体10と環状ヨーク6を
    結合一体化することを特徴とするモータロータの製造方
    法。
  2. 【請求項2】環状ヨーク6として外周部に凹部6aを有
    したものを使用し、鍛造成形時の塑性流動時に前記凹部
    6aにハブ本体10の材料の一部100を流し込む請求
    項1に記載のモータロータの製造方法。
  3. 【請求項3】環状ヨーク6として外周部に低融点金属の
    被覆層6cを有しているものを使用する請求項1または
    2のいずれかに記載のモータロータの製造方法。
  4. 【請求項4】塑性流動によりハブ本体10と環状ヨーク
    6を一体化した後、所定の加熱処理を施すことにより低
    融点金属を環状ロータ6とハブ本体10に拡散させ、冶
    金的にも環状ヨーク6とハブ本体10を結合させる請求
    項3に記載のモータロータの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載された
    製造方法によって製造されたことを特徴とするモータロ
    ータ。
  6. 【請求項6】請求項5に記載されたモータロータを有す
    ることを特徴とするディスク駆動モータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002126852A (ja) * 2000-10-24 2002-05-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 流体回路部材の製造方法
JP2002126851A (ja) * 2000-10-24 2002-05-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属部材を接合したヒートプレートの製造方法
WO2008015863A1 (fr) * 2006-08-02 2008-02-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Appareil d'alimentation électrique et véhicule comportant celui-ci

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